JP3843665B2 - ヒータランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱体として炭素系物質を使用するヒータランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒータランプは、暖房用や加熱・乾燥などの工業用などに幅広く利用されているが、従来のヒータランプは、管形封体の管軸に沿ってタングステンからなるコイルフィラメントが配置されたものが一般的であった。そして、通電するとコイルフィラメントが発熱するが、発熱したタングステンのコイルフィラメントは可視光を多く放射し、赤外線の放射率は30〜40%程度である。従って、赤外線を利用するヒータランプとしては効率が必ずしも高くない。
【0003】
また、タングステンのコイルフィラメントを使用するヒータランプは、点灯時に定格電流よりも大きな電流が流れる突入電流が大きく、これに対処するための保護回路が必要であった。更には、コイルフィラメントを封体の管軸に保持するために、複数個のサポータによりコイルフィラメントを保持しているが、部品点数が多くて組立に手間を要する不具合があった。
【0004】
このため、最近では発熱体として棒状の炭素系物質を使用するヒータランプが注目されている。黒鉛などの結晶化炭素、アモルファス炭素、あるいはこれらの混合物からなる炭素系物質の赤外線放射率は80%程度であってタングステンよりも赤外線を効率良く放射するのでヒータランプの発熱体として優れている。また、炭素系物質は負の抵抗温度特性を有し、温度上昇とともに抵抗値が低下するので、点灯時の突入電流も低くなる。そして、棒状の炭素系物質は、両端を保持することによって封体の管軸に沿って配置できるので、複数個のサポータが不要であり、部品点数が少なくて組立が簡単である利点を有する。
発熱体として棒状の炭素系物質を使用するヒータランプは、例えば特開平11−54092号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、炭素系物質は抵抗率が小さいので、ヒータランプに要求される所定の抵抗値を得るためには、細くて長い炭素棒にする必要があるが、長さはランプ仕様により定まるので、発熱体の抵抗値を大きくするためには炭素棒を非常に細くする必要がある。そこで、例えば、直径が0.55mm、長さが180mmの棒状炭素が使用されるが、炭素系物質は本来脆い性質を有し、しかも径が細いので、ヒータランプに振動や衝撃が加わると発熱体である炭素棒が折損して不点灯になる不具合がある。
【0006】
そこで本発明は、振動や衝撃が加わっても発熱体としての炭素が折損することのないヒータランプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1のヒータランプは、両端に封止部が形成された管形封体の管軸に沿って耐熱性非導電性体からなる棒状の基体を配置し、封止部から封体内に伸び出す内部リード棒の先端部を、この内部リード棒を巻回してコイル状の筒状部とし、基体の両端部には導電性の給電ピンを固定コイルにより接続し、給電ピンに内部リード棒の筒状部を嵌合し、基体の表面および固定コイルの表面に発熱体としての炭素をコーティングする。
【0008】
また、請求項2のヒータランプは、両端に封止部が形成された管形封体の管軸に沿って耐熱性非導電性体からなるパイプ体を配置し、封止部から封体内に伸び出す内部リード棒の先端を、この内部リード棒を巻回してコイル状の筒状部とし、パイプ体の両端部には導電性の給電ピンを挿入して固定し、給電ピンに内部リード棒の筒状部を嵌合し、パイプ体の内面に発熱体としての炭素をコーティングするとともに給電ピンをこの炭素に接触させる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1は請求項1の発明のヒータランプの実施の形態を示すが、図1において、石英ガラスからなる管形の封体10の両端には封止部11が形成されている。封体10の外径は、例えばφ10mmである。封止部11にはモリブデン箔21が埋設されており、一端がモリブデン箔11に溶接された外部リード棒22が外部に伸び出している。また、同じく一端がモリブデン箔11に溶接された内部リード棒23が封体10の内部に伸び出している。内部リード棒23はモリブデン棒からなり、その先端部にモリブデン棒を密に巻回したコイル状の筒状部23aが形成されている。
【0010】
封体10の管軸に沿って棒状の基体30が配置されている。基体30の外径は例えばφ2.0mmであり、長さは190mmである。基体30は、耐熱性非導電性体、例えばアルミナからなるが、アルミナに限られるものではなく、強靱な耐熱性非導電性体であればよい。そして、基体30の耐熱性はヒータランプの投入電力(発熱温度)に応じて選定すればよく、投入電力が小さい場合は石英ガラスを用いることもできる。基体30の断面形状も、円形に限られるものではなく、多角形状にして表面積を大きくするのもよい。
【0011】
基体30の両端部には導電性の給電ピン24が固定コイル25によりそれぞれ接続され、この給電ピン24に内部リード棒23の筒状部23aが嵌合されている。つまり、基体30は、その両端が封止部11に固定された内部リード棒23により間接的に保持されているのみであり、基体30を封体10の管軸に配置するためのサポータは使用されていないので、構造が簡単で部品点数が少なく、従って簡単に組み立てることができる。
【0012】
基体30両側の固定コイル25,25にかけて、基体30の表面に、便宜上点線で示すように、発熱体としての炭素40がコーティングされている。炭素40のコーティングは、次の要領で行う。基剤である天然黒鉛をバインダーであるビニールをケトンで希釈した溶剤と混合してスラリー状とし、このスラリーに基体30をディッピングして塗布する。そして、100℃で10分間仮乾燥した後、400℃で30分間本乾燥すれば炭素40を基体30に保持することができる。炭素40の形成方法は、ディッピング以外に、吹き付け、はけ塗り、蒸着などの方法を用いてもよい。炭素40の膜厚は、例えば100±10μmであるが、膜厚を変えることによって抵抗値を任意に設定することができる。このように、炭素40は給電ピン24を介して内部リード棒23と電気的に接続されており、外部リード棒22に通電すると炭素40が発熱する。
【0013】
封体10内には、希ガスや窒素ガスなどの不活性ガスとともに微量のハロゲンガスが封入されており、例えば定格消費電力が150W、定格電圧が100Vのハロゲンランプである。
【0014】
しかして、かかるヒータランプに通電すると、炭素40が発熱し、1600℃程度の温度になるが、炭素40の赤外線放射率が高いので赤外線が効率よく放射され、また、点灯時の突入電流も高くならないので、大きな保護回路が必要ない、などの利点を有する。そして、炭素40が耐熱性非導電性体からなる基体30の表面にコーティングされて保持されているので、ヒータランプに振動や衝撃が加わっても発熱体としての炭素40が折損することがない。
【0015】
図2は請求項2の発明のヒータランプの実施の形態を示す。図2において、基体30は、セラミックスからなるパイプ体であり、その内面に炭素40がコートされている。そして、基体30の端部に給電ピン24が挿入されて固定されており、給電ピン24は炭素40と接触している。また、給電ピン24に内部リード棒23の筒状部23aが嵌合されているのは、図1に示すヒータランプと同じである。
【0016】
しかして、かかるヒータランプにおいて、炭素40が発熱するとセラミックスからなる基体30も高温になるが、セラミックスは吸収した熱を遠赤外線として放射する特性を有するので、基体30の表面から遠赤外線が多く放射される。従って、遠赤外線が被加熱物の表面によく吸収され、表面が有効に加熱される。また、基体30の内面にコートされた炭素40の一部が剥離しても、炭素の破片がパイプ状の基体30内に滞留して封体10内に脱落しない利点もある。
なお、基体30の内周面のみならず、基体30の外表面にも炭素40をコートしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のヒータランプは、発熱体としての炭素を耐熱性非導電性体からなる棒状の基体にコーティングし、あるいは耐熱性非導電性体からなるパイプ体の内面にコーティングするので、赤外線が有効に放射されるとともに、振動や衝撃が加わっても発熱体としての炭素が折損することのないヒータランプとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】 請求項2の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 封体
11 封止部
21 モリブデン箔
22 外部リード棒
23 内部リード棒
23a 内部リード棒の筒状部
24 給電ピン
25 固定コイル
30 基体
40 炭素
Claims (2)
- 両端に封止部が形成された管形封体の管軸に沿って耐熱性非導電性体からなる棒状の基体が配置され、
前記封止部から封体内に伸び出す内部リード棒の先端部が、当該内部リード棒を巻回してコイル状の筒状部となっており、
前記基体の両端部には導電性の給電ピンが固定コイルにより接続されており、
前記給電ピンに内部リード棒の筒状部が嵌合されており、
前記基体の表面および固定コイルの表面に発熱体としての炭素がコーティングされていることを特徴とするヒータランプ。 - 両端に封止部が形成された管形封体の管軸に沿って耐熱性非導電性体からなるパイプ体が配置され、
前記封止部から封体内に伸び出す内部リード棒の先端部が、当該内部リード棒を巻回してコイル状の筒状部となっており、
前記パイプ体の両端部には導電性の給電ピンが挿入されて固定されており、
前記給電ピンに内部リード棒の筒状部が嵌合されており、
前記パイプ体の内面に発熱体としての炭素がコーティングされ、前記給電ピンが当該炭素に接触していることを特徴とするヒータランプ。
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