JPH0719406U - 鉄骨柱脚金物 - Google Patents

鉄骨柱脚金物

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JPH0719406U
JPH0719406U JP3526993U JP3526993U JPH0719406U JP H0719406 U JPH0719406 U JP H0719406U JP 3526993 U JP3526993 U JP 3526993U JP 3526993 U JP3526993 U JP 3526993U JP H0719406 U JPH0719406 U JP H0719406U
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英成 松尾
邦昭 佐藤
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Hitachi Metals Ltd
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Kajima Corp
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリート造建築物
の柱脚に用い、常に一定の安定したせん断抵抗力を確保
することができる柱脚金物を提供する。 【構成】 柱脚金物の底板の底面にモルタル流通穴を有
する四角筒状または円筒状の底面側突出部を設け、さら
に底板にモルタル注入口とモルタル排出口と空気抜き穴
を設ける。モルタルの充満により、底板の底面および底
面側突出部と基礎コンクリートとの完全な密着が行なわ
れる。このため、高い回転剛性を有する柱脚を確保でき
るとともに、柱から伝達されるせん断力を、柱脚金物の
突出部を介して、基礎コンクリートへ確実に伝達でき
る。この柱脚金物は、鋳造、鍛造、鋼材の組立て等によ
り製作する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリート造建築物に用いる鉄骨柱脚金物 に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3(a)、(b)に示す従来の鉄骨柱脚は、柱脚部に作用するせん断力に対 し、抵抗力を確保する方法として二つの方法がある。 第1の方法は、図3(a)に示すように、柱脚部に発生する柱3の軸力Nと曲 げモーメントMによって発生する基礎コンクリート(以下単にコンクリートとい い、各図の断面はハッチングを省略する)5の圧縮反力Ncの柱脚金物1の底面 との間の摩擦力μNcで確保する方法である。
【0003】 また第2の方法は、前記摩擦効果に加えて図3(b)に示すように、柱脚金物 1のアンカーボルト穴とアンカーボルト2との間隙にモルタル4等を注入し、柱 3側から伝達されるせん断力Qを柱脚金物1、さらに柱脚金物1のアンカーボル ト穴とアンカーボルト2の間隙に注入されたモルタル4等を介してアンカーボル ト2に伝達し、アンカーボルト2によってせん断抵抗力を確保するものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところがこれらの方法は、いずれも建物の条件によっては、柱脚部に作用する せん断力に抵抗できるだけの大きなせん断抵抗力を確保することができないとい う問題点がある。
【0005】 すなわち、第1の方法の柱脚部のコンクリート5の圧縮反力Ncの柱脚底面と の摩擦力μNcによってせん断抵抗力を確保する方法では、図4(a)に示すよ うに、建物6の外周部にある外柱3a、または図4(b)に示すような間口が狭 く高さの高い建物6の柱3bでは、地震時等に柱脚部に大きな引抜力Tが働き、 図5に示すように柱脚部に作用する曲げモーメントMによるコンクリート5の圧 縮反力Ncを、引抜側の軸力Nが打ち消し、コンクリート5に圧縮反力Ncが作 用しない場合がある。この場合、コンクリート5の圧縮反力Ncが0(ゼロ)と なるので、柱脚金物1の底面1aとコンクリート上面5aとの摩擦力μNcを期 待できず、柱脚に作用するせん断力Qに対する抵抗力を確保できない。
【0006】 また第2の方法は、前述のように、柱脚金物1のアンカーボルト穴とアンカー ボルト2との間隙にモルタルを注入し、柱側から伝達されるせん断力Qを柱脚金 物1、さらに柱脚金物1のアンカーボルト穴とアンカーボルト2との間隙にある モルタル4等を介してアンカーボルト2に伝達し、アンカーボルト2によってせ ん断抵抗力を確保するものである。ところがこの方法も、図6に示すように、主 に柱脚金物1の端部から注入されるモルタル4を、ボルト穴とアンカーボルト2 との間隙に完全に封入することが施工的に非常に難しく、実際の建築物において は、せん断抵抗力を確保できない場合がある。従ってこの方法は、建築物の安全 性確保という点で問題を有している。
【0007】 本考案は、これら従来の問題点を解決すべく、鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリ ート造建築物の柱脚に、常に一定の安定したせん断抵抗力を確保することができ る柱脚金物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び実施例】
本考案柱脚金物7の第1の考案は、実施例を示す図1のように、柱3に固着す る底板7dの底面7fの外周より内側に四角筒状の底面側突出部7aを設け、そ の外形の一辺の長さDをアンカーボルトの直径の4.5倍以上、突出長さhを0 .45倍以上にするとともに、モルタル流通穴7hを設け、かつ底板7dにアン カーボルト穴7eとモルタル注入口7bとモルタル排出口7cと空気抜き穴7g とを設け、鋳造または鍛造または鋼材の組立てにてなる鉄骨柱用の柱脚金物であ る。この場合、底板7dの外周側はモルタル用の型枠(図示せず)により囲まれ ているので、底面側突出部7aと型枠との間にモルタルが充満される。突出部7 aの内側は、突出部7aに設けたモルタル流通穴7hと突出部7a内側上部の底 板7dに設けた空気抜き穴7gとによりモルタルが充満される。
【0009】 次に、第2の考案は、第1の考案と同様に用いられ、実施例を示す図2のよう に、底板7dの底面7fの外周より内側に円筒状の底面側突出部7aを設け、そ の外形の直径Dをアンカーボルトの直径の4.5倍以上、突出長さhを0.45 倍以上にするとともに、モルタル流通穴7hを設け、かつ底板7dにアンカーボ ルト穴7eとモルタル注入口7bとモルタル排出口7cと空気抜き穴7gとを設 け、鋳造または鍛造または鋼材の組立てにてなる鉄骨柱用の柱脚金物である。こ の場合も、底板7dの外周側はモルタル用の型枠(図示せず)により囲まれてい るので、円筒状の底面側突出部7aと型枠との間にモルタルが充満される。突出 部7aの内側は、突出部7aに設けたモルタル流通穴7hと突出部7a内側上部 の底板7dに設けた空気抜き穴7gによりモルタルが充満される。
【0010】
【作用】
図1又は図2に示す本考案実施例鉄骨柱脚金物を用い、図6に示す従来の柱脚 部を引用し、従来の柱脚金物1を本考案の柱脚金物7に置き換えて、コンクリー トと結合する方法並びに手順を述べる。 (1)中心部モルタル5bにより形成され、柱脚金物7の底面7fの中央部が密 着する部分的な平面5aを有し、アンカーボルト2を埋設したコンクリート5を 製作する。 (2)コンクリート5の養生が終わった後、柱3に取り付けた柱脚金物7をコン クリート5上に据え付け、アンカーボルト2によって柱脚金物7を仮り締めする 。このとき、平面5aにより空気抜き穴7gが塞がれないよう、予め配慮してお く必要がある。 (3)柱脚金物7に設けたモルタル注入口7bよりモルタル4を圧入し、モルタ ル排出口7cからモルタル4が排出されたことを確認し、モルタル4の充填を完 了する。なお、中心部モルタル5bと底面側突出部7a内側との間は、モルタル 流通穴7hにより充填されることは前述の通りである。 (4)モルタル4の養生後、アンカーボルト2の本締めを行なう。 本考案による柱脚金物7を使用して上記の手順で施工を行なえば、柱脚金物7 の底面7fおよび底面側突出部7aの内面および外面に完全に密着したコンクリ ート5を確保できる。
【0011】 そして従来の第1の方法による問題点であった、軸力Nが引抜側に作用してコ ンクリート5の圧縮反力Ncが0(ゼロ)の場合でも、柱脚部に作用するせん断 力Qに対する抵抗力を確保できる。すなわち、柱3から伝達されるせん断力Qは 、柱脚金物7の底面側突出部7aを介してコンクリート5に伝達できる。
【0012】 また従来の第2の方法による問題点、すなわちモルタルが柱脚金物のアンカー ボルト穴との間隙に完全に充填されず、せん断抵抗力を確保できないという問題 点も同様の理由で解消できる。
【0013】 なお、柱脚金物7の底面側突出部7aの一辺の長さD(図1参照)または直径 D(図2参照)をアンカーボルト2の直径d(図6参照)の4.5倍以上とした 理由は以下のとおりである。 図3(b)の従来の柱脚部においては、アンカーボルト穴に充填されたモルタ ル4の許容圧縮力から柱脚部のせん断抵抗力Qcが数1により決まる。
【0014】
【数1】
【0015】 ただし d :アンカーボルトの直径 t :柱脚金物の底板の厚み n :コンクリートの圧縮側に配置されたボルトの本数 Fc:コンクリートの基準強度
【0016】 本考案による柱脚金物7を用いた場合の理論的な柱脚部のせん断抵抗力Qcは 、数3および数5のいずれか小さい方の値となる。
【0017】
【数2】
【0018】 せん断抵抗力は数2を考慮すれば数3となる。また、支圧抵抗力は数4を考慮 すれば数5となる。
【0019】
【数3】
【0020】
【数4】
【0021】
【数5】
【0022】 ただし D :柱脚金物の底面側突出部の一辺の長さまたは直径 h :柱脚金物の底面側突出部の突出長さ t0 :柱脚金物の底面側突出部の厚み
【0023】 従って、本考案によるせん断抵抗力Qcを従来のそれと同等以上確保するため には、数6の条件が必要である。
【0024】
【数6】
【0025】 ここで、数1において、従来の一般式の柱脚金物1における下限の条件 t≒ d,n=2を考慮すると、数6の上方側の式より数7の上方側の式の不等式が、 数6の下方側の式より数7の下方側の式の不等式がそれぞれ成立する。
【0026】
【数7】
【0027】 すなわち、底面側突出部7aの一辺の長さDまたは直径Dが、アンカーボルト 2の直径dの4.5倍以上、またその突出長さhがアンカーボルト2の直径dの 0.45倍以上ある本考案による柱脚金物7を使用すれば、いかなる条件下の柱 脚部でも、常に従来と同等以上のせん断抵抗力Qcを確保することができる。
【0028】 またさらに、本考案による柱脚金物7を使用すれば、コンクリート5と柱脚金 物7の底面7fとの密着が完全となるので、図4に示すように、柱脚部の大きな 性能の一つである回転剛性M/θ(図3(a)参照、M:柱脚部に発生する曲げ モーメント、θ:柱脚の回転角)を高くすることができる(コンクリート5と柱 脚金物7の密着は回転剛性を高める上での大きな要素である)。 これは、上部架構の部材サイズを小さくすることができることにつながり、建 築物の原価低減を可能にするものである。
【0029】
【考案の効果】
本考案の効果としては、以下の2点が挙げられる。 (1)いかなる条件下の建物においても、常に一定のしかも従来と同等以上のせ ん断抵抗力を保有する柱脚を確保できる。 (2)柱脚金物底面と基礎コンクリートの密着が完全に行なわれるので、高い回 転剛性を有する柱脚が確保でき、建物の上部架構部材の小型化による原価低減が 可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は各々本考案の第1考案の
実施例を示す正面図および底面図である。
【図2】(a)および(b)は各々本考案の第2考案の
実施例を示す正面図および底面図である。
【図3】(a)および(b)は従来の柱脚部を示す断面
図である。
【図4】(a)および(b)は建物の柱に引抜力が作用
した状態を示す説明図である。
【図5】従来の柱脚部の例を示す断面図である。
【図6】従来の柱脚部の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 柱脚金物 1a 底面 2 アンカーボルト 3 柱 3a 柱 3b 柱 4 モルタル 5 基礎コンクリート 5a 基礎コンクリート上面 5b 中心部モルタル 6 建物 7 柱脚金物 7a 底面側突出部 7b モルタル注入口 7c モルタル排出口 7d 底板 7e アンカーボルト穴 7f 底面 7g 空気抜き穴 7h モルタル流通穴 D 柱脚金物底面側突出部の一辺の長さまたは直径 d アンカーボルトの直径 h 柱脚金物底面側突出部の突出長さ t0 柱脚金物底面側突出部の厚み M 曲げモーメント N 軸力 NC 圧縮反力 μNC 摩擦力 Q せん断力 T 引抜力 θ 柱脚の回転角

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底板の底面外周より内側に四角筒状の底
    面側突出部を設け、その外形の一辺の長さをアンカーボ
    ルトの直径の4.5倍以上、突出長さを0.45倍以上
    にするとともに、モルタル流通穴を設け、かつ底板にア
    ンカーボルト穴とモルタル注入口とモルタル排出口と空
    気抜き穴とを設け、鋳造または鍛造または鋼材の組立て
    にてなることを特徴とする鉄骨柱脚金物。
  2. 【請求項2】 底板の底面外周より内側に円筒状の底面
    側突出部を設け、その外形の直径をアンカーボルトの直
    径の4.5倍以上、突出長さを0.45倍以上にすると
    ともに、モルタル流通穴を設け、かつ底板にアンカーボ
    ルト穴とモルタル注入口とモルタル排出口と空気抜き穴
    とを設け、鋳造または鍛造または鋼材の組立てにてなる
    ことを特徴とする鉄骨柱脚金物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5907447B1 (ja) * 2015-07-15 2016-04-26 修隆 比屋根 鉄骨柱脚

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5907447B1 (ja) * 2015-07-15 2016-04-26 修隆 比屋根 鉄骨柱脚
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