JP3662720B2 - 環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 - Google Patents
環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3662720B2 JP3662720B2 JP21654697A JP21654697A JP3662720B2 JP 3662720 B2 JP3662720 B2 JP 3662720B2 JP 21654697 A JP21654697 A JP 21654697A JP 21654697 A JP21654697 A JP 21654697A JP 3662720 B2 JP3662720 B2 JP 3662720B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- ring
- opening metathesis
- metathesis polymer
- cyano
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 0 *C(*)(C(C1)C2C3)C(*)(*)C1C3C1C2C2C(C3)C=CC3C1C2 Chemical compound *C(*)(C(C1)C2C3)C(*)(*)C1C3C1C2C2C(C3)C=CC3C1C2 0.000 description 1
Landscapes
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィン系単量体の開環メタセシス重合体および開環メタセシス共重合体の水素添加物は光学材料、高剛性または耐熱性を有する樹脂として注目を浴び各種の開環メタセシス重合体水素添加物およびその製造方法が提案されている。環状オレフィン系開環メタセシス重合体の主鎖の炭素−炭素間二重結合を水素添加する方法として、例えばナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム等を用いる方法が公知であり、特開平2−172537号公報、特開平7−41549号公報等には、それらを使用した開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法が例示されている。
【0003】
しかしながら、ニッケル、コバルト、チタン等の有機酸塩等とアルミニウム、リチウム、マグネシウム、錫等の有機金属化合物からなるチーグラータイプの触媒では水、空気、極性化合物等により失活するため取扱いが煩雑であり極性の大きい溶媒を使用することができないという問題がある。
【0004】
また、これらの水素添加触媒を用いて、特に環状オレフィン系開環メタセシス重合体の水素添加反応を実施する場合、開環メタセシス重合体中に嵩高いトリシクロドデセン環が炭素−炭素間二重結合の近傍に存在するために立体障害が大きく、水素化は困難とされ、特に開環メタセシス重合体中にヒドロキシ、カルボニル、カルボキシルまたはニトリル基のような極性置換基を有する場合は水素化は困難とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決した新規な環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決した環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物を製造する方法について鋭意検討し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、モノ環状オレフィンまたは一般式〔1〕
【0008】
【化3】
〔1〕
(式中、R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素、炭素数1〜12のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基、ニトリル基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基から選ばれ、xは0〜3の整数を表わす。)
で表される環状オレフィン系単量体を開環メタセシス触媒により開環重合して得られた開環メタセシス重合体を、一般式〔2〕
【0009】
【化4】
(式中、Mは希土類金属元素を示し、L1 およびL2 はシクロペンタジエニル基、インデニル基、またはフルオレニル基であり、Qは水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖アルキル基、ハロゲン原子またはケイ素含有アルキル基であり、L1 およびL2 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
で表される希土類金属錯体の存在下に水素と接触させて該開環メタセシス重合体の主鎖の炭素−炭素二重結合を水素添加することを特徴とする環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における一般式〔1〕で表される環状オレフィン系単量体は、xが0であるビシクロヘプトエンの誘導体、xが1であるテトラシクロドデセンの誘導体、xが2であるヘキサシクロヘプタデセンの誘導体、xが3であるオクタシクロドコセンの誘導体であり、R1 〜R4 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1 〜R4 としては、水素、炭素数1〜12であるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル等のアルキル基、フェニル、ナフチル等のアリール基、ベンジル、フェネチル、フェニルイソプロピル、2−ナフチルメチル、2−ナフチルエチル、2−ナフチルイソプロピル等のアラルキル基、メトキシ、エトキシ、メントキシ等のアルコキシ基、塩素、臭素、沃素またはフッ素等のハロゲン、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル等のハロゲン化アルキル基、ニトリル基、カルボキシル基またはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メントキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基であり、特に、R1 〜R4 のうち少なくとも1つがニトリル基であるものが好ましく用いられる。
【0011】
具体例としては、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジシアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−ベンジルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のシアノビシクロヘプトエン類、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−ジシアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−メトキシテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−ベンジルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン等のシアノテトラシクロドデセン類、11−シアノヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−ジシアノヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−メトキシヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−カルボキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−カルボキシヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−シアノヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−トルフルオロメチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−フルオロヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−ジフルオロヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−フェニルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−ベンジルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−シクロヘキシルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン等のシアノヘキサシクロヘプタデセン類、14−シアノオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−ジシアノオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−メトキシオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−カルボキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−カルボキシオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−シアノオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−トリフルオロメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−フルオロオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−ジフルオロオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−フェニルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−ベンジルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−シクロヘキシルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン等のシアノオクタシクロドコセン類等を挙げることができる。
【0012】
さらには、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ベンジルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブロモビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロヘプトエン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−ベンジルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−プロモテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−メトキシテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−エトキシテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−メチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−メチル−9−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン等のテトラシクロドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−カルボキシヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−ベンジルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−カルボキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−メトキシヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−エトキシヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−メチル−12−カルボキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−カルボキシオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−ベンジルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−カルボキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−メトキシオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−エトキシオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−メチル−15−カルボキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン等のオクタシクロドコセン誘導体が挙げられる。モノ環状オレフィンとして、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のシクロオレフィン類、さらには、シクロペンタジエンの二量体類を挙げることができる。特にニトリル基を含むものを開環メタセシス重合体としたとき、物性が良好で好ましい。
【0013】
これらの環状オレフィン系単量体は必ずしも単独で用いられる必要はなく、二種以上を任意の割合で用いて開環共重合することもできる。
【0014】
また、本発明に使用される開環メタセシス触媒としては、開環メタセシス重合をする触媒であればどのようなものでもよいが、開環メタセシス触媒の具体例としては、W(N−2,6−C6 H3 Pri 2)(CHBut )(OBut )2 、W(N−2,6−C6 H3 Pri 2)(CHBut )(OCMe2 CF3 )2 、W(N−2,6−C6 H3 Pri 2)(CHBut )(OCMe2 (CF3 )2 )2 、W(N−2,6−C6 H3 Pri 2)(CHCMe2 Ph)(OBut )2 、W(N−2,6−C6 H3 Pri 2)(CHCMe2 Ph)(OCMe2 CF3 )2 、W(N−2,6−C6 H3 Pri 2)(CHCMe2 Ph)(OCMe2 CF3 )2 )2 、(式中のPri はiso−プロピル基、But はtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アルキリデン触媒、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHCMePh)(O−But )2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHMe2 )(O−But )2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHCPh2 )(O−But )2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHCMePh)(OCMe2 (CF3 ))2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHCMe2 )(OCMe2 (CF3 ))2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHCPh2 )(OCMe2 (CF3 ))2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHCMe)(OCMe(CF3 )2 )2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHCMe2 )(OCMe(CF3 )2 )2 (PMe3 )、W(N−2,6−Me2 C6 H3 )(CHCHCPh2 )(OCMe(CF3 )2 )2 (PMe3 )、W(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHCHCMePh)(OCMe2 (CF3 ))2 (PMe3 )、W(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHCHCMePh)(OCMe(CF3 )2 )2 (PMe3 )、W(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHCHCMePh)(OPh)2 (PMe3 )、(式中のPri はiso−プロピル基、But はtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アルキリデン触媒、Mo(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHBut )(OBut )2 、Mo(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHBut )(OCMe2 CF3 )2 、Mo(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHBut )(OCMe(CF3 )2 )2 、Mo(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHCMe2 Ph)(OBut )2 、Mo(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHCMe2 Ph)(OCMe2 CF3 )2 、Mo(N−2,6−Pri 2C6 H3 )(CHCMe2 Ph)(OCMe(CF3 )2 )2 、(式中のPri はiso−プロピル基、But はtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のモリブデン系アルキリデン触媒、Re(CBut )(CHBut )(O−2,6−Pri 2C6 H3 )2 、Re(CBut )(CHBut )(O−2,6−But C6 H4 )2 、Re(CBut )(CHBut )(OCMe2 CF3 )2 、Re(CBut )(CHBut )(OCMe(CF3 )2 )2 、Re(CBut )(CHBut )(O−2,6−Me2 C6 H3 )2 、(式中のBut はtert−ブチル基を表す。)等のレニウム系アルキリデン触媒、Ta[C(Me)C(Me)CHMe3 ](O−2,6−Pri 2C6 H3 )3 Py、Ta[C(Ph)C(Ph)CHMe3 ](O−2,6−Pri 2C6 H3 )3 Py、(式中のMeはメチル基、Phはフェニル基、Pyはピリジン基を表す。)等のタンタル系アルキリデン触媒、Ru(CHCHCPh2 )(PPh3 )2 Cl2 、(式中のPhはフェニル基を表す。)等のルテニウム系アルキリデン触媒やチタナシクロブタン類が挙げられる。上記開環メタセシス触媒は、単独にまたは二種以上混合してもよい。
【0015】
また、上記の他に「オレフィンメタセシス」(Olefin Metathesis, Kenneth J. Ivin, Academic Press, New York 1983 )に記載されているような、遷移金属化合物と助触媒としてのルイス酸との組み合わせによる開環メタセシス触媒系、例えば、モリブデン、タングステン、バナジウム、チタン等の遷移金属ハロゲン化物と助触媒として有機アルミニウム化合物、有機錫化合物またはリチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホウ素等の有機金属化合物とから成る開環メタセシス触媒を用いることもできる。
【0016】
遷移金属ハロゲン化物の具体例としては、MoBr2 、MoBr3 、MoBr4 、MoCl4 、MoCl5 、MoF4 、MoOCl4 、MoOF4 、等のモリブデンハロゲン化物、WBr2 、WBr4 、WCl2 ,WCl4 、WCl5 、WCl6 、WF4 、WI2 、WOBr4 、WOCl4 、WOF4 、WCl4 (OC6 H4 Cl2 )2 等のタングステンハロゲン化物、VOCl3 、VOBr3 等のバナジウムハロゲン化物、TiCl4 、TiBr4 等のチタンハロゲン化物等が挙げられる。
【0017】
また、助触媒としての有機金属化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等の有機アルミニウム化合物、テトラメチル錫、ジエチルジメチル錫、テトラエチル錫、ジブチルジエチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、トリオクチル錫フルオリド、トリオクチル錫クロリド、トリオクチル錫ブロミド、トリオクチル錫イオジド、ジブチル錫ジフルオリド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジイオジド、ブチル錫トリフルオリド、ブチル錫トリクロリド、ブチル錫トリブロミド、ブチル錫トリイオジド等の有機錫化合物、n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物、メチルマグネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物、トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、トリn−ブチルホウ素等の有機ホウ素化合物等が挙げられる。
【0018】
環状オレフィン系単量体と開環メタセシス触媒とのモル比は、環状オレフィン単量体100モルに対してタングステン、モリブデン、レニウム、タンタル、またはルテニウム等のアルキリデン触媒やチタナシクロブタン類の場合は、0.01〜10モル、好ましくは0.1〜5モルである。また、遷移金属ハロゲン化物と有機金属化合物から成る開環メタセシス触媒では、遷移金属ハロゲン化物は0.001〜5モル、好ましくは0.01〜3モルであり、助触媒としての有機金属化合物は0.005〜10モル、好ましくは0.02〜5モルとなる範囲である。
【0019】
開環メタセシス重合において用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらは二種以上混合して使用してもよい。
【0020】
さらに、分子量を制御するために、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、スチレン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン、ヘキサジエン等のオレフィン存在下で開環メタセシス重合を行ってもよい。
【0021】
開環メタセシス重合では、単量体の反応性および重合溶媒への溶解性によっても異なるが、単量体/開環メタセシスと溶媒の濃度0.1〜100mol/Lの範囲が好ましく、通常−30〜150℃の反応温度で1分〜10時間反応させ、アルデヒド類、ケトン類、アルコール類等の失活剤で反応を停止し、開環メタセシス重合体を得ることができる。
【0022】
本発明における水素添加反応には前記一般式〔2〕で表される希土類金属錯体を触媒として用いる。この一般式〔2〕においてMは希土類金属元素である。希土類金属元素の具体例としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、サマリウム、イッテルビウムまたはルテチウム等を例示できる。
【0023】
またL1およびL2はシクロペンタジエニル基、インデニル基またはフルオレニル基を示す。
【0024】
さらにQは水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、ハロゲン原子、アルキル置換シリル基であり具体例としては、水素、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ビス(トリメチルシリル)メチル等を例示できる。
【0025】
一般式〔2〕で表される希土類金属錯体は単量体でも多量体でもよく、具体例としては、ScH(Cp)2 、ScMe(Cp)2 、ScBut (Cp)2 、ScCl(Cp)2 、ScCH[Si(Me)3 ]2 (Cp)2 、YH(Cp)2、YMe(Cp)2 、YBut (Cp)2 、YCl(Cp)2 、YCH[Si(Me)3 ]2 (Cp)2 、[YH(Cp)2 ]2 、[YMe(Cp)2 ]2 、[YCl(Cp)2 ]2 、LaH(Cp)2 、LaMe(Cp)2 、LaBut (Cp)2 、LaCl(Cp)2 、LaCH[Si(Me)3 ]2 (Cp)2 、SmH(Cp)2 、SmMe(Cp)2 、SmBut (Cp)2 、SmCl(Cp)2 、SmCH[Si(Me)3 ]2 (Cp)2 、[SmH(Cp)2 ]2 、[SmMe(Cp)2 ]2 、[SmCl(Cp)2 ]2 、YbH(Cp)2 、YbMe(Cp)、YbBut (Cp)2 、YbCl(Cp)2 、YbCH[Si(Me)3 ]2 (Cp)2 、LuH(Cp)2 、LuMe(Cp)2 、LuBut(Cp)2 、LuCl(Cp)2 、LuCH[Si(Me) 3 ]2 (Cp) 2 、ScH(Ind)2 、ScMe(Ind)2 、ScBut (Ind)2 、ScCl(Ind)2 、ScCH[Si(Me)3 ]2 (Ind)2 、YH(Ind)2 、YMe(Ind)2 、YBut (Ind)2 、YCl(Ind)2 、YCH[Si(Me)3 ]2 (Ind)2 、[YH(Ind)2 ]2 、[YMe(Ind)2 ]2 、[YCl(Ind)2 ]2 、LaH(Ind)2 、LaMe(Ind)2 、LaBut (Ind)2 、LaCl(Ind)2 、LaCH[Si(Me)3 ]2 (Ind)2 、SmH(Ind)2 、SmMe(Ind)2 、SmBut (Ind)2 、SmCl(Ind)2 、SmCH[Si(Me)3 ]2 (Ind)2 、[SmH(Ind)2 ]2 、[SmMe(Ind)2 ]2 、[SmCl(Ind)2 ]2 、YbH(Ind)2 、YbMe(Ind)2 、YbBut (Ind)2 、YbCl(Ind)2 、YbCH[Si(Me)3 ]2 (Ind)2 、LuH(Ind)2 、LuMe(Ind)2 、LuBut (Ind)2 、LuCl(Ind)2 、LuCH[Si(Me)3 ](Ind)2 、ScH(Flu)2 、ScMe(Flu)2 、ScBut (Flu)2 、ScCl(Flu)2 、ScCH[Si(Me)3 ]2 (Flu)2 、YH(Flu)2 、YMe(Flu)2 、YBut (Flu)2 、YCl(Flu)2 、YCH[Si(Me)3 ]2 (Flu)2 、[YH(Flu)2 ]2 、[YMe(Flu)2 ]2 、[YCl(Flu)2 ]2 、LaH(Flu)2 、LaMe(Flu)2 、LaBut (Flu)2 、LaCl(Flu)2 、LaCH[Si(Me)3 ]2 (Flu)2 、SmH(Flu)2 、SmMe(Flu)2 、SmBut(Flu)2 、SmCl(Flu)2 、SmCH[Si(Me)3 ]2 (Flu)2 、[SmH(Flu)2 ]2 、[SmMe(Flu)2 ]2 、[SmCl(Flu)2 ]2 、YbH(Flu)2 、YbMe(Flu)2 、YbBut (Flu)2 、YbCl(Flu)2 、YbCH[Si(Me)3 ]2 (Flu)2、LuH(Flu)2 、LuMe(Flu)2 、LuBut (Flu)2 、LuCl(Flu)2 、LuCH[Si(Me)3 ]2 (Flu)2 等を例示することができ、さらに、上述の希土類金属錯体にテトラヒドロフラン等のエーテル類が配位しているもの、トリメチルホスフィン等のホスフィン類が配位しているもの、またはピリジン等のアミン類が配位しているものも例示できる。(式中のMeはメチル基、But はtert−ブチル基、Cpはシクロペンタジエニル基、Indはインデニル基、Fluはフルオレニル基を表す。)
開環メタセシス重合体の水素添加反応において用いられる溶媒としては開環メタセシス重合体を溶解し溶媒自体が水素添加されないものであればどのようなものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらは二種以上混合して使用してもよい。
【0026】
本発明の環状オレフィン系開環重合体水素添加物の製造は、開環メタセシス重合体溶液から開環メタセシス重合体を単離した後再度溶媒に溶解しても可能であるが、単離することなく、上記水素添加触媒を加えることにより水素添加を行う方法を採用することもできる。
【0027】
開環メタセシス重合体の水素添加反応は、水素圧力が通常、常圧〜300kg/cm2 、好ましくは20〜200kg/cm2 の範囲で行われ、その反応温度は、通常0〜200℃の温度であり、好ましくは室温〜150℃の温度範囲である。
【0028】
一般に、開環メタセシス重合体と水素添加触媒の重量比は100:0.005〜100:100であり、好ましくは100:0.01〜100:10である。開環メタセシス重合体の水素添加反応における水素添加率の測定は、 1H−NMRやIRのオレフィンに帰属するスペクトルから求めることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。
【0030】
なお、実施例において得られた重合体の物性値は、以下の方法により測定した。
【0031】
平均分子量:GPCを使用し、得られた環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物をクロロホルムに溶解し、検出器として日本分光製830−RIおよびUVIDEC−100−VI、カラムとしてShodex k−805,804,803,802.5を使用し、室温において流量1.0ml/minでポリスチレンスタンダードによって分子量を較正した。
【0032】
ガラス転移温度:島津製作所製DSC−50により、窒素中10℃/分の昇温速度で、3.5mgの環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の粉末を用いて測定した。
【0033】
実施例1
[水素添加触媒合成]
ビス(シクロペンタジエニル){ビス(トリメチルシリル)メチル}サマリウムは次のようにして合成した。窒素雰囲気下に200mlの1ネックフラスコ中でシクロペンタジエニルリチウム(1.122g、15.58mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン80mlに溶解し、得られた溶液に室温にて攪拌下三塩化サマリウム(2.00g、7.79mmol)を徐々に加え、このまま一晩反応させた後テトラヒドロフランを留去した。得られた固体に乾燥したトルエン80mlを加え攪拌を行い、ビス(トリメチルシリル)メチルリチウムのヘキサン溶液(0.91M、8.56ml)を徐々に加え、このまま一晩反応させた。次いで副生した塩を濾過にて除去を行った後、濾液を濃縮し−25℃で一晩冷却することによりオレンジ色の結晶(2.49g、62.4%)を得た。この化合物の分析値を以下に示す。
【0034】
1H−NMR(90MHz,C6 D6 )δ(CH)12.25(s,1H),δ(C5 H5 )9.76(s,10H),δ(CH3 Si)−0.63(s,18H),δ(THF)−1.44(m,4H),δ(THF)−2.08(m,4H);元素分析計算値;C,39.87,H,5.71,分析値;C,39.92,H,5.69
[開環メタセシス重合]
窒素雰囲気下で磁気攪拌装置を備えた50mlのフラスコ中で8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン(3.0g、16.26mmol)をテトラヒドロフラン120mlに溶解し攪拌を行った。これに開環メタセシス重合触媒としてMo(N−2,6−C6 H3 Pri 2)(CHCMe2 Ph)(OBut ) 2 (90mg、0.162mmol)を加え室温で1時間反応させた。その後、ベンズアルデヒド(84mg、0.162mmol)を加え室温で1時間反応させた。その後、ベンズアルデヒド(84mg、0.810mmol)を加え30分間攪拌し、反応を停止させた。
【0035】
この開環メタセシス重合体溶液を多量のメタノール中に加えて開環メタセシス重合体を析出させ、濾別分離後さらに、メタノールで洗浄、真空乾燥して白色粉末状の2.997gの開環メタセシス重合体粉末を得た。
【0036】
[水素添加反応]
その後、200mlのオートクレーブ中でこの開環メタセシス重合体粉末(2.997g)と水素添加触媒としてビス(シクロペンタジエニル){ビス(トリメチルシリル)メチル}サマリウム(0.06g、0.117mmol)をテトラヒドロフラン(147g)に溶解して、水素圧70kg/cm2 、100℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し、水素ガスを放出させた。この反応液を多量のメタノール/塩酸溶液中に加えて開環メタセシス重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後さらに、メタノールで洗浄、真空乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の 1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークから、その水素添加率は31.4%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは18600、数平均分子量Mnは18500でありMw/Mnは1.00であった。またDSCで測定したガラス転移温度は231℃であった。
【0037】
実施例2
8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン(3.0g、16.26mmol)に代えて8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン(3.0g、17.05mmol)、水素添加反応溶媒としてテトラヒドロフランに代えてトルエンを用いた以外は、実施例1と同様にして開環メタセシス重合および水素添加反応を行って開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の 1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークから、その水素添加率は30.6%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは17200、数平均分子量Mnは17040でありMw/Mnは1.01であった。またDSCで測定したガラス転移温度は165℃であった。
【0038】
実施例3
[ビス(シクロペンタジエニル){ビス(トリメチルシリル)メチル}イットリウム(テトラヒドロフラン)の合成]
窒素雰囲気下に200mlの1ネックフラスコにシクロペンタジエニルリチウム(1.122g、15.58mmol)を乾燥したTHF(80ml)に溶解し、室温にて攪拌下三塩化イットリウム(1.521g、7.79mmol)を徐々に加え、このまま一晩反応した後THFの留去を行い、得られた固体に乾燥したトルエン(80ml)を加え攪拌を行い、ビス(トリメチルシリル)メチルリチウムのヘキサン溶液(0.91M、8.56ml)を徐々に加え、このまま一晩反応した。ついで副生した塩を濾過にて除去を行った後、濾液を濃縮し−25℃で一晩冷却することにより淡黄色の結晶(1.27g、40.2%)を得た。この化合物の分析値を以下に示す。
【0039】
1H−NMR(90MHz,C6 D6 )δ(CH)−0.52(d,1H),δ(C5 H5 )6.20(s,10H),δ(CH3 Si)0.42(s,18H),δ(THF)1.21(m,4H),δ(THF)3.20(m,4H);元素分析、C21H37O1 Si2 Y1 (405.09)、計算値;C,62.21,H9.13,分析値;C,61.98,H,9.20
[水素添加反応]
窒素気流下で200mlのオートクレーブに実施例1と同様に合成した8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセンの開環メタセシス重合体粉末(2.996g)と水素添加触媒としてビス(シクロペンタジエニル){ビス(トリメチルシリル)メチル}イットリウム(テトラヒドロフラン)(0.060g、0.148mmol)をテトラヒドロフラン(147g)に溶解して、水素圧70kg/cm2 、100℃で5時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し、水素ガスを放出させた。
【0040】
この反応液を多量のメタノール/塩酸溶液中に加えて開環メタセシス重合体水素添加物を析出させ、濾別分離後さらに、メタノールで洗浄、真空乾燥して白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の 1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークから、その水素添加率は29.4%であり、GPCで測定した重量平均分子量Mwは17200、数平均分子量Mnは17130でありMw/Mnは1.00であった。またDSCで測定したガラス転移温度は233℃であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の環状オレフィン系開環重合体水素添加物の製造方法は、特に開環重合体中に極性置換基を有していても、穏和な条件下で効率的に水素添加することが可能であり、工業的に極めて価値がある。
Claims (2)
- モノ環状オレフィンまたは一般式〔1〕
で表される環状オレフィン系単量体を開環メタセシス触媒により開環重合して得られた開環メタセシス重合体を、一般式〔2〕
で表される希土類金属錯体の存在下に水素と接触させて該開環メタセシス重合体の主鎖の炭素−炭素二重結合を水素添加することを特徴とする環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。 - 一般式〔2〕におけるMがイットリウムまたはサマリウムであり、L1 およびL2 がシクロペンタジエニル基であり、Qが水素原子またはビス(トリメチルシリル)メチル基である希土類金属錯体を用いる請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21654697A JP3662720B2 (ja) | 1996-08-12 | 1997-08-11 | 環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21269496 | 1996-08-12 | ||
JP27077596 | 1996-10-14 | ||
JP8-270775 | 1996-10-14 | ||
JP8-212694 | 1996-10-14 | ||
JP21654697A JP3662720B2 (ja) | 1996-08-12 | 1997-08-11 | 環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10176037A JPH10176037A (ja) | 1998-06-30 |
JP3662720B2 true JP3662720B2 (ja) | 2005-06-22 |
Family
ID=27329397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21654697A Expired - Lifetime JP3662720B2 (ja) | 1996-08-12 | 1997-08-11 | 環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3662720B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5035864B2 (ja) * | 2005-09-02 | 2012-09-26 | 独立行政法人理化学研究所 | メタロセン錯体、およびそれを含む重合触媒組成物 |
-
1997
- 1997-08-11 JP JP21654697A patent/JP3662720B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10176037A (ja) | 1998-06-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100304416B1 (ko) | 환식올레핀개환복분해중합체의수소화물의제조방법 | |
JP4352620B2 (ja) | ノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法 | |
JP2013014562A (ja) | タングステン錯体、メタセシス反応用触媒および環状オレフィン開環重合体の製造方法 | |
US6433113B1 (en) | Ring-opening metathesis polymerization (ROMP) of cyclo-olefins with molybdenum catalysts | |
JP3730013B2 (ja) | 環状オレフイン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 | |
JP3696388B2 (ja) | 環状オレフイン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 | |
JP2013184925A (ja) | タングステン錯体、メタセシス反応用触媒および環状オレフィン開環重合体の製造方法 | |
JP3522009B2 (ja) | 環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物及びその製造方法 | |
JP3662720B2 (ja) | 環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 | |
JP4944787B2 (ja) | 有機遷移金属錯体化合物およびメタセシス触媒の製造方法 | |
JPH11209460A (ja) | 環状オレフイン系開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法 | |
JP3678559B2 (ja) | 開環メタセシス(共)重合体の水素添加物及びその製造方法 | |
JP3696372B2 (ja) | 環状オレフィン系開環メタセシス重合体の精製方法 | |
JP3526668B2 (ja) | 環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物及びその製造方法 | |
JP3693484B2 (ja) | 開環メタセシス共重合体の水素添加物及びその製造方法 | |
JP4056586B2 (ja) | 環状オレフィンの開環メタセシス重合方法 | |
JP3693477B2 (ja) | 開環メタセシス(共)重合体の水素添加物及びその製造方法 | |
JP3234700B2 (ja) | テトラシクロドデセン系重合体水素添加物及びその製造方法 | |
JP2001151869A (ja) | 環状オレフィン開環メタセシス重合体水素化物の製造方法 | |
JP4056585B2 (ja) | 環状オレフィンの開環メタセシス重合方法 | |
JPH11130844A (ja) | 酸分解性重合体及びその製造方法 | |
JP3928407B2 (ja) | 開環重合体および開環重合体水素化物の製造方法 | |
JP5012296B2 (ja) | 2−ノルボルネン単独付加重合体 | |
JP2008222935A (ja) | 重合体およびその水添物 | |
JP2003301032A (ja) | ノルボルネン系開環重合体、ノルボルネン系開環重合体水素化物およびそれらの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050223 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050324 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110401 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120401 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120401 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |