JPH07192849A - 透明面状ヒーターの製造方法 - Google Patents

透明面状ヒーターの製造方法

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JPH07192849A
JPH07192849A JP33199193A JP33199193A JPH07192849A JP H07192849 A JPH07192849 A JP H07192849A JP 33199193 A JP33199193 A JP 33199193A JP 33199193 A JP33199193 A JP 33199193A JP H07192849 A JPH07192849 A JP H07192849A
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film layer
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JP33199193A
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Atsushi Oka
敦 岡
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明基板の一主面上に透明導電性薄膜を形
成し、その表面上を好ましくはプラズマ接触処理した後
に金属薄膜層が形成された積層体において、当該積層体
上の金属薄膜層の一部に耐酸性樹脂を塗布、硬化し、該
樹脂塗布部以外の金属薄膜層を酸性溶液で除去すること
により透明領域を形成し、さらに該樹脂層を除去するこ
とにより金属電極を形成せしめる透明面状ヒーターの製
造方法。 【効果】 酸性メッキ溶液中でのメッキ工程等を経
ず、また、金属電極層との密着性を向上させるための金
属接着層を用いることなしに、透明導電性薄膜との密着
性に優れた金属電極層が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子や冷凍、
冷蔵ショーケースなどの窓部分に用いられる透明面状ヒ
ーターの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍、冷蔵ショーケースは、ガラ
ス表面の結露防止の為に、ガラス表面に透明導電性薄膜
を形成し、これに所定の電力を印加し、窓面を加熱して
いたものが用いられていた。また、近年、液晶表示素子
の需要が大きくなっており、寒冷地での使用の場合、液
晶の動作が遅くなる等の問題があり、液晶表示素子にも
温度制御用の透明面状ヒーターの必要性が高まってき
た。
【0003】透明面状ヒーターの形成方法としては、ガ
ラスやプラスチックフィルム等の透明基板上に形成され
た透明導電性薄膜上に、銀ペースト等の導電性塗料によ
り電極を形成したものや、電極としての信頼性向上の
為、金属箔を導電性塗料でサンドイッチしたものが用い
られていた。導電性塗料で形成した電極は、塗料自身の
抵抗が大きい事や、形成された電極と透明導電性薄膜と
の間の接触抵抗が高くなり易く、透明面状ヒーターの大
型化にともない電気の通電ムラが生じ、その為に透明面
状ヒーターに温度ムラが生じ易い。透明面全体が昇温し
ないという問題や電極接点近傍部分に電流集中が起こっ
て透明面状ヒーターにヤケが起こる等の問題があった。
また、これの改善法として導電性塗料の間に銅箔を挿入
して積層し電極としたものがあるが、この電極形成方法
を用いることにより、通電ムラの発生は少なくなるが、
電極を形成するための製作工程が複雑となり、かつ作業
性が悪く製品のコストアップにつながっていた。
【0004】本発明者らは、透明面状ヒーターの金属電
極形成方法について種々の検討を行っており、透明面状
ヒーター上に金属電極をメッキ法で形成することを試み
た。その場合、リソグラフィー技術を用いる回路パター
ン形成工程や形成パターン上に金属層を積層するメッキ
工程等において、すなわち、酸性溶液中への浸漬処理行
程、酸性メッキ液中での金属電極層形成行程で、酸化イ
ンジウム等の酸化物薄膜が酸性溶液により溶解し、透明
導電性薄膜の表面抵抗が変化する等の問題があることも
見出した。
【0005】従来から知られている透明導電性薄膜とし
ては (1)金、パラジュウム、銀、銅等の金属薄膜 (2)酸化インジウム、酸化スズ等の化合物半導体 (3)金、銀、パラジュム等の金属薄膜を酸化チタン、
酸化インジウム、酸化ジルコニウム等の酸化物薄膜で挟
み込んだものが挙げられる。
【0006】前記(1)は、十分な可視光線透過率と導
電性の両方満足する優れたものは得られない。
【0007】前記(2)の化合物半導体は、例えば真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等
の真空中における薄膜形成法や、ゾルゲル法等の薄膜形
成方法により形成することが出来るが、酸化インジウム
等の薄膜で、表面抵抗の小さな透明導電性薄膜を得る為
には、通常数百nm程度の膜厚が必要となり、その結
果、膜の製造コストが高くなる。
【0008】前記(3)の金属薄膜層を酸化物薄膜層で
挟み込んだ積層体の代表的な構成としては、酸化チタン
/銀/酸化チタンや酸化インジウム/銀/酸化インジウ
ム等のサンドイッチ構造の積層体が用いられていた。金
属薄膜層として銀薄膜あるいは銀と金とからなる薄膜を
用いたものは、可視光線領域での透明性及び導電性にお
いても優れており、好ましいものとして用いられてい
た。しかしながら、前述のように、透明面状ヒーターと
して金属薄膜を酸化物薄膜層で挟み込んだ積層体を用い
た場合、透明面状ヒーターの金属電極形成行程、すなわ
ち回路パターン形成工程や形成パターン上に金属層を積
層する電解メッキ工程等において、すなわち酸性溶液に
よる浸漬処理行程、または酸性メッキ液中での金属電極
層形成行程で酸化インジウム等の酸化物薄膜が溶解す
る、透明導電性薄膜の表面抵抗が変化する等の問題があ
ることを見いだした。
【0009】また、このような問題に対し、我々は、透
明高屈折率薄膜層として窒化珪素、窒化アルミ等の窒化
物薄膜層を用いることにより回路パターン形成行程、並
びに金属層を形成する電解メッキ行程等における酸化物
薄膜の溶解と言う問題は一部解決されたものの、透明ヒ
ーター用フィルムとしての材料としては、未だ満足され
る性能ではなく実用化の足かせになっていた。すなわ
ち、透明高屈折率薄膜層と電解メッキにより形成された
金属薄膜層との密着力が低いと言う問題があり、電解メ
ッキにより形成された金属電極層の密着力を向上させる
ためには、我々の検討によると、数nm〜数十nmの金
族接着層、例えば銅、ニッケル、パラジュウム、クロ
ム、金、銀、亜鉛、錫、鉛等の金属もしくは合金の金属
接着層を必要とした。そのために製作工程が複雑とな
り、かつ作業性が悪く製品のコストアップにつながって
いた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明導電性
薄膜上への電極形成方法を改善し、透明導電性薄膜と金
属電極との密着力、並びに透明面状ヒーター製造の生産
性を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸性メッキ溶
液中での金属電極層形成等のメッキ工程等を経ず、密着
性に優れた金属電極層を形成する透明面状ヒーターの製
造方法である。すなわち、本発明は、透明基板の一主面
上に透明導電性薄膜を形成し、その表面上をプラズマ接
触処理した後に金属薄膜層が形成された積層体におい
て、当該積層体上の金属薄膜層の一部に耐酸性樹脂を塗
布、硬化し、該樹脂塗布部以外の金属薄膜層を酸性溶液
で除去することにより透明領域を形成し、さらに該樹脂
層を除去することにより金属電極を形成せしめる透明面
状ヒーターの製造方法である。
【0012】以下、図面を参照しつつ本発明の好まし
い、実施の一例を説明する。まず、添付図面について説
明する、図1から図5は、本発明の好ましい一例を示す
透明面状ヒーターの製造方法の行程である。ここで、1
0は透明基板、20は透明導電性薄膜層、30は金属薄
膜層、40は耐酸性樹脂層である。
【0013】本発明の方法を具体的に説明するに、本発
明においては、図1に示すように、透明基板10の一主
面上に透明導電性薄膜20を形成する。さらに、図2に
示すように当該透明導電性薄膜20上を、好ましくはプ
ラズマ接触処理した後に金属薄膜層30を積層する。そ
の後、図3に示すように当該積層体において、後に入力
用電極を形成すべき面に耐酸性樹脂40を塗布、硬化す
る。さらに、図4に示すように該樹脂塗布部40以外、
すなわち金属電極を形成すべき面以外の金属薄膜層30
を酸性溶液により除去し、透明領域を形成した後、図5
に示すように該樹脂層40を除去することにより金属電
極を形成せしめる透明面上ヒーターである。これによ
り、酸性メッキ溶液中でのメッキ工程等を経ず、また、
金属電極層との密着性を向上させるための金属接着層を
用いることなしに、透明導電性薄膜との密着性に優れた
金属電極層を形成することが可能となるのである。
【0014】本発明の透明基板10としては、400n
m〜800nmの可視光線領域において光線透過率が8
0%以上、より好ましくは85%以上の基板であって、
ガラスの他、透明な高分子材料すなわちプラスチック等
を用いることが出来る。薄さ、可撓性、耐衝撃性、連続
生産性等の面からプラスチックフィルムが好ましく用い
られる。この場合、本発明において用いられるプラスチ
ックフィルムを例示するならば、ポリエチレンテレフタ
レ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PE
N)等のポリエステル、ポリアミド、ポリエ−テル、ポ
リスルフォン、ポリエ−テルスルフォン(PES)、ポ
リカ−ボネ−ト、ポリアリレ−ト、ポリエ−テルイミ
ド、ポリエ−テルエ−テルケトン(PEEK)、ポリイ
ミド、アラミドなどのホモポリマ−またはコポリマ−か
らなる透明フィルム基材が挙げられる。本発明に用いら
れる透明フィルム基材の厚みは、通常5μm〜500μ
m、好ましくは10μm〜200μmであり、さらに好
ましくは50μm〜150μmが適当である。
【0015】本発明に用いられる透明導電性薄膜20
は、片面或いは両面を透明高屈折率薄膜層により積層さ
れた金属薄膜層から成る積層体である。具体的には、4
00nm〜800nmの可視光線領域において少なくと
もその光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上
であり、かつ、屈折率が1.6以上の酸化物薄膜、また
は窒化物薄膜のいずれかにより積層された金属の薄膜層
からなる。かかる金属薄膜層としては電気伝導性に優れ
た金属が好ましく用いられ、具体的には、銀、銀−金合
金、銀−白金合金、銀−銅合金、銀−パラジュウム合金
等が好適に用いられる。この金属薄膜層の厚さは、電気
伝導性を保ちつつ透明性が得られる範囲で決定され、具
体的には、5から30nmの範囲が好ましく、より好ま
しくは、7〜20nmである。
【0016】透明導電性薄膜20を構成するところの透
明高屈折率薄膜層、ならびに金属薄膜層の作製方法は真
空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法、CVD法等乾式の形成方法はもちろん、浸漬法、ス
プレー法、塗布法等の湿式の薄膜形成方法も利用するこ
とができる。薄膜の接着性や薄膜の膜厚の制御性に優れ
たスパッタリング法が特に用いるに好ましい方法であ
る。スパッタリングの方法において、特に限定される条
件はない。形成すべき薄膜に対応させて適宜ターゲット
を選択して用いることは当業者の理解するところであ
る。また、スパッタリングの方式にも限定される条件は
なく、DCマグネトロンスパッタリング、高周波マグネ
トロンスパッタリング、イオンビームスパッタリング等
の方式が有効に用いられる。
【0017】また、透明基板10上に透明導電性薄膜層
20を形成するときには、透明基材10の前処理とし
て、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線照射処
理、逆スパッタ処理、プラズマジェット処理、イオンビ
ーム処理、機械的表面粗面化処理等の物理的処理技術並
びに、薬品処理、溶剤処理、カップリング剤処理、プラ
イマー処理、電気化学的処理、表面グラフト化処理、等
の化学的処理処理技術を行うことや、公知のアンダーコ
ートを施したりすることは適宜行うことができる。本発
明における金属薄膜層30は電気的特性や耐久性に優れ
た金属が好ましく用いられ、具体的には、銅、ニッケ
ル、パラジュウム、クロム、金、銀、亜鉛、錫、鉛等の
単金属もしくは合金の単層もしくは積層体からなること
が好ましい。金属薄膜層30の作製方法は真空蒸着法、
イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法
等の乾式の形成方法を用い作製することができる。薄膜
の接着性や薄膜の膜厚の制御性に優れたスパッタリング
法が特に用いるのに好ましい方法である。スパッタリン
グの方法において、特に限定される条件はない。形成す
べき薄膜に対応させて適宜ターゲットを選択して用いる
ことは当業者の理解するところである。スパッタリング
の方式にも限定される条件はなく、DCマグネトロンス
パッタリング、高周波マグネトロンスパッタリング、イ
オンビームスパッタリング等の方式が有効に用いられ
る。
【0018】金属薄膜層30を透明導電性薄膜層20上
に形成する際に行うプラズマ接触処理方法とは、コロナ
放電処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、プラズマ
ジェット処理、イオンビーム処理、プラズマ重合処理等
の物理的処理技術のことであり、金属薄膜層の透明導電
性薄膜層への密着性をより向上せしめることができるの
である。ここで言うコロナ放電処理、グロー放電処理、
逆スパッタ処理等、プラズマ接触処理において特に制限
される条件はなく、透明高屈折率薄膜層とその上に積層
すべき金属薄膜層30に応じ、適宣使用するガスの種
類、周波数、処理時間、電流密度、放電時圧力等の条件
を選択し処理することが好ましい。
【0019】すなわち、これらプラズマ接触処理におい
ては、アルゴン、ヘリウム、酸素、水素、空気、二酸化
炭素、窒素、アンモニア、テトラフルオロメタン、亜酸
化窒素等のガスを適宣選択し用いる。また、通常数秒か
ら数分間の処理時間でその効果を十分に発揮する。
【0020】また、周波数としては低周波型放電(数百
KHz)以下の平行平板電極を用いた容量結合、数百K
Hzからマイクロ波(数GHz)までの容量結合または
誘導結合のいずれによっても電力の供給を行うことがで
きる。
【0021】通常、放電時圧力、放電電流密度は、コロ
ナ放電処理においては大気圧付近、低電流密度で放電処
理し、グロー放電処理においては10-3から10Tor
rの圧力範囲で0.1mA/cm 2〜数mA/cm 2
電流密度で行うことが好ましい。
【0022】また、ここで言う逆スパッタ処理とは処理
する基材をカソード側に配置し基材表面をスパッタリン
グすることを意味する。逆スパッタ処理において特に制
限される条件はなく、透明高屈折率薄膜層とその上に積
層すべき金属薄膜層に応じ、適宣使用するガスの種類、
周波数、処理時間、電流密度、放電時圧力等の条件を選
択し処理する必要がある。すなわち、逆スパッタ処理に
おいては、アルゴン、ヘリウム、酸素、水素、空気、二
酸化炭素、窒素、アンモニア、テトラフルオロメタン、
亜酸化窒素等のガスを適宣選択し用いる。また、通常数
秒から数分間の処理時間でその効果を十分に発揮する。
【0023】また、周波数としては低周波型放電(数百
KHz)以下の平行平板電極を用いた容量結合、数百K
Hzからマイクロ波までの容量結合または誘導結合のい
ずれによっても電力の供給を行うことができる。
【0024】このようにして、我々の知見によれば、透
明高屈折率薄膜層20上に、好ましくはプラズマ接触処
理を施し、後に入力用電極となる金属薄膜層30を真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、
CVD法等の乾式の形成方法を用い作製することによ
り、酸性メッキ溶液中での金属電極層形成等のメッキ工
程等を経ず、また、我々がすでに提案しているような金
属電極層との密着性を向上させるための金属接着層を用
いることなしに、透明導電性薄膜20上に密着性に優れ
た金属薄膜層30を形成することが可能となり、作業効
率と信頼性を格段に高めた透明面状ヒーターの製造方法
が提供されるのである。
【0025】本発明に用いられる耐酸性樹脂40は、塩
酸、硝酸、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、硝酸第二
鉄等の酸性エッチング溶液に対し強い耐性を有する熱乾
燥型レジスト、UV硬化型レジスト、電子線硬化型レジ
スト、ドライフィルム、液状レジスト等の耐酸性樹脂を
用いることができる。耐酸性樹脂40の塗布方法におい
て、特に限定される条件はなくスクリーン印刷法、写真
法等の方式が有効に用いられる。本発明に用いられる耐
酸性樹脂40の厚みとしては、特に限定される条件はな
い。
【0026】本発明において、金属電極を形成すべき面
以外の金属薄膜層30を除去する酸性溶液としては、特
に限定される条件はない。塗布した耐酸性樹脂40を考
慮し、除去すべき金属薄膜層30に対応させて適宜酸性
溶液を選択して用いることは当業者の理解するところで
ある。
【0027】本発明における、耐酸性樹脂層40を除去
する方法は特に限定される条件はなく、化学エッチング
法、ドライエッチング法が有効に用いられる。なお、本
発明の好ましい形態の例として図1〜5に、断面図の例
を示したが、これらは、各薄膜層を形成、除去した順に
従って列記し、表記したのであって、最終的に化学反応
等によって各層の界面に別の化合物、ひろくは、介在物
や析出物等が生成されてもよく、あるいは、ある層が別
の化合物に転化してもよく、また、それが好ましい形態
の場合もあることは当然のことである。以下、実施例に
より本発明の実施の態様の一例を説明する。
【0028】
【実施例】
実施例1 可視光光線透過率89%の100μm厚みのPET上に
DCマグネトロンスパッタリング法により窒化珪素(4
0nm)、チタン(1nm)、銀(12nm)、チタン
(1nm)、窒化珪素(40nm)の順に順次積層し透
明導電性フィルムを形成した。この表面上を真空度3×
10-2Torrの容器内にて、放電電流密度1.0mA
/cm 2のArガスによるグロー放電処理を30秒間行
った後、銅(250nm)を積層し薄膜積層体を形成し
た。この積層体上に125mm(長さ)×4mm(幅)
の大きさで、両金属電極の距離が90mmに成るように
UV硬化型レジスト樹脂を塗布硬化し、保護層を形成し
た後、塩化第二鉄溶液に30秒間浸漬し、UV硬化型レ
ジスト樹脂により保護した領域以外の銅薄膜を除去し
た。この後、3%水酸化ナトリウム水溶液に1分間浸漬
しUV硬化型レジスト樹脂を除去し、金属電極のコネク
ター部分を残して25μm厚みのPETフィルムを金属
電極及び透明領域部分に積層し透明な保護層とした。形
成された積層体の銅の密着強度は0.45kg/cmで
あった。
【0029】形成された透明面状ヒーターの両金属電極
間の抵抗は4.4Ωであった。この透明面状ヒーターを
−20℃の恒温槽内で13V、3.3Aの電力を投入し
たところ1分間で23℃まで表面温度が上昇した。
【0030】実施例2 可視光線透過率88%の50μm厚みのPESの一主面
にDCマグネトロンスパッタングにより窒化珪素(40
nm)、チタン(1nm)、銀−金合金層(12n
m)、チタン(1nm)、窒化珪素(40nm)の順に
順次積層し透明導電性フィルムを形成した。この表面上
を真空度3×10-2Torrの容器内にて、Rfパワー
200W、Arガスによる高周波逆スパッタ処理を30
秒間行った後、銅−ニッケル合金(250nm)を順次
積層した。なお、金−銀合金層は、組成が銀−3wt%
金合金のターゲットを用いて成膜した。銅−ニッケル合
金層は、組成が銅−40wt%ニッケルを用いて成膜し
た。
【0031】この積層体上に35mm(長さ)×4mm
(幅)の大きさで、両金属電極の距離が90mmに成る
ように熱硬化型レジスト樹脂を塗布硬化し、保護層を形
成した後、塩酸第二鉄溶液に30秒間浸漬し、熱硬化型
レジスト樹脂により保護した領域以外の銅−ニッケル合
金薄膜を除去した。この後、3%水酸化ナトリウム水溶
液に1分間浸漬し熱硬化型レジスト樹脂を除去し、金属
電極のコネクター部分を残して25μm厚みのPETフ
ィルムを金属電極及び透明領域部分に積層し透明な保護
層とした。
【0032】形成された積層体の銅−ニッケル合金の密
着強度は0.55kg/cmであった。形成された透明
面状ヒーターの両金属電極間の抵抗は5.4Ωであっ
た。この透明面状ヒーターを−20℃の恒温槽内で12
V、2.4Aの電力を投入したところ1分間で21℃ま
で表面温度が上昇した。
【0033】実施例3 実施例1のPET上にDCマグネトロンスパッタ法によ
り窒化珪素(40nm)、チタン(1nm)、銀−白金
合金(12nm)、窒化珪素(40nm)を順次積層し
透明導電性フィルムを形成した。この表面上を真空度3
×10-2Torrの容器内にて、Rfパワー200W、
2 ガスによる高周波逆スパッタ処理を30秒間行った
後、銅(300nm)を順次積層した。なお、金−銀合
金層は、組成が銀−3wt%金合金のターゲットを用い
て成膜した。
【0034】この積層体上に35mm(長さ)×4mm
(幅)の大きさで、両金属電極の距離が90mmに成る
ようにUV硬化型レジスト樹脂を塗布硬化し、保護層と
して形成した後、塩酸第二鉄溶液に30秒間浸漬し、U
V硬化型レジスト樹脂により保護した領域以外の銅薄膜
を除去した。この後、3%水酸化ナトリウム水溶液に1
分間浸漬し熱硬化型レジスト樹脂を除去し、金属電極の
コネクター部分を残して25μm厚みのPETフィルム
を金属電極及び透明領域部分に積層し透明な保護層とし
た。
【0035】形成された積層体の銅の密着強度は0.6
0kg/cmであった。
【0036】形成された透明面状ヒーターの両金属電極
間の抵抗は5.1Ωであった。この透明面状ヒータを−
20℃の恒温槽内で12V、2.4Aの電力を投入した
ところ1分間で20℃まで表面温度が上昇した。次に比
較例について説明する。
【0037】比較例1 実施例1と同様に可視光光線透過率89%の100μm
厚みのPET上にDCマグネトロンスパッタリング法に
より窒化珪素(40nm)、チタン(1nm)、銀(1
2nm)、チタン(1nm)、窒化珪素(40nm)の
順に順次積層し透明導電性フィルムを形成した。この透
明導電性フィルム上にpH3の硫酸酸性の硫酸銅溶液中
で直接銅をメッキしたところ、銅はメッキされるものの
その密着強度はかなり低くメッキ後の水洗時に剥離して
しまった。
【0038】比較例2 実施例1と同様に可視光光線透過率89%の100μm
厚みのPET上にDCマグネトロンスパッタリング法に
より窒化珪素(40nm)、チタン(1nm)、銀(1
2nm)、チタン(1nm)、窒化珪素(40nm)の
順に順次積層し透明導電性フィルムを形成した後、銅
(250nm)を積層し薄膜積層体を形成した。この積
層体の銅と透明高屈折率薄膜層との密着強度を測定した
ところ0.05kg/cm以下であった。この積層体上
に実施例1と同様に125mm(長さ)×4mm(幅)
の大きさで、両金属電極の距離が90mmに成るように
UV硬化型レジスト樹脂を塗布硬化し、保護層を形成し
た後、塩化第二鉄溶液に30秒間浸漬し、UV硬化型レ
ジスト樹脂により保護した領域以外の銅薄膜を除去した
ところ、透明高屈折率層上の銅が全て剥離した。
【0039】
【発明の効果】以上の実施例ならびに比較例からも明ら
かなように、本発明によって、製造工程が改善され、か
つ耐久性、並びに信頼性の高い透明面状透明面状ヒータ
ーの製造が可能となり、製品の低コスト化につながる有
用な発明である。以上の実施例ならびに比較例からも明
らかなように、本発明によって、製造工程が改善され、
かつ耐久性、並びに信頼性の高い透明面状透明面状ヒー
ターの製造が可能となり、製品の低コスト化につながる
有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状ヒーターの製造工程図
【図2】本発明の面状ヒーターの製造工程図
【図3】本発明の面状ヒーターの製造工程図
【図4】本発明の面状ヒーターの製造工程図
【図5】本発明の面状ヒーターの製造工程図
【符号の説明】
10 透明基板 20 透明導電性薄膜層 30 金属薄膜層 40 耐酸性樹脂層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の一主面上に透明導電性薄膜を
    形成し、その表面上に金属薄膜層が形成された積層体に
    おいて、当該積層体上の金属薄膜層の一部に耐酸性樹脂
    を塗布、硬化し、該樹脂塗布部以外の金属薄膜層を酸性
    溶液で除去することにより透明領域を形成し、さらに該
    樹脂層を除去することにより金属電極を形成せしめるこ
    とを特徴とする透明面状ヒーターの製造方法。
  2. 【請求項2】 透明導電性薄膜が、片面或いは両面を透
    明高屈折率薄膜層により積層された金属薄膜層からなる
    請求項1記載の透明面状ヒーターの製造方法。
  3. 【請求項3】 金属薄膜層がプラズマ接触処理を施した
    面に形成される請求項1記載の透明面状ヒーターの製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101281798B1 (ko) * 2011-11-15 2013-07-04 조용일 가온기용 히터모듈 및 그것의 제조방법
US9730273B2 (en) 2013-02-22 2017-08-08 Yong Il Cho Heater module for heater of fluid infusion apparatus and manufacturing method thereof
CN114286462A (zh) * 2021-11-24 2022-04-05 北京天宇航天新材料科技有限公司 一种柔性电加热器制备方法及其制备的柔性电加热器

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