JPH0719139U - リサイクル容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 リサイクル可能な基材層（３）と内容物と直
接接触する内層（４）の少なくとも２層からなる容器で
基材層（３）と内層（４）の間が５０〜８００ｇ／２５
ｍｍ幅のラミネート強度で積層され、使用前後に基材層
を分離し、リサイクル可能とするリサイクル容器であ
り、基材層（３）がポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂からな
る非発泡又は発泡熱可塑性樹脂、あるいは紙であり、内
層（４）がポリビニルアルコール共重合体を含む少なく
とも２層の積層体であり、その厚みが３００μ以下であ
るリサイクル容器。 【効果】 容器を汚すことなく回収ができ、また複合品
の単層品化が容易に行える為に、リサイクル作業時の選
別等が単純化される食品トレーのリサイクルに適してい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はリサイクル性に優れた食品流通あるいは保存用容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来食品は輸送時の破損を防いだり、展示時の効率等、内容物の保護、内容物 の保存等を考え、店頭ではトレー状の容器に詰められ販売されてきた。 最も多い形態としては、発泡ポリスチレン等の容器に内容物を充填し、その外 側をストレッチフィルムで全体を包む形態のトレーが一般的であるが、型クズレ 等の問題がある。 しかし、近年の環境問題に対応して、これらのトレーは嵩が高い為に廃棄しず らいという問題点があった。ただ袋を用いることで嵩高さの問題は解消されるが 輸送時、展示時のこの問題点を解決するべく、店頭にて使用済のトレーが集めら れ、リサイクルに利用される機運が高まり、一部実行に移されている。 しかし、このリサイクルにおいては内容物が多岐にわたる為に、トレー自体が 内容物の液汁等により、汚染され、リサイクルしにくいという問題があり、この 問題を解決する為に、回収の際に汚染トレーを選別したり、トレーを洗浄したり する必要があった。またトレーが２層構成にあっているものもあり、この場合は 牛乳パックのようなものがあるが、使用後に内容物に接した層を剥離することも できるが、容易には剥離できないという欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は食品流通時に使用するトレーを従来の如く利用でき、かつ容易にリサ イクルが可能な包装体を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

リサイクル可能な基材層（３）と内容物と直接接触する内層（４）の少なくと も２層からなる容器で基材層（３）と内層（４）の間が５０〜８００ｇ／２５ｍ ｍ幅のラミネート強度で積層され、使用前後に基材層を分離し、リサイクル可能 とする事を特徴とするリサイクル容器であり、基材層（３）がポリオレフィン系 樹脂、ポリスチレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる非発 泡又は発泡熱可塑性樹脂、あるいは紙であり、内層（４）がポリビニルアルコー ル共重合体を含む少なくとも２層の積層体であり、その厚みが３００μ以下であ ることを特徴とするリサイクル容器である。 本考案で用いられる容器は、ドライラミネート法，サーマルラミネート法共押 出ラミネート法等の公知の積層技術による少なくとも２層の積層シートを作成し 、これを用いて圧空成形あるいは真空成形等の公知の成形法及びシートの折り曲 げ加工等による公知の加工法により容器が製作される。 本考案で用いられる容器のリサイクルされる基材層の材質としては、発泡熱可 塑性樹脂（ｅｘ、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレンテ レフタレート等）、ポリオレフィン系樹脂（ｅｘ、ポリエチレン、ポリスチレン 、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等）が用いられる。 内容物と接触する内層（４）としては任意の熱可塑性樹脂（ｅｘ、ポリエチレ ン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレンの混合物、エチレン酢酸ビ ニル共重合体、ポリスチレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテ レフタレート等）が用いられる他、種々の熱可塑性樹脂を組み合わせ積層化した ものでもよい（ｅｘ、ポリエチレン／無水マレイン酸変性ポリエチレン／エチレ ンビニルアルコール共重合体／無水マレイン酸変性エチレン酢酸ビニル／ポリス チレン等）。また内層としてのフィルムの厚みは廃棄する観点から薄い方が好ま しく、３００μ以下に設定することが望ましい。 本考案で用いられる蓋材としては一般的には熱可塑性樹脂の積層体（ｅｘ Ｐ ＥＴ／ＯＮｙ／ポリエチレン、ＯＮｙ／ポリプロピレン、ナイロン／エチレンビ ニルアルコール共重合体／ポリエチレン等）が用いられる他、アルミ箔、紙等を 組み合わせた複合積層体でもよく、容器内層とのヒートシール性が要求され、場 合においても開封性向上の為に各種の熱可塑性樹脂を任意にブレンドしたイージ ピール配合材が用いられる事もある。

【０００５】

【作用】

本考案に用いる容器としては少なくとも２層構成になっている事が必要であり 、単層であると、従来のトレーと変わりがなく、汚染される回収が困難となる本 考案を図によって説明する。 図１は本考案に関わるリサイクル容器の１例を示した容器の断面図である。図 １では本考案の容器１と蓋材２をシールした包装体がを示されており、容器１は 基材層３と内層４からなり、５の部分は内容物示す。 内容物５を詰めた容器１及び蓋材２は内容物５からでる液汁及び油等によりそ の接する層が汚染される。 図２にリサイクル時の形態を示す図２ａでは容器の内層４は蓋材のシール層と は、基材層３と内層４とのラミネート強度より強固にシールされており、密封さ れた容器は蓋材２の開封により開封するときに、基材層３と内層４とはラミネー ト強度が弱いために基材層３と内層４とは図２ｂのように剥離され、図２ｃと図 ２ｄに示すよう分離される。この後基材３は汚染されることなく図２ｃに示す如 くリサイクルに供され、内層４と蓋材２は図２ｅに示すように再び開封され内容 物が取出され、使用されるか又は食される。内層と蓋材は廃棄される。 また図３の場合のような包装体では（図３ａ）容器から蓋材２を開封し（図３ ｂ）、内容物５を取出した後、容器１から内層４を分離し（図３ｃ）、内層４は 廃棄し（図３ｄ）、基材層３をリサイクルに供し（図３ｅ）てもよい。 更にまた図４に示すように、従来の包装形態のようにヒートシールをなさなく ても、容器をストレッチフィルム６にて全体包装した包装体（図４ａ）でも、ス トレッチフィルム６を剥がし内容物５を取出し（図４ｂ）た後に、基材層３を分 離し（図４ｃ）、ストレッチフィルム６と内層４は廃棄され（図４ｄ）、基材層 ３はリサイクルに供する（図４ｅ）事もできる。 これらは、予め基材層と内層とのラミネート強度を５０〜８００ｇ／２５ｍｍ にしておく事により可能であり、この強度が５０ｇ以下だと輸送時に分離し、ト レーの役割を果たさず、８００ｇ以上だと分離が困難になる。また図２に示した ような用途で使用する時にはラミネート強度より蓋と容器のヒートシール強度を 強める調整を行うとより容易に分離が可能となる。

【０００６】

【考案の効果】

本考案の容器を用いる事により、食品トレーのリサイクルが容易に行える。 また、従来のように容器を汚すことなく回収ができ、また複合品の単層品化が 容易に行える為に、リサイクル作業時の選別等が単純化されるリサイクルに適し ている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のリサイクル容器の断面１形態である。

【図２】本考案の利用時の模式図である。

【図３】本考案の利用時の模式図である。

【図４】本考案の利用時の模式図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 柴木 雄一 東京都千代田区内幸町１丁目２番２号 住 友ベークライト株式会社内 (72)考案者 山本 進 東京都千代田区内幸町１丁目２番２号 住 友ベークライト株式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材層及び内容物と直接接触する熱可塑
   性樹脂からなる内層の少なくとも２層フィルムからなる
   容器で基材層と内層との間が５０〜８００ｇ／２５ｍｍ
   幅のラミネート強度で積層され、使用前後に基材層を分
   離し、リサイクル可能とする事を特徴とするリサイクル
   容器。
2. 【請求項２】 基材層がポリオレフィン系樹脂、ポリス
   チレン系樹脂又はポリエチレンテレフタレート系樹脂か
   らなる非発泡又は発泡熱可塑性樹脂あるいは紙である請
   求項１記載のリサイクル容器。
3. 【請求項３】 内層がポリビニルアルコール共重合体を
   含む少なくとも２層の積層体であり、その厚みが３００
   μ以下である請求項１又は２記載のリサイクル容器。