JPH06333667A - パネルヒーターおよびその製造方法 - Google Patents

パネルヒーターおよびその製造方法

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JPH06333667A
JPH06333667A JP12405693A JP12405693A JPH06333667A JP H06333667 A JPH06333667 A JP H06333667A JP 12405693 A JP12405693 A JP 12405693A JP 12405693 A JP12405693 A JP 12405693A JP H06333667 A JPH06333667 A JP H06333667A
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thin film
metal
silver
film layer
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JP12405693A
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Mitsuo Takase
三男 高瀬
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
Hisahiro Momo
寿浩 百々
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明基板の少なくとも片面に、金属薄膜層
および透明薄膜層を少なくとも一層積層して設けられる
透明導電膜において、金属薄膜層の上に金属を含む窒化
物からなる透明薄膜層を積層して設けられた透明導電膜
上に、透明な発熱面を確保するように金属電極を設けた
ことを特徴とするパネルヒーターおよびその製造方法。 【効果】 本発明によって製造工程が改善され、かつ
信頼性の高いパネルヒーターの製造が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子や冷凍、
冷蔵ショーケースなどの窓部分に用いられる透明性を有
した面発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍、冷蔵ショーケースは、ガラ
ス表面の結露防止の為に、ガラス表面に透明導電膜を形
成し、これに所定の電力を印加し、窓面を加熱していた
ものが用いられていた。また、近年、液晶表示素子の需
要が大きくなっており、寒冷地での使用の場合、液晶の
動作が遅くなる等の問題があり、液晶表示素子にも温度
制御用のパネルヒーターの必要性が高まってきた。
【0003】パネルヒーターの形成方法としては、ガラ
スやプラスチックフィルム等の透明基板上に形成された
透明導電膜上に、銀ペースト等の導電性塗料により電極
を形成したものや、電極としての信頼性向上の為、金属
箔を導電性塗料でサンドイッチしたものが用いられてい
た。導電性塗料で形成した電極は、塗料自身の抵抗が大
きい事や、形成された電極と透明導電膜との間の接触抵
抗が高くなり易く、パネルヒーターの大型化にともない
電気の通電ムラが生じ、その為にパネルヒーターに温度
ムラが生じ易い。パネル全体が昇温しないという問題や
電極接点近傍部分に電流集中が起こってパネルヒーター
にヤケが起こる等の問題があった。また、これの改善法
として導電性塗料の間に銅箔を挿入して積層し電極とし
たものがあるが、この電極形成方法を用いることによ
り、通電ムラの発生は少なくなるが、電極を形成するた
めの製作工程が複雑となり、かつ作業性が悪く製品のコ
ストアップにつながっていた。
【0004】本発明者らは、パネルヒーターの金属電極
を、めっき法により形成することを検討しており、透明
導電膜上に金属電極を形成する際に、予め酸水溶液によ
って浸漬処理をすることにより接着性が向上することを
見いだした。しかしながら、酸化インジウム等の酸化物
薄膜は、浸漬処理により溶解し、透明導電膜の表面抵抗
が変化する等の問題があることも見出した。
【0005】従来から知られている透明導電膜としては (1)金、Pd等の金属薄膜 (2)酸化インジウム、酸化スズ等の化合物半導体 (3)金、銀、Pd等の金属薄膜を酸化チタン、酸化イ
ンジウム、酸化ジルコニウム等の酸化物薄膜で挟み込ん
だもの が挙げられる。前記(1)は、十分な可視光線透過率と
導電性の両方満足する優れたものは得られない。
【0006】前記(2)の化合物半導体は、例えば真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等
の真空中における薄膜形成法や、ゾルゲル法等の薄膜形
成方法により形成することが出来るが、酸化インジウム
等の薄膜で、表面抵抗の小さな透明導電膜を得る為に
は、通常数百nm程度の膜厚が必要となり、その結果、
膜の製造コストが高くなる。
【0007】前記(3)の金属薄膜を酸化物薄膜層で挟
み込んだ積層体の代表的な構成としては、酸化チタン/
銀/酸化チタンや酸化インジウム/銀/酸化インジウム
等のサンドイッチ構造の積層体が用いられていた。金属
薄膜として銀薄膜あるいは銀と金とからなる薄膜を用い
たものは、可視光線領域での透明性及び導電性において
も優れており、好ましいものとして用いられていた。酸
化チタン等の酸化物薄膜は、スパッタリング、イオンプ
レーティング、真空蒸着、湿式塗工等の方法を利用する
ことができる。
【0008】しかしながら、スパッタリング、イオンプ
レーティング等の真空中で積層体を形成する場合には、
放電により活性化した酸素イオン等により銀薄膜が酸化
しやすいので、銀薄膜の酸化防止として予め他の種類の
金属層を設けるか、銀薄膜の形成時や該銀薄膜の上に酸
化物薄膜層を作製する際に、水素等の還元性ガスを導入
して、銀が酸化しないように積層体を形成していた。ま
た、湿式塗工を利用して積層体を形成する場合には、加
水分解によって酸化物薄膜層を形成した後、金属薄膜
は、真空蒸着やスパッタリングによって形成し、更に酸
化物薄膜層を加水分解によって形成することになるが、
この時に、予め銀薄膜上に硫化物等を形成したり、加水
分解時のpHを所定の範囲に調整することにより、水素
イオンや不純物によって銀薄膜が劣化するのを防止する
ことが試みられていた。いずれの方法も、成膜時の条件
調整が煩雑であったり、得られる膜の特性が変動しやす
く、これらの方法によって作製された積層体は、熱、
光、酸素、水等の環境条件によって性能の低下が生じ易
い問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、透明
導電膜の形成方法を改善し、透明導電膜上への電極の形
成工程を簡略にすることによりパネルヒーターの信頼性
及びパネルヒーター製造の生産性を向上させることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、透
明基板の少なくとも一主面に透明薄膜層と金属薄膜層と
を少なくとも一層以上積層し、最外部の該金属薄膜層の
上に、金属を含む窒化物からなる透明薄膜層を積層して
なる透明導電膜上に、透明領域を確保するように金属電
極を設けたことを特徴とするパネルヒーター、であり、
また、透明基板の少なくとも一主面に透明薄膜層と金属
薄膜層とを少なくとも一層以上積層して最外部の該金属
薄膜層の上に銅、Ni、Pd、銀、金からなる少なくと
も一種以上の金属を含む窒化物からなる透明薄膜層を積
層して成る透明導電膜上に、金属電極形成領域を残して
硬化型のレジスト樹脂を塗布硬化させ、該金属電極形成
領域に電解めっきによって1μm〜42μm厚みの金属
電極を形成することを特徴とするパネルヒーターの製造
方法、であり、とくに、電解めっき法によって形成する
金属電極が、銅、Ni、Pd、Cr、金、銀、はんだ、
Zn、Snからなる少なくとも一種以上の金属またはこ
れらの積層体よりなるパネルヒーターの製造方法、であ
り、また、金属電極形成領域を残して透明導電膜上にU
V硬化型のレジスト樹脂を塗布硬化せしめるパネルヒー
ターの製造方法、であり、また、金属電極形成領域を残
して透明導電膜上に電子線硬化型のレジスト樹脂を塗布
硬化せしめるパネルヒーターの製造方法、であり、ま
た、金属電極形成領域を残して透明導電膜上に熱硬化型
のレジスト樹脂を塗布硬化せしめるパネルヒーターの製
造方法、である。
【0011】以下、図面を参照つつ本発明の好ましい、
実施の一例を説明する。まず、添付図面について説明す
る、図1は、本発明の好ましい一例を示す構成の断面図
であり、図2の(A)及び(B)は、本発明に用いられ
る透明導電膜の好ましい一例を示す構成の断面図であ
り、図3の(C)及び(D)は、本発明に用いられる透
明導電膜の他の好ましい一例を示す構成の断面図であ
り、図4は、比較例を示す構成の断面図である。ここ
で、1は透明基板、2は透明導電膜、3は金属電極、4
は保護層、5は透明な保護層、6は導電性塗料である。
【0012】本発明を具体的に説明すると、本発明の透
明導電膜は、図2(A)に示したように透明基板1の片
面に400nm〜800nmの可視光線領域において透
明である透明薄膜層11、銀または銀と金とからなる金
属薄膜層12、さらに400nm〜800nmの可視光
線領域において透明である窒化膜中に銅、Ni、Pd、
銀、金からなる少なくとも一種以上の金属が分散されて
なる透明薄膜層13を順次積層したもの、または、図2
(B)に示したように透明基板1の片面に銀または銀と
金とからなる金属薄膜層12、400nm〜800nm
の可視光線領域において透明である窒化膜中に銅、N
i、Pd、銀、金からなる少なくとも一種以上の金属が
分散されてなる透明薄膜層13を順次積層したものであ
る。
【0013】本発明のパネルヒーターは、図1に示した
ように透明基板1に形成された透明導電膜2上に、金属
電極3形成領域以外の部分にレジスト樹脂を塗布硬化し
て保護層4を形成させた後、電解めっき法により金属電
極を形成する。さらに好ましくは、該金属電極及び保護
層上に機械的、化学的な保護の為に、樹脂またはフィル
ムからなる透明な保護層5を積層してなるパネルヒータ
ーである。
【0014】本発明はかかる構成をとることにより、特
に金属を含む窒化物からなる透明薄膜層を設けることに
より、積層透明導電膜に損傷を与えること無く、該透明
導電膜上に実質的に、直接金属電極を形成しうることに
なるから、金属電極と透明導電膜との電気的接続を良く
し、性能を向上させる顕著な作用効果を奏するものであ
る。
【0015】また、本発明のパネルヒーターの製造方法
は、透明基板の少なくとも一主面に透明薄膜層と銅、N
i、Pd、銀、白金、金から選択させる少なくとも一種
以上の金属を含む窒化物からなる透明薄膜層とを積層し
て成る透明導電膜上に金属電極形成領域を残して硬化型
のレジスト樹脂を塗布硬化させ、該金属電極形成領域に
電解めっきによって1μm〜42μm厚みの金属電極を
直接透明導電膜上に形成するものである。なお、銅、N
i、Pd、銀、白金、金から選択させる少なくとも一種
以上の金属は、窒化物からなる透明薄膜層の中に均一に
分散してもよく、表面付近に不均一に集中してもよい。
【0016】かくして、透明導電膜上に密着性の良い金
属電極を設けると共に、保護層として紫外線等を照射す
ることによって硬化するアクリル系樹脂等のレジスト樹
脂を用いているため、金属電極形成領域の位置決定と同
時に、透明導電膜の保護層とを兼用した作用効果を奏せ
しめることが出来るものであって、作業効率と信頼性を
格段に高めたパネルヒーターの製造方法が提供されるも
のである。
【0017】本発明に用いられる透明導電膜は、図2
(A)に示したようにガラス、プラスチックフィルム等
の透明基板1の一主面に400nm〜800nmの可視
光線領域において透明である透明薄膜層11、銀または
銀と金とからなる金属薄膜層12、更に400nm〜8
00nmの可視光線領域において透明である窒化膜中に
金属を分散してなる透明薄膜層13を順次積層したも
の、または図2(B)に示したように透明基板1の一主
面に銀または銀と金とからなる金属薄膜層12、400
nm〜800nmの可視光線領域において透明である窒
化膜中に金属を分散してなる透明薄膜層13を順次積層
したものである。本発明に用いられる透明薄膜層13と
は、400nm〜800nmの可視光線領域において少
なくとも70%以上、好ましくは80%以上の光線透過
率を有する窒化物中に所定の金属を分散させたものであ
り、具体的な窒化物を例示するならば、AlN、BN、
GaN、SiNx、InN、SnN等である。窒化物中
に分散される金属としては、窒化物に成り難く、電解め
っきにおいてめっき膜の核となりうる銅、Ni、Pd、
銀、金等が挙げられる。また、これらの窒化物の薄膜に
あわせて酸化物の薄膜を金属薄膜層の下層の透明薄膜層
として用いることも出来る。
【0018】本発明に用いられる金属薄膜層とは、銀ま
たは銀と金とからなる金属薄膜層であり、膜厚として
は、5nm〜20nmが好ましく、さらに好ましくは1
0nm〜15nmが望ましい。本発明の好ましい透明導
電膜を例示するならば、透明基板の上に窒化物からなる
透明薄膜層、銀薄膜層、所定の金属を含む窒化物からな
る透明薄膜層を順に積層したものが挙げられる。この
時、銀の凝集を防止し、透明導電膜の耐久性をさらに向
上する目的から導電性、透明性を損なわない範囲で、銀
薄膜中に金、銅、Pd、インジウム等の金属を含むこと
が好ましい。透明導電膜を形成する方法としては、真空
処理法が利用できる。真空処理法とは、真空下で金属等
の薄膜を形成する方法であり、例示するならば真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレティーング法、プラ
ズマCVD法、イオンビームアシスト蒸着法、イオンク
ラスタービーム法、イオン蒸着薄膜形成法等が挙げられ
る。
【0019】本発明に用いられる透明導電膜は、上記し
たように、金属薄膜上に、銅、Ni、Pd、銀、白金、
金から選択される少なくとも一種以上の金属を含む窒化
物からなる透明薄膜層を積層したものであり、前記金属
は窒化物からなる透明薄膜層の光線透過率を著しく低下
させない程度に含むことが好ましい。金属の含有量とし
ては、透明薄膜層の50%以下、好ましくは20%以
下、さらに好ましくは5%以下である。前記金属は、透
明薄膜層中に均一に存在してもよいが、好ましくは、表
面層に極在化して存在することが好ましい。
【0020】該透明薄膜の形成方法は、スパッタリング
法、イオンプレティーング法、イオンビームアシスト蒸
着法、イオンクラスタービーム法、イオン蒸着薄膜形成
法等のイオンを用いた方法によって形成することが望ま
しい。尚、スパッタリング法で形成する場合には、銅、
Ni、Pd、銀、白金、金からなる少なくとも一種以上
の金属を含む合金ターゲットを用いるか、窒化物を形成
するためのターゲットまたは窒化物からなるターゲット
上に前記金属を乗せてスパッタすることにより形成する
ことが出来る。イオンプレティーング法、イオンビーム
アシスト蒸着法、イオンクラスタービーム法等の蒸着材
料を蒸発させて膜形成を行う方法の場合には、窒化物用
の材料及び金属の材料の蒸着源を個々に用いることが好
ましいのである。
【0021】本発明の透明基板としては、400nm〜
800nmの可視光線領域において光線透過率が80%
以上、より好ましくは85%以上の基板であって、ガラ
スの他、透明なプラスチックフィルムを用いることが出
来、薄さ、可撓性、耐衝撃性、連続生産性等の面からプ
ラスチックフィルムが好ましく用いられる。用いるプラ
スチックを例示するならば、ポリエチレンテレフタレ−
ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)等
のポリエステル、ポリアミド、ポリエ−テル、ポリスル
フォン、ポリエ−テルスルフォン(PES)、ポリカ−
ボネ−ト、ポリアリレ−ト、ポリエ−テルイミド、ポリ
エ−テルエ−テルケトン(PEEK)、ポリイミド、ア
ラミドなどのホモポリマ−またはコポリマ−からなるプ
ラスチックフィルムが挙げられる。
【0022】本発明に用いられるプラスチックフィルム
の厚みは、通常5μm〜500μm、好ましくは10μ
m〜200μmであり、さらに好ましくは50μm〜1
50μmが適当である。本発明の金属電極は、透明導電
膜の金属電極形成領域以外の部分に紫外線硬化型アクリ
ル樹脂や熱硬化型ポリエステル樹脂などの透明レジスト
樹脂を塗布硬化させて保護層を形成した後、直接、電解
めっき法により形成することが出来る。本発明に用いら
れる保護層としては、硬化後の550nmの波長の光線
透過率が少なくとも70%以上、さらに好ましくは80
%以上が望ましい。保護層の厚みは、通常1μm〜10
0μm、好ましくは5μm〜50μmであり、さらに好
ましくは10μm〜30μmが適当である。
【0023】本発明のパネルヒーターの金属電極及び保
護層を機械的、水分等のによる腐食防止等の化学的保護
の為に、金属電極や保護層の上を覆うように透明な保護
層を設けても良い。透明な保護層としては、550nm
の波長の光線透過率が少なくとも70%以上、さらに好
ましくは80%以上が望ましい。透明な保護層として
は、透明基板として用いたプラスチックフィルムを接着
剤を用いて積層するか、ポリエステル、ポリオレフィ
ン、アクリル樹脂等の有機物の他、シリコ−ン系ハ−ド
コ−ト剤、シリカゾル剤等を塗布して保護層として用い
ることも出来る。本発明に用いられる透明な保護層の厚
みとしては、通常1μm〜200μm、好ましくは2μ
m〜100μmであり、さらに好ましくは5μm〜50
μmが適当である。以下、実施例により本発明の実施の
態様の一例を説明する。
【0024】
【実施例】
実施例1 可視光線透過率89%の100μm厚みのPET上にD
Cマグネトロンスパッタ法により酸化インジウム(30
nm)/銀(12nm)/SiN+銅(30nm)の積
層膜が形成された透明導電性フィルムを形成した。尚、
銅金属を含む窒化珪素からなる透明薄膜層は、銀薄膜形
成後にSiターゲット上面積比で30分の1になるよう
に銅チップを乗せてアルゴンの他に窒素ガスを導入しな
がら形成した。
【0025】125mm(長さ)×4mm(幅)の大き
さで、両金属電極の距離が90mmに成るようにUV硬
化型透明レジスト樹脂を塗布硬化し、保護層を形成した
後、pH3.5のスルファミン酸Niめっき浴で20μ
m厚みのNi膜を形成した。金属電極のコネクター部分
を残して25μm厚みのPETフィルムを金属電極及び
保護層上に積層し透明な保護層とした。
【0026】形成されたパネルヒーターの両金属電極間
の抵抗は4Ωであった。このパネルヒーターを−20℃
の恒温槽内で13V、3.3Aの電力を投入したところ
1分間で22℃まで表面温度が上昇した。
【0027】実施例2 可視光線透過率88%の50μm厚みのPESの一主面
に高周波イオンプレーティングにより酸化インジウム
(40nm)/銀+金3wt%からなる金属薄膜(10
nm)/SiNx+Pd(30nm)からなる積層体を
形成した。尚、Pd金属を含む窒化珪素からなる透明薄
膜層は、銀薄膜形成後にSiターゲット上面積比で30
分の1になるように窒素ガス中で2源蒸発により形成し
た。
【0028】35mm(長さ)×4mm(幅)の大きさ
で、両金属電極の距離が90mmに成るようにUV硬化
型アクリル樹脂を塗布硬化し、保護層を形成した後、p
H3.5のスルファミン酸Niめっき浴で20μm厚み
のNi膜を形成した。金属電極のコネクター部分を残し
て金属電極及び保護層上にアクリルウレタン系UV硬化
型樹脂を塗布硬化して透明な保護層とした。形成された
パネルヒーターの両金属電極間の抵抗は5Ωであった。
このパネルヒーターを−20℃の恒温槽内で12V、
2.4Aの電力を投入したところ1分間で20℃まで表
面温度が上昇した。
【0029】実施例3 実施例1のPET上にDCマグネトロンスパッタ法によ
りSiNx(30nm)/銀(12nm)/SiNx+
Pd(30nm)の積層体からなる透明導電性フィルム
を形成した。尚、Pdを含む窒化珪素からなる透明薄膜
層は、銀薄膜形成後にSiターゲット上面積比で30分
の1になるようにPdチップを乗せてアルゴンの他に窒
素ガスを導入しながら形成した。35mm(長さ)×4
mm(幅)の大きさで、両金属電極の距離が90mmに
成るようにUV硬化型アクリル樹脂を塗布硬化し、保護
層を形成した後、pH3.5のスルファミン酸Niめっ
き浴で20μm厚みのNi膜を形成した。金属電極のコ
ネクター部分を残してアクリルウレタン系UV硬化型樹
脂を塗布硬化して透明な保護層とした。
【0030】形成されたパネルヒーターの両金属電極間
の抵抗は5Ωであった。このパネルヒーターを−20℃
の恒温槽内で12V、2.4Aの電力を投入したところ
1分間で20℃まで表面温度が上昇した。
【0031】実施例4 実施例3で作製した透明導電性フィルムを、35mm
(長さ)×4mm(幅)の大きさで、両金属電極の距離
が90mmに成るようにUV硬化型アクリル樹脂を塗布
硬化し、保護層を形成した。これをpH1の硫酸水溶液
中に2分間浸漬して前処理を行った。次に水洗し、乾燥
後、アルカノールスルフォン酸浴中ではんだめっきを行
った。
【0032】金属電極のコネクター部分を残してアクリ
ルウレタン系UV硬化型樹脂を塗布硬化して透明な保護
層とした。形成されたパネルヒーターの両金属電極間の
抵抗は5Ωであった。このパネルヒーターを−20℃の
恒温槽内で12V、2.4Aの電力を投入したところ1
分間で20℃まで表面温度が上昇した。 比較例 次に比較例について説明する。 比較例1 実施例1と同サイズ、同構成の透明導電性フィルムをパ
ネルヒーター基材として用い、この両端に4mm幅に導
電性塗料(銀ペースト)を塗布し、パネルヒーターの電
極とした。これに電力を投入し、昇温試験を行ったとこ
ろ、パネルヒーターの電極(導電性塗料)と透明導電膜
との間で異常発熱し、透明導電膜にヤケが発生し、断線
が発生した。
【0033】比較例2 実施例1と同様のPETの一主面に実施例2で用いた高
周波イオンプレーティングにより酸化インジウム(30
nm)/銀薄膜(10nm)/酸化インジウム+Pd
(30nm)からなる積層体を作製した。得られた積層
体をpH1の硫酸水溶液中に2分間前浸漬したところ、
表面抵抗は、1メガΩ/□と高抵抗化し、電解めっきを
行うことが出来なかった。
【0034】
【発明の効果】以上の実施例ならびに比較例からも明ら
かなように、本発明によって、製造工程が改善され、か
つ信頼性の高いパネルヒーターの製造が可能となり、製
品の低コスト化につながる有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一例を示す構成の断面図。
【図2】本発明の透明導電膜の一例を示す構成の断面
図。
【図3】本発明の透明導電膜の一例を示す構成の断面
図。
【図4】比較例1を示す構成の断面図。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明導電膜 3 金属電極 4 保護層 5 透明な保護層 6 導電性塗料 11 透明薄膜層 12 金属薄膜層 13 金属を含む窒化物からなる透明薄膜層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の少なくとも一主面に透明薄膜
    層と金属薄膜層とを少なくとも一層以上積層し、最外部
    の該金属薄膜層の上に、金属を含む窒化物からなる透明
    薄膜層を積層してなる透明導電膜上に、透明領域を確保
    するように金属電極を設けたことを特徴とするパネルヒ
    ーター。
  2. 【請求項2】 透明基板の少なくとも一主面に透明薄膜
    層と金属薄膜層とを少なくとも一層以上積層し、最外部
    の該金属薄膜層の上に、銅、Ni、Pd、銀、金からな
    る少なくとも一種以上の金属を含む窒化物からなる透明
    薄膜層を積層して成る透明導電膜上に、金属電極形成領
    域を残して硬化型のレジスト樹脂を塗布硬化させ、該金
    属電極形成領域に電解めっきによって1μm〜42μm
    厚みの金属電極を形成することを特徴とするパネルヒー
    ターの製造方法。
  3. 【請求項3】 電解めっき法によって形成する金属電極
    が、銅、Ni、Pd、Cr、金、銀、はんだ、Zn、S
    nからなる少なくとも一種以上の金属またはこれらの積
    層体よりなる請求項2記載のパネルヒーターの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 金属電極形成領域を残して透明導電膜上
    に、UV硬化型のレジスト樹脂、電子線硬化型のレジス
    ト樹脂または熱硬化型のレジスト樹脂を塗布硬化せしめ
    る請求項2記載のパネルヒーターの製造方法。
JP12405693A 1993-05-26 1993-05-26 パネルヒーターおよびその製造方法 Pending JPH06333667A (ja)

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