JP3835961B2 - 赤外線電球 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱及び暖房などに使用される赤外線電球に関するものであり、特に、発熱体として炭素系物質を使用した赤外線電球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より電気を使った発熱体としては、ニクロム線ヒータ、シーズヒータ、タングステン・ランプヒータ、ハロゲン・ランプヒータ、赤外線ランプ等各種のものが実用化されている。通電してから発熱するまでの時間が短い発熱体としては、タングステン線のスパイラル・フィラメントを、多数個のタングステンサポートにより石英ガラス管の中心部に保持し、不活性ガス中に封入したランプ構造のものが一般的である。しかしながら、タングステン材の熱放射体としての放射率は、30〜39%と低い。また、ランプ構造のものは突入電流が大きいため制御回路の設計に課題を有していた。さらに、タングステンのスパイラルフィラメントをガラス管の中心部に保持するために、多数のタングステンのサポートを必要とし、その構造も複雑である。またタングステンのスパイラルフィラメントが垂直になる状態で使用すると、スパイラルフィラメントが自重でずり落ち使用できない等多くの問題を有していた。これらの問題を解決するために、従来のタングステンのスパイラルフィラメントの代りに、棒状或いは平板状に形成した炭素系物質を発熱体として使用する赤外線電球が特開平11−54092号公報に開示されている。
【0003】
炭素系物質の熱放射体の放射率は78〜84%と高いため、発熱体として炭素系物質を用いると放射率の高い赤外線電球が得られる。また、炭素系物質は、温度上昇とともに抵抗値が低下する負の抵抗温度特性を有するため、点灯時の突入電流も小さいという特徴も有している。また、炭素系棒状或いは板状の発熱体は、その取付方向に制約がないという大きな特徴も有している。
【0004】
図11は、前記の特開平11−54092号に記載の1本の炭素系物質の棒状発熱体を用いた赤外線電球の内部構造を示す断面図である。図11において、炭素系物質を棒状に成形した1本の発熱体35の両端にコイル状に巻いた金属線36−1、36−2をそれぞれ取り付け、前記コイル状の金属線36−1、36−2を覆うように金属箔スリーブ37−1、37−2がカシメにより固着されている。前記金属スリーブ37−1、37−2には、中間にスプリング状に巻かれたコイル状部38−1、38−2を有する内部リード線39−1、39−2のそれぞれの一端が接続されている。コイル状部38−1、38−2の他端にはそれぞれモリブデン箔7−1、7−2がスポット溶接されている。さらに、前記モリブデン箔7−1、7−2のそれぞれの他端には、モリブデン線からなる外部リード線8−1、8−2が溶接されている。このように構成された組立体をガラス管9に挿入し、内部10にアルゴン、窒素などのガスを導入した状態でガラス管9の両端をモリブデン箔7−1、7−2の部分で溶融して封止し赤外線電球が完成する。
【0005】
図11に示した赤外線電球は、炭素系物質の発熱体を用いているのでタングステンのフィラメントで構成したランプに較べ赤外線放射率が高く、突入電流は低い。また縦にして使用しても発熱体が歪むことがない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の赤外線電球の大電力のものでは金属コイル部36−1、36−2や金属箔スリーブ部分37−1、37−2が高温になる。最悪の場合には発熱体35との接触部が高温のため接触不良をおこして更に発熱し最後に溶断するという問題があつた。
本発明は、上記の問題を解決するために、発熱体の接続部の温度の上昇を抑制して、信頼性が高くなるとともに発熱量を変化させることのできる赤外線電球を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の赤外線電球は、炭素系物質で構成された少なくとも2個の棒状の発熱体、前記発熱体の両端部に電気絶縁部材を介して取り付けられた、熱伝導性を有する放熱ブロック、前記各発熱体の端部に接続された、発熱体に通電するためのリード線、及び前記リード線の端部が外部へ導出されるように、前記発熱体と放熱ブロックを収納して密封するガラス管を有する。発熱体の両端部に放熱ブロックを設けているので、両端部の温度上昇が抑制される。
【0009】
本発明の他の観点の赤外線電球は、炭素系物質で構成された少なくとも2個の棒状の発熱体、前記発熱体のそれぞれの一方の端部が相互に電気接続されるように、発熱体の前記一方の端部に取り付けられた電気伝導性を有する熱伝導性の第1の放熱ブロック、前記第1の放熱ブロックにコイル状部を介して接続された通電用の第1のリード線、前記発熱体の内の一部の発熱体の他方の端部が電気絶縁部材を介して取り付けられ、かつ残りの発熱体の他方の端部が直接取り付けられた、電気伝導性を有する熱伝導性の第2の放熱ブロック、前記一部の発熱体の他方の端部にコイル状部を介して接続された通電用の第2のリード線、前記第2の放熱ブロックに接続された通電用の第3のリード線、及び前記第1、第2及び第3のリード線の端部が外部へ導出されるように、前記発熱体と第1及び第2の放熱ブロックを収納して密封するガラス管を有する。複数の発熱体の一部のものの端部を第2の放熱ブロックに直接取り付けることにより簡単な構成で温度上昇が抑制される。
【0010】
本発明のさらに他の観点の赤外線電球は、炭素系物質で形成された少なくとも2個の棒状の発熱体、前記発熱体の両端部に取り付けられた電気伝導性を有する熱伝導性の放熱ブロック、前記放熱ブロックが取り付けられる、電気絶縁性を有する熱伝導性の連結ブロック、前記放熱ブロックの端部に接続された通電用のリード線、前記リード線の端部が外部へ導出されるように、前記発熱体、放熱ブロック、連結ブロックを収納して密封するガラス管を有する。電気絶縁性を有する熱伝導性の連絡ブロックで放熱ブロックを保持するので放熱効果が高くなり、発熱体端部の温度上昇が抑制される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の赤外線電球の好適な実施例について、図1から図8を参照して説明する。
【0012】
《第1の実施例》
図1は、本発明の第1の実施例における赤外線電球の断面図であり、図2は、図1の放熱ブロック部の拡大断面図である。
図1及び図2において、熱放射体としての放射率が高い材料の炭素系物質よりなる2本の棒状の発熱体1−1、1−2は絶縁材料のパイプ状物3−1、3−2、3−3、3−4を介して放熱ブロック2−1、2−2のそれぞれの孔に挿入されている。前記発熱体1−1、1−2の両端部は、それぞれの放熱ブロック2−1、2−2とパイプ状物3−1、3−2、3−3、3−4を貫通して反対側に突き出ており、この突き出た部分にそれぞれ金属線のコイル状部4−1、4−2、4−3、4−4が密着して巻き付けられている。コイル状部4−1、4−2、4−3、4−4に連接してそれぞれスプリング状コイル部5−1、5−2、5−3、5−4が設けられている。スプリング状コイル部5−1、5−2、5−3、5−4には、それぞれの内部リード線6−1、6−2、6−3、6−4の一端が接続され、内部リード線6−1、6−2、6−3、6−4の他端はそれぞれのモリブデン箔7−1、7−2、7−3、7−4の一端に溶接で接合されている。モリブデン箔7−1、7−2、7−3、7−4の他端にはそれぞれの外部リード線8−1、8−2、8−3、8−4が接続されている。このように構成された組立体はガラス管9内に挿入され、前記モリブデン箔7−1、7−2、7−3、7−4とその前後の内部リード線6−1、6−2、6−3、6−4及び外部リード線8−1、8−2、8−3、8−4を含む部分でガラスを溶着して封止している。図1はガラス管9の封止後の状態を示しており、端部領域Sは平板状に押しつぶされている。なお上記の封止方法は既知である。前記ガラス管9内には、前記炭素系物質の発熱体1−1、1−2の酸化を防止するために封止前に不活性ガスが封入される。
【0013】
図2に示す放熱ブロック2−1の断面図において、外形がほぼ円形の放熱ブロック2−1の2つの孔には耐熱性と絶縁性を有するパイプ状物3−1、3−2が密着して挿入されている。前記パイプ状物3−1、3−2の端部は、前記放熱ブロック2−1の両端部よりわずかに突出して固定されている。また、前記発熱体1−1、1−2の端部は、前記パイプ状物3−1、3−2より突出して固定されている。スプリング状コイル部5−1、5−2、5−3、5−4は、引っ張り力が働くようにに少し張力を加えた状態で支持されているので、前記発熱体1−1、1−2及び放熱ブロック2−1、2−2には張力が与えられている。この張力により、前記発熱体1−1、1−2及び放熱ブロック2−1、2−2はガラス管9の中心部に保持されるようになされている。本実施例の各要素の材料としては、絶縁性のパイプ状物3−1、3−2、3−3、3−4がアルミナセラミックスであり、放熱ブロック2−1、2−2は高純度黒鉛材料である。内部リード線6−1、6−2、6−3、6−4にはモリブデン線を使用した。図1に示す構成では、発熱体1−1と1−2は絶縁性パイプ状物3−1、3−3と3−2、3−4によって放熱ブロック2−1、2−2から電気的に絶縁されている。発熱体1−1、1−2はそれぞれ独立した発熱体であり、発熱体1−1は外部リード線8−1、8−3を経て通電することにより点灯することができ、発熱体1−2は外部リード線8−2、8−4を経て通電することにより点灯することができる。この構成により、発熱体1−1、1−2をそれぞれ独立して発熱させることができる。また発熱体1−1、1−2を直列に接続したり又は並列に接続することにより発熱量を加減できる。放熱ブロック2−1、2−2には熱伝導性の良い高純度黒鉛材料を用いているので、発熱体1−1と1−2の一方の端部から発生する熱は放熱ブロック2−1に吸収され、他方の端部から発生する熱は放熱ブロック2−2には吸収される。その結果、発熱体1−1と1−2のそれぞれの端部に巻かれたコイル状部4−1、4−2、4−3、4−4の温度はあまり上昇せずに比較的低い値に抑えられるので、信頼性が向上する。
【0014】
《第2の実施例》
本発明の第2の実施例について、図3及び図4を用いて説明する。
図3において、炭素系物質の棒状発熱体1−1、1−2の図において右方の端部は、絶縁性のセラミックスパイプ3−1、3−2を介して黒鉛材料から成る放熱ブロック2−1に密着して取り付けられている。前記発熱体1−1、1−2の前記絶縁性セラミックスパイプ3−1、3−2から突き出ている部分に、それぞれコイル状部4−1、4−2が密着して巻かれている。コイル状部4−1、4−2の端部はそれぞれモリブデン線から成るスプリング状コイル部5−1、5−2の一端に接続されている。スプリング状コイル部5−1、5−2の他端はそれぞれ内部リード線6−1、6−2の一端に接続されている。内部リード線6−1、6−2の他端部はそれぞれモリブデン箔7−1、7−2の一端に溶接で接合され、モリブデン箔7−1、7−2の他端部には外部リード線8−1、8−2が接合されている。
【0015】
図4の部分拡大断面図で示す前記発熱体1−1、1−2の左方の端部には、黒鉛材料から成る放熱ブロック11が密着するように、例えば炭素系接着剤で接着されている。放熱ブロック11にはコイル状部12が巻き付けられている。コイル状部12の端部はスプリング状コイル部13となるよう成形されている。コイル状部13の他端は内部リード線14として直線状に形成されている。内部リード線14の端部はモリブデン箔15の一端に接合されており、モリブデン箔15の他端部は外部リード線16に接合されている。このように構成された組立体はガラス管9に挿入される。ガラス管9をモリブデン箔7−1、7−2、15の部分で溶融して封着している。ガラス管9の内部には不活性ガスであるアルゴンガス又はアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスが封入されている。
【0016】
本実施例で用いた炭素系接着剤は、黒鉛や炭素微粉末を熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の中に混入したペースト状のものである。接着工程ではこの接着剤を接合面に塗布した後乾燥硬化させ、次に約1000℃の非酸化性雰囲気中で接着剤を加熱し炭素の接着層を形成する。これを炭素化という。この炭素化した炭素の接着層により発熱体1−1、1−2と放熱ブロック11を接合する。発熱体1−1、1−2と放熱ブロック11との接合は、前記の方法に限定されるものではなく、発熱体1−1、1−2と放熱ブロック11が電気的にかつ機械的に確実に接合されるのであればどのような接合方法を用いてもよい。
【0017】
図3に示す本実施例の構成によれば、発熱体1−1と1−2の左端は1本の内部リード線14に接続され、右端はそれぞれの内部リード線、6−1、6−2に個別に接続されている。すなわち、内部リード線6−1、発熱体1−1及び内部リード線14を含む第1の系統と、内部リード線6−2、発熱体1−2及び内部リード線14を含む第2の系統の2系統が1本のガラス管中に配置されて1個の赤外線電球を構成している。本構成によれば、発熱体1−1と1−2のどちらかに通電して単独で発熱させたり、両方に通電して同時に発熱させたりすることができ、実質上2個の赤外線電球と同じ機能を有する。図1で示した第1の実施例の赤外性電球は、2本の発熱体を個々に点灯するために4本の外部リード線8−1、8−2、8−3、8−4を必要としたが、本実施例では3本のリード線8−1、8−2、16で個々に点灯することができ構成が簡単になる。図3において、発熱体1−1、1−2に、引っ張り力を与えるためにスプリング状コイル部5−1、5−2、13を設けているが、コイル状部4−1、4−2を直接内部リード線6−1、6−2にそれぞれ接続してもよい。この場合引っ張り力は左端部のスプリング状コイル部13のみで与えられる。このように構成すればコイル状部5−1、5−2が不要なので構成が簡単になり製造コストが低減される。
【0018】
《第3の実施例》
本発明の第3の実施例について図5及び図6を用いて説明する。
図5及び図6において、2本の炭素系物質よりなる棒状発熱体1−1、1−2の内の一方の発熱体1−1の図の右端部は、絶縁性セラミックスパイプ3−1の内壁に密着するように挿入されている。絶縁性セラミックスパイプ3−1は、黒鉛材から成る放熱ブロック20の孔の内壁に密着するように挿入されている。発熱体1−2の右端部は、放熱ブロック20の前記孔から離れた位置に、例えば、炭素系接着剤を用いて接合されている。これにより発熱体1−2は放熱ブロック20に電気的に接続されている。前記発熱体1−1の端部は絶縁性セラミックスパイプ3−1及び放熱ブロック20のそれぞれの右端部から突き出ており、その突き出た部分に、モリブデン線よりなる内部リード線17の一端に形成されたコイル状部4−1が巻き付けられている。放熱ブロック20の外周部には、モリブデン線より成るコイル状部50が密着して巻き付けられている。コイル状部50の端末は内部リード線19として直線状になされている。
【0019】
2本の発熱体1−1、1−2の図において左の端部は、黒鉛材で形成された放熱ブロック11に炭素系接着剤で接合されている。放熱ブロック11の外周部には、モリブデン線で形成されたコイル状部12が巻き付けられている。コイル状部12の端末はスプリング状のコイル部13を経て直線状の内部リード線14につながっている。コイル状部12、コイル部13、内部リード線14は一本のモリブデン線から形成するのが好ましい。内部リード線17、19、14の各端部には、それぞれモリブデン箔7−1、7−2、15が接合されており、モリブデン箔7−1、7−2、15の他端には、それぞれ外部リード線8−1、8−2、16がそれぞれ接合されている。このように構成された組立体をガラス管9に挿入し、前記モリブデン箔7−1、7−2、15部分でガラスを溶融して封着している。ガラス管9内には、酸化防止のためにアルゴンガス或いはアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスが封入されている。本実施例の構成においても、2本の発熱体1−1、1−2を3本の外部リード線8−1、8−2、16により、個別に点灯制御することができる。
【0020】
前記の各実施例では、2本の発熱体1−1、1−2が組み込まれており、それらを個別に点灯制御できる赤外線電球について説明したが、発熱体の数は2本に限定されるものではなく、ガラス管9の内径を大きくすれば、更に多くの発熱体を封入することができる。本実施例では、同じ太さの棒状発熱体を用いているが、複数の発熱体の太さが同一である必要はなく、発熱体の径が異なっていてもよい。また、複数の発熱体の、個々の消費電力が同一である必要はなく、互いに消費電力の異なるものを複数封入してもよい。内部リード線については、モリブデン線材を用いたものを例にとって説明したが、タングステン線材も全く同様に使える。発熱体に引っ張り力を与え、常に発熱体がガラス管の中央部に保持されるようにするためのスプリング状コイル部は発熱体の両端部に設ける必要はなく、一方のみで十分である。好適には、黒鉛材で形成された放熱ブロックに直接発熱体が電気的に接続されるよう接合し、放熱ブロックに内部リード線が電気的に接続されるように巻き付けるのが望ましい。
【0021】
また内部リード線にスプリング状コイル部を形成し、発熱体の他端部では各々の発熱体間で絶縁されるように形成し、発熱体に各々内部リード線を取付けて内部リード線のスプリング状コイル部を省略した構造にすると、小型かつ細型の赤外線電球が実現できる。2本の発熱体を使った赤外線電球において、発熱体が絶縁された側の内部リード線接続構造は、図5に示したように、一方の発熱体1−2を黒鉛材で形成した放熱ブロック20に直接炭素系接着剤で接合し、発熱体1−2の内部リード線を放熱ブロック20に接続する。そして他方の発熱体1−1を絶縁パイプ3−1を介して放熱ブロック20に接合するとともに、内部リード線は直接発熱体1−1に接合すると云う構成が好ましい。この構成によれば、放熱ブロック11、20が発熱体1−2に炭素系接着剤で強固に接合されるので、振動、衝撃に強い赤外線電球が実現できる。
【0022】
《第4の実施例》
図7は第4の実施例の赤外線電球の断面図である。図8は平板状発熱体17−1、17−2の端部を固定する部材の斜視図であり、それぞれ複数の、発熱体17−1、17−2、放熱ブロック18−1、18−2、18−3、18−4、連結ブロック19−1、19−2の内のそれぞれ1個のみを図示している。
図7及び図8において、炭素系物質で構成されている平板状発熱体17−1、17−2の端部を放熱の機能を有するそれぞれの放熱ブロック18−1、18−2、18−3、18−4の切り欠き部24に挿入し炭素系接着剤で接合する。次に放熱ブロック18−1〜18−4を、熱伝導性と電気絶縁性に優れた連結ブロック19−1、19−2の開口部26、27に挿入する。放熱ブロック18−1、18−2、18−3、18−4と外部リード線8−1、8−2、8−3、8−4とはそれぞれ、内部リード線22−1、22−2、22−3、22−4により連結されている。内部リード線22−1、22−2、22−3、22−4には、それぞれスプリング形状を有するコイル状部21−1、21−2、21−3、21−4が連接されており、各コイル状部23−1〜23−4には、内径が各放熱ブロック18−1〜18−4の接続部25の外径より小さくなされたコイル部23−1、23−2、23−3、23−4が連結されている。コイル部23−1、23−2、23−3、23−4はそれぞれ、放熱ブロック18−1、18−2、18−3、18−4の接続部25に密着するように巻き付けられている。内部リード線22−1、22−2、22−3、22−4の他端部は、それぞれのモリブデン箔7−1、7−2、7−3、7−4に接合されている。モリブデン箔7−1、7−2、7−3、7−4の他端には外部リード線8−1、8−2、8−3、8−4がそれぞれ溶接により接合されている。このように構成された組立体をガラス管9に挿入し、モリブデン箔7−1、7−2、7−3、7−4の部分でガラスを封着し赤外線電球が作成される。ガラス管9内には、アルゴンガスと窒素ガスの混合ガスが封入されている。
【0023】
前記連結ブロック19−1は、耐熱性と熱伝導性と電気的絶縁性を有する材質で製作する必要があり、具体的にはセラミックスの材料が好適である。特に、窒化アルミニウムや、アルミナセラミックスが良い結果を示した。本実施例の構成によれば、2個の平板状発熱体を1本のガラス管中に封入し、各々の発熱体に個別に通電して点灯制御できる赤外線電球が実現できる。
【0024】
《第5の実施例》
図9は炭素系物質よりなる2本の平板状発熱体を有する第5の実施例の赤外線電球の断面図である。図9において、炭素系物質よりなる2個の平板状発熱体17−1、17−2の右端部には、それぞれ黒鉛材よりなる放熱ブロック18−1、18−2が炭素系接着剤で接合されている。各放熱ブロック18−1、18−2の端部には、内部リード線22−1,22−2にそれぞれつながるコイル状部23−1、23−2が密着して巻き付けられている。放熱ブロック18−1、18−2は、電気絶縁性を有する連結ブロック19−1に取り付けられている。前記発熱体17−1、17−2の左端部は、図10に示す黒鉛材で形成した放熱ブロック28の溝32、33にそれぞれ挿入され炭素系接着剤で接合されている。放熱ブロック28の接合部34には、内部リード線30の端部に形成されたコイル状部31が接合されている。放熱ブロック28の接合部34の直径は、放熱ブロック28の直径より小さいのが望ましい。前記内部リード線30とコイル状部31の間にはスプリング形状を有するコイル状部29を有している。コイル状部29は発熱体17−1、17−2に引っ張り力を与え、発熱体17−1、17−2をガラス管9の中心部に保持する。内部リード線22−1、22−2、30の端部は、それぞれモリブデン箔7−1、7−2、7−3の一端に溶接により接合されている。モリブデン箔7−1、7−2、7−3の他端部はそれぞれ外部リード線8−1、8−2、8−3に溶接により接合されている。
【0025】
このように構成された組立体がガラス管9の中に挿入され、モリブデン箔7−1、7−2、7−3の部分でガラス溶着されている。ガラス管9内には、不活性ガス、例えば、アルゴンと窒素の混合ガスが封入されている。本実施例の2本の発熱体17−1、17−2を有する赤外線電球の使用形態としては、発熱体17−1又は17−2のいずれか一方に通電すること、発熱体17−1と17−2を並列に接続して通電すること、発熱体17−1と17−2を直列に接続して通電することの4通りがある。発熱体17−1と17−2に抵抗値が同じ物を用いた場合は、発熱量を3段階に変えることができる。また発熱体17−1と17−2に抵抗値が異なるものを用いた場合は、発熱量を4段階に変えることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上の各実施例で詳細に説明したように、本発明の赤外線電球は、1本のガラス管中にそれぞれ独立した2本或いはそれ以上の発熱体を封入しているので、各発熱体の電源への接続形態を変えることにより発熱量を多段階に変えることができるとともに、発熱体の端部には内部リード線を接合する機能と内部リード線部を冷却する機能を有する放熱ブロックを設けているため、内部リード線の接合部があまり高温にならず、信頼性の高い赤外線電球が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における赤外線電球の構造を示す図
【図2】 図1の発熱体と放熱ブロックとの接合部の拡大断面図
【図3】本発明の第2の実施例における赤外線電球の構造を示す断面図
【図4】図3の左端部の構成を示す拡大断面図
【図5】本発明の第3の実施例における赤外線電球の構造を示す断面図
【図6】図5の右端部の構成を示す拡大断面図
【図7】本発明の第4の実施例における赤外線電球の構造を示す断面図
【図8】図7の発熱体と放熱ブロックと連結ブロックとの接合部の分解斜視図
【図9】本発明の第5の実施例における赤外線電球の構造を示す断面図
【図10】図9の放熱ブロックの斜視図
【図11】従来の赤外線電球の構造を示す断面図
【符号の説明】
1−1〜2、17−1〜2、35 発熱体
2−1〜2、11、18−1〜4、20、28 放熱ブロック
40−1〜2
3−1〜4、19−1〜2 絶縁物
4−1〜4、12、50、23−1〜4、31、 コイル状部
36−1〜2、41−1〜2
5−1〜4、13、21−1〜4、29、38−1〜2、スプリング部
42−1〜2
6−1〜4、14、17、19、22−1〜4、 内部リード線
30、39−1〜2、43−1〜2
7−1〜4、15 モリブデン箔
8−1〜4、16 外部リード線
9 ガラス管
37−1〜2 スリーブ
Claims (14)
- 炭素系物質で構成された少なくとも2個の棒状の発熱体、
前記発熱体の両端部に電気絶縁部材を介して取り付けられた、熱伝導性放熱ブロック、
前記各発熱体の端部に接続された、発熱体に通電するためのリード線、及び
前記リード線の端部が外部へ導出されるように、前記発熱体と放熱ブロックを収納して密封するガラス管
を有する赤外線電球。 - 前記少なくとも2個の発熱体の一方の端部が、リード線に接続された電気伝導性を有する熱伝導性の放熱ブロックに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の赤外線電球。
- 炭素系物質で構成された少なくとも2個の棒状の発熱体、
前記発熱体のそれぞれの一方の端部が相互に電気接続されるように、発熱体の前記一方の端部に取り付けられた電気伝導性を有する熱伝導性の第1の放熱ブロック、
前記第1の放熱ブロックにコイル状部を介して接続された通電用の第1のリード線、
前記発熱体の内の一部の発熱体の他方の端部が電気絶縁部材を介して取り付けられ、かつ残りの発熱体の他方の端部が直接取り付けられた、電気伝導性を有する熱伝導性の第2の放熱ブロック、
前記一部の発熱体の他方の端部にコイル状部を介して接続された通電用の第2のリード線、
前記第2の放熱ブロックに接続された通電用の第3のリード線、及び
前記第1、第2及び第3のリード線の端部が外部へ導出されるように、前記発熱体と第1及び第2の放熱ブロックを収納して密封するガラス管
を有する赤外線電球。 - 炭素系物質で構成された少なくとも2個の棒状の発熱体、
前記各発熱体の両端部に取り付けられた電気伝導性を有する熱伝導性の放熱ブロック、
前記放熱ブロックが取り付けられる、電気絶縁性を有する熱伝導性の連結ブロック、
前記放熱ブロックの端部に接続された通電用のリード線、及び
前記リード線の端部が外部へ導出されるように、前記発熱体、放熱ブロック、連結ブロックを収納して密封するガラス管
を有する赤外線電球。 - 前記少なくとも2個の発熱体の一方の端部が、リード線を備え電気伝導性を有する熱伝導性の1個の放熱ブロックに取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の赤外線電球。
- 前記発熱体が4辺形の断面の棒状である請求項1、3又は4記載の赤外線電球。
- 前記発熱体が多角形の断面の棒状である請求項1、3又は4記載の赤外線電球。
- 前記発熱体が円形の断面の棒状である請求項1、3又は4記載の赤外線電球。
- 前記少なくとも2個の棒状の発熱体の定格消費電力が同じであることを特徴とする請求項1、3又は4記載の赤外線電球。
- 前記少なくとも2個の棒状の発熱体の定格消費電力が相互に異なることを特徴とする請求項1、3又は4記載の赤外線電球。
- 前記放熱ブロックが、炭素、黒鉛或いは黒鉛を主成分とする材料から選択されたもので作られていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の赤外線電球。
- 前記リード線がタングステン或いはモリブデンで形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の赤外線電球。
- 前記リード線にスプリング状コイルが一体に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の赤外線電球。
- 前記ガラス管内には、窒素ガスあるいは窒素ガスとアルゴンガスの混合ガスが封入されていることを特徴とする請求項1、3又は4記載の赤外線電球。
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