JPH07192850A - 透明面状ヒーターの製造方法 - Google Patents

透明面状ヒーターの製造方法

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JPH07192850A
JPH07192850A JP33199293A JP33199293A JPH07192850A JP H07192850 A JPH07192850 A JP H07192850A JP 33199293 A JP33199293 A JP 33199293A JP 33199293 A JP33199293 A JP 33199293A JP H07192850 A JPH07192850 A JP H07192850A
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layer
transparent
metal
metal electrode
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Atsushi Oka
敦 岡
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明基板の一主面上に透明導電性薄膜が形
成された積層体において、後に金属電極を形成すべき面
以外の透明導電性薄膜上に硬化型レジストインキを塗
布、硬化し、さらに硬化型レジストインキ層を含む当該
積層体上を好ましくはプラズマ接触処理した後に金属薄
膜層を形成し、硬化型レジストインキ層、並びに該硬化
型レジストインキ層上に形成された金属薄膜層を化学エ
ッチングにより除去することにより透明領域を形成し、
金属電極を形成せしめる透明面状ヒーターの製造方法。 【効果】 酸性メッキ溶液中でのメッキ工程等を経
ず、また、金属電極層との密着性を向上させるための金
属接着層を用いることなしに、透明導電性薄膜との密着
性に優れた金属電極層が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子や冷凍、
冷蔵ショーケースなどの窓部分に用いられる透明面状ヒ
ーターの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍、冷蔵ショーケースは、ガラ
ス表面の結露防止の為に、ガラス表面に透明導電性薄膜
を形成し、これに所定の電力を印加し、窓面を加熱して
いたものが用いられていた。また、近年、液晶表示素子
の需要が大きくなっており、寒冷地での使用の場合、液
晶の動作が遅くなる等の問題があり、液晶表示素子にも
温度制御用の透明面状ヒーターの必要性が高まってき
た。透明面状ヒーターの形成方法としては、ガラスやプ
ラスチックフィルム等の透明基板上に形成された透明導
電性薄膜上に、銀ペースト等の導電性塗料により電極を
形成したものや、電極としての信頼性向上の為、金属箔
を導電性塗料でサンドイッチしたものが用いられてい
た。導電性塗料で形成した電極は、塗料自身の抵抗が大
きい事や、形成された電極と透明導電性薄膜との間の接
触抵抗が高くなり易く、透明面状ヒーターの大型化にと
もない電気の通電ムラが生じ、その為に透明面状ヒータ
ーに温度ムラが生じ易い。透明面全体が昇温しないとい
う問題や電極接点近傍部分に電流集中が起こって透明面
状ヒーターにヤケが起こる等の問題があった。また、こ
れの改善法として導電性塗料の間に銅箔を挿入して積層
し電極としたものがあるが、この電極形成方法を用いる
ことにより、通電ムラの発生は少なくなるが、電極を形
成するための製作工程が複雑となり、かつ作業性が悪く
製品のコストアップにつながっていた。
【0003】本発明者らは、透明面状ヒーターの金属電
極形成方法について種々の検討を行っており、透明面状
ヒーター上に金属電極をメッキ法で形成することを試
み、その場合、リソグラフィー技術を用いる回路パター
ン形成工程や形成パターン上に金属層を積層するメッキ
工程等において、すなわち、酸性溶液中への浸漬処理工
程、酸性メッキ液中での金属電極層形成工程で、酸化イ
ンジウム等の酸化物薄膜が酸性溶液により溶解し、透明
導電性薄膜の表面抵抗が変化する等の問題があることも
見出した。
【0004】従来から知られている透明導電性薄膜とし
ては (1)金、パラジュウム、銀、銅等の金属薄膜 (2)酸化インジウム、酸化スズ等の化合物半導体 (3)金、銀、パラジュム等の金属薄膜を酸化チタン、
酸化インジウム、酸化ジルコニウム等の酸化物薄膜で挟
み込んだものが挙げられる。前記(1)は、十分な可視
光線透過率と導電性の両方満足する優れたものは得られ
ない。
【0005】前記(2)の化合物半導体は、例えば真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等
の真空中における薄膜形成法や、ゾルゲル法等の薄膜形
成方法により形成することが出来るが、酸化インジウム
等の薄膜で、表面抵抗の小さな透明導電性薄膜を得る為
には、通常数百nm程度の膜厚が必要となり、その結
果、膜の製造コストが高くなる。
【0006】前記(3)の金属薄膜層を酸化物薄膜層で
挟み込んだ積層体の代表的な構成としては、酸化チタン
/銀/酸化チタンや酸化インジウム/銀/酸化インジウ
ム等のサンドイッチ構造の積層体が用いられていた。金
属薄膜層として銀薄膜あるいは銀と金とからなる薄膜を
用いたものは、可視光線領域での透明性及び導電性にお
いても優れており、好ましいものとして用いられてい
た。しかしながら、前述のように、透明面状ヒーターと
して金属薄膜を酸化物薄膜層で挟み込んだ積層体を用い
た場合、透明面状ヒーターの金属電極形成行程、すなわ
ち回路パターン形成工程や形成パターン上に金属層を積
層する電解メッキ工程等において、すなわち酸性溶液に
よる浸漬処理工程、または酸性メッキ液中での金属電極
層形成工程で酸化インジウム等の酸化物薄膜が溶解す
る、透明導電性薄膜の表面抵抗が変化する等の問題があ
ることを見いだした。
【0007】また、我々は、このような問題を解決すべ
く透明高屈折率薄膜層を窒化珪素、窒化アルミ等の窒化
物薄膜層を試みることにより回路パターン形成工程、並
びに金属層を形成する電解メッキ行程等における酸化物
薄膜の溶解と言う問題は一部解決されたものの、透明ヒ
ーター用フィルムとしての材料としては、未だ満足され
る性能ではなく実用化の足かせになっていた。すなわ
ち、透明高屈折率薄膜層と電解メッキにより形成された
金属薄膜層との密着力が低いという問題があり、電解メ
ッキにより形成された金属電極層の密着力を向上させる
ためには、我々の検討によると、数nm〜数十nmの金
族接着層、例えば銅、ニッケル、パラジュウム、クロ
ム、金、銀、亜鉛、錫、鉛等の金属もしくは合金の金属
接着層を必要とした。そのために製作工程が複雑とな
り、かつ作業性が悪く製品のコストアップにつながって
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明導電性
薄膜上への電極形成方法を改善し、透明導電性薄膜と金
属電極との密着力、並びに透明面状ヒーター製造の生産
性を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明面状ヒー
ターの金属電極形成行程、すなわち回路パターン形成工
程や形成パターン上に金属薄膜層を積層する工程等にお
いて、酸性溶液による浸漬処理、または酸性メッキ液中
での金属電極形成行程等を経ず、密着性に優れた金属電
極層を形成する透明面状ヒーターの製造方法である。
【0010】すなわち、本発明は、透明基板の一主面上
に透明導電性薄膜が形成された積層体において、後に金
属電極を形成すべき面以外の透明導電性薄膜上に硬化型
レジストインキを塗布、硬化し、さらに硬化型レジスト
インキ層を含む当該積層体上をプラズマ接触処理した後
に金属薄膜層を形成し、硬化型レジストインキ層、並び
に該硬化型レジストインキ層上に形成された金属薄膜層
を化学エッチングにより除去することにより透明領域を
形成し、金属電極を形成せしめる透明面状ヒーターの製
造方法である。
【0011】以下、図面を参照しつつ本発明の好まし
い、実施の一例を説明する。まず、添付図面について説
明する、図1から図4は、本発明の好ましい一例を示す
透明面状ヒーターの製造方法の行程である。ここで、1
0は透明基板、20は透明導電性薄膜層、30は硬化型
レジストインキ、40は金属薄膜層である。
【0012】本発明を具体的に説明するに、本発明は、
図1に示すように、透明基板10の一主面上に透明導電
性薄膜20を形成する。さらに、図2に示すように当該
透明導電性薄膜20上の後に金属電極を形成すべき面以
外の面上に硬化型レジストインキ層30を塗布、硬化し
た後、図3に示すように硬化型レジストインキ層30を
含む当該積層体上をプラズマ接触処理し金属薄膜層40
を形成する。さらに、図4に示すように硬化型レジスト
インキ層30、並びに該硬化型レジストインキ層30上
に形成された金属薄膜層40を化学エッチングにより除
去することにより透明領域を形成すると共に金属電極を
形成せしめる透明面上ヒーターである。これにより、透
明面状ヒーターの金属電極形成行程、すなわち回路パタ
ーン形成工程や形成パターン上に金属薄膜層を積層する
工程等において、酸性溶液による浸漬処理、または酸性
メッキ液中での金属電極形成行程等を経ず、また、金属
電極層との密着性を向上させるための金属接着層を用い
ることなしに、透明導電性薄膜との密着性に優れた金属
電極層を形成することが可能となるのである。
【0013】本発明の透明基板10としては、400n
m〜800nmの可視光線領域において光線透過率が8
0%以上、より好ましくは85%以上の基板であって、
ガラスの他、透明な高分子材料すなわちプラスチック等
を用いることが出来る。薄さ、可撓性、耐衝撃性、連続
生産性等の面からプラスチックフィルムが好ましく用い
られる。
【0014】本発明において用いられるプラスチックフ
ィルムを例示するならば、ポリエチレンテレフタレ−ト
(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)等の
ポリエステル、ポリアミド、ポリエ−テル、ポリスルフ
ォン、ポリエ−テルスルフォン(PES)、ポリカ−ボ
ネ−ト、ポリアリレ−ト、ポリエ−テルイミド、ポリエ
−テルエ−テルケトン(PEEK)、ポリイミド、アラ
ミドなどのホモポリマ−またはコポリマ−からなる透明
フィルム基材が挙げられる。本発明に用いられる透明フ
ィルム基材の厚みは、通常5μm〜500μm、好まし
くは10μm〜200μmであり、さらに好ましくは5
0μm〜150μmが適当である。
【0015】本発明に用いられる透明導電性薄膜20
は、片面或いは両面を透明高屈折率薄膜層により積層さ
れた金属薄膜層から成る積層体である。具体的には、4
00nm〜800nmの可視光線領域において少なくと
もその光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上
であり、かつ、屈折率が1.6以上の酸化物薄膜、また
は窒化物薄膜のいずれかにより積層された金属の薄膜層
からなる。金属薄膜層としては電気伝導性に優れた金属
が好ましく用いられ、具体的には、銀、銀−金合金、銀
−白金合金、銀−銅合金、銀−パラジュウム合金等が好
適に用いられる。この金属薄膜層の厚さは、電気伝導性
を保ちつつ透明性が得られる範囲で決定され、具体的に
は、5から30nmの範囲が好ましく、より好ましく
は、7〜20nmである。
【0016】透明導電性薄膜20を構成するところの透
明高屈折率薄膜層、ならびに金属薄膜層の作製方法は真
空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法、CVD法等乾式の形成方法はもちろん、浸漬法、ス
プレー法、塗布法等の湿式の薄膜形成方法も利用するこ
とができる。薄膜の接着性や薄膜の膜厚の制御性に優れ
たスパッタリング法が特に用いるに好ましい方法であ
る。スパッタリングの方法において、特に限定される条
件はない。形成すべき薄膜に対応させて適宜ターゲット
を選択して用いることは当業者の理解するところであ
る。また、スパッタリングの方式にも限定される条件は
なく、DCマグネトロンスパッタリング、高周波マグネ
トロンスパッタリング、イオンビームスパッタリング等
の方式が有効に用いられる。
【0017】また、透明基板10上に透明導電性薄膜層
20を形成するときには、透明基材10の前処理とし
て、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線照射処
理、逆スパッタ処理、プラズマジェット処理、イオンビ
ーム処理、機械的表面粗面化処理等の物理的処理技術並
びに、薬品処理、溶剤処理、カップリング剤処理、プラ
イマー処理、電気化学的処理、表面グラフト化処理、等
の化学的処理処理技術を行うことや、公知のアンダーコ
ートを施したりすることは適宜行うことができる。本発
明に用いられる硬化型レジストインキ層30は、熱乾燥
型レジスト、UV硬化型レジスト、電子線硬化型レジス
ト、ドライフィルム、液状レジスト等の耐酸性樹脂を用
いることができる。硬化型レジストインキ層30の塗布
方法において、特に限定される条件はなくスクリーン印
刷法、写真法等の方式が有効に用いられる。本発明に用
いられる硬化型レジストインキ層30の厚みとしては、
特に限定される条件はない 本発明における金属薄膜層40は電気的特性や耐久性に
優れた金属が好ましく用いられ、具体的には、銅、ニッ
ケル、パラジュウム、クロム、金、銀、亜鉛、錫、鉛等
の単金属もしくは合金の単層もしくは積層体からなるこ
とが好ましい。金属薄膜層40の作製方法は真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CV
D法等の乾式の形成方法を用い作製することができる。
薄膜の接着性や薄膜の膜厚の制御性に優れたスパッタリ
ング法が特に用いるのに好ましい方法である。スパッタ
リングの方法において、特に限定される条件はない。形
成すべき薄膜に対応させて適宜ターゲットを選択して用
いることは当業者の理解するところである。スパッタリ
ングの方式にも限定される条件はなく、DCマグネトロ
ンスパッタリング、高周波マグネトロンスパッタリン
グ、イオンビームスパッタリング等の方式が有効に用い
られる。
【0018】金属薄膜層40を硬化型レジストインキ層
30を含む当該透明導電性薄膜層20上に形成する際
に、所望により行うプラズマ接触処理方法とは、コロナ
放電処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、プラズマ
ジェット処理、イオンビーム処理、プラズマ重合処理等
の物理的処理技術のことである。これにより、金属薄膜
層と透明導電性薄膜層との密着性をより向上させること
ができる。ここで言うコロナ放電処理、グロー放電処
理、逆スパッタ処理等、プラズマ接触処理において特に
制限される条件はなく、透明高屈折率薄膜層とその上に
積層すべき金属薄膜層30に応じ、適宣使用するガスの
種類、周波数、処理時間、電流密度、放電時圧力等の条
件を選択し処理する必要がある。
【0019】すなわち、これらプラズマ接触処理におい
ては、アルゴン、ヘリウム、酸素、水素、空気、二酸化
炭素、窒素、アンモニア、テトラフルオロメタン、亜酸
化窒素等のガスを適宣選択し用いる。また、通常数秒か
ら数分間の処理時間でその効果を十分に発揮する。
【0020】また、周波数としては低周波型放電(数百
KHz)以下の平行平板電極を用いた容量結合、数百K
Hzからマイクロ波(数GHz)までの容量結合または
誘導結合のいずれによっても電力の供給を行うことがで
きる。
【0021】通常、放電時圧力、放電電流密度は、コロ
ナ放電処理においては大気圧付近、低電流密度で放電処
理し、グロー放電処理においては10-3から10Tor
rの圧力範囲で0.1mA/cm 2〜数mA/cm 2
電流密度で行うことが好ましい。
【0022】また、ここで言う逆スパッタ処理とは処理
する基材をカソード側に配置し基材表面をスパッタリン
グすることを意味する。逆スパッタ処理において特に制
限される条件はなく、透明高屈折率薄膜層とその上に積
層すべき金属薄膜層に応じ、適宣使用するガスの種類、
周波数、処理時間、電流密度、放電時圧力等の条件を選
択し処理する必要がある。すなわち、逆スパッタ処理に
おいては、アルゴン、ヘリウム、酸素、水素、空気、二
酸化炭素、窒素、アンモニア、テトラフルオロメタン、
亜酸化窒素等のガスを適宣選択し用いる。また、通常数
秒から数分間の処理時間でその効果を十分に発揮する。
また、周波数としては低周波型放電(数百KHz)以下
の平行平板電極を用いた容量結合、数百KHzからマイ
クロ波までの容量結合または誘導結合のいずれによって
も電力の供給を行うことができる。
【0023】このようにして、透明高屈折率薄膜層20
上に、好ましくは、プラズマ接触処理を施し、後に入力
用電極となる金属電極層40を真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、スパッタリング法、CVD法等の乾式の
形成方法を用い作製することにより、酸性メッキ溶液中
での金属電極層形成等のメッキ工程等を経ず、また、金
属電極層との密着性を向上させるための金属接着層を用
いることなしに透明導電性薄膜20との密着性に優れた
金属薄膜層40を形成することが可能となり、また作業
効率と信頼性を格段に高めた透明面状ヒーターの製造方
法が提供されるのである。
【0024】また、硬化型レジストインキ層30、並び
に該硬化型レジストインキ層30上に形成された金属薄
膜層40を除去する方法は、特に限定される条件はな
く、1〜3%の希アルカリ、有機溶剤等による化学エッ
チングによる除去方法を用いることができる。
【0025】なお、本発明の好ましい形態の例として図
1〜4に、断面図の例を示したが、これらは、各薄膜層
を形成、除去した順に従って列記し、表記したのであっ
て、最終的に化学反応等によって各層の界面に別の化合
物、ひろくは、介在物や析出物等が生成されてもよく、
あるいは、ある層が別の化合物に転化してもよく、ま
た、それが好ましい形態の場合もあることは当然のこと
である。以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0026】
【実施例】
実施例1 可視光光線透過率89%の100μm厚みのPET上に
DCマグネトロンスパッタリング法により窒化珪素(4
0nm)、チタン(1nm)、銀(12nm)、チタン
(1nm)、窒化珪素(40nm)の順に順次積層し透
明導電性フィルムを形成した。後に125mm(長さ)
×4mm(幅)の大きさで、両金属電極の距離が90m
mの電極が形成される部分以外にUV硬化型レジスト樹
脂を塗布硬化し、保護層を形成した。この表面上を真空
度3×10-2Torrの容器内にて、放電電流密度1.
0mA/cm 2のArガスによるグロー放電処理を30
秒間行った後、銅(250nm)を積層し薄膜積層体を
形成した。UV硬化型レジスト樹脂、並びに該UV硬化
型レジスト樹脂層上の銅を3%水酸化ナトリウム水溶液
に1分間浸漬しUV硬化型レジスト樹脂、並びに該樹脂
上の銅を除去し、金属電極のコネクター部分を残して2
5μm厚みのPETフィルムを金属電極及び透明領域部
分に積層し透明な保護層とした。形成された積層体の銅
の密着強度は0.47kg/cmであった。形成された
透明面状ヒーターの両金属電極間の抵抗は4.3Ωであ
った。この透明面状ヒーターを−20℃の恒温槽内で1
3V、3.3Aの電力を投入したところ1分間で23℃
まで表面温度が上昇した。
【0027】実施例2 可視光線透過率88%の50μm厚みのPESの一主面
にDCマグネトロンスパッタリングにより窒化珪素(4
0nm)、チタン(1nm)、銀−金合金層(12n
m)、チタン(1nm)、窒化珪素(40nm)の順に
順次積層し透明導電性フィルムを形成した。なお、金−
銀合金層は、組成が銀−3wt%金合金のターゲットを
用いて成膜した。この積層体上に、後に35mm(長
さ)×4mm(幅)の大きさで、両金属電極の距離が9
0mmの電極が形成される部分以外に熱硬化型レジスト
樹脂を塗布硬化し、保護層を形成した。この表面上を真
空度3×10-2Torrの容器内にて、Rfパワー20
0W、Arガスによる高周波逆スパッタ処理を30秒間
行った後、銅−ニッケル合金(250nm)を順次積層
した。銅−ニッケル合金層は、組成が銅−40wt%ニ
ッケルを用いて成膜した。熱硬化型レジスト樹脂、並び
に該熱硬化型レジスト樹脂層上の銅−ニッケル合金層を
3%水酸化ナトリウム水溶液に1分間浸漬し熱硬化型レ
ジスト樹脂、並びに該樹脂上の銅−ニッケル合金層を除
去し、金属電極のコネクター部分を残して25μm厚み
のPETフィルムを金属電極及び透明領域部分に積層し
透明な保護層とした。形成された積層体の銅−ニッケル
合金の密着強度は0.53kg/cmであった。形成さ
れた透明面状ヒーターの両金属電極間の抵抗は5.4Ω
であった。この透明面状ヒーターを−20℃の恒温槽内
で12V、2.2Aの電力を投入したところ1分間で2
1℃まで表面温度が上昇した。
【0028】実施例3 実施例1のPET上にDCマグネトロンスパッタ法によ
り窒化珪素(40nm)、チタン(1nm)、銀−白金
合金(12nm)、窒化珪素(40nm)を順次積層し
透明導電性フィルムを形成した。後に125mm(長
さ)×4mm(幅)の大きさで、両金属電極の距離が9
0mmの電極が形成される部分以外にUV硬化型レジス
ト樹脂を塗布硬化し、保護層を形成した。この表面上を
真空度3×10-2Torrの容器内にて、Rfパワー2
00W、O2 ガスによる高周波逆スパッタ処理を30秒
間行った後、銅(300nm)を順次積層した。なお、
金−銀合金層は、組成が銀−3wt%金合金のターゲッ
トを用いて成膜した。UV硬化型レジスト樹脂、並びに
該UV硬化型レジスト樹脂層上の銅を3%水酸化ナトリ
ウム水溶液に1分間浸漬しUV硬化型レジスト樹脂、並
びに該樹脂上の銅を除去し、金属電極のコネクター部分
を残して25μm厚みのPETフィルムを金属電極及び
透明領域部分に積層し透明な保護層とした。形成された
積層体の銅の密着強度は0.59kg/cmであった。
形成された透明面状ヒーターの両金属電極間の抵抗は
4.9Ωであった。この透明面状ヒータを−20℃の恒
温槽内で12V、2.4Aの電力を投入したところ1分
間で20℃まで表面温度が上昇した。次に比較例につい
て説明する。
【0029】比較例1 実施例1と同様に可視光光線透過率89%の100μm
厚みのPET上にDCマグネトロンスパッタリング法に
より窒化珪素(40nm)、チタン(1nm)、銀(1
2nm)、チタン(1nm)、窒化珪素(40nm)の
順に順次積層し透明導電性フィルムを形成した。この透
明導電性フィルム上にpH3の硫酸酸性の硫酸銅溶液中
で直接銅をメッキしたところ、銅はメッキされるものの
その密着強度はかなり低くメッキ後の水洗時に剥離して
しまった。
【0030】比較例2 実施例1と同様に可視光光線透過率89%の100μm
厚みのPET上にDCマグネトロンスパッタリング法に
より窒化珪素(40nm)、チタン(1nm)、銀(1
2nm)、チタン(1nm)、窒化珪素(40nm)の
順に順次積層し透明導電性フィルムを形成した後、銅
(250nm)を積層し薄膜積層体を形成した。この積
層体の銅と透明高屈折率薄膜層との密着強度を測定した
ところ0.05kg/cm以下であった。この積層体上
に実施例1と同様に125mm(長さ)×4mm(幅)
の大きさで、両金属電極の距離が90mmに成るように
UV硬化型レジスト樹脂を塗布硬化し、保護層を形成し
た後、塩化第二鉄溶液に30秒間浸漬し、UV硬化型レ
ジスト樹脂により保護した領域以外の銅薄膜を除去した
ところ、透明高屈折率層上の銅が全て剥離した。
【0031】
【発明の効果】以上の実施例ならびに比較例からも明ら
かなように、本発明によって、製造工程が改善され、か
つ耐久性、並びに信頼性の高い透明面状透明面状ヒータ
ーの製造が可能となり、製品の低コスト化につながる有
用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明面状ヒーターの製造工程図
【図2】本発明の透明面状ヒーターの製造工程図
【図3】本発明の透明面状ヒーターの製造工程図
【図4】本発明の透明面状ヒーターの製造工程図
【符号の説明】
10 透明基板 20 透明導電性薄膜層 30 耐酸性樹脂層 40 金属薄膜層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の一主面上に透明導電性薄膜が
    形成された積層体において、後に金属電極を形成すべき
    面以外の透明導電性薄膜上に硬化型レジストインキを塗
    布、硬化し、さらに硬化型レジストインキ層を含む当該
    積層体上に金属薄膜層を形成した後、硬化型レジストイ
    ンキ層、並びに該硬化型レジストインキ層上に形成され
    た金属薄膜層を化学エッチングにより除去することによ
    り透明領域を形成し、かつ金属電極を形成せしめること
    を特徴とする透明面状ヒーターの製造方法。
  2. 【請求項2】 透明導電性薄膜が、片面或いは両面を透
    明高屈折率薄膜層により積層された金属薄膜層からなる
    請求項1記載の透明面状ヒーターの製造方法。
  3. 【請求項3】 金属薄膜層がプラズマ接触処理を施した
    面に形成される請求項1記載の透明面状ヒーターの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006286388A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Optrex Corp パネルヒータ
CN115381144A (zh) * 2022-08-26 2022-11-25 江苏富乐华功率半导体研究院有限公司 一种基于dpc工艺的电子烟加热片及其制备方法

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