JPH1149669A - 抗ウイルス剤含有テープ製剤 - Google Patents

抗ウイルス剤含有テープ製剤

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JPH1149669A
JPH1149669A JP22440697A JP22440697A JPH1149669A JP H1149669 A JPH1149669 A JP H1149669A JP 22440697 A JP22440697 A JP 22440697A JP 22440697 A JP22440697 A JP 22440697A JP H1149669 A JPH1149669 A JP H1149669A
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JP
Japan
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antiviral agent
tape preparation
sensitive adhesive
adhesive layer
pressure
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JP22440697A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Okubo
勝之 大久保
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗ウイルス剤の放出性の高い抗ウイルス剤含
有テープ製剤を提供する。 【解決手段】 アクリル系粘着剤30〜94.99重量
%、セバシン酸ジエチル5〜69.99重量%、抗ウイ
ルス剤0.01〜20重量%を含有する粘着剤層を、支
持体の片面に直接的若しくは間接的に設けて、本発明に
係る抗ウイルス剤含有テープ製剤を提供する。また、当
該粘着剤層に、非イオン性界面活性剤を0.01〜20
重量%配合してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗ウイルス剤含有
テープ製剤に関する。詳細には、抗ウイルス剤をアクリ
ル系粘着剤に配合し、経皮的に投与することを目的とし
たテープ製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】抗ウイルス剤あるいは抗ウイルス作用を
有する薬物として、プリン骨格
【0003】
【式1】
【0004】を基本骨格とするプリン誘導体、あるいは
ピリミジン骨格
【0005】
【式2】
【0006】を基本骨格とするピリミジン誘導体が知ら
れている。
【0007】具体的に言うと、プリン誘導体としては、
ビダラビン、アシクロビル及びこれらの薬理学的に許容
される塩などがあり、ピリミジン誘導体としては、イド
クスウリジン、シタラビン、ジドブジン及びこれらの薬
理学的に許容される塩などがある。
【0008】これらの薬物については、各種のウイルス
性疾患に対する治療薬として開発が進められ、一部は上
市に至っているが、外皮用薬剤としては、軟膏剤のよう
な塗布形態の製剤しか上市されていないのが現状であ
る。
【0009】これらの塗布形態の製剤は、定量的に塗布
することが困難であり、また、塗布後に衣類等で拭いさ
られる懸念があるので、有効量を的確に投与することが
できない。これに対し、皮膚面に貼布して用いられる貼
付製剤は定量的な投与が容易で、且つ、衣類等で拭いさ
られる懸念がなく、しかも、投与を中止したい場合に
は、皮膚より剥すことにより簡単に投与を中止すること
ができるなどの様々な利点を有する。これらの点を鑑み
れば、抗ウイルス剤を含有した貼付製剤が望まれるとこ
ろである。
【0010】貼付製剤は、基剤中に水分を含むパップ剤
と、基剤中に水分を含まないテープ製剤とに大別される
が、前者は、基剤からの水分蒸発により各種の物性が変
化しやすいことや、基剤中の水分によって薬物が加水分
解しやすいといった安定性での問題点や、基剤層の膜厚
を薄くすることの難しさから厚めの製剤となり、製剤の
取扱い性が悪くなるという問題点があった。これらの点
において、冷感による抗炎症作用を期待しない限り、貼
付製剤としては、パップ剤よりもテープ製剤の方が好ま
しく、抗ウイルス剤の貼付製剤化においても、形態とし
てはテープ製剤の方が望ましい。
【0011】しかしながら、抗ウイルス剤をテープ製剤
化するためには次のような解決すべき課題があった。つ
まり、テープ製剤で薬効を発現させるためには、薬物が
テープ製剤からある程度速やかに放出されることが必要
であり、そのためには、基剤層表面の薬物が速やかに放
出され、さらに基剤層内部の薬物も放出されることが必
要である。
【0012】一般に、ビダラビンやアシクロビルなどの
抗ウイルス剤は、テープ製剤の基剤に対して相溶性の高
い有機溶媒(酢酸エチル、トルエン、ヘキサンなど)へ
の溶解性が低く、テープ製剤の基剤への溶解性も低くな
る。その結果、基剤中に抗ウイルス剤を配合しても、基
剤中での抗ウイルス剤の拡散が充分でなく、基剤層表面
の薬物のみの放出となり、抗ウイルス剤の放出性は低い
ことが予想される。すなわち、抗ウイルス剤をテープ製
剤化する場合には、抗ウイルス剤の放出特性を改善する
必要があった。
【0013】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、抗ウイルス剤の放出性の高い抗ウイル
ス剤含有テープ製剤を提供することにある。
【0014】そこで、本発明者は、上記課題を解決する
べく検討を重ねた結果、テープ製剤の基剤として、ゴム
系粘着剤よりもアクリル系粘着剤を用いた場合が放出性
が高く、アクリル系粘着剤に液状成分を組み合わせるこ
とでより放出性が上がることを確認したが、液状成分の
中でも、セバシン酸ジエチルが特異的に薬物放出促進効
果があることを見い出した。すなわち、抗ウイルス剤を
セバシン酸ジエチルとともにアクリル系粘着剤に配合す
ることにより、上記課題を解決することを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る抗ウイルス
剤含有テープ製剤は、支持体の片面に直接的若しくは間
接的に抗ウイルス剤を含有してなる粘着剤層を設けてな
るテープ製剤であって、前記粘着剤層は、アクリル系粘
着剤30〜94.99重量%、セバシン酸ジエチル5〜
69.99重量%、抗ウイルス剤0.01〜20重量%
を含有することを特徴としている。
【0016】すなわち、本発明の抗ウイルス剤含有テー
プ製剤において、支持体の片面に形成される粘着剤層
は、抗ウイルス剤とアクリル系粘着剤及びセバシン酸ジ
エチルとを必須成分として含み、適度な皮膚接着力と凝
集力とを備えている。
【0017】本発明の抗ウイルス剤含有テープ製剤の粘
着剤層に含有する抗ウイルス剤は、その治療目的に応じ
て任意に選択することができる。例えば、プリン誘導体
またはピリミジン誘導体の薬物であって、皮膚面上に滞
留するものではなく、皮下若しくは血中にまで浸透し
て、局所作用若しくは全身作用を発揮する経皮吸収可能
な薬物を用いることができる。具体的には、ビダラビ
ン、アシクロビル、イドクスウリジン、シタラビン、ジ
ドブジン及びこれらの薬理学的に許容される塩が、特に
好適な薬物として挙げられる。
【0018】これらの抗ウイルス剤の含有量は、薬物種
や投与目的に応じて適宜設定することができるが、通
常、粘着剤中に0.01〜20重量%、好ましくは0.
1〜10重量%程度の範囲である。含有量が0.01重
量%に満たない場合には、治療や予防に有効な量の放出
が期待できない場合があり、また、20重量%を超える
と増量による効果の増大が期待できないので、経済的に
不利であるばかりか、皮膚に対する接着性が劣る傾向を
示す。
【0019】なお、本発明においては、上記抗ウイルス
剤は粘着剤中にその全部が溶解している必要はなく、粘
着剤への溶解度以上の抗ウイルス剤を含有させ、未溶解
状態の抗ウイルス剤が含有されていてもよいものであ
る。この場合には、未溶解状態の抗ウイルス剤は、粘着
剤層中に均一に分散されているのが望ましい。
【0020】本発明における粘着剤層の主成分となるア
クリル系粘着剤は、適度な皮膚接着性と粘着剤層の保型
性を有するものである。なお、一般的に粘着剤として用
いられている天然ゴムや合成ゴムを主体とするゴム系粘
着剤やシリコーン系粘着剤では、抗ウイルス剤の溶解性
や放出性が著しく低かったりするので、本発明において
は好ましいものではない。
【0021】このようなアクリル系粘着剤は、通常のア
クリル系粘着剤に用いられる(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを主成分単量体として、これに共重合可能な
単量体とを共重合することによって得られる。なお、本
発明において、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及
びメタクリル酸の両者を含む概念として用いるものであ
る。
【0022】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、具体的にはアルキル基が、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ウンデシル、ドデシル、トリデシルなどの炭素数が4〜
13の直鎖アルキル基や分岐アルキル基などを有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これ
らの1種若しくは2種以上を用いることができる。
【0023】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルは、上記例示のものに限定されるものではなく、
本発明の特性を変化させない範囲であれば、炭素数1〜
3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルや炭素数14以上のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを併用することもできる。
【0024】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合することができる単量体としては、共重合反応
に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有
するものが使用できる。当該単量体は、分子内に官能基
を有するものが好ましいが、官能基を有していないもの
でも使用できる。
【0025】官能基を有する単量体としては、カルボキ
シル基(例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸など)やヒドロキシル基(例え
ば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなど)、ス
ルホキシル基(例えばスチレンスルホン酸、アリルスル
ホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリ
ルアミドメチルプロパンスルホン酸など)、アミノ基
(例えば(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、
(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエス
テルなど)、アミド基(例えば(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアク
リルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドな
ど)、アルコキシル基(例えば(メタ)アクリル酸メト
キシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリ
コールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレ
ングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポ
リエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メ
トキシポリプロピレングリコールエステル、(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなど)などの
官能基を側鎖に有するものが使用できる。これら以外に
共重合できる単量体としては、例えば(メタ)アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニル
ピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニ
ルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニ
ルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサ
ゾール、ビニルモルホリンなどを用いることができる。
【0026】これらの単量体は一種若しくは二種以上共
重合することができるが、粘着特性としての接着性や凝
集性、粘着剤層を架橋処理する際の反応性などの点か
ら、カルボキシル基含有単量体やヒドロキシル基含有単
量体の少なくとも一種を必須成分とし、必要に応じて上
記にて例示の他の単量体を共重合することが特に好まし
い。上記官能性単量体の共重合量は目的に応じて、全単
量体量中、2〜40重量%、好ましくは3〜35重量%
の範囲となるように、任意に設定することができる。
【0027】本発明において粘着剤層中に配合するセバ
シン酸ジエチルは、常温で液状であり、上記アクリル系
粘着剤と相溶して粘着剤層中に均一に分散される。当該
セバシン酸ジエチルの含有量は、粘着剤層中、通常5〜
69.99重量%、好ましくは10〜59.99重量%
程度の範囲である。含有量が5重量%に満たない場合
は、充分な放出促進効果が期待できない場合があり、ま
た、69.99重量%を超えると粘着剤層が可塑化され
過ぎて凝集力が低下し、実用的な皮膚接着性が得られな
くなる。
【0028】本発明の抗ウイルス剤含有テープ製剤は、
粘着剤層中にアクリル系粘着剤、セバシン酸ジエチル、
抗ウイルス剤を必須成分として含むが、さらに必要に応
じて非イオン性界面活性剤を配合するのが好ましい。こ
の結果、抗ウイルス剤の粘着剤層中での溶解性及び自由
拡散性のさらなる向上が期待され、抗ウイルス剤の放出
性をさらに向上できる。
【0029】この場合、非イオン性界面活性剤の含有量
としては、粘着剤層中、通常0.01〜20重量%、好
ましくは0.1〜15重量%程度の範囲で含有させる。
含有量が0.01重量%に満たない場合は、充分に放出
性を向上させることが期待できない場合があり、また、
20重量%を超えると粘着剤層の凝集力が低下し、ま
た、粘着剤層表面へ非イオン性界面活性剤が滲み出る場
合があることから、実用的な皮膚接着性が得られなくな
る。さらに、粘着剤層の物性バランスを良好に保つため
に、セバシン酸ジエチルの含有量は、非イオン性界面活
性剤の含有量よりも多く含有させることが好ましい。
【0030】本発明に用いる非イオン性界面活性剤は、
アクリル系粘着剤やセバシン酸ジエチルとの相溶性が良
好で、抗ウイルス性の溶解性や自由拡散性を向上させる
ものであれば特に限定されるものではない。このような
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル(好ましくは、HLBが6.0
〜18.0、さらに好ましくはHLBが9.0〜15.
0であるもの)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(好
ましくは、HLBが3.0〜15.0、さらに好ましく
は、HLBが5.0〜11.0であるもの)、ソルビタ
ンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビ
タンセスキオレエート、プロピレングリコールモノラウ
レート、プロピレングリコールモノオレエートなどが挙
げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、アクリル
系粘着剤との相溶性が良好で、粘着剤表面への滲み出し
も少なく、皮膚接着性も良好で、抗ウイルス剤の皮膚透
過性向上にも効果がある。
【0031】上記したように、本発明の抗ウイルス剤含
有テープ製剤は、粘着剤層中にアクリル系粘着剤、セバ
シン酸ジエチル、抗ウイルス剤を必須成分として含み、
さらに必要に応じて非イオン性界面活性剤を配合するこ
とができるが、セバシン酸ジエチル及び非イオン性界面
活性剤の配合量を多くした場合には、粘着剤層の凝集力
が低下したり、セバシン酸ジエチルや非イオン性界面活
性剤が粘着剤層表面に滲み出る場合がある。このような
場合には、適当な架橋手段により粘着剤層に架橋処理を
施すことで、当該問題を解決し、良好な粘着特性を得る
ことができる。このためには、アクリル系粘着剤の構成
成分に、カルボキシル基やヒドロキシル基などの官能基
を有する単量体を共重合するのがよく、架橋処理として
は、種々の方法が挙げられるが、架橋剤を用いるのが簡
単に架橋処理を施すことができる点で好ましい。当該架
橋剤としては、チタンやアルミニウムなどからなる金属
アルコラート、金属キレート化合物、多官能性イソシア
ネート(特に三官能性イソシアネート)、多官能性エポ
キシ化合物等が挙げられる。
【0032】これらの架橋剤は、通常、アクリル系粘着
剤100重量部に対して、通常0.05〜5重量部程度
の範囲で配合される。なお、粘着剤層を構成するアクリ
ル系粘着剤が上記架橋剤と反応する官能基を有さない場
合でも、架橋処理を行なう前に、アルカリ処理等を施す
ことにより、架橋処理が可能な構造に変性することがで
きる。
【0033】本発明にあっては、上記粘着剤層は支持体
の片面に直接的若しくは間接的に設けられる。この粘着
剤層の厚さは、通常、10〜200μmの範囲であり、
厚さが10μm未満であると、必要量の抗ウイルス剤を
含有させることができず、粘着性も不十分である。ま
た、厚さが200μmを超えると、支持体付近の粘着剤
層に含有される抗ウイルス剤が粘着剤層表面に充分に拡
散されず、抗ウイルス剤の利用率が低下する。
【0034】支持体としては、粘着剤層中の成分が透過
しない材料よりなる単層シート、2枚以上の積層フィル
ム、織布や布帛または不織布が好適に用いられる。支持
体の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
トの如きポリエステル、ナイロンの如きポリアミド、ポ
リ塩化ビニリデン、酢酸セルロース、エチルセルロー
ス、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、ポリテトラフルオロエチレン、可塑化ポリ塩化
ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン
及び金属箔(例えばアルミニウム箔)を挙げることがで
きる。支持体は、透湿性の低いものが抗ウイルス剤の経
皮吸収性に好ましく、例えば、ポリエステルフィルムが
好適に使用できる。支持体には、柔軟性が要求されるこ
とから、その厚みは通常300μm以下、好ましくは5
〜150μmである。
【0035】本発明の抗ウイルス剤含有テープ製剤にあ
っては、製造、運搬あるいは保存中に粘着剤層がいたず
らに器具や容器等に接着することを防止したり、また、
テープ製剤自体の劣化を防ぐため、通常、粘着剤層の表
面に、剥離シートが積層するのが好ましい。そして、使
用時に当該剥離シートを剥離して粘着面を露出させ、皮
膚に貼付して投与する。剥離シートとしては、使用時に
粘着剤層から容易に剥離されることが必要であるため、
通常、粘着剤層との接触面にシリコーン処理が施された
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリエチレンテレフタレート等のフィルム、又は上質紙
やグラシン紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム
等が用いられる。剥離シートの厚みは、1000μm以
下、好ましくは30〜200μmである。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明する。なお、以下において「部」とあるのは、
「重量部」を意味するものである。
【0037】(アクリル系粘着剤Aの調製)不活性ガス
雰囲気下で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル9
5部と、アクリル酸5部とを酢酸エチル中で共重合させ
て、アクリル系粘着剤Aの溶液を調製した。
【0038】(アクリル系粘着剤Bの調製)不活性ガス
雰囲気下で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル7
2部と、N−ビニル−2−ピロリドン25部、アクリル
酸3部とを酢酸エチル中で共重合させて、アクリル系粘
着剤Bの溶液を調製した。
【0039】〈実施例及び比較例〉上記アクリル系粘着
剤A及びアクリル系粘着剤Bを用いて、表1及び表2に
示す配合に従って、粘着剤層形成用組成物の粘稠溶液を
調製し、得られた溶液をポリエステル製セパレータ(7
5μm厚)上に、乾燥後の厚みが80μmとなるように
塗布、乾燥して粘着剤層を作製した。また、比較例に
は、粘度平均分子量99万のポリイソブチレン10部と
粘度平均分子量6万のポリイソブチレン15部と粘度平
均分子量1260のポリイソブチレン3部及び脂環式石
油系樹脂(軟化点100℃)7部を混合したゴム系粘着
剤からなる粘着剤層も含めた(比較例1参照)。
【0040】なお、抗ウイルス剤には、ビダラビン(A
ra-A)、アシクロビル(ACV)及びシタラビン
(Ara-C)を、非イオン性界面活性剤には、HLB
11.5及びHLB9.5のポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル(POE(4.2)LE及びPOE(2)L
E)、HLB6.0のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(POE(5)HC0)、ソルビタンモノラウレート
(ソルビタン-ML)、ソルビタンモノオレエート(ソ
ルビタン-MO)、ソルビタンセスキオレエート(ソル
ビタン-SO)、プロピレングリコールモノラウレート
(PG-ML)及びプロピレングリコールモノオレエー
ト(PG-MO)を用いた。また、液状成分として、実
施例にはセバシン酸ジエチル(DES)を、比較例には
ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、アジピン酸ジエ
チル(DEA)及びフタル酸ジエチル(DEP)を用い
た。
【0041】次いで、この粘着剤層をポリエステル製不
織布(目付量 8g/m2)とポリエステルフィルム
(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に貼り合わせ
て、実施例1〜15の粘着テープ製剤及び比較例1〜1
0の粘着テープ製剤を作製した。また、必要に応じて架
橋処理を施したが、架橋処理については、架橋剤として
3官能性イソシアネート(コロネートHL 日本ポリウ
レタン社製)を用い、架橋剤の配合量をアクリル系粘着
剤の固形分100部に対し、アクリル系粘着剤Aでは
0.15部、アクリル系粘着剤Bでは0.4部として、
上記粘着剤層形成用組成物の粘稠溶液に混合して粘着剤
層を作製し、当該粘着剤層を支持体に貼り合わせた後、
70℃60時間加熱熟成することにより架橋した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】上記実施例及び比較例にて作製した各種の
抗ウイルス剤含有粘着テープ製剤を用いて、以下に示す
試験を行なった。
【0045】〈水中放出試験〉抗ウイルス剤含有粘着テ
ープ製剤をそれぞれ20cm2に打ち抜き、日本薬局
方、一般試験法、溶出試験法に規定するパドル法に準じ
て、32℃、水800ml、パドル回転数100rpm
の水槽中に投下し、テープ製剤から水中への抗ウイルス
剤の放出量を経時的に測定した。アクリル系粘着剤Aを
用いた製剤の結果を表3に、アクリル系粘着剤Bを用い
た製剤の結果を表4にまとめた。なお、抗ウイスル剤の
測定は、液体クロマトグラフィにより行なった(以下の
試験においても同様)。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】表3及び表4より分かるように、薬物放出
性について、粘着剤としてはゴム系粘着剤よりもアクリ
ル系粘着剤の方が優れており(実施例1、2及び比較例
1〜3参照)、液状成分として、セバシン酸ジエチルを
添加した場合に、特異的に薬物放出性が向上した(実施
例1〜10及び比較例1〜6参照)。また、非イオン性
界面活性剤の添加により、抗ウイルス剤の放出性が一段
と向上することができた(実施例3〜10参照)。この
ように、本発明のテープ製剤において、抗ウイルス剤の
水中放出性は良好であった。
【0049】〈In vitroラット損傷皮膚透過試
験〉除毛し、角質剥離処理を施したラット摘出皮膚を、
拡散セル(レセプター液として生理食塩水を用いた。)
にセットした。この皮膚表面に、直径19mmの円形に
打ち抜いた試験片を貼付し、37℃にて保温し、レセプ
ター液中の薬物量を経時的に測定した。抗ウイルス剤と
してビダラビンを用いた結果を表5に、抗ウイルス剤と
してアシクロビルを用いた結果を表6に、抗ウイルス剤
としてイドクスウリジンを用いた結果を表7に、抗ウイ
ルス剤としてシタラビンを用いた結果を表8に、さらに
抗ウイルス剤としてジドブジンを用いた結果を表9に示
した。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】表5〜表9からも分かるように、いずれの
抗ウイルス剤を用いた場合にあっても、アクリル系粘着
剤単独で用いた場合に比べ、セバシン酸ジエチルを加え
た場合に損傷皮膚透過性が高くなった(実施例1及び比
較例2、実施例11及び比較例7、実施例12及び比較
例8、実施例14及び比較例9、実施例15及び比較例
10をそれぞれ参照)。また、非イオン性界面活性剤を
加えた場合は、さらに損傷皮膚透過性が向上した(実施
例3、5、6、7、12参照)。このように、本発明の
テープ製剤においては、抗ウイルス剤のラット損傷皮膚
透過性は良好であった。
【0056】〈In vitroラット正常皮膚透過試
験〉除毛したラット摘出皮膚を、拡散セル(レセプター
液として生理食塩水を用いた)にセットした。この皮膚
表面に、直径19mmの円形に打ち抜いた試験片を貼付
し、37℃にて保温し、レセプター液中の薬物量を経時
的に測定した。その結果を表10に示した。
【0057】
【表10】
【0058】表10から分かるように、アクリル系粘着
剤単独の場合には、抗ウイルス剤はラット正常皮膚を透
過しなかったが、セバシン酸ジエチルを加えることによ
り、抗ウイルス剤がラット正常皮膚を透過するようにな
り、非イオン性界面活性剤を加えることにより、さらに
ラット正常皮膚透過性は向上した。このように、本発明
のテープ製剤にあっては、抗ウイルス剤のラット正常皮
膚透過性も良好であった。
【0059】このように、本発明にあっては、抗ウイル
ス剤の放出性が良好であることが確認された。特に、I
n vitro皮膚透過性試験において、損傷皮膚の透
過性が高いのみならず、薬物透過のバリアー層である角
質層を含む正常皮膚に対しても高い透過性が確認され
た。このことより、製剤からの放出性が高いのみなら
ず、放出された薬物の皮膚透過性が高いことが期待され
る。その結果、ウイルス性疾患の病巣が皮膚表面のみな
らず、病巣が皮膚深部あるいは全身循環系に存在する場
合でも、抗ウイルス剤を皮膚を通して病巣に送達させ、
ウイルス性疾患の予防及び治療に効果を発揮できる抗ウ
イルス剤含有テープ製剤を提供できる。
【0060】
【発明の効果】本発明の抗ウイルス剤含有テープ製剤の
粘着剤層は、アクリル系粘着剤にセバシン酸ジエチルが
ある量的範囲内で配合されているため、粘着剤層からの
抗ウイルス剤の放出特性が向上し、抗ウイルス剤の放出
性の良好な抗ウイルス剤含有テープ製剤を提供すること
ができる。特に、正常皮膚の透過性も良好なテープ製剤
とすることができる。
【0061】また、上記粘着剤層中に、例えば、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモ
ノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、プロピレ
ングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモ
ノオレエートなどの非イオン性界面活性剤を加えること
により、より一層抗ウイルス剤の放出性の優れた抗ウイ
ルス剤含有テープ製剤を提供できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に直接的若しくは間接的に
    抗ウイルス剤を含有してなる粘着剤層を設けてなるテー
    プ製剤であって、 前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤30〜94.99重
    量%、セバシン酸ジエチル5〜69.99重量%、抗ウ
    イルス剤0.01〜20重量%を含有することを特徴と
    する抗ウイルス剤含有テープ製剤。
  2. 【請求項2】 前記アクリル系粘着剤は、(メタ)アク
    リル酸アルキルエステルと、当該(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステルと共重合可能な単量体との共重合体であ
    る請求項1記載の抗ウイルス剤含有テープ製剤。
  3. 【請求項3】 前記抗ウイルス剤がプリン誘導体又はピ
    リミジン誘導体である請求項1記載の抗ウイルス剤含有
    テープ製剤。
  4. 【請求項4】 前記プリン誘導体が、ビダラビン、アシ
    クロビル及びこれらの薬理学的に許容される塩から選ば
    れる一種である請求項3記載の抗ウイルス剤含有テープ
    製剤。
  5. 【請求項5】 前記ピリミジン誘導体が、イドクスウリ
    ジン、シタラビン、ジドブジン及びこれらの薬理学的に
    許容される塩から選ばれる一種である請求項3記載の抗
    ウイルス剤含有テープ製剤。
  6. 【請求項6】 前記粘着剤層に、さらに、非イオン性界
    面活性剤を0.01〜20重量%含有する請求項1記載
    の抗ウイルス剤含有テープ製剤。
  7. 【請求項7】 セバシン酸ジエチルの含有量が、非イオ
    ン性界面活性剤の含有量よりも多い請求項6記載の抗ウ
    イルス剤含有テープ製剤。
  8. 【請求項8】 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエ
    チレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
    シ油、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレ
    エート、ソルビタンセスキオレエート、プロピレングリ
    コールモノラウレート、プロピレングリコールモノオレ
    エートから選ばれる少なくとも一種である請求項6記載
    の抗ウイルス剤含有テープ製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014527081A (ja) * 2011-09-12 2014-10-09 メリアル リミテッド イソオキサゾリン活性薬を含む殺寄生虫性組成物、その方法および使用

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