JPH0719355B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0719355B2
JPH0719355B2 JP60167876A JP16787685A JPH0719355B2 JP H0719355 B2 JPH0719355 B2 JP H0719355B2 JP 60167876 A JP60167876 A JP 60167876A JP 16787685 A JP16787685 A JP 16787685A JP H0719355 B2 JPH0719355 B2 JP H0719355B2
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glycol
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に
関するものであり、さらに詳細には非磁性支持体上に形
成される磁性層に含まれる結合剤の改良に関するもので
ある。
〔発明の概要〕
本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主
体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
て、上記磁性層を構成する結合剤に分子中に極性基とし
て第4級アンモニウム塩を含有するポリウレタン樹脂を
用い、磁性粉末の分散性や磁性層の表面性の改善を図
り、得られる磁気記録媒体の耐久性、磁気特性、電磁変
換特性等の向上を図ろうとするものである。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録媒体、特にVTR(ビデオテープレコー
ダ)用の磁気記録媒体においては、短波長記録を行った
場合にも高再生出力を得るために、磁気特性、電磁変換
特性の向上が要望されている。そして、その方策とし
て、磁性粉末の微粒子化、高磁力化が図られるととも
に、磁性層中における磁性粉末の充填密度、いわゆるパ
ッキングデンシチィを増大させる傾向が強くなってい
る。
一方、従来から使用されている磁気記録媒体用の結合剤
としては、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体等の結
合剤が挙げられる。
ところが、上述のような磁性粉末の微粒子化による比表
面積の増大や高磁力化による凝集力の増大に伴い、前述
の結合剤では満足のいく分散性や表面性が得られず、磁
性粉末のパッキングデンシティを増大させることも困難
なものとなっている。したがって耐久性、磁気特性、電
磁変換特性についても不充分であった。あるいは、例え
ば界面活性剤を分散剤として使用する等の方法が考えら
れているが、この場合、界面活性剤が低分子であるため
に、磁性層中にこの界面活性剤が存在することによって
粉落ち、経時変化によるブルーミング等の機械的強度や
耐久性等に問題が生じている。
かかる状況から、このような特性をより一層向上させ得
る結合剤が要請され、例えばスルホン酸金属塩基を含有
するポリエステル樹脂(特公昭57−3134)あるいはスル
ホン酸金属塩基を含有するポリウレタン樹脂(特公昭58
−41565)等が提案されている。
しかしながら、上述した結合剤は、極性基の導入されて
いない従来の結合剤と比較して分散性改良にある程度の
効果を示すものの、超微粒子化された磁性粉末や高い磁
化量を有する磁性粉末に対しての性能は充分とは言えな
い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、超微粒子化した磁性粉末に対しても充分な
分散性を示す結合剤は知られておらず、したがってこの
超微粒子磁性粉末を使用する磁気記録媒体においては所
定の耐久性、磁気特性、電磁変換特性を確保することが
難しかった。
そこで本発明は、当該技術分野の前記欠点を解消するた
めに提案されたものであって、磁性粉末の分散性や磁性
層の表面性を大幅に改善し、耐久性に優れ磁気特性、電
磁変換特性の良好な磁気記録媒体を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の目的を達成せんものと鋭意研究の
結果、極性基として第4級アンモニウム塩を有するポリ
ウレタン樹脂が磁性粉末に対して高い親和性を示すこと
を見い出し本発明を完成するに至ったものであって、非
磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性
層が形成されてなる磁気記録媒体において、上記磁性層
が分子中に極性基として第4級アンモニウム塩を含有す
るポリウレタン/樹脂を結合剤として含有することを特
徴とするものである。
本発明によるポリウレタン樹脂はポリヒドロキシ化合物
とポリイソシアナートとの反応により得られるが、ポリ
ヒドロキシ化合物としては分子量約500〜約5000の長鎖
ジオール及び分子量約50〜約500の短鎖ジオールを用い
ることが好ましく、またポリイソシアナートとしては有
機ジイソシアナートを用いることが好ましい。
上記長鎖ジオールは、例えばポリエステルジオール、ポ
リエーテルジオールおよびポリエーテルエステルグリコ
ール等に大別される。ポリエステルジオールとしては、
具体的には例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはそれらの低
級アルコールエステルと、エチレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6
−ヘキサングリコール、ジエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、あるいはビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物等またはこれらの混合物とを反応し
て得られるポリエステルジオール類またはε−カプロラ
クトン等のラクトンを開環重合して得られるラクトン系
のポリエステルジオール等が挙げられる。ポリエーテル
ジオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポ
リプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレン
エーテルグリコールなどのポリアルキレンエーテルグリ
コール類またはこれらの共重合ポリエーテルグリコール
等が挙げられる。また、ポリエーテルエステルグリコー
ルとしては、上記ポリアルキレンエーテルグリコールを
ポリオール成分として脂肪族または芳香族ジカルボン酸
と反応させて得られるポリエステルグリコール類が挙げ
られる。この長鎖ジオールの分子量が余り小さすぎる
と、得られるポリウレタン樹脂のウレタン基濃度が大き
くなりすぎて樹脂の柔軟性が乏しくなり、また溶剤に対
する溶解性が悪くなり、磁気記録媒体の結合剤として用
いるのには余り好ましくない。また、長鎖ジオールの分
子量が余り大きすぎるときは、樹脂中の長鎖ジオール含
有量が多くなりすぎて相対的にウレタン基濃度が非常に
小さくなるため、樹脂の耐摩耗性及び耐熱性が低下す
る。
上記短鎖ジオールは、例えば、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−
ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪
族グリコールあるいはビスフェノールAのエチレンオキ
サイド付加物またはプロピレンオキサイド付加物、ハイ
ドロキノンのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオ
ールなどがあり、ポリウレタン樹脂の所望の性質に応じ
てこれらを単独または種々の量比で混合して使用でき
る。
さらに、グリセリン、グリセリンのエチレンオキサイド
付加物、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオール、4
−〔ビス(2−ヒドロキシエチル)〕−2−ヒドロキシ
ペンタン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、1−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)アミノ−2−プロパノール、ジエタノールア
ミンのプロピレンオキサイド付加物等のトリオールを併
用することも可能である。
上記有機ジイソシアナートとしては、テトラメチレンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートなど
の脂肪族ジイソシアナート、m−フェニレンジイソシア
ナート、p−フェニレンジイソシアナート、2,4−トリ
レンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3−ジメト
キシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアナート、3,3′−
ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアナート、4,
4′−ジイソシアナートジフェニルエーテル、1,5−ナフ
タレンジイソシアナート、2,4−ナフタレンジイソシア
ナートなどの芳香族ジイソシアナート、1,3−ジイソシ
アナートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナー
トメチルシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアナートジ
シクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアナートな
どの脂環族ジイソシアナートなどが挙げられる。
また本発明によるポリウレタン樹脂の製造において採用
される反応方法としては、溶融状態で反応させる溶融重
合、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、トル
エン等の単独または混合溶剤などの不活性溶剤に前記記
載の原料を溶解せしめて行なう溶液重合などがあるが、
磁気記録媒体の結合剤のように溶剤に溶解し使用するこ
との多いポリウレタン樹脂の製造には、溶液重合が好ま
しく、特に、プレポリマー調製時は溶融重合し、鎖延長
反応を行う前に上記の不活性溶剤を加えて溶液重合を行
うことがより好ましい。
反応に際して、触媒として有機金属化合物、例えば、オ
クチル酸第1錫、ジブチル錫ジラウレートなどの有機錫
化合物、あるいは三級アミン、例えば、N−メチルモル
ホリン、トリエチルアミン等を添加してもよい。また生
成物の安定性を増すために、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、加水分解防止剤等を固形分に対して約5%以内の量
を添加してもよい。
さらに、上記ポリウレタン樹脂に極性基として第4級ア
ンモニウム塩を導入するものであるが、その導入方法と
しては、 (i) ポリウレタン樹脂の原料として第4級アンモニ
ウム塩含有化合物を混入しておく方法。
(ii) ポリウレタン樹脂の末端もしくは側鎖に残存す
る水酸基を第4級アンモニウム塩含有化合物により変性
する方法。
が挙げられる。
(i)の方法では、上記第4級アンモニウム塩含有化合
物は、他の原料と重合してポリウレタン樹脂のポリマー
分子鎖の一部を構成し、この結果上記ポリウレタン樹脂
に第4級アンモニウム塩が極性基として導入される。
ここで、第4級アンモニウム塩含有化合物としては、第
4級アンモニウム塩含有ジオールが挙げられる。
この第4級アンモニウム塩含有ジオールは、例えば第4
級アンモニウム塩を有しないカルボン酸成分、グリコー
ル成分及び第4級アンモニウム塩を有するジカルボン酸
成分を反応させることにより合成される。
上記第4級アンモニウム塩を有しないカルボン酸成分と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、p−
オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸
などの芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸
などの脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、プロメリ
ット酸などのトリ及びテトラカルボン酸などが挙げられ
る。
上記グリコール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物及び
プロピレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等が挙げられる。またトリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ルなどのトリ及びテトラオールを併用してもよい。
上記第4級アンモニウム塩を有するジカルボン酸成分と
しては、下記に示されるものが挙げられる。
(但しR1,R2,R3は各々炭素数1〜6までのアルキル基を
表わし、XはCl,Br又はIを表わす。) 一方、(ii)の方法は、重合反応により所定の分子量ま
で鎖延長したポリウレタン樹脂の末端あるいは側鎖に存
在するOH基に対して、第4級アンモニウム塩を有する化
合物を反応させるものである。この場合、先ず、水酸基
と第4級アンモニウム塩を有する化合物を合成し、これ
をジイソシアナート化合物と等モル反応させ、ジイソシ
アナートの一方のNCO基と上記分子中のOH基との反応物
を得て、さらにポリウレタン樹脂のOH基と反応させれ
ば、第4級アンモニウム塩が導入されたポリウレタン樹
脂が得られる。反応式を示せば次のようになる。
(ただし、式中RAは2価の炭化水素基を表し、またRB
アルキル基等の1価の炭化水素基を表す。) 具体的には i) HOCH2CH(OH)CH2N+(CH3・Cl- ii) HOCH2CH2N+(C2H5・Cl- iii) HOCH2CH2CH2CH2N+(CH3・Cl- iv) HOCH2CH2CONH(CH22N+(CH3・Cl- 等が挙げられる。
(ただし、式中RA,RCは2価の炭化水素基を表し、RB
アルキル基等の1価の炭化水素基、RPUはポリウレタン
樹脂を表す。) 本発明によるポリウレタン樹脂の極性基の導入量は、0.
01〜1.0mmol/gであることが好ましく、より好ましくは
0.1〜0.5mmol/gの範囲である。上記極性基の導入量が0.
01mmol/g未満であると強磁性粉末の分散性に充分な効果
が認められなくなる。また上記極性基の導入量が1.0mmo
l/gを超えると、分子間あるいは分子内凝集が起こりや
すくなって分散性に悪影響を及ぼすばかりか、溶媒に対
する選択性を生じ、通常の汎用溶媒が使えなくなってし
まう虞れもある。
また本発明によるポリウレタン樹脂の数平均分子量は10
000〜100000、より好ましくは10000〜60000の範囲であ
ることが好ましい数平均分子量が10000未満であると樹
脂の塗膜形成能が不充分なものとなり、また数平均分子
量が60000を超えると塗料製造上、混合、移送、塗布な
どの工程において問題を発生する虞れがある。
本発明によるポリウレタン樹脂は他の熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂あるいは反応性樹脂と組み合せて使用するこ
とができる。
上記熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150℃以下、平
均分子量が10000〜200000で重合度が約200〜20000程度
のもので、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリ
ロニトリル共重合体、熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロー
ス誘導体、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン等の合成
ゴム系の熱可塑性樹脂等が挙げられる。また熱硬化性樹
脂あるいは反応性樹脂としては例えば、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、メラミン
樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応
樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロース−
メラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアナ
ートプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体と
ジイソシアナートプレポリマーの混合物、ポリエステル
ポリオールとポリイソシアナートの混合物、尿素ホルム
アルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオー
ル/トリフェニルメタントリイソシアナートの混合物、
ポリアミン樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。こ
れらのうち、強磁性粉末に対する分散性の良好なものと
組合わせて用いることが望ましい。
上述の結合剤に強磁性粉末を分散し有機溶剤に溶解して
非磁性支持体上に塗布することにより磁性層が形成され
る。
本発明で使用される強磁性粉末としては、強磁性酸化鉄
粒子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末、六方晶系
バリウムフェライト微粒子、窒化鉄等が挙げられる。
上記強磁性酸化鉄粒子としては、一般式FeOxで表した場
合、Xの値が1.33≦X≦1.50の範囲にあるもの、即ちマ
グヘマイト(γ−Fe2O3,X=1.50)、マグネタイト(Fe3
O4,X=1.33)及びこれらの固溶体(FeOx,1.33<X<1.5
0)である。さらに、これら強磁性酸化鉄には、抗磁力
をあげる目的でコバルトを添加してもよい。コバルト含
有酸化鉄には、大別してドープ型と被着型の2種類があ
る。
上記強磁性二酸化クロムとしては、CrO2あるいはこれら
に抗磁力を向上させる目的でRu,Sn,Te,Sb,Fe,Ti,V,Mn等
の少なくとも一種を添加したものを使用できる。
強磁性合金粉末としては、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe−Ni,Fe
−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Co−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn
−Al,Fe−Co−V等が使用でき、またこれらに種々の特
性を改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,Cu,Zn等の金属成分
を添加してもよい。
さらに上記磁性層には、前記の結合剤、強磁性微粉末の
他に添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、防錆剤等が加えられてもよい。
上記分散剤(顔料湿潤剤)としては、カプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、
リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂肪
酸(R7COOH,R7は炭素数11〜17個のアルキルまたはアル
ケニル基)、前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li,Na,K
等)またはアルカリ土類金属(Mg,Ca,Ba)から成る金属
石鹸、前記の脂肪酸エステルの弗素を含有した化合物、
前記の脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアル
キルリン酸エステル、トリアルキルポリオレフィンオキ
シ第四アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オ
レフィンはエチレン、プロピレンなど)、等が使用され
る。この他に炭素数12以上の高級アルコール、及びこれ
らの他に硫酸エステル等も使用可能である。これらの分
散剤は結合剤100重量部に対して0.5〜20重量部の範囲で
添加される。
上記潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサン(アル
キルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシロキサン
(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモノア
ルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個、
アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシロキサ
ン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数
1〜5個)などのシリコンオイル、グラファイトなどの
導電性微粉末、二硫化モリブデン、二硫化タングステン
などの無機微粉末、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエ
チレンなどのプラスチック微粉末、α−オレフィン重合
物、常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフィ
ン二重結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素数約2
0)、炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12
個の一価のアルコールから成る脂肪酸エステル類、フル
オロカーボン類などが使用できる。これらの潤滑剤は結
合剤100重量部に対して0.2〜20重量部の範囲で添加され
る。
上記研磨剤としては、一般に使用される材料で溶融アル
ミナ、炭化ケイ素、酸化クロム(Cr2O3)、コランダ
ム、人造コランダム、ダイヤモンド、人造ダイヤモン
ド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄
鉱)等が使用されている。これらの研磨剤はモース硬度
が5以上であり、平均粒子径が0.05〜5μの大きさのも
のが使用され、特に好ましくは0.1〜2μである。これ
らの研磨剤は結合剤100重量部に対して0.5〜20重量部の
範囲で添加される。
上記帯電防止剤としては、カーボンブラック、カーボン
ブラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末、サポニ
ンなどの天然界面活性剤、アルキレンオキサイド系、グ
リセリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性
剤、高級アルキルアミン類、第四級アンモニウム塩類、
ピリジンその他の複素環類、ホスホニウム類などのカチ
オン界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫
酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含むアニ
オン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、ア
ミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類等の両性
活性剤などが使用される。上記の導電性微粉末は結合剤
100重量部に対して0.2〜20重量部が、界面活性剤は01〜
10重量部の範囲で添加される。これらの界面活性剤は単
独または混合して添加してもよい。これらは帯電防止剤
として用いられるものであるが、時としてその他の目
的、例えば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改良、塗布
助剤として適用される場合もある。
上記防錆剤としては、リン酸、スルファミド、グアニジ
ン、ピリジン、アミン、尿素、ジンククロメート、カル
シウムクロメート、ストロンチウムクロメートなどが使
用できるが、特にジシクロヘキシルアミンナイトライ
ト、シクロヘキシルアミンクロメート、ジイソプロピル
アミンナイトライト、ジエタノールアミンホスフェー
ト、シクロヘキシルアンモニウムカーボネート、ヘキサ
メチレンジアミンカーボネート、プロピレンジアミンス
テアレート、グアニジンカーボネート、トリエタノール
アミンナイトライト、モルフォリンステアレートなどの
気化性防錆剤(アミン、アミドまたはイミドの無機酸塩
または有機酸塩)を使用すると防錆効果が向上する。こ
れらの防錆剤は強磁性微粉末100重量部に対して0.01〜2
0重量部の範囲で使用される。
また磁性層の構成材料は有機溶剤に溶かして磁性塗料を
調製し、これを非磁性支持体上に塗布するが、その磁性
塗料の溶剤としてはアセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビチル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチ
ルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキ
サン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素炭
化水素等が挙げられる。また非磁性支持体の素材として
はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセ
テート、セルロースダイアセテート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート
等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド等のプラスチックの他に用途に応
じてアルミニウム、銅、スズ、亜鉛またはこれらを含む
非磁性合金などの非磁性金属類、ガラス、陶器、磁器な
どのセラミック類、紙、バライタまたはポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−ブテン共重合体などの炭素
数2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布またはラミネー
トした紙などの紙類も使用できる。又非磁性支持体の形
態はフィルム、テープ、シート、ディスク、カード、ド
ラム等いずれでも良い。
〔作 用〕
前述のように、分子中に第4級アンモニウム塩を含有す
るポリウレタン樹脂を結合剤とすることにより、磁性粉
末に対する親和性が大幅に向上し、超微粒子化された磁
性粉末や磁化量の大きい磁性粉末であっても良好に分散
される。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本
発明がこれら実施例に限定されるものではない。
樹脂合成例 本発明によるポリウレタン樹脂を本明細書に記載した方
法により合成した。第1表に合成した樹脂の特性を示
す。
実施例1 Co被着γ−Fe2O3 100 重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体(U.C.C.社製VAGH)
10 〃 ポリウレタン樹脂(樹脂A) 15 〃 分散剤(レシチン) 0.5 〃 潤滑剤(シリコンオイル) 1 〃 研磨剤(Cr2O3) 2 〃 メチルエチルケトン 100 〃 メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃 上記組成物をボールミルにて48時間混合し、3μフィル
タでろ過した後、硬化剤(バイエル社製、デスモジュー
ルL)2.5重量部添加し、さらに30分間混合し、これを1
6μ厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥
後の厚みが6μとなるように塗布し、磁場配向処理を行
った後、乾燥して巻き取った。これをカレンダー処理し
た後、1/2インチ幅に裁断しサンプルテープを作成し
た。
実施例2 実施例1の組成物中、ポリウレタン樹脂(樹脂A)のか
わりにポリウレタン樹脂(樹脂B)を用い、実施例1と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
実施例3 実施例1の組成物中、ポリウレタン樹脂(樹脂A)のか
わりにポリウレタン樹脂(樹脂C)を用い、実施例1と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
実施例4 実施例1の組成物中、ポリウレタン樹脂(樹脂A)のか
わりにポリウレタン樹脂(樹脂D)を用い、実施例1と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
実施例5 実施例1の組成物中、ポリウレタン樹脂(樹脂A)のか
わりにポリウレタン樹脂(樹脂E)を用い、実施例1と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
実施例6 実施例1の組成物中、ポリウレタン樹脂(樹脂A)のか
わりにポリウレタン樹脂(樹脂F)を用い、実施例1と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
比較例1 実施例1の組成物中、ポリウレタン樹脂(樹脂A)のか
わりにポリウレタン樹脂(樹脂G)を用い、実施例1と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
比較例2 実施例1の組成物中、ポリウレタン樹脂(樹脂A)のか
わりにポリウレタン樹脂(樹脂H)を用い、実施例1と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
比較例3 実施例1の組成物中、ポリウレタン樹脂(樹脂A)の代
わりに下記のポリウレタン樹脂(樹脂J)を用い、実施
例1と同様な方法によってサンプルテープを作成した。
樹脂J:数平均分子量 22000 極性基の種類 −SO3Na 極性基濃度 0.1mモル/g 以上のサンプルテープの表面光沢、粉落ち量、摩耗量、
スチル特性の測定結果を第2表に示す。
尚、表面光沢は、光沢計を用いて入射角75゜、反射角75
゜における反射率を測定した。
粉落ち量は60分シャトル100回走行後のヘッドドラム、
ガイド等への粉落ち量を目視にて観察し、最高を0点、
最低を−5点として評価した。
摩耗量は、サンドペーパーとサンプルテープとを50gの
加重のもとに20回走行させ、サンプルテープの重量減少
量を測定した。
スチル特性は、サンプルテープに4.2MHzの映像信号を記
録し、再生出力が50%に減衰するまでの時間を測定し
た。
第2表の結果からも明らかなように、第4級アンモニウ
ム塩を含有するポリウレタン樹脂を磁性層の結合剤に用
いることにより、磁気記録媒体の耐久性、強磁性粉末の
分散性等が大幅に改善される。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明においては、
分子中に極性基として第4級アンモニウム塩を有するポ
リウレタン樹脂を磁性層の結合剤としているので、磁性
粉末に対して高い親和性を示し、たとえ超微粒子化した
磁性粉末や磁化量の大きい磁性粉末であっても分散性が
良好なものとなる。したがって、得られる磁気記録媒体
の耐久性、表面性が向上し、電磁変換特性も極めて優れ
たものとなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを
    主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
    て、上記磁性層が分子中に極性基として第4級アンモニ
    ウム塩を含有するポリウレタン樹脂を結合剤として含有
    することを特徴とする磁気記録媒体。
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