JP3137539B2 - 表皮付樹脂プレス成形用金型 - Google Patents

表皮付樹脂プレス成形用金型

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JP3137539B2
JP3137539B2 JP18685094A JP18685094A JP3137539B2 JP 3137539 B2 JP3137539 B2 JP 3137539B2 JP 18685094 A JP18685094 A JP 18685094A JP 18685094 A JP18685094 A JP 18685094A JP 3137539 B2 JP3137539 B2 JP 3137539B2
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skin
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朗 山村
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂などからな
る芯材層の表面に各種表皮材が貼合された表皮付成形品
の製造に用いられる表皮付樹脂プレス成形用金型に係
り、特にキャビティ内の空気を効果的に抜くことの出来
る表皮付樹脂プレス成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車の内装部品は、熱可塑性樹
脂などからなる基材の表面に各種表皮材が貼合された表
皮付成形品が多用されている。そして対向する金型の間
に表皮材を配置して、型締めすると共に、表皮材と一方
の金型との間に溶融合成樹脂を注入して圧縮成形等によ
り形成していた。
【0003】このような表皮付樹脂プレス成形用金型
で、表皮材と基材とを成形するときには、型締めする際
に、表皮材と金型との間に空気が多量にたまるという不
都合があった。これは表皮材と金型との間で全周が表皮
材でシールされるため、エアの逃げ道が無いことによ
る。このため従来は、型締め圧力を高めることによって
残留空気を圧縮して成形していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、キャビティ内
に残留空気があると、残留空気が圧縮され、この圧縮空
気の発生に伴って上金型はさらに高圧をかけて成形しな
ければならず、このため、高品質の製品を得ることがで
きないばかりか、品質が安定せず、成形圧も高くしなけ
ればならなず、製品サイクルのアップができないという
不都合がある。また残留空気を少なくするために、単に
上下型のラップ代を少なくすると、圧縮工程中に樹脂が
型外へもれ出てしまうという不都合がある。
【0005】例えばプレス装置等のように剪断部材の中
を上金型が可動するような構成であれば、剪断部材の途
中に溝等を形成して、この溝から空気を排出するように
構成することができるが、このような構成のない上金型
では、上述のような溝を適用することはできないもので
あった。
【0006】特に表皮付樹脂を成形するときには、表皮
が残留空気に影響され易く、上下金型の型締め完了まで
残留空気がキャビティ内から排出する必要があるが、上
下金型を型締めする際に、高い圧力をかけて、無理にお
さえ込んで成形することは、表皮材のたるみや部分的な
突っ張り等の原因になり、品質に影響を与えていた。
【0007】本発明の目的は、キャビティ内の空気を効
果的に抜くことができ、低い成形圧力で成形し、樹脂の
充填性を向上させて、薄肉化や欠肉を防止できる表皮付
樹脂プレス成形用金型を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る表皮
付樹脂プレス成形用金型は、第1の金型及び第2の金型
でキャビティを形成し、該第1の金型と第2の金型の間
に表皮材を配置して、表皮材と前記第1の金型の間に
溶融樹脂を注入して型締めしてなる表皮付樹脂プレス成
形用金型において、前記第2の金型には、金型のキャビ
ティ面より外方で内周の所定間隔ごとに且つ型締め方向
に一定の深さで複数の溝が形成され、該溝は前記第2の
金型の解放面端部へ開口し、前記第1の金型と第2の金
型を型締めしたときに、前記第1の金型前記溝のキャ
ビティ側が閉塞されるとともに前記溝の前記第2の金型
の解放面端部側が解放されてなることを特徴とする。
【0009】本願請求項2に係る表皮付樹脂プレス成形
用金型は、第1の金型及び第2の金型でキャビティを形
成し、該第1の金型及び第2の金型の間に表皮材を配置
して、表皮材と前記第1の金型の間に溶融樹脂を注入
して型締めしてなる表皮付樹脂プレス成形用金型におい
て、前記第2の金型には、金型のキャビティ面より外方
で内周の所定間隔ごとに且つ型締め方向にキャビティ底
面から形成された複数の開口部が形成され、該開口部は
シリンダー装置を備えたバルブが配設され、型締め工程
において前記バルブが型締め終了間際に前記開口部を閉
塞してなることを特徴とする。
【0010】
【作用】本願請求項1に係る表皮付樹脂プレス成形用金
型は、前記第2の金型には、金型のキャビティ面より外
方で内周の所定間隔ごとに且つ型締め方向に一定の深さ
で複数の溝が形成され、該溝は前記第2の金型の解放面
端部へ開口し、前記第1の金型と第2の金型を型締めし
たときに、前記第1の金型前記溝のキャビティ側が閉
塞されるとともに前記溝の前記第2の金型の解放面端部
側が解放されてなるように構成したので、金型と表皮材
との間にある空気が、金型が閉まるに従って溝から排出
され、一定の深さ、即ち製品となる表皮付樹脂材の厚さ
の幅を残して、金型解放面へ開口しているので、残留空
気がキャビティ内に残存しない状態で型締めを完了させ
ることができる。
【0011】本願請求項2に係る表皮付樹脂プレス成形
用金型は、第2の金型に、金型のキャビティ面より外方
で内周の所定間隔ごとに且つ型締め方向にキャビティ底
面から形成された複数の開口部が形成され、該開口部は
シリンダー装置を備えたバルブが配設され、型締め工程
において前記バルブが型締め終了間際に前記開口部を閉
塞してなるように構成したので、開口部をスライドする
バルブにより、型のクリアランスを大きくする事がで
き、空気の通路を確保し、バルブ後退による出来た空間
より型内の空気を抜くことが出来、残留空気を排出する
ことができると共に溝が第2の金型の底面にまで形成さ
れているために、製品となる表皮付樹脂の厚さに関係な
く成形することができる。
【0012】以上のようにキャビティ内の残留空気を効
果的に抜くことができ、低い成形圧力で成形し、樹脂の
充填性を向上させて、薄肉化や欠肉を防止できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。図1乃至図4は本願請求
項1に係る表皮付樹脂プレス成形用金型の実施例を示す
もので、図1は金型の平面図、図2は図1のA−A断面
図、図3は圧縮工程における型締め作動状態を示す断面
明図、図4は圧縮完了時における断面説明図である。
【0014】本例の表皮付樹脂プレス成形用金型は、図
3で示すように、第1の金型10と第2金型20とか
ら構成されており、これら第1の金型10と第2金型
20とは、対向して配置されている。本例では第1の金
型10を固定側金型とし、第2の金型20を可動側金型
としている。そして、第1の金型10と第2の金型20
により所定形状のキャビティKを形成している。
【0015】そして図示しない溶融合成樹脂Jの供給装
置から、固定側金型である第1の金型10内の管路およ
びゲート(いずれも図示せず)を介してキャビティKへ
溶融合成樹脂Jを注入するように構成されている。また
本例の装置は、第1の金型10及び第2の金型20によ
り加圧型締めした後で、冷却等ができるように構成され
ている。これらの溶融合成樹脂Jの注入装置,型締め装
置等は公知の技術を用いることが出来る。
【0016】第2の金型20は図1乃至図3で示すよう
に、第2の金型20のキャビティ面より外方で内周側に
所定間隔ごとに複数の溝21が形成されている。この溝
21は型締め方向に一定の深さで形成されている。本例
の溝21の深さは、製品となる表皮付樹脂材の厚さの幅
Xに、第1の金型10とのオーバーラップ部分の幅Yを
加算した金型20の位置まで、金型解放面(即ち第1の
金型側)の端部20aから形成されている。換言すれ
ば、キャティKの底面20bから幅X+Yの位置から
金型解放面(即ち第1の金型側)の端部20aへ開口し
ている。
【0017】本発明に用いられる表皮材Hの材質として
は、織布,不織布,ポリオレフィン、塩化ビニル、ナイ
ロン等の熱可塑性樹脂及びポリオレフィン系、ポリエス
テル系、ウレタン系、塩化ビニル系等の熱可塑性エラス
トマーのシート,フィルムが挙げられる。また上記材質
を単独或は2種以上積層したものを表皮材Hとして使用
することもできる。
【0018】更にソフトな感触を出すために、表皮材H
の裏面にポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン等の
発泡シートを貼合したもの、成形時において溶融樹脂の
熱から保護したり、表皮材Hと心材層の接着力を強化さ
せる目的で布、またはシート等を裏面に貼合した積層体
を使用することもできる。これらの表皮材Hの使用にあ
たっては、表皮材Hの引張応力、伸びを調整するために
供給に先立って予備加熱を行ってもよい。
【0019】本発明に基材として用いられる樹脂、即ち
注入される樹脂Jとしては、例えば、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチ
レン−ブタジエン共重合体、ナイロン等の熱可塑性樹
脂、エチレン−プロピレンブロック共重合体、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマ
ー等圧縮成形、射出成形および押出成形に通常使用され
るものをいずれも用いることができる。また、これらに
無機質充填剤,ガラス繊維等の充填剤、顔料、滑剤、帯
電防止剤等の添加物を含有したものも適宜用いることが
できる。
【0020】次に上記構成からなる表皮付樹脂プレス成
形用金型10,20の動作を説明すると、先ず図示しな
い表皮保持手段によって表皮材Hを第1の金型10と第
2の金型20の間に保持し、基材となる樹脂Jをキャビ
ティK内に注入して、金型10,20を型締めする。こ
のようにすると、図3で示すように、第2の金型20と
表皮材Hとの間にある残留空気が、第2の金型20が閉
まるに従って溝21から排出される。
【0021】そして本例の溝21は製品となる表皮付樹
脂材の厚さの幅Xに、第1の金型10とのオーバーラッ
プ部分の幅Yを加算した位置から、金型解放面(即ち第
1の金型側)の端部20aへ開口しているので、空気が
キャビティK内に残存しない状態で型締めが終了すると
共に、図4で示すように型締めしたときに金型10が溝
21より金型20側の位置(即ち、製品となる表皮付樹
脂材の厚さの幅Xの位置)まで型締めされることによ
り、溝21が閉塞されることになる。これにより樹脂漏
れ等が生じることがない。
【0022】図5乃至図7は上記実施例におけるバルブ
を用いた例を示す作動説明図であり、開口部の部分にお
ける要部断面における説明図である。本例において上記
実施例と同一構成には同一符号を付してその説明を省略
する。なお本例においても、溶融合成樹脂Jの注入装
置,型締め装置等は公知の技術を用いることができ、ま
た表皮材Hの保持手段等も前記実施例と同様に行うこと
ができる。
【0023】本例では一方の金型としての第2の金型2
0に、金型20のキャビティKの面より外方で内周の所
定間隔ごとに且つ型締め方向にキャビティK底面から複
数の開口部31を形成している。本例の開口部31は第
2の金型20の底面20bから、型締め時に第1の金型
10との当接部より下方位置になる部分まで形成されて
いる。そして、この開口部31にはシリンダー装置40
を備えたバルブ41が配設されており、開口部31内を
摺動できるように構成されている。なお符号42はロッ
ドである。
【0024】そして型締め工程において、シリンダー装
置40のロッドを伸張させて、バルブ41が型締め終了
間際に、開口部31を閉塞するように構成している。こ
のように金型20の横部分に開口部31を形成し、この
開口部31をスライドするバルブ41により、金型のク
リアランスを大きくする事ができ、空気の通路を確保し
ている。本例においてバルブ41を閉じるタイミング
は、製品形状や樹脂特性により異なるため、公知,周知
技術であるタイマまたは位置センサによって設定し、シ
リンダー装置40を作動させて、ロッド42を伸張およ
び後退させて、バルブ41の閉じるタイミングの最適化
をはかることができる。
【0025】本例のような構成によるときには、シリン
ダー装置40の後退によって出来た空間から、金型20
内の空気を抜くことが出来、前記実施例と同様な作用効
果を奏すると共に開口部31が第2の金型20の底面2
0bにまで形成されているために、製品となる表皮付樹
脂の厚さに関係なく、空気を抜くことが可能となり、製
品となる表皮付樹脂の厚さを問わずに成形することがで
きる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、キャビ
ティ内の残留空気を効果的に抜くことができ、低い成形
圧力で成形することができ、樹脂の充填性を向上させ
て、薄肉化や欠肉を防止でき、表皮デフォーム(即ちエ
アだまり)を防止をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金型の平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】圧縮工程における型締め作動状態を示す断面明
図である。
【図4】圧縮完了時における断面説明図である。
【図5】バルブを用いた例を示す作動説明図である。
【図6】バルブを用いた例を示す作動説明図である。
【図7】バルブを用いた例を示す作動説明図である。
【符号の説明】
10 第1の金型 20 第2金型 20a 端部 20b 底面 21 溝 31 開口部 40 シリンダー装置 41 バルブ 42 ロッド K キャビティ J 合成樹脂 H 表皮材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/18 - 43/20 B29C 43/32 - 43/42 B29C 33/10 - 33/12 B29C 33/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の金型及び第2の金型でキャビティ
    を形成し、該第1の金型と第2の金型の間に表皮材を配
    置して、表皮材と前記第1の金型の間に溶融樹脂を注
    入して型締めしてなる表皮付樹脂プレス成形用金型にお
    いて、前記第2の金型には、金型のキャビティ面より外
    方で内周の所定間隔ごとに且つ型締め方向に一定の深さ
    で複数の溝が形成され、該溝は前記第2の金型の解放面
    端部へ開口し、前記第1の金型と第2の金型を型締めし
    たときに、前記第1の金型前記溝のキャビティ側が閉
    塞されるとともに前記溝の前記第2の金型の解放面端部
    側が解放されてなることを特徴とする表皮付樹脂プレス
    成形用金型。
  2. 【請求項2】 第1の金型及び第2の金型でキャビティ
    を形成し、該第1の金型及び第2の金型の間に表皮材を
    配置して、表皮材と前記第1の金型の間に溶融樹脂を
    注入して型締めしてなる表皮付樹脂プレス成形用金型に
    おいて、前記第2の金型には、金型のキャビティ面より
    外方で内周の所定間隔ごとに且つ型締め方向にキャビテ
    ィ底面から形成された複数の開口部が形成され、該開口
    部はシリンダー装置を備えたバルブが配設され、型締め
    工程において前記バルブが型締め終了間際に前記開口部
    を閉塞してなることを特徴とする表皮付樹脂プレス成形
    用金型。
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