JPH0718809Y2 - 壁パネル下端の支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、基礎天端が不整一である場合であっても、外
壁パネルを精度よく立上げることができるとともに、パ
ネル間の目地の調整を一人の作業者でしかも屋外側より
作業しうる壁パネル下端の支持構造に関する。

〔従来の技術〕

近年、家屋の耐火性、遮音性を向上するため外壁等にコ
ンクリート製の壁パネルが多用される。

このようなコンクリート製の壁パネルは屋内側を枠体に
よって補強されるとともに、該枠体を用いて基礎及び家
屋の架構材に取付けられることになる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前記コンクリートパネルが基礎上に立設される
場合には、基礎はその上面を天端ならしを行い平坦に仕
上げられているとはいえ、天端はコンクリート面であ
り、うねりが存在する。

従って基礎天端ａに沿わせて壁パネルｐ、ｐを並設した
場合には第４図に示すごとく、パネルｐ、ｐ間の目地ｃ
が不揃いとなり、又壁パネルはコンクリート製であるが
ゆえに重量が重く、目地の調整が容易でない。

本考案は、基礎天端に取付く受金具に、コンクリート板
に取付く下枠材の下面を受ける下ナットと下枠材を仮締
めする上ナットとが螺合するボルトを立上げることを基
本として、目地の調整を屋外側から、しかも一人の作業
者で施工でき、前記問題点を解決しうる壁パネル下端の
支持構造の提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、コンクリート板と、該コンクリート板の下方
に配されかつ水平な下片の内縁に上向きの内フランジを
設けた下枠材を含む枠体とからなる壁パネル下端を受金
具を用いて支持する壁パネル下端の支持構造であって、
前記受金具は基礎天端にボルト止めされる底板と、該底
板から前記下枠材の内フランジ内面に沿って立上がる立
上げ板と、該立上げ板から前記下枠材下方で外に突出す
る張出し板とを具えるとともに、前記張出し板に、前記
下片の透孔を貫通するとともに下片の下面を受ける下ナ
ットと、上面と当接し下ナットとの間で下片を仮締めす
る上ナットとを螺合するボルトを立上げ、しかも前記フ
ランジと前記立上げ板とをボルトにより本締めしてなる
壁パネル下端の支持構造である。

〔作用〕

基礎天端に取付く受金具に、コンクリート板に取付く下
枠材の下面を受ける下ナットとその下枠材を仮締めする
上ナットとがともに螺合するボルトを立上げているた
め、壁パネルの傾きの調整が容易となり、従って目地の
調整が容易になしうる。

又前記ボルトは、下枠材下方で受金具から外に突出する
張出し板に立上げているため、パネル間の目地の調整が
屋外側から、しかも一人の作業者でなしうる。

加うるにボルトに下枠材上面と当接する上ナットを具え
ているため、目地の調整後の壁パネルの位置ずれを防止
できる。

さらに下枠材と受金具とは、フランジと立上げ板との間
でボルト本締めしているため、その接続が強固となる。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

図において本考案の壁パネル下端の支持構造は、コンク
リート板２と、該コンクリート板２の下方に配される下
枠材３を含む枠体４とからなる壁パネルＰを、基礎Ｆの
天端FAにボルト止めされる受金具５を用いて支持する構
造であり、下枠材３には水平な下片６の内縁に上向きの
内フランジ７を設けている。

基礎Ｆは、本実施例では布基礎であって、その上面は天
端ならしが施工され基礎天端FAが形成される。又基礎Ｆ
の上方には、該基礎Ｆと同じ向きにのびる梁材Ｈが架設
される。

壁パネルＰは、本実施例では前記下枠材５及び下枠材５
の上方に配される上枠材21と、該上枠材21の両端に取付
けられる上取付金具22、22と下枠材３に取付けられる下
取付金具23、23と、前記上、下取付金具22、23の間を結
び内装材Ｕを取付けうる縦材24、24とを有する前記枠体
４の外面に前記コンクリート板２を取付けている。

下枠材３は、基礎Ｆに平行にのびる長尺の下片６の屋内
側、屋外側各端縁から内フランジ７、外フランジ25を夫
々立上げた断面コ字状をなし、該下片６には一対の透孔
16、16が透設され、又内フランジ７にはその両端近傍に
位置してボルト孔d1、d1が透設される。

前記下枠材３は、その外フランジ25が前記下取付金具23
を挟んでコンクリート板２の屋内面にボルト止めされ
る。

上枠材21も前記下枠材３と同様に溝形鋼からなり、その
外側のフランジが上取付金具22を挟んでコンクリート板
２の屋内面上部にボルト止めされる。

コンクリート板５は、コンクリート材を成形型に注入し
かつ凝固することによって形成される矩形平板状をな
す。又コンクリート材としては、凝固時に独立気泡が生
じることによって、高度の断熱性を具えるALCが好適に
採用できる。

受金具５は、基礎天端FA上に載置されかつアンカーボル
ト27によって天端FA上に固着される底板９と該底板９の
外縁から垂直に立上がる立上げ板10を有し、又立上げ板
10から下枠材３下方で外に突出する張出し板11を具え
る。

張出し板11は、本実施例ではその内縁に立上げ板10に沿
う取付片29が付設され、該取付片29と立上げ板10とをボ
ルト止めすることにより張出し板11は、立上げ板から下
枠材３下方で突出する。

前記張出し板11には、その両側部に前記下枠材３の透孔
16、16を通る一対のボルト14、14を立上げ、該ボルト14
には、下ナット12と上ナット13とが螺合する。

下ナット12は、ボルト14の透孔16への挿入に先立ち該ボ
ルト14に螺入され、ボルト14の前記透孔16へ挿入するこ
とによりその上端面が下片６の下面を支承できる。又下
ナット12の螺進退により、壁パネルＰを昇降でき、かつ
傾きを調整しうる。従って下ナット12の操作により隣り
合う壁パネルＰ、Ｐ間の目地Ｃの調整が容易に、しかも
その操作が屋外側からなしうる。

目地調整後上ナット13をボルト14に螺入し、その下端を
下片６の上面に当接させることにより、下片６を受金具
５に仮締めしうる。さらに下枠材３の前記内フランジ７
と立上げ板10とを前記ボルト孔d1を通るボルト30により
締付け本締めすることによって、壁パネルＰの下部は受
金具によって高さ、傾きを矯正したうえ固定される。

なお壁パネルＰの上部は、上枠材21の内側のフランジに
固着するＬ字状の接続金具31を用いて梁材Ｈに固定され
る。

〔考案の効果〕

叙上のごとく本考案の壁パネル下端の支持構造は、基礎
天端に取付く受金具に、コンクリート板に取付く下枠材
の下面を受ける下ナットとその下枠材を仮締めする上ナ
ットが螺合するボルトを立上げているため、壁パネルの
傾きの調整が容易であり、従って基礎天端が不整一の場
合であっても壁パネルが傾くことなく、目地の調整が容
易になしうる。又前記ボルトは、下枠材下方で受金具か
ら外に突出する張出し板から立上っているため、パネル
間の目地の調整が屋外側から、しかも一人の作業者でな
しうる。

さらにボルトに下枠材上面と当接する上ナットを具える
ため目地調整後の壁パネルの位置ずれを防止でき、しか
も下枠材のフランジと受金具とは本締めされるため、壁
パネルと受金具との固定が強固となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図はその
分解斜視図、第３図は本考案の構造が採用される家屋の
一例を示す斜視図、第４図は従来技術を示す正面図であ
る。 ２……コンクリート板、３……下枠材、４……枠体、５
……受金具、６……下片、７……内フランジ、９……底
板、10……立上げ板、11……張出し板、12……下ナッ
ト、13……上ナット、14……ボルト、Ｆ……基礎、FA…
…天端、Ｐ……壁パネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンクリート板と、該コンクリート板の下
   方に配されかつ水平な下片の内縁に上向きの内フランジ
   を設けた下枠材を含む枠体とからなる壁パネル下端を受
   金具を用いて支持する壁パネル下端の支持構造であっ
   て、前記受金具は基礎天端にボルト止めされる底板と、
   該底板から前記下枠材の内フランジ内面に沿って立上が
   る立上げ板と、該立上げ板から前記下枠材下方で外に突
   出する張出し板とを具えるとともに、前記張出し板に、
   前記下片の透孔を貫通するとともに下片の下面を受ける
   下ナットと、上面と当接し下ナットとの間で下片を仮締
   めする上ナットとを螺合するボルトを立上げ、しかも前
   記フランジと前記立上げ板とをボルトにより本締めして
   なる壁パネル下端の支持構造。