JPH07194319A - 密封容器入り油脂含有食品及びその製法 - Google Patents

密封容器入り油脂含有食品及びその製法

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JPH07194319A
JPH07194319A JP5352661A JP35266193A JPH07194319A JP H07194319 A JPH07194319 A JP H07194319A JP 5352661 A JP5352661 A JP 5352661A JP 35266193 A JP35266193 A JP 35266193A JP H07194319 A JPH07194319 A JP H07194319A
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Abstract

(57)【構成】油脂と蛋白質とを含有してなる密封容器入り油
脂含有食品であって、該油脂含有食品中、陽イオン濃度
が10-3〜10-1mol/l、かつ、水不溶性成分の最
大粒子径が1.0μm以下である密封容器入り油脂含有
食品、及び、油脂と蛋白質と水とを混合し、陽イオン濃
度が10-3〜10-1mol/l、かつ、水不溶性成分の
最大粒子径を1.0μm以下とする密封容器入り油脂含
有食品の製法。 【効果】長期間保存しても、安定した乳化状態を保持す
る密封容器入り油脂含有食品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂及び蛋白質を含有
する密封容器入り油脂含有食品に係り、更に詳しくは、
殺菌等の熱履歴を受けても、蛋白質の臭みが発生せず、
かつ、長期間保存しても、安定した乳化状態を保持する
ことができる密封容器入り油脂含有食品及びその製法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乳脂肪、カカオ油脂、植物性油
脂等の油脂成分を含む油脂含有食品としては、例えば、
ミルクコーヒー、ミルクティー、スープ等の乳飲料やコ
コア飲料等の油脂含有飲料が良く知られている。これら
の油脂含有飲料は、長期間常温流通可能な、密封容器入
り飲料とする場合、通常、飲料中の油脂含有量に対する
蛋白質含有量が80重量%(以下「%」と記す)以上と
なるように、油脂成分と他の原料を温水等に溶解し、1
00〜250kg/cm2 程度の圧力で均質化した後、
缶や瓶等の容器に充填密封し、レトルト機等により高温
加熱殺菌を施すことにより製造される。上記密封容器入
り飲料は、一般に蛋白質の含有量が多くなっているの
で、殺菌等の熱履歴を受けると、蛋白質特有の臭みが発
生し、飲料の風味が損なわれる。更に、ホットベンダー
等を用いた加温販売を行うと、蛋白質の臭みが増大し、
飲料の品質を著しく低下させるという問題がある。
【0003】そこで、殺菌等の熱履歴により生じる蛋白
質の臭みを防止するため、飲料中の蛋白質含有量を低減
することにより、上記問題を解決することが考えられ
る。すなわち、飲料中の油脂含有量1重量部に対し、蛋
白質の含有量を0.75重量部以下に設定すると、殺菌
等の熱履歴を受けても、蛋白質の臭みの発生を防止でき
ることが見い出された。しかしながら、蛋白質は、油脂
含有飲料において、油脂粒子の安定化作用、及び飲料の
pHの緩衝作用を有するため、蛋白質の含有量を低減す
ると油脂粒子が不安定になったり、殺菌時に飲料のpH
が大きく変動してしまい、飲料の乳化が破壊される。そ
の結果、長期保存中に、油脂や乳成分等が飲料液上面に
浮上してリング状のクリーム層を形成し、飲料の品質を
低下させてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、殺菌等の熱履歴を受けても、蛋白質の臭みが生じ
ず、かつ、長期間に亘って、良好な乳化状態を保持する
ことができる密封容器入り油脂含有食品及びその製法を
提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、油脂1重
量部に対し、蛋白質を0.75重量部以下含有してなる
密封容器入り油脂含有食品であって、該油脂含有食品
中、陽イオン濃度が10-3〜10-1mol/l、かつ、
水不溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下であること
を特徴とする密封容器入り油脂含有食品、並びに、油脂
と蛋白質と水とを混合し、油脂1重量部に対し、蛋白質
が0.75重量部以下、かつ、陽イオン濃度が10-3
10-1mol/lとなるよう調整した後、均質化して水
不溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下とすることを
特徴とする密封容器入り油脂含有食品の製法によって達
成される。
【0006】すなわち、本発明者らは、油脂と蛋白質及
びその他原料を温水等に混合溶解して油脂含有溶液を得
るに際し、溶液中の陽イオン濃度が10-3〜10-1mo
l/lとなるように調整し、次いで、均質化して水不溶
性成分の最大粒子径を1.0μm以下まで微細化する
と、食品中の油脂含有量に対する蛋白質含有量を0.7
5重量部以下に低減しても長期間に亘り、乳化状態を安
定化できることを見いだし本発明に到達した。
【0007】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に
係る油脂成分を含有する食品としては、例えば、ミルク
コーヒー、ウィンナーコーヒー、ミルクティ−、ココ
ア、チョコレート飲料、スープ、味噌汁、ミルク汁粉、
ミルクセーキ、抹茶ミルク、酸性乳飲料等の油脂含有飲
料や、ババロア、プリン等のデザートミックス類、ドレ
ッシング、ソース等の調味食品等が挙げられる。
【0008】上記油脂含有食品に用いられる油脂成分と
しては、生クリーム、牛乳、全粉乳、練乳、バター、チ
ーズ等の乳製品由来の乳脂肪や、コーヒーオイル、カカ
オ油脂、カカオ同等脂、サラダ油、椰子油、大豆等の種
実油、マーガリン、中鎖トリグリセリド、ナッツペース
ト等の植物性油脂を含有するものもしくはそれらの加工
品や、魚油、ラード、ヘッド、卵油等の動物性油脂もし
くはそれらの加工品等が挙げられる。これらは、目的に
応じて単独でも2種以上併用してもよい。
【0009】次に、蛋白質としては、牛乳、全粉乳、脱
脂粉乳、全脂練乳、脱脂練乳、豆乳、バター、チーズ等
の乳製品を飲料に含有させてもよく、あるいは、カゼイ
ン、カゼインナトリウム等の乳製品由来の蛋白質精製物
を含有させてもよい。また、これらは目的に応じて単独
でも2種以上併用してもよい。
【0010】更に、油脂含有食品中には、その他の原料
として糖類、果実や野菜等の加工品酸味料、塩類、香
料、着色料、澱粉、調味料、乳化剤、安定剤等を適宜選
択して用いればよい。
【0011】本発明の油脂含有食品中において、油脂含
有量1重量部に対する蛋白質の含有量が0.75重量部
以下となるように、各原料を混合することが重要であ
る。蛋白質の含有量が、油脂含有量1重量部に対し、
0.75重量部を超えた場合、殺菌等の熱履歴を受ける
と、蛋白質の臭みが発生し、食品の風味が損なわれる。
【0012】また、油脂含有食品中の陽イオン濃度は1
-3〜10-1mol/ lとすることが重要である。上記
陽イオンとしては、油脂含有溶液中の原料に由来するナ
トリウムイオン(Na+ )、カリウムイオン(K+ )、
カルシウムイオン(Ca2+)、燐イオン(P3+)等が挙
げられる。これら陽イオン濃度が10-3mol未満であ
ったり、10-1molを超えると、乳化状態を長期間維
持することができず、食品上面にクリーム層が発生す
る。なお、このとき陽イオン濃度は、炎光分析法やイオ
ンメーター等を用いて測定すればよい。
【0013】陽イオン濃度の調整方法としては、例え
ば、油脂含有溶液中の陽イオン濃度が10-3mol未満
である場合には、アルカリ金属塩や有機酸塩等の塩類
を、単独または併用して添加すればよく、逆に10-1
olを超える場合には、油脂含有溶液の一部または全量
をイオン交換樹脂に接触させることにより、濃度を低減
すればよい。
【0014】また、本発明の油脂含有食品の水不溶性成
分の最大粒子径は1.0μm以下、好ましくは0.7μ
m以下とする。最大粒子径が1.0μmを超えると、た
とえ、油脂含有食品の陽イオン濃度を10-3〜10-1
ol/ lに調製しても、長期乳化安定化効果を得ること
ができない。なお、ここでいう水不溶性成分とは、油脂
成分や蛋白質及びこれらの複合物やその他の固形物等を
指す。
【0015】次に、本発明の密封容器入り油脂含有食品
は、例えば、次のようにして製造される。すなわち、ま
ず、上記油脂と蛋白質、及び必要に応じてその他原料を
混合し、水等の水性媒体を添加して50℃以上、好まし
くは85℃以下に昇温保持し、上記各条件を満たす油脂
含有溶液とする。すなわち、油脂含有量に対する蛋白質
の含有量及び陽イオン濃度を上記範囲としておく。
【0016】このとき油脂含有溶液の昇温温度が50℃
未満であると、後述の均質化工程において、水不溶性成
分の最大粒子径を1.0μm以下にすることが困難にな
る傾向にあり、逆に85℃を超えると、後述の均質化工
程中に油脂含有均質化溶液の温度が上昇しすぎてしま
い、過度の熱履歴を受けて風味が劣化する傾向にある。
なお、昇温方法は特に限定するものではなく、温水等の
加熱した水性媒体の添加、ジャケット式タンクにより熱
水、蒸気を循環させる間接加熱、プレート式ヒーター等
の方法を適宜用いればよい。
【0017】次に、上記油脂含有溶液を均質化し、水不
溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下の油脂含有均質
化溶液とする。このときの均質化圧力は、好ましくは5
00kg/cm2 以上、より好ましくは700〜150
0kg/cm2 にすると、水溶性成分の最大粒子径を
1.0μm以下とすることができる。
【0018】このとき使用する均質機は、例えば、図2
に示すような高速ホモミキサーや、図3に示すようなマ
ントンゴーリン、図1に示すような液体流路が分岐後合
流するような機構を有する均質機等の、乳化物同士を衝
突させるか、もしくは乳化物を器壁に衝突させるような
機構を有する均質機が挙げられる。
【0019】図2(a)〜(c)に示すように、高速ホ
モミキサーは、ステーター16内のタービン羽根17を
高速回転させることによって、液体を高速で攪拌し、そ
の間に生じる剪断力、衝撃、粒子同士の衝突等によって
均質化を行うものである。また、図3に示すように、マ
ントンゴーリンは、一定量の試料30を高圧でバルブ2
2とバルブ23との細い間隙Cに送り、その時の粒子の
衝突によって均質化するものである。マントンゴーリン
における圧力は、試料30が間隔Cを通過する前までに
かかる圧力の総量を検出するようになっている。
【0020】また、このとき、例えば、図1に示すよう
な液体流路が分岐後合流するような機構を有する均質機
を用いると、乳化効果が高まり、好適である。具体的に
は、例えば、ナノマイザー(株)製の「ナノマイザー」
やマイクロフルイデックス社製の「マイクロフルイダイ
ザー」等が挙げられる。
【0021】図1において、1はポンプ、2は圧力計、
3はチャンバー、4は送液路、5a、5bは分割路(細
管)、6は送液路、7は製品出口である。この均質機
は、送液路4が分岐点Aで2本の分割路5a、5bとな
り、更に、この分割路5a、5bが合流点Bで合流して
送液路6となっている。このような機構となっているこ
とにより、ポンプ1を介して、高圧で試料10を送液路
4へ送ったとき、試料10中の粒子が分岐点Aで衝突し
て分岐し、次に各分割路5a、5bの細い流路を通るこ
とにより、更に粒子同士が衝突し、そして、各分割路5
a、5bの合流点Bで液体同士が合流する衝撃で更に粒
子が衝突するようになっている。なお、この均質機にお
いて圧力は、試料10が分割路5a、5bに入る前まで
の圧力を検出するようになっている。従って、前述の図
2や図3に示す高速ホモミキサーやマントンゴーリンタ
イプの均質機に比べ、液体全体に均一に均質圧力が加わ
り、液体中の水不溶性成分の粒子径を均一に小さくする
ことができる。
【0022】また、上記均質化は、1回でも2回以上繰
り返してもよく、圧力や油脂含有溶液の種類に応じて適
宜設定すればよい。また、均質機構の異なる均質機を2
種以上併用したり、1回ごとに異なる均質化圧力として
もよい。なお、均質化工程において、乳化剤もしくは安
定剤を予め溶解した液を油脂含有溶液とは別に用意して
おき、油脂含有溶液を均質化した後に、添加すると長期
保存中の耐熱性芽胞菌等の繁殖を抑制することができ好
適である。
【0023】次に、上記油脂含有均質化溶液を、そのま
ままたは適宜加熱して缶、瓶、紙パック、レトルトパウ
チ等の容器に充填、密封し、レトルト機等により高温加
熱殺菌する。なお、密封は殺菌の後に行ってもよい。上
記のようにして得られた密封容器入り油脂含有食品は、
殺菌時の熱履歴を受けているにも拘わらず、蛋白質の臭
みがなく良好な風味を有し、なおかつ乳化安定性に優
れ、長期間保存してもその状態を保つことができる。ま
た、上記油脂含有均質化溶液に更に加工を施してもよ
い。また、本発明の密封容器入り油脂含有食品は、常温
のまま流通しても、必要に応じ、加温もしくは冷蔵して
販売することもできる。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の密封容器入り油
脂含有食品は、陽イオン濃度が特定範囲に調整され、か
つ、水不溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下まで微
細化された特定比率の油脂成分と蛋白質成分とを含有す
る食品であるので、食品の製造中、殺菌による熱履歴を
受けても、蛋白質の臭みが発生せず、良好な風味とする
ことができる。しかも、油脂成分に対する蛋白質の含有
量が少なくても保存中にクリーム層が生成せず、長期間
乳化安定性を有する油脂含有食品とすることができる。
また、本発明に係る油脂含有食品は、製造後、ホットベ
ンダー等で加温販売しても蛋白質の臭みが生じることが
ない。本発明は、特に、油脂の乳化安定性が不安定な状
態にある飲料において優れた効果が発揮される。例え
ば、高濃度の油脂を含有する飲料や、カカオ油脂、生ク
リーム等の乳化に対して特異的に不安定な油脂を含有す
る飲料に好適に用いることができる。
【0025】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 〈実施例1〜4、比較例1〉表1の配合Aに示す組成で
油脂含有溶液を調製し、陽イオン濃度をイオンメーター
(堀場製作所製N−8F)を用いて測定した後、表2に
示す条件で均質化した。 〈比較例2〉表1の配合Bに示す組成で、油脂含有溶液
を調製し、陽イオン濃度を実施例と同様の方法で測定し
た後、表2に示す条件で均質化した。 〈比較例3〉表1の配合Cに示す組成で、油脂含有溶液
を調製し、陽イオン濃度を実施例と同様の方法で測定し
た後、表2に示す条件で均質化した。
【0026】
【表1】 *1:蔗糖脂肪酸エステル(三菱化成食品( 株)製)
【0027】上記実施例及び比較例の油脂含有均質化溶
液を、ガラス瓶(240cc容量、直径65mm、高さ
120mm)に充填し、巻き締めした後、121℃で2
0分間加熱殺菌した。このようにして得られた瓶入り飲
料を25℃で3か月間静置した後、生成したクリーム層
の幅を測定した。また、製造直後及び55℃で3か月間
静置した後の各飲料の風味について、専門パネラー10
名にて官能評価した。その結果を表2に併せて示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2の結果から、実施例の瓶入り飲料は、
長期間加温保存しても、蛋白質の臭みが感じられず良好
な風味を有していた。また、乳化状態も良好であり、ク
リーム層の発生が認められないか、または認められたと
しても極僅かであった。これに対し比較例1と2の瓶入
り飲料は、風味は良好であったものの、長期間保存中に
乳化が破壊され、厚いクリーム層が生じていた。また、
比較例3の瓶入り飲料は、乳化状態は良好であったもの
の、製造直後において、既に蛋白質の臭みが生じてお
り、風味が損なわれていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【図2】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【図3】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【符号の説明】
1 ポンプ 2 圧力計 3 チャンバー 4 送液路 5 分割路 6 送液路 7 製品出口 10 試料
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 密封容器入り油脂含有食品及びその製
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂及び蛋白質を含有
する密封容器入り油脂含有食品に係り、更に詳しくは、
殺菌等の熱履歴を受けても、蛋白質の臭みが発生せず、
かつ、長期間保存しても、安定した乳化状態を保持する
ことができる密封容器入り油脂含有食品及びその製法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乳脂肪、カカオ油脂、植物性油
脂等の油脂成分を含む油脂含有食品としては、例えば、
ミルクコーヒー、ミルクティー、スープ等の乳飲料やコ
コア飲料等の油脂含有飲料が良く知られている。これら
の油脂含有飲料は、長期間常温流通可能な、密封容器入
り飲料とする場合、通常、飲料中の油脂含有量に対する
蛋白質含有量が80重量%(以下「%」と記す)以上と
なるように、油脂成分と他の原料とを温水に溶解し、1
00〜250kg/cm2 程度の圧力で均質化した後、
缶や瓶等の容器に密封充填し、レトルト殺菌機等により
高温加熱殺菌を施すことにより製造される。しかしなが
ら、上記密封容器入り油脂含有飲料を長期間保存する
と、飲料中の油脂成分は、飲料液上面に浮上し、リング
状のクリーム層を形成し、飲料の品質を低下させる。中
でも、油脂原料として生クリームやカカオ油脂を含む原
料を用いた場合、特に乳化状態が不安定となりやすく、
油脂含有量が1%以下であってもリング状のクリーム層
を形成したり、冷蔵保存によって凝集して凝固物となっ
たりする。この凝固物は、容器を振っても再度分散させ
ることができないため、品質低下の大きな原因となって
いる。上記問題に加えて更に、上記密封容器入り飲料
は、一般に蛋白質の含有量が多くなっているので、殺菌
等の熱履歴を受けると、蛋白質特有の臭みが発生し、飲
料の風味が損なわれる。更に、ホットベンダー等を用い
た加温販売を行うと、蛋白質の臭みが増大し、飲料の品
質を著しく低下させるという問題もある。
【0003】そこで、殺菌等の熱履歴により生じる蛋白
質の臭みを防止するため、飲料中の蛋白質含有量を低減
することにより、上記問題を解決することが考えられ
る。すなわち、飲料中の油脂含有量1重量部に対し、蛋
白質の含有量を0.75重量部以下に設定すると、殺菌
等の熱履歴を受けても、蛋白質の臭みの発生を防止でき
ることが見いだされた。しかしながら、蛋白質は、油脂
含有飲料において、油脂粒子の安定化作用、及び飲料の
pHの緩衝作用を有するため、蛋白質の含有量を低減す
ると油脂粒子が不安定になったり、殺菌時に飲料のpH
が大きく変動してしまい、飲料の乳化が破壊される。そ
の結果、長期保存中に、油脂や乳成分が飲料液面上面に
浮上してリング状のクリーム層を形成し、飲料の品質を
低下させてしまう。特に、生クリームやカカオ油脂等、
不安定な油脂を配合した飲料では、乳化破壊が著しく、
厚いクリーム層が形成され、品質低下の程度が大きくな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、殺菌等の熱履歴を受けても、蛋白質の臭みが生じ
ず、かつ、長期間に亘って、良好な乳化状態を保持する
ことができる密封容器入り油脂含有食品及びその製法を
提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、油脂1重
量部に対し、蛋白質を0.75重量部以下含有してなる
密封容器入り油脂含有食品であって、該油脂含有食品
中、陽イオン濃度が10-3〜10-1mol/l、かつ、
水不溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下であること
を特徴とする密封容器入り油脂含有食品、並びに、油脂
と蛋白質と水とを混合し、油脂1重量部に対し、蛋白質
が0.75重量部以下、かつ、陽イオン濃度が10-3
10-1mol/lとなるよう調整した後、均質化して水
不溶性成分の最大粒子径1.0μm以下とすることを特
徴とする密封容器入り油脂含有食品の製法によって達成
される。
【0006】すなわち、本発明者らは、油脂と蛋白質及
びその他原料を温水等に混合溶解して油脂含有溶液を得
るに際し、溶液中の陽イオン濃度が10-3〜10-1mo
l/lとなるように調整し、次いで、均質化して水不溶
性成分の最大粒子径を1.0μm以下まで微細化する
と、食品中の油脂含有量に対する蛋白質含有量を0.7
5重量部以下に低減しても長期間に亘り、乳化状態を安
定化できることを見いだし本発明に到達した。
【0007】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に
係る油脂成分を含有する食品としては、例えば、ミルク
コーヒー、ウインナーコーヒー、ミルクティー、ココ
ア、チョコレート飲料、スープ、味噌汁、ミルク汁粉、
ミルクセーキ、抹茶ミルク、酸性乳飲料等の油脂含有飲
料や、ババロア、プリン等のデザートミックス類、ドレ
ッシング、ソース等の調味食品等が挙げられる。
【0008】上記油脂含有食品に用いられる油脂成分と
しては、生クリーム、牛乳、全粉乳、練乳、バター、チ
ーズ等の乳製品由来の乳脂肪や、コーヒーオイル、カカ
オ油脂、カカオ同等脂、サラダ油、椰子油、大豆等の種
実油、マーガリン、中鎖トリグリセリド、ナッツペース
ト等の植物性油脂を含有するものもしくはそれらの加工
品や、魚油、ラード、ヘッド、卵油等の動物性油脂もし
くはそれらの加工品等が挙げられる。これらは、目的に
応じて単独でも2種以上併用してもよい。
【0009】次に、蛋白質としては、牛乳、全粉乳、脱
脂粉乳、全脂練乳、脱脂練乳、豆乳、バター、チーズ等
の乳製品を飲料に含有させてもよく、あるいは、カゼイ
ン、カゼインナトリウム等の乳製品由来の蛋白質精製物
を含有させてもよい。また、これらは目的に応じて単独
でも2種以上併用してもよい。
【0010】更に、油脂含有食品中には、その他の原料
として糖類、果実や野菜等の加工品酸味料、塩類、香
料、着色料、澱粉、調味料、乳化剤、安定剤等を適宜選
択して用いればよい。
【0011】本発明の油脂含有食品中において、油脂含
有量1重量部に対する蛋白質の含有量が0.75重量部
以下となるように各原料を混合することが重要である。
蛋白質の含有量が、油脂含有量1重量部に対し、0.7
5重量部を超えた場合、殺菌等の熱履歴を受けると、蛋
白質の臭みが発生し、食品の風味が損なわれる。
【0012】また、油脂含有食品中の陽イオン濃度は1
-3〜10-1mol/ lとすることが重要である。上記
陽イオンとしては、油脂含有溶液中の原料に由来するナ
トリウムイオン(Na+ )、カリウムイオン(K+ )、
カルシウムイオン(Ca2+)、燐イオン(P3+)等が挙
げられる。これら陽イオン濃度が10-3mol/ l未満
であったり、10-1mol/ lを超えると、乳化状態を
長期間維持することができず、食品上面にクリーム層が
発生する。なお、このとき陽イオン濃度は、炎光分析法
やイオンメーター等を用いて測定すればよい。
【0013】陽イオン濃度の調整方法としては、例え
ば、油脂含有溶液中の陽イオン濃度が10-3mol/ l
未満である場合には、アルカリ金属塩や有機酸塩等の塩
類を、単独または併用して添加すればよく、逆に10-1
mol/ lを超える場合には、油脂含有溶液の一部また
は全量をイオン交換樹脂に接触させることにより、濃度
を低減すればよい。
【0014】また、本発明の油脂含有食品の水不溶性成
分の最大粒子径は1.0μm以下、好ましくは0.7μ
m以下とする。最大粒子径が1.0μmを超えると、た
とえ、油脂含有食品の陽イオン濃度を10-3〜10-1
ol/ lに調製しても、長期乳化安定化効果を得ること
ができない。なお、ここでいう水不溶性成分とは、油脂
成分や蛋白質及びこれらの複合物やその他の固形物等を
指す。
【0015】次に、本発明の密封容器入り油脂含有食品
は、例えば、次のようにして製造される。すなわち、ま
ず、上記油脂と蛋白質、及び必要に応じてその他原料を
混合し、水等の水性媒体を添加して50℃以上、好まし
くは85℃以下に昇温保持し、上記条件を満たす油脂含
有溶液とする。すなわち、油脂含有量に対する蛋白質の
含有量及び陽イオン濃度を上記範囲としておく。
【0016】このとき油脂含有溶液の昇温温度が50℃
未満であると、後述の均質化工程において、水不溶性成
分の最大粒子径を1.0μm以下にすることが困難にな
る傾向にあり、逆に85℃を超えると、後述の均質化工
程中に油脂含有均質化溶液の温度が上昇しすぎてしま
い、過度の熱履歴を受けて風味が劣化する傾向にある。
なお、昇温方法は特に限定するものではなく、温水等の
加熱した水性媒体の添加、ジャケット式タンクにより熱
水、蒸気を循環させる間接加熱、プレート式ヒーター等
の方法を適宜用いればよい。
【0017】次に、上記油脂含有溶液を均質化し、水不
溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下の油脂含有均質
化溶液とする。このときの均質化圧力は、好ましくは5
00kg/cm2 以上、より好ましくは700〜150
0kg/cm2 にすると、水溶性成分の最大粒子径を
1.0μm以下とすることができる。
【0018】このとき使用する均質機は、例えば、図2
に示すような高速ホモミキサーや、図3に示すようなマ
ントンゴーリン、図1に示すような液体流路が分岐後合
流するような機構を有する均質機や、アクアジェットポ
ンプ(株式会社スギノマシン製)等の、乳化物同士を衝
突させるか、もしくは乳化物を器壁に衝突させるような
機構を有する均質機が挙げられる。
【0019】図2(a)〜(c)に示すように、高速ホ
モミキサーは、ステーター16内のタービン羽根17を
高速回転させることによって、液体を高速で攪拌し、そ
の間に生じる剪断力、衝撃、粒子同士の衝突等によって
均質化を行うものである。また、図3に示すように、マ
ントンゴーリンは、一定量の試料30を高圧でバルブ2
2とバルブ23との細い間隙Cに送り、その時の粒子の
衝突によって均質化するものである。マントンゴーリン
における圧力は、試料30が間隔Cを通過する前までに
かかる圧力の総量を検出するようになっている。
【0020】また、このとき、例えば、図1に示すよう
な液体流路が分岐後合流するような機構を有する均質機
を用いると、乳化効果が高まり、好適である。具体的に
は、例えば、ナノマイザー(株)製の「ナノマイザー」
やマイクロフルイデックス社製の「マイクロフルイダイ
ザー」等が挙げられる。
【0021】図1において、1はポンプ、2は圧力計、
3はチャンバー、4は送液路、5a、5bは分割路(細
管)、6は送液路、7は製品出口である。この均質機
は、送液路4が分岐点Aで2本の分割路5a、5bとな
り、更に、この分割路5a、5bが合流点Bで合流して
送液路6となっている。このような機構となっているこ
とにより、ポンプ1を介して、高圧で試料10を送液路
4へ送ったとき、試料10中の粒子が分岐点Aで衝突し
て分岐し、次に各分割路5a、5bの細い流路を通るこ
とにより、更に粒子同士が衝突し、そして、各分割路5
a、5bの合流点Bで液体同士が合流する衝撃で更に粒
子が衝突するようになっている。なお、この均質機にお
いて圧力は、試料10が分割路5a、5bに入る前まで
の圧力を検出するようになっている。従って、前述の図
2や図3に示す高速ホモミキサーやマントンゴーリンタ
イプの均質機に比べ、液体全体に均一に均質圧力が加わ
り、液体中の水不溶性成分の粒子径を均一に小さくする
ことができる。
【0022】また、上記均質化は、1回でも2回以上繰
り返してもよく、圧力や油脂含有溶液の種類に応じて適
宜設定すればよい。また、均質機構の異なる均質機を2
種以上併用したり、1回ごとに異なる均質化圧力として
もよい。なお、均質化工程において、乳化剤もしくは安
定剤を予め溶解した液を油脂含有溶液とは別に用意して
おき、油脂含有溶液を均質化した後に、添加すると長期
保存中の耐熱性芽胞菌等の繁殖を抑制することができ好
適である。
【0023】次に、上記油脂含有均質化溶液を、そのま
ま、または適宜加熱して缶、瓶、紙パック、レトルトパ
ウチ等の容器に充填、密封し、レトルト殺菌機等により
高温加熱殺菌する。なお、密封は殺菌の後に行ってもよ
い。上記のようにして得られた密封容器入り油脂含有食
品は、殺菌時の熱履歴を受けているにも拘わらず、蛋白
質の臭みがなく良好な風味を有し、なおかつ乳化安定性
に優れ、長期間保存してもその状態を保つことができ
る。また、上記油脂含有均質化溶液に更に加工を施して
もよい。また、本発明の密封容器入り油脂含有食品は、
常温のまま流通しても、必要に応じ、加温もしくは冷蔵
して販売することもできる。本発明の油脂含有食品及び
その製法は、容器に充填して密封し、レトルト殺菌機等
を用いて、例えば115〜130℃で10〜30分程度
の高温加熱殺菌を行うことにより、常温にて長期流通可
能な密封容器入り食品を得る場合に特に好適である。す
なわち、通常、上記のような過酷な熱履歴を受けると、
食品中の蛋白質等が熱変性を起こし、凝集物が生じた
り、風味が悪くなったりするが、本発明の油脂含有食品
は、油脂と蛋白質の比率、陽イオン濃度、及び水不溶性
成分の最大粒子径を特定範囲に設定しているので、11
5〜130℃で10〜30分程度の高温加熱殺菌(所謂
レトルト殺菌)を行っても、上記のような問題が生じる
ことがない。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の密封容器入り油
脂含有食品は、陽イオン濃度が特定範囲に調整され、か
つ、水不溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下まで微
細化された特定比率の油脂成分と蛋白質成分とを含有す
る食品であるので、食品の製造中、殺菌による熱履歴を
受けても、蛋白質の臭みが発生せず、良好な風味とする
ことができる。しかも、油脂成分に対する蛋白質の含有
量が少なくても保存中にクリーム層が生成せず、長期乳
化安定性を有する油脂含有食品とすることができる。ま
た、本発明に係る油脂含有食品は、製造後、ホットベン
ダー等で加温販売しても蛋白質の臭みが生じることがな
い。本発明は、特に、油脂の乳化安定性が不安定な状態
にある飲料において優れた効果が発揮される。例えば、
高濃度の油脂を含有する飲料や、カカオ油脂、生クリー
ム等の、乳化に対して特異的に不安定な油脂を含有する
飲料に好適に用いることができ、更には、上記飲料をレ
トルト殺菌機等による高温加熱殺菌工程を経て密封容器
入り飲料とする場合に好適に用いることができる。
【0025】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 〈実施例1〜4、比較例1〉表1の配合Aに示す組成で
油脂含有溶液を調製し、陽イオン濃度をイオンメーター
(堀場製作所製N−8F)を用いて測定した後、表2に
示す条件で均質化した。 〈比較例2〉表1の配合Bに示す組成で、油脂含有溶液
を調製し、陽イオン濃度を実施例と同様の方法で測定し
た後、表2に示す条件で均質化した。 〈比較例3〉表1の配合Cに示す組成で、油脂含有溶液
を調製し、陽イオン濃度を実施例と同様の方法で測定し
た後、表2に示す条件で均質化した。
【0026】
【表1】 *1:蔗糖脂肪酸エステル(三菱化成食品( 株)製)
【0027】上記実施例及び比較例の油脂含有均質化溶
液を、ガラス瓶(240cc容量、直径65mm、高さ
120mm)に充填し、巻き締めした後、121℃で2
0分間加熱殺菌した。このようにして得られた瓶入り抹
茶飲料を25℃で3か月間静置した後、生成したクリー
ム層の幅を測定した。また、製造直後及び55℃で3か
月間静置した後の各飲料の風味について、専門パネラー
10名にて官能評価した。その結果を表2に併せて示
す。
【0028】
【表2】
【0029】表2の結果から、実施例の瓶入り抹茶飲料
は、長期間保存しても蛋白質の臭みが感じられず、良好
な風味を有していた。また、55℃にて3か月保存後
も、乳化状態が良好であり、クリーム層の発生が認めら
れないか、または認められたとしても極僅かであった。
これに対し比較例1と2の瓶入り抹茶飲料は、風味は良
好であったものの、長期間保存中に乳化が破壊され、厚
いクリーム層が生じていた。また、比較例3の瓶入り抹
茶飲料は、乳化状態は良好であったものの、製造直後に
おいて、既に蛋白質の臭みが生じており、風味が損なわ
れていた。
【0030】〈実施例5〜8、比較例4〉表3の配合D
に示す組成で油脂含有溶液を調製し、陽イオン濃度を実
施例1と同様の方法で測定した後、表4に示す条件で均
質化した。 〈比較例5〉表3の配合Eに示す組成で油脂含有溶液を
調製し、陽イオン濃度を実施例1と同様の方法で測定し
た後、表4に示す条件で均質化した。 〈比較例6〉表3の配合Fに示す組成で油脂含有溶液を
調製し、陽イオン濃度を実施例1と同様の方法で測定し
た後、表4に示す条件で均質化した。
【0031】
【表3】 *1:蔗糖脂肪酸エステル(三菱化成食品(株)製)
【0032】上記実施例5〜8及び比較例4〜6の油脂
含有均質化溶液を、実施例1と同様のガラス瓶に充填
し、巻き締めした後、121℃で20分間加熱殺菌し
た。このようにして得られた瓶入りココア飲料を25℃
で3か月間静置した後、生成したクリーム層の幅を測定
した。また、製造直後及び55℃で3か月静置した後の
各飲料の風味について、専門パネラー10名にて官能評
価した。その結果を表4に併せて示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4の結果から、実施例5〜8の瓶入りコ
コア飲料は、乳化状態の不安定なカカオ油脂が含有され
ているにもかかわらず、55℃にて3カ月保存後も、乳
化状態が良好であり、クリームの発生が認められない
か、または認められたとしても極僅かであった。また、
長期間保存しても蛋白質の臭みが感じられず良好な風味
を有していた。これに対し比較例4と5の瓶入りココア
飲料は、風味は良好であったものの、長期間保存中に乳
化が破壊され、厚いクリーム層が生じていた。また、比
較例6の瓶入りココア飲料は、乳化状態は良好であった
ものの、製造直後において、既に蛋白質の臭みが生じて
おり、風味が損なわれていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【図2】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【図3】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【符号の説明】 1 ポンプ 2 圧力計 3 チャンバー 4 送液路 5 分割路 6 送液路 7 製品出口 10 試料 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
請求項1油脂と蛋白質とを含有してなる密封容器
入り油脂含有食品であって、該油脂含有食品中、陽イオ
ン濃度が10-3〜10-1mol/l、かつ、水不溶性成
分の最大粒子径が1.0μm以下であることを特徴とす
る密封容器入り油脂含有食品。
請求項2】 油脂1重量部に対し、蛋白質を0.75
重量部以下含有してなる密封容器入り油脂含有食品であ
って、該油脂含有食品中、陽イオン濃度が10-3〜10
-1mol/l、かつ、水不溶性成分の最大粒子径が1.
0μm以下であることを特徴とする密封容器入り油脂含
有食品。
請求項3油脂と蛋白質と水とを混合し、陽イオン
濃度が10-3〜10-1mol/lとなるよう調整した
後、均質化して水不溶性成分の最大粒子径を1.0μm
以下とすることを特徴とする密封容器入り油脂含有食品
の製法。
請求項4】 油脂と蛋白質と水とを混合し、油脂1重
量部に対し、蛋白質が0.75重量部以下、かつ、陽イ
オン濃度が10-3〜10-1mol/lとなるよう調整し
た後、均質化して水不溶性成分の最大粒子径を1.0μ
m以下とすることを特徴とする密封容器入り油脂含有食
品の製法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂及び蛋白質を含有
する密封容器入り油脂含有食品に係り、更に詳しくは、
殺菌等の熱履歴を受けても、長期間保存した後も安定し
た乳化状態を保持することができる密封容器入り油脂含
有食品及びその製法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】 一般に、乳脂肪、カカオ脂、植物性油脂等の油脂成分を
含む油脂含有食品としては、例えば、ミルクコーヒー、
ミルクティー、スープ等の乳飲料やココア飲料等の油脂
含有飲料が良く知られている。これらの油脂含有飲料
は、長期間常温流通可能な、密封容器入り飲料とする場
合、通常、飲料中の油脂含有量に対する蛋白質含有量が
80重量%(以下「%」と記す)以上となるように、油
脂成分と他の原料とを温水に溶解し、100〜250K
g/cm2 程度の圧力で均質化した後、缶や瓶等の容器
に密封充填し、レトルト殺菌機等により高温加熱殺菌を
施すことにより製造される。しかしながら、上記密封容
器入り油脂含有飲料を長期間保存すると、飲料中の油脂
成分は、飲料液上面に浮上し、リング状のクリーム層を
形成し、飲料の品質を低下させる。中でも、油脂原料と
して生クリームやカカオ油脂を含む原料を用いた場合、
特に乳化状態が不安定となりやすく、油脂含有量が1%
以下であってもリング状のクリーム層を形成したり、冷
蔵保存によって凝集して凝固物となったりする。この凝
固物は、容器を振っても再度分散させることができない
ため、品質低下の大きな要因となっている
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】に、生クリームやカカオ油脂等、不安定
な油脂を配合した飲料では、乳化破壊が著しく、厚いク
リーム層が形成され、品質低下の程度が大きくなる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、殺菌等の熱履歴を受けても、長期間に亘、良好
な乳化状態を保持することができる密封容器入り油脂含
有食品及びその製法を提供するにある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、油脂と蛋
白質とを含有してなる密封容器入り油脂含有食品であっ
て、該油脂含有食品中、陽イオン濃度が10-3〜10-1
mol/l、かつ、水不溶性成分の最大粒子径が1.0
μm以下であることを特徴とする密封容器入り油脂含有
食品、及び、油脂1重量部に対し、蛋白質を0.75重
量部以下含有してなる密封容器入り油脂含有食品であっ
て、該油脂含有食品中、陽イオン濃度が10-3〜10-1
mol/l、かつ、水不溶性成分の最大粒子径が1.0
μm以下であることを特徴とする密封容器入り油脂含有
食品によって達成される。並びに、油脂と蛋白質と水と
を混合し、陽イオン濃度が10-3〜10-1mol/lと
なるよう調整した後、均質化して水不溶性成分の最大粒
子径を1.0μm以下とすることを特徴とする密封容器
入り油脂含有食品の製法、及び、油脂と蛋白質と水とを
混合し、油脂1重量部に対し、蛋白質が0.75重量部
以下、かつ、陽イオン濃度が10-3〜10-1mol/l
となるよう調整した後、均質化して水不溶性成分の最大
粒子径を1.0μm以下とすることを特徴とする密封容
器入り油脂含有食品の製法によって達成される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】すなわち、本発明者らは、油脂と蛋白質及
びその他原料を温水等に混合溶解して油脂含有溶液を得
るに際し、溶液中の陽イオン濃度が10-3〜10-1mo
l/lとなるように調整し、次いで、均質化して水不溶
性成分の最大粒子径を1.0μm以下まで微細化する
と、殺菌時の過酷な熱履歴を受けても、長期間に亘り、
乳化状態を安定化できることを見いだし本発明に到達し
た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】なお、本発明の油脂含有食品中において
、油脂含有量1重量部に対する蛋白質の含有量が0.
75重量部以下となるように各原料を混合することが
ましい。蛋白質の含有量が、油脂含有量1重量部に対
し、0.75重量部を超えた場合、殺菌等の熱履歴を受
けると、蛋白質の臭みが発生し、食品の風味が損なわれ
傾向にある。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】次に、本発明の密封容器入り油脂含有食品
は、例えば、次のようにして製造される。すなわち、ま
ず、上記油脂と蛋白質、及び必要に応じてその他原料を
混合し、水等の水性媒体を添加して50℃以上、好まし
くは85℃以下に昇温保持し、上記条件を満たす油脂含
有溶液とする。すなわち、油脂含有溶液中の陽イオン濃
度を上記範囲としておく。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】次に、上記油脂含有均質化溶液を、そのま
ま、または適宜加熱して缶、瓶、紙パック、レトルトパ
ウチ等の容器に充填、密封し、レトルト殺菌機等により
高温加熱殺菌する。なお、密封は殺菌の後に行ってもよ
い。上記のようにして得られた密封容器入り油脂含有食
品は、殺菌時の熱履歴を受けているにも拘わらず、乳
安定性に優れ、長期間保存してもその状態を保つことが
できる。また、上記油脂含有均質化溶液に更に加工を施
してもよい。また、本発明の密封容器入り油脂含有食品
は、常温のまま流通しても、必要に応じ、加温もしくは
冷蔵して販売することもできる。本発明の油脂含有食品
及びその製法は、容器に充填して密封し、レトルト殺菌
機等を用いて、例えば115〜130℃で10〜30分
程度の高温加熱殺菌を行うことにより、常温にて長期流
通可能な密封容器入り食品を得る場合に特に好適であ
る。すなわち、通常、上記のような過酷な熱履歴を受け
ると、食品中の蛋白質等が熱変性を起こし、凝集物が生
じたり、風味が悪くなったりするが、本発明の油脂含有
食品は、陽イオン濃度、及び水不溶性成分の最大粒子径
を特定範囲に設定しているので、115〜130℃で1
0〜30分程度の高温加熱殺菌(所謂レトルト殺菌)を
行っても、上記のような問題が生じることがない。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の密封容器入り油
脂含有食品は、陽イオン濃度が特定に調整され、かつ水
不溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下まで微細化さ
ている油脂成分と蛋白質成分とを含有する食品である
ので、食品の製造中、殺菌による熱履歴を受けても、保
存中にクリーム層が生成せず、長期乳化安定性を有する
油脂含有食品とすることができる。また、本発明に係る
油脂含有食品において、油脂1重量部に対し蛋白質を
0.75重量部以下含有するようにした場合は、製造
後、ホットベンダー等で加温販売しても蛋白質の臭みが
生じることがない。本発明は、特に、油脂の乳化安定性
が不安定な状態にある飲料において優れた効果が発揮さ
れる。例えば、高濃度の油脂を含有する飲料や、カカオ
油脂、生クリーム等の、乳化に対して特異的に不安定な
油脂を含有する飲料に好適に用いることができ、更に
は、上記飲料をレトルト殺菌機等による高温加熱殺菌工
程を経て密封容器入り飲料とする場合に好適に用いるこ
とができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 〈実施例1〜4、比較例1〉表1の配合Aに示す組成で
油脂含有溶液を調製し、陽イオン濃度をイオンメーター
(堀場製作所製N−8F)を用いて測定した後、表2に
示す条件で均質化した。 〈実施例5表1の配合Cに示す組成で、油脂含有溶液
を調製し、陽イオン濃度を実施例1と同様の方法で測定
した後、表2に示す条件で均質化した。 〈比較例2〉表1の配合Bに示す組成で、油脂含有溶液
を調製し、陽イオン濃度を実施例と同様の方法で測定し
た後、表2に示す条件で均質化した。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【表2】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】表2の結果から、実施例の瓶入り抹茶飲料
、55℃にて3か月保存後も、乳化状態が良好であ
り、クリーム層の発生が認められないか、または認めら
れたとしても極僅かであった。中でも、実施例1〜4は
蛋白質の臭みが感じられず風味も良好であった。これに
対し比較例1と2の瓶入り抹茶飲料は、風味は良好であ
ったものの、長期間保存中に乳化が破壊され、厚いクリ
ーム層が生じていた
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】〈実施例6〜9、比較例〉表3の配合D
に示す組成で油脂含有溶液を調製し、陽イオン濃度を実
施例1と同様の方法で測定した後、表4に示す条件で均
質化した。 〈実施例10表3の配合Fに示す組成で油脂含有溶液
を調製し、陽イオン濃度を実施例1と同様の方法で測定
した後、表4に示す条件で均質化した。 〈比較例〉表3の配合Eに示す組成で油脂含有溶液を
調製し、陽イオン濃度を実施例1と同様の方法で測定し
た後、表4に示す条件で均質化した。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】上記実施例6〜10及び比較例3〜4の油
脂含有均質化溶液を、実施例1と同様のガラス瓶に充填
し、巻き締めした後、121℃で20分間加熱殺菌し
た。このようにして得られた瓶入りココア飲料を25℃
で3か月間静置した後、生成したクリーム層の幅を測定
した。また、製造直後及び55℃で3か月静置した後の
各飲料の風味について、専門パネラー10名にて官能評
価した。その結果を表4に併せて示す。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【表4】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】表4の結果から、実施例6〜10の瓶入り
ココア飲料は、乳化状態の不安定なカカオ油脂が含有さ
れているにもかかわらず、55℃にて3カ月保存後も、
乳化状態が良好であり、クリームの発生が認められない
か、または認められたとしても極僅かであった。中で
も、実施例6〜9は長期間保存しても蛋白質の臭みが感
じられず良好な風味を有していた。これに対し比較例
〜4の瓶入りココア飲料は、長期間保存中に乳化が破壊
され、厚いクリーム層が生じていた

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂1重量部に対し、蛋白質を0.75
    重量部以下含有してなる密封容器入り油脂含有食品であ
    って、該油脂含有食品中、陽イオン濃度が10-3〜10
    -1mol/l、かつ、水不溶性成分の最大粒子径が1.
    0μm以下であることを特徴とする密封容器入り油脂含
    有食品。
  2. 【請求項2】 油脂と蛋白質と水とを混合し、油脂1重
    量部に対し、蛋白質が0.75重量部以下、かつ、陽イ
    オン濃度が10-3〜10-1mol/lとなるよう調整し
    た後、均質化して水不溶性成分の最大粒子径を1.0μ
    m以下とすることを特徴とする密封容器入り油脂含有食
    品の製法。
JP5352661A 1993-12-28 1993-12-28 密封容器入り油脂含有食品及びその製法 Expired - Fee Related JP2758822B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000050827A (ja) * 1998-08-07 2000-02-22 Yoshikawa Kagaku Kogyosho:Kk 豆腐類の製造法及びその乳化型凝固剤

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