JPH0718470A - ばね用鋼線およびその製造方法 - Google Patents
ばね用鋼線およびその製造方法Info
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Abstract
合性に優れ、しかも優れた導電性を有するばね用鋼線を
より効率的に得る。 【構成】 油焼入れ、焼戻し処理を施した鋼線にニッケ
ル鍍金、金鍍金処理を順次施した後、冷間湿式伸線加工
を施して、鋼線の上層にニッケル鍍金層、さらにその上
層に金鍍金層を有する線径0.02〜0.3mmのばね
用鋼線を得る。
Description
用されるばね、特に優れた導電性を必要とするコンタク
トプローブ等用のばねとして供される細径のばね用鋼線
およびその製造方法に関する。
階、そのばね用鋼線をばねに成形加工(コイリング)す
る段階およびばねとして使用する段階の各段階におい
て、下記のように種々の特性が要求されている。
度の冷間伸線加工によって細径化されるため、鋼線表面
に作用する強大な摩擦力を緩和し得る優れた潤滑性を鋼
線表面が備えることである。また、ばね成形加工段階に
おいては、コイルばね成形機によるコイル巻回加工が施
されるが、この際鋼線に治具等との摩擦力が作用するた
め、表面のすべり易さが良好な鋼線であることが必要で
ある。さらに、このようにして形成したばねを各種機器
類の部品として他の部品と接合する場合、ろう付接合に
よることが多いため、半田、銀ろう等とのろう付性が良
いことが必要である。さらに、ばねを使用する段階にお
いては、電子機器用ばね、特にコンタクトプローブに使
用されるばね用鋼線では、優れた導電性を有することが
要求されている。
ね用鋼線には、高炭素鋼、ピアノ線等の鋼線の表面にニ
ッケル鍍金層を有し、冷間伸線加工によって細径化され
たものが汎用している。
ティング処理した後、ニッケル鍍金処理し、次いで伸線
加工を施すことによって製造されている。
金ばね用鋼線においては、伸線加工時の潤滑性が充分で
ないため、ダイス間に焼付きを生じ易く、ダイヤモンド
または焼結合金製の高価なダイスの使用寿命を低下し、
またダイス交換頻度を増大せしめることとなる。このた
め、ダイス費用が高くつくと共に作業性が煩雑化し、製
造原価の高騰を招くこととなっている。加えて、このば
ね用鋼線はばね成形加工時のコイリング性(すべり性)
も充分でなく、しかもろう付接合性にも劣り、これらの
処理における歩留を著しく低下させることとなってい
る。
線は、導電性の点について余り考慮されておらず、特に
コンタクトプローブ等の電子機器用のばねに使用したと
き、その性能の点で充分でない。
り、伸線加工性、ばね成形加工性並びにろう付接合性に
優れ、しかも優れた導電性を有するばね用鋼線を提供す
ることを目的とし、併せてそのばね用鋼線を得るに適し
た製造方法を提供することを目的とする。
に、本発明者は、鋼線の最表面に潤滑性に富み、優れた
導電性を有する金を鍍金することを考え、この知見に基
づき本発明を成すに至った。
上層にニッケル鍍金層、さらにこのニッケル鍍金層の上
層に金鍍金層を有して成る。また、本発明のばね用鋼線
は、上記構成のばね用鋼線において、鋼線の上層かつニ
ッケル鍍金層の下層に銅鍍金層を有して成る。
は、鋼線に油焼入れ、焼戻し処理を施した後、次いで必
要に応じて銅鍍金を施した後、ニッケル鍍金、金鍍金処
理を順次施し、しかる後この鍍金鋼線に冷間湿式伸線加
工を施すことを特徴とする。
た金鍍金層を最表層に有するため、伸線加工時のダイス
およびばね成形加工時の治具とのすべり性が良好とな
り、ばね製造過程における作業性、コストを良好になし
得る。また、ろう付接合性が向上すると共に、金は鉄、
ニッケルに比して電気抵抗率が極めて小さいため、導電
性も著しく向上する。しかも、上記金鍍金層の下層にニ
ッケル鍍金層を有するため、金鍍金の鍍金密着性が高
く、部分剥離等の発生を防止すると共に、金鍍金層のピ
ンホールを封止し、耐腐食性を向上する。また、ニッケ
ル鍍金層の下層に銅鍍金層を設けることで、導電性およ
び耐腐食性が更に向上する。
は、鍍金処理、特に金鍍金処理を伸線加工前に施すこと
で、伸線加工時の潤滑性が良好となり、ダイス寿命が延
長すると共に、好品質のばね用鋼線が得られる。また、
鍍金処理前に施す熱処理として、従来行なわれていた鉛
パテンティング処理に代え、一般に伸線加工後の弾性、
真直性等の機能を付与するために行われている油焼入
れ、焼戻し処理を行なうことにより、その金属組織が、
鉛パテンティング処理によって得られる層状パーライト
組織よりも微細なフェライトとセメンタイトの層状組織
となり、伸線加工性を向上すると共に、その強度も向上
させる。
当材)に800〜950℃で加熱後油焼入れし、次いで
350〜500℃で焼戻す熱処理を連続的に行った。次
にこの鋼線を洗浄した後、ニッケル鍍金および金鍍金を
順次連続して行った。しかる後、冷間湿式伸線加工を施
して、図1に示すような、鋼線1の上層に層厚0.2μ
mのニッケル鍍金層2、並びにその上層に層厚0.3μ
mの金鍍金層3を有する線径0.05mmのばね用鋼線
4を得た。
を施した鋼線に、洗浄後、銅鍍金、ニッケル鍍金および
金鍍金を順次連続して行った。しかる後、冷間湿式伸線
加工を施して、図2に示すような、鋼線1の上層に層厚
0.2μmの銅鍍金層5、その上層に層厚0.2μmの
ニッケル鍍金層2、さらにその上層に層厚0.2μmの
金鍍金層3を有する線径0.05mmのばね用鋼線6を
得た。
ね用鋼線にあっては、各鍍金層の層厚を夫々、金鍍金層
で0.1〜2μm、銅、ニッケル鍍金層で0.1〜1μ
mの範囲とするのが好適である。すなわち、金鍍金層
は、その厚みが0.1μmに満たないと充分な潤滑性、
導電性が期待できない。厚いほど導電性は高まるが、金
は高価であるため、上限を2μmとした。また、銅、ニ
ッケル鍍金層は、その厚みが0.1μmに満たないと耐
腐食性を向上できないが、厚過ぎると強度的に弱くな
り、また高価となるため、上限を1μmとした。
発明のばね用鋼線の諸特性を評価試験した。その結果を
表1に示す。比較のために従来のニッケル鍍金ばね用鋼
線の特性を表1に併記する。
を測定し、その値を従来例を100として指数で表示し
た。数値が小さいほうが導電性に優れる。耐腐食性は塩
水噴霧雰囲気中での発錆時間を測定し、その値を従来例
を100として指数で表示した。数値が大きいほうが耐
腐食性に優れる。伸線加工性は所要処理量下におけるダ
イス交換頻度を測定し、その値を従来例を100として
指数で表示した。数値が小さいほうが加工性に優れる。
コイリング性はばね成形加工時の巻き易さを評価し、従
来例を100として指数で表示した。数値が大きいほう
がコイリング性に優れる。
ね用鋼線は優れた特性を有し、ばねとしての機能を向上
するだけでなく、その製造過程における作業効率を向上
させ得ることが判る。
優れた耐腐食性、導電性を有し、電子機器用の精密ばね
として使用した場合に優れた効果を奏するだけでなく、
ばね製造過程における伸線加工、コイリング加工等の加
工性に優れ、作業性を向上し、製造コストを低減し得る
等、極めて有益な効果を奏する。また、本発明のばね用
鋼線の製造方法にあっては、上記ばね用鋼線をより効率
的、より好品質に製造でき、製造コストの低減と、生産
性の向上を実現し得る等、その効果は極めて大である。
面図である。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼線の上層にニッケル鍍金層、さらにこ
のニッケル鍍金層の上層に金鍍金層を有してなるばね用
鋼線。 - 【請求項2】 鋼線の上層かつニッケル鍍金層の下層に
銅鍍金層を有してなる請求項1記載のばね用鋼線。 - 【請求項3】 鋼線に油焼入れ、焼戻し処理を施した
後、次いでニッケル鍍金、金鍍金処理を順次施し、しか
る後この鍍金鋼線に冷間湿式伸線加工を施すことを特徴
とするばね用鋼線の製造方法。 - 【請求項4】 鋼線に油焼入れ、焼戻し処理を施した
後、次いで銅鍍金、ニッケル鍍金、金鍍金処理を順次施
し、しかる後この鍍金鋼線に冷間湿式伸線加工を施すこ
とを特徴とするばね用鋼線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16130693A JP3265385B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | ばね用鋼線およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16130693A JP3265385B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | ばね用鋼線およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0718470A true JPH0718470A (ja) | 1995-01-20 |
JP3265385B2 JP3265385B2 (ja) | 2002-03-11 |
Family
ID=15732606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16130693A Expired - Fee Related JP3265385B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | ばね用鋼線およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3265385B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018163541A1 (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-13 | 住友電気工業株式会社 | 斜め巻きばね用線材および斜め巻きばね |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16130693A patent/JP3265385B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018163541A1 (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-13 | 住友電気工業株式会社 | 斜め巻きばね用線材および斜め巻きばね |
JPWO2018163541A1 (ja) * | 2017-03-10 | 2020-01-09 | 住友電気工業株式会社 | 斜め巻きばね用線材および斜め巻きばね |
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---|---|
JP3265385B2 (ja) | 2002-03-11 |
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