JPH07190033A - ボルト、ナットおよび締結装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 座金を不要にでき、被結合部材のボルト孔の
軸合わせが容易に行え、ボルトとナットとの芯合わせが
短時間に行え、ナット締付け時に、ボルトの共回りを防
止することができる。 【構成】 ボルトＡは、適合座金の外径と等しい外径を
有する頭部１、雄ネジ部２、頭部１と雄ネジ部２との間
に設けられたテーパー部３、頭部１とテーパー部３との
コーナーに設けられた突起４からなっている。ナットＢ
は、一方半部の端部に形成された、適合座金の外径と等
しい外径を有するフランジ５、一方半部内に形成され
た、内径がボルト径より大きいボルトガイド部６、他方
半部の外面に形成された、締付工具と噛み合う歯合部
７、他方半部の内面に形成された雌ネジ部８、ボルトガ
イド部６と雌ネジ部８との間に設けられたテーパー部９
からなっている。締結装置Ｃは、ボルトＡとナットＢと
からなっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ボルト、ナットおよ
び締結装置、特に、締結作業が容易に行えるボルト、ナ
ットおよび締結装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、地中に立坑等を掘削する際に使
用される土留め用ライナープレートは、ライナープレー
トを構成するセクション同士を互いに、多数本のボル
ト、ナットによって連結することによって組み立てられ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知のボルト、ナットでは、以下のような問題があった。 １本のボルトに必ず２つの座金を使用するので、締
結に時間がかかり、座金を入れ忘れたり、落下による紛
失の恐れがある。 ボルトとナットとの芯合わせが短時間に行えない。 ナット締付け時に、ボルトが共回りを起こすことが
ある。 締結の順序、方法によっては、リング組立時の最終
セクションがセットできないことがある。

【０００４】従って、この発明の目的は、座金を不要に
でき、被結合部材のボルト孔の軸合わせが容易に行え、
ボルトとナットとの芯合わせが短時間に行え、しかも、
ナット締付け時に、ボルトの共回りを防止することがで
き、更に、締結順序を選ぶことなく、不慣れな作業者で
あっても機械的に締結ができることによって、均一な締
付けトルクが得られ、作業者の疲労を軽減できる、ボル
ト、ナット、および、これらボルト、ナットからなる締
結装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、頭部、雄ネ
ジ部、前記頭部と前記雄ネジ部との間に設けられた、前
記頭部に向かうにつれて太径に形成されたテーパー部、
前記頭部と前記テーパー部とのコーナーに設けられた突
起からなり、前記頭部の外径は、適合座金の外径と等し
いボルト、一方半部の端部に形成された、前記座金の外
径と等しい外径を有するフランジ、前記一方半部内に形
成された、内径が前記ボルト径より大きいボルトガイド
部、他方半部の外面に形成された、締付工具と噛み合う
歯合部、前記他方半部の内面に形成された雌ネジ部、前
記ボルトガイド部と前記雌ネジ部との間に設けられたテ
ーパー部からなるナット、および、前記ボルトと前記ナ
ットとからなる締結装置に特徴を有するものである。

【０００６】

【作用】ボルトの頭部を大きく形成し、ナットにフラン
ジを形成することによって座金を不要にでき、ボルトの
頭部と雄ネジ部との間にテーパー部を形成することによ
って、被結合部材のボルト孔の軸合わせが容易に行え、
ボルトの頭部とテーパー部とのコーナーに突起を設ける
ことによってナット締付け時に生じるボルトの共回りを
防止することができ、更に、ナットにボルトガイド部と
テーパー部とを形成することによって、ボルトとナット
との芯合わせが短時間に行える。

【０００７】

【実施例】次に、この発明のボルト、ナットおよび締結
装置の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。

【０００８】図１は、この発明のボルトの一実施態様を
示す正面図、図２は、この発明のボルトの一実施態様を
示す左側面図、図３は、この発明のボルトの一実施態様
を示す右側面図、図４は、この発明のナットの一実施態
様を示す部分断面図、図５は、この発明のナットの一実
施態様を示す左側面図、図６は、この発明の締結装置の
一実施態様を示す正面図、図７は、この発明のボルトお
よびナットから構成される締結装置を締結治具により締
め付けて、ライナープレートのセクションを結合した状
態を示す部分正面図、図８は、図７のＸ方向視図であ
る。

【０００９】図１から図３に示すように、この発明のボ
ルトＡは、頭部１、雄ネジ部２、頭部１と雄ネジ部２と
の間に設けられた、頭部１に向かうにつれて太径に形成
されたテーパー部３、および、頭部１とテーパー部３と
のコーナーに設けられた一対の突起４からなっている。
頭部１の外径は、適合座金の外径と等しい。

【００１０】このように構成されている、この発明のボ
ルトＡによれば、頭部１の外径が適合座金の外径と等し
いことから、座金を不要にでき、しかも、頭部１と雄ネ
ジ部２との間にテーパー部３を形成することによって、
被結合部材のボルト孔の軸合わせが容易に行え、更に、
頭部１とテーパー部３とのコーナーに突起４を設けるこ
によってナット締付け時に生じるボルトＡの共回りを防
止することができる。このボルトＡには、後述するナッ
トＢを使用するが、従来公知のナットを使用してもよ
い。

【００１１】図４および図５に示すように、この発明の
ナットＢは、一方半部の端部に形成された、適合座金の
外径と等しい外径を有するフランジ５、前記一方半部内
に形成された、内径がボルトＡの径より大きいボルトガ
イド部６、他方半部の外面に形成された、締付工具と噛
み合う山形の歯合部７、前記他方半部の内面に形成され
た雌ネジ部８、および、ボルトガイド部６と雌ネジ部８
との間に設けられたテーパー部９からなっている。

【００１２】このように構成されている、この発明のナ
ットＢによれば、一方半部の端部に、適合座金の外径と
等しい外径を有するフランジ５が形成されているので、
座金を不要にでき、しかも、前記一方半部内に、内径が
ボルトＡの径より大きいボルトガイド部６が形成され、
そして、ボルトガイド部６と雌ネジ部８との間にテーパ
ー部９が設けられていることによって、ボルトＡとナッ
トＢとの芯合わせが短時間に行える。ナットＢに、図８
に示すようなエアーレンチ１０のコマ１１を図７に示す
ように嵌め込んで、レンチ１０を作動させれば、ナット
Ｂの締付けが行える。また、何らかの手段によってボル
トの友回りを防止すれば、従来公知のボルトを使用して
もよい。

【００１３】図６に示すように、この発明の締結装置Ｃ
は、上述したボルトＡおよびナットＢによって構成され
る。この締結装置Ｃによって、例えば、図７に示すよう
に、ライナープレートのセクション１２同士を連結する
には、突き合わされた２枚のセクション１２のボルト孔
１３、１３にボルトＡを挿入し、ナットＢをボルトＡの
雄ネジ２に嵌め込む。この際、ナットＢに形成されたボ
ルトガイド部６およびテーパ部９の作用によって、ナッ
トＢは、円滑にボルトＡの雄ネジ２に嵌め込まれ、しか
も、ボルトＡとナットＢとの芯合わせが自然に行われ
る。そして、エアーレンチ１０によってナットＢを締め
れば、ボルトＡのテーパー部３がセクション１２のボル
ト孔内に強く挿入されるので、テーパー部３に沿って、
２つのボルト孔１３、１３とボルトＡとの軸合わせが自
動的に行われる。この際、ボルトＡの突起４もボルト孔
１３内に食い込むので、ボルトＡが共回りすることはな
い。このようにして、この発明の締結装置Ｃによって、
セクション１２同士が互いに連結される。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ボルトの頭部を大きく形成し、ナットにフランジを
形成することによって座金を不要にでき、ボルトの頭部
と雄ネジ部との間にテーパー部を形成することによっ
て、被結合部材のボルト孔の軸合わせが容易に行え、ボ
ルトの頭部とテーパー部とのコーナーに突起を設けるこ
とによってナット締付け時に生じるボルトの共回りを防
止することができ、更に、ナットにボルトガイド部とテ
ーパー部とを形成することによって、ボルトとナットと
の芯合わせが短時間に行える等、種々の有用な効果がも
たらされる。なお、この発明は、土留用ライナープレー
トのみならず、コルゲートパイプ、シールド工法用覆工
セグメント、鋼製型枠等の締結作業にも適用することが
できるが、これらに限定されるものでないことは、勿論
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のボルトの一実施態様を示す正面図で
ある。

【図２】この発明のボルトの一実施態様を示す左側面図
である。

【図３】この発明のボルトの一実施態様を示す右側面図
である。

【図４】この発明のナットの一実施態様を示す部分断面
図である。

【図５】この発明のナットの一実施態様を示す左側面図
である。

【図６】この発明の締結装置の一実施態様を示す正面図
である。

【図７】この発明の締結装置のナットを締結治具により
締め付けて、ライナープレートのセクションを結合した
状態を示す部分正面図である。

【図８】図７のＸ方向視図である。

【符号の説明】

Ａ：ボルト、 Ｂ：ナット、 Ｃ：締結装置、 １：頭部、 ２：雄ネジ、 ３：テーパー部、 ４：突起、 ５：フランジ、 ６：ボルトガイド部、 ７：歯合部、 ８：雌ネジ、 ９：テーパー部、 １０：エアーレンチ、 １１：コマ、 １２：セクション、 １３：ボルト孔。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 頭部と、雄ネジ部と、前記頭部と前記雄
   ネジ部との間に設けられた、前記頭部に向かうにつれて
   太径に形成されたテーパー部と、前記頭部と前記テーパ
   ー部とのコーナーに設けられた突起とからなり、前記頭
   部の外径は、適合座金の外径と等しいことを特徴とする
   ボルト。
2. 【請求項２】 一方半部の端部に形成された、最適座金
   の外径と等しい外径を有するフランジと、前記一方半部
   内に形成された、内径がボルト径より大きいボルトガイ
   ド部と、他方半部の外面に形成された、締付工具と噛み
   合う歯合部と、前記他方半部の内面に形成された雌ネジ
   部と、前記ボルトガイド部と前記雌ネジ部との間に設け
   られたテーパー部とからなることを特徴するナット。
3. 【請求項３】 頭部、雄ネジ部、前記頭部と前記雄ネジ
   部との間に設けられた、前記頭部に向かうにつれて太径
   に形成されたテーパー部、前記頭部と前記テーパー部と
   のコーナーに設けられた突起からなり、前記頭部の外径
   は、適合座金の外径と等しいボルトと、一方半部の端部
   に形成された、前記座金の外径と等しい外径を有するフ
   ランジ、前記一方半部内に形成された、内径が前記ボル
   ト径より大きいボルトガイド部、他方半部の外面に形成
   された、締付工具と噛み合う歯合部、前記他方半部の内
   面に形成された雌ネジ部、前記ボルトガイド部と前記雌
   ネジ部との間に設けられたテーパー部からなるナットと
   からなる締結装置。