JPH07195424A - 成形装置 - Google Patents

成形装置

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JPH07195424A
JPH07195424A JP35230393A JP35230393A JPH07195424A JP H07195424 A JPH07195424 A JP H07195424A JP 35230393 A JP35230393 A JP 35230393A JP 35230393 A JP35230393 A JP 35230393A JP H07195424 A JPH07195424 A JP H07195424A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 表皮を有する成形品の端末部に良好な外観を
与え、接着剤の使用を不要にして作業環境を改善し、成
形後の後処理を不要にして作業効率を高めることがで
き、更には表皮材が破れる心配がなく、また表皮材の材
質をその伸びや引張応力等に関係なく選択でき材料選択
の幅を広げ、金型の形状に忠実な製品を形成することが
可能な成形装置を提供する。 【構成】 キャビティ11を有する第1の金型10と、
キャビティ11に対向する凸型面を有する第2の金型3
0との間に、表皮材Hと基材となる合成樹脂を供給し、
加圧、冷却して基材の表面に表皮材が一体に接合された
多層形成品を形成する成形装置において、金型30に側
方から摺動してキャビティ縁部に進入し金型30の縁部
31と噛み合うことで前記キャビティを閉じることがで
きるスライドコア20を設け、該スライドコア20がキ
ャビティ縁部に進入する際に噛み合い部分21,31に
て表皮材を切断可能にしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂からなる基
材層の表面に各種表皮材が貼合された多層成形品の製造
に用いられる成形装置に係り、特に自動車用内装材に好
適に適用できる成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内装部品は、熱可塑性樹脂から
なる基材層の表面に各種表皮材が貼合された多層成形品
が多用されており、特にその外観が重要であるため成形
品の端末部は、図8の(A),(B)のように表皮材H
の周辺部52が芯材51の裏側に折り返され、接着剤に
より接着されることで製品としての外観を保っていた。
しかしながら、工数的に手間がかかるのと、作業環境の
観点から有機溶剤を使用しないつまり接着剤を使用した
くないという理由で、成形時に同時に表皮材の端末処理
を行う装置が提案されている。
【0002】図5及び図6に、従来提案されている成形
時に同時に表皮材の端末処理を行う装置の要部断面図を
示す。スライドコア55を有する上金型53と下金型5
4間に表皮材Hと基材となる熱可塑性樹脂56を供給
し、型を閉じた時点で図6のようにスライドコア55を
摺動し下金型54との間で表皮材Hを挟みこみ、そのま
ま樹脂の供給を行うことで表皮材Hを芯材となる樹脂5
6の裏側に巻き込んでいる。成形が済んだら、金型から
成形品を取り出し、余分な表皮材を切断し完成品として
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記提案装置では、ス
ライドコア55と下金型54で表皮材Hを挟みこんだま
ま樹脂56が供給され、この樹脂の供給圧力による表皮
材Hの伸び或は表皮材H挟みこむ位置の微妙な調節によ
る表皮材Hのたるみを利用して表皮材Hを樹脂56の裏
側に巻き込んでいた。
【0004】このため表皮材Hの材質又は表皮材Hの挟
み込み位置によってはこの延びが不足し、表皮材Hには
ばまれて基材となる樹脂56が金型内の隅に行き渡らな
かったり、十分な表皮の巻き込みができず場合によって
は図7のように樹脂56の圧力に表皮材Hが耐えきれず
表皮破れ57が生じ、樹脂56の流れ出しにより外観不
良となり製品歩留りの低下につながっていた。また成形
後の成形品は余分な表皮を残しているので、成形後の表
皮切断等の後処理が必要であり作業が効率的ではなかっ
た。
【0005】本発明の目的は、表皮を有する成形品の端
末部に良好な外観を与え、接着剤の使用を不要にして作
業環境を改善し、成形後の後処理を不要にして作業効率
を高めることができ、更には表皮材が破れる心配がな
く、また表皮材の材質をその伸びや引張応力等に関係な
く選択でき材料選択の幅を広げ、金型の形状に忠実な製
品を形成することが可能な成形装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る成形装置
は、キャビティを有する第1の金型と該第1の金型に対
向する凸型面を有する第2の金型との間に表皮材と基材
となる合成樹脂を供給し、加圧、冷却して基材の表面に
表皮材が一体に接合された多層形成品を形成する成形装
置において、前記第1の金型又は第2の金型のいずれか
に、側方から摺動してキャビティ縁部に進入し前記第2
の金型凸型面縁部と噛み合うことで前記キャビティを閉
じることができるスライドコアを設け、該スライドコア
はキャビティ縁部に進入する際に前記噛み合い部分にて
表皮材を切断可能にしたことを特徴とする。
【0007】また表皮材はキャビティ側に予め配置さ
れ、前記スライドコアは、前記基材となる合成樹脂が前
記第2の金型と表皮材の間に十分に行き渡った後、該合
成樹脂の硬化する前に摺動してキャビティ縁部に進入
し、前記表皮材とともに合成樹脂を切断しながらキャビ
ティを閉じるように構成すると好適である。
【0008】
【作用】本発明によれば、キャビティを有する第1の金
型と凸型面を有する第2の金型の間に表皮材と基材とな
る合成樹脂を供給し、第1又は第2の金型のいずれか
に、側方から摺動してキャビティ縁部に進入し第2の金
型の縁部と噛み合うことでキャビティを閉じることがで
きるスライドコアを設け、該スライドコアはキャビティ
縁部に進入する際に前記噛み合い部分にて表皮材を切断
可能にしているので、表皮材はスライドコアにより合成
樹脂を包みこむようにキャビティ内に押し込まれ、噛み
合い部分で自動的に切断される。このため、成形加工後
の後処理、つまり接着工程や余分な表皮材の切断工程を
不要にし、製品の製造における作業環境および作業効率
が向上した。
【0009】また請求項2のように、表皮材はキャビテ
ィ側に予め配置され、スライドコアは、合成樹脂が表皮
材を介してキャビティ内に十分に行き渡った後、該合成
樹脂の硬化する前に摺動してキャビティ縁部に進入し、
表皮材とともに合成樹脂を切断しながらキャビティを閉
じるようにすると、表皮材と合成樹脂がキャビティの隅
にも十分に行き渡り形状が安定すると共に、表皮材の伸
びの量や配置位置にかかわらず良好に基材となる合成樹
脂の裏面に表皮材をまわりこませることができ、表皮材
を破ることがない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。
【0011】図1乃至図4は本発明に係る成形装置の一
実施例を示すものであり、図1は表皮材配置時の装置要
部断面図、図2は合成樹脂供給終了時の装置要部断面
図、図3はスライドコア摺動時の装置要部断面図、図4
は成形終了時の装置要部断面図である。
【0012】本例の成形装置Sは、キャビティ11を有
する上金型10と、上金型10側に図示しない駆動手段
を介して左右摺動可能に設けたスライドコア20と、凸
型面32を有する下金型30とから構成されており、両
型が開いた状態(図示しない)で表皮材Hが設置され、
図1のように所定の位置に型締めされる。このときスラ
イドコア20は初期の位置のままにあり、キャビティ縁
部12は開放されている。
【0013】キャビティ11は最終的には下金型30の
凸型面32と、側方から摺動してきたスライドコア20
の先端部により完全に閉じられる。この閉じた空間内で
表皮材と基材となる合成樹脂を加圧し、冷却して成形を
行う。
【0014】スライドコア20はその先端部に段部21
を有しており、該段部21はスライドコア20がキャビ
ティ内に摺動してキャビティ縁部12を閉じたときに、
下金型30の凸型面32の縁部に設けた段部31と噛み
合うようになっている。
【0015】本例では下金型30には、図示しない押出
成形機或は射出成形機が付設されており、この押出成形
機或は射出成形機から溶融状態の合成樹脂を下金型30
の凸型面32上に設けたゲートを通し、凸型面32上に
供給するようになっている。
【0016】本発明に用いられる表皮材の材質として
は、織布,不織布,ポリオレフィン、塩化ビニル、ナイ
ロン等の熱可塑性樹脂及びポリオレフィン系、ポリエス
テル系、ウレタン系、塩化ビニル系等の熱可塑性エラス
トマーのシート,フィルムが挙げられる。また上記材質
を単独或は2種以上積層したものを表皮材として使用す
ることもできる。
【0017】更にソフトな感触を出すために、表皮材の
裏面にポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン等の発
泡シートを貼合したもの、成形時において溶融樹脂の熱
から保護したり、表皮材と心材層の接着力を強化させる
目的で布、またはシート等を裏面に貼合した積層体を使
用することもできる。これらの表皮材の使用にあたって
は、表皮材の引張応力、伸びを調整するために供給に先
立って予備加熱を行ってもよい。
【0018】本発明に基材として用いられる樹脂は、例
えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、
アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、ナ
イロン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等
の熱可塑性エラストマー等圧縮成形、射出成形および押
出成形に通常使用されるものをいずれも用いることがで
きる。また、これらに無機質充填剤,ガラス繊維等の充
填剤、顔料、滑剤、帯電防止剤等の添加物を含有したも
のも適宜用いることができる。
【0019】次に、上記構成の成形装置Sの動作につい
て説明する。まず前記のように両型が開いた状態(図示
しない)で上金型10に表皮材Hがセットされ、図1の
ように所定の位置に型締めされる。表皮材Hは上型10
にバキューム等の手段で吸着されていてもよいし、或は
何らかの保持枠で保持されていてもよい。このときスラ
イドコア20は初期の位置のままにあり、キャビティ縁
部12は開放されている。
【0020】次いで下金型30から基材となる溶融合成
樹脂Jを、上金型10のキャビティ11内の表皮材H
と,下金型30の凸型面32との間に、ゲートを通じて
充填を開始する。そのまま充填を続け、開放されている
キャビティ縁部の開放部12から合成樹脂Jが若干はみ
出るくらいに十分充填する(図2の状態)。このとき合
成樹脂Jは十分な粘度を有するので、縁部の開放部12
の大きさを粘度にあわせて設定すれば開放部12から無
制限に樹脂が流出することはなく、キャビティ11の隅
にまで充填する。
【0021】充填が終了した後、合成樹脂Jが硬化する
前に、スライドコア20を図示しない駆動手段により側
方よりキャビティ縁部の開放部12を閉じるように摺動
させる。そしてスライドコアの先端側面22により、表
皮材Hは合成樹脂Jを巻き込むようにしてキャビティ内
に押し込まれる。このとき表皮材Hに対しては従来のよ
うに合成樹脂Jの圧力が張力として作用することはない
ので、表皮材Hが破れる心配がなく、また伸びの極端に
低い表皮材であっても対応することができるので、表皮
材の材質をその伸びや引張応力等に関係なく選択でき、
材料選択の幅が広がる。
【0022】図3の状態になるまでスライドコア20を
摺動すると、その先端の段部21と下金型30の凸型面
32のエッジの段部31と噛み合う位置にくる。そして
この位置において、合成樹脂Jのはみ出し部分と表皮材
Hに対し箭断力が働き、両者は切断されることとなる。
そのままスライドコア20を摺動させ続けると、スライ
ドコアの先端側面22は凸型面32のエッジ段部31上
の合成樹脂をキャビティ11内に押し戻す作用をもたら
し、合成樹脂Jに圧力がかかりキャビティの隅々に樹脂
が移行しキャビティ11の形状に忠実な成形品を得られ
る。
【0023】その後スライドコアの摺動が終了し、図4
のように完全な型締めが完了する。このままの状態でし
ばらく放置,冷却し樹脂Jが硬化してから再び型を開
き、成形品を取り出すことで一連の工程が終了する。
【0024】なお本実施例では合成樹脂Jの供給を、上
金型10と下金型30を最終位置まで型締めを行った状
態で開始しこの供給圧力を利用して樹脂Jを充填してい
たが、型締めを行う前の状態或は型締めを途中で停止し
た状態にしてこの段階で所定量の合成樹脂を供給し、供
給終了後に型を最終位置まで型締めし型からの圧力を利
用して樹脂を充填するいわゆるスタンピング工法でも同
様の効果を奏することができる。またスライドコアを上
金型側に設けたが、下金型に設けてスライドコア段部2
1とエッジ段部31の間に表皮を通すようにしてもよ
い。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、キャビティを有する第
1の金型と凸型面を有する第2の金型の間に表皮材と基
材となる合成樹脂を供給し、第1又は第2の金型のいず
れかに、側方から摺動してキャビティ縁部に進入し第2
の金型の縁部と噛み合うことでキャビティを閉じること
ができるスライドコアを設け、該スライドコアはキャビ
ティ縁部に進入する際に前記噛み合い部分にて表皮材を
切断可能にしているので、表皮材はスライドコアにより
合成樹脂を包みこむようにキャビティ内に押し込まれ、
噛み合い部分で自動的に切断される。このため、成形加
工後の後処理、つまり接着工程や余分な表皮材の切断工
程を不要にし、製品の製造における作業環境および作業
効率が向上した。
【0026】また、表皮材はキャビティ側に予め配置さ
れ、スライドコアは、合成樹脂が表皮材を介してキャビ
ティ内に十分に行き渡った後、該合成樹脂の硬化する前
に摺動してキャビティ縁部に進入し、表皮材とともに合
成樹脂を切断しながらキャビティを閉じるようにする
と、表皮材と合成樹脂がキャビティの隅にも十分に行き
渡り形状が安定すると共に、表皮材の伸びの量や配置位
置にかかわらず良好に基材となる合成樹脂の裏面に表皮
材をまわりこませることができ、表皮材を破ることがな
い。
【0027】以上のように本発明の装置によれば、表皮
を有する成形品の端末部に良好な外観を与え、接着剤の
使用を不要にして作業環境を改善し、成形後の後処理を
不要にして作業効率を高めることができ、更には表皮材
が破れる心配がなく、また表皮材の材質をその伸びや引
張応力等に関係なく選択でき材料選択の幅を広げ、金型
の形状に忠実な製品の成形が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形装置の表皮材配置時の装置要
部断面図である。
【図2】本発明に係る成形装置の合成樹脂供給終了時の
装置要部断面図である。
【図3】本発明に係る成形装置のスライドコア摺動時の
装置要部断面図である。
【図4】本発明に係る成形装置の成形終了時の装置要部
断面図である。
【図5】従来例を示す成形装置の要部断面図である。
【図6】従来例を示す装置の成形時の要部断面図であ
る。
【図7】従来例を示す装置の表皮破れ発生時の要部断面
図である。
【図8】従来例を示す製品端末部の断面図である。
【符号の説明】
10 上金型 11 キャビティ 12 開放部 20 スライドコア 21 スライドコア段部 22 先端側面 30 下金型 31 エッジ段部 32 凸型面 S 成形装置 H 表皮材 J 合成樹脂
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティを有する第1の金型と該第1
    の金型に対向する凸型面を有する第2の金型との間に表
    皮材と基材となる合成樹脂を供給し、加圧、冷却して基
    材の表面に表皮材が一体に接合された多層形成品を形成
    する成形装置において、前記第1の金型又は第2の金型
    のいずれかに、側方から摺動してキャビティ縁部に進入
    し前記第2の金型の縁部と噛み合うことで前記キャビテ
    ィを閉じることができるスライドコアを設け、該スライ
    ドコアはキャビティ縁部に進入する際に前記噛み合い部
    分にて表皮材を切断可能にしたことを特徴とする形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記表皮材はキャビティ側に予め配置さ
    れ、前記スライドコアは、前記基材となる合成樹脂が前
    記第2の金型と表皮材の間に十分に行き渡った後、該合
    成樹脂の硬化する前に摺動してキャビティ縁部に進入
    し、前記表皮材とともに合成樹脂を切断しながらキャビ
    ティを閉じることを特徴とする請求項1記載の成形装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007160736A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Mazda Motor Corp 表皮材積層発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置
JP2020104463A (ja) * 2018-12-28 2020-07-09 株式会社タカギセイコー 複合成形部材及びその製造方法

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