JP4112169B2 - 赤外線電球 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の抵抗温度係数を有する炭素系物質よりなる発熱体用いた赤外線電球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来ヒーターの発熱体としては、タングステン線やニクロム線が主に使われている。タングステン線は、空気中では酸化するため石英ガラス管等に封入し、内部に不活性ガスを密封したランプタイプのものが、ニクロム線は、コイルの保護として不透明石英ガラス管等に挿入し空気雰囲気で使うタイプのものが製品化されている。しかし、タングステン線は点灯時の電気抵抗値に比べ無点灯時の抵抗値が低いため、点灯時に過大なラッシュ電流が流れ周辺機器に妨害を与え、また、ニクロム線は昇温速度が遅いため速熱性が悪いという課題をそれぞれ有している。これらの課題を解決するために炭素系物質の発熱体が発明されている。例えば、特開平10−859526号に炭素と金属或いは半金属化合物(金属炭化物、金属窒化物、金属硼化物、金属珪化物、金属窒化物、金属酸化物、半金属窒化物、半金属炭化物)の焼結体を発熱体に用いるものが開示されている。その実施例によれば塩素化塩化ビニル樹脂、フラン樹脂の混合樹脂系に天然黒鉛微粉末と窒化硼素及び可塑剤を加え、ヘンシェル・ミキサーで分散後、二本ロールで混練りし、ペレタイザーでペレット化し、これをスクリュウー型押出機で棒状に押出し、乾燥後、窒素ガス中で焼成し作製している。これらの炭素系物質の焼結体を発熱体としたものは、炭素の放射率が黒体に近いため理想的な輻射光用発熱体と記述されている。従来の炭素発熱体は、エジソンが発明した純炭素材を用いたものが公知であるが、炭素自体の固有抵抗が小さいため高抵抗の発熱体が得にくかったが、前記発明では、金属或いは半金属化合物を混合し、焼結した材料を用いているため、その固有抵抗値が純炭素の数倍から数十倍に変えられるものが得られるようである。また、これらの炭素系物質の焼結体を発熱体とした赤外線電球が特開平11−54092号に開示されている。その構造を第5図を用いて説明する。
【0003】
第5図において、炭素系物質よりなる抵抗発熱体1の一端部に、タングステン線よりなる内部リード線31の端部のコイル状部32が、前記発熱体1に密なる嵌合で取付られており、該内部リード線の途中には別のコイル状部33が形成されており、前記内部リード線31の他端部には、モリブデン箔6が、該モリブデン箔の他端部には外部リード線7がそれぞれ溶接接合されている。前記密なる嵌合で発熱体1に取り付けられているコイル状部32の外周部には、鉄・ニッケル合金よりなる金属スリーブ34がカシメ固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平10−859526号に開示された、炭素系物質と金属或いは半金属化合物との混合物から焼結法で生成された発熱体は、その温度上昇と電気抵抗値に関する記述はなく抵抗温度特性が不明である。しかし、特開平11−54092号に開示されている赤外線電球に用いられている発熱体は、温度上昇とともに電気抵抗値が低下する負の抵抗温度特性であるため、点灯時のラッシュ電流がないという特徴を明記している。
【0005】
即ち、公開されている炭素系物質よりなる発熱体を用いた赤外線電球は、負の温度特性であるが、その抵抗温度特性値は不明であり、あまり検討されてないようである。しかし、発熱体の抵抗温度特性は、ヒーターを作製するとき非常に重要なファクターであり、その値が一定しない場合には、その特性値を製造ロット毎に確認し、その特性値に従って発熱体の断面積或いは発熱長を変えワット数を合わさなければならない。これは、実質的に目的とする赤外線電球が量産できないことを意味する。また、抵抗温度特性の値が安定したものが作製できたとしても、その絶対値が重要となる。すなわち、無点灯時の電気抵抗値に対して、点灯時の電気抵抗値が小さいとラッシュ電流は流れないが、発熱体の温度が上昇するにつれ抵抗値が減少し、更に温度が上昇するという危険な状態が想像される。すなわち、発熱体が使用時に劣化した場合、抵抗値がさらに負になる危険性をはらんでいる。また、反対に点灯時の電気抵抗値が高い場合には、その値が小さい場合には問題ないが、大きくなるとラッシュ電流が流れる現象が生じ、タングステン線を用いた従来の電球と同じ問題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、賦形性を有し焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示す組成物と、金属或いは半金属化合物の一種または二種以上を所定の固有抵抗値を得るために混合し、押し出し成形し、不活性ガス雰囲気中で焼成して得られた板状の中間生成物に対して、前記焼成時の雰囲気と異なる1×10−2Pa以下の真空雰囲気で所定の再熱処理温度で再熱処理を行って形成された板状の炭素系発熱体を用いた赤外線電球であって、
前記再熱処理温度は、前記炭素系発熱体温度が1200℃時の電気比抵抗の値から前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値を引いた差値を、前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値で割って得た変化率が−20%から20%の範囲内となるように設定された温度であり、
−20%から20%の範囲内の前記変化率を有する板状の前記炭素系発熱体の両端部にリード線の一端が電気的に接続されており、前記リード線の他端が石英ガラス管外に導出されるように、前記炭素系発熱体が石英ガラス管内に配置され、前記石英ガラス管内部に不活性ガスが密封されていることを特徴とする赤外線電球である。
【0007】
これにより、常温〜点灯時における炭素系発熱体の電気比抵抗の変化率がほぼ零となるので、その炭素系発熱体を用いた赤外線電球は、点灯時のラッシュ電流がなく、かつ、発熱体の寿命末期における死に際が、抵抗値の変化が起こらず、発熱温度も変化なく発熱体が断線する事が確認でき、寿命末期においても安全な赤外線電球が提供できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、賦形性を有し焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示す組成物と、金属或いは半金属化合物の一種または二種以上を所定の固有抵抗値を得るために混合し、押し出し成形し、不活性ガス雰囲気中で焼成して得られた板状の中間生成物に対して、前記焼成時の雰囲気と異なる1×10−2Pa以下の真空雰囲気で所定の再熱処理温度で再熱処理を行って形成された板状の炭素系発熱体を用いた赤外線電球であって、
前記再熱処理温度は、前記炭素系発熱体温度が1200℃時の電気比抵抗の値から前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値を引いた差値を、前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値で割って得た変化率が−20%から20%の範囲内となるように設定された温度であり、
−20%から20%の範囲内の前記変化率を有する板状の前記炭素系発熱体の両端部にリード線の一端が電気的に接続されており、前記リード線の他端が石英ガラス管外に導出されるように、前記炭素系発熱体が石英ガラス管内に配置され、前記石英ガラス管内部に不活性ガスが密封されていることを特徴とする赤外線電球である。このように構成された本発明によれば、常温〜点灯時における炭素系発熱体の電気比抵抗の変化率が−20%から20%の範囲内となるので、その炭素系発熱体を用いた赤外線電球は、点灯時のラッシュ電流がなく、かつ、発熱体の寿命末期における死に際が、抵抗値の変化が起こらず、発熱温度も変化なく発熱体が断線する事が確認でき、寿命末期においても安全な赤外線電球が提供できる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の発明は、金属或いは半金属化合物は、金属炭化物、金属硼化物、金属珪化物、金属窒化物、金属酸化物、半金属窒化物、半金属酸化物または半金属炭化物であり、前記物質を1種類あるいは2種類以上含有する炭素系発熱体を用いたことを特徴とする赤外線電球であり、前記物質を1種或いは2種以上炭素系発熱体の材料に含有させ、その配合比或いは炭素系発熱体の形状、長さを変えることにより任意の固有抵抗を有する炭素系発熱体が形成できる。特に炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素を使用すると、抵抗値の制御がやりやすく好ましい抵抗発熱体が形成でき、該材料を用いて形成した抵抗発熱体を用いた赤外線電球は、種々のW(ワット)数のものを容易に実現することが可能となった。
【0010】
本発明の請求項3に記載の発明は、組成物は、樹脂を含む材料を用いた赤外線電球であり、不活性ガス雰囲気中で焼成することにより炭素化する有機材料を使用する際、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリアミド等の熱可塑性材料、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂等が有効であり、これらの材料を含有する炭素系物質よりなる抵抗発熱体を用いた赤外線電球は、発熱体の表面が炭素材料であるため、発熱時の放射率が純炭素材料とほぼ等しい0.87を得ることとなって輻射効率の高いランプが実現でき、暖房、調理、保温、乾燥、焼成、医療機器、焙煎等に最適の赤外線電球が提供できる。
【0011】
本発明の請求項4に記載の発明は、前記組成物は、カーボンブラック、黒鉛及びコークス粉から選ばれた1種または2種以上の炭素粉末が含有されている材料を用いた赤外線電球であり、炭素粉末を含有量しているため、前述と同様に放射率が黒体に近い赤外線電球が提供できる。また、その熱は従来の炭火に近いものであり調理に使うと美味しい調理物が提供出来る。特に黒鉛粉末が好ましい。
【0012】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4記載の炭素系発熱体の両端部に、リード線が電気的に接続された部材を有し、前記部材の固有抵抗が前記炭素系発熱体の固有抵抗より小さく、かつ前記リード線の固有抵抗より大きい部材を介して前記リード線と前記通電部とを電気的に接続し、前記リード線の端部が石英ガラス管外に導出されるように前記部材が石英ガラス管内に挿入され、内部に不活性ガスを密封した構造を有することを特徴とする赤外線電球であり、本発明の赤外線電球は、電気比抵抗が常温のそれに対する変化率が好ましくは、実質的に零の炭素系物質を含有する発熱体を用いて作製したもので、ラッシュ電流がほとんど無く、かつ、発熱体の劣化時でも温度上昇の起こらない、炭素系発熱体の断線状態となる死に際の安全な赤外線電球が実現できた。
【0013】
更に抵抗発熱体とそれに接続されるリード線間に抵抗値の小さい、材料を挟んで接続する構造なので、該部分が熱の放熱部としての役割を有するのでリード線部が高温になることを抑制し該部分の劣化や炭素材料との反応も抑制され、より信頼性の高い赤外線電球が実現できる。特にその形状が円形のものは、リード線を巻き付けて接続出来るので最適である。
【0014】
本発明の赤外線電球は、ラッシュ電流のほとんど無い、死に際の安全な赤外線電球を提供出来るとともに、発熱体とリード線との間に固有抵抗の小さい、熱伝導度の大きい部材を介して用いると、前記リード線接合部の温度上昇が低く抑えられ、該部分の信頼性の高い赤外線電球を提供する事ができる。
【0015】
また、該部材を円柱形状にすれば、平板状の発熱体でも丸棒状発熱体でも赤外線電球が構成できる。すなわち、前記部材にスリットを形成し平板を挿入し接合、また、丸穴を形成し丸棒発熱体を挿入し接合する事により達成できる。内部リード線は前記円柱状部材に密なる嵌合で巻き付ける構成なので接続部の信頼性は確認ずみであり、好みの発熱体形状の赤外線電球が実現できる。
【0016】
本発明の請求項6に記載の発明は、部材が炭素系物質からなることを特徴とする赤外線電球。
【0017】
本発明の請求項7に記載の発明は、前記リード線が、タングステン線、モリブデン線或いはステンレス線からなることを特徴とする赤外線電球であり、前記炭素系発熱体或いは炭素系部材に接続するリード線が、タングステン、モリブデン或いはステンレス材料なので融点が大きく、材料の剛性も大きいので密なる嵌合で巻き付けた状態が長時間維持できる。また、ステンレス線はタングステン線或いはモリブデン線に比べ高温におけるバネ弾性の劣化が少ないため、リード線巻き付け部の温度が上昇する高ワット赤外線電球に適している。
【0018】
本発明の請求項8に記載の発明は、石英ガラス管内のリード線の一方或いは両方において、石英ガラス管の内径にほぼ近い径のスプリング部を有し、炭素系発熱体に引っ張り力が働くように構成したことを特徴とする赤外線電球であり、前記スプリング部の径が石英ガラス管の内径に近いため、発熱体を石英ガラス管の中心部に担時することができる。また、スプリング部で発熱体部に引っ張り力が働くように構成しているので、点灯時発熱体が熱膨張で伸び、たわむのを防ぐ機能をもかねそなえている。また、常に張力が発熱体に働いているので、振動や衝撃に強い赤外線電球が実現できる。
【0019】
本発明の請求項9に記載の発明は、前記記載の赤外線電球において、石英ガラス管の内部にアルゴン或いは窒素或いはアルゴン・窒素の混合ガスが密封されたことを特徴とする赤外線電球であり、密封した石英ガラス管内にアルゴン或いは窒素その混合ガスを含有させているので、アーク放電しにくく、炭素系物質よりなる発熱体の酸化が生じず、長寿命の赤外線電球が実現できる。好ましくは、密封したガスの内圧は、負圧に成るようにすることである。即ち、点灯時石英ガラス管の内部が高温度になっても内圧がわずかに負圧になるようにガス圧を調整して封入するのが好ましい。
また、本発明の請求項10に記載の発明は、炭素系発熱体の両端部にリード線の一端が電気的に接続されており、前記リード線の他端が石英ガラス管外に導出されるように、前記炭素系発熱体が石英ガラス管内に配置され、前記石英ガラス管内部に不活性ガスが密封されている赤外線電球の製造方法であって、
賦形性を有し焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示す組成物と、金属或いは半金属化合物の一種または二種以上を所定の固有抵抗値を得るために混合し、押し出し成形し、不活性ガス雰囲気中で焼成して板状の中間生成物を形成する工程、
前記焼成時の雰囲気と異なる1×10−2Pa以下の真空雰囲気において前記中間生成物を所定の再熱処理温度で再熱処理を行って板状の前記炭素系発熱体を形成する工程、を有し、
前記再熱処理温度は、前記炭素系発熱体温度が1200℃時の電気比抵抗の値から前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値を引いた差値を、前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値で割って得た変化率が−20%から20%の範囲内となるように設定された温度である
(実施の形態1)以下に、本発明の実施の形態について表及び図面を用いて説明する。まず、本発明に使用する炭素系物質よりなる抵抗発熱体について説明する。
【0020】
下記に示す(表1)は、異なる複数からなる熱処理温度で再熱処理された炭素系物質の焼結体よりなる各抵抗発熱体の温度が、20℃及び1200℃の温度にそれぞれ設定されたときの各抵抗発熱体の電気比抵抗及びその変化率を実験的に得たものである。
【0021】
【表1】
Figure 0004112169
【0022】
この実験における炭素系物質の焼結体よりなる各抵抗発熱体すなわち各炭素系発熱体は、開示されている特開平10−859526号の実施例3に従って作製した。即ち、塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイド社製T−741)45重量部、フラン樹脂(日立化成社製ヒタフランVF−302)15重量部、の混合樹脂系に天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製平均粒度5μm)10重量部を含有させた組成物と窒化硼素(信越化学社製平均粒度2μm)30重量部に対し、可塑剤としてジアリルフタレートモノマーを20重量部添加し、分散、混合し、押出成形を行い、その後窒素ガス雰囲気中で焼成し、円柱状の炭素系発熱体を得た。
【0023】
得られた炭素系発熱体は、直径1.50mmの丸棒状の形状であり、このようにして得られた丸棒状の炭素系発熱体を1×10−2 Pa以下の真空中で再熱処理を行った。この再熱処理における熱処理温度は、(表1)に示した如く、熱処理温度を1500℃〜1900℃の温度で行った。このようにして作製した炭素系発熱体を、後述する実施の形態3のごとき構成の赤外線電球に仕上げその抵抗温度特性を測定した。該赤外線電球にAC100Vを印加すると炭素系発熱体の色温度は1200℃を示した。
【0024】
20℃及び1200℃の各温度での各電気比抵抗は、下記に示す計算式(数1)で求めることとする。
【0025】
【数1】
Figure 0004112169
【0026】
この(数1)により、各熱処理温度で処理した炭素系発熱体で作製した赤外線電球について、20℃及び1200℃(炭素系発熱体の表面色温度)の電気比抵抗を求め、1200℃の電気 比抵抗の20℃の電気比抵抗値に対する変化率を求めた。
【0027】
その結果、(表1)に示した如く、再熱処理における熱処理温度が低い場合には変化率が負、即ち20℃の電気比抵抗に比べ1200℃の電気比抵抗が小さい特性を示し、熱処理温度が高くなるに従って変化率が正の方向に変化し、熱処理温度が1800℃近辺で変化率が0%となり、それ以上の熱処理温度では正になる、即ち20℃の電気比抵抗に比べ1200℃の電気比抵抗が大きくなるとこが実験で確認できた。
【0028】
本実験結果より、電気比抵抗の20℃の値に対する変化率の調整は、炭素系発熱体に対する再熱処理時の熱処理温度調節によって可能であることが判った。これは非常に重要なことであり、再熱処理を行うことにより20℃と1200℃、或いは常温と高温時で常温に対する電気比抵抗の変化率が0%に近い炭素系発熱体が作製できることであり、該炭素系発熱体を用いた抵抗温度特性がフラットな赤外線電球が実現できることである。
【0029】
次に、(表1)と同様な実験(但し、再熱処理の温度条件は若干異なる)を行うことにより得られた(表2)の結果を用いて本発明に用いた別な炭素系発熱体について説明する。
【0030】
【表2】
Figure 0004112169
【0031】
この(表1)では、丸棒状の炭素系発熱体の再熱処理における電気比抵抗の20℃の値に対する変化率を示したが、(表2)には板状の炭素系発熱体の再熱処理による電気比抵抗の20℃の値に対する変化率を、各熱処理温度について実験した結果である。
【0032】
その基になる炭素系発熱体は、実施例の形態1と同じ組成、同じ作製条件で作った。但し、炭素系発熱体の焼成後の形状は、幅6.1mm、厚み0.5mmの板状である。尚、丸棒状、板状は押出成形機の押出部のダイス形状を変えることにより如何なる形状のものも作製できる。
【0033】
焼結し、作製された炭素系板状発熱体を、1×10−2Pa以下の真空中、1300℃〜1800℃の温度範囲で熱処理を行った。その発熱体を用い後述の実施例の形態に記載された赤外線電球に組立、20℃、1200℃における電気比抵抗を測定し、電気比抵抗の値の20℃に対する変化率(%)を求めた。(表2)よりわかるように、再熱処理温度1600℃以下の温度では、電気比抵抗の20℃の値に対する変化率は負であったが、1600℃以上で再熱処理を行うと正に変化し、再熱処理温度が高くなるにつれ変化率がより正の値を示す。
【0034】
即ち、再熱処理温度が1600℃を境に、処理温度が低くなると変化率はより負に、処理温度が高くなると変化率はより正になるというものであった。これは(表1)で説明したのと同様のことが言える。ただし、変化率が零になる熱処理温度は、炭素系発熱体の形状、組成、及び製造条件等により異なる。
【0035】
重要なことは、炭素系発熱体の組成、形状を決定すると、変化率が零になる熱処理温度が存在し、その温度で処理すれば、変化率零の理想的な炭素系発熱体が供給出来ると言うことである。変化率が零近くであれば、点灯時のラッシュ電流は零であり、炭素系発熱体の温度が上昇しようとしても抵抗値は変化しないので、炭素系発熱体の温度が一定に保つという自己温度維持機能が生まれ、より安全な赤外線電球が提供できる。
【0036】
本実施例では、点灯時の温度を1200℃として検討したが、それより低い或いは高い発熱体温度でも本実施例の結果は、何等制限されることなく適用できることは実証済みである。また、変化率が零が一般的赤外線電球の発熱体としてはベストであるが、特殊な仕様として抵抗温度特性がより負のものやより正のものが熱処理温度を変えるだけで実現できる。
【0037】
本発明の赤外線電球に適した変化率範囲は、−20%〜+20%であり、最適は−10%〜+10%であった。すなわち、−10%〜+10%の範囲で有れば、炭素系発熱体の抵抗温度特性を無視して赤外線電球が設計でき、かつ製造時のランプ性能の許容誤差内のものが実現できる。
(実施の形態2)実施の形態1で説明した、電気比抵抗の20℃の値に対する変化率が小さい炭素系発熱体を用いた赤外線電球について図面を用いて説明する。
【0038】
第1図は赤外線電球の断平面図であり、その構成は、前述の実施の形態1で述べた方法にて熱処理し、その変化率が6.8%の炭素系物質の焼結体よりなる直径1.55mmの丸棒状の炭素系発熱体1((表1)の1800℃熱処理したもの)の両端部に、モリブデン線で形成された内部リード線4a、4bの一端に形成されたコイル状部3a、3bを前記炭素系発熱体1の両端部に密なる嵌合でねじ込み接続する。
【0039】
前記内部リード線4a、4bには、少なくとも1ターン以上コイル状に巻いたスプリング部5a、5bを有している。前記内部リード線4a、4bの他端部は、厚み20μmのモリブデン箔6a、6bの一端部に、他端部にはモリブデン線よりなる外部リード線7a、7bがそれぞれ溶接接合されている。このように構成された組立物を透明の石英ガラス管2に挿入し、その両端部の前記モリブデン箔6a、6bの部分で前記石英ガラス管2を溶融し封着した。
【0040】
石英ガラス管2内には、空気と置換し不活性ガスであるアルゴンガス8が大気圧より低い圧力で封入されている。このようにして形成された赤外線電球は、電気比抵抗の20℃の値に対する変化率がほぼ0%に近いものを用いているため、点灯時のラッシュ電流は全く生じず、周辺機器へのノイズによる妨害は全く生じ無かった。
【0041】
また、過電圧状態(定格電圧100Vに対して、120V、130V、150V、200V)で連続或いは断続寿命試験を行った結果、その死に際、即ち、炭素系発熱体1の断線状態は、その抵抗値が大きく上昇あるいは減少することなくわずかに電流値が上昇(発熱温度がわずかに上昇)して断線した。
【0042】
しかし、電気比抵抗の20℃の値に対する変化率がー23.9%のもので前記条件で寿命試験したところ、死に際において抵抗値が低下し、即ち、発熱温度が200℃以上上昇して断線した。これは危険な状態の死に際であり、温度上昇が更に上昇すれば、発熱体が垂れ下がり、石英ガラス管の内壁に接触し石英ガラス管が溶融し最悪の場合には破裂する危険性をはらんでいる。この主因は、前記した変化率が負であるためである。また、変化率が正でその値が20%を越えたものは、ラッシュ電流が生じ無視できない値となる。
(実施の形態3)
第2図、第3図を用いて、本発明の実施の形態1による方法で作成した電気比抵抗の20℃の値に対する変化率が、0.9%の炭素系物質の焼結体よりなる幅6.1mm、厚み0.5mmの板状の炭素系発熱体((表2)の1600℃熱処理のもの)を用いた赤外線電球について説明する。
【0043】
第2図において、板状発熱体11の両端部には炭素系発熱体のそれより小さく、かつリード線のそれより大きい炭素系物質で形成した円柱状の部材12a、12bが接合されている。その詳細は、第3図に示している。即ち、部材12の一方の部分に、板状の炭素系発熱体11の板厚よりわずかに幅の狭いか広いスリット21を形成し、そのスリット21に発熱体11を差込、炭素系接着剤で接合した。
【0044】
炭素系接着剤は、黒鉛微粉末を有機樹脂にブレンドしたペースト状のものを塗布し、乾燥後、不活性ガス雰囲気中1000℃以上の温度で焼成し、有機樹脂分を炭化し接合する方法である。前記部材12a、12bには、モリブデン線よりなる内部リード線14a、14bの一端部に形成されたコイル状部13a、13bが密なる嵌合で巻き付けられており、該内部リード線の途中部にはコイル状のスプリング部15a、15bを有している。
【0045】
該コイル状部の直径は石英ガラス管2の内径より少し小さい径を有しており、炭素系発熱体11を石英ガラス管2の内部中央部に位置するように機能する。前記内部リード線14a、14bの他端部は、20μm厚のモリブデン箔6a、6bの一端部に、該モリブデン箔6a、6bの他端部には、モリブデンよりなる外部リード線7a、7bがそれぞれスポット溶接で接合されている。
【0046】
このようにして構成された組立物を透明石英ガラス管2に挿入し、内部をアルゴンガスに置換後、石英ガラス管の両端部、即ち、モリブデン箔6a、6bの部分で溶融密封した。前記石英ガラス管2の前記モリブデン箔6a、6bの部分で溶融封止するとき、前記スプリング部15a、15bが少し引っ張った状態で封止している。
【0047】
その結果、炭素系発熱体11には常に引っ張り張力がかかった状態であり、その結果、炭素系発熱体11が発熱時熱膨張し伸びたとき垂れ下がるのを防止するとともに、振動、衝撃が発熱体に加わっても、それを吸収し振動、衝撃に強い赤外線電球が実現できる。このようにして形成された赤外線電球は、100V印加すると、炭素系発熱体11の温度は約1100℃に約8秒で到達した。変化率が0.9%の板状の炭素系発熱体11であったので、ラッシュ電流は零であった。また、130V、150V、200Vで連続、断続の寿命試験したが、全ての試験条件で、実施の形態2で述べた如く、炭素系発熱体11の死に際は、抵抗値がわずかに上昇し、炭素系発熱体11の色温度が少し低下して断線した。
【0048】
再熱処理する方法で作成した炭素系発熱体11を用いた本発明の赤外線電球は、ラッシュ電流、死に際ともに安心して使用できる赤外線が提供できることがわかった。また、板状の炭素系発熱体11においても、円柱状の部材12を用いそれにスリットを入れそれに板状発熱体接合する構造としたため、板状の炭素系発熱体11でも信頼性のある赤外線電球が実現した。
【0049】
また、該部材は炭素系物質、好適には黒鉛材料、で形成しているので熱伝導性が良いため放熱ブロックとしても機能しており、前記内部リード線の嵌合部の温度を低く抑える効果を有しており、該接合部の信頼性が飛躍的に向上した。本接合方法は、実施の形態1で示した丸棒状の炭素系発熱体1にも何等問題なく適用できる。さらに、低ワットの丸棒状の炭素系発熱体1では、直接内部リード線を取り付けても問題はない。
(実施の形態4)
第4図を用いて、本発明の再熱処理を施した炭素系発熱体を用いた、更に別な構成の赤外線電球について説明する。
【0050】
第4図において、板状(幅:6.1mm、厚み:0.5mm)の炭素系発熱体11の両端部に実施の形態3で説明した黒鉛円柱材で形成した部材12a、12bを接合し、その一方の部材12aにはモリブデン線よりなる内部リード線14aの端部に形成したコイル状部13a、を密なる嵌合で巻き付ける。
【0051】
該内部リード線14aの途中部には、コイル状に巻いたスプリング部15aを有している。前記発熱体11の他端部の円柱形状の部材12bには、モリブデン線よりなる内部リード線25の端部に形成したコイル状部26を、密なる嵌合で巻き付けられている。
【0052】
該内部リード線25には、前記内部リード線14aに形成されているスプリング部15aは無い構造である。このようにして組み立てた構成物を透明の石英ガラス管2に挿入し、その両端部のモリブデン箔部6a、6bの部分の石英ガラス管2を溶融し密封した。その石英ガラス管2の内部にはアルゴンガスが大気圧より低い圧力で封入されている。
【0053】
本構成の特徴は、内部リード線25にスプリング部15a、15bを有しない構成であるため、モリブデン線の使用量が削減出来るためコストダウンが実現する。但し、スプリング部15aの外径は、前記石英ガラス管2の内径に近い径なので炭素系発熱体11を石英ガラス管2の内部中央部に位置させる機能は有しており、かつ、封止時該スプリング部15aを僅かに引っ張った状態で封止しているので、発熱体11には常に引っ張り張力が働いており、実施の形態3で説明した機能は有している。
【0054】
実施の形態2及び実施の形態3において、内部リード線4a、4b、14a、14bに形成しているスプリング部5a、5b、15a、15bは、2つの機能を有している。その一つは、該スプリング部の外径は、石英ガラス管の内径より少し小さい径にしており、そのため発熱体が常に石英ガラス管内の略中央にくるように機能している。
【0055】
また、もう一つは、バネの役目をしており、石英ガラス管2の両端部に溶融封止するとき、両端部の外部リード線7A、7Bを引っ張り、張力が発熱体にかかるようにした状態で封止している。即ち、完成した赤外線電球は、内部リード線4a、4b、14a、14bのスプリング部5a、5b、15a、15bにより、発熱体に引っ張り力がかかった状態で封入されている。その目的は、振動や衝撃による発熱体の振動を小さくするためと、点灯時、炭素系発熱体が熱膨張により長さが長くなり、張力がかかってないと炭素系発熱体にたるみが生じることを防ぐ機能を有している。
【0056】
実施例では、内部リード線4a、4b、14a、14bの材質がモリブデン線を用いた物で説明したが、タングステン線でも何等問題なく使用できる。更に、モリブデンやタングステンより、より高温でもバネ性を保つステンレス線も使用でき、黒鉛で形成した部材部の温度が550℃以上になるものには有効である。
【0057】
また、内部リード線として、線材を用いる実施例を示したが、線に制限するものではなく、薄い板状のタングステン、モリブデン、ステンレス材料も適用できる。
【0058】
また、透明の石英ガラス管2を用いた実施例について説明したが、不透明石英ガラス管も何等問題なく使用できるし、石英ガラス管の表面をブラストにより磨りガラス状にしたものも適用できる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明の炭素系発熱体は、それを真空雰囲気中で再熱処理することにより、電気比抵抗の20℃の値に対する変化率が自由に変えられる。その結果、変化率がほぼ零にちかい、即ち、抵抗温度特性がフラットな炭素系発熱体が供給できるこが実現した。
【0060】
即ち、炭素系発熱体の材料組成を変えて炭素系発熱体の固有抵抗を変化させた場合や、炭素系発熱体の形状を変えた場合、その変化率は組成の違いや形状の違いによって変わっているので、変化率零近辺の炭素系発熱体は作れなかったが、各組成や形状において、それぞれに適した再熱処理温度を決定してやれば、どのような組成や形状の発熱体でも、その変化率が零に近い物が提供出来る。
【0061】
電気比抵抗の20℃に対する(高温時との)変化率が−20%から20%の炭素系発熱体が本発明の赤外線電球に使用出来るが、好ましくは電気比抵抗の20℃に対する(高温時との)変化率が−10%から10%のものが最適である。即ち、この範囲内であれば、負の変化率でも室温時の抵抗値と発熱時の抵抗値が近接しているので、赤外線電球on時でも発熱時に過大な電流が流れることがない。
【0062】
また、正の変化率のものでも前記範囲内の変化率のものであれば、赤外線電球on時にラッシュ電流もほとんど流れず、周辺機器への妨害もほとんど無いことが実証された。
【0063】
そのようにして作成した変化率がほぼ零の発熱体を用いた赤外線電球は、点灯時のラッシュ電流がなく、かつ、発熱体の寿命末期における死に際が、抵抗値の変化が起こらず、発熱温度も変化なく発熱体が断線する事が確認でき、寿命末期においても安全な赤外線電球が提供できる。
【0064】
また、赤外線電球の構成において、スプリング部を有する内部リード線を用い、該スプリング部をバネとして使用し、常に発熱体に引っ張り張力がかかるように赤外線電球が構成されているため、発熱時の熱膨張による発熱体の垂れ下がりが無く、また、張力が働いているので振動、衝撃に強い赤外線電球が実現できた。
【0065】
また、スプリング部を両端部につけるのではなく一方部のみの構成も赤外線電球の基本特性を満足するので、電球のコスト低減に寄与できる。
【0066】
また、再熱処理温度を選択することにより、変化率が零以外の炭素系発熱体も簡単に作成できるので、抵抗温度特性がフラットでない特殊仕様の赤外線も簡単に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の丸棒状の炭素系発熱体を用いた赤外線電球の断平面図
【図2】本発明の板状の炭素系発熱体を用いた赤外線電球の断平面図
【図3】第2図の赤外線電球における要部を示す一部切り欠き斜視図
【図4】本発明の板状の炭素系板状発熱体を用いた別構成の赤外線電球の断平面図
【図5】従来の赤外線電球における一部切り欠き断平面図
【符号の説明】
1、11 炭素系発熱体
2 石英ガラス管
3a、3b、13a、13b コイル状部
4a、4b、14a、14b、25 内部リード線
5a、5b、15a、15b スプリング部
6a、6b モリブデン箔
7a、7b 外部リード線
8 アルゴンガス
12、12a、12b 部材
21 スリット

Claims (10)

  1. 賦形性を有し焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示す組成物と、金属或いは半金属化合物の一種または二種以上を所定の固有抵抗値を得るために混合し、押し出し成形し、不活性ガス雰囲気中で焼成して得られた板状の中間生成物に対して、前記焼成時の雰囲気と異なる1×10−2Pa以下の真空雰囲気で所定の再熱処理温度で再熱処理を行って形成された板状の炭素系発熱体を用いた赤外線電球であって、
    前記再熱処理温度は、前記炭素系発熱体温度が1200℃時の電気比抵抗の値から前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値を引いた差値を、前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値で割って得た変化率が−20%から20%の範囲内となるように設定された温度であり、
    −20%から20%の範囲内の前記変化率を有する板状の前記炭素系発熱体の両端部にリード線の一端が電気的に接続されており、前記リード線の他端が石英ガラス管外に導出されるように、前記炭素系発熱体が石英ガラス管内に配置され、前記石英ガラス管内部に不活性ガスが密封されていることを特徴とする赤外線電球。
  2. 金属或いは半金属化合物の物質としては、金属炭化物、金属硼化物、金属珪化物、金属窒化物、金属酸化物、半金属窒化物、半金属酸化物または半金属炭化物であり、前記物質を1種類あるいは2種類以上含有する炭素系発熱体を用いたことを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球。
  3. 組成物は、樹脂を含む材料を用いたことを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球。
  4. 組成物は、カーボンブラック、黒鉛及びコークス粉から選ばれた1種または2種以上の炭素粉末が含有されている材料を用いたことを特徴とする請求項1に記載の赤外線電球。
  5. 前記炭素系発熱体の両端部に、リード線が電気的に接続された部材を有し、前記部材の固有抵抗が前記炭素系発熱体の固有抵抗より小さく、かつ前記リード線の固有抵抗より大きい部材を介して前記リード線と前記通電部とを電気的に接続し、前記リード線の端部が石英ガラス管外に導出されるように前記部材が石英ガラス管内に挿入された構造を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の赤外線電球。
  6. 部材が炭素系物質からなることを特徴とする請求項5に記載の赤外線電球。
  7. 前記リード線が、タングステン線、モリブデン線或いはステンレス線からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線電球。
  8. 石英ガラス管内のリード線の一方或いは両方において、石英ガラス管の内径にほぼ近い径のスプリング部を有し、炭素系発熱体に引っ張り力が働くように構成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の赤外線電球。
  9. 石英ガラス管の内部にアルゴン或いは窒素或いはアルゴン・窒素の混合ガスが密封されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の赤外線電球。
  10. 炭素系発熱体の両端部にリード線の一端が電気的に接続されており、前記リード線の他端が石英ガラス管外に導出されるように、前記炭素系発熱体が石英ガラス管内に配置され、前記石英ガラス管内部に不活性ガスが密封されている赤外線電球の製造方法であって、
    賦形性を有し焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示す組成物と、金属或いは半金属化合物の一種または二種以上を所定の固有抵抗値を得るために混合し、押し出し成形し、不活性ガス雰囲気中で焼成して板状の中間生成物を形成する工程、
    前記焼成時の雰囲気と異なる1×10−2Pa以下の真空雰囲気において前記中間生成物を所定の再熱処理温度で再熱処理を行って板状の前記炭素系発熱体を形成する工程、を有し、
    前記再熱処理温度は、前記炭素系発熱体温度が1200℃時の電気比抵抗の値から前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値を引いた差値を、前記炭素系発熱体温度が20℃時の電気比抵抗の値で割って得た変化率が−20%から20%の範囲内となるように設定された温度であることを特徴とする赤外線電球の製造方法。
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