JP3075651B2 - セラミック製グロープラグ - Google Patents

セラミック製グロープラグ

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JP3075651B2
JP3075651B2 JP05183204A JP18320493A JP3075651B2 JP 3075651 B2 JP3075651 B2 JP 3075651B2 JP 05183204 A JP05183204 A JP 05183204A JP 18320493 A JP18320493 A JP 18320493A JP 3075651 B2 JP3075651 B2 JP 3075651B2
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英男 河村
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株式会社いすゞセラミックス研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディーゼルエンジン
等に使用されるセラミック製グロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グロープラグは、窒化ケイ素等の
セラミックスにタングステンW線を埋め込んで構成され
ている。タングステンW線では、図4に示すように、1
2Vの電源に対して、常温では抵抗値が0.1Ωであり
且つその時の電流は120Aである。グロープラグが時
間の経過に伴って常温から温度が上昇して900℃にな
ると、抵抗値は0.4Ωになり、その時の電流は30A
である。そして、グロープラグが加熱して抵抗値が上昇
し、抵抗値が1Ωになって安定するものであり、その時
の電流は12Aである。即ち、ディーゼルエンジンに使
用されている従来のグロープラグでは、コントローラの
指令で12Vのバッテリーから電流を流すと、最初は1
20Aの電流が流れるが、ヒータコイルの温度上昇と共
に、抵抗値が大きくなり、抵抗値が1Ωになったところ
で安定する。そこで、グロープラグを抵抗値が1Ωのと
ころで安定するように、コントローラの指令で電流を制
御してヒータコイルが1Ωに保持されるような制御を行
っていた。
【0003】従来のグロープラグでは、コントローラを
使用することなく、グロープラグが1Ωに調節されるよ
うな自己制御できるものが開発された。タングステンW
とニッケルNiは、図3に示すように、温度℃の上昇に
従って、抵抗値Ωが上昇して大きくなる特性を有してい
る。従って、タングステンW線とニッケルNi線では、
温度の上昇に従って抵抗値Ωが大きくなり、電流が減少
して電流値が制限されることになる。そこで、自己制御
型グロープラグは、タングステンW線をSi34 等の
セラミックスの中に埋設し、そのW線と直列にニッケル
Ni線のコイルを接続して構成されている。即ち、自己
制御型グロープラグは、ヒータコイルの発熱体の部分に
電気抵抗値が小さい導電体を配置し、その導電体の上流
側にNi線のコイルの電気抵抗値の大きい金属線を接続
して作製されていた。このような自己制御型グロープラ
グは、電流を流すことによってNi製コイルが過熱され
て抵抗値が大きくなり、電流が減少してヒータコイルの
発熱体の部分の発熱量が制御されることになる。
【0004】従来、自己電流制御型グロープラグとして
は、特公平4−34052号公報、特公昭60−194
04号公報、特開昭59−157423号公報、特開昭
58−106326号公報等に開示されたものがある。
【0005】例えば、特公平4−34052号公報に開
示された自己制御型グロープラグは、通電昇温時におけ
る発熱体の温度を制御するため、発熱体に電流制御用抵
抗体を直列に接続したものであり、発熱線コイルと抵抗
体コイルとが直列に接続されてセラミック焼結体中に埋
設され、一体化されたセラミックヒータを構成し、発熱
線が温度−抵抗係数が4倍以下となるような正の抵抗温
度係数を持つタングステンWとレニウムRe合金線から
なり、抵抗体は純W又は純モリブデンMoの線材からな
るものである。
【0006】また、特公昭60−19404号公報に開
示されたシーズグロープラグは、耐熱性の有底金属チュ
ーブの内底と中心電極間をいずれも巻線の発熱体と抵抗
体を直接接続して成る自己制御型のシーズグロープラグ
であり、抵抗体の巻線ピッチが中心電極側の電極側の取
付金具に近い部分を密にし、発熱体側に近い部分を粗に
形成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自己電流制御型グロープラグは、遮熱エンジン等の高温
燃焼室での使用では、耐熱性、熱ショックに対する強
度、高温強度等について十分なものとはいえないもので
あった。また、従来開示されている自己制御型グロープ
ラグは、炭化タングステン線を用いて作製した発熱線コ
イルとNi線コイルを用いて作製した抵抗体コイルとを
接続し、両者を抵抗温度係数が異なる材料で作製した
り、或いは巻線の発熱体と抵抗体とを異なった形状に作
製したものであるので、使用中にNi線が過熱によって
断線したり、経時変化によって劣化するという問題があ
り、しかも構造が複雑になり、コスト、強度に関して満
足できるものではなかった。
【0008】セラミック製グロープラグについては、自
己電流制御型グロープラグを構成するには、ヒータコイ
ルの電流通路の抵抗部となる上流側領域で抵抗値が極端
に上昇すればよいものである。ヒータコイルにおける抵
抗値と温度との関係は、次式で示される。 ρT X =ρT 0 〔1+α(TX −T0 )〕 但し、ρT X はある温度TX でのヒータコイルの抵抗
値、ρT 0 は常温T0 でのヒータコイルの抵抗値、αは
抵抗温度係数である。
【0009】通常、グロープラグは、12Vの電源電圧
では、1Ω位で飽和電流が流れ、温度が約900℃に保
持されるものである。グロープラグを瞬間的に加熱する
ためには、常温で0.1Ω位が必要である。通常、加熱
線即ちヒータコイルとして使用されるW線等は、抵抗温
度係数が4×10- 3 程度であるので、900℃で電流
を飽和させることができない。
【0010】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、自己電流制御型グロープラグを構
成するため電流通路の上流側領域の電流制御用ヒータコ
イルの抵抗値が極端に上昇すればよいことに着眼し、タ
ングステン線等の上流側領域の電流制御用ヒータコイル
と下流側領域のヒータコイルとの遮熱度を上流側領域で
大きく構成し、熱放散量の違いによって、上流側領域の
電流制御用ヒータコイルを流れる電流を制御し、下流側
領域の発熱部を構成するヒータコイルに流れる電流を調
節して発熱体での最適の発熱量を確保する自己電流制御
型に構成し、高温の燃焼室での熱ショックに対して高強
度を有し、耐酸化性、耐熱性に富み、電気的接続部に無
理が発生せず、安定した強度を確保できるセラミック製
グロープラグを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、電極を備えた中空状本体内に遮熱空気層を介し
て配置されたセラミック製パイプ、前記セラミック製パ
イプの両端を密閉して形成された不活性ガス充填状態又
は真空・減圧状態の密封室、前記本体から突出状態に前
記本体に固定されたセラミック製発熱体、前記電極に電
源接続部を介して接続した前記密封室内を非接触状態に
貫通した温度上昇に伴って抵抗値が増加する電流制御用
ヒータコイル、及び該電流制御用ヒータコイルに一端を
直列に接続し且つ他端を前記本体に接続した前記セラミ
ック製発熱体に内蔵されたヒータコイル、から成ること
を特徴とするセラミック製グロープラグに関する。
【0012】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記セラミック製発熱体は前記ヒータコイルを内
蔵して窒化ケイ素から作製されているものである。
【0013】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記電流制御用ヒータコイル及び前記ヒータコイ
ルはタングステン線で作製され、該タングステン線の外
面は炭化ケイ素又は炭化タングステンで被覆されてい
る。
【0014】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記セラミック製パイプは耐熱性に富み且つ高温
高強度の炭化ケイ素で作製され、前記密封室は前記セラ
ミック製パイプの両端を炭化ケイ素から成るセラミック
栓で密封され、真空又は減圧されているか、或いはアル
ゴン、ヘリウム、窒素ガス等の不活性ガスが充填されて
いる。
【0015】
【作用】この発明によるセラミック製グロープラグは、
上記のように構成されており、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグは、電極を備えた中
空状本体内に遮熱空気層を介在させてセラミック製パイ
プを配置し、不活性ガス充填状態又は真空・減圧状態の
密封室を前記セラミック製パイプの両端を密閉して形成
し、セラミック製発熱体を前記セラミック製パイプに断
熱材を介在して接続し且つその先端部を前記本体から突
出させて前記本体に固定し、前記電極に電源接続部を介
して接続した電流制御用ヒータコイルを前記密封室内に
非接触状態に配置し、一端を前記電流制御用ヒータコイ
ルに直列に接続し且つ他端を前記本体に接続したヒータ
コイルを前記セラミック製発熱体に埋め込んで構成した
ので、前記密封室内は不活性ガス充填状態又は真空・減
圧状態であって熱伝導率が小さく、前記密封室の遮熱度
が大きい。そこで、前記電極から電流を前記電流制御用
ヒータコイル及び前記ヒータコイルに流すと、前記電流
制御用ヒータコイルは前記ヒータコイルに比較して極端
に温度が上昇する。従って、前記電流制御用ヒータコイ
ルが高温になれば、抵抗値が大きくなり、前記電流制御
用ヒータコイル及び前記ヒータコイルに流れる電流が小
さくなり、前記ヒータコイルの発熱量が自己制御され
る。また、前記電流制御用ヒータコイルの温度が下がれ
ば、再び電流が流れて前記ヒータコイルによって前記セ
ラミック製発熱体が加熱されるので、従って、前記セラ
ミック製発熱体は常に最適発熱量に維持される。
【0016】このセラミック製グロープラグについて
は、セラミック製発熱体はタングステンW線を内封した
窒化ケイ素製加熱ヒータで構成され、端子即ち電源と接
続したW線は、高温耐熱性が優れている炭化ケイ素から
成るセラミック製パイプ即ちカプセル中に封入されたW
線と直列に接続されている。前記カプセルの内側は減圧
され真空に近く、或いは不活性ガスが充填された前記カ
プセルの両端にはW線が露出しており、W線は接続ホル
ダーである電源接続部に結線されている。前記カプセル
の外側即ち端部には、本体に対して熱伝導率の小さなガ
スケット等の断熱材を介在させて前記セラミック製発熱
体が取り付けられ、前記セラミック製発熱体と前記カプ
セルとの間の熱流の移動は、前記断熱材で遮断される。
【0017】このセラミック製グロープラグに通電する
と、セラミック製発熱体の窒化ケイ素はW線の発熱によ
って加熱され、約2秒で約900℃に到達する。前記カ
プセル内のW線は内部に含まれているガスがN2 、Ar
等の不活性ガスであるので、酸化することなく約3秒の
短時間で1500℃に到達する。即ち、加熱エネルギー
は、前記カプセル自体の熱容量と、輻射熱、W線を伝わ
って外に流れる熱だけであるので、前記カプセル内は極
めて効率良く過熱する。過熱により高温となれば、その
抵抗値は増加し、全体に流れる電流が減少する。このセ
ラミック製グロープラグは、上記のように、電流によっ
て前記セラミック製発熱体の発熱量を制御することがで
きる。
【0018】即ち、抵抗温度係数によって前記電流制御
用ヒータコイルの抵抗値が通常より1.5倍以上に上昇
し、前記電流制御用ヒータコイルを流れる電流を制限す
る。前記電流制御用ヒータコイルと前記ヒータコイルと
は直列に接続しているので、前記電流制御用ヒータコイ
ルと前記ヒータコイルには同じ量の電流が流れるが、前
記セラミック製発熱体は熱放散が大きいので、900℃
に保持されることになる。即ち、ρT X =ρT 0 〔1+
α(T2 −T0 )〕の式において、例えば、α=4×1
- 3 とすると、ρT 1 =4.6×ρT 0 となる。ま
た、前記カプセル内の温度を1500℃とすれば、ρ
T 2 =7×ρT 0 となる。従って、前記カプセル内に位
置する前記電流制御用ヒータコイルの抵抗値ρT 2 は、
前記セラミック製発熱体内に位置する前記ヒータコイル
の抵抗値ρT 1 に比較して、1.5(=ρT 2
ρT 1 )倍になる。
【0019】前記セラミック製パイプ即ちカプセルの外
周は、遮熱構造に形成されているので、熱は外に熱放散
されることがなく、前記カプセル内は短時間で高温にな
る。前記カプセルの接続部及びW線の接続部は、炭化ケ
イ素の蒸着等により密着されている。W線と炭化ケイ素
の線膨張係数は、ほぼ同一であるので、前記カプセル内
を真空に保つために、極めて都合がよい。また、前記カ
プセル内に炭化ケイ素の繊維を封入し、熱容量を大きく
し、自己制御時間を増加させてもよい。
【0020】また、前記電流制御用ヒータコイル及び前
記ヒータコイルはタングステン線で作製され、該タング
ステン線の外面は炭化ケイ素又は炭化タングステンで被
覆されているので、前記電流制御用ヒータコイル及び前
記ヒータコイルを構成するタングステンの酸化を防止で
き、耐腐食性を向上でき、前記電流制御用ヒータコイル
及び前記ヒータコイルの耐久性を向上できる。しかも、
タングステンと炭化ケイ素とは、両者とも線膨張係数が
4×10- 6 /℃であり、同一であるので、熱膨張差に
よってSiCの被覆層がW線から剥離することがなく、
強固に被覆される。また、前記セラミック製パイプは炭
化ケイ素で作製されているが、炭化ケイ素SiCは抵抗
温度係数が負であるので、高温度で自己の発熱性が悪く
なり、内側での発熱が大きくなる。特に、SiCで作製
された前記セラミック製パイプの前記密封室の領域で
は、タングステン線が高温となり、抵抗値が大きくなっ
て電流値が小さくなる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるセラ
ミック製グロープラグの実施例を説明する。図1はこの
発明によるセラミック製グロープラグの一実施例を示す
概略説明図である。
【0022】このセラミック製グロープラグは、主とし
て、絶縁体(図示せず)を介して電極10を取り付けた
中空状本体1、中空状本体1内に遮熱空気層19を介し
て配置されたセラミック製パイプ2、中空状本体1に発
熱部12を突出させて取り付けられたセラミック製発熱
体4、セラミック製パイプ2の両端を密閉栓6,7で密
閉した状態でガラス層等で密封して形成された密封室1
3、セラミック製パイプ2とセラミック製発熱体4との
間に配置された断熱材15、電極10に電源接続部8を
介して接続した密封室13内を非接触状態に貫通した電
流制御用ヒータコイル5、及び該電流制御用ヒータコイ
ル5に一端を直列に接続し且つ他端を中空状本体1に接
続したセラミック製発熱体4に埋め込まれたヒータコイ
ル3を有している。中空状本体1は、耐熱合金等の金属
から作製され、取り付けのためのねじ11及びナット1
4を有している。セラミック製パイプ2は、その外面と
中空状本体1の内壁面17との間に遮熱空気層19を形
成するように、中空状本体1の中空部9内に一対の固定
リング20を介して配置されている。
【0023】電流制御用ヒータコイル5は、セラミック
製パイプ2の両端に配置された密閉栓6,7を貫通して
突出し、一端は電源接続部8を介して端子即ち電極10
に直列に接続され、他端は断熱材15を貫通してヒータ
コイル3に直列に接続されている。電流制御用ヒータコ
イル5及びヒータコイル3を構成する耐熱金属線は、タ
ングステンW線から構成されている。また、ヒータコイ
ル3は、中空状本体1に固定した電極接続部16に直列
に接続されている。電流制御用ヒータコイル5は、中空
状本体1の中空部9内に延びている電源接続部8を介し
て電極10に接続されている。
【0024】セラミック製パイプ2は、耐熱性に富み且
つ高温高強度の炭化ケイ素SiCで作製され、しかも両
端を密閉栓6,7で密閉されている一種のカプセルとな
る密封室13を構成する。また、セラミック製パイプ2
の両端を密閉する密閉栓6,7は、セラミック製パイプ
2の材料と同等の炭化ケイ素SiCで作製され、熱膨張
差が発生しないように構成されている。密封室13内に
は、電流制御用ヒータコイル5を構成するタングステン
線の酸化を防止するため、酸素ガスO2 をほとんど含ま
ない状態の室即ちカプセルであり、真空又は減圧されて
いるか、或いはアルゴンAr、ヘリウムHe、窒素ガス
2 等の不活性ガスが充填されており、熱伝導率の小さ
い領域を構成している。また、セラミック製発熱体4
は、耐熱性、高温高強度に優れた窒化ケイ素Si3 4
から作製されている。更に、電流制御用ヒータコイル5
及びヒータコイル3は、タングステンW線で作製され、
電流制御用ヒータコイル5及びヒータコイル3は炭化ケ
イ素SiC又は炭化タングステンWCで被覆されてお
り、タングステンWの酸化を防止し、耐腐食性、耐久性
を向上している。
【0025】セラミック製発熱体4を中空状本体1に接
続するには、セラミック製発熱体4の外周面をメタリイ
ジングして接合すれば、両者は極めて強固に電気的に接
合できる。また、セラミック製パイプ2は断熱材15に
強固に接合されており、断熱材15はセラミック製発熱
体4に強固に接合されている。セラミック製発熱体4の
端部18は、曲面形状に形成されている。
【0026】タングステンW線は、電流制御用ヒータコ
イル5とヒータコイル3を構成する部分では径が小さ
く、それから外れる部分では径が大きく形成されている
ので、電流制御用ヒータコイル5が抵抗部を且つヒータ
コイル3が発熱部を構成することができる。電流制御用
ヒータコイル5及びヒータコイル3は、1本の連続した
タングステンW線で構成でき、また、電流制御用ヒータ
コイル5と電源接続部8の電気的結線、及びヒータコイ
ル3と電極接続部16の電気的結線は、耐熱金属で蒸着
によって堅固に確実に電気的に結線されている。
【0027】更に、セラミック製発熱体4と中空状本体
1とは直接接触して接続されているので、電気的接続に
無理が発生せず、極めて安定した構造を提供できる。ま
た、密封室13を貫通する電流制御用ヒータコイル5の
部分はSiCで絶縁被覆されている。SiCは、抵抗温
度係数が負であるので、高温度で自己の発熱性が悪くな
り、内側での発熱が大きくなる。
【0028】このセラミック製グロープラグは、上記の
ように構成されているので、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグは、電極10から電
流を電流制御用ヒータコイル5及びヒータコイル3に流
すと、電流制御用ヒータコイル5はヒータコイル3に比
較して極端に温度が上昇する。そして、電流制御用ヒー
タコイル5が高温になれば、抵抗値が大きくなり、電流
制御用ヒータコイル5及びヒータコイル3に流れる電流
が小さくなり、ヒータコイル3の発熱量が自己制御され
る。また、電流制御用ヒータコイル5の温度が下がれ
ば、再び電流が流れてヒータコイル3によってセラミッ
ク製発熱体4の発熱部12が加熱されるので、従って、
セラミック製発熱体4は常に最適発熱量に維持される。
例えば、図2に示すように、ヒータコイル3は燃焼室等
の外部に露出しているので、セラミック製発熱体4の発
熱部12から熱放散され、セラミック製発熱体4の温度
は900℃に維持されて抵抗値は0.4Ωになるが、電
流制御用ヒータコイル5は密封室13内に位置して遮熱
されているので、セラミック製パイプ2内の温度は18
00℃になって抵抗値は0.6Ωになる。従って、この
セラミック製グロープラグでは、ヒータコイル3と電流
制御用ヒータコイル5との抵抗値の総和は1Ωになり、
安定状態になる。この時、セラミック製パイプ2内に延
びる電流制御用ヒータコイル5の温度が上昇し過ぎる場
合には、セラミック製パイプ2内にセラミックスファイ
バ等を充填し、セラミック製パイプ2内の遮熱度を調整
し、電流制御用ヒータコイル5が断線しないように電流
制御用ヒータコイル5の温度を制御することもできる。
【0029】
【発明の効果】この発明によるセラミック製グロープラ
グは、上記のように構成されており、次のような効果を
有する。即ち、このセラミック製グロープラグは、電極
を備えた中空状本体内に遮熱空気層を介在させてセラミ
ック製パイプを配置し、不活性ガス充填状態又は真空・
減圧状態の密封室を前記セラミック製パイプの両端を密
閉して形成し、セラミック製発熱体を前記セラミック製
パイプに断熱材を介在して接続し且つその先端部を前記
本体から突出させて前記本体に固定し、前記電極に電源
接続部を介して接続した電流制御用ヒータコイルを前記
密封室内に非接触状態に配置し、一端を前記電流制御用
ヒータコイルに直列に接続し且つ他端を前記本体に接続
したヒータコイルを前記セラミック製発熱体に埋め込ん
で構成したので、前記電流制御用ヒータコイル及び前記
ヒータコイルに電流が流されることにより、前記密封室
内に位置する前記電流制御用ヒータコイルが前記ヒータ
コイルに比較して遮熱度が大きくなり、前記電流制御用
ヒータコイルが前記ヒータコイルより高温になり易くな
る。そこで、前記電流制御用ヒータコイルが高温になれ
ば、抵抗値が大きくなり、前記電流制御用ヒータコイル
及び前記ヒータコイルに流れる電流が小さくなり、前記
ヒータコイルによる前記セラミック製発熱体の発熱量が
自己制御されることになる。しかも、このセラミック製
グロープラグは構造がシンプルであり、熱ショックに耐
え、耐熱性及び高温高強度に優れ、耐久性を向上でき
る。
【0030】更に、前記電流制御用ヒータコイル及び前
記ヒータコイルは炭化ケイ素又は炭化タングステンで被
覆されているので、タングステン線の酸化を防止でき、
耐腐食性を向上でき、前記電流制御用ヒータコイル及び
前記ヒータコイルの耐久性を向上できる。また、前記セ
ラミック製パイプは炭化ケイ素のセラミックスで形成さ
れているので、熱ショック、耐熱性を向上でき、高温強
度を強化できると共に、炭化ケイ素SiCは抵抗温度係
数が負であるので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、
内側での発熱が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるセラミック製グロープラグの一
実施例を示す説明図である。
【図2】このセラミック製グロープラグにおける電気抵
抗線とヒータコイルとの温度と抵抗値との関係を説明す
るグラフである。
【図3】NiとWとの温度に対する抵抗値の関係を説明
するグラフである。
【図4】従来のセラミック製グロープラグの時間に対す
る電流制御の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 中空状本体 2 セラミック製パイプ 3 ヒータコイル 4 セラミック製発熱体 5 電流制御用ヒータコイル 6,7 密閉栓 8 電源接続部 9 中空部 10 電極 12 発熱部 13 密封室 15 断熱材 16 電極接続部 19 遮熱空気層 20 固定リング

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を備えた中空状本体内に遮熱空気層
    を介して配置されたセラミック製パイプ、前記セラミッ
    ク製パイプの両端を密閉して形成された不活性ガス充填
    状態又は真空・減圧状態の密封室、前記本体から突出状
    態に前記本体に固定されたセラミック製発熱体、前記電
    極に電源接続部を介して接続した前記密封室内を非接触
    状態に貫通した温度上昇に伴って抵抗値が増加する電流
    制御用ヒータコイル、及び該電流制御用ヒータコイルに
    一端を直列に接続し且つ他端を前記本体に接続した前記
    セラミック製発熱体に内蔵されたヒータコイル、から成
    ることを特徴とするセラミック製グロープラグ。
  2. 【請求項2】 前記セラミック製発熱体は前記ヒータコ
    イルを内蔵して窒化ケイ素から作製されていることを特
    徴とする請求項1に記載のセラミック製グロープラグ。
  3. 【請求項3】 前記電流制御用ヒータコイル及び前記ヒ
    ータコイルはタングステン線で作製され,該タングステ
    ン線の外面は炭化ケイ素又は炭化タングステンで被覆さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック
    製グロープラグ。
  4. 【請求項4】 前記セラミック製パイプは耐熱性に富み
    且つ高温高強度の炭化ケイ素で作製され、前記密封室は
    前記セラミック製パイプの両端を炭化ケイ素から成るセ
    ラミック栓で密封され、真空又は減圧されているか、或
    いはアルゴン、ヘリウム、窒素ガス等の不活性ガスが充
    填されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミ
    ック製グロープラグ。
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