この発明は、地震等の水平力が作用する構造物について、基礎杭の杭上端部、又は柱梁仕口部等の柱の上下端部の曲げ耐力を増強する方法の技術分野に属する。更に云えば、基礎杭の杭上端部と基礎構造物(基礎梁、基礎スラブ、フーチング或いはパイルキャップを含む。以下同じ。)に対して、杭上端の外周縁部に作用する常時の応力(垂直応力とせん断応力があるがここでは垂直応力を指す。以下同じ。)を低減させて、その分、杭上端部の曲げ耐力を増強させる方法に関する。また、柱端部と梁又はスラブに対して、柱端部の外周縁部に作用する常時の応力を低減させて、その分、柱の上下端部の曲げ耐力を増強させる方法に関する。垂直応力とせん断応力があるが、ここでは、以下、垂直応力のことを単に応力と云う。
一般に、基礎杭の杭上端部と基礎構造物とは剛接合して実施しているが、剛接合とした場合には前記杭上端部と基礎構造物の双方の相対回転が拘束される。よって、地震等の水平力が構造物に作用すると、前記杭上端部に大きな曲げモーメントが作用する。具体的に、構造物の杭上端部には、図18Aに応力分布図を示したように、常時、構造物の長期鉛直荷重による圧縮応力σが働いており、この負荷状態で地震等の水平力が作用すると、図18Bに応力分布図を示したように、常時の圧縮応力σに加えて曲げによる応力変動が生じ、杭の圧縮側端部には大きな圧縮応力が生じる。ちなみに、端部の圧縮応力(σC)は、軸応力(σN)と曲げ応力(σM)とを足し合わせたもので、次式で表される。
σC=σN+σM=N/A+MD/2I{N:軸力、A:断面積、M:曲げモーメント、D:杭径、I:断面2次モーメント}
したがって、杭上端部と基礎構造物との接合部位には軸耐力のみならず曲げ耐力も要求されて自ずと頑強な構造とならざるを得ず、そのため、基礎杭の杭径を大きくしたり、コンクリート強度を大きくするなどの工夫が必要であるが、莫大な費用が嵩み経済的でなかった。これは、杭と基礎構造物との関係に限らず、柱と梁又はスラブとの関係についてもほぼ同様のことが云える。
そこで、従来、杭上端部をピン接合又は半剛接合することで、杭上端部に作用する応力を低減し、上記したような剛接合とした場合に生じる問題を解消する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
上記特許文献1には、杭上端部と基礎梁との間に杭本体より曲げ剛性が小さく、杭本体と同程度の鉛直支持力を有する金属製の棒状体を介在させることにより、杭上端部に作用する曲げモーメントを低減する技術が開示されている。
上記特許文献2には、杭上端部と基礎のそれぞれに互いに接触する球面を有する部材を設置し、凸面と凹面とを接触させることで、杭上端部に作用する曲げモーメントを低減させる技術が開示されている。
上記特許文献3には、杭上端部とその上部の基礎構造物との間に金属製棒状体を配置して同金属製棒状体を双方に接合し、前記金属製棒状体を杭上端部と基礎構造物に接合するアンカーボルトや鉄筋等を含め、金属製棒状体の曲げ剛性を杭上端の回転剛性と評価した上で、杭上端部をピンに近い応力状態にしたときに金属製棒状体の必要な軸圧縮耐力を降伏軸力の面から、又は断面寸法の面から特定し、杭上端部の復元力特性を安定させる技術である。
特公平8−6336号公報
特開2001−73387号公報
特開2003−49438号公報
上記特許文献1に係る技術は、棒状体の断面耐力が鉛直支持力と同程度であることから、棒状体は曲げモーメントに対する抵抗力を持たないため、ピンに近い応力状態でなければ成立せず、それには棒状体の断面に対する高さの比率を大きくする必要があり、座屈等の不安定化の問題が生じる。このため、実際には、棒状体の安定性を確保する上で棒状体の外周にリングを配置することが必須となり、コストが嵩み、経済的に改良の余地がある。
上記特許文献2に係る技術は、球面部材の加工を含め、杭上端部及び基礎形成のための工数が多いため、コストが嵩み、経済的に改良の余地がある。
上記特許文献3に係る技術もまた、金属製棒状体はもとより、金属製棒状体を杭上端部に定着させるために鋼板、アンカーボルト、及び定着板を必要とするなど、部材点数及び工数が多いため、コストが嵩み、やはり経済的に改良の余地がある。
本発明の目的は、杭上端部の常時に発生する応力を断面中央部が大きくなるように分布させることにより、杭上端部の曲げ耐力を増強させ、ひいては杭上端部のコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物の安全性を向上させることができる、経済性に非常に優れた構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法を提供することにある。
本発明の目的は、柱の上下端部の常時に発生する応力を断面中央部が大きくなるように分布させることにより、柱端部の曲げ耐力を増強させ、ひいては柱端部のコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物の安全性を向上させることができる、経済性に非常に優れた構造物の柱の上下端部の曲げ耐力増強方法を提供することにある。
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法は、地震等の水平力が作用する構造物の杭上端部の曲げ耐力を増強する方法であって、杭上端部の基礎構造物の下面相当位置に、当該杭の中心部分へ構造物の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材を設けて、前記杭上端の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、杭上端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法において、前記鉛直荷重調整材は、中央部に開口部を有する低剛性なシート材であり、杭の上端面に前記シート材を載置し、前記シート材の上面と、前記シート材の開口部内に形成した杭の上端面とを面一にしてその上に基礎構造物を施工することにより、前記杭上端の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、杭上端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法において、前記鉛直荷重調整材は、材質及び厚みを調整した被覆材であり、杭の上端面に前記被覆材を載置してその上に基礎構造物を施工することにより、前記杭上端の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、杭上端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載した構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法において、杭上端部の基礎構造物の下面相当位置に、外周部に切り欠き部を設けて前記杭上端部に長期鉛直荷重を負担させた後に、前記切り欠き部に鉛直荷重調整材として無収縮のグラウト等の補修材を充填することにより、前記杭上端の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、杭上端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係る構造物の柱の上端部の曲げ耐力増強方法は、地震等の水平力が作用する構造物の柱の上端部の曲げ耐力を増強する方法であって、前記柱上端部の梁又はスラブの下面相当位置に、当該柱の中心部分へ構造物の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材を設けて、前記柱上端の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、柱の上端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項6に記載した発明に係る構造物の柱の下端部の曲げ耐力増強方法は、地震等の水平力が作用する構造物の柱の下端部の曲げ耐力を増強する方法であって、前記柱下端部の梁又はスラブの上面相当位置に、当該柱の中心部分へ構造物の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材を設けて、前記柱下端の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、柱の下端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項7に記載した発明に係る構造物の柱の上下端部の曲げ耐力増強方法は、地震等の水平力が作用する構造物の柱の上下端部の曲げ耐力を増強する方法であって、前記柱上下端部の梁又はスラブの当接面相当位置に、当該柱の中心部分へ構造物の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材を設けて、前記柱上下端の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、柱の上下端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項5〜7のいずれか一に記載した発明に係る構造物の柱端部の曲げ耐力増強方法において、前記鉛直荷重調整材は、中央部に開口部を有する低剛性なシート材であり、曲げ耐力を増強させる柱端面に前記シート材を設け、前記シート材と、前記シート材の開口部内に形成した柱の端面とを面一にして梁又はスラブを施工することにより、その柱端部の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、柱端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、請求項5〜7のいずれか一に記載した発明に係る構造物の柱端部の曲げ耐力増強方法において、前記鉛直荷重調整材は、材質及び厚みを調整した被覆材であり、曲げ耐力を増強させる柱端面に前記被覆材を設けて梁又はスラブを施工することにより、その柱端部の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、柱端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、請求項5〜7のいずれか一に記載した発明に係る構造物の柱端部の曲げ耐力増強方法において、曲げ耐力を増強させる柱端部と梁又はスラブとの当接面相当位置に、外周部に切り欠き部を設けて前記柱端部に長期鉛直荷重を負担させた後に、前記切り欠き部に鉛直荷重調整材として無収縮のグラウト等の補修材を充填することにより、前記柱端部の外周縁部に作用する常時の応力を低減させ、柱端部の曲げ耐力を増強させることを特徴とする。
請求項1〜4に記載した発明に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法によれば、杭1の上端部1aに、当該杭1の中心部分へ構造物10の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材2を設けることにより、杭上端部1aの外周縁部は、長期鉛直荷重(上載荷重)による圧縮応力を解放できる。つまり、杭1の中心部分に構造物10の長期鉛直荷重(上載荷重)の負担が集中する接合状態を実現できるため、前記杭上端部1aの曲げ耐力が増強され、杭上端部1aのコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物10としての安全性を向上させることができる。加えて、ピン接合状態に近い半剛接合となった前記杭上端部1aは、水平剛性及び曲げ剛性が小さいので、地震等の水平力による水平力負荷(地震力)が杭上端部1aへ作用した場合に、杭上端部1aへ作用するせん断力及び曲げモーメントを低減できる。
請求項5〜10に記載した発明に係る構造物の柱の上下端部の曲げ耐力増強方法によれば、曲げ耐力を増強させるべき柱端部11a、11cに、当該柱11の中心部分へ構造物20の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材12を設けることにより、柱端部11a、11cの外周縁部11b、11dは、長期鉛直荷重(上載荷重)による圧縮応力を解放できる。つまり、柱11の中心部分に構造物20の長期鉛直荷重(上載荷重)の負担が集中する接合状態を実現できるため、前記柱端部11a、11cの曲げ耐力が増強され、柱端部11a、11cのコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物20としての安全性を向上させることができる。加えて、ピン接合状態に近い半剛接合となった前記柱端部11a、11cは、水平剛性及び曲げ剛性が小さいので、地震等の水平力による水平力負荷(地震力)が柱端部11a、11cへ作用した場合に、柱端部11a、11cへ作用するせん断力及び曲げモーメントを低減できる。
また、前記鉛直荷重調整材2、12としては、中央部に開口部2aを有する低剛性なシート材2、若しくは材質又は厚みを調整した被覆材5、15、25、又は無収縮のグラウト6等の補修材6のいずれかを使用し、杭上端部1a又は柱端部11a、11cに設けて実施すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
本発明に係る構造物の杭上端部又は柱の上下端部の曲げ耐力増強方法は、上述した発明の効果を奏するべく、それぞれ以下のように実施される。
図1は、本発明に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法の実施例を示している。この方法は、地震等の水平力が作用する構造物10の基礎杭1の杭上端部1aの曲げ耐力を増強する方法であって、前記杭上端部1aの基礎構造物10の下面相当位置に、当該杭の中心部分へ構造物10の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材2を設けて、前記杭上端1aの外周縁部1bに作用する常時の応力を低減させ、杭上端部1aの曲げ耐力を増強させる技術的思想に立脚している(請求項1記載の発明)。
前記基礎杭1は、地中に埋設され、その上方に構築される構造物10の長期鉛直荷重をその杭上端部1aで受け、これを周辺地盤4に伝達して前記構造物10を支持している。前記基礎構造物3は、図示例では基礎梁3を示しているが、基礎スラブ、フーチング、或いはパイルキャップでも勿論実施可能である。以下の実施例2と実施例3についても同様の技術的思想とする。
ここで、この実施例1では、前記鉛直荷重調整材2として、図2にも示したように、中央部に開口部2aを有する厚さが均一な低剛性なシート材2を使用し、前記基礎杭1の杭上端部1aを施工する際に、その上端面に前記シート材2を前記基礎杭1の外周面に沿うように載置して実施している。この場合、その上に構築する基礎構造物3を確実に水平に施工するべく、前記シート材2の上面と、前記シート材2の開口部2a内に形成した杭1の上端面とを面一にすることに留意する(請求項2記載の発明)。なお、図示は省略するが、本実施例では、基礎杭1から立ち上がる鉄筋を基礎梁3にまで繋げた状態で実施している。
図示例に係る前記シート材2の形状は、基礎杭1の外周形状に対応させるべくリング状で実施することが好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、杭上端部1aの中心部分へ構造物10の長期鉛直荷重の負担を集中させることができる形状であればよい。前記シート材2の開口部2aの形状も同様である。また、図示例に係る前記シート材2は、ビニールシートで実施しているが、特にこれに限定されるものではなく、薄くて低剛性な部材であれば実施可能である。
前記シート材2の厚さ(Δt)については、理論上、Δt>NT/EA’(N:軸力、T:コンクリート厚さ、E:縦弾性係数、A’:シート材2の開口部2a内の杭上端部1aの断面積)のシート材2であれば、杭上端部1aの外周縁部1bに圧縮応力が作用しないことになる。本実施例1では、杭径1.6m程度の基礎杭1に対して、0.005mm程度のシート材2を使用している。なお、前記数式はあくまで目安であり、杭上端部1aの外周縁部1bに圧縮応力が作用するシート厚で実施しても、杭上端部1aの中心部分へ構造物10の長期鉛直荷重の負担を集中させることができれば勿論実施できる。ちなみに、本実施例1に係るシート材2の大きさは、外径H(図2参照)が、杭径と同等の1.6m程度で、内径h(図2参照)が1.2m程度で実施している。
以上要するに、本実施例1は、基礎杭1と基礎構造物3との間の杭上端部1aの外周縁部1bに前記リング状のシート材2を面タッチ状態で嵌め込んで実施している。斯くすることにより、図4Aに示したように、杭上端部1aの外周部分は長期鉛直荷重(上載荷重)による圧縮応力を解放でき、杭上端部1aの主に中心部分へ、構造物10の長期鉛直荷重(上載荷重)の負担(圧縮応力)が集中する接合状態を実現できるのである。
したがって、この構造物10の杭上端部1aの曲げ耐力増強方法によれば、基礎杭1の杭上端部1aと基礎構造物3とを剛接合して実施した従来技術の軸応力(図18A参照)と比して、図4Aに示したように、長期鉛直荷重(上載荷重)による負担を中心位置から放射方向へ滑らかに減少させて水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。すなわち、地震時は、基礎杭1の杭上端部1aの圧縮側端部に、図18Bに示した曲げ応力と同程度の曲げ応力(図4B参照)が生じることになるが、前記杭上端部1aの圧縮側では、図4Aに示したように、杭上端部1aの圧縮側端部の軸応力が小さいので、全体として、図5に示したように、杭上端部1aの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、杭上端部1aの曲げ耐力が増強され、杭上端部1aのコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物10の安全性を向上させることができるのである。また、前記鉛直荷重調整材2としては、中央部に開口部2aを有する低剛性なシート材2を使用し、同シート材2を杭上端部1aに載置して実施すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
ちなみに、図6は、図5が基礎杭1から立ち上がる鉄筋を基礎梁3にまで繋げた場合の応力分布図であるのに対し、基礎杭1から立ち上げる鉄筋を基礎梁3に繋げることなく杭1内で止めた場合の応力分布図を示している。鉄筋を杭1内で止めることで杭1の引張り応力が生じないので、曲げモーメントに対する応力の中立軸が圧縮側(図中の右側)に移動し、図5の場合と比して、さらに杭上端部1aの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、杭上端部1aの曲げ耐力をさらに増強することができ、構造物10としての安全性をさらに向上させることができるのである。
また、図7は、前記シート材2の厚さを0.012mmと厚くした場合の応力分布図を示している。このようにシート厚を変えることにより、杭体の応力分布を変えることができる。前記図7に示したように、長期鉛直荷重(上載荷重)を中央部分で負担することにより、図8A、Bに段階的に示したように、水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。すなわち、シート材2の厚さを0.012mmと厚くして実施した場合であっても、地震時は、基礎杭1の杭上端部1aの圧縮側端部に、図18Bに示した曲げ応力と同程度の曲げ応力(図4B参照)が生じることになるが、前記杭上端部1aの圧縮側では、図7に示したように、杭上端部1aの圧縮側端部の軸応力がない(ゼロとなる)ので、全体として、図8Bに示したように、杭上端部1aの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、杭上端部1aの曲げ耐力が増強され、構造物10としての安全性を向上させることができるのである。
図9A〜Cはそれぞれ、請求項3に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法の実施例を示している。この方法は、上記実施例1と同様に、地震等の水平力が作用する構造物10の基礎杭1の杭上端部1aの曲げ耐力を増強する方法であって、前記杭上端部1aに、当該杭1の中心部分へ構造物10の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材5(15、25)を設けることにより、前記杭上端部1aに作用する常時の応力を低減させ、その分、杭上端部1aの曲げ耐力を増強させる技術的思想に立脚している(請求項1記載の発明)。
ここで、この実施例2では、前記鉛直荷重調整材2として、材質及び厚みを調整した被覆材5、15、25を使用し、前記基礎杭1の杭上端部1aを施工した際に、その上端面に前記被覆材5…を載置し、当該被覆材5…の上面に基礎構造物3を施工して実施している(請求項3記載の発明)。
この実施例2に係る被覆材5…の材質及び厚みは特に限定されるものではなく、要するに、杭上端部1aの圧縮側端部に理想的な圧縮応力を作用させるべく、図11Aに示したような、稜線がなだらかな円錐形状の軸応力、又はこれに近い形状の軸応力を形成し得る被覆材5…であればよい。
具体的に、図9Aでは、ほぼ半球面状の凹部を下面に有する上面は平らな被覆材5を使用し、杭上端部1aを前記凹部の曲率と一致するほぼ半球面状の凸部に形成して実施している。図9Bでは、ほぼ円錐形状の凹部を下面に有する上面は平らな被覆材15を使用し、杭上端部1aを前記凹部の曲率と一致するほぼ円錐形状の凸部に形成して実施している。図9Cでは、均一厚さの平板状で、中心位置から放射方向に段階的にヤング率を小さくした被覆材25を使用して実施している。
一例として、図9Aに係る被覆材5について、d(r)=δ/ε0(1−r/R){d(r):被覆材5の厚み、δ:鉛直変位(縮量)、ε0:想定軸力Nでの杭中央部の歪み、r:杭中心からの距離、R:杭半径}の数式を成立させる被覆材5を使用すると(図10参照)、図11Aに示したような、稜線がなだらかな円錐形状の軸応力を形成し、図11Bと図11Cに示したような、前記杭上端部1aの圧縮側端部に理想的な圧縮応力を作用させることができる。
したがって、この実施例2に係る構造物10の杭上端部1aの曲げ耐力増強方法によれば、基礎杭1の杭上端部1aと基礎構造物3とを剛接合して実施した従来技術の圧縮応力(図18B参照)と比して、図11Aに示したように、長期鉛直荷重(上載荷重)による負担を中心位置から放射方向へ漸次減少させて水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。すなわち、地震時は、基礎杭1の杭上端部1aの圧縮側端部に、図18Bに示した曲げ応力と同程度の曲げ応力(図4B参照)が生じることになるが、前記杭上端部1aの圧縮側では、図11Aに示したように、杭上端部1aの圧縮側端部の軸応力が小さいので、全体として、図11Bに示したように、杭上端部1aの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、杭上端部1aの曲げ耐力が増強され、杭上端部1aのコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物10の安全性を向上させることができるのである。また、前記鉛直荷重調整材2としては、上記したような被覆材5、15、25を使用し、同被覆材5…を杭上端部1aに載置すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
ちなみに、図11Cは、図11Bが基礎杭1から立ち上がる鉄筋を基礎梁3にまで繋げた場合の応力分布図であるのに対し、基礎杭1から立ち上げる鉄筋を基礎梁3に繋げることなく杭1内で止めた場合の応力分布図を示している。鉄筋を杭1内で止めることで杭1の引張り応力が生じないので、曲げモーメントに対する応力の中立軸が圧縮側(図中の右側)に移動し、図11Bの場合と比して、さらに杭上端部1aの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、杭上端部1aの曲げ耐力をさらに増強することができ、構造物10としての安全性をさらに向上させることができるのである。
図12は、請求項4に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法の実施例を示している。この方法は、上記実施例1及び実施例2と同様に、地震等の水平力が作用する構造物10の基礎杭1の杭上端部1aの曲げ耐力を増強する方法であって、前記杭上端部1aに、当該杭1の中心部分へ構造物10の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材6を設けることにより、前記杭上端部1aに作用する常時の応力を低減させて、その分、杭上端部1aの曲げ耐力を増強させる技術的思想に立脚している(請求項1記載の発明)。
ここで、この実施例3では、杭上端部1aの基礎構造物10の下面相当位置に、外周部に切り欠き部7を設けて前記杭上端部1aに長期鉛直荷重を負担させた後に、前記切り欠き部7に鉛直荷重調整材2として無収縮のグラウト6等の補修材6を充填することにより、前記杭上端1aの外周縁部1bに作用する常時の応力を低減させ、杭上端部1aの曲げ耐力を増強している(請求項4記載の発明)。ちなみに、図12中の符号8は、型枠を示している。
前記補修材6は、基礎梁3等の基礎構造物3に予め設けておいた注入孔6aを利用して充填することが施工上好ましい。前記補修材6を前記杭上端部1aの切り欠き部7に充填することにより、構造物10の長期鉛直荷重による基礎杭1本来の支持力(安定性)を確保できる。また、前記切り欠き部7の形状・厚さ等を調整することで、図4A、又は図7に示したような軸応力を実現することができ、その結果、上記実施例1及び実施例2で説明したように、杭上端部1aの曲げ耐力が増強され、杭上端部1aのコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物10の安全性を向上させることができるのである。ちなみに、本実施例3では、ドーナツ状の切り欠き部7を設けた凸状の杭上端部1aに形成して実施している。
また、前記鉛直荷重調整材2としては、無収縮のグラウト等の補修材6を使用し、同補修材6を杭上端部1aに設けた切り欠き部7に充填すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。ちなみに、前記グラウトとは、柔らかいセメントペースト又はモルタル・ベントナイト水、薬液等の総称であり、主にひび割れや空洞等の間隙へ注入又は充填する補修剤を指す。このように、前記鉛直荷重調整材2としては、上記したような補修材6を使用し、前記切り欠き部7内に充填すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
図13は、本発明に係る構造物の柱の上端部の曲げ耐力増強方法の実施例を示している。この方法は、地震等の水平力が作用する構造物20の柱11の上端部11aの曲げ耐力を増強する方法であって、前記柱上端部11aの梁(又はスラブ)13の下面相当位置に、当該柱11の中心部分へ構造物20の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材12を設けて、前記柱上端11aの外周縁部11bに作用する常時の応力を低減させ、柱11の上端部11aの曲げ耐力を増強させている(請求項5記載の発明)。
ここで、この実施例4では、前記鉛直荷重調整材12として、上記実施例1で既に説明したような、中央部に開口部2aを有する厚さが均一な低剛性なシート材2を使用し、前記柱11の柱上端部11に梁(又はスラブ)13を施工する際に、その上端面に前記シート材2を前記柱11の外周面に沿うように載置して実施している。この場合、その上に構築する梁(又はスラブ)13を確実に水平に施工するべく、前記シート材2の上面と、前記シート材2の開口部2a内に形成した柱11の上端面とを面一にすることに留意する(請求項8記載の発明)。図示例に係るシート材2の形状、厚さ等についてはほぼ、上記段落番号[0031]及び[0032]に記載した通りであり、その説明を割愛する。
以上要するに、この実施例4は、柱11の上端部11aと梁(又はスラブ)13との間の柱上端部11aの外周縁部11bに、前記リング状のシート材2を面タッチ状態で嵌め込んで実施している。斯くすることにより、図4Aに示したように、柱上端部11aの外周部分は長期鉛直荷重(上載荷重)による圧縮応力を解放でき、柱上端部11aの主に中心部分へ、構造物20の長期鉛直荷重(上載荷重)の負担(圧縮応力)が集中する接合状態を実現できるのである。
したがって、この構造物20の柱上端部11aの曲げ耐力増強方法によれば、上記段落番号[0034]に記載した効果とほぼ同様の効果を発揮する。即ち、図4Aに示したように、長期鉛直荷重(上載荷重)による負担を中心位置から放射方向へ滑らかに減少させて水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。地震時は、柱11の上端部11aの圧縮側端部に、図18Bに示した曲げ応力と同程度の曲げ応力(図4B参照)が生じることになるが、前記柱上端部11aの圧縮側では、図4Aに示したように、柱上端部11aの圧縮側端部の軸応力が小さいので、全体として、図5に示したように、柱上端部11aの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、柱上端部11aの曲げ耐力が増強され、柱上端部11aのコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物20の安全性を向上させることができるのである。また、前記鉛直荷重調整材2としては、中央部に開口部2aを有する低剛性なシート材2を使用し、同シート材2を柱上端部11aに載置して実施すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
ちなみに、図6は、図5が柱11から立ち上がる鉄筋を梁(又はスラブ)13にまで繋げた場合の応力分布図であるのに対し、柱11から立ち上げる鉄筋を梁(又はスラブ)13に繋げることなく柱11内で止めた場合の応力分布図を示している。鉄筋を柱11内で止めることで柱11の引張り応力が生じないので、曲げモーメントに対する応力の中立軸が圧縮側(図中の右側)に移動し、図5の場合と比して、さらに柱上端部11aの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、柱上端部11aの曲げ耐力をさらに増強することができ、構造物20としての安全性をさらに向上させることができるのである。また、図7は、前記シート材2の厚さを0.012mmと厚くした場合の応力分布図を示している。このようにシート厚を変えることにより、柱の応力分布を変えることができる。前記図7に示したように、長期鉛直荷重(上載荷重)を中央部分で負担することにより、図8A、Bに段階的に示したように、水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。
図14は、図13と比して、前記鉛直荷重調整材12を柱11の下端部11cに設けて実施していることのみ相違する。即ち、図14は、本発明に係る構造物の柱の下端部の曲げ耐力増強方法の実施例を示している。この方法は、地震等の水平力が作用する構造物20の柱11の下端部11cの曲げ耐力を増強する方法であって、前記柱下端部11cの梁(又はスラブ)13の上面相当位置に、当該柱11の中心部分へ構造物20の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材12を設けて、前記柱下端11cの外周縁部11dに作用する常時の応力を低減させ、柱11の下端部11cの曲げ耐力を増強させている(請求項6記載の発明)。
したがって、この請求項6(図14)に係る構造物20の柱下端部11cの曲げ耐力増強方法によっても、上記段落番号[0051]に記載した効果とほぼ同様の効果を発揮する。即ち、長期鉛直荷重(上載荷重)による負担を中心位置から放射方向へ滑らかに減少させて水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。地震時は、前記柱下端部11cの圧縮側では、柱下端部11cの圧縮側端部の軸応力が小さいので、全体として、柱下端部11cの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、柱下端部11cの曲げ耐力が増強され、柱下端部11cのコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物20の安全性を向上させることができるのである。また、前記鉛直荷重調整材2としては、中央部に開口部2aを有する低剛性なシート材2を使用し、同シート材2を柱上端部11aに載置して実施すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
図15は、云うならば図13と図14に係る技術を合体させた実施例を示している。即ち、図15は、本発明に係る構造物の柱11の上下端部11a及び11cの曲げ耐力増強方法の実施例を示している。この方法は、地震等の水平力が作用する構造物20の柱11の上下端部11a及び11cの曲げ耐力を増強する方法であって、前記柱の上下端部11a及び11cの梁(又はスラブ)13の当接面相当位置に、当該柱11の中心部分へ構造物20の長期鉛直荷重の負担を集中させる鉛直荷重調整材12を設けて、前記柱11の上下端11a及び11cの外周縁部11b及び11dに作用する常時の応力を低減させ、柱11の上下端部11a及び11cの曲げ耐力を増強させている(請求項7記載の発明)。
したがって、この請求項7(図15)に係る構造物20の柱11の上下端部11a及び11cの曲げ耐力増強方法によると、上記段落番号[0051]に記載した効果と比して、それ以上の効果を期待できる。即ち、柱11の上下端部11a及び11c双方で、長期鉛直荷重(上載荷重)による負担を中心位置から放射方向へ滑らかに減少させて水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。地震時は、前記柱上下端部11a及び11cの圧縮側では、柱上下端部11a及び11cの圧縮側端部の軸応力が小さいので、全体として、柱上下端部11a及び11cの圧縮側端部に作用する圧縮応力を小さくすることができる。よって、その分、柱上下端部11a及び11cの曲げ耐力が増強され、柱上下端部11a及び11cのコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物20の安全性を向上させることができるのである。また、前記鉛直荷重調整材12としては、中央部に開口部2aを有する低剛性なシート材2を使用し、同シート材2を柱上下端部11aに載置して実施すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
図16は、請求項9に記載した構造物の柱端部の曲げ耐力増強方法について、その代表図を示している。上記した実施例4では前記鉛直荷重調整材12として、中央部に開口部2aを有する厚さが均一な低剛性なシート材2を使用して実施しているが、この実施例5では、上記実施例2で既に説明したように、前記鉛直荷重調整材12として、材質及び厚みを調整した被覆材5…を使用し、前記柱11の上端部11a(及び/又は下端部11c)を施工した際に、その柱端面に前記被覆材5…を設けて梁(又はスラブ)13を施工することにより、その柱上端部11a(及び/又は下端部11c)の外周縁部11cに作用する常時の応力を低減させ、柱端部11aの曲げ耐力を増強させている(請求項9記載の発明)。前記被覆材5…の材質及び厚み等については上記段落番号[0039]〜[0041]に記載した内容とほぼ同様である。
ちなみに、代表図として例示した図16は、図9Aで説明した、ほぼ半球面状の凹部を下面に有する上面は平らな被覆材5を使用し、柱上端部11aを前記凹部の曲率と一致するほぼ半球面状の凸部に形成して実施している。勿論、図9B及び図9Cで説明した被覆材15、25でも勿論実施することができる。また、図示は省略するが、前記柱11の下端部11cについて実施する場合には、図9A〜図9Cで示した被覆材5…を上下方向に反転させた形状で実施する。
したがって、この実施例5に係る構造物20の柱上端部11a(及び/又は下端部11c)の曲げ耐力増強方法によれば、長期鉛直荷重(上載荷重)による負担を中心位置から放射方向へ漸次減少させて水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。よって、その分、柱上端部11a(及び/又は下端部11c)の曲げ耐力が増強され、柱上端部11a(及び/又は下端部11c)のコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物20の安全性を向上させることができるのである。また、前記鉛直荷重調整材12としては、上記したような被覆材5、15、25を使用し、同被覆材5…を柱上端部11a(及び/又は下端部11c)に載置すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
図17は、請求項10に記載した構造物の柱端部の曲げ耐力増強方法について、その代表図を示している。上記した実施例5では、前記鉛直荷重調整材12として、材質及び厚みを調整した被覆材5…を使用して実施しているが、この実施例6では、上記実施例3で既に説明したように、前記鉛直荷重調整材12として、無収縮のグラウト6等の補修材6を使用し、柱上端部11a(及び/又は下端部11c)と梁(又はスラブ)13との当接面相当位置に、切り欠き部7を設けて前記柱上端部11a(及び/又は下端部11c)に長期鉛直荷重を負担させた後に、前記切り欠き部7に鉛直荷重調整材12として無収縮のグラウト6等の補修材6を充填することにより、その柱上端部11a(及び/又は下端部11c)の外周縁部11b(及び/又は11d)に作用する常時の応力を低減させ、柱上端部11a(及び/又は下端部11c)の曲げ耐力を増強している(請求項10記載の発明)。前記補修材6の充填方法等は、上記段落番号[0046]及び[0047]に記載した内容とほぼ同様である。
ちなみに、代表図として例示した図17は、柱上端部11aについて実施する場合を示しているが、柱下端部11cについて実施する場合には、同図を上下方向に反転させた形状で実施する。
したがって、この実施例6に係る構造物20の柱上端部11a(及び/又は下端部11c)の曲げ耐力増強方法によってもまた、長期鉛直荷重(上載荷重)による負担を中心位置から放射方向へ漸次減少させて水平力(地震力)負荷したときの応力を速やかに低減させることができる。よって、その分、柱上端部11a(及び/又は下端部11c)の曲げ耐力が増強され、柱上端部11a(及び/又は下端部11c)のコンクリート圧壊を未然に防止する等の構造物20の安全性を向上させることができるのである。このように、前記鉛直荷重調整材12としては、上記したような補修材6を使用し、前記切り欠き部7内に充填すれば足りるので、部材点数及び工数を極力省力化することができ、経済的に非常に優れている。
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
実施例1に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法を示した立面図である。
実施例1で使用する鉛直荷重調整材(シート材)を示した平面図である。
図1の部分拡大図である。
Aは、長期鉛直荷重による杭上端部の応力分布図を示しており、Bは、曲げ荷重による杭上端部の応力分布図を示している。
長期鉛直荷重及び曲げ荷重による杭上端部の応力分布図を示している。
長期鉛直荷重及び曲げ荷重による杭上端部の応力分布図を示している。
長期鉛直荷重による杭上端部の応力分布図を示している。
A、Bは、長期鉛直荷重及び曲げ荷重による杭上端部の応力分布図を段階的に示している。
A〜Cはそれぞれ、実施例2に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法を示した立面図である。
図9Aについて、数式を用いて具体的に説明するための参考図である。A〜Cはそれぞれ、実施例2に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法を示
Aは、長期鉛直荷重による杭上端部の応力分布図を示しており、BとCは、長期鉛直荷重及び曲げ荷重による杭上端部の応力分布図を示している。
実施例3に係る構造物の杭上端部の曲げ耐力増強方法を示した立面図である。
実施例4に係る構造物の柱の上端部の曲げ耐力増強方法を示した立面図である。
実施例4に係る構造物の柱の下端部の曲げ耐力増強方法を示した立面図である。
実施例4に係る構造物の柱の上下端部の曲げ耐力増強方法を示した立面図である。
実施例5に係る構造物の柱の上端部の曲げ耐力増強方法を示した立面図である。
実施例6に係る構造物の柱の上端部の曲げ耐力増強方法を示した立面図である。
Aは、従来技術に係る長期鉛直荷重による杭上端部の応力分布図を示しており、Bは、従来技術に係る長期鉛直荷重及び曲げ荷重による杭上端部の応力分布図を示している。
符号の説明
1 基礎杭
1a 杭上端部
1b 外周縁部
2 シート材(鉛直荷重調整材)
3 基礎梁(基礎構造物)
4 地盤
5、15、25 被覆材(鉛直荷重調整材)
6 補修材(鉛直荷重調整材)
6a 注入孔
7 切り欠き部
8 型枠
10、20 構造物
11 柱
11a 柱上端部
11b 外周縁部
11c 柱下端部
11d 外周縁部
12 鉛直荷重調整材
13 梁(又はスラブ)