JP2915623B2 - 電気接点材料とその製造方法 - Google Patents

電気接点材料とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気接点材料とその製造
方法に関し、更に詳しくは、電気接点として用いたとき
に優れた耐食性と摺動特性を発揮する電気接点材料とそ
れを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅または銅合金から成る材料の表面に0.
5〜20μmの厚みで銀合金が被覆されている材料は、
銅または銅合金が有する優れた機械的特性や導電性とと
もに、銀または銀合金特有の優れた耐食性,半田付け性
および電気接続性を備えている高性能の良導体として知
られており、電気・電子機器分野における各種の部品や
リード線の材料として広く使用されている。
【0003】この場合の銀または銀合金による被覆は、
通常、銅または銅合金材料への電気めっきで行われてい
る。そして、得られた材料を電気接点材料として使用す
る場合には、その耐食性,耐摩耗性,半田付け性,電気
接続性を満足させるために、銅または銅合金材料の表面
への銀または銀合金のめっきは、めっき層の結晶組織が
緻密となるように、かつ、めっき厚を比較的厚付けして
形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記材
料を例えば半田付け時のような高温環境下に曝した場
合、芯材を構成する銅または銅合金の銅成分が銀または
銀合金のめっき層を拡散してその表面に滲出し、その結
果、めっき層の表面が汚染されて、耐食性,半田付け性
および電気接続性の劣化という問題が引き起こされる。
これは、銀または銀合金のめっき層において、その結晶
粒が緻密であるため、結晶粒界が多数存在することにな
り、その結果、この結晶粒界を介して銅成分が拡散して
いきやすいからであると推考される。
【0005】また、めっき層の結晶粒が緻密であるとい
うことは、そのめっき層の耐摩耗性を劣化させることに
もなっている。したがって、本発明においては、銀また
は銀合金層の結晶粒の大きさを調整することによって上
記した銅成分の表面への拡散という問題を解決し、もっ
て、耐食性,摺動特性が優れている電気接点材料とその
製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、銅または銅合金から成る条
材の表面が銀または銀合金から成る層で被覆されている
電気接点材料において、前記銀または銀合金の結晶粒径
が、平均値で、5μm以上であることを特徴とする電気
接点材料が提供され、また、銅または銅合金から成る条
材の表面に銀または銀合金のめっき層を形成し、つい
で、非酸化性ガス雰囲気において、400℃以上の温度
で熱処理を行うことを特徴とする電気接点材料の製造方
法が提供される。
【0007】まず、本発明の電気接点材料の基材である
条材は、銅または銅合金;銅被覆鋼材や銅被覆アルミ材
のような異種材料の表面を銅または銅合金で被覆して成
る複合材料で構成されている。この条材の表面は銀また
は銀合金の被膜で被覆される。具体的には、条材の表面
に銀または銀合金の電気めっきを施して、そのめっき層
が形成される。このめっき層の厚みは、格別限定されな
いが、通常、0.5μm以上であればよい。
【0008】なお、条材の表面に、ニッケルもしくはコ
バルトまたはこれらの合金から成る中間層を電気めっき
で形成し、更にその上に上記銀または銀合金のめっき層
を形成してもよい。この場合、中間層は、条材から拡散
する銅成分のバリアとして機能するので、得られた材料
の耐食性が一層向上して有用である。この銀または銀合
金のめっき層において、その結晶粒径は、平均値で、5
μm以上となるように調整される。この結晶粒径が平均
値で5μm未満である場合には、銀または銀合金のめっ
き層は微細な結晶粒で構成されることになり、その結
果、粒界の数は増加し、高温環境下における基材の銅成
分の表面への拡散速度は大となるからである。
【0009】高温環境の条件によっても変わるが、結晶
粒径の好ましい値は、平均値で11μm以上である。本
発明の電気接点材料は次のようにして製造することがで
きる。まず、所定サイズの条材に所定のめっき前処理を
行ったのち電気めっきを施して銀または銀合金のめっき
層を形成する。前記した中間層を形成する場合は、条材
表面に電気めっきで所定組成の中間層を形成したのち、
更にその上に、銀または銀合金のめっき層を形成する。
【0010】ついで、この銀被覆条材に加熱処理を施
す。雰囲気は非酸化性のガス雰囲気であればよく、例え
ば、窒素,アルゴン,水素,のような雰囲気、とりわけ
安価であるという点で窒素雰囲気が好適である。加熱温
度は400℃以上に設定する。温度が400℃より低い
場合は、銀または銀合金の再結晶は起こるものの、成長
した再結晶の粒径が5μmより小さくなり、目的とする
効果が得られないからである。しかし、あまり高い温度
で加熱すると、条材の銅成分の銀または銀合金めっき層
への拡散が激しく進んで表面変色を引き起こすようにな
るので、加熱温度は500〜750℃とすることが好ま
しい。
【0011】また、上記温度における加熱時間は10秒
以上とする。10秒より短い加熱では、5μm以上の再
結晶粒が得られないからである。なお、上記した熱処理
は、銀または銀合金の結晶粒を粗大化する効果ととも
に、銀または銀合金のめっき時にそのめっき層内に蓄積
されためっき応力を除去して摺動時における凝着摩耗を
低減する効果にもあわせて寄与する。
【0012】また、本発明方法においては、上記した加
熱処理が終了してから、更に、得られた材料に圧延加工
を施してもよい。この圧延加工により材料全体の強度を
高めることができるからである。しかし、そのときの減
面加工率は30%以下とする。減面加工率が30%より
大きい圧延加工を施すと、平均で5μm以上の結晶粒で
構成されていた銀めっき層におけるその結晶粒が5μm
より小さくなり、目的とする効果を減殺してしまうから
である。
【0013】
【発明の実施例】実施例1〜6,比較例1〜3 長さ150mm,幅30mm,厚み0.3mmの純銅条材の表面
に常法の脱脂,酸洗,水洗処理を施して清浄化したの
ち、表1に示した中間層,銀または銀合金のめっき層を
順次形成し、表示の条件で熱処理を行った。
【0014】
【表1】
【0015】以上、9種類の材料につき、下記の仕様で
銀の結晶粒径,動摩擦係数,耐食性を測定した。銀の結
晶粒径:28%アンモニア水,35%過酸化水素水,
水,を4:1:5(容量比)で混合した水溶液の中に、
各材料を10秒間浸漬したのち取り出し、水洗,乾燥
後、倍率1000倍の走査電顕で観察し、その平均粒径
を測定。
【0016】動摩擦係数:ヘッド頭部半径5mmの銀棒を
用い、荷重10g,摺動距離10mm,摺動回数50回の
条件下における最大値を測定。耐食性:200℃の大気
中で100時間加熱したのち、ヘッド頭部半径5mmの銀
棒を用い、荷重10g,電流10mAの条件下における
接触抵抗(mΩ)を測定。この値が小さいほど耐食性が
優れた材料である。
【0017】以上の結果を表2に示した。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
電気接点材料は、従来の材料に比べて、その動摩擦係数
が改善されると同時に耐食性も向上している。これは、
最外層の銀または銀合金のめっき層における結晶粒を、
平均値で5μm以上と粗大化したので、粒界の数が減少
し、条材からの銅成分の拡散が有効に防止された結果で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−139173(JP,A) 特開 昭58−27996(JP,A) 特開 昭63−130793(JP,A) 特開 平4−66695(JP,A) 特公 平5−8276(JP,B2) 特公 昭51−27853(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 1/00 - 1/04 C22C 5/06 C25D 5/50 H01H 11/00 - 11/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金から成る条材の表面が銀
    または銀合金から成る層で被覆されている電気接点材料
    において、前記銀または銀合金の結晶粒径が、平均値
    で、5μm以上であることを特徴とする電気接点材料。
  2. 【請求項2】 前記条材と前記銀または銀合金の層との
    間には、ニッケルもしくはコバルトまたはそれらの合金
    で中間層が形成されている請求項1に記載の電気接点材
    料。
  3. 【請求項3】 銅または銅合金から成る条材の表面に銀
    または銀合金のめっき層を形成し、ついで、非酸化性ガ
    ス雰囲気中において、400℃以上の温度で熱処理を行
    うことを特徴とする請求項1または請求項2の電気接点
    材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記銀または銀合金のめっき層が電気め
    っき法で形成される請求項3の電気接点材料の製造方
    法。
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