JPH0719474A - セラミック製グロープラグ - Google Patents
セラミック製グロープラグInfo
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- JPH0719474A JPH0719474A JP18320293A JP18320293A JPH0719474A JP H0719474 A JPH0719474 A JP H0719474A JP 18320293 A JP18320293 A JP 18320293A JP 18320293 A JP18320293 A JP 18320293A JP H0719474 A JPH0719474 A JP H0719474A
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- Japan
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- heater coil
- conductive ceramic
- glow plug
- ceramic pipe
- pipe
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、安定した強度を有し、熱ショック
等に強固な高温高強度の自己電流制御型のセラミック製
グロープラグを提供する。 【構成】 本発明は、電極10を備えた中空状本体1に
導電性セラミック製パイプ2の発熱部12を突出状態に
取り付け、導電性セラミック製パイプ2内にヒータコイ
ル3を非接触状態に配置し、ヒータコイル3を電極10
に電源接続部8を介して接続すると共に接続部6に接続
する。ヒータコイル3と導電性セラミック製パイプ2と
の間の隔置距離を、ヒータコイル2の上流側領域2Aで
大きく且つ発熱部12の下流側領域2Bで小さく設定す
る。更に、導電性セラミック製パイプ2内にはSi−T
i−Al−O−N系セラミックスから成る低熱伝導部材
4が充填され、該低熱伝導部材4内にヒータコイル3を
埋め込む。
等に強固な高温高強度の自己電流制御型のセラミック製
グロープラグを提供する。 【構成】 本発明は、電極10を備えた中空状本体1に
導電性セラミック製パイプ2の発熱部12を突出状態に
取り付け、導電性セラミック製パイプ2内にヒータコイ
ル3を非接触状態に配置し、ヒータコイル3を電極10
に電源接続部8を介して接続すると共に接続部6に接続
する。ヒータコイル3と導電性セラミック製パイプ2と
の間の隔置距離を、ヒータコイル2の上流側領域2Aで
大きく且つ発熱部12の下流側領域2Bで小さく設定す
る。更に、導電性セラミック製パイプ2内にはSi−T
i−Al−O−N系セラミックスから成る低熱伝導部材
4が充填され、該低熱伝導部材4内にヒータコイル3を
埋め込む。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディーゼルエンジン
等に使用されるセラミック製グロープラグに関する。
等に使用されるセラミック製グロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グロープラグは、窒化ケイ素等の
セラミックスにタングステンW線を埋め込んで構成され
ている。タングステンW線では、図4に示すように、1
2Vの電源に対して、常温では抵抗値が0.1Ωであり
且つその時の電流は120Aである。グロープラグが時
間の経過に伴って常温から温度が上昇して900℃にな
ると、抵抗値は0.4Ωになり、その時の電流は30A
である。そして、グロープラグが加熱して抵抗値が上昇
し、抵抗値が1Ωになって安定するものであり、その時
の電流は12Aである。即ち、ディーゼルエンジンに使
用されている従来のグロープラグでは、コントローラの
指令で12Vのバッテリーから電流を流すと、最初は1
20Aの電流が流れるが、ヒータコイルの温度上昇と共
に、抵抗値が大きくなり、抵抗値が1Ωになったところ
で安定する。そこで、グロープラグを抵抗値が1Ωのと
ころで安定するように、コントローラの指令で電流を制
御してヒータコイルが1Ωに保持されるような制御を行
っていた。
セラミックスにタングステンW線を埋め込んで構成され
ている。タングステンW線では、図4に示すように、1
2Vの電源に対して、常温では抵抗値が0.1Ωであり
且つその時の電流は120Aである。グロープラグが時
間の経過に伴って常温から温度が上昇して900℃にな
ると、抵抗値は0.4Ωになり、その時の電流は30A
である。そして、グロープラグが加熱して抵抗値が上昇
し、抵抗値が1Ωになって安定するものであり、その時
の電流は12Aである。即ち、ディーゼルエンジンに使
用されている従来のグロープラグでは、コントローラの
指令で12Vのバッテリーから電流を流すと、最初は1
20Aの電流が流れるが、ヒータコイルの温度上昇と共
に、抵抗値が大きくなり、抵抗値が1Ωになったところ
で安定する。そこで、グロープラグを抵抗値が1Ωのと
ころで安定するように、コントローラの指令で電流を制
御してヒータコイルが1Ωに保持されるような制御を行
っていた。
【0003】従来のグロープラグでは、コントローラを
使用することなく、グロープラグが1Ωに調節されるよ
うな自己制御できるものが開発された。タングステンW
とニッケルNiは、図3に示すように、温度℃の上昇に
従って、抵抗値Ωが上昇して大きくなる特性を有してい
る。従って、タングステンW線とニッケルNi線では、
温度の上昇に従って抵抗値Ωが大きくなり、電流が減少
して電流値が制限されることになる。そこで、自己制御
型グロープラグは、タングステンW線をSi3N4 等の
セラミックスの中に埋設し、そのW線と直列にニッケル
Ni線のコイルを接続して構成されている。即ち、自己
制御型グロープラグは、ヒータコイルの発熱体の部分に
電気抵抗値が小さい導電体を配置し、その導電体の上流
側にNi線のコイルの電気抵抗値の大きい金属線を接続
して作製されていた。このような自己制御型グロープラ
グは、電流を流すことによってNi製コイルが過熱され
て抵抗値が大きくなり、電流が減少してヒータコイルの
発熱体の部分の発熱量が制御されることになる。
使用することなく、グロープラグが1Ωに調節されるよ
うな自己制御できるものが開発された。タングステンW
とニッケルNiは、図3に示すように、温度℃の上昇に
従って、抵抗値Ωが上昇して大きくなる特性を有してい
る。従って、タングステンW線とニッケルNi線では、
温度の上昇に従って抵抗値Ωが大きくなり、電流が減少
して電流値が制限されることになる。そこで、自己制御
型グロープラグは、タングステンW線をSi3N4 等の
セラミックスの中に埋設し、そのW線と直列にニッケル
Ni線のコイルを接続して構成されている。即ち、自己
制御型グロープラグは、ヒータコイルの発熱体の部分に
電気抵抗値が小さい導電体を配置し、その導電体の上流
側にNi線のコイルの電気抵抗値の大きい金属線を接続
して作製されていた。このような自己制御型グロープラ
グは、電流を流すことによってNi製コイルが過熱され
て抵抗値が大きくなり、電流が減少してヒータコイルの
発熱体の部分の発熱量が制御されることになる。
【0004】従来、自己電流制御型グロープラグとして
は、特公平4−34052号公報、特公昭60−194
04号公報、特開昭59−157423号公報、特開昭
58−106326号公報等に開示されたものがある。
は、特公平4−34052号公報、特公昭60−194
04号公報、特開昭59−157423号公報、特開昭
58−106326号公報等に開示されたものがある。
【0005】例えば、特公平4−34052号公報に開
示された自己制御型グロープラグは、通電昇温時におけ
る発熱体の温度を制御するため、発熱体に電流制御用抵
抗体を直列に接続したものであり、発熱線コイルと抵抗
体コイルとが直列に接続されてセラミック焼結体中に埋
設され、一体化されたセラミックヒータを構成し、発熱
線が温度−抵抗係数が4倍以下となるような正の抵抗温
度係数を持つタングステンWとレニウムRe合金線から
なり、抵抗体は純W又は純モリブデンMoの線材からな
るものである。
示された自己制御型グロープラグは、通電昇温時におけ
る発熱体の温度を制御するため、発熱体に電流制御用抵
抗体を直列に接続したものであり、発熱線コイルと抵抗
体コイルとが直列に接続されてセラミック焼結体中に埋
設され、一体化されたセラミックヒータを構成し、発熱
線が温度−抵抗係数が4倍以下となるような正の抵抗温
度係数を持つタングステンWとレニウムRe合金線から
なり、抵抗体は純W又は純モリブデンMoの線材からな
るものである。
【0006】また、特公昭60−19404号公報に開
示されたシーズグロープラグは、耐熱性の有底金属チュ
ーブの内底と中心電極間をいずれも巻線の発熱体と抵抗
体を直接接続して成る自己制御型のシーズグロープラグ
であり、抵抗体の巻線ピッチが中心電極側の電極側の取
付金具に近い部分を密にし、発熱体側に近い部分を粗に
形成したものである。
示されたシーズグロープラグは、耐熱性の有底金属チュ
ーブの内底と中心電極間をいずれも巻線の発熱体と抵抗
体を直接接続して成る自己制御型のシーズグロープラグ
であり、抵抗体の巻線ピッチが中心電極側の電極側の取
付金具に近い部分を密にし、発熱体側に近い部分を粗に
形成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自己電流制御型グロープラグは、遮熱エンジン等の高温
燃焼室での使用では、耐熱性、熱ショックに対する強
度、高温強度等について十分なものとはいえないもので
あった。また、従来開示されている自己制御型グロープ
ラグは、炭化タングステン線を用いて作製した発熱線コ
イルとNi線コイルを用いて作製した抵抗体コイルとを
接続し、両者を抵抗温度係数が異なる材料で作製した
り、或いは巻線の発熱体と抵抗体とを異なった形状に作
製したものであるので、使用中にNi線が過熱によって
断線したり、経時変化によって劣化するという問題があ
り、しかも構造が複雑になり、コスト、強度に関して満
足できるものではなかった。
自己電流制御型グロープラグは、遮熱エンジン等の高温
燃焼室での使用では、耐熱性、熱ショックに対する強
度、高温強度等について十分なものとはいえないもので
あった。また、従来開示されている自己制御型グロープ
ラグは、炭化タングステン線を用いて作製した発熱線コ
イルとNi線コイルを用いて作製した抵抗体コイルとを
接続し、両者を抵抗温度係数が異なる材料で作製した
り、或いは巻線の発熱体と抵抗体とを異なった形状に作
製したものであるので、使用中にNi線が過熱によって
断線したり、経時変化によって劣化するという問題があ
り、しかも構造が複雑になり、コスト、強度に関して満
足できるものではなかった。
【0008】セラミック製グロープラグについては、自
己電流制御型グロープラグを構成するには、ヒータコイ
ルの電流通路の上流側領域で抵抗値が極端に上昇すれば
よいものである。ヒータコイルにおける抵抗値と温度と
の関係は、次式で示される。 ρT X =ρT 0 〔1+α(TX −T0 )〕 但し、ρT X はある温度TX でのヒータコイルの抵抗
値、ρT 0 は常温T0 でのヒータコイルの抵抗値、αは
抵抗温度係数である。
己電流制御型グロープラグを構成するには、ヒータコイ
ルの電流通路の上流側領域で抵抗値が極端に上昇すれば
よいものである。ヒータコイルにおける抵抗値と温度と
の関係は、次式で示される。 ρT X =ρT 0 〔1+α(TX −T0 )〕 但し、ρT X はある温度TX でのヒータコイルの抵抗
値、ρT 0 は常温T0 でのヒータコイルの抵抗値、αは
抵抗温度係数である。
【0009】通常、グロープラグは、12Vの電源電圧
では、1Ω位で飽和電流が流れ、温度が約900℃に保
持されるものである。グロープラグを瞬間的に加熱する
ためには、常温で0.1Ω位が必要である。通常、加熱
線即ちヒータコイルとして使用されるW線等は、抵抗温
度係数が4×10- 3 程度であるので、900℃で電流
を飽和させることができない。
では、1Ω位で飽和電流が流れ、温度が約900℃に保
持されるものである。グロープラグを瞬間的に加熱する
ためには、常温で0.1Ω位が必要である。通常、加熱
線即ちヒータコイルとして使用されるW線等は、抵抗温
度係数が4×10- 3 程度であるので、900℃で電流
を飽和させることができない。
【0010】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、ヒータコイルを構成するタングス
テン線等の耐熱金属線の上流側領域と下流側領域との遮
熱度を上流側領域で大きく且つ下流側領域で小さくなる
ように設定し、上流側領域と下流側領域との熱放散量の
違いによって、上流側領域の耐熱金属線を流れる電流を
制御し、下流側領域の発熱体を構成する先端部に埋め込
まれた耐熱金属線に流れる電流を調節して最適の発熱量
を確保する自己電流制御型に構成し、特に、耐熱金属線
のヒータコイルをセラミックス中に埋め込み、ヒータコ
イルの断線の発生を防止すると共に経時変化による劣化
の発生を防止し、高温の燃焼室での熱ショックに対して
高強度を有し、耐酸化性、耐熱性に富み、電気的接続部
に無理が発生せず、安定した強度を確保できるセラミッ
ク製グロープラグを提供することである。
解決することであり、ヒータコイルを構成するタングス
テン線等の耐熱金属線の上流側領域と下流側領域との遮
熱度を上流側領域で大きく且つ下流側領域で小さくなる
ように設定し、上流側領域と下流側領域との熱放散量の
違いによって、上流側領域の耐熱金属線を流れる電流を
制御し、下流側領域の発熱体を構成する先端部に埋め込
まれた耐熱金属線に流れる電流を調節して最適の発熱量
を確保する自己電流制御型に構成し、特に、耐熱金属線
のヒータコイルをセラミックス中に埋め込み、ヒータコ
イルの断線の発生を防止すると共に経時変化による劣化
の発生を防止し、高温の燃焼室での熱ショックに対して
高強度を有し、耐酸化性、耐熱性に富み、電気的接続部
に無理が発生せず、安定した強度を確保できるセラミッ
ク製グロープラグを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、電極を備えた中空状本体、該本体から発熱部を
突出状態に前記本体に固定された導電性セラミック製パ
イプ、該導電性セラミック製パイプの前記発熱部の先端
に取り付けた接続部、前記電極に電源接続部を介して電
気的に接続すると共に前記接続部に電気的に接続し且つ
前記導電性セラミック製パイプ内に非接触状態に延びて
いる耐熱金属製ヒータコイル、及び前記導電性セラミッ
ク製パイプの前記発熱部の外面を被覆した耐熱性に富む
セラミックスから成る保護部材、から構成したことを特
徴とするセラミック製グロープラグに関する。
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、電極を備えた中空状本体、該本体から発熱部を
突出状態に前記本体に固定された導電性セラミック製パ
イプ、該導電性セラミック製パイプの前記発熱部の先端
に取り付けた接続部、前記電極に電源接続部を介して電
気的に接続すると共に前記接続部に電気的に接続し且つ
前記導電性セラミック製パイプ内に非接触状態に延びて
いる耐熱金属製ヒータコイル、及び前記導電性セラミッ
ク製パイプの前記発熱部の外面を被覆した耐熱性に富む
セラミックスから成る保護部材、から構成したことを特
徴とするセラミック製グロープラグに関する。
【0012】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記導電性セラミック製パイプは前記発熱部で小
径であり且つ前記本体内で大径に形成され、前記ヒータ
コイルは長手方向に同径に形成されているものである。
いて、前記導電性セラミック製パイプは前記発熱部で小
径であり且つ前記本体内で大径に形成され、前記ヒータ
コイルは長手方向に同径に形成されているものである。
【0013】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記導電性セラミック製パイプ内にはSi−Ti
−Al−O−N系セラミックスから成る低熱伝導部材が
充填され、該低熱伝導部材内に前記ヒータコイルが埋め
込まれているものである。
いて、前記導電性セラミック製パイプ内にはSi−Ti
−Al−O−N系セラミックスから成る低熱伝導部材が
充填され、該低熱伝導部材内に前記ヒータコイルが埋め
込まれているものである。
【0014】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記ヒータコイルはタングステン線で作製され、
該タングステン線の外面は炭化ケイ素又は炭化タングス
テンで被覆されているものである。
いて、前記ヒータコイルはタングステン線で作製され、
該タングステン線の外面は炭化ケイ素又は炭化タングス
テンで被覆されているものである。
【0015】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記保護部材は外径が同一になるように加工され
ているものである。
いて、前記保護部材は外径が同一になるように加工され
ているものである。
【0016】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記導電性セラミック製パイプは炭化ケイ素とホ
ウ化ジルコニウムとから成る複合材で作製されているも
のである。
いて、前記導電性セラミック製パイプは炭化ケイ素とホ
ウ化ジルコニウムとから成る複合材で作製されているも
のである。
【0017】
【作用】この発明によるセラミック製グロープラグは、
上記のように構成されており、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグは、中空状本体から
導電性セラミック製パイプの発熱部を突出させ、電極と
前記導電性セラミック製パイプとを前記導電性セラミッ
ク製パイプ内に非接触状態に配置した耐熱金属製ヒータ
コイルで接続したので、前記ヒータコイルに電流を流す
と、前記本体内に位置する前記ヒータコイルが遮熱度が
大きく、前記本体の内部側の前記ヒータコイルが下流側
領域に比較して高温になる。そこで、前記ヒータコイル
の上流側領域が高温になれば、抵抗値が大きくなり、前
記ヒータコイルに流れる電流が小さくなり、前記下流側
領域の前記ヒータコイルの発熱量が自己制御され、最適
値に制御されることになる。
上記のように構成されており、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグは、中空状本体から
導電性セラミック製パイプの発熱部を突出させ、電極と
前記導電性セラミック製パイプとを前記導電性セラミッ
ク製パイプ内に非接触状態に配置した耐熱金属製ヒータ
コイルで接続したので、前記ヒータコイルに電流を流す
と、前記本体内に位置する前記ヒータコイルが遮熱度が
大きく、前記本体の内部側の前記ヒータコイルが下流側
領域に比較して高温になる。そこで、前記ヒータコイル
の上流側領域が高温になれば、抵抗値が大きくなり、前
記ヒータコイルに流れる電流が小さくなり、前記下流側
領域の前記ヒータコイルの発熱量が自己制御され、最適
値に制御されることになる。
【0018】また、前記導電性セラミック製パイプは前
記発熱部で小径であり且つ前記電源接続部側の前記本体
内で大径に形成され、前記ヒータコイルは長手方向に同
径に形成されているので、前記ヒータコイルと前記導電
性セラミック製パイプとの間の隔置距離が前記本体の内
部に位置する上流側領域で大きく且つ前記本体から突出
した前記発熱部に位置する下流側領域で小さく設定され
る。
記発熱部で小径であり且つ前記電源接続部側の前記本体
内で大径に形成され、前記ヒータコイルは長手方向に同
径に形成されているので、前記ヒータコイルと前記導電
性セラミック製パイプとの間の隔置距離が前記本体の内
部に位置する上流側領域で大きく且つ前記本体から突出
した前記発熱部に位置する下流側領域で小さく設定され
る。
【0019】また、前記導電性セラミック製パイプ内に
はSi−Ti−Al−O−N系のセラミックスから成る
低熱伝導部材が充填され、該低熱伝導部材内に前記ヒー
タコイルが埋め込まれているので、前記ヒータコイルと
前記導電性セラミック製パイプとは確実に遮熱構造を形
成でき、且つ前記ヒータコイルは前記導電性セラミック
製パイプ内に強固に固定される。しかも、温度上昇で抵
抗値が上昇する前記ヒータコイルの上流側領域の部分で
構成される抵抗体は、Si−Ti−Al−O−N系セラ
ミックスの中に収容されているので、断線の発生は確実
に防止することができ、また、前記導電性セラミック製
パイプは筒状であり、構造がシンプルであるので、前記
ヒータコイル等の接続部を強固に構成することができ
る。
はSi−Ti−Al−O−N系のセラミックスから成る
低熱伝導部材が充填され、該低熱伝導部材内に前記ヒー
タコイルが埋め込まれているので、前記ヒータコイルと
前記導電性セラミック製パイプとは確実に遮熱構造を形
成でき、且つ前記ヒータコイルは前記導電性セラミック
製パイプ内に強固に固定される。しかも、温度上昇で抵
抗値が上昇する前記ヒータコイルの上流側領域の部分で
構成される抵抗体は、Si−Ti−Al−O−N系セラ
ミックスの中に収容されているので、断線の発生は確実
に防止することができ、また、前記導電性セラミック製
パイプは筒状であり、構造がシンプルであるので、前記
ヒータコイル等の接続部を強固に構成することができ
る。
【0020】また、タングステン線で作製された前記ヒ
ータコイルの外面は、炭化ケイ素又は炭化タングステン
で被覆されているので、前記ヒータコイルを構成するタ
ングステンの酸化を防止でき、耐腐食性を向上でき、前
記ヒータコイルの耐久性を向上できる。しかも、タング
ステンと炭化ケイ素とは、両者とも線膨張係数が4×1
0- 6 /℃であり、同一であるので、熱膨張差によって
SiCの被覆層がW線から剥離することがなく、強固に
被覆される。
ータコイルの外面は、炭化ケイ素又は炭化タングステン
で被覆されているので、前記ヒータコイルを構成するタ
ングステンの酸化を防止でき、耐腐食性を向上でき、前
記ヒータコイルの耐久性を向上できる。しかも、タング
ステンと炭化ケイ素とは、両者とも線膨張係数が4×1
0- 6 /℃であり、同一であるので、熱膨張差によって
SiCの被覆層がW線から剥離することがなく、強固に
被覆される。
【0021】また、前記導電性セラミック製パイプの前
記先端部の外面は耐熱性に富んだセラミックスから成る
保護部材で被覆されているので、前記保護部材によって
熱ショック、耐熱性を向上でき、高温強度を強化でき
る。また、前記保護部材の外径が同一になるように加工
しておけば、前記発熱部からの熱放散が均一になり、良
好なグロープラグを提供できる。前記導電性セラミック
製パイプと前記保護部材との間に穴又は切り欠き部を形
成しておけば、繰り返しの熱負荷に対しても安定した強
度を確保できる。
記先端部の外面は耐熱性に富んだセラミックスから成る
保護部材で被覆されているので、前記保護部材によって
熱ショック、耐熱性を向上でき、高温強度を強化でき
る。また、前記保護部材の外径が同一になるように加工
しておけば、前記発熱部からの熱放散が均一になり、良
好なグロープラグを提供できる。前記導電性セラミック
製パイプと前記保護部材との間に穴又は切り欠き部を形
成しておけば、繰り返しの熱負荷に対しても安定した強
度を確保できる。
【0022】また、前記導電性セラミック製パイプを炭
化ケイ素とホウ化ジルコニウムから成る複合材で作製し
たので、高温強度を向上させた導電性セラミックスを構
成できる。炭化ケイ素SiCは抵抗温度係数が負である
ので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、内側での発熱
が大きくなる。特に、SiCで作製された前記導電性セ
ラミック製パイプのパイプ径の大きい領域では、前記ヒ
ータコイルとの間の距離が大きくなり、内側の前記ヒー
タコイル即ちW線が高温となり、抵抗値が大きくなって
電流値が小さくなる。従って、セラミック製グロープラ
グは、自己電流制御が行われ、発熱量が制御されること
になる。
化ケイ素とホウ化ジルコニウムから成る複合材で作製し
たので、高温強度を向上させた導電性セラミックスを構
成できる。炭化ケイ素SiCは抵抗温度係数が負である
ので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、内側での発熱
が大きくなる。特に、SiCで作製された前記導電性セ
ラミック製パイプのパイプ径の大きい領域では、前記ヒ
ータコイルとの間の距離が大きくなり、内側の前記ヒー
タコイル即ちW線が高温となり、抵抗値が大きくなって
電流値が小さくなる。従って、セラミック製グロープラ
グは、自己電流制御が行われ、発熱量が制御されること
になる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるセラ
ミック製グロープラグの実施例を説明する。図1はこの
発明によるセラミック製グロープラグの一実施例を示す
概略説明図である。
ミック製グロープラグの実施例を説明する。図1はこの
発明によるセラミック製グロープラグの一実施例を示す
概略説明図である。
【0024】このセラミック製グロープラグは、主とし
て、絶縁体(図示せず)を介在して端子即ち電極10を
取り付けた中空状本体1、導電性セラミック製パイプ
2、ヒータコイル3、導電性セラミック製パイプ2内に
充填された低熱伝導部材4及び導電性セラミック製パイ
プ2の外面に配置された保護部材である保護パイプ5か
ら構成されている。中空状本体1は、耐熱合金等の金属
から作製され、他の部品への取り付けのためのねじ11
及びナット14を有している。導電性セラミック製パイ
プ2は、その一部が中空状本体1の内壁面17に接触し
た状態に固定されている。導電性セラミック製パイプ2
を中空状本体1に接続するには、導電性セラミック製パ
イプ2の外周面をメタリイジングして接合すれば、両者
は極めて強固に電気的に接合できる。また、導電性セラ
ミック製パイプ2の発熱部12は、中空状本体1の端部
15から突出状態に配置されている。導電性セラミック
製パイプ2の端部16には、接続部6が設けられてい
る。ヒータコイル3は、電極10に電源接続部8を介し
て接続すると共に、導電性セラミック製パイプ2の接続
部6に接続されている。
て、絶縁体(図示せず)を介在して端子即ち電極10を
取り付けた中空状本体1、導電性セラミック製パイプ
2、ヒータコイル3、導電性セラミック製パイプ2内に
充填された低熱伝導部材4及び導電性セラミック製パイ
プ2の外面に配置された保護部材である保護パイプ5か
ら構成されている。中空状本体1は、耐熱合金等の金属
から作製され、他の部品への取り付けのためのねじ11
及びナット14を有している。導電性セラミック製パイ
プ2は、その一部が中空状本体1の内壁面17に接触し
た状態に固定されている。導電性セラミック製パイプ2
を中空状本体1に接続するには、導電性セラミック製パ
イプ2の外周面をメタリイジングして接合すれば、両者
は極めて強固に電気的に接合できる。また、導電性セラ
ミック製パイプ2の発熱部12は、中空状本体1の端部
15から突出状態に配置されている。導電性セラミック
製パイプ2の端部16には、接続部6が設けられてい
る。ヒータコイル3は、電極10に電源接続部8を介し
て接続すると共に、導電性セラミック製パイプ2の接続
部6に接続されている。
【0025】このセラミック製グロープラグにおいて、
ヒータコイル3は、炭化ケイ素SiC又は炭化タングス
テンWCで被覆されたタングステンW線等の耐熱金属材
料で作製されており、導電性セラミック製パイプ2内に
非接触状態に長手方向に延びており、しかも、ヒータコ
イル3と導電性セラミック製パイプ2との間の隔置距離
は、中空状本体1の内部に位置する上流側領域2Aで大
きく、中空状本体1から突出した発熱体を構成する発熱
部12に位置する下流側領域2Bで小さく設定されてい
る。ヒータコイル3のタングステンW線をSiC又はW
C等で被覆することによって、タングステンWの酸化を
防止でき、耐久性を向上できる。
ヒータコイル3は、炭化ケイ素SiC又は炭化タングス
テンWCで被覆されたタングステンW線等の耐熱金属材
料で作製されており、導電性セラミック製パイプ2内に
非接触状態に長手方向に延びており、しかも、ヒータコ
イル3と導電性セラミック製パイプ2との間の隔置距離
は、中空状本体1の内部に位置する上流側領域2Aで大
きく、中空状本体1から突出した発熱体を構成する発熱
部12に位置する下流側領域2Bで小さく設定されてい
る。ヒータコイル3のタングステンW線をSiC又はW
C等で被覆することによって、タングステンWの酸化を
防止でき、耐久性を向上できる。
【0026】また、このセラミック製グロープラグは、
ヒータコイル3と導電性セラミック製パイプ2との間の
隔置距離を中空状本体1の内部に位置する領域2Aで大
きく、中空状本体1から突出した発熱部12に位置する
領域2Bで小さく設定するため、導電性セラミック製パ
イプ2は発熱部12で小径であり、電源接続部8側の中
空状本体1内で大径に形成されており、しかもヒータコ
イル3は長手方向に同径に形成されている。また、導電
性セラミック製パイプ2内には、Si−Ti−Al−O
−N系のセラミックスから成る低熱伝導部材4が充填さ
れ、該低熱伝導部材4内にヒータコイル3が埋め込まれ
て固定されている。
ヒータコイル3と導電性セラミック製パイプ2との間の
隔置距離を中空状本体1の内部に位置する領域2Aで大
きく、中空状本体1から突出した発熱部12に位置する
領域2Bで小さく設定するため、導電性セラミック製パ
イプ2は発熱部12で小径であり、電源接続部8側の中
空状本体1内で大径に形成されており、しかもヒータコ
イル3は長手方向に同径に形成されている。また、導電
性セラミック製パイプ2内には、Si−Ti−Al−O
−N系のセラミックスから成る低熱伝導部材4が充填さ
れ、該低熱伝導部材4内にヒータコイル3が埋め込まれ
て固定されている。
【0027】Si−Ti−Al−O−N系セラミックス
は、Si3 N4 +TiO2 +Al2O3 から成る複合材
であり、その熱伝導率はほぼ2W/h・m2 と極めて低
いセラミックスである。この複合材は、次のようにして
作製できる。Si、Ti及びAl2 O3 から成る混合粉
末に添加物を加えてスラリーを作製し、該スラリーを導
電性セラミック製パイプ2内に投入してN2 ガス雰囲気
で反応焼結させ、それによってSi3 N4 とTiNを生
成する。TiNは不安定であるので、そこで、Si3 N
4 とTiNをO2 ガス雰囲気中で反応させると、TiN
がTiO2 になり、Si−Ti−Al−O−N系セラミ
ックスが作製される。ここで、TiO2自体は酸化に対
して極めて安定しており、製造工程中の中間生成物とし
てTiNを含んでいるので反応体積が大となるので、導
電性セラミック製パイプ2との間及びヒータコイル2の
線体との間に隙間等が発生することがなく、密着した状
態にSi−Ti−Al−O−N系セラミックスの低熱伝
導部材3が導電性セラミック製パイプ2内に配置される
ことになる。
は、Si3 N4 +TiO2 +Al2O3 から成る複合材
であり、その熱伝導率はほぼ2W/h・m2 と極めて低
いセラミックスである。この複合材は、次のようにして
作製できる。Si、Ti及びAl2 O3 から成る混合粉
末に添加物を加えてスラリーを作製し、該スラリーを導
電性セラミック製パイプ2内に投入してN2 ガス雰囲気
で反応焼結させ、それによってSi3 N4 とTiNを生
成する。TiNは不安定であるので、そこで、Si3 N
4 とTiNをO2 ガス雰囲気中で反応させると、TiN
がTiO2 になり、Si−Ti−Al−O−N系セラミ
ックスが作製される。ここで、TiO2自体は酸化に対
して極めて安定しており、製造工程中の中間生成物とし
てTiNを含んでいるので反応体積が大となるので、導
電性セラミック製パイプ2との間及びヒータコイル2の
線体との間に隙間等が発生することがなく、密着した状
態にSi−Ti−Al−O−N系セラミックスの低熱伝
導部材3が導電性セラミック製パイプ2内に配置される
ことになる。
【0028】更に、導電性セラミック製パイプ2の発熱
部12の外面には、酸化チタンTiO2 を含んだ窒化ケ
イ素Si3 N4 の耐熱性で耐腐食性に富んだセラミック
スから成る保護部材の保護パイプ5で被覆されている。
また、導電性セラミック製パイプ2は、SiCとホウ化
ジルコニウムZrB2 とから成る複合材で作製されてい
る。保護パイプ5を導電性セラミック製パイプ2の外面
に配置するには、ポリマープレカーサによって焼成で転
化させて窒化ケイ素Si3 N4 を形成することができ
る。
部12の外面には、酸化チタンTiO2 を含んだ窒化ケ
イ素Si3 N4 の耐熱性で耐腐食性に富んだセラミック
スから成る保護部材の保護パイプ5で被覆されている。
また、導電性セラミック製パイプ2は、SiCとホウ化
ジルコニウムZrB2 とから成る複合材で作製されてい
る。保護パイプ5を導電性セラミック製パイプ2の外面
に配置するには、ポリマープレカーサによって焼成で転
化させて窒化ケイ素Si3 N4 を形成することができ
る。
【0029】このセラミック製グロープラグでは、電極
10は中空状本体1の中空部9に非接触状態に延びて電
源接続部8に接続されている。タングステンW線は、導
電性セラミック製パイプ2内では径が小さく、導電性セ
ラミック製パイプ2から外れる領域では径が大きく形成
されているので、導電性セラミック製パイプ2内でヒー
タコイル3を形成することができる。また、導電性セラ
ミック製パイプ2は、ホウ化ジルコニアZrB2 を30
wt%以上含有する窒化ケイ素Si3 N4 から成る導電
性セラミックスで作製され、導電性を有している。ヒー
タコイル3と導電性セラミック製パイプ2とを電気的に
結線するため、導電性セラミック製パイプ2の先端16
に孔7を形成した円柱ボスから成る接続部6を固定して
いる。ヒータコイル3と接続部6との電気的結線及びヒ
ータコイル3と電源接続部8との電気的結線は、耐熱金
属で蒸着によって堅固に確実に結線されている。
10は中空状本体1の中空部9に非接触状態に延びて電
源接続部8に接続されている。タングステンW線は、導
電性セラミック製パイプ2内では径が小さく、導電性セ
ラミック製パイプ2から外れる領域では径が大きく形成
されているので、導電性セラミック製パイプ2内でヒー
タコイル3を形成することができる。また、導電性セラ
ミック製パイプ2は、ホウ化ジルコニアZrB2 を30
wt%以上含有する窒化ケイ素Si3 N4 から成る導電
性セラミックスで作製され、導電性を有している。ヒー
タコイル3と導電性セラミック製パイプ2とを電気的に
結線するため、導電性セラミック製パイプ2の先端16
に孔7を形成した円柱ボスから成る接続部6を固定して
いる。ヒータコイル3と接続部6との電気的結線及びヒ
ータコイル3と電源接続部8との電気的結線は、耐熱金
属で蒸着によって堅固に確実に結線されている。
【0030】また、導電性セラミック製パイプ2の発熱
部12の外面に被覆された保護パイプ5は、酸化チタン
TiO2 を含有したSi3 N4 から作製され、耐熱性に
富むと共に、耐腐食性、耐酸化性に富む構造に構成さ
れ、しかも保護パイプ5の外径は長手方向全域にわたっ
て同一径に加工されている。導電性セラミック製パイプ
2とSi3 N4 の保護パイプ5との間には、孔、又は切
り欠き等が形成され、熱応力に耐える安定した強度を確
保できる構造に構成されている。また、導電性セラミッ
ク製パイプ2と中空状本体1とは直接接触して接続され
ているので、電気的接続に無理が発生せず、極めて安定
した構造を提供できる。また、SiCは、抵抗温度係数
が負であるので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、内
側での発熱が大きくなる。特に、SiCで作製された導
電性セラミック製パイプ2のパイプ径の大きい領域で
は、ヒータコイル3との間の距離が大きくなり、内側の
W線が高温となり、抵抗値が大きくなる。
部12の外面に被覆された保護パイプ5は、酸化チタン
TiO2 を含有したSi3 N4 から作製され、耐熱性に
富むと共に、耐腐食性、耐酸化性に富む構造に構成さ
れ、しかも保護パイプ5の外径は長手方向全域にわたっ
て同一径に加工されている。導電性セラミック製パイプ
2とSi3 N4 の保護パイプ5との間には、孔、又は切
り欠き等が形成され、熱応力に耐える安定した強度を確
保できる構造に構成されている。また、導電性セラミッ
ク製パイプ2と中空状本体1とは直接接触して接続され
ているので、電気的接続に無理が発生せず、極めて安定
した構造を提供できる。また、SiCは、抵抗温度係数
が負であるので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、内
側での発熱が大きくなる。特に、SiCで作製された導
電性セラミック製パイプ2のパイプ径の大きい領域で
は、ヒータコイル3との間の距離が大きくなり、内側の
W線が高温となり、抵抗値が大きくなる。
【0031】このセラミック製グロープラグは、上記の
ように構成されているので、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグは、電極10から電
流をヒータコイル3に流すと、上流側領域2Aは下流側
領域2Bに比較して極端に温度が上昇する。そして、上
流側領域2Aが高温になれば、ヒータコイル3の抵抗値
が大きくなり、ヒータコイル3に流れる電流が小さくな
り、下流側領域2Bの発熱量が自己制御される。また、
上流側領域2Aの温度が下がれば、再びヒータコイル3
に電流が流れてヒータコイル3によって下流側領域2B
が加熱されるので、従って、発熱部12の発熱体は常に
最適発熱量に維持される。例えば、図2に示すように、
ヒータコイル3を埋め込んだ下流側領域2Bは燃焼室等
の外部に露出しているので、下流側領域2Bから熱放散
され、下流側領域2Bの温度は900℃に維持されて下
流側領域2Bのヒータコイル3の抵抗値は0.4Ωにな
るが、上流側領域2Aのヒータコイル3は密封室13内
に位置して遮熱されているので、上流側領域2Aの温度
は1800℃になって上流側領域2Aのヒータコイル3
の抵抗値は0.6Ωになる。従って、このセラミック製
グロープラグでは、上流側領域2Aと下流側領域2Bと
のヒータコイル3の抵抗値の総和は1Ωになり、安定状
態になる。
ように構成されているので、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグは、電極10から電
流をヒータコイル3に流すと、上流側領域2Aは下流側
領域2Bに比較して極端に温度が上昇する。そして、上
流側領域2Aが高温になれば、ヒータコイル3の抵抗値
が大きくなり、ヒータコイル3に流れる電流が小さくな
り、下流側領域2Bの発熱量が自己制御される。また、
上流側領域2Aの温度が下がれば、再びヒータコイル3
に電流が流れてヒータコイル3によって下流側領域2B
が加熱されるので、従って、発熱部12の発熱体は常に
最適発熱量に維持される。例えば、図2に示すように、
ヒータコイル3を埋め込んだ下流側領域2Bは燃焼室等
の外部に露出しているので、下流側領域2Bから熱放散
され、下流側領域2Bの温度は900℃に維持されて下
流側領域2Bのヒータコイル3の抵抗値は0.4Ωにな
るが、上流側領域2Aのヒータコイル3は密封室13内
に位置して遮熱されているので、上流側領域2Aの温度
は1800℃になって上流側領域2Aのヒータコイル3
の抵抗値は0.6Ωになる。従って、このセラミック製
グロープラグでは、上流側領域2Aと下流側領域2Bと
のヒータコイル3の抵抗値の総和は1Ωになり、安定状
態になる。
【0032】
【発明の効果】この発明によるセラミック製グロープラ
グは、上記のように構成されており、次のような効果を
有する。即ち、このセラミック製グロープラグは、電極
を備えた中空状本体から発熱部を突出状態に前記本体に
導電性セラミック製パイプを固定し、前記電極と前記導
電性セラミック製パイプとに耐熱金属製ヒータコイルを
接続し、且つ前記ヒータコイルを前記導電性セラミック
製パイプ内に非接触状態に配置したので、前記ヒータコ
イルに電流が流されることにより、前記本体の内部に位
置する前記ヒータコイルの領域が前記発熱部の領域に比
較して遮熱度が大きくなり、前記本体の内部側の前記ヒ
ータコイルが高温になり易くなる。そこで、前記ヒータ
コイルが高温になれば、抵抗値が大きくなり、前記ヒー
タコイルに流れる電流が小さくなり、また、前記ヒータ
コイルが温度が下がれば、再び電流が流れて前記発熱部
は加熱され、前記発熱部は常に最適発熱量に自己制御さ
れることになる。しかも、前記ヒータコイルは、全長に
わたって電気抵抗値が同一に構成できるので、構造がシ
ンプルであり、前記ヒータコイルの耐久性を向上でき
る。
グは、上記のように構成されており、次のような効果を
有する。即ち、このセラミック製グロープラグは、電極
を備えた中空状本体から発熱部を突出状態に前記本体に
導電性セラミック製パイプを固定し、前記電極と前記導
電性セラミック製パイプとに耐熱金属製ヒータコイルを
接続し、且つ前記ヒータコイルを前記導電性セラミック
製パイプ内に非接触状態に配置したので、前記ヒータコ
イルに電流が流されることにより、前記本体の内部に位
置する前記ヒータコイルの領域が前記発熱部の領域に比
較して遮熱度が大きくなり、前記本体の内部側の前記ヒ
ータコイルが高温になり易くなる。そこで、前記ヒータ
コイルが高温になれば、抵抗値が大きくなり、前記ヒー
タコイルに流れる電流が小さくなり、また、前記ヒータ
コイルが温度が下がれば、再び電流が流れて前記発熱部
は加熱され、前記発熱部は常に最適発熱量に自己制御さ
れることになる。しかも、前記ヒータコイルは、全長に
わたって電気抵抗値が同一に構成できるので、構造がシ
ンプルであり、前記ヒータコイルの耐久性を向上でき
る。
【0033】また、前記導電性セラミック製パイプは前
記発熱部で小径であり且つ前記電源接続部側の前記本体
内で大径に形成され、前記ヒータコイルは長手方向に同
径に形成されているので、前記ヒータコイルと前記導電
性セラミック製パイプとの間の隔置距離が前記本体の内
部に位置する上流側領域で大きく且つ前記本体から突出
した前記先端部に位置する下流側領域で小さく設定され
る。
記発熱部で小径であり且つ前記電源接続部側の前記本体
内で大径に形成され、前記ヒータコイルは長手方向に同
径に形成されているので、前記ヒータコイルと前記導電
性セラミック製パイプとの間の隔置距離が前記本体の内
部に位置する上流側領域で大きく且つ前記本体から突出
した前記先端部に位置する下流側領域で小さく設定され
る。
【0034】また、前記導電性セラミック製パイプ内に
はSi−Ti−Al−O−N系のセラミックスから成る
低熱伝導部材が充填され、該低熱伝導部材内に前記ヒー
タコイルが埋め込まれているので、前記ヒータコイルと
前記導電性セラミック製パイプとは確実に遮熱構造を形
成でき、且つ前記ヒータコイルは前記導電性セラミック
製パイプ内に強固に固定される。
はSi−Ti−Al−O−N系のセラミックスから成る
低熱伝導部材が充填され、該低熱伝導部材内に前記ヒー
タコイルが埋め込まれているので、前記ヒータコイルと
前記導電性セラミック製パイプとは確実に遮熱構造を形
成でき、且つ前記ヒータコイルは前記導電性セラミック
製パイプ内に強固に固定される。
【0035】また、タングステン線で作製された前記ヒ
ータコイルは炭化ケイ素又は炭化タングステンで被覆さ
れているので、タングステン線の酸化を防止でき、耐腐
食性を向上でき、前記ヒータコイルの耐久性を向上でき
る。
ータコイルは炭化ケイ素又は炭化タングステンで被覆さ
れているので、タングステン線の酸化を防止でき、耐腐
食性を向上でき、前記ヒータコイルの耐久性を向上でき
る。
【0036】また、前記導電性セラミック製パイプの前
記発熱部の外面は耐熱性に富んだセラミックスで被覆さ
れているので、該セラミックスは保護パイプを構成し、
熱ショック、耐熱性を向上でき、高温強度を強化でき
る。また、前記導電性セラミック製パイプと前記保護パ
イプとの間に穴又は切り欠き部を形成しておけば、安定
した強度を確保できる。
記発熱部の外面は耐熱性に富んだセラミックスで被覆さ
れているので、該セラミックスは保護パイプを構成し、
熱ショック、耐熱性を向上でき、高温強度を強化でき
る。また、前記導電性セラミック製パイプと前記保護パ
イプとの間に穴又は切り欠き部を形成しておけば、安定
した強度を確保できる。
【0037】また、前記導電性セラミック製パイプを炭
化ケイ素とホウ化ジルコニウムから成る複合材で作製し
たので、高温強度を向上させた導電性セラミックスを構
成できる。炭化ケイ素SiCは抵抗温度係数が負である
ので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、内側での発熱
が大きくなる。特に、SiCで作製された前記導電性セ
ラミック製パイプのパイプ径の大きい領域では、前記ヒ
ータコイルとの間の距離が大きくなり、内側の前記ヒー
タコイルが高温となり、抵抗値が大きくなって電流値が
小さくなる。従って、セラミック製グロープラグは、自
己電流制御が行われることになる。
化ケイ素とホウ化ジルコニウムから成る複合材で作製し
たので、高温強度を向上させた導電性セラミックスを構
成できる。炭化ケイ素SiCは抵抗温度係数が負である
ので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、内側での発熱
が大きくなる。特に、SiCで作製された前記導電性セ
ラミック製パイプのパイプ径の大きい領域では、前記ヒ
ータコイルとの間の距離が大きくなり、内側の前記ヒー
タコイルが高温となり、抵抗値が大きくなって電流値が
小さくなる。従って、セラミック製グロープラグは、自
己電流制御が行われることになる。
【図1】この発明によるセラミック製グロープラグの一
実施例を示す説明図である。
実施例を示す説明図である。
【図2】このセラミック製グロープラグにおける電気抵
抗線とヒータコイルとの温度と抵抗値との関係を説明す
るグラフである。
抗線とヒータコイルとの温度と抵抗値との関係を説明す
るグラフである。
【図3】NiとWとの温度に対する抵抗値の関係を説明
するグラフである。
するグラフである。
【図4】従来のセラミック製グロープラグの時間に対す
る電流制御の関係を示すグラフである。
る電流制御の関係を示すグラフである。
1 中空状本体 2 導電性セラミック製パイプ 2A 上流側領域 2B 下流側領域 3 ヒータコイル 4 低熱伝導部材 5 保護パイプ(保護部材) 6 接続部 7 孔 8 電源接続部 9 中空部 10 電極 12 発熱部 15 中空状本体の端部 16 導電性セラミック製パイプの端部
Claims (6)
- 【請求項1】 電極を備えた中空状本体、該本体から発
熱部を突出状態に前記本体に固定された導電性セラミッ
ク製パイプ、該導電性セラミック製パイプの前記発熱部
の先端に取り付けた接続部、前記電極に電源接続部を介
して電気的に接続すると共に前記接続部に電気的に接続
し且つ前記導電性セラミック製パイプ内に非接触状態に
延びている耐熱金属製ヒータコイル、及び前記導電性セ
ラミック製パイプの前記発熱部の外面を被覆した耐熱性
に富むセラミックスから成る保護部材、から構成したこ
とを特徴とするセラミック製グロープラグ。 - 【請求項2】 前記導電性セラミック製パイプは前記発
熱部で小径であり且つ前記本体内で大径に形成され、前
記ヒータコイルは長手方向に同径に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のセラミック製グロープラ
グ。 - 【請求項3】 前記導電性セラミック製パイプ内にはS
i−Ti−Al−O−N系セラミックスから成る低熱伝
導部材が充填され、該低熱伝導部材内に前記ヒータコイ
ルが埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載
のセラミック製グロープラグ。 - 【請求項4】 前記ヒータコイルはタングステン線で作
製され、該タングステン線の外面は炭化ケイ素又は炭化
タングステンで被覆されていることを特徴とする請求項
1に記載のセラミック製グロープラグ。 - 【請求項5】 前記保護部材は外径が同一になるように
加工されていることを特徴とする請求項1に記載のセラ
ミック製グロープラグ。 - 【請求項6】 前記導電性セラミック製パイプは炭化ケ
イ素とホウ化ジルコニウムとから成る複合材で作製され
ていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック製
グロープラグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18320293A JPH0719474A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | セラミック製グロープラグ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18320293A JPH0719474A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | セラミック製グロープラグ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0719474A true JPH0719474A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=16131564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18320293A Pending JPH0719474A (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | セラミック製グロープラグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0719474A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011162074A1 (ja) * | 2010-06-22 | 2011-12-29 | 日本特殊陶業株式会社 | グロープラグ及びその製造方法、並びに、加熱装置 |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP18320293A patent/JPH0719474A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011162074A1 (ja) * | 2010-06-22 | 2011-12-29 | 日本特殊陶業株式会社 | グロープラグ及びその製造方法、並びに、加熱装置 |
JP5255706B2 (ja) * | 2010-06-22 | 2013-08-07 | 日本特殊陶業株式会社 | グロープラグ及びその製造方法、並びに、加熱装置 |
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