JPH07167432A - 自己電流制御形グロープラグ - Google Patents

自己電流制御形グロープラグ

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Publication number
JPH07167432A
JPH07167432A JP34119393A JP34119393A JPH07167432A JP H07167432 A JPH07167432 A JP H07167432A JP 34119393 A JP34119393 A JP 34119393A JP 34119393 A JP34119393 A JP 34119393A JP H07167432 A JPH07167432 A JP H07167432A
Authority
JP
Japan
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coil
pipe
glow plug
self
current
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Pending
Application number
JP34119393A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd filed Critical Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Priority to JP34119393A priority Critical patent/JPH07167432A/ja
Publication of JPH07167432A publication Critical patent/JPH07167432A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、所定時間経過後にはコイルへの通
電を自動的に遮断できる自己電流制御形グロープラグを
提供する。 【構成】 本発明は、コネクタ12を備えた中空状本体
1にセラミック製パイプ2が固着され、パイプ2の前端
部15と本体側端部17にはセラミックス充填体6,7
が充填されている。コイル3は、先端部15の内壁面2
0に接触状態のヒータコイル部4と中間部16の内壁面
20に非接触状態の制御コイル部5を有し、一端8がP
TC部材10を介してコネクタ12に他端9が本体1に
接続されている。PTC部材10は所定温度以上で急激
に抵抗値が増加し、コイル3への通電を遮断する。ヒー
タコイル部4が配置された前端部15が発熱部を構成
し、制御コイル部5が電流制御部を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディーゼルエンジン
等に使用される自己電流制御形グロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディーゼルエンジンの始動補助装
置として、グロープラグが使用されている。例えば、図
3に示すように、グロープラグ30は、加熱部33を有
し、その加熱部33はディーゼルエンジンのシリンダヘ
ッド31に形成した燃焼室32内に配置されている。グ
ロープラグ30は、エンジンのキー36がオンすること
によってリレー即ちスイッチ34が接続され、バッテリ
ー35からの大電流がグロープラグ30の加熱部33に
投入され、該加熱部33が短時間に加熱され、該加熱部
33に燃料が接触して燃料が着火燃焼するものである。
【0003】従来のグロープラグは、急速に加熱するた
め、窒化ケイ素等のセラミックスにタングステン線を埋
め込んで焼結して構成されている。タングステン線で
は、12Vの電源に対して、常温では抵抗値が0.1Ω
であり且つその時の電流は120Aである。グロープラ
グが時間の経過に伴って常温から温度が上昇して900
℃になると、抵抗値は0.4Ωになり、その時の電流は
30Aである。そして、グロープラグが加熱して抵抗値
が上昇し、抵抗値が1Ωになって安定するものであり、
その時の電流は12Aである。即ち、ディーゼルエンジ
ンに使用されている従来のグロープラグでは、コントロ
ーラの指令で12Vのバッテリーから電流を流すと、最
初は120Aの電流が流れるが、ヒータコイルの温度上
昇と共に、抵抗値が大きくなり、抵抗値が1Ωになった
ところで安定する。そこで、グロープラグを抵抗値が1
Ωのところで安定するように、コントローラの指令で電
流を制御してヒータコイルが1Ωに保持されるような制
御を行っていた。
【0004】従来のグロープラグでは、コントローラを
使用することなく、グロープラグが1Ωに調節されるよ
うな自己制御できるものが開発された。タングステンW
とニッケルNiは、温度℃の上昇に従って、抵抗値Ωが
上昇して大きくなる特性を有している。従って、タング
ステンW線とニッケルNi線では、温度の上昇に従って
抵抗値Ωが大きくなり、電流が減少して電流値が制限さ
れることになる。そこで、自己制御型グロープラグは、
タングステンW線をSi3 4 等のセラミックスの中に
埋設し、そのW線と直列にニッケルNi線のコイルを接
続して構成されている。即ち、自己制御型グロープラグ
は、ヒータコイルの発熱体の部分に電気抵抗値が小さい
導電体を配置し、その導電体の上流側にNi線のコイル
の電気抵抗値の大きい金属線を接続して作製されてい
た。このような自己制御型グロープラグは、電流を流す
ことによってNi製コイルが過熱されて抵抗値が大きく
なり、電流が減少してヒータコイルの発熱体の部分の発
熱量が制御されることになる。
【0005】従来、自己電流制御形グロープラグとして
は、特公平4−34052号公報、特公昭60−194
04号公報、特開昭59−157423号公報、特開昭
58−106326号公報等に開示されたものがある。
【0006】例えば、特公平4−34052号公報に開
示された自己制御型グロープラグは、通電昇温時におけ
る発熱体の温度を制御するため、発熱体に電流制御用抵
抗体を直列に接続したものであり、発熱線コイルと抵抗
体コイルとが直列に接続されてセラミック焼結体中に埋
設され、一体化されたセラミックヒータを構成し、発熱
線が温度−抵抗係数が4倍以下となるような正の抵抗温
度係数を持つタングステンWとレニウムRe合金線から
なり、抵抗体は純W又は純モリブデンMoの線材からな
るものである。
【0007】また、特公昭60−19404号公報に開
示されたシーズグロープラグは、耐熱性の有底金属チュ
ーブの内底と中心電極間をいずれも巻線の発熱体と抵抗
体を直接接続して成る自己制御型のシーズグロープラグ
であり、抵抗体の巻線ピッチが中心電極側の電極側の取
付金具に近い部分を密にし、発熱体側に近い部分を粗に
形成したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自己電流制御形グロープラグは、遮熱エンジン等の高温
燃焼室での使用では、耐熱性、熱ショックに対する強
度、高温強度等について十分なものとはいえないもので
あった。また、従来開示されている自己制御形グロープ
ラグは、炭化タングステン線を用いて作製した発熱線コ
イルとNi線コイルを用いて作製した抵抗体コイルとを
接続し、両者を抵抗温度係数が異なる材料で作製した
り、或いは巻線の発熱体と抵抗体とを異なった形状に作
製したものであるので、使用中にNi線が過熱によって
断線したり、経時変化によって劣化するという問題があ
り、しかも構造が複雑になり、コスト、強度に関して満
足できるものではなかった。
【0009】セラミック製グロープラグについては、自
己電流制御型グロープラグを構成するには、ヒータコイ
ルの電流通路の上流側領域で抵抗値が極端に上昇すれば
よいものである。通常、グロープラグは、12Vの電源
電圧では、1Ω位で飽和電流が流れ、温度が約900℃
に保持されるものである。グロープラグを瞬間的に加熱
するためには、常温で0.1Ω位が必要である。通常、
加熱線即ちヒータコイルとして使用される線等は、抵抗
温度係数が4×10- 3 程度であるので、900℃で電
流を飽和させることができない。
【0010】更に、グロープラグは、電流を供給するこ
とによって短時間に加熱されて始動補助装置として燃料
の着火燃焼を助けるが、ディーゼルエンジンでは、ある
温度以上では、グロープラグの着火補助なしで、燃料は
十分に着火燃焼することができる。そこで、燃焼室があ
る温度以上になった場合には、グロープラグへの電流を
遮断してグロープラグの加熱機能を停止する必要があ
り、従来のグロープラグでは、グロープラグへの通電を
断つために遮断装置を必要としている。そこで、上記の
ような自己電流制御形グロープラグが開発されている
が、従来の自己電流制御形グロープラグは、ヒータコイ
ル線への電流を自動的に減少させることができても、ヒ
ータコイル線への電流を遮断する機能は有していないも
のであり、ヒータコイル線への電流を遮断するため、タ
イマー等の遮断装置が必要である。しかも、このような
遮断装置は、エンジンの条件によって通電時間を変化さ
せる等の複雑な機構を必要とするものである。
【0011】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、セラミック製パイプ内に配置した
コイルを発熱部を構成するヒータコイル部と電流制御部
を構成する制御コイル部とで構成し、前記発熱部と前記
電流制御部を流れる電流を調節して最適の発熱量を確保
する自己電流制御形グロープラグに構成し、特に、コイ
ルとコネクタとを所定温度以上で抵抗値が急激に増加す
る機能を有するPTC(positive tempe
rature coefficient)部材即ち正の
温度係数部材で接続し、該PTC部材の電流遮断機能に
よってその温度上昇に応答して前記コイルに流れる電流
を自動的に遮断する自己電流制御形グロープラグを提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、絶縁部材を介してコネクタが配設された中空状
本体、該中空状本体に取り付けられたセラミック製パイ
プ、前記中空状本体から突出した前記パイプの前端部の
内壁面に接触状態に配置されたヒータコイル部と前記パ
イプの中間部の内壁面に非接触状態に配置された制御コ
イル部とを有するコイル、前記ヒータコイル部が位置す
る前記前端部に充填された第1セラミックス充填体、前
記中間部を密封するため前記パイプの本体側端部に充填
された第2セラミックス充填体、及び前記中空状本体内
に配置されて前記電極部と前記コイルとに直列に接続さ
れ且つ所定温度以上で抵抗値が急激に増加して前記コイ
ルに流れる電流を遮断するPTC部材、から構成したこ
とを特徴とする自己電流制御形グロープラグに関する。
【0013】また、この自己電流制御形グロープラグに
おいて、前記PTC部材は、BaTiO3 系焼結体又は
PbTiO3 系焼結体の薄膜から構成され、前記ヒータ
コイル部の熱が伝導されるように構成されている。ま
た、前記PTC部材は、筒状薄板より構成されている。
【0014】また、この自己電流制御形グロープラグに
おいて、前記コイルはタングステン線で構成されてい
る。
【0015】また、この自己電流制御形グロープラグに
おいて、前記パイプの前記中間部に配置された前記制御
コイル部は断熱材によって覆われ、前記パイプに対して
遮熱されている。
【0016】また、この自己電流制御形グロープラグに
おいて、前記パイプは耐熱性に富んだSi3 4 で構成
されている。
【0017】また、この自己電流制御形グロープラグに
おいて、前記第1セラミックス充填体及び前記第2セラ
ミックス充填体は、TiO2 を含んでいるSi3 4
ら構成されている。
【0018】
【作用】この発明による自己電流制御形グロープラグ
は、上記のように構成されており、次のように作用す
る。即ち、この自己電流制御形グロープラグは、コネク
タが配設された中空状本体にセラミック製パイプを取り
付け、前記中空状本体から突出した前記パイプの前端部
の内壁面に接触状態に配置されたヒータコイル部と前記
パイプの内壁面に非接触状態に配置された制御コイル部
とを有するコイルを前記パイプ内に配置し、前記ヒータ
コイル部が位置する部分に第1セラミックス充填体を充
填し、前記パイプの中間部を密封するため前記パイプの
本体側端部に第2セラミックス充填体を充填し、所定温
度以上で抵抗値が急激に増加して前記コイルに流れる電
流を遮断するPTC部材で前記コネクタと前記コイルと
を接続したので、前記ヒータコイル部が配置された前記
パイプの前端部が発熱部を構成し、前記制御コイル部が
配置された前記パイプの中間部が電流制御部を構成す
る。特に、前記コネクタと前記コイルとは前記PTC部
材で接続されているので、前記PTC部材が位置する領
域の温度上昇に伴って前記PTC部材の抵抗値が急激に
増大して前記コイルへ供給される電流が自動的に遮断さ
れる。
【0019】即ち、前記コイルにバッテリーから電流を
流すことによって、前記ヒータコイル部が位置する前記
発熱部で発生した熱は前記パイプを加熱して外部に放熱
するのに対して、前記制御コイル部で発生する熱は遮熱
されて温度が上昇し、温度上昇に伴って前記制御コイル
部に流れる電流を抑制し、電流制御部を構成する。従っ
て、前記制御コイル部が高温になれば、その抵抗値が大
きくなり、前記コイル即ちタングステン線に流れる電流
が小さくなり、前記セラミック製パイプからの発熱量が
自己制御され、最適値に制御されることになる。特に、
温度が更に上昇して所定温度以上になると、前記PTC
部材の抵抗値が急激に上昇し、前記コイルへ供給する電
流を自動的に遮断する。
【0020】更に、前記パイプの前記中間部に配置され
た前記制御コイル部は断熱材によって覆われ、前記パイ
プに対して遮熱されているので、前記制御コイル部の遮
熱が確実に行われ、信頼性に富んだ電流制御部を構成す
ることができる。
【0021】また、前記第1セラミックス充填体及び前
記第2セラミックス充填体を構成するセラミックスは、
TiO2 を含有したSi3 4 で構成しているので、熱
伝導性を良好であり、前記パイプの密封状態を良好に構
成できる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による自己
電流制御形グロープラグの実施例を説明する。図1はこ
の発明による自己電流制御形グロープラグの一実施例を
示す概略断面図、及び図2は図1の自己電流制御形グロ
ープラグに組み込まれるPTC部材の温度と抵抗値との
関係を示すグラフである。
【0023】この自己電流制御形グロープラグは、主と
して、絶縁ブッシュ等の絶縁体19を介在して端子即ち
コネクタ12を中空部21内に配設した中空状本体1、
セラミック製パイプ2、タングステン線等から成るコイ
ル3、コイル3とコネクタ12とを接続するPTC部材
10及びパイプ2の両端に充填されたセラミックス充填
体6,7から構成されている。中空状本体1は、耐熱合
金等の金属から作製され、他の部品への取り付けのため
の外周面にねじ22が形成されている。コネクタ12は
位置決め固定用のナット18が螺入され、コネクタ12
は中空状本体1に対して位置決め固定される。セラミッ
ク製パイプ2を中空状本体1に接続するには、セラミッ
ク製パイプ2の外周面23をメタリイジングして本体1
の内周面24に嵌合接合すれば、パイプ2と中空状本体
1とは極めて強固に接合できる。また、セラミック製パ
イプ2の発熱部を構成する前端部15は、中空状本体1
の端部25から突出状態に配置されている。コイル3
は、その一端8がPTC部材10の一端に接続され、P
TC部材10の他端はコネクタ12に環状コネクタ部1
3を介して接続されている。コイル3の他端9が本体1
に連結されて電気的にアース状態に接続されている。
【0024】この自己電流制御形グロープラグでは、中
空状本体1はコネクタ12を備えた導電体を中空部21
に突出させており、発熱部を構成する前端部15を構成
するセラミック製パイプ2が本体1から突出状態に本体
1に固定されている。パイプ2の両端部には第1セラミ
ックス充填体6と第2セラミックス充填体7で密封され
ている。パイプ2の前端部15は閉鎖状態に構成されて
おり、パイプ2の中間部16は中空部26が形成されて
いる。パイプ2の中空部26には、SiC等のセラミッ
クス繊維から成る断熱材11から成る2重パイプが配置
され、コイル3の制御コイル部5を内外面から覆ってい
る。従って、コイル3の制御コイル部5は、パイプ2に
対して遮熱されている。パイプ2の中空部26は、真空
状態又はN2 ガスが封入された状態であり、コイル3の
酸化が防止される構造に構成されている。また、パイプ
2の電極部側端部17は、第2セラミックス充填体7で
密封されている。
【0025】この自己電流制御形グロープラグにおい
て、コイル3は、タングステン線等から構成され、パイ
プ2の前端部15の内壁面20に接触状態に配置された
ヒータコイル部4とパイプ2の中間部16の内壁面20
に非接触状態に配置された制御コイル部5とを備えてい
る。パイプ2の先端部15には、熱伝導性の良好な第1
セラミックス充填体6が充填され、該第1セラミックス
充填体6によってヒータコイル部4がパイプ2の内壁面
20に接触状態に押し付けられている。また、パイプ2
の本体側端部17には、第2セラミックス充填体7がパ
イプ2の内壁面20に密着されると共に、コイル3の端
部8,9の外周面に密着した状態で充填され、パイプ2
の中間部16の中空部26を密封している。
【0026】この自己電流制御形グロープラグは、特
に、中空状本体1の中空部21に、コネクタ12とコイ
ル3の端部8とを接続するPTC部材10に特徴を有す
るものである。PTC部材10は、円筒等の筒状薄板よ
り構成されており、ある温度で電気抵抗値が指数的に急
激に増加する材料で作製され、所定温度以上で抵抗値が
急激に増加してコイル3に流れる電流を遮断する機能を
有する正の温度係数部材(即ち、温度上昇電流遮断部
材)である。PTC部材10は、セラミックス等から成
る部材本体27及び該部材本体27に被覆された半導体
化したBaTiO3系焼結体(又はPbTiO3 系焼結
体)の被膜即ち薄膜14から構成されている。BaTi
3 系焼結体の薄膜14は、図2に示すように、例え
ば、130℃に温度が上昇すると、薄膜14の抵抗値が
103 Ω〜105 Ωに増加するPTC機能即ち誘電体機
能を有している。
【0027】従って、電流がコイル3に投入されると、
コイル3のヒータコイル部4及び制御コイル部5で発生
した熱及び燃焼室の燃焼熱が薄膜14に伝達され、所定
時間経過後には、薄膜14が130℃程度に加熱され
る。薄膜14が130℃以上に加熱されると、薄膜14
の抵抗値が急激に上昇し、コイル3へ供給される電流が
遮断されることになる。薄膜14が110℃〜130℃
以上に加熱される時間は、燃焼室、シリンダヘッド、冷
却ジャケット、自己電流制御形グロープラグ等の設計、
構造等の諸条件で任意に設定できるものであり、自己電
流制御形グロープラグがディーゼルエンジンの始動補助
装置として適用された場合には、通電開始から遮断状態
までの期間が3〜5分間程度であり、その場合には、P
TC部材10はコイル3への電流の供給を3〜5分後に
遮断することができる。即ち、グロープラグは、図3に
示すように、燃焼室32内に突出しているので、燃焼の
安定化と共に、温度上昇し、その熱がグロープラグに伝
わり、電流を遮断する。また、水ジャケット37の水温
が上昇した状態では、グロープラグはコネクタから熱を
受けてPTC部材10が温度上昇し、電流を制御する。
【0028】また、この自己電流制御形グロープラグに
おいて、パイプ2を構成するセラミックスはSi3 4
であり、また、第1セラミックス充填体6及び第2セラ
ミックス充填体7を構成するセラミックスは、Si3
4 とTiO2 とから構成され、場合によっては、TiN
2 が含まれている。また、コイル3は、第1コイル部4
は大径に形成され、制御コイル部5は小径に形成されて
おり、連続した1本のタングステン線で作製されてい
る。コイル3のヒータコイル部4は前端部15を加熱す
るのに十分な熱を提供でき、前端部15を直ちに短時間
に温度上昇させて発熱部を構成することになり、また、
制御コイル部5は放熱されることがなく、温度上昇に伴
って抵抗値が上昇して電流を制御する電流制御部を構成
することになる。
【0029】また、この自己電流制御形グロープラグで
は、パイプ2は、耐熱性、高強度のSi3 4 のセラミ
ックスで作製することが好ましい。また、セラミックス
充填体6,7は、耐熱性、高温高強度に富むSi3 4
で作製され、好ましくは、Si3 4 にTiO2 が10
%含まれるセラミックス、場合によっては、TiN2
含有するセラミックスで作製されている。TiO2 ,T
iN2 を含有するSi3 4 で作製すると、熱伝導性が
良好になると共に、焼結によって無収縮となってパイプ
2に対して密封作用を発揮できる。パイプ2の中空部2
6を真空密封したり、又はN2 ガスを封入しない場合に
は、コイル3を構成するタングステン線の酸化を防止す
るために、タングステン線をSiC又はWC等で被覆す
ることが必要であり、その場合にはタングステン線の酸
化を防止でき、耐腐食性を向上でき、タングステン線の
耐久性を向上できる。
【0030】この自己電流制御形グロープラグは、上記
のように構成されているので、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグでは、バッテリーか
ら供給される電流はコネクタ12、環状コネクタ部13
及びPTC部材10を通じてコイル3に供給される。コ
イル3の制御コイル部5は中空部26内に遮熱状態に配
置されており、ヒータコイル部4はパイプ2の内壁面2
0に接触しているので、パイプ2の前端部15はヒータ
コイル部4の発熱によって加熱され、発熱部となる。従
って、パイプ2の前端部15は、燃焼室に配置されて始
動補助装置として機能することができる。ここで、ヒー
タコイル部4で発生する熱はパイプ2を通じて放熱され
るが、制御コイル部5の熱は放熱されずに、制御コイル
部5はヒータコイル部4に比較して極端に高温になる。
制御コイル部5が高温になれば、制御コイル部5は、電
流制御線の機能を果たし、その抵抗が上昇して大きくな
り、コイル3に流れる電流は抑制されて小さくなり、前
端部12の発熱量が自己制御される。また、制御コイル
部5の温度が下がれば、再びコイル3に電流が流れてヒ
ータコイル部4によって前端部12が加熱されるので、
従って、前端部12の発熱部は常に最適発熱量に維持さ
れ、燃焼室での始動補助として良好に機能することがで
きる。
【0031】この自己電流制御形グロープラグは、ヒー
タコイル部4を内接させたパイプ2は燃焼室等の外部に
露出しているので、パイプ2から熱放散され、例えば、
前端部12の温度は900℃に維持されてヒータコイル
部4の抵抗値は0.4Ωになるが、制御コイル部5は密
封状の中空部26内に位置して遮熱されているので、例
えば、制御コイル部5の温度は1800℃になって制御
コイル部5の抵抗値は0.6Ωになる。従って、この自
己電流制御形グロープラグでは、ヒータコイル部4と制
御コイル部5との抵抗値の総和は1Ωになり、安定状態
になる。
【0032】そこで、安定状態になってヒータコイル部
4と制御コイル部5とで発熱が続き、燃焼室が良好な燃
焼を繰り返し、エンジンが順調に運転され始めると、燃
焼室の燃焼熱等の熱がPTC部材10に伝達され、例え
ば、130℃に温度上昇する。PTC部材10が130
℃に温度上昇すると、PTC部材10の抵抗値が急激に
上昇し、例えば、103 Ω〜105 Ωに増加する。PT
C部材10の抵抗値が上昇して103 Ω〜105 Ωにな
れば、PTC部材10自体には電流が遮断されたと同等
の状態になり、コイル3への通電が遮断される。
【0033】従って、この自己電流制御形グロープラグ
は、ディーゼルエンジンの始動補助装置として使用され
た場合には、エンジンの燃焼に応じて、コイル3への通
電を自動的に遮断でき、自己電流制御形グロープラグの
不要な加熱を続けることがなくなり、バッテリー等の電
力を無駄に消費することがない。
【0034】
【発明の効果】この発明による自己電流制御形グロープ
ラグは、上記のように構成されており、次のような効果
を有する。即ち、この自己電流制御形グロープラグは、
中空状本体にセラミック製パイプを取り付け、密封状態
の前記パイプ内にコイルを配置し、前記コイルを前記パ
イプの内壁面に接触状態のヒータコイル部と前記内壁面
に非接触状態の制御コイル部で構成し、前記コイルとコ
ネクタとを所定温度以上で抵抗値が急激に増加するPT
C部材で接続したので、前記PTC部材が所定温度以上
に加熱されると前記コイルに流れる電流を自動的に遮断
することができると共に、前記ヒータコイル部を配置し
た前記パイプの前端部が発熱部を構成し、前記制御コイ
ル部を配置した前記パイプの中間部が電流制御部を構成
し、前記発熱部が最適温度で安定させることができる。
【0035】即ち、前記コイルに電流を流せば、前記ヒ
ータコイル部が発熱部を構成し、前記制御コイル部が電
流制御部を構成し、前記制御コイル部が高温になれば、
その抵抗値が大きくなり、前記コイルに流れる電流が小
さくなり、前記セラミック製パイプからの発熱量が自己
制御され、最適値に制御されることになる。また、エン
ジンが順調に運転されて燃焼室からの燃焼熱或いはコイ
ルで発生する熱が前記PTC部材に伝達されると、前記
PTC部材が所定温度以上に温度上昇し、前記PTC部
材の抵抗値が急激に大きくなり、前記コイルへの電流を
遮断する。従って、ディーゼルエンジンの始動補助装置
として、この自己電流制御形グロープラグを適用した場
合に、自己電流制御形グロープラグを遮断するためのタ
イマー等を必要とせず、バッテリー等の電力を無駄に消
費することもない。
【0036】この自己電流制御形グロープラグにおい
て、前記PTC部材は、部材本体及び該部材本体に被覆
された半導体化したBaTiO3 系焼結体又はPbTi
3 系焼結体の被膜即ち薄膜から構成されているもので
ある。即ち、前記PTC部材を構成しているBaTiO
3 の薄膜は、例えば、130℃に温度上昇すると、抵抗
値が急激に103 Ω〜105 Ωに増加することにより誘
電体として機能する。また、前記コイルはタングステン
線で構成することができる。前記パイプの中間部に配置
された前記制御コイル部は断熱材によって覆われ、前記
パイプに対して遮熱されており、適正に電流制御を行う
ことができる。
【0037】更に、前記パイプを構成するセラミックス
はSi3 4 であるので、耐熱性に富むと共に、耐酸化
性に富み、パイプ自体を高強度に作製できる。また、前
記第1セラミックス充填体及び前記第2セラミックス充
填体を構成するセラミックスは、TiO2 を含むSi3
4 から構成されているので、焼成収縮はなく、熱伝導
性を向上できると共に、前記パイプ内を良好に密封する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明による自己電流制御形グロープ
ラグの一実施例を示す概略断面図である。
【図2】図1の自己電流制御形グロープラグに組み込ま
れるPTC部材の温度と抵抗値との関係を示すグラフで
ある。
【図3】従来のディーゼルエンジンの燃焼室にグロープ
ラグを配置した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 中空状本体 2 セラミック製パイプ 3 コイル 4 ヒータコイル部 5 制御コイル部 6 第1セラミックス充填体 7 第2セラミックス充填体 8 コイルの端部 9 コイルの端部 10 PTC部材 11 断熱材 12 コネクタ 13 環状コネクタ部 14 BaTiO3 系焼結体の薄膜 15 パイプの前端部 16 パイプの中間部 17 パイプの本体側端部 18 ナット 19 絶縁体 20 パイプの内壁面 21 中空状本体の中空部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁部材を介してコネクタが配設された
    中空状本体、該中空状本体に取り付けられたセラミック
    製パイプ、前記中空状本体から突出した前記パイプの前
    端部の内壁面に接触状態に配置されたヒータコイル部と
    前記パイプの中間部の内壁面に非接触状態に配置された
    制御コイル部とを有するコイル、前記ヒータコイル部が
    位置する前記前端部に充填された第1セラミックス充填
    体、前記中間部を密封するため前記パイプの本体側端部
    に充填された第2セラミックス充填体、及び前記中空状
    本体内に配置されて前記電極部と前記コイルとに直列に
    接続され且つ所定温度以上で抵抗値が急激に増加して前
    記コイルに流れる電流を遮断するPTC部材、から構成
    したことを特徴とする自己電流制御形グロープラグ。
  2. 【請求項2】 前記PTC部材は、BaTiO3 系焼結
    体又はPbTiO3系焼結体の薄膜から構成され、前記
    ヒータコイル部の熱が伝導されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の自己電流制御形グロ
    ープラグ。
  3. 【請求項3】 前記PTC部材は、筒状薄板より構成さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自己
    電流制御形グロープラグ。
  4. 【請求項4】 前記コイルはタングステン線で構成さ
    れ、前記パイプの前記中間部に配置された前記制御コイ
    ル部は断熱材によって覆われ、前記パイプに対して遮熱
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の自己電流制御形グロープラグ。
  5. 【請求項5】 前記パイプは耐熱性に富んだSi3 4
    で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の自己電流制御形グロープラグ。
  6. 【請求項6】 前記第1セラミックス充填体及び前記第
    2セラミックス充填体は、TiO2 を含んでいるSi3
    4 から構成されていることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の自己電流制御形グロープラグ。
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