JPH0719475A - セラミック製グロープラグ - Google Patents

セラミック製グロープラグ

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Publication number
JPH0719475A
JPH0719475A JP18320393A JP18320393A JPH0719475A JP H0719475 A JPH0719475 A JP H0719475A JP 18320393 A JP18320393 A JP 18320393A JP 18320393 A JP18320393 A JP 18320393A JP H0719475 A JPH0719475 A JP H0719475A
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JP
Japan
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heater coil
glow plug
ceramic
current control
main body
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Pending
Application number
JP18320393A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Publication date
Application filed by Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd filed Critical Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、安定した強度を有し、熱ショック
等に強固な高温高強度の自己電流制御型のセラミック製
グロープラグを提供する。 【構成】 本発明は、電極10を備えた中空状本体1に
セラミック製パイプ2の発熱部12を突出状態に取り付
け、中空状本体1側のセラミック製パイプ2内に密封室
13を形成し、発熱部12内に低熱伝導部材4を充填す
る。密封室13に電流制御用ヒータコイル5を配置し、
低熱伝導部材4にヒータコイル3を埋め込む。電極10
に直列に接続したヒータコイル5とヒータコイル3に電
流を流すと、ヒータコイル5は密封室13に配置されて
いるので、ヒータコイル5は過熱されて抵抗値が上昇
し、ヒータコイル5とヒータコイル3に流れる電流が制
限され、ヒータコイル3を埋め込んだ発熱部12の発熱
量が適正な値に維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディーゼルエンジン
等に使用されるセラミック製グロープラグに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グロープラグは、窒化ケイ素等の
セラミックスにタングステンW線を埋め込んで構成され
ている。タングステンW線では、図4に示すように、1
2Vの電源に対して、常温では抵抗値が0.1Ωであり
且つその時の電流は120Aである。グロープラグが時
間の経過に伴って常温から温度が上昇して900℃にな
ると、抵抗値は0.4Ωになり、その時の電流は30A
である。そして、グロープラグが加熱して抵抗値が上昇
し、抵抗値が1Ωになって安定するものであり、その時
の電流は12Aである。即ち、ディーゼルエンジンに使
用されている従来のグロープラグでは、コントローラの
指令で12Vのバッテリーから電流を流すと、最初は1
20Aの電流が流れるが、ヒータコイルの温度上昇と共
に、抵抗値が大きくなり、抵抗値が1Ωになったところ
で安定する。そこで、グロープラグを抵抗値が1Ωのと
ころで安定するように、コントローラの指令で電流を制
御してヒータコイルが1Ωに保持されるような制御を行
っていた。
【0003】従来のグロープラグでは、コントローラを
使用することなく、グロープラグが1Ωに調節されるよ
うな自己制御できるものが開発された。タングステンW
とニッケルNiは、図3に示すように、温度℃の上昇に
従って、抵抗値Ωが上昇して大きくなる特性を有してい
る。従って、タングステンW線とニッケルNi線では、
温度の上昇に従って抵抗値Ωが大きくなり、電流が減少
して電流値が制限されることになる。そこで、自己制御
型グロープラグは、タングステンW線をSi34 等の
セラミックスの中に埋設し、そのW線と直列にニッケル
Ni線のコイルを接続して構成されている。即ち、自己
制御型グロープラグは、ヒータコイルの発熱体の部分に
電気抵抗値が小さい導電体を配置し、その導電体の上流
側にNi線のコイルの電気抵抗値の大きい金属線を接続
して作製されていた。このような自己制御型グロープラ
グは、電流を流すことによってNi製コイルが過熱され
て抵抗値が大きくなり、電流が減少してヒータコイルの
発熱体の部分の発熱量が制御されることになる。
【0004】従来、自己電流制御型グロープラグとして
は、特公平4−34052号公報、特公昭60−194
04号公報、特開昭59−157423号公報、特開昭
58−106326号公報等に開示されたものがある。
【0005】例えば、特公平4−34052号公報に開
示された自己制御型グロープラグは、通電昇温時におけ
る発熱体の温度を制御するため、発熱体に電流制御用抵
抗体を直列に接続したものであり、発熱線コイルと抵抗
体コイルとが直列に接続されてセラミック焼結体中に埋
設され、一体化されたセラミックヒータを構成し、発熱
線が温度−抵抗係数が4倍以下となるような正の抵抗温
度係数を持つタングステンWとレニウムRe合金線から
なり、抵抗体は純W又は純モリブデンMoの線材からな
るものである。
【0006】また、特公昭60−19404号公報に開
示されたシーズグロープラグは、耐熱性の有底金属チュ
ーブの内底と中心電極間をいずれも巻線の発熱体と抵抗
体を直接接続して成る自己制御型のシーズグロープラグ
であり、抵抗体の巻線ピッチが中心電極側の電極側の取
付金具に近い部分を密にし、発熱体側に近い部分を粗に
形成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自己電流制御型グロープラグは、遮熱エンジン等の高温
燃焼室での使用では、耐熱性、熱ショックに対する強
度、高温強度等について十分なものとはいえないもので
あった。また、従来開示されている自己制御型グロープ
ラグは、炭化タングステン線を用いて作製した発熱線コ
イルとNi線コイルを用いて作製した抵抗体コイルとを
接続し、両者を抵抗温度係数が異なる材料で作製した
り、或いは巻線の発熱体と抵抗体とを異なった形状に作
製したものであるので、使用中にNi線が過熱によって
断線したり、経時変化によって劣化するという問題があ
り、しかも構造が複雑になり、コスト、強度に関して満
足できるものではなかった。
【0008】セラミック製グロープラグについては、自
己電流制御型グロープラグを構成するには、ヒータコイ
ルの電流通路の上流側領域で抵抗値が極端に上昇すれば
よいものである。ヒータコイルにおける抵抗値と温度と
の関係は、次式で示される。 ρT X =ρT 0 〔1+α(TX −T0 )〕 但し、ρT X はある温度TX でのヒータコイルの抵抗
値、ρT 0 は常温T0 でのヒータコイルの抵抗値、αは
抵抗温度係数である。
【0009】通常、グロープラグは、12Vの電源電圧
では、1Ω位で飽和電流が流れ、温度が約900℃に保
持されるものである。グロープラグを瞬間的に加熱する
ためには、常温で0.1Ω位が必要である。通常、加熱
線即ちヒータコイルとして使用されるW線等は、抵抗温
度係数が4×10- 3 程度であるので、900℃で電流
を飽和させることができない。
【0010】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、自己電流制御型グロープラグを構
成するため電流通路である電流制御用ヒータコイル及び
ヒータコイルを構成するタングステン線等の耐熱金属線
の上流側領域で抵抗値が極端に上昇すればよいことに着
眼し、ヒータコイルに対する上流側領域と下流側領域と
の遮熱度を上流側領域で大きく構成し、熱放散量の違い
によって、上流側領域の電流制御用ヒータコイルを流れ
る電流を制御し、下流側領域の発熱部を構成するヒータ
コイルに流れる電流を調節して最適の発熱量を確保する
自己電流制御型に構成し、高温の燃焼室での熱ショック
に対して高強度を有し、耐酸化性、耐熱性に富み、電気
的接続部に無理が発生せず、安定した強度を確保できる
セラミック製グロープラグを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、電極を備えた中空状本体、該本体から発熱部を
突出させて前記本体に固定されたセラミック製パイプ、
該セラミック製パイプ内に形成された不活性ガス充填状
態又は真空・減圧状態の熱伝導率の小さい密封室、前記
電極に接続され且つ前記密封室に配置された電流制御用
ヒータコイル、及び該電流制御用ヒータコイルに直列に
接続されると共に前記本体に接続され且つ前記セラミッ
ク製パイプの前記発熱部に充填された低熱伝導部材に埋
め込まれたヒータコイル、から構成したことを特徴とす
るセラミック製グロープラグに関する。
【0012】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記低熱伝導部材はSi−Ti−Al−O−N系
セラミックスから作製されているものである。
【0013】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記Si−Ti−Al−O−N系セラミックスは
Si3 4 、TiO2 及びAl2 3 の複合材である。
【0014】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記電流制御用ヒータコイル、前記ヒータコイル
及び前記接続線はタングステン線で作製され、前記電流
制御用ヒータコイル及び前記ヒータコイルは炭化ケイ素
又は炭化タングステンで被覆され、前記接続線は炭化ケ
イ素で絶縁被覆されているものである。
【0015】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記セラミック製パイプは耐熱性に富み且つ高温
高強度の窒化ケイ素で作製されているものである。
【0016】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、前記密封室は真空又は減圧されているか、或いは
アルゴン、ヘリウム又は窒素ガスが充填されているもの
である。
【0017】
【作用】この発明によるセラミック製グロープラグは、
上記のように構成されており、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグは、電極を備えた中
空状本体から発熱部を突出状態にセラミック製パイプを
配置し、前記セラミック製パイプ内の密封室に配置され
た電流制御用ヒータコイルを前記電極に電源接続部を介
して接続し、前記セラミック製パイプ内に充填した低熱
伝導部材にヒータコイルを埋め込み、該ヒータコイルを
接続線で前記本体に接続したので、前記電極から電流を
前記電流制御用ヒータコイル、前記ヒータコイル及び前
記接続線に流すと、前記密封室の遮熱度が大きく、前記
電流制御用ヒータコイルは前記ヒータコイルに比較して
極端に温度が上昇する。そこで、前記電流制御用ヒータ
コイルが高温になれば、抵抗値が大きくなり、前記電流
制御用ヒータコイル及び前記ヒータコイルに流れる電流
が小さくなり、前記ヒータコイルの発熱量が自己制御さ
れ、また、前記電流制御用ヒータコイルの温度が下がれ
ば、再び電流が流れて前記ヒータコイルによって前記先
端部が加熱され、従って、前記セラミック製パイプの前
記発熱部は常に最適発熱量に維持されることになる。
【0018】このセラミック製グロープラグは、電流制
御用ヒータコイルの一部を熱伝導率の小さい密封室中で
加熱し、該電流制御用ヒータコイルに直列に前記発熱部
に埋設したヒータコイルに接続しているので、前記電流
制御用ヒータコイルに電流を通電した時に、真空或いは
窒素ガス雰囲気中の前記密封室では前記電流制御用ヒー
タコイルが過熱して1200〜1500℃になり、抵抗
温度係数によって前記電流制御用ヒータコイルの抵抗値
が通常より1.5倍以上に上昇し、前記電流制御用ヒー
タコイルを流れる電流を制限する。前記電流制御用ヒー
タコイルと前記ヒータコイルとは直列に接続しているの
で、電流制御用ヒータコイルとヒータコイルには同じ量
の電流が流れるが、前記セラミック製パイプの前記発熱
部は熱放散が大きいので、900℃に保持されることに
なる。即ち、ρT X =ρT 0 〔1+α(T2 −T0 )〕
の式において、例えば、α=4×10- 3 とすると、ρ
T1 =4.6×ρT 0 となる。また、前記密封室内の温
度を1500℃とすれば、ρT 2 =7×ρT 0 とな
る。従って、前記密封室に位置する前記電流制御用ヒー
タコイルの抵抗値ρT 2 は、前記発熱部に位置する前記
ヒータコイルの抵抗値ρT 1 に比較して、1.5(=ρ
T 2 /ρT 1 )倍になる。
【0019】また、前記セラミック製パイプ内に充填さ
れた前記低熱伝導部材は、Si−Ti−Al−O−N系
のセラミックスから成り、該低熱伝導部材内に前記ヒー
タコイルが埋め込まれているので、前記ヒータコイルは
前記セラミック製パイプ内に強固に固定され、断線の発
生は確実に防止することができ、また、前記セラミック
製パイプは筒状であり、構造がシンプルであるので、前
記ヒータコイル等の接続部を強固に構成することができ
る。しかも、前記セラミック製パイプを構成する窒化ケ
イ素と前記低熱伝導部材を構成するSi−Ti−Al−
O−N材は、ほぼ線膨張係数が同じであり、両者の馴染
み性が良好であるので、前記セラミック製パイプ内に前
記低熱伝導部材が隙間が発生することなく、良好に接合
されて配置される。
【0020】また、前記電流制御用ヒータコイル、前記
ヒータコイル及び前記接続線はタングステン線で作製さ
れ、前記電流制御用ヒータコイル及び前記ヒータコイル
は炭化ケイ素又は炭化タングステンで蒸着等で被覆さ
れ、前記接続線は炭化ケイ素で絶縁被覆されているの
で、前記電流制御用ヒータコイル、前記ヒータコイル及
び前記接続線を構成するタングステンの酸化を防止で
き、耐腐食性を向上でき、前記電流制御用ヒータコイ
ル、前記ヒータコイル及び前記接続線の耐久性を向上で
きる。しかも、タングステンと炭化ケイ素とは、両者と
も線膨張係数が4×10- 6 /℃であり、同一であるの
で、熱膨張差によってSiCの被覆層がW線から剥離す
ることがなく、強固に被覆される。
【0021】また、炭化ケイ素SiCは抵抗温度係数が
負であるので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、内側
での発熱が大きくなる。特に、SiCで作製された前記
セラミック製パイプの前記密封室の領域では、タングス
テン線が高温となり、抵抗値が大きくなって電流値が小
さくなる。従って、このセラミック製グロープラグは、
自己電流制御が行われ、発熱量が制御されることにな
る。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるセラ
ミック製グロープラグの実施例を説明する。図1はこの
発明によるセラミック製グロープラグの一実施例を示す
概略説明図である。
【0023】このセラミック製グロープラグは、主とし
て、絶縁体(図示せず)を介して電極10を取り付けた
中空状本体1、中空状本体1に先端部の発熱部12を突
出させて取り付けられたセラミック製パイプ2、中空状
本体1とセラミック製パイプ2内に延びている電流通路
を構成する耐熱金属線、セラミック製パイプ2の発熱部
12内に充填された低熱伝導部材4、及びセラミック製
パイプ2の端部を密閉栓6で密封してセラミック製パイ
プ2内に形成した密封室13から構成されている。耐熱
金属線は、タングステンW線から構成されており、密封
室13内に非接触状態に延びている電流制御用ヒータコ
イル5、電流制御用ヒータコイル5に直列に接続したセ
ラミック製パイプ2内に充填された低熱伝導部材4に埋
め込まれたヒータコイル3、及び該ヒータコイル3を中
空状本体1に直列に接続する密封室13を貫通する接続
線7から構成されている。電流制御用ヒータコイル5
は、中空状本体1の中空部9内に延びている電極10に
電源接続部8を介して接続されている。
【0024】密封室13は、中空状本体1内に位置する
セラミック製パイプ2内で、セラミック製パイプ2の端
部に密閉栓6を配置して形成されている。密封室13
は、タングステン線の酸化を防止するため、酸素ガスO
2 を含まない状態で不活性ガス充填状態又は真空・減圧
状態の室であり、真空又は減圧されているか、或いはア
ルゴンAr、ヘリウムHe、窒素ガスN2 等の不活性ガ
スが充填されており、熱伝導率の小さい領域を構成して
いる。また、セラミック製パイプ2の発熱体を構成する
先端部12には、低熱伝導部材4が充填されている。
【0025】中空状本体1は、耐熱合金等の金属から作
製され、他の部品への取り付けのためのねじ11及びナ
ット14を有している。セラミック製パイプ2は耐熱性
で耐腐食性に富んだ窒化ケイ素Si3 4 のセラミック
スから作製され、また、セラミック製パイプ2の端部に
配置された密閉栓6は同質の材料即ち窒化ケイ素のセラ
ミックスから作製することが好ましい。セラミック製パ
イプ2は、その一部が中空状本体1の内壁面17に接触
した状態に固定されている。セラミック製パイプ2を中
空状本体1に接続するには、セラミック製パイプ2の外
周面をメタリイジングして接合すれば、両者は極めて強
固に電気的に接合できる。また、セラミック製パイプ2
の発熱部12は、中空状本体1の端部15から突出状態
に配置され、発熱体を構成している。セラミック製パイ
プ2の端部18は、曲面状に閉鎖端部に形成されてい
る。
【0026】このセラミック製グロープラグにおいて、
電流制御用ヒータコイル5、ヒータコイル3及び接続線
7は、タングステンW線等の耐熱金属線から構成され、
電流制御用ヒータコイル5及びヒータコイル3は炭化ケ
イ素SiC又は炭化タングステンWCで被覆され、ま
た、接続線7は炭化ケイ素SiCの被覆層16で絶縁被
覆されている。タングステンW線をSiC又はWCで被
覆することによって、タングステンWの酸化を防止で
き、耐久性を向上できる。
【0027】また、このセラミック製グロープラグにお
いて、セラミック製パイプ2内には、Si−Ti−Al
−O−N系のセラミックスから成る低熱伝導部材4が充
填され、ヒータコイル3は低熱伝導部材4内に埋め込ま
れて固定されている。Si−Ti−Al−O−N系セラ
ミックスは、Si3 4 +TiO2 +Al2 3 から成
る複合材であり、しかも、Si3 4 は85%であり、
TiO2 は12%であり、また、Al2 3 は2〜3%
の割合である。この複合材の熱伝導率は、ほぼ2W/h
・m2 と極めて低いセラミックスである。
【0028】この複合材は、次のようにして作製でき
る。Si、Ti及びAl2 3 から成る混合粉末に添加
物を加えてスラリーを作製し、該スラリーを成形体を作
製し、該成形体をN2 ガス雰囲気で反応焼結させること
によってSi3 4 とTiNを生成する。そこで、Si
3 4 とTiNをO2 ガス中で反応させると、TiNが
TiO2 になり、Si−Ti−Al−O−N系セラミッ
クスが作製される。ここで、TiO2 自体は酸化に対し
て極めて安定しており、製造工程中の中間生成物として
TiNを含んでいるので反応体積が大となるので、導電
性セラミック製パイプ2との間及びヒータコイル2の線
体との間に隙間等が発生することがなく、密着した状態
にSi−Ti−Al−O−N系セラミックスの低熱伝導
部材4が導電性セラミック製パイプ2内に配置されるこ
とになる。
【0029】タングステンW線は、電流制御用ヒータコ
イル5とヒータコイル3を構成する部分では径が小さ
く、それから外れる部分では径が大きく形成されている
ので、セラミック製パイプ2内で電気抵抗線5とヒータ
コイル3とが発熱部12を構成することができる。電流
制御用ヒータコイル5及びヒータコイル3は、1本の連
続したタングステンW線で構成でき、また、電流制御用
ヒータコイル5と電源接続部8、ヒータコイル3と接続
線7、及び接続線7と中空状本体1の電気的結線は、耐
熱金属で蒸着によって堅固に確実に電気的に結線されて
いる。
【0030】更に、セラミック製パイプ2と中空状本体
1とは直接接触して接続されているので、電気的接続に
無理が発生せず、極めて安定した構造を提供できる。ま
た、密封室13を貫通する接続線7の部分はSiCの被
覆層16で絶縁被覆されている。SiCは、抵抗温度係
数が負であるので、高温度で自己の発熱性が悪くなり、
内側での発熱が大きくなる。また、セラミック製パイプ
2内に延びる電流制御用ヒータコイル5の温度が上昇し
過ぎる場合には、セラミック製パイプ2の密封室13内
にセラミックスファイバ等を充填し、セラミック製パイ
プ2内の遮熱度を調整し、電流制御用ヒータコイル5が
断線しないように電流制御用ヒータコイル5の温度を制
御することもできる。
【0031】このセラミック製グロープラグは、上記の
ように構成されているので、次のように作用する。即
ち、このセラミック製グロープラグは、電極10から電
流を上流側領域の電流制御用ヒータコイル5と下流側領
域のヒータコイル3に流すと、電流制御用ヒータコイル
5はヒータコイル3に比較して極端に温度が上昇する。
そして、電流制御用ヒータコイル5が高温になれば、電
流制御用ヒータコイル5の抵抗値が大きくなり、電流制
御用ヒータコイル5とヒータコイル3に流れる電流が小
さくなり、ヒータコイル3の埋め込まれた発熱部12の
発熱量が自己制御される。また、電流制御用ヒータコイ
ル5の温度が下がれば、再び電流制御用ヒータコイル5
に電流が流れてヒータコイル3によって発熱部12が加
熱されるので、従って、発熱部12は常に最適発熱量に
維持される。例えば、図2に示すように、ヒータコイル
3を埋め込んだ発熱部12は燃焼室等の外部に露出して
いるので、発熱部12から熱放散され、発熱部12の温
度は900℃に維持されて発熱部12のヒータコイル3
の抵抗値は0.4Ωになるが、上流側領域の電流制御用
ヒータコイル5は密封室13内に位置して遮熱されてい
るので、電流制御用ヒータコイル5の温度は1800℃
になって電流制御用ヒータコイル5の抵抗値は0.6Ω
になる。従って、このセラミック製グロープラグでは、
電流制御用ヒータコイル5とヒータコイル3の抵抗値の
総和は1Ωになり、安定状態になる。
【0032】
【発明の効果】この発明によるセラミック製グロープラ
グは、上記のように構成されており、次のような効果を
有する。即ち、このセラミック製グロープラグは、電極
を備えた中空状本体から発熱部を突出させた状態にセラ
ミック製パイプを前記本体に固定し、前記本体内に位置
する前記セラミック製パイプ内に不活性ガス充填状態又
は真空・減圧状態の熱伝導率の小さい密封室を形成し、
前記セラミック製パイプの前記発熱部に低熱伝導部材を
充填し、前記密封室内に非接触状態に延びている電流制
御用ヒータコイルを前記電極に電源接続部を介して接続
し、前記低熱伝導部材に埋め込まれたヒータコイルを前
記電流制御用ヒータコイルに直列に接続し、前記密封室
を貫通した接続線で前記ヒータコイルと前記本体とを接
続したので、前記電流制御用ヒータコイル及び前記ヒー
タコイルに電流が流されることにより、前記本体の内部
に位置する前記電流制御用ヒータコイルが前記ヒータコ
イルに比較して遮熱度が大きくなり、前記電流制御用ヒ
ータコイルが前記ヒータコイルより高温になり易くな
る。そこで、前記電流制御用ヒータコイルが高温になれ
ば、抵抗値が大きくなり、前記電流制御用ヒータコイル
及び前記ヒータコイルに流れる電流が小さくなり、前記
ヒータコイルの発熱量が自己制御されることになる。し
かも、このセラミック製グロープラグは構造がシンプル
であり、熱ショックに耐え、耐熱性及び高温高強度に優
れ、耐久性を向上できる。
【0033】また、前記セラミック製パイプ内にはSi
−Ti−Al−O−N系のセラミックスから成る低熱伝
導部材が充填され、該低熱伝導部材内に前記ヒータコイ
ルが埋め込まれているので、前記ヒータコイルと前記セ
ラミック製パイプとは確実に且つ強固に固定される。
【0034】更に、前記電流制御用ヒータコイル及び前
記ヒータコイルは炭化ケイ素又は炭化タングステンで被
覆され、また、前記接続線は炭化ケイ素で絶縁被覆され
ているので、タングステン線の酸化を防止でき、耐腐食
性を向上でき、前記電流制御用ヒータコイル、前記ヒー
タコイル及び前記接続線の耐久性を向上できる。また、
前記セラミック製パイプは耐熱性に富んだ窒化ケイ素の
セラミックスで形成されているので、熱ショック、耐熱
性を向上でき、高温強度を強化できる。また、炭化ケイ
素SiCは抵抗温度係数が負であるので、高温度で自己
の発熱性が悪くなり、内側での発熱が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるセラミック製グロープラグの一
実施例を示す説明図である。
【図2】このセラミック製グロープラグにおける電気抵
抗線とヒータコイルとの温度と抵抗値との関係を説明す
るグラフである。
【図3】NiとWとの温度に対する抵抗値の関係を説明
するグラフである。
【図4】従来のセラミック製グロープラグの時間に対す
る電流制御の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 中空状本体 2 セラミック製パイプ 3 ヒータコイル 4 低熱伝導部材 5 電流制御用ヒータコイル 6 密閉栓 7 接続線 8 電源接続部 9 中空部 10 電極 12 発熱部 13 密封室 15 中空状本体の端部 16 SiCの絶縁被覆 17 中空状本体の内壁面 18 セラミック製パイプの端部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を備えた中空状本体、該本体から発
    熱部を突出させて前記本体に固定されたセラミック製パ
    イプ、該セラミック製パイプ内に形成された不活性ガス
    充填状態又は真空・減圧状態の熱伝導率の小さい密封
    室、前記電極に接続され且つ前記密封室に配置された電
    流制御用ヒータコイル、及び該電流制御用ヒータコイル
    に直列に接続されると共に前記本体に接続され且つ前記
    セラミック製パイプの前記発熱部に充填された低熱伝導
    部材に埋め込まれたヒータコイル、から構成したことを
    特徴とするセラミック製グロープラグ。
  2. 【請求項2】 前記低熱伝導部材はSi−Ti−Al−
    O−N系セラミックスから作製されていることを特徴と
    する請求項1に記載のセラミック製グロープラグ。
  3. 【請求項3】 前記Si−Ti−Al−O−N系セラミ
    ックスはSi3 4、TiO2 及びAl2 3 の複合材
    であることを特徴とする請求項2に記載のセラミック製
    グロープラグ。
  4. 【請求項4】 前記電流制御用ヒータコイル、前記ヒー
    タコイル及び前記接続線はタングステン線で作製され、
    前記電流制御用ヒータコイル及び前記ヒータコイルは炭
    化ケイ素又は炭化タングステンで被覆され、前記接続線
    は炭化ケイ素で絶縁被覆されていることを特徴とする請
    求項1に記載のセラミック製グロープラグ。
  5. 【請求項5】 前記セラミック製パイプは耐熱性に富み
    且つ高温高強度の窒化ケイ素で作製されていることを特
    徴とする請求項1に記載のセラミック製グロープラグ。
  6. 【請求項6】 前記密封室は真空又は減圧されている
    か、或いはアルゴン、ヘリウム又は窒素ガスが充填され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック製
    グロープラグ。
JP18320393A 1993-06-30 1993-06-30 セラミック製グロープラグ Pending JPH0719475A (ja)

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