JPH07193410A - バラクタダイオード装荷型共振器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電体同軸共振器とその周辺回路の実装にお
いて、小型でしかも他の基板に簡単に面実装できるバラ
クタダイオード装荷型共振器を提供する。 【構成】 表面に外電極２を有し、上面３には一端を外
電極２と接続したマイクロストリップライン４を有する
誘電体板１と、マイクロストリップライン４上に形成し
た厚膜誘電体５と、厚膜誘電体５上に形成され厚膜誘電
体５を介してマイクロストリップライン４と容量結合す
るようにした電極部６，７，８と、電極部６，７上に設
けたバラクタダイオード９と、バラクタダイオード９が
実装できる角穴１７を設けた導体１２とを備えて構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィルターや発振器な
どに用いられるバラクタダイオード装荷型共振器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、通信機器の小型化に伴い誘電体共
振器を用いたフィルターや発振器は小型化される傾向に
ある。また、量産効率を上げるために面実装化が進んで
いる。

【０００３】以下に図面を参照しながら上記した共振器
及びその周辺回路の一例について説明する。

【０００４】図４は従来の共振器及びその周辺回路を含
んだバラクタダイオード装荷型共振器の分解斜視図であ
る。図４（ａ）において、５８は一端を終端した１／４
λ型の誘電体同軸共振器（以下誘電体共振器と略す）
で、表面に外電極５９と誘電体共振器５８の貫通の穴に
内電極６０を設けている。６１は誘電体共振器５８の外
電極５９を終端した開放端面であり、開放端面６１側に
は内電極６０と誘電体共振器５８のマザー（母材）とな
るプリント基板６３上に形成した信号ランド６４とを電
気的に接続するための信号端子６２を有している。誘電
体共振器５８はプリント基板６３上に上記のように電気
的に接続し、かつ構成電気部品であるコンデンサ６５，
６６及び６７とバラクタダイオード６８とをはんだ付け
などで電気的に接続して回路を構成している。また、プ
リント基板６３には入出力用の接続端子６９及び７０や
アース端子７１，７２が設けられ外部のプリント基板な
どと電気的に接続可能な構造となっている。図４（ｂ）
は同図（ａ）の電気的な等価回路を示し７３は誘電体共
振器、７４，７５及び７６はコンデンサ、７７はバラク
タダイオードを示す。また７８と７９は入力端子と出力
端子を示す。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、プリント基板６３上には誘電体同軸共振
器が実装されその部分には他に何も実装できず大きな実
装面積を必要とすることになり、小型化できないという
問題点を有していた。

【０００６】本発明は上記問題点に鑑み、誘電体同軸共
振器とその周辺回路の実装において、小型化でしかも他
の基板に実装するときでも簡単に面実装できるバラクタ
ダイオード装荷型共振器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のバラクタダイオード装荷型共振器は、一端を
終端した誘電体共振器の開放端面に開放端面の電極を設
け、その上面にガラスペーストを印刷、焼成して厚膜誘
電体を形成し、その厚膜誘電体上に電極部を形成し厚膜
誘電体を介して電極部と開放端面の電極との間に容量結
合をもたせ、かつ前記電極部にバラクタダイオードを装
荷して外部接続用電極を有する導体の角穴に前記バラク
タダイオードを実装する構成にしたものである。

【０００８】

【作用】本発明は上記した構成により、共振器及びその
周辺回路をモジュールとして取り込むことができ、しか
も簡単に面実装が可能になる。したがってフィルターや
発振器などの小型化を図ることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例であるバラクタダイオ
ード装荷型共振器について、図面を参照しながら説明す
る。

【００１０】図１は本発明の第１の実施例のバラクタダ
イオード装荷型共振器の分解斜視図である。図におい
て、１は誘電体板でその側面及び底面には外電極２が形
成されている。また、誘電体板１の上面３には一端を外
電極２と電気的に接続し他端を電気的に終端したマイク
ロストリップライン４がある。５は厚膜誘電体による絶
縁部分であり、ガラスペーストのようなものをマイクロ
ストリップライン４上に印刷することにより構成され
る。６，７及び８は絶縁部分５上に形成した電極部で絶
縁部分５を介してマイクロストリップライン４との間に
容量結合させるようにしている。電極部６はマイクロス
トリップライン４の開放端からアースとの結合容量を構
成し、前述した図４（ｂ）の電気的等価回路においてコ
ンデンサ７４に相当するものになっている。電極部７は
マイクロストリップライン４の開放端とバラクタダイオ
ード９のアノードとの結合容量を構成し、図４（ｂ）の
電気的等価回路のコンデンサ７５に相当するものになっ
ている。電極部８はマイクロストリップライン４の開放
端と出力との結合容量を構成し、図４（ｂ）の電気的等
価回路のコンデンサ７６に相当するものになっている。
また、電極部６はバラクタダイオード９のチップのカソ
ード側とはんだなどで電極部７とできるだけ接近させて
ダイボンド（接合）されていてアノード側は電極部７と
ワイヤー１０を用いてボンディング（接続）されてい
る。そしてワイヤー１０を用いてボンディング、すなわ
ちワイヤーボンドされているバラクタダイオードはポッ
ティング材１１を用いて保護している。１２は外部のプ
リント基板などと接続を可能にするための導体で電極部
７，８と電気的に接続している入出力端子１３，１４と
アース端子１５，１６とバラクタダイオード９の実装を
するための角穴１７とを有している。

【００１１】以上のように第１の実施例によれば、共振
器とその周辺回路がモジュール化されコンパクトになっ
たバラクタダイオード装荷型共振器を構成することがで
きる。

【００１２】次に、本発明の第２の実施例について図面
を参照しながら説明する。図２は第２の実施例のバラク
タダイオード装荷型共振器の分解斜視図である。図にお
いて、１８は誘電体同軸共振器で上面を除いた表面に外
電極１９を有し、誘電体同軸共振器１８の上下を貫通し
た貫通穴には内電極２０を設けている。誘電体同軸共振
器１８上面の開放端面２１には内電極２０と電気的に接
続されている開放端面の電極２２と、外電極１９と電気
的に接続されている端面電極２３とが設けられている。
２４は厚膜誘電体による絶縁部分でガラスペーストのよ
うなものを開放端面２１の電極２２の上に印刷すること
により構成できる。２５，２６及び２７は絶縁部分２４
を介して形成された電極部で開放端面の電極２２との間
に容量結合させている。電極部２５は端面電極２３と電
気的に接続することによって開放端面の電極２２とアー
スとの結合容量を構成し、前述の図４（ｂ）の電気的等
価回路においてコンデンサ７４に相当するものになって
いる。電極部２６は開放端面の電極２２とバラクタダイ
オード２８のアノードとの結合容量を構成し、図４
（ｂ）の電気的等価回路のコンデンサ７５に相当するも
のになっている。電極部２７は開放端面の電極２２と出
力との結合容量を構成し、図４（ｂ）の電気的等価回路
のコンデンサ７６に相当するものになっている。また、
電極部２６はバラクタダイオード２８のチップのカソー
ド側とはんだなどで電極部２５とできるだけ接近させて
ダイボンドされていて、アノード側は電極部２５とワイ
ヤー２９を用いてボンディングされており、さらにバラ
クタダイオード２８はポッティング材３０で保護されて
いる。３１は外部のプリント基板などと接続を可能にす
るための導体で、電極部２６，２７と電気的に接続され
ている入出力端子３２，３３とアース端子３４，３５と
を有している。また、３６は容量となる電極部２５，２
６，２７やバラクタダイオード２８をシールドするため
のシールド板である。

【００１３】以上のように第２の実施例によれば、共振
器とその周辺回路がモジュール化され前述同様コンパク
ト化したバラクタダイオード装荷型共振器を構成するこ
とができる。

【００１４】次に、本発明の第３の実施例について図面
を参照しながら説明する。図３は第３の実施例のバラク
タダイオード装荷型共振器の分解斜視図である。図にお
いて、３７は誘電体同軸共振器で外表面に外電極３８を
有し、誘電体同軸共振器３７の開放端面４０側に貫通穴
を設けてこの穴に内電極３９を形成している。誘電体同
軸共振器３７の開放端面４０には内電極３９と電気的に
接続されている電極４１が設けられている。また誘電体
同軸共振器３７の上面４２には外電極３８が省かれてい
て開放端面４０の電極４１より電気的に接続されたマイ
クロストリップライン４３と外電極３８と電気的に接続
されたランド４４が形成されている。４５は厚膜誘電体
による絶縁部分でガラスペーストのようなものをマイク
ロストリップライン４３の上に印刷することにより構成
できる。４６，４７及び４８は絶縁部分４５を介して形
成した電極部でマイクロストリップライン４３との間に
容量結合させている。電極部４６はランド４４と電気的
に接続されていてマイクロストリップライン４３の開放
端からアースとの結合容量を構成し、前述の図４（ｂ）
の電気的等価回路においてコンデンサ７４に相当するも
のになっている。電極部４７はマイクロストリップライ
ン４３の開放端とバラクタダイオード４９のアノードと
の結合容量を構成し、図４（ｂ）の電気的等価回路のコ
ンデンサ７５に相当するものになっている。電極部４８
はマイクロストリップライン４３の開放端と出力との結
合容量を構成し、図４（ｂ）の電気的等価回路のコンデ
ンサ７６に相当するものになっている。また、電極部４
６はバラクタダイオード４９のチップのカソード側とは
んだなどで電極部４７にできるだけ接近させてダイボン
ドされていて、アノード側は電極部４７とワイヤー５０
を用いてボンディングされ、さらにバラクタダイオード
４９はポッティング材５１で保護されている。５２は外
部のプリント基板などと接続を可能にするための導体で
あり、導体５２には、電極部４７，４８と電気的に接続
されている入出力端子５３，５４及び電極部４６と電気
的に接続されているアース端子５５，５６と、バラクタ
ダイオード４９を実装をするために設けられた角穴５７
とを有している。

【００１５】以上のように第３の実施例によれば、共振
器とその周辺回路が前述同様モジュール化され小型のバ
ラクタダイオード装荷型共振器を構成することができ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
バラクタダイオード装荷型共振器によれば、共振器の開
放端面にガラスペーストを印刷しさらにその上に電極部
を設けることによって結合容量やチップの実装を可能と
し、それにより非常に小さい共振器を必要とするモジュ
ールを効率よく構成できる。また同時に外部接続用の導
体を備えることにより面実装の可能なモジュールを構成
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例のバラクタダイオード装
荷型共振器の分解斜視図

【図２】同第２の実施例のバラクタダイオード装荷型共
振器の分解斜視図

【図３】同第３の実施例のバラクタダイオード装荷型共
振器の分解斜視図

【図４】（ａ）従来のバラクタダイオード装荷型共振器
の分解斜視図 （ｂ）同（ａ）の電気的な等価回路図

【符号の説明】

１ 誘電体板 ２，１９，３８ 外電極 ３，４２ 上面 ４，４３ マイクロストリップライン ５，２４，４５ 絶縁部分（厚膜誘電体） ６，７，８，２５，２６，２７，４６，４７，４８ 電
極部 ９，２８，４９ バラクタダイオード １１，３０，５１ ポッティング材 １２，３１，５２ 導体 １７，５７ 角穴

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面及び各側面に電気的に接続した外電
   極を有し、上面には一端を前記外電極と接続し他端を終
   端してなるマイクロストリップラインを有した誘電体板
   と、前記マイクロストリップライン上にガラスペースト
   を印刷することにより形成した厚膜誘電体と、前記厚膜
   誘電体上に形成されこの厚膜誘電体を介して前記マイク
   ロストリップラインとの間で容量結合するようにした電
   極部と、この電極部に装荷されるバラクタダイオード
   と、このバラクタダイオードを封止するためのポッティ
   ング材と、前記電極部よりはんだなどで接続した外部接
   続用電極を有しかつ前記バラクタダイオードの実装でき
   る角穴を有した導体とを備えたことを特徴とするバラク
   タダイオード装荷型共振器。
2. 【請求項２】 一端面に外電極を除いて開放端面を形成
   した誘電体同軸共振器と、その開放端面に開放端面の電
   極を形成しかつこの上面にガラスペーストを印刷するこ
   とにより形成した厚膜誘電体と、前記厚膜誘電体上に形
   成されこの厚膜誘電体を介して前記開放端面の電極との
   間で容量結合するようにした電極部と、この電極部に装
   荷されるバラクタダイオードと、このバラクタダイオー
   ドを封止するためのポッティング材と、前記電極部より
   はんだなどで接続した外部接続用電極を有した導体と、
   前記開放端面の電極及びバラクタダイオードをシールド
   するための金属板とを備えたことを特徴とするバラクタ
   ダイオード装荷型共振器。
3. 【請求項３】 一端面に外電極を除いて開放端面を形成
   した誘電体同軸共振器と、前記開放端面に形成した開放
   端面の電極と、前記誘電体同軸共振器の表面で前記開放
   端面と隣接する一面に前記開放端面の電極と接続しかつ
   前記外電極とは離して形成したマイクロストリップライ
   ンと、このマイクロストリップラインを有する一面上に
   ガラスペーストを印刷することにより形成した厚膜誘電
   体と、この厚膜誘電体上に形成され厚膜誘電体を介して
   前記マイクロストリップラインとの間で容量結合するよ
   うにした電極部と、この電極部に装荷されるバラクタダ
   イオードと、このバラクタダイオードを封止するための
   ポッティング材と、前記電極部よりはんだなどで接続し
   た外部接続用電極を有しかつ前記バラクタダイオードが
   実装できる角穴を有した導体とを備えたことを特徴とす
   るバラクタダイオード装荷型共振器。