JPH0838128A - 密封容器入り油脂含有食品及びその製法 - Google Patents

密封容器入り油脂含有食品及びその製法

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JPH0838128A
JPH0838128A JP6227191A JP22719194A JPH0838128A JP H0838128 A JPH0838128 A JP H0838128A JP 6227191 A JP6227191 A JP 6227191A JP 22719194 A JP22719194 A JP 22719194A JP H0838128 A JPH0838128 A JP H0838128A
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oil
fat
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beverage
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Toru Komoda
徹 薦田
Yasushi Suzuki
靖志 鈴木
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】油脂と蛋白質とを含有してなる密封容器入り油
脂含有食品であって、該油脂含有食品中、陽イオン濃度
が10-3〜10-1mol/l、かつ、水不溶性成分の最
大粒子径が1.0μm以下であることを特徴とする密封
容器入り油脂含有食品及びその製法。 【効果】長期間保存しても、安定した乳化状態を保持す
ることができる密封容器入り油脂含有食品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期間保存中、安定し
た乳化状態を保持することができる密封容器入り油脂含
有食品及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乳脂肪、カカオ油脂、植物性油
脂等の油脂成分を含む油脂含有飲料としては、ミルクコ
ーヒー、ミルクティー、スープ等の乳飲料やココア飲料
等が良く知られている。これら油脂含有飲料は、通常、
上記油脂成分と他の原料とを温水に溶解し、100〜2
50kg/cm2 程度の圧力で均質化した後、缶等の容
器に充填し、密封殺菌して製造される。しかしながら、
上記密封容器入り油脂含有飲料を長期間保存すると、飲
料中の油脂成分は、飲料液上面に浮上し、リング状のク
リーム層を形成し、飲料の品質を低下させる。
【0003】そこで、クリーム層の発生を防止する手段
として、蔗糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の各種
乳化剤を単品もしくは数種組み合わせて添加することが
行われている。しかしながら、上記乳化剤を添加して
も、クリーム層の発生を防止できるのは、油脂含有量が
1重量%(以下「%」と記す)以下の飲料であり、高濃
度に油脂を含有する飲料の場合には、乳化剤の効果は殆
ど期待できない。また、油脂含有量が多い程、乳化剤の
添加量も増えるため、乳化剤特有の苦味が飲料の風味を
損ねるという問題もある。また、油脂原料として生クリ
ームやカカオ油脂を用いた場合、特に乳化状態が不安定
となり易く、油脂含有量が1%以下でもリング層を形成
したり、冷蔵保存によって凝集して凝固物となったりす
る。この凝固物は、容器を振っても再度分散させること
ができないため、品質低下の大きな原因となっている。
【0004】そこで、上記問題を解決する方法として
は、例えば、特開昭50−132160号公報に記載の
方法が提案されている。この方法は、粉末ココアに植物
ガム等の乳化安定剤を加えた水溶液を、60℃以上に加
熱し、有機酸を添加してpHを5.0〜5.5に調整し
て蛋白変性させた後、50kg/cm2 以上の圧力で均
質化し、希釈してチョコレート飲料とする方法である。
しかしながら、この方法では、水溶液が蛋白質の等電点
にある場合、蛋白質の変性が進み、蛋白質自身が持つ保
護コロイド作用が失われてしまい、再度pHを上昇させ
ても、保護コロイド効果が得られないため、油脂の乳化
を保持するために過剰に乳化剤や安定剤を添加する必要
がある。
【0005】また、その他の方法として、特開平1−2
52273号公報に記載の方法が挙げられる。この方法
は、脂肪分含有乳成分からなる原料液に、グリセリン脂
肪酸エステルとイオタカラギナンとを添加、溶解し、高
速攪拌機にて予備乳化した後、200〜250kg/c
2 の圧力で均質化し、次いで、コーヒー抽出液もしく
は果汁類と甘味成分とを加え、得られた混合液を加熱殺
菌すると共に再度均質化を行う方法である。しかしなが
ら、この方法では、加熱殺菌をした後、再度均質化をし
て容器に充填しているので、容器に充填する際、予め
容器を殺菌しておき、無菌状態で充填を行うか、容器
に充填後再度殺菌するかのいずれかの処理をしなくては
長期間保存する事ができないが、このような処理を行う
と、殺菌工程が煩雑になったり、殺菌工程を2回行うこ
とにより過剰な熱履歴を受け、飲料の風味が悪くなると
いう欠点がある。また、この方法では、油脂の含有量が
1%を超える飲料の場合には、乳化を十分に行うことが
できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、高濃度に油脂成分や蛋白質を含有していても、長
期間に亘って安定した乳化状態を保持し得る密封容器入
り油脂含有食品及びその製法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、油脂と蛋
白質とを含有してなる密封容器入り油脂含有食品であっ
て、該油脂含有食品中、陽イオン濃度が10-3〜10-1
mol/l、かつ、水不溶性成分の最大粒子径が1.0
μm以下であることを特徴とする密封容器入り油脂含有
食品、並びに、油脂と蛋白質と水分とを混合し、陽イオ
ン濃度が10-3〜10-1mol/lとなるよう調整した
後、均質化して水不溶性成分の最大粒子径を1.0μm
以下とすることを特徴とする密封容器入り油脂含有食品
の製法によって達成される。
【0008】すなわち、本発明者らは、油脂と蛋白質及
びその他原料を温水等に混合溶解して油脂含有溶液を得
るに際し、溶液中の陽イオン濃度が10-3〜10-1mo
l/lとなるように調整し、次いで、均質化して水不溶
性成分の最大粒子径を1.0μm以下まで微細化する
と、長期間に亘り、乳化状態を安定化できることを見い
だし本発明に到達した。
【0009】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に
係る油脂成分を含有する食品としては、例えば、ミルク
コーヒー、ウインナーコーヒー、ミルクティー、ココ
ア、チョコレート飲料、スープ、味噌汁、ミルク汁粉、
ミルクセーキ、抹茶ミルク、酸性乳飲料等の油脂含有飲
料や、ババロア、プリン等のデザートミックス類、ドレ
ッシング、ソース等の調味食品等が挙げられる。本発明
は、上記食品を、容器に充填して密封し、レトルト殺菌
機等を用いて、例えば115〜130℃で10〜30分
程度の高温加熱殺菌を行うことにより、密封容器入り食
品とする場合に特に好適である。すなわち、通常、上記
のような過酷な熱履歴を受けると、食品中の蛋白質等が
熱変性を起こし、凝集物が生じたり、風味が悪くなった
りするが、本発明では、食品中の陽イオン濃度、及び水
不溶性成分の最大粒子径を特定範囲に設定しているの
で、115〜130℃で10〜30分程度の高温加熱殺
菌(所謂「レトルト殺菌」)を行っても、上記のような
問題が生じることがない。
【0010】上記油脂含有食品に用いられる油脂成分と
しては、生クリーム、牛乳、全粉乳、練乳、バター、チ
ーズ等の乳製品由来の乳脂肪や、コーヒーオイル、カカ
オ油脂、カカオ同等脂、サラダ油、椰子油、大豆等の種
実油、マーガリン、中鎖トリグリセリド、ナッツペース
ト等の植物性油脂を含有するものもしくはそれらの加工
品や、魚油、ラード、ヘッド、卵油等の動物性油脂もし
くはそれらの加工品等が挙げられる。これらは、目的に
応じて単独でも2種以上併用してもよい。
【0011】次に、蛋白質としては、牛乳、全粉乳、脱
脂粉乳、全脂練乳、脱脂練乳、豆乳、バター、チーズ等
の乳製品を飲料に含有させてもよく、あるいは、カゼイ
ン、カゼインナトリウム等の乳製品由来の蛋白質精製物
を含有させてもよい。また、これらは目的に応じて単独
でも2種以上併用してもよい。
【0012】更に、油脂含有食品中には、その他の原料
として糖類、果実や野菜等の加工品酸味料、塩類、香
料、着色料、澱粉、調味料、乳化剤、安定剤等を適宜選
択して用いればよい。
【0013】なお、本発明の油脂含有食品中において
は、油脂含有量1重量部に対する蛋白質の含有量が0.
75重量部を超えるように各原料を混合することが望ま
しい。蛋白質の含有量が、油脂含有量1重量部に対し、
0.75重量部以下であると、油脂含有食品独特のコク
味が不足し、風味のバランスが悪くなる傾向にある。
【0014】また、油脂含有食品中の陽イオン濃度は1
-3〜10-1mol/ lとすることが重要である。上記
陽イオンとしては、油脂含有溶液中の原料に由来するナ
トリウムイオン(Na+ )、カリウムイオン(K+ )、
カルシウムイオン(Ca2+)、燐イオン(P3+)等が挙
げられる。これら陽イオン濃度が10-3mol/ l未満
であったり、10-1mol/ lを超えると、乳化状態を
長期間維持することができず、食品上面にクリーム層が
発生する。なお、このとき陽イオン濃度は、炎光分析法
やイオンメーター等を用いて測定すればよい。
【0015】陽イオン濃度の調整方法としては、例え
ば、油脂含有溶液中の陽イオン濃度が10-3mol/ l
未満である場合には、アルカリ金属塩や有機酸塩等の塩
類を、単独または併用して添加すればよく、逆に10-1
mol/ lを超える場合には、油脂含有溶液の一部また
は全量をイオン交換樹脂に接触させることにより、濃度
を低減すればよい。
【0016】また、本発明の油脂含有食品の水不溶性成
分の最大粒子径は1.0μm以下、好ましくは0.7μ
m以下とする。最大粒子径が1.0μmを超えると、た
とえ、油脂含有食品の陽イオン濃度を10-3〜10-1
ol/lに調製しても、長期乳化安定化効果を得ること
ができない。なお、ここでいう水不溶性成分とは、油脂
成分や蛋白質及びこれらの複合物やその他の固形物等を
指す。
【0017】次に、本発明の密封容器入り油脂含有食品
は、例えば、次のようにして製造される。すなわち、ま
ず、上記油脂と蛋白質、及び必要に応じてその他原料を
混合し、水等の水性媒体を添加して50℃以上、好まし
くは85℃以下に昇温保持し、上記条件を満たす油脂含
有溶液とする。すなわち、食品中の陽イオン濃度を上記
範囲としておく。
【0018】このとき油脂含有溶液の昇温温度が50℃
未満であると、後述の均質化工程において、水不溶性成
分の最大粒子径を1.0μm以下にすることが困難にな
る傾向にあり、逆に85℃を超えると、後述の均質化工
程中に油脂含有均質化溶液の温度が上昇しすぎてしま
い、過度の熱履歴を受けて風味が劣化する傾向にある。
なお、昇温方法は特に限定するものではなく、温水等の
加熱した水性媒体の添加、ジャケット式タンクにより熱
水、蒸気を循環させる間接加熱、プレート式ヒーター等
の方法を適宜用いればよい。
【0019】次に、上記油脂含有溶液を均質化し、水不
溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下の油脂含有均質
化溶液とする。このときの均質化圧力は、好ましくは5
00kg/cm2 以上、より好ましくは700〜150
0kg/cm2 にすると、水溶性成分の最大粒子径を
1.0μm以下とすることができる。
【0020】このとき使用する均質機は、例えば、図2
に示すような高速ホモミキサーや、図3に示すようなマ
ントンゴーリン、図1に示すような液体流路が分岐後合
流するような機構を有する均質機や、アクアジェットポ
ンプ(株式会社スギノマシン製)等の、乳化物同士を衝
突させるか、もしくは乳化物を器壁に衝突させるような
機構を有する均質機が挙げられる。
【0021】図2(a)〜(c)に示すように、高速ホ
モミキサーは、ステーター16内のタービン羽根17を
高速回転させることによって、液体を高速で攪拌し、そ
の間に生じる剪断力、衝撃、粒子同士の衝突等によって
均質化を行うものである。また、図3に示すように、マ
ントンゴーリンは、一定量の試料30を高圧でバルブ2
2とバルブ23との細い間隙Cに送り、その時の粒子の
衝突によって均質化するものである。マントンゴーリン
における圧力は、試料30が間隔Cを通過する前までに
かかる圧力の総量を検出するようになっている。
【0022】また、このとき、例えば、図1に示すよう
な液体流路が分岐後合流するような機構を有する均質機
を用いると、乳化効果が高まり、好適である。具体的に
は、例えば、ナノマイザー(株)製の「ナノマイザー」
やマイクロフルイデックス社製の「マイクロフルイダイ
ザー」等が挙げられる。
【0023】図1において、1はポンプ、2は圧力計、
3はチャンバー、4は送液路、5a、5bは分割路(細
管)、6は送液路、7は製品出口である。この均質機
は、送液路4が分岐点Aで2本の分割路5a、5bとな
り、更に、この分割路5a、5bが合流点Bで合流して
送液路6となっている。このような機構となっているこ
とにより、ポンプ1を介して、高圧で試料10を送液路
4へ送ったとき、試料10中の粒子が分岐点Aで衝突し
て分岐し、次に各分割路5a、5bの細い流路を通るこ
とにより、更に粒子同士が衝突し、そして、各分割路5
a、5bの合流点Bで液体同士が合流する衝撃で更に粒
子が衝突するようになっている。なお、この均質機にお
いて圧力は、試料10が分割路5a、5bに入る前まで
の圧力を検出するようになっている。従って、前述の図
2や図3に示す高速ホモミキサーやマントンゴーリンタ
イプの均質機に比べ、液体全体に均一に均質圧力が加わ
り、液体中の水不溶性成分の粒子径を均一に小さくする
ことができる。
【0024】また、上記均質化は、1回でも2回以上繰
り返してもよく、圧力や油脂含有溶液の種類に応じて適
宜設定すればよい。また、均質機構の異なる均質機を2
種以上併用したり、1回ごとに異なる均質化圧力として
もよい。なお、均質化工程において、乳化剤もしくは安
定剤を予め溶解した液を油脂含有溶液とは別に用意して
おき、油脂含有溶液を均質化した後に、添加すると長期
保存中の耐熱性芽胞菌等の繁殖を抑制することができ好
適である。
【0025】次に、上記油脂含有均質化溶液を、そのま
ままたは適宜加熱して缶、瓶、紙パック、レトルトパウ
チ等の容器に充填、密封し、レトルト殺菌機等により高
温加熱殺菌する。なお、密封は殺菌の後に行ってもよ
い。上記のようにして得られた密封容器入り油脂含有食
品は、殺菌時の熱履歴を受けているにも拘わらず、蛋白
質の臭みがなく良好な風味を有し、なおかつ乳化安定性
に優れ、長期間保存してもその状態を保つことができ
る。また、上記油脂含有均質化溶液に更に加工を施して
もよい。また、本発明の密封容器入り油脂含有食品は、
常温のまま流通しても、必要に応じ、加温もしくは冷蔵
して販売することもできる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の密封容器入り油
脂含有食品は、陽イオン濃度が特定に調整され、かつ水
不溶性成分の最大粒子径が1.0μm以下まで微細化さ
れているので、食品の製造中、殺菌による過酷な熱履歴
を受けても、長期に亘り良好な乳化安定性を保持するこ
とができる。本発明は、特に、乳化状態が不安定になり
やすい飲料において優れた効果が発揮される。すなわ
ち、例えば高濃度の油脂を含有する飲料や、カカオ油
脂、生クリーム等の、乳化に対して特異的に不安定な油
脂を含有する飲料に好適に用いることができ、更に、上
記飲料をレトルト殺菌機等による高温加熱殺菌工程を経
て密封容器入り飲料とする場合に好適に用いることがで
きる。
【0027】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 〈実施例1〜4、比較例1〉表1の配合Aに示す組成で
油脂含有溶液を調製し、陽イオン濃度をイオンメーター
(堀場製作所製N−8F)を用いて測定した後、表2に
示す条件で均質化した。 〈実施例5〉表1の配合Bに示す組成で油脂含有溶液を
調製し、陽イオン濃度をイオンメーター(堀場製作所製
N−8F)を用いて測定した後、表2に示す条件で均質
化した。 〈比較例2〉表1の配合Cに示す組成で、油脂含有溶液
を調製し、陽イオン濃度をイオンメーター(堀場製作所
製N−8F)を用いて測定した後、表2に示す条件で均
質化した。
【0028】
【表1】 *1:蔗糖脂肪酸エステル(三菱化成食品(株)製)
【0029】上記実施例及び比較例の油脂含有均質化溶
液を、ガラス瓶(240cc容量、直径65mm、高さ
120mm)に充填し、巻き締めした後、121℃で2
0分間加熱殺菌した。このようにして得られた瓶入り抹
茶飲料を25℃で3か月間静置した後、生成したクリー
ム層の幅を測定した。また、製造直後の各飲料の風味
(コク味)について、専門パネラー10名にて官能評価
した。その結果を表2に併せて示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2の結果から、実施例1〜5の瓶入り抹
茶飲料は、長期間加温保存した後も乳化状態が良好であ
り、クリーム層の発生が認められないか、または認めら
れたとしても極僅かであった。特に、実施例1〜4の瓶
入り抹茶飲料は、油脂含有飲料独特のコク味を有してお
り、風味も大変良好であった。これに対し比較例1と2
の瓶入り抹茶飲料は、長期間保存中に乳化が破壊され、
厚いクリーム層が生じていた。
【0032】〈実施例6〜9、比較例3〉表3の配合D
に示す組成で油脂含有溶液を調製し、表4に示す条件で
均質化した他は、実施例1と同様にして瓶入りココア飲
料を得た。 〈実施例10〉表3の配合Eに示す組成で油脂含有溶液
を調製し、表4に示す条件で均質化した他は、実施例1
と同様にして瓶入りココア飲料を得た。 〈比較例4〉表3の配合Fに示す組成で油脂含有溶液を
調製し、表4に示す条件で均質化した他は、実施例1と
同様にして瓶入りココア飲料を得た。このようにして得
られた瓶入りココア飲料を25℃で3か月間静置した
後、生成したクリーム層の幅を測定した。また、製造直
後の風味(コク味)について、専門パネラー10名にて
官能評価した。その結果を表4に併せて示す。
【0033】
【表3】 *1:蔗糖脂肪酸エステル(三菱化成食品(株)製)
【0034】
【表4】
【0035】表4の結果から、実施例6〜10の瓶入り
ココア飲料は、長期間加温保存しても蛋白質の臭みが感
じられず良好な風味を有していた。また、比較的乳化状
態の不安定なカカオ油脂が含有されているにもかかわら
ず、乳化状態が長期に亘って良好であり、クリームの発
生が認められないか、または認められたとしても極僅か
であった。特に、実施例6〜9の瓶入りココア飲料は、
油脂含有飲料独特のコク味を有しており、風味も大変良
好であった。これに対し比較例3〜4の瓶入りココア飲
料は、保存中に乳化が破壊され、厚いクリーム層が生じ
ていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【図2】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【図3】本発明で用いる均質機の機構を示す説明図。
【符号の説明】
1 ポンプ 2 圧力計 3 チャンバー 4 送液路 5 分割路 6 送液路 7 製品出口 10 試料

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂と蛋白質とを含有してなる密封容器
    入り油脂含有食品であって、該油脂含有食品中、陽イオ
    ン濃度が10-3〜10-1mol/l、かつ、水不溶性成
    分の最大粒子径が1.0μm以下であることを特徴とす
    る密封容器入り油脂含有食品。
  2. 【請求項2】 油脂と蛋白質と水分とを混合し、陽イオ
    ン濃度が10-3〜10-1mol/lとなるよう調整した
    後、均質化して水不溶性成分の最大粒子径を1.0μm
    以下とすることを特徴とする密封容器入り油脂含有食品
    の製法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005063052A1 (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Kyowa Hakko Food Specialties Co., Ltd. 白湯スープの製造法

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