JPH033638Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は埋込み鋼製柱の脚構造に関する。

「従来の技術」 従来の埋込み鋼製柱は第４図に示す如き脚構造
よりなる。

すなわち、鋼製柱１脚構造は、その埋込み部１
ｂを基礎コンクリート３中に没しさせ、上部１ａ
をコンクリート３より立ち上がらせてなる。

尚、図中４は柱１と基礎コンクリート３との一
体化を促進させるべく該埋込み部１ｂに付設させ
るスタツドジベルである。

「考案が解決しようとする問題点」 しかして、叙上構成よりなる柱１に風力、地震
力等の水平力が上部構造に作用したとき、図示の
如く、柱１に水平力Ａと曲げモーメントＢが働く
が、この場合の抵抗並びに変形機構は図中左から
の水平力Ａに対し、埋込み部１ｂの上部では右方
向にコンクリート３を圧縮し、下部では左方向へ
の圧縮力がコンクリート３に作用する。

したがつて、柱脚の破壊は、埋込み部１ｂと接
する基礎コンクリート３の局部圧壊または図中破
壊線２で示すコンクリート３の亀裂により耐力が
決定するが、通常この耐力は弱く、スタツドジベ
ル４等もジベル軸が圧縮方向と一致するため効果
がなく、この種の柱脚耐力を設計上大きく採れな
いのが実情である。

「問題点を解決するための手段」，「作用」 本案は叙上の事情に鑑みなされたもので、その
要旨とするところは、埋込まれる柱の下部に、柱
軸直角方向に張出し部材を接合し、その張出し部
材面に突起等を立設するとして、コンクリート圧
縮応力場を水平方向に広げ、かつ、突起とコンク
リートの付着力を介して基礎コンクリート中の柱
脚を中心としたより広範囲な領域に抵抗力を分担
させ、結果としてコンクリート局部圧縮で破壊す
る性状を改善し、埋込み柱脚の曲げモーメント、
水平力に対する抵抗力の向上を図るとした点にあ
る。

「実施例」 以下、これを図に基づいて詳細に説明する。

第１図〜第３図は本案の各実施態様を示し、第
１図に示す例は、柱脚埋込み部１ｂに突起５等を
表面に立設した張出し部材６を水平（柱軸に直
角）に取り付け、柱上部１ａより作用する水平力
と曲げモーメントを部材６の長さの範囲のコンク
リート３に伝達するとしたものである。

第２図に示す例は、柱断面が大きく、または埋
込み部１ｂを長くとれる場合であり、埋込み部１
ｂの上下に２本づつ張出し部材６ａ，６ｂを接合
して、応力伝達範囲を拡大した例である。

第３図に示す例は、柱に作用する水平力と曲げ
モーメントがさらに大きい場合と示し、第１図に
示された部材６を基礎コンクリート３の中に配置
された梁鉄筋７に挿入させ、コンクリートの付着
力を介して鉄筋７の軸力として伝達し、抵抗力を
さらに分散させたものである。

図中８は帯鉄筋を示す。

「考案の効果」 コンクリート埋込み型の柱脚は柱下部の埋込み
部に接するコンクリートの局部圧壊がその構造耐
力を支持していたため設計耐力を大きく採れなか
つた。しかしながら埋込み柱脚は、コンクリート
が破壊するまでは、曲げモーメント、水平力等の
柱から作用する力に対して、回転および水平方向
に対する拘束力や剛性が高く、また、基礎コンク
リートの打設と同時に柱脚構造が施工されること
から急速施工が可能という長所を有する。したが
つて、本考案によれば上記コンクリート耐久度に
伝達出来る長所を生かすことが可能となり、構造
物の安全性を確保し、省力化をもたらすことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本案の各実施態様の縦断面
図、第４図は従来構造の縦断面図である。 １……鋼製柱、１ａ……柱上部、１ｂ……埋込
み部、３……基礎コンクリート、４……スタツド
ジベル、５……突起、６，６ａ，６ｂ……張出し
部材、７……梁鉄筋、８……帯鉄筋、Ａ……水平
力、Ｂ……曲げモーメント。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 埋込まれる柱の下部に、柱軸直角方向に張出し
   部材を接合し、その張出し部材面に突起等を立設
   してなることを特徴とする埋込み鋼製柱の脚構
   造。