JP2001073390A - 杭頭構造 - Google Patents

杭頭構造

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JP2001073390A
JP2001073390A JP24810399A JP24810399A JP2001073390A JP 2001073390 A JP2001073390 A JP 2001073390A JP 24810399 A JP24810399 A JP 24810399A JP 24810399 A JP24810399 A JP 24810399A JP 2001073390 A JP2001073390 A JP 2001073390A
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pile
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Takashi Takura
隆 田蔵
Akira Otsuki
明 大槻
Masayoshi Sato
正義 佐藤
Eiji Wakita
英治 脇田
Hideyuki Mano
英之 真野
Toshiyuki Iwamoto
利行 岩本
Noriyuki Arakawa
範行 荒川
Masayuki Okawa
雅之 大川
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Shimizu Construction Co Ltd
Kubota Corp
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Kubota Corp
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小中規模の地震に対しては基礎杭と上部構造物
との間に、剛結合的な強度が期待でき、一方、大規模の
地震に対しては、基礎杭と上部構造物との接触界面に滑
りを生じさせ、基礎杭に大きな曲げモーメントが発生し
ないようにすることを課題とする。 【解決手段】基礎杭1の頂部に設けられる基礎側球面部
材2と、該球面部材2の球面に沿う球面を有した上部構
造物側球面部材4とが、前記球面2a、4aを介して重
ねられ、さらに、前記球面には両球面に対し共通する軸
線7に沿ってストッパピン8が貫通されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基礎杭と上部構
造物との結合状況が地震の大きさによって変化する杭頭
の結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビルなどの建築物を構築する場
合、支持地盤まで埋め込んだ杭にビルなどの上部構造物
を支持させ、これによって上部構造物全体を支持するこ
とが一般に行なわれている。従来では杭頭を建物に剛に
結合することとされてきたが、この場合、地震時に杭頭
に水平力を受けた場合の杭の曲げモーメントMの分布
は、図10に示すように杭頭部で最大曲げモーメントM
1を生じる分布となる。なお図10に示すグラフは横軸
が曲げモーメントの大きさ、縦軸は杭の深度を示す。
【0003】さらに、コンクリート杭の場合、図11に
示すように杭の限界耐力Qは縦軸の曲げモーメントMと
横軸の軸力(圧縮力)Nとにより、地震時に軸力Nが増
加する場合、ある範囲までは許容曲げモーメントMが増
加し、軸力Nがある範囲を超えて大きくなると今度は許
容曲げモーメントMは減少し、軸力Nにより圧縮破壊さ
れる点Q1に至るまで杭の限界耐力Qも減少するといっ
た性質がある。
【0004】そして、地震時に杭に生じる応力qが上記
杭の限界耐力Qの曲線内にあれば、杭は破壊されないと
いうことになる。地震時の実際の杭の応力qは、図11
に示したように、常時荷重による杭軸力をN0としたと
き、図示のように曲げモーメント増分±ΔMと軸力増分
±ΔNにより、N0点を挟んでほぼ対称な直線状となる
と考えられる。
【0005】この場合、コンクリート杭は、圧縮には強
く引っ張りには弱いという性質があるため、図11の軸
力Nの減少側で、交点Q0に示すように応力qが限界耐
力Qを超え易く、杭頭が破壊される危険が大きい懸念が
あった。そして、これを防ぐには杭頭部を大きく拡径す
るなどの補強が必要となる問題があった。一方、杭頭に
生じる応力を低減するため、建物に対し杭頭を相対回転
できるように結合し杭頭の応力を開放するようにしたピ
ン結合構造や、建物に対し杭頭をすべり移動できるよう
にして杭頭の応力を開放するようにしたローラ結合構造
が提案されている(例えば特開平1-284613号公報、同8-
120687号公報、同10-227039号公報、同10-227040号公
報)。
【0006】しかし、この場合図10に示したように、
杭頭の曲げモーメントM2は0となるものの縦軸の地中
部dに生じる最大曲げモーメントM3が、杭頭を剛に結
合したときの値M4よりも大となり、深度d部分で杭が
破壊に至る可能性が大となる。このような地中での杭の
破壊は杭頭での破壊に比べて発見が困難な上、補修も困
難となる問題がある。
【0007】さらに、杭頭をピン結合構造やローラ結合
構造で結合としたことにより、建物の変位が大きくなる
といった問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、中小規模
の地震に対しては基礎杭と上部構造物との間に、剛結合
的な強度が期待でき、一方、大規模の地震に対しては、
基礎杭と上部構造物との接触界面に滑りを生じさせ、基
礎杭に大きな曲げモーメントが発生しないようにするこ
とを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の杭頭構造は、基礎杭の頭部に設けられる基礎
側球面部材に、該球面部材の球面に沿う球面を有する上
部構造物側球面部材が重ねられ、さらに、前記球面には
両球面に対し共通する軸線に沿ってストッパピンが貫通
されてなるものである。
【0010】従って、この発明によれば中小規模の地震
に対しては、ストッパピンの強度と球面同士の摩擦によ
り杭と上部構造物とが剛構造的に一体化され、大規模な
地震に対してはストッパピンの強度を超える地震力によ
ってストッパピンが破断され、その結果基礎杭と上部構
造物との接触界面に滑りが生じ、杭頭及び杭の地中部で
の大きな曲げモーメントの発生が防止できるのである。
【0011】請求項2の杭頭構造は、上記杭頭構造にお
いて、重ねられる球面間が適度な摩擦抵抗を有するもの
とされている。この発明によれば、中小規模な地震に対
しては、ストッパピンの強度と球面同士の摩擦とにより
杭と上部構造物とが剛構造的に一体化される。また、ピ
ンが破断された後も適度な摩擦抵抗によって、中小地震
に対しては摩擦抵抗だけで剛構造的な一体化が期待でき
る。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説
明する。 実施の形態1 図1は、この発明の実施の形態1の杭頭構造を示す断面
図である。図1において、1は地盤5に打ち込まれた基
礎杭を示し、基礎杭1の頭部1aに凸球面2aを有した
基礎側球面部材2が、球面が上面となるように取り付け
られている。図中2bは基礎側球面部材2と基礎杭1と
を接続する継手部を示し、基礎杭1上端を受容する内径
を有した筒状に形成されている。
【0013】3は上部構造物、例えばビル等の基礎部分
を示し、上部構造物の基礎下面には前記基礎側球面部材
2の球面に合致する凹球面4aを有する上部構造物側球
面部材4が前記基礎側球面部材2の位置に対応して設け
られている。なお、凸球面2a、凹球面4aの関係は、
両者の曲率半径がほぼ等しいか図示のように凸球面2a
の曲率半径が凹球面4aの曲率半径よりやや小さくされ
ていれば良く、要するに凹球面4a内に凸球面2aが受
容される関係であれば良い。
【0014】なお、図中4bは上部構造物3との取り付
け座を示す。上記基礎側球面部材2と上部構造物側球面
部材4は共に例えば鋳鉄製などとされ、両者の接触界面
には両球面2a、4aに対し共通する軸線7に沿ってス
トッパピン8が貫通されている。このストッパピン8
は、地盤の小さな振動程度では破壊されず、一定以上の
地震力が作用した時点で破壊するような強度とされ、鋼
鉄製ないしは鋳鉄製の金属製ピンとされる。
【0015】また、上記ストッパピン8は基礎側球面部
材2と上部構造物側球面部材4に対し隙間無く接してい
る状態に嵌合されており、ねじ嵌合により隙間なく嵌合
する構造としても良い。なお、更に他のストッパピン8
の取り付け構造として、図2に示すように、上部構造物
側球面部材4からねじ込んだボルトをストッパピン8と
して基礎側球面部材2に捻じ込む構成としても良い。
【0016】また、凹球面4aを有する上部構造物側球
面部材4の周縁に、図示したように基礎側球面部材2の
周囲を一定の間隔Sを隔てて囲む周壁4fを形成し、間
隔Sに相当する一定幅の相対ずれ移動は許容するが、そ
れ以上のずれ移動は拘束するように構成しても良い。ま
た、杭頭1aに対する基礎側球面部材2の取り付け構造
として、図3に示すように杭頭1aに差し込まれるアン
カーボルト状の係止部材2cで止着する構造としても良
い。
【0017】上記実施の形態として、基礎杭1が鋼管、
鋳鉄管などを埋め込んだ場合を示したが図4に示すよう
に、施工現場にてコンクリートにより形成される場合で
あっても同様に実施できる。図4において、杭1は、地
盤5に設けた掘削孔1d内に配筋された鉄筋1bと打設
されたコンクリート1cとからなり、杭1の上面にレベ
ル調整モルタル1eを充填して平らにし、その上に鉄板
1fを鉄筋1bの上端部などを利用してボルトナット1
gによりねじ留めし、その鉄板に締結部材6により基礎
側球面部材2が固定されている。
【0018】上部構造物3の基礎梁の中に上部構造物側
球面部材4が鉄板3a又は上部構造物3を構成する鉄筋
3bに固定されている。なお、図中9は栗石、10は表
面均し用の打設コンクリートを示す。上記実施の形態と
して、基礎側球面部材2を凸球面、上部構造物側球面部
材4を凹球面とした場合を示したが、図5に示すように
逆に基礎側球面部材2を凹球面、上部構造物側球面部材
4を凸球面としても良い。
【0019】なお、図中2fは周壁を示し、上部構造物
側球面部材4の周囲を一定の間隔Sを隔てて囲み、間隔
Sに相当する一定幅の相対ずれ移動は許容するがそれ以
上のずれ移動は拘束するもので、図1に示した周壁4f
と同じ作用を行なう。その他図5において、図1に示し
たものと同一符号で示す部材は同一又は相当する部材を
示すため詳細な説明は省略する。
【0020】次に、上記実施の形態1の杭頭構造の作用
について説明する。図6は地盤に打ち込まれた杭と上部
構造物との関係を示す説明断面図である。図6に示すよ
うに硬い地盤ないしはこれに相当する支持力を有する支
持地盤まで埋込んだ杭1の杭頭1aに、図1〜図5に示
すように基礎側球面部材2を取り付ける。
【0021】次いで、上部構造物側球面部材4を前記基
礎側球面部材2に配置し、ストッパピン8を挿し込んで
両者を固定し、次いで上部構造物3を構築する。上部構
造物3の重量は、前記基礎側球面部材2と上部構造物側
球面部材4との接触界面で基礎杭1によって支持され
る。そして、接触界面にはストッパピン8が共通軸で貫
通し、中小規模の地震程度ではストッパピン8は破壊さ
れず、杭頭1aと上部構造物3とはしっかりと一体化し
たままの状態が維持され、剛構造的な状態となる。
【0022】従って、杭頭の応力qは、図7(a)の範
囲S1に示すように従来の剛結合(図11)とほぼ同等
の応力となる。次に、大規模地震時などの杭の軸力が変
化する場合で、軸力の大きさに応じてある曲げモーメン
トが作用すると、ストッパピン8の極限耐力は杭より小
さいので杭より先に破断され、その結果、ストッパピン
8の破断する曲げモーメントから基礎側球面部材2の凸
球面2aと上部構造物側球面部材4の凹球面4aとの摩
擦で負担できる最大曲げモーメントまでのMsp分、曲
げモーメントが軽減され、その後量球面間で回転が生じ
る。この破断後回転の始まった時点q1、q2を境にし
て杭頭の曲げモーメントが緩和され、図7(a)の範囲
S2、S3に示すように杭の応力qが減少し、杭頭に生
じる曲げモーメントを杭の安全を確保できる曲げモーメ
ント以下に抑えることが可能となる。
【0023】コンクリート杭の場合は、図7(a)に示
した杭の極限耐力Qを表わす曲線と対比すれば明らかな
ように、杭の応力に余裕が大きい軸力下では大きな曲げ
モーメント(範囲S1)が生じる一方で、杭の応力に余
裕が小さい軸力下では小さな曲げモーメント(範囲S
2、範囲S3)しか生じないこととなり、コンクリート
杭の場合でも、常に安全に保つ事ができる。
【0024】なお、ストッパピン8の破断後、振動の幅
が大きく球面同士のずれが大きくなった場合は、周壁4
f(又は2f(図5))がストッパとなって基礎側球面
部材2のそれ以上の相対ずれ移動が防止され、基礎側球
面部材2と上部構造物側球面部材4が外れるのが防止さ
れる。以上説明したように、この発明の実施の形態1の
杭頭構造によれば、杭と上部構造物との支持部分が、ス
トッパピンにより中小規模の地震時には剛結合的構造と
して、大規模の地震時には破断したストッパピンにより
両球面は相対回転できる機能を有した構造となる。 実施の形態2 実施の形態2の杭頭構造は、実施の形態1の杭頭構造に
おいて、重ねられる球面間、即ち基礎側球面部材2の球
面2aと上部構造物側球面部材4の球面4aの摩擦が適
度な摩擦抵抗とされいている。
【0025】この摩擦抵抗の大きさは、上部構造物側球
面部材4と基礎側球面部材2との間に加わる荷重によっ
て両接触面間の滑りを制限するもので、中小規模地震で
はストッパピン8と共同して滑りを生じさせない程度と
され、杭が安全に負担できる曲げモーメントや建物の振
動特性を考慮して決定する。そして、このような摩擦抵
抗の大きさとするため、鋳鉄製の場合は、凸球面2a、
凹球面4aを鋳放したままの粗面とし、あるいは凸球面
2a、凹球面4aの両者にスチールショットを打つこと
によって粗面としあるいはピーニングハンマーで叩いて
粗面とされる。
【0026】さらに、図8(a)に示すように凸球面2
aと凹球面(図示省略)の表面にそれぞれ放射格子状の
細溝2cを形成し、これによって適度な摩擦抵抗とする
ことのほか、図8(b)に示すように一方の球面(図示
例は凸球面2a)表面に小突起2d…2dを多数分散状
に設けると共に、他方の球面(図示例は凹球面4a)に
陥凹部4d…4dを対応位置に設け両者を嵌合させるこ
とや、前記小突起2dに替え、図8(c)に示すよう
に、一方の球面(図示例は凸球面2a)表面に同心円状
の突条2e…2eを設けると共に、他方の球面(図示例
は凹球面4a)に同心円状の凹溝4e…4eを対応位置
に設け両者を嵌合させ、これら小突起2dと陥凹部4d
との係合ないしは突条2eと凹溝4eの係合により一定
以下の外力では両球面2a、4aは相対移動せず、これ
を超える外力で初めてずれ移動するようにして、適度な
摩擦抵抗とすることもできる。
【0027】なお、適度な摩擦係数とする手段として、
接触面間の粗面化による場合を説明したが、これに限ら
ず、基礎側球面部材2の球面2aと上部構造物側球面部
材4の球面4aとの曲率の差による接触面積の調整によ
っても良く、さらに接触面積の調整と上記粗面との組み
合わせによっても良い。次に、この実施の形態2の杭頭
構造の作用について説明する。
【0028】実施の形態1と同様、埋込んだ杭に基礎側
球面部材2を取り付け、上部構造物側球面部材4を前記
基礎側球面部材2に配置し、ストッパピン8を挿し込
み、次いで上部構造物3を構築していく。実施の形態2
の場合、凸球面2aと凹球面4aとの接触界面には適度
な摩擦抵抗があり、かつストッパピン8が共通軸で貫通
しているので、中小規模の地震程度ではストッパピン8
は破壊されず、杭頭1aと上部構造物3とはしっかりと
一体化したままの状態が維持され、剛構造的な状態とな
り、図7(a)で説明したのと同様な状態となる。
【0029】次に、大規模地震時などの杭の軸力が変化
する場合で、摩擦抵抗より大きくかつ、ストッパピン8
の極限耐力を超える外力が作用するとストッパピン8が
破断され、かつ基礎側球面部材2と上部構造物側球面部
材4との間で回転が生じ、これによって曲げモーメント
の軽減化が図られるのは前記実施の形態1と同じであ
る。
【0030】次に、ストッパピンの破断後は、上部構造
物と杭頭との接触曲面間に生じる摩擦抵抗によって、中
小規模の地震程度では杭頭1aと上部構造物3とはしっ
かりと一体化したままの状態が維持され、剛構造的な状
態となり、図7(a)で説明したのと同様な状態とな
る。一方大規模地震の外力に対してはある程度の曲げモ
ーメントを伝達しながら回転する機能を持つ。
【0031】従って、この摩擦抵抗と相対移動により図
7(b)に示すように回転の始まった時点q2、q4を
境にして杭頭の曲げモーメントが緩和され、図7(b)
の範囲S4、S5に示すように杭の応力qが小さくな
り、杭頭に生じる曲げモーメントを杭の安全を確保でき
る曲げモーメント以下に抑えることが可能となる。コン
クリート杭の場合も、図7(b)から明らかなように、
杭の応力に余裕が大きい軸力下では大きな曲げモーメン
ト(範囲S1)が生じる一方で、杭の応力に余裕が小さ
い軸力下では小さな曲げモーメント(範囲S4、範囲S
5)しか生じないこととなる。
【0032】なお、ストッパピン8の破断後、振動の幅
が大きく球面同士のずれが摩擦抵抗にもかかわらず大き
くなった場合は、周壁4fがストッパとなって基礎側球
面部材2のそれ以上の相対ずれ移動が防止され、基礎側
球面部材2と上部構造物側球面部材4が外れるのが防止
される。以上説明したように、この発明の実施の形態2
の杭頭構造によれば、杭と上部構造物との支持部分が、
適度な摩擦抵抗とストッパピンの共同により中小規模の
地震時には剛結合的構造として、大規模地震時にはスト
ッパピンの破断により両球面は相対回転でき、しかも適
度な摩擦抵抗によりその摩擦抵抗に応じた大きさの曲げ
モーメントを伝達しながら回転する機能を有した構造と
なる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ビルなどの上部構造物を基礎杭で支持する場合
に、上部構造物と杭頭との間を杭より破断強度の低いス
トッパピンで止着することによって、杭頭に生じる曲げ
モーメントを常に杭の破壊曲げモーメント以下に抑える
ことができるので、杭頭の拡径などの対策を行なわなく
ても杭頭の安全性を確保できる。また、ストッパピンの
破断後は、上部構造物と杭頭との接触曲面間に生じる摩
擦力によって、ある程度の曲げモーメントを伝達しなが
ら回転する機能を持つので、地中部での曲げモーメント
も低く抑えることができ、杭が持つ耐力の範囲内で荷重
を受け持たせるので、合理的な杭の使用条件とすること
ができ、杭を必要最小限の性能を有するものとすること
ができる。
【0034】請求項2の杭頭構造は、上記請求項1の発
明の効果に加え、適度な摩擦抵抗のためストッパピンの
破断強度の小さい小型のものとすることができ、ストッ
パピンの破断後は、適度な摩擦抵抗により、杭頭に生じ
る曲げモーメントを剛結時よりも設定値以下に抑えるこ
とができ、また地中部の杭の最大曲げモーメントも杭頭
をピン結合とした場合よりも小さくなるので、より杭の
安全性が増す。
【0035】また、上部構造物と杭頭との間の接触界面
には、すべり抵抗を減らす樹脂加工や潤滑油充填などが
必要がなく施工が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す要部拡大断面図
である。
【図2】この発明の一実施の形態の他の構成例を示す要
部拡大断面図である。
【図3】この発明の一実施の形態のさらに他の構成例を
示す要部拡大断面図である。
【図4】この発明の一実施の形態のさらに他の構成例を
示す要部拡大断面図である。
【図5】この発明の一実施の形態の他の構成例を示す要
部拡大断面図である。
【図6】杭と上部構造物との関係を示す説明断面図であ
る。
【図7】この発明の実施の形態の地震外力と杭の応力関
係を示したグラフであり、(a)はピンが破断するまで
のもの、(b)はピンが破断した後のものを示す。
【図8】この発明の実施の形態の摩擦抵抗を適度にする
ための構成例を示す要部説明図であり、(a)は放射溝
により、(b)は突起により、(c)は同心円状突条に
より摩擦抵抗を大きくしたものである。
【図9】この発明の実施の形態の杭の深度に対する曲げ
応力発生状況を従来例との関係で示したグラフである。
【図10】従来例の杭の深度に対する曲げ応力発生状況
を示したグラフである。
【図11】従来例の杭の地震外力と応力の関係を示した
グラフである。
【符号の説明】
1 基礎杭 1a 杭頭 2 基礎側球面部材 2a 凸球面 2b 基礎側球面部材の継手部 3 上部構造物 4 上部構造物側球面部材 4a 凹球面 7 共通軸線 8 ストッパピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大槻 明 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 佐藤 正義 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 脇田 英治 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 真野 英之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 岩本 利行 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内 (72)発明者 荒川 範行 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内 (72)発明者 大川 雅之 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内 Fターム(参考) 2D041 AA01 AA02 BA19 BA37 DB02 DB06 2D046 CA03 DA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基礎杭の頭部に設けられる基礎側球面部材
    に、該球面部材の球面に沿う球面を有する上部構造物側
    球面部材が重ねられ、さらに、前記球面には両球面に対
    し共通する軸線に沿ってストッパピンが貫通されてなる
    杭頭構造。
  2. 【請求項2】請求項1の杭頭構造において重ねられる球
    面間が適度な摩擦抵抗を有するものである杭頭構造。
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