JPH0719027U - クランプ付リトラクター - Google Patents

クランプ付リトラクター

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JPH0719027U
JPH0719027U JP5387593U JP5387593U JPH0719027U JP H0719027 U JPH0719027 U JP H0719027U JP 5387593 U JP5387593 U JP 5387593U JP 5387593 U JP5387593 U JP 5387593U JP H0719027 U JPH0719027 U JP H0719027U
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webbing
clamp
retractor
force
plate
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貞▲徳▼ 大隅
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両衝突時に乗員の身体に生じる運動エネル
ギーを効率よく吸収することができる良好なクランプ解
除機構を備えたクランプ付リトラクターを提供する。 【構成】 リトラクターのベース背板1bに固定された
ロアプレート16との間でウェビング26の引出し部を
挟持可能なクランプ6をリトラクターの上部に配設す
る。該クランプ6のウェビング対向面に設けられ摩擦抵
抗を大きくするための挟持部6cが、ウェビング表面に
食い込む形状とされウェビング26に作用する所定以上
の引張り力により剪断又は変形可能なクランプ歯部6e
と、所定以上の引張り力により引き出し方向へ移動する
ウェビング26に抵抗力を付与可能な押圧歯部6fとで
形成される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、シートベルト装置のリトラクター(巻取り装置)に関し、特に車 両緊急時にウェビングを直接挟持してウェビング引き出し量を最少限にするクラ ンプ機構を備えたクランプ付リトラクターの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の乗員等を座席に拘束することにより衝突の衝撃から乗員を保護す る為にシートベルト装置が用いられているが、このシートベルト装置を構成する リトラクターの中には、衝突等の車両緊急時にウェビングが巻付けられている巻 取り軸のウェビング引き出し方向の回転をロックする緊急ロック機構のみならず 、ウェビングを直接挟み込んでシートベルトの伸び出しを止めるクランプ機構を 備え、衝突時の初期における乗員の拘束性能を向上させたものがある。
【0003】 ところが、衝突等の車両緊急時には前記クランプ機構により挟持されたウェビ ングにその破断強度以上の力が作用することが考えられる。即ち、上記の如きク ランプ機構によりシートベルトの伸び出しを阻止されたリトラクターに対し、更 にウェビングを引き出そうとする強力な引張り力が加わると、ウェビング挟持部 分にはより強くウェビングを挟持しようとする力が集中的に加わることとなり、 この挟持部分でウェビングが破断される可能性がある。また、衝突による衝撃力 が極めて大きいときには、乗員の身体に急激な減速度を作用させることになり、 この結果、シートベルトによる乗員への負荷が大きくなる可能性がある。
【0004】 そこで、例えば実開平4−43551号公報に開示されたウェビング巻取り装 置のように、挟持手段(クランプ部材)のウェビングに対向する面に設けられた 挟持部(クランプ歯部)がウェビングに作用する引張り力により剪断可能とされ ており、ウェビングに所定以上の引張り力が加えられると、挟持部が剪断して挟 持手段によるウェビングの挟持力を解除するように構成されたクランプ解除機構 を備えたものが種々提案されている。即ち、クランプ機構の作動を解除してシー トベルトを所定量繰り出させることにより、乗員の身体に生じる減速度を緩和し て乗員の身体をより確実に保護すると共に、ウェビングの損傷を防ぐようにした ものがある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記実開平4−43551号公報に開示されたウェビング巻取 り装置のようなクランプ解除機構を備えたリトラクターにおいては、所定以上の ウェビング引張り力が挟持手段に作用すると、挟持部が剪断して一気にウェビン グ挟持力が解除されるので、ウェビングに作用するウェビング張力が急激に下が ると共に、緊急ロック機構により巻取り軸のウェビング引き出し方向の回転がロ ックされると再びウェビング張力が急激に上昇してしまう。そこで、ウェビング 張力が大きくなったり小さくなったりして乗員の身体に作用する減速度が大きく 変化するとともに、ウェビング挟持力が解除されて再び上昇するまでのウェビン グ張力の落ち込み方が大きいことにより、衝突により乗員の身体に生じる運動エ ネルギーを効率よく吸収することが難しいという問題がある。
【0006】 従って、本考案の目的は上記課題を解消することに係り、車両衝突時に乗員の 身体に生じる運動エネルギーを効率よく吸収することができる良好なクランプ解 除機構を備えたクランプ付リトラクターを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案の上記目的は、リトラクターの巻取り軸に巻装されたウェビングの引出 し部をリトラクターのベース背面との間で挟持するクランプ部材と、車両緊急時 に巻取り軸のウェビング引き出し方向の回転をロックする緊急ロック機構とを備 えたクランプ付リトラクターにおいて、 前記クランプ部材のウェビング対向面に設けられ摩擦抵抗を大きくするための 挟持部が、ウェビング表面に食い込む形状とされウェビングに作用する所定以上 の引張り力により剪断又は変形可能なクランプ歯部と、所定以上の引張り力によ り引き出し方向へ移動するウェビングに抵抗力を付与可能な押圧歯部とを有する ことを特徴とするクランプ付リトラクターにより達成される。
【0008】
【作用】
本考案の上記構成によれば、車両緊急時にクランプ部材に挟持されたウェビン グに所定以上の引張り力が作用すると、クランプ歯部の一部が剪断又は変形され て挟持部のクランプ歯部によるウェビング挟持力が解除される。 そして、ウェビングはウェビング引出し方向へ移動するが、該ウェビングには 挟持部の押圧歯部による押圧力及び残存しているクランプ歯によるウェビングと の摺動抵抗力が作用するので、クランプ部材によるウェビング挟持力が一気に解 除されることはない。
【0009】 従って、前記押圧歯部による抵抗力及び残存しているクランプ歯によるウェビ ングとの摺動抵抗力によって乗員の運動エネルギーが効果的に消費され、クラン プ解除時のウェビング張力の急激な落ち込みを防止できる。 また、前記挟持部におけるクランプ歯部と押圧歯部との配分及び歯形状を変化 させることにより、クランプ解除荷重のコントロールが容易にできる。
【0010】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて本考案の一実施例を詳細に説明する。 図1及び図2に示すクランプ付きリトラクターの分解斜視図において、ベース 1はその大部分がコの字断面を有し、対向する各側板1aには対向してそれぞれ 貫通孔1cが穿設されており、該貫通孔1cにはウェビングが巻回されるボビン 2を固設した巻取り軸4が左右のプラスチックブッシュ3a,3bを介して回動 自在に軸架されている。該巻取り軸4の一端には、公知のテンションレデューサ ー5が配置されており、巻取り軸4はウェビングを巻取る方向に常時付勢されて いる。
【0011】 一方、巻取り軸4の他端には緊急時にウェビングの引き出しを阻止するための 緊急ロック機構が配置されている。この緊急ロック機構は、巻取り軸4の他端部 に固定された爪車であるラッチプレート4aを有し、その外方には巻取り軸4の 一部が突出され、そこには貫通孔9cを挿通されたテンションプレート9と、内 歯13aを有するラッチ部材であるラッチカップ13とが遊嵌されている。なお 、ラッチカップ13に形成されたスプリングハンガ13bとテンションプレート 9に形成されたスプリングハンガ9aとにはリターンスプリング12が装着され 、ラッチカップ13は矢印X2 方向に回動する付勢力が作用されている。そして 、前記ラッチカップ13の外側に位置する巻取り軸4には、図示しない公知のロ ック手段及び慣性部材が配置されており、衝突等の緊急時にウェビングにテンシ ョンがかかり、巻取り軸4に所定以上の衝撃的なウェビング引き出し方向(矢印 X1 方向)の回動力が作用されると、前記ラッチカップ13をリターンスプリン グ12の付勢力に抗して矢印X1 方向へ回動する。
【0012】 また、前記ラッチプレート4aに係合することによりラッチプレート4aのウ ェビング引き出し方向(矢印X1 方向)の回転を抑止する爪部材であるポール1 1が、ポールピン10を介してラッチプレート4aから係脱可能に側板1a外方 に軸支されている。該ポールピン10は、対向する各側板1aに穿設された貫通 孔27及び長穴21を挿通して橋架されており、貫通孔27との係合部を中心と して外方端側軸部10aが長穴21に沿って揺動可能となっている。更に、該ポ ールピンの外方端側軸部10aには、前記テンションプレート9の第1揺動端部 に形成された貫通孔9bが嵌挿される。そこで、前記ポール11は、長穴21に 沿って揺動回転中心を変位することができる。そして、ポール11にはポールガ イド突起11bが突設され、該ポールガイド突起11bはラッチカップ13の外 周部に突出形成されているポールガイド孔13cに挿入される。
【0013】 更に、前記側板1aの下部には車体加速度感知手段30を構成するセンサーケ ース31が固設され、この中空部内にはセンサーであるボールウエイト33が載 置されると共に、係止突起32aを有するセンサーアーム32が揺動可能に取り 付けられている。そして、これら緊急ロック機構を覆う側板1aの外側にはセン サーカバー14が配設されている。
【0014】 図示しないダストカバーにより覆われる前記ベース1の内側上方には、ウェビ ングを直接挟持することによってウェビングの引き出しを阻止するクランプ機構 が設けられている。 図3に示す部分破断側面図を併せ参照して説明すると、前記クランプ機構は、 ウェビング対向面に摩擦抵抗を大きくしてウェビング26を締め付け係合するた めの挟持部6cが形成された楔形状のクランプ部材であるクランプ6と、前記挟 持部6cが形成されたウェビング対向面と反対側の平面部6dと摺接する案内部 材であるアッパープレート20を保持しているアッパーステー19とを有してい る。
【0015】 前記クランプ6の挟持部6cは、図5に示すように、ウェビング表面に食い込 む形状とされウェビング26に作用する所定以上の引張り力Fにより剪断可能な クランプ歯部6eと、所定以上の引張り力Fにより引き出し方向へ移動するウェ ビング26に抵抗力を付与可能な押圧歯部6fとから成る。前記クランプ歯部6 eはウェビング表面に食い込み易い尖鋭の角錐状に形成されると共に、許容以上 の剪断力が作用すると剪断又は変形されるように構成されている。また、前記押 圧歯部6fはウェビング表面にクランプ歯部6eよりも食い込み難くなるように 頭を切った角錐状に形成されている。
【0016】 そこで、ウェビング挟持時にウェビング26に作用する引張り力Fが所定値よ り小さい場合には、前記クランプ歯部6eは剪断又は変形されることなく、ウェ ビング表面に食い込んでシートベルトの伸び出しを完全に阻止することができる 。そして、ウェビング26に作用する引張り力Fが所定値以上の場合には、前記 クランプ歯部6eの一部は剪断又は変形され、クランプ歯部6eによるウェビン グ挟持力は解除される。 また、前記押圧歯部6fは、ウェビング表面に食い込 んでシートベルトの伸び出しを阻止することはできないが、ウェビング表面を押 圧することによって所定以上の引張り力Fにより引き出し方向へ移動するウェビ ング26に抵抗力を付与することができる。
【0017】 前記アッパーステー19は、その取付け孔19bを側板1aの突起1dに嵌合 させ、その取付け板19aにアッパープレート20をビス固定することにより、 該アッパープレート20の長手方向の移動を規制している。 前記アッパープレート20は、対向する側板1aに形成された貫通口24に両 端部を嵌装された後、アッパーステー19の取付け板19aに固定されることに よって、前記クランプ6をウェビング締め付け係合位置へ案内するその摺接面2 0aがベース1のベース背板1bに固定されたロアプレート16に対して上方側 で近接する所定の傾斜角度を持つように固設される。
【0018】 そして、狭窄状先端部が上方側に位置し、その平面部6dがアッパープレート 20の摺接面20aに面接触状態で位置決めされるクランプ6の挟持部6cは、 挟持するウェビング26の表面に対して常に平行に配設されるので、アッパープ レート20の摺接面20aに沿って摺動するクランプ6はウェビング26を均等 に締め付け係合することができる。又、クランプ6の後端側に突設された係合部 6bとアッパープレート20の後端面20bとの間にはリターンスプリング15 が配設されており、該クランプ6をウェビング26と非係合な方向に付勢してい る。
【0019】 前記クランプ6の下方には、前記リターンスプリング15により付勢されてい るクランプ6の移動を規制するクランプレバー7が配設されており、該クランプ レバー7は側板1aの内側に配設されて前記テンションプレート9に係合するア ウタープレート8と共に、緊急ロック機構に連動して前記クランプ6をウェビン グ締め付け方向に移動させる連動手段であるレバー部材を構成している。
【0020】 前記クランプレバー7は、クランプ6の側壁に突設された枢軸6aに係合する 切り欠き部7fを形成された一対の板状部材7a,7bと、これらに架け渡され てクランプ6の後端壁に当接する連結部7cとから成り、その孔7dが対向する 側板1aに形成した貫通孔23に挿通したレバーピン17により回動自在に軸支 される。前記アウタープレート8は、前記貫通孔23を貫通したレバーピン17 の一端部にその孔8bが貫通され、側板1aに沿って回動自在に軸支されている 。更に、該アウタープレート8は、内方へ突出することにより側板1aの長穴2 2を挿通して板状部材7aの係合穴7eに係合する内方側軸部8aと、前記テン ションプレート9の第2揺動端部に形成された係合部9dに係合する当接部8c とを有している。
【0021】 そして、クランプレバー7は、長孔22に係止される内方側軸部8aによって 下方への回転を阻止されることにより、リターンスプリング15の付勢力に抗し てクランプ6の移動を規制している。即ち、クランプ6は枢軸6aが板状部材7 a,7bの揺動端側に形成された切り欠き部7fに支持され、その後端壁が連結 部7cに支持されることにより、その挟持部6cがウェビング26と非係合な位 置に保持されている。従って、アウタープレート8が上方へ回転すると、内方側 軸部8aを介してクランプレバー7が上方へ回転させられる。上方へ回転させら れたクランプレバー7は、リターンスプリング15の付勢力に抗してクランプ6 の枢軸6aを押圧することによって、平面部6dをアッパープレート20の摺接 面20aに沿って摺動させながら該クランプ6をウェビング26と係合する方向 に移動させる。この時、前記長穴22が内方側軸部8aと干渉することはない。
【0022】 更に、前記テンションプレート9は、前記リターンスプリング12の付勢力よ り大きなリターンスプリング15の付勢力が作用しているアウタープレート8に よって、前記第2揺動端部の係合部9dを図中の下方へ押圧され、矢印X2 方向 へ回転付勢されている。そこで、前記ポールピン10は長穴21の背板側端面2 1a側でウェビング巻取り方向に付勢されている。
【0023】 従って、クランプレバー7とアウタープレート8とからなる前記レバー部材と 、前記テンションプレート9とによって、前記クランプ6をウェビング挟持方向 に移動させてウェビング26の引き出しを阻止し得る第1の位置とウェビング2 6の引き出しを可能とする第2の位置とにそれぞれ位置させる制御手段が構成さ れている。
【0024】 次に、上記クランプ付リトラクターの作動について説明する。 先ず、通常使用時においては、図3に示す如く、クランプレバー7の係合穴7 eに係合するアウタープレート8の内方側軸部8aがリターンスプリング15の 付勢力により前記長穴22内の下側端に位置しており、クランプ6はリターンス プリング15の付勢力によってウェビング26と非係合な方向に付勢されている 。又、図7に示すように、ラッチカップ13はスプリングハンガ13bとテンシ ョンプレート9のスプリングハンガ9aとに装着されたリターンスプリング12 の付勢力によって、矢印X2 方向に付勢されており、ポールガイド孔13cにポ ールガイド突起11bが係合するポール11は、ラッチプレート4aと非係合な 方向に付勢されているので、ウェビング26の引き出しは自在である。
【0025】 しかして、衝突等の緊急時にウェビング26にテンションがかかり、巻取り軸 4に所定以上の衝撃的なウェビング引き出し方向(矢印X1 方向)の回動力が作 用されると、図示しない慣性部材が慣性力を受けて巻取り軸4のウェビング引き 出し方向の回転に対し回転遅れを生じる。すると、ロック手段が作動し、ロック 部材28の係合部28aがラッチカップ13の内歯13aに係合するので、フラ ンジ27の回動力がラッチカップ13に伝達され、図4に示すように該ラッチカ ップ13をリターンスプリング12の付勢力に抗して矢印X1 方向へ回動する。 そして、ポールガイド突起11bに係合するポールガイド孔13cがこのポール ガイド突起11bを介してポール11を矢印Z方向へ回動してラッチプレート4 aに係合部11aを係合させる。
【0026】 ポール11の係合部11aがラッチプレート4aに係合した状態で、巻取り軸 4が更に矢印X1 方向へ回動すると、ポール11を軸支しているポールピン10 がテンションプレート9を介して作用しているリターンスプリング15の付勢力 に抗して前記長穴21内の背板側端面21aから正面側端面21b方向に移動す るので、テンションプレート9は矢印X1 方向へ回動させられる。すると、テン ションプレート9の係合部9dがアウタープレート8の当接部8cを介して該ア ウタープレート8を矢印Y方向へ回動するので、長穴22を挿通した内方側軸部 8aを介してクランプレバー7も矢印Y方向へ回動させられる。
【0027】 そこで、クランプレバー7の揺動端側に形成された切り欠き部7fに支持され たクランプ6は、アッパープレート20の摺接面20aに沿って上方へ直ちに移 動させられる。該摺接面20aは、前記ロアプレート16に対して上方側が近接 するように傾斜しているので、リターンスプリング15の付勢力に抗して上方へ 摺動させられた楔形状のクランプ6はウェビング挟持方向(矢印W方向)へ移動 し、摺接面20aとロアプレート16との間に食い込む。
【0028】 すると、クランプ6の挟持部6cは、図6(a) に示すようにクランプ歯部6e をウェビング表面に食い込ませながらウェビング26を挟持するので、ウェビン グ26はクランプ6とロアプレート16に挟持されて引き出しが阻止される。 また、これと同時に、ポール11を軸支しているポールピン10は、前記長穴 21内の正面側端面21bに当接した時点で移動が停止し、巻取り軸4の矢印X 1 方向への回動を阻止するが、このポールピン10が正面側端面21bに当接す るタイミングは、前記挟持部6cのクランプ歯部6eがウェビング26に完全に 食い込んだ直後に当接するタイミングに合わせられる。このクランプ6とポール 11の作動タイミングは、前記当接部8c及び長穴21の形状をそれぞれ適宜変 更することにより、任意に変えることができる。
【0029】 また、車両が緊急時、所定以上の速度変化を受けた場合にも、前記車体加速度 感知手段30がロック手段を作動させて上述の如くクランプ機構及び緊急ロック 機構が作動する。 そして、ウェビング26に作用されたテンションが解除された時には、クラン プ6を挟持方向に保持する力がなくなり、クランプ6はリターンスプリング15 の付勢力によってウェビング26と非係合な方向に付勢され、クランプ機構が解 除される。それと同時にテンションプレート9も解除方向(矢印X2 方向)に回 転し、クランプ6とテンションプレート9は初期位置へ戻る。更にウェビング2 6を巻き込ませると、ポール11が矢印Z方向と反対方向に回動され、ラッチプ レート4aと係合部11aとのロックが解除される。更にウェビング26を巻き 込ませると、ロック部材28の係合部28aとラッチカップ13の内歯13aと の係合が解除され、ラッチカップ13はリターンスプリング12の付勢力によっ て矢印X2 方向に回動されて初期位置に戻され、ウェビング26の引き出しが自 在となる。
【0030】 ところが、上記の如きクランプ状態において、衝突時の衝撃力が過度に大きく なりウェビング26の引張り力Fが更に大きくなると、所定以上の引張り力Fが ウェビング26に作用することにより許容以上の剪断力がクランプ歯部6eに作 用するので、該クランプ歯部6eの一部が剪断又は変形され、クランプ歯部6e によるウェビング挟持力は解除される。
【0031】 そこで、クランプ歯部6eによるウェビング挟持力が解除されたウェビング2 6は、この挟持部分での破断が回避され、図6(b) に示すようにウェビング引出 し方向へ移動するが、この時、該ウェビング26には前記押圧歯部6f及び残存 しているクランプ歯によって抵抗力が付与されているので、ウェビング26を介 して車両衝突時の乗員の運動エネルギーを効果的に消費し、クランプ解除時のウ ェビング張力の急激な落ち込みを防止できる。尚、該クランプ機構によるウェビ ング挟持力が解除された状態においても、ウェビング26は緊急ロック機構によ り巻取り軸4を介して引き出しを阻止されている。
【0032】 従って、ウェビングクランプ時には、衝突により乗員の身体に生じる運動エネ ルギーを効率よく吸収することができると共に、クランプが解除された後には、 緊急ロック機構により巻取り軸4のウェビング引き出し方向の回転がロックされ て再びウェビング張力が上昇する際に乗員の身体に作用する減速度が大きく変化 するのを防止することができ、極めて効果的な保護機能を発揮することができる 。
【0033】 また、前記挟持部6cにおけるクランプ歯部6eと押圧歯部6fとの配分や形 成位置及び歯形状を適宜変化させることにより、クランプ歯部6eの許容剪断力 や押圧歯部6fの押圧力等を簡単に変更することができるので、クランプ状態の ウェビング張力や、クランプ6によるクランプ解除荷重のより細かなコントロー ルが可能となり、設計自由度が向上する。
【0034】 尚、本考案のクランプ歯部及び押圧歯部の形状や配置及び歯形状は、上記実施 例のものに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である 。 又、本考案におけるクランプ機構の構成及びクランプ部材の形状は、上記実施 例のものに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論であり 、例えば一端部を回動可能に支持された回動挟持部材がウェビングを挟持するク ランプ機構のような種々のクランプ機構を有するクランプ付リトラクターに応用 することができる。
【0035】 更に、本考案は上記実施例の如き緊急ロック機構の構成に限らず、他の慣性感 知手段やロック手段を備えた緊急ロック機構を有するクランプ付リトラクターに 応用することも可能である。
【0036】
【考案の効果】
即ち、本考案のクランプ付リトラクターによれば、車両緊急時に所定以上の引 張り力がウェビングに作用すると、クランプ部材のクランプ歯部の一部が剪断又 は変形されて挟持部のクランプ歯部によるウェビング挟持力が解除され、ウェビ ングはウェビング引出し方向へ移動するが、該ウェビングには挟持部の押圧歯部 による押圧力及び残存するクランプ歯とウェビングとの摺動抵抗力が作用するの で、クランプ部材によるウェビング挟持力が一気に解除されることはなく、引き 出し方向へ移動するウェビングには該押圧歯部及び残存するクランプ歯による抵 抗力が付与される。
【0037】 そこで、前記押圧歯部及び残存するクランプ歯による抵抗力によって乗員の運 動エネルギーが効果的に消費され、クランプ解除時のウェビング張力の急激な落 ち込みを防止できる。また、前記挟持部におけるクランプ歯部と押圧歯部との配 分及び歯形状を変化させることにより、クランプ解除荷重のコントロールが容易 にできる。
【0038】 従って、車両衝突時に乗員の身体に生じる運動エネルギーを効率よく吸収する ことができる良好なクランプ解除機構を備えたクランプ付リトラクターを提供で きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に基づくクランプ付リトラ
クターの分解斜視図の一部である。
【図2】図1に示したクランプ付リトラクターの残り部
分の分解斜視図である。
【図3】図1に示したクランプ付リトラクターのクラン
プ機構の作動説明用の部分破断側面図である。
【図4】図1に示したクランプ付リトラクターのクラン
プ機構の作動説明用の部分破断側面図である。
【図5】図3に示したクランプ機構の要部拡大側面図で
ある。
【図6】(a),(b) は図5に示したクランプ機構の作動説
明用の要部拡大側面図である。
【図7】図1に示したクランプ付リトラクターの緊急ロ
ック機構の作動説明用の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 ベース 1a 側板 1b ベース背板 4 巻取り軸 4a ラッチプレート 6 クランプ 6c 挟持部 6e クランプ歯部 6f 押圧歯部 7 クランプレバー 8 アウタープレート 9 テンションプレート 10 ポールピン 11 ポール 15 リターンスプリング 16 ロアプレート 19 アッパーステー 20 アッパープレート 26 ウェビング 30 車体加速度感知手段

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リトラクターの巻取り軸に巻装されたウ
    ェビングの引出し部をリトラクターのベース背面との間
    で挟持するクランプ部材と、車両緊急時に巻取り軸のウ
    ェビング引き出し方向の回転をロックする緊急ロック機
    構とを備えたクランプ付リトラクターにおいて、 前記クランプ部材のウェビング対向面に設けられ摩擦抵
    抗を大きくするための挟持部が、ウェビング表面に食い
    込む形状とされウェビングに作用する所定以上の引張り
    力により剪断又は変形可能なクランプ歯部と、所定以上
    の引張り力により引き出し方向へ移動するウェビングに
    抵抗力を付与可能な押圧歯部とを有することを特徴とす
    るクランプ付リトラクター。
JP5387593U 1993-09-10 1993-09-10 クランプ付リトラクター Pending JPH0719027U (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5387593U JPH0719027U (ja) 1993-09-10 1993-09-10 クランプ付リトラクター
DE4432151A DE4432151C2 (de) 1993-09-10 1994-09-09 Aufrollvorrichtung mit Klemmechanismus
GB9418303A GB2282317A (en) 1993-09-10 1994-09-09 A retractor with a belt clamping mechanism
US08/304,691 US5524842A (en) 1993-09-10 1994-09-12 Retractor with a clamp mechanism

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JP5387593U JPH0719027U (ja) 1993-09-10 1993-09-10 クランプ付リトラクター

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5270914U (ja) * 1975-11-21 1977-05-26
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