JP2567615Y2 - 鉄骨柱脚金物 - Google Patents

鉄骨柱脚金物

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JP2567615Y2
JP2567615Y2 JP3526993U JP3526993U JP2567615Y2 JP 2567615 Y2 JP2567615 Y2 JP 2567615Y2 JP 3526993 U JP3526993 U JP 3526993U JP 3526993 U JP3526993 U JP 3526993U JP 2567615 Y2 JP2567615 Y2 JP 2567615Y2
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英成 松尾
邦昭 佐藤
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Hitachi Metals Ltd
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Kajima Corp
Hitachi Metals Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本考案は、鉄骨造または鉄骨鉄筋
コンクリート造建築物に用いる鉄骨柱脚金物に関する。 【0002】 【従来の技術】図3(a)、(b)に示す従来の鉄骨柱
脚は、柱脚部に作用するせん断力に対し、抵抗力を確保
する方法として二つの方法がある。第1の方法は、図3
(a)に示すように、柱脚部に発生する柱3の軸力Nと
曲げモーメントMによって発生する基礎コンクリート
(以下単にコンクリートといい、各図の断面はハッチン
グを省略する)5の圧縮反力Ncの柱脚金物1の底面と
の間の摩擦力μNcで確保する方法である。 【0003】また第2の方法は、前記摩擦効果に加えて
図3(b)に示すように、柱脚金物1のアンカーボルト
穴とアンカーボルト2との間隙にモルタル4等を注入
し、柱3側から伝達されるせん断力Qを柱脚金物1、さ
らに柱脚金物1のアンカーボルト穴とアンカーボルト2
の間隙に注入されたモルタル4等を介してアンカーボル
ト2に伝達し、アンカーボルト2によってせん断抵抗力
を確保するものである。 【0004】 【考案が解決しようとする課題】ところがこれらの方法
は、いずれも建物の条件によっては、柱脚部に作用する
せん断力に抵抗できるだけの大きなせん断抵抗力を確保
することができないという問題点がある。 【0005】すなわち、第1の方法の柱脚部のコンクリ
ート5の圧縮反力Ncの柱脚底面との摩擦力μNcによ
ってせん断抵抗力を確保する方法では、図4(a)に示
すように、建物6の外周部にある外柱3a、または図4
(b)に示すような間口が狭く高さの高い建物6の柱3
bでは、地震時等に柱脚部に大きな引抜力Tが働き、図
5に示すように柱脚部に作用する曲げモーメントMによ
るコンクリート5の圧縮反力Ncを、引抜側の軸力Nが
打ち消し、コンクリート5に圧縮反力Ncが作用しない
場合がある。この場合、コンクリート5の圧縮反力Nc
が0(ゼロ)となるので、柱脚金物1の底面1aとコン
クリート上面5aとの摩擦力μNcを期待できず、柱脚
に作用するせん断力Qに対する抵抗力を確保できない。 【0006】また第2の方法は、前述のように、柱脚金
物1のアンカーボルト穴とアンカーボルト2との間隙に
モルタルを注入し、柱側から伝達されるせん断力Qを柱
脚金物1、さらに柱脚金物1のアンカーボルト穴とアン
カーボルト2との間隙にあるモルタル4等を介してアン
カーボルト2に伝達し、アンカーボルト2によってせん
断抵抗力を確保するものである。ところがこの方法も、
図6に示すように、主に柱脚金物1の端部から注入され
るモルタル4を、ボルト穴とアンカーボルト2との間隙
に完全に封入することが施工的に非常に難しく、実際の
建築物においては、せん断抵抗力を確保できない場合が
ある。従ってこの方法は、建築物の安全性確保という点
で問題を有している。 【0007】本考案は、これら従来の問題点を解決すべ
く、鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリート造建築物の柱脚
に、常に一定の安定したせん断抵抗力を確保することが
できる柱脚金物を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段及び実施例】本考案の柱脚
金物7は、実施例を示す図1のように、柱3に固着する
底板7dの底面7fの外周より内側に四角筒状の底面側
突出部7aを設け、その外形の一辺の長さDをアンカー
ボルトの直径の4.5倍以上、突出長さhを0.45倍
以上にするとともに、モルタル流通穴7hを設け、かつ
底板7dにアンカーボルト穴7eとモルタル注入口7b
とモルタル排出口7cと空気抜き穴7gとを設け、鋳造
または鍛造または鋼材の組立てにてなる鉄骨柱用の柱脚
金物である。この場合、底板7dの外周側はモルタル用
の型枠(図示せず)により囲まれているので、底面側突
出部7aと型枠との間にモルタルが充満される。突出部
7aの内側は、突出部7aに設けたモルタル流通穴7h
と突出部7a内側上部の底板7dに設けた空気抜き穴7
gとによりモルタルが充満される。 【0009】また、本考案の柱脚金物7は、他の実施の
変形例を示す図2のように、底板7dの底面7fの外周
より内側に円筒状の底面側突出部7aを設け、その外形
の直径Dをアンカーボルトの直径の4.5倍以上、突出
長さhを0.45倍以上にするとともに、モルタル流通
穴7hを設け、かつ底板7dにアンカーボルト穴7eと
モルタル注入口7bとモルタル排出口7cと空気抜き穴
7gとを設け、鋳造または鍛造または鋼材の組立てにて
なる鉄骨柱用の柱脚金物としてもよい。この場合も、底
板7dの外周側はモルタル用の型枠(図示せず)により
囲まれているので、円筒状の底面側突出部7aと型枠と
の間にモルタルが充満される。突出部7aの内側は、突
出部7aに設けたモルタル流通穴7hと突出部7a内側
上部の底板7dに設けた空気抜き穴7gによりモルタル
が充満される。 【0010】 【作用】図1に示す本考案の実施例の鉄骨柱脚金物を用
い、図6に示す従来の柱脚部を引用し、従来の柱脚金物
1を本考案の柱脚金物7に置き換えて、コンクリートと
結合する方法並びに手順を述べる。 (1)中心部モルタル5bにより形成され、柱脚金物7
の底面7fの中央部が密着する部分的な平面5aを有
し、アンカーボルト2を埋設したコンクリート5を製作
する。 (2)コンクリート5の養生が終わった後、柱3に取り
付けた柱脚金物7をコンクリート5上に据え付け、アン
カーボルト2によって柱脚金物7を仮り締めする。この
とき、平面5aにより空気抜き穴7gが塞がれないよ
う、予め配慮しておく必要がある。 (3)柱脚金物7に設けたモルタル注入口7bよりモル
タル4を圧入し、モルタル排出口7cからモルタル4が
排出されたことを確認し、モルタル4の充填を完了す
る。なお、中心部モルタル5bと底面側突出部7a内側
との間は、モルタル流通穴7hにより充填されることは
前述の通りである。 (4)モルタル4の養生後、アンカーボルト2の本締め
を行なう。本考案による柱脚金物7を使用して上記の手
順で施工を行なえば、柱脚金物7の底面7fおよび底面
側突出部7aの内面および外面に完全に密着したコンク
リート5を確保できる。なお、上記(1)〜(4)に記
載の方法並びに手順は、本考案の他の実施の変形例を示
す図2の鉄骨柱脚金物においても同様である。 【0011】そして従来の第1の方法による問題点であ
った、軸力Nが引抜側に作用してコンクリート5の圧縮
反力Ncが0(ゼロ)の場合でも、柱脚部に作用するせ
ん断力Qに対する抵抗力を確保できる。すなわち、柱3
から伝達されるせん断力Qは、柱脚金物7の底面側突出
部7aを介してコンクリート5に伝達できる。 【0012】また従来の第2の方法による問題点、すな
わちモルタルが柱脚金物のアンカーボルト穴との間隙に
完全に充填されず、せん断抵抗力を確保できないという
問題点も同様の理由で解消できる。 【0013】なお、柱脚金物7の底面側突出部7aの一
辺の長さD(図1参照)または直径D(図2参照)をア
ンカーボルト2の直径d(図6参照)の4.5倍以上と
した理由は以下のとおりである。図3(b)の従来の柱
脚部においては、アンカーボルト穴に充填されたモルタ
ル4の許容圧縮力から柱脚部のせん断抵抗力Qcが数1
により決まる。 【0014】 【数1】 【0015】 ただし d :アンカーボルトの直径 t :柱脚金物の底板の厚み n :コンクリートの圧縮側に配置されたボルトの本数 Fc:コンクリートの基準強度 【0016】本考案による柱脚金物7を用いた場合の理
論的な柱脚部のせん断抵抗力Qcは、数3および数5の
いずれか小さい方の値となる。 【0017】 【数2】 【0018】せん断抵抗力は数2を考慮すれば数3とな
る。また、支圧抵抗力は数4を考慮すれば数5となる。 【0019】 【数3】 【0020】 【数4】 【0021】 【数5】 【0022】 ただし D :柱脚金物の底面側突出部の一辺の長さまたは直径 h :柱脚金物の底面側突出部の突出長さ t0 :柱脚金物の底面側突出部の厚み 【0023】従って、本考案によるせん断抵抗力Qcを
従来のそれと同等以上確保するためには、数6の条件が
必要である。 【0024】 【数6】 【0025】ここで、数1において、従来の一般式の柱
脚金物1における下限の条件 t≒d,n=2を考慮す
ると、数6の上方側の式より数7の上方側の式の不等式
が、数6の下方側の式より数7の下方側の式の不等式が
それぞれ成立する。 【0026】 【数7】 【0027】すなわち、底面側突出部7aの一辺の長さ
Dまたは直径Dが、アンカーボルト2の直径dの4.5
倍以上、またその突出長さhがアンカーボルト2の直径
dの0.45倍以上ある本考案による柱脚金物7を使用
すれば、いかなる条件下の柱脚部でも、常に従来と同等
以上のせん断抵抗力Qcを確保することができる。 【0028】またさらに、本考案による柱脚金物7を使
用すれば、コンクリート5と柱脚金物7の底面7fとの
密着が完全となるので、図3(a)に示すように、柱脚
部の大きな性能の一つである回転剛性M/θ(M:柱脚
部に発生する曲げモーメント、θ:柱脚の回転角)を高
くすることができる(コンクリート5と柱脚金物7の密
着は回転剛性を高める上での大きな要素である)。これ
は、上部架構の部材サイズを小さくすることができるこ
とにつながり、建築物の原価低減を可能にするものであ
る。 【0029】 【考案の効果】本考案の効果としては、以下の2点が挙
げられる。 (1)いかなる条件下の建物においても、常に一定のし
かも従来と同等以上のせん断抵抗力を保有する柱脚を確
保できる。 (2)柱脚金物底面と基礎コンクリートの密着が完全に
行なわれるので、高い回転剛性を有する柱脚が確保で
き、建物の上部架構部材の小型化による原価低減が可能
である。
【図面の簡単な説明】 【図1】(a)および(b)は各々本考案の実施例を示
す正面図および底面図である。 【図2】(a)および(b)は各々本考案の他の実施の
変形例を示す正面図および底面図である。 【図3】(a)および(b)は従来の柱脚部を示す断面
図である。 【図4】(a)および(b)は建物の柱に引抜力が作用
した状態を示す説明図である。 【図5】従来の柱脚部の例を示す断面図である。 【図6】従来の柱脚部の例を示す断面図である。 【符号の説明】 1 柱脚金物 1a 底面 2 アンカーボルト 3 柱 3a 柱 3b 柱 4 モルタル 5 基礎コンクリート 5a 基礎コンクリート上面 5b 中心部モルタル 6 建物 7 柱脚金物 7a 底面側突出部 7b モルタル注入口 7c モルタル排出口 7d 底板 7e アンカーボルト穴 7f 底面 7g 空気抜き穴 7h モルタル流通穴 D 柱脚金物底面側突出部の一辺の長さまたは直径 d アンカーボルトの直径 h 柱脚金物底面側突出部の突出長さ t0 柱脚金物底面側突出部の厚み M 曲げモーメント N 軸力 NC 圧縮反力 μNC 摩擦力 Q せん断力 T 引抜力 θ 柱脚の回転角

Claims (1)

  1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 1.底板の底面外周より内側に四角筒状の底面側突出部
    を設け、その外形の一辺の長さをアンカーボルトの直径
    の4.5倍以上、突出長さを0.45倍以上にするとと
    もに、モルタル流通穴を設け、かつ底板にアンカーボル
    ト穴とモルタル注入口とモルタル排出口と空気抜き穴と
    を設け、鋳造または鍛造または鋼材の組立てにてなるこ
    とを特徴とする鉄骨柱脚金物。
JP3526993U 1993-06-29 1993-06-29 鉄骨柱脚金物 Expired - Lifetime JP2567615Y2 (ja)

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