JPH07188396A - テトラシクロドデセン系重合体水素添加物及びその製造方法 - Google Patents

テトラシクロドデセン系重合体水素添加物及びその製造方法

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JPH07188396A
JPH07188396A JP33200193A JP33200193A JPH07188396A JP H07188396 A JPH07188396 A JP H07188396A JP 33200193 A JP33200193 A JP 33200193A JP 33200193 A JP33200193 A JP 33200193A JP H07188396 A JPH07188396 A JP H07188396A
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信夫 川原
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いガラス転移温度と、狭い分子量分布を有
するテトラシクロドデセン系重合体水素添加物を提供
し、かつそのような重合体の製造方法を提供する。 【構成】 テトラシクロドデセン系単量体をリビング開
環メタセシス重合触媒で重合し、水素添加触媒のもとに
水素添加することにより、高いガラス転移温度と、狭い
分子量分布を有する重合体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なテトラシクロド
デセン系重合体水素添加物及びその製造方法に関する。
さらに詳しくは、高いガラス転移温度と狭い分子量分布
を有するテトラシクロドデセン重合体水素添加物及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラシクロドデセン系単量体の開環メ
タセシス重合は、一般に重合触媒としてタングステンや
モリブデン系の触媒に有機アルミニウム化合物等の助触
媒を使用して行われる。しかし、これらの重合触媒を使
用すると、特定の単量体しか重合できなかったり、逆に
分子量が増大し、分子量分布を制御することが困難であ
るという問題点を有している。この問題点を解決するた
めに1−ペンテンや1−ヘキセン等のα−オレフィン類
を分子量調節剤として使用することが知られており、特
開平5−105743号公報、特開平5−132545
号公報には、それらを使用した重合体の製造方法が開示
されている。しかしながら、これら手法では平均分子量
の制御は可能であるが、分子量分布を狭くすることは困
難である。
【0003】一方、米国特許4,681,956号及び
4,727,215号には、モリブデンやタングステン
のイミドアルキリデン錯体を用いた触媒が開示されてい
る。これら触媒を使用すると、リビング重合で反応が進
行し、分子量分布を単分散に制御することが可能であ
る。
【0004】また、Macromolecules, 24,4495(1991).に
は、これらアルキリデン錯体を持つ触媒でノルボルネン
系単量体を開環重合した例が開示され、ポリマーの立体
化学的な研究等が詳細に行われているが、これらポリマ
ーではガラス転移温度が低く、工業的に耐熱性ポリマー
としては不充分である。
【0005】さらに、これら開環メタセシス重合体は、
その分子中に二重結合が存在するために、耐候性、耐熱
性等の面で劣り、多くの場合これらは水素添加によって
改質がなされている。近年、これらの開環メタセシス重
合体の水素添加物は、耐熱性を持つ透明性樹脂として注
目をあびているが、高いガラス転移温度と狭い分子量分
布を有すテトラシクロドデセン系重合体水素添加物は知
られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の諸欠点の少なくとも一部を解決できるテトラシクロ
ドデセン系重合体水素添加物、例えば、高いガラス転移
温度と狭い分子量分布を有するテトラシクロドデセン系
重合体水素添加物を提供し、かつそのような重合体の製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決して高いガラス転移温度と狭い分子量分布を有す
るテトラシクロドデセン系重合体水素添加物及びそれを
製造する方法について鋭意検討し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、一般式(化6)で表されるガラス転移
温度が100℃以上であり、かつGPCで測定した重量
平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)
が1.0〜1.8であるテトラシクロドデセン系重合体
水素添加物である。
【0008】
【化6】 (式中R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっても
よく水素、炭化水素基、ハロゲン基、ハロゲン原子で置
換された炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メ
チルカルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を
表し、nは1より大きい整数を表す。)本発明は、また
一般式(化7)で表される少なくとも1種類のテトラシ
クロドデセン系単量体をリビング開環メタセシス触媒で
重合した後に、水素添加触媒のもとに水素添加すること
を特徴とする一般式(化8)で表されるガラス転移温度
が100℃以上であり、かつGPCで測定した重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が
1.0〜1.8であるテトラシクロドデセン系重合体水
素添加物の製造方法である。
【0009】
【化7】 (式中R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっても
よく水素、炭化水素基、ハロゲン基、ハロゲン原子で置
換された炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メ
チルカルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を
表す。)
【0010】
【化8】 (式中R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっても
よく水素、炭化水素基、ハロゲン基、ハロゲン原子で置
換された炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メ
チルカルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を
表し、nは1より大きい整数を表す。)本発明における
(化9)式で表されるテトラシクロドデセン系単量体の
具体例としては、xが1であるテトラシクロドデセン及
びその誘導体、xが2であるヘキサシクロヘプタデセン
及びその誘導体、xが3であるオクタシクロドコセン及
びその誘導体が挙げられる。これらの誘導体としては、
1 〜R4 が炭素数1〜12のアルキル置換、アリール
置換、アラルキル置換等の誘導体、R1〜R4が塩素、臭
素、沃素等であるハロゲン置換、クロロメチル、ブロモ
メチル等のハロゲンを含むアルキル置換、ニトリル置
換、カルボキシル置換、メチルカルボキシル置換等の誘
導体が挙げられ、
【0011】
【化9】 (式中R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっても
よく水素、炭化水素基、ハロゲン基、ハロゲン原子で置
換された炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メ
チルカルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を
表し、nは1より大きい整数を表す。)より具体的に
は、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8−カルボキシテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−カルボ
キシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、8−メトキシテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エトキシテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カル
ボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8−フェニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン等のテ
トラシクロドデセン類やヘキサシクロ[6.6.1.1
3,6 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセン、11−メ
チルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.02,7 .0
9,14]−4−ヘプタデセン、11−シアノヘキサシクロ
[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14]−4−ヘプタ
デセン等のポリシクロアルカン類をあげることができ
る。特に、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8−シアノテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンから
得られる重合体はガラス転移温度が高く好ましい。これ
らテトラシクロドデセン系単量体は必ずしも単独で用い
られる必要はなく、二種以上を用いて共重合することも
できる。
【0012】さらに、これらテトラシクロドデセン系重
合体は、上記の特定単量体を単独で開環重合させたもの
であっても良いが、当該特定単量体と共重合性を有する
単量体を開環重合させたものであってもよい。この共重
合性を有する単量体の具体例としては、シクロブテン、
シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の
シクロオレフィンを挙げることができる。さらにビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、2−メチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−シアノビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−5−エン等のノルボルネン誘
導体、ジシクロペンタジエン類を共重合させ開環重合さ
せても良い。
【0013】また、本発明に使用されるリビング開環メ
タセシス触媒としては、リビング開環メタセシス重合す
る触媒であればどのようなものでもよいが、具体例とし
ては、W(N-2,6-C6H3Pri 2) (CHBut) (OBut) 、W(N-2,6-C
6H3Pri 2) (CHBut)(OCMe2CF3)2、W(N-2,6-C6H3Pri 2) (CH
But)(OCMe(CF3)2)2、W(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBu
t)2、W(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF3)2 、W(N-
2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)2 、(式中のPr
i はi−プロピル基、But はt−ブチル基、Meはメチル
基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アル
キリデン触媒、Mo(N-2,6-C6H3 Pri 2) (CHBut ) (OB
ut)2、Mo(N-2,6-C6H3 Pri 2) (CHBut )(OCMe2CF3)2、Mo
(N-2,6-C6H3 Pri 2) (CHBut )(OCMe(CF3)2)2、Mo(N-2,6-
C6H3 Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut)2、Mo(N-2,6-C6H3 Pri 2)(C
HCMe2Ph)(OCMe2CF3)2 、Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)
(OCMe(CF3)2)2、(式中のPri はi−プロピル基、But
はt−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表
す。)等のモリブデン系アルキリデン触媒、Re(CBut)(C
HBut)(2,6-ジイソプロピルフェノキシド) 、Re(CBut)(C
HBut)(オルト−t−ブチルフェノキシド) 、Re(CBut)(C
HBut)(トリフルオロ−t−ブトキシド) 、Re(CBut)(CHB
ut)(ヘキサフルオロ−t−ブトキシド) 、Re(CBut)(CHB
ut)(2,6-ジメチルフェノキシド) 、(式中のBut はt−
ブチル基を表す。)等のレニウム系アルキリデン触媒、
Ta[C(Me)C(Me)CHCMe3] (2,6-ジイソプロピルフェノキシ
ド)3(ピリジン)、Ta[C(Ph)C(Ph)CHCMe3] (2,6-ジイソ
プロピルフェノキシド)3(ピリジン)、Ta[C(Me)C(Me)C
(CMeCH2CCMe3)CH2](2,6-ジイソプロピルフェノキシ
ド)3、(式中のMeはメチル基、Phはフェニル基を表
す。)等のタンタル系アルキリデン触媒、Ru(CHCHCPh2)
(PPh3)Cl2 、(式中のPhはフェニル基を表す。)等のル
テニウム系アルキリデン触媒やチタナシクロブタン類が
挙げられる。上記リビング開環メタセシス触媒は、単独
にまたは2種以上混合してもよい。
【0014】テトラシクロドデセン系単量体とリビング
開環メタセシス触媒のモル比は、開環メタセシス重合が
リビング重合であるため、単量体と触媒のモル比を制御
することにより、所望の分子量の重合体を得ることがで
きる。すなわち、単量体のモル数100に対し、触媒1
モルを反応させ得られた重合体は、ほぼ100量体の分
子量を持つことになり、これら分子量は単量体の性質に
より多少の差異はあるものの重量平均分子量Mwと数平
均分子量Mnの比Mw/Mnは1.0〜1.8の狭い範
囲に制御される。よって、単量体と触媒のモル比は、通
常10:1〜10000:1となる範囲、好ましくは1
00:1〜1000:1となる範囲である。。
【0015】リビング開環メタセシス重合において用い
られる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジブ
チルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳
香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂
肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン
などの脂環式炭化水素、メチレンジクロリド、ジクロロ
エタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロ
ルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用して
も良い。
【0016】本発明における水素添加触媒としては、不
均一系触媒、及び均一系触媒いずれでもよく、不均一系
触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、レテニウ
ムなどの貴金属をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニ
アなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができ
る。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/
トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナー
ト/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n
−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルア
ルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、トリス(トリ
フェニルホスフィン)ロジウム(I)クロライドなどを
挙げることができ、特にトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ロジウム(I)クロライドは活性が高く、完全に水
素添加反応が進行し好ましい。
【0017】本発明で得られたテトラシクロドデセン系
重合体水素添加物のガラス転移温度は、100℃以上で
あり、130℃以上が好ましい。ガラス転移温度が10
0℃未満では、耐熱性ポリマーとしては不充分である。
【0018】更に、本発明で得られるテトラシクロドデ
セン系重合体水素添加物のGPCで測定したポリスチレ
ン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比
(Mw/Mn)は、1.0〜1.8であり、1.0〜
1.5の範囲がさらに好ましい。Mw/Mnが1.8を
超えるようなものは、ポリマーとして不均一となり好ま
しくない。
【0019】本発明のテトラシクロドデセン系重合体水
素添加物の製造は、上記テトラシクロドデセン系重合体
を上記水素添加触媒を用い、溶媒の存在下に行われる。
【0020】水素添加反応は、通常常圧〜300気圧、
好ましくは20〜200気圧の水素ガスを用いて行わ
れ、その反応温度は、通常0〜200℃の温度であり、
10〜100℃の温度範囲が好ましい。
【0021】一般に、重合体と触媒の重量比は100:
0.1〜100:100、好ましくは100:1〜10
0:50であり、水素添加反応もリビング開環メタセシ
ス重合における溶媒と同様な溶媒を使用し行われる。
【0022】水素添加反応における水素添加率の測定
は、 1H−NMRやIRによっておこなわれるが、この
場合水素添加率は80%以上が好ましく、より好ましく
は90%以上である。
【0023】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
また、実施例及び比較例において得られた重合体の物性
値は、以下の方法により測定した。 平均分子量:GPCを使用し、得られた重合体をジクロ
ロメタンに溶解し、カラムとしてShodex k-805,804,80
3,802.5を使用し、室温においてポリスチレンスタンダ
ードによって分子量を較正した。 ガラス転移温度:島津製作所製DSC−50により、窒
素中16℃/分の昇温速度で、重合体粉末を用いて測定
した。
【0024】実施例1 磁気撹拌装置を備えた50mlフラスコに8−メチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン2.0g(11.5mmol)とテトラヒドロフラン2
8.5mlを入れ、さらにテトラヒドロフラン7mlに溶解
したMo (N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut )2 63mg
(0.115mmol)を加え室温で2時間反応させた。そ
の後、ベンズアルデヒド60mg(0.566mmol)を加
え30分間撹拌し、リビング反応を消失させた。この重
合液を多量のメタノール中に加えて開環重合体を析出さ
せ、濾別分離後さらに、メタノールで重合体を洗浄、乾
燥して白色分粉末状の開環重合体を得た。以上のように
して得られた開環重合体の収率は、99.8%であり、
GPCで測定した重量平均分子量Mwは、19300、
数平均分子量Mnは18200でありMw/Mnは1.
06であった。またDSCで測定したガラス転移温度は
205℃あった。さらに、100mlオートクレーブにこ
の開環重合体0.5g、5%パラジウムカーボン0.0
5g、シクロヘキサン40mlを加え、水素圧70Kg/c
m2、140℃で4時間水素添加反応を行った。得られた
水素添加品の 1H−NMRから算出した水素添加率は1
00%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mw
は、20100、数平均分子量Mnは18800であり
Mw/Mnは1.07であった。またDSCで測定した
ガラス転移温度は140℃であった。
【0025】実施例2 触媒として Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut )2
かえてMo (N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)を
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリビング開環
重合を行い、白色粉末状の開環重合体を得た。以上のよ
うにして得られた開環重合体の収率は、99%であり、
GPCで測定した重量平均分子量Mwは、18800、
数平均分子量Mnは16200でありMw/Mnは1.
16であった。またDSCで測定したガラス転移温度は
275℃であった。さらに、100mlオートクレーブに
この開環重合体0.5g、5%パラジウムカーボン0.
05g、シクロヘキサン40mlを加え、水素圧70Kg/c
m2、140℃で4時間水素添加反応を行った。得られた
水素添加品の 1H−NMRから算出した水素添加率は9
9.5%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mw
は、23400、数平均分子量Mnは19800であり
Mw/Mnは1.18であった。またDSCで測定した
ガラス転移温度は161℃であった。
【0026】実施例3 8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセンにかえて8−シアノテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンを用
いたこと以外は実施例1と同様にしてリビング開環重合
を行い、白色粉末状の開環重合体を得た。以上のように
して得られた開環重合体の収率は、99%であり、GP
Cで測定した重量平均分子量Mwは、60900、数平
均分子量Mnは51600でありMw/Mnは1.18
であった。またDSCで測定したガラス転移温度は16
2℃であった。さらに、100mlオートクレーブにこの
開環重合体0.5g、トリス(トリフェニルホスフィ
ン)ロジウム(I)クロライド0.07g、THF40
mlを加え、水素圧70Kg/cm2、100℃で8時間水素添
加反応を行った。得られた水素添加品の 1H−NMRか
ら算出した水素添加率は99%であり、GPCで測定し
た重量平均分子量Mwは、62400、数平均分子量M
nは52000でありMw/Mnは1.20であった。
またDSCで測定したガラス転移温度は211℃であっ
た。
【0027】実施例4 触媒として Mo(N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut)2にか
えてMo (N-2,6-C6H3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)を用
いたこと以外は、実施例3と同様にしてリビング開環重
合を行い、白色粉末状の開環重合体を得た。以上のよう
にして得られた開環重合体の収率は、98%であり、G
PCで測定した重量平均分子量Mwは、51300、数
平均分子量Mnは42400でありMw/Mnは1.2
1であった。またDSCで測定したガラス転移温度は2
80℃であった。さらに、100mlオートクレーブにこ
の開環重合体0.5g、トリス(トリフェニルホスフィ
ン)ロジウム(I)クロライド0.07g、THF40
mlを加え、水素圧70Kg/cm2、100℃で8時間水素添
加反応を行った。得られた水素添加品の 1H−NMRか
ら算出した水素添加率は99%であり、GPCで測定し
た重量平均分子量Mwは、56400、数平均分子量M
nは43400でありMw/Mnは1.30であった。
またDSCで測定したガラス転移温度は217℃であっ
た。
【0028】比較例1 磁気撹拌装置、コンデンサーを備えた100mlのフラス
コに8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン6.12g(0.0351 mol)
と1,2−ジクロロエタン50ml、六塩化タングステン
とアセタールから調整した0.25MのW系触媒のトル
エン溶液0.1mlと助触媒としてジエチルアルミニウム
クロライドの2.4Mトルエン溶液を0.1ml、分子量
調節剤として1−ヘキセン0.059g(0.702 m
mol)を加え、60℃で2時間反応させた。この重合液
を多量のメタノール中に加えて開環重合体を析出させ、
濾別分離後さらに、メタノールで重合体を洗浄、乾燥し
て白色分粉末状の開環重合体を得た。以上のようにして
得られた開環重合体の収率は、32%と低く、GPCで
測定した重量平均分子量Mwは24500、数平均分子
量Mnは6980でありMw/Mnは3.51と分子量
分布が広かった。さらに、100mlオートクレーブにこ
の開環重合体0.5g、5%パラジウムカーボン0.0
5g、シクロヘキサン40mlを加え、水素圧70Kg/c
m2、140℃で4時間水素添加反応を行った。得られた
水素添加品の 1H−NMRから算出した水素添加率は8
2%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは、
30200、数平均分子量Mnは7200でありMw/
Mnは4.2と広かった。
【0029】
【発明の効果】本発明のテトラシクロドデセン系重合体
水素添加物は、高いガラス転移温度と狭い分子量分布を
有し、分子量が均一であり、耐熱性のポリマーてして期
待できる。また、本発明のテトラシクロドデセン系重合
体水素添加物の製造方法は、効率的に耐熱性のポリマー
を与えることができ工業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅沼 正 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(化1)で表されるガラス転移温度
    が100℃以上であり、かつGPCで測定した重量平均
    分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が
    1.0〜1.8であるテトラシクロドデセン系重合体水
    素添加物。 【化1】 (式中R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっても
    よく水素、炭化水素基、ハロゲン基、ハロゲン原子で置
    換された炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メ
    チルカルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を
    表し、nは1より大きい整数を表す。)
  2. 【請求項2】一般式(化2)で表されるR1がメチル
    基、またはシアノ基であり、R2 〜R4 がH基であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のテトラシクロドデセン系
    重合体水素添加物。 【化2】
  3. 【請求項3】一般式(化3)で表される少なくとも1種
    類のテトラシクロドデセン系単量体をリビング開環メタ
    セシス触媒で重合した後に、水素添加触媒のもとに水素
    添加することを特徴とする一般式(化4)で表されるガ
    ラス転移温度が100℃以上であり、かつGPCで測定
    した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw
    /Mn)が1.0〜1.8であるテトラシクロドデセン
    系重合体水素添加物の製造方法。 【化3】 (式中R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっても
    よく水素、炭化水素基、ハロゲン基、ハロゲン原子で置
    換された炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メ
    チルカルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を
    表す。) 【化4】 (式中R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっても
    よく水素、炭化水素基、ハロゲン基、ハロゲン原子で置
    換された炭化水素基、ニトリル基、カルボキシル基、メ
    チルカルボキシル基を表す。また、xは1〜3の整数を
    表し、nは1より大きい整数を表す。)
  4. 【請求項4】一般式(化5)で表されるR1がメチル
    基、またはシアノ基であり、R2 〜R4 がH基であるこ
    とを特徴とする請求項3記載のテトラシクロドデセン系
    重合体水素添加物の製造方法。 【化5】
  5. 【請求項5】水素添加触媒がトリス(トリフェニルホス
    フィン)ロジウム(I)クロライドであることを特徴と
    する請求項3記載のテトラシクロドデセン系重合体水素
    添加物の製造方法。
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