JP5155139B2 - 錫被覆電気コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は銅/錫金属間化合物の生成速度を低下させた錫被覆銅系電気コネクタに関する。より詳しくは、重量で20%〜40%のニッケルを含有するバリヤ層がコネクタ基質と被覆の間に設けられている。あるいは、このバリヤ層は銅/錫金属間化合物を含有している。
ソケットやプラグのような電気コネクタは良好な電気伝導率を与える銅ベース合金基質から一般に形成される。電気コネクタが自動車のボンネットの下でのように動作中に高温に曝される場合には、高強度と応力緩和抵抗性を有している銅ベース合金から基質を形成する。
応力緩和抵抗性はASTM(米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials))の仕様書通りストリップサンプルに片持モードで降伏強さの永久歪(set)パーセント代表的には80%を予め負荷した後に残留する応力のパーセントとして記録される。ストリップはそれから、代表的には125℃に、特定された長い時間の間、代表的には3000時間までの間、加熱され、そして周期的に再試験される。各再試験で残留する応力が高いほど、その特定組成物のスプリング応用のための実用性はより良い。
銅ベース基質の高温損傷を減少させるために及びはんだ付け適性を向上させるために、基質にはしばしば被覆層が適用される。代表的な被覆層はニッケル、パラジウム/ニッケル合金、錫及び錫合金を包含する。価格を最小にするために、錫がしばしば使用される。
高温では、銅が基質から拡散し錫と化合して金属間化合物、例えば、CuSnやCuSnを生成する。金属間化合物の生成は表面上の未反応又は遊離の錫の量を減少させる。これは電気特性、腐食特性及びその他の性能特性を悪化させるであろう。
銅/錫金属間化合物の生成を減少させるため銅ベース基質と錫ベース被覆層の間にバリヤ層を介在させることが知られている。トランスアクションズ オブ ザ インスティチュート オブ メタル フィニッシング(Transactions of the Institute of Metal Finishing)第59巻(1979年)第169頁に出ているケイ(Kay)等による刊行物には、錫/ニッケル、銅/錫、及びニッケル/鉄のような合金ばかりでなくニッケル、コバルト及び鉄のようなバリヤ層が銅ベース基質と錫被覆の間に配置されて金属間化合物の生成を減少させることが開示されている。
有効ではあるが、これらバリヤは125℃に3000時間曝された後では最小量の遊離錫しか残留させない自動車のボンネットの下での使用で余儀なくされる金属間化合物の生成を抑制することをしない。
従って、本発明の目的は銅ベース基質と錫ベース被覆の間に銅/錫金属間化合物の生成速度を低下させるバリヤ層を介在させることである。
本発明の特徴は、一つの態様においては、このバリヤ層は重量で20%〜40%のニッケルを有する合金であるということである。ニッケルは銅、鉄又は錫と組み合わされてもよい。また本発明の別の特徴はこのバリヤ層の厚さが0.2μから部材の全体の厚さの10%までの間にあるということである。
本発明の一つの代替の態様においては、異なる金属の交互層を設け、それからその層を拡散させて所定合金を生成することによってバリヤ層が形成される。
本発明の第二の代替の態様においては、バリヤ層にニッケル/錫金属間化合物を予め飽和させる。
本発明のバリヤ層の利点の一つは、被覆層の一体性を維持するための高温露出後に部材の表面に十分な厚さの遊離錫が残留するということがある。
本発明によれば、銅又は銅ベース合金の基質を有する複合材料が提供される。錫又は錫ベース合金はこの基質の部分を被覆する。バリヤ層は基質と錫又は錫ベース合金との間に介在する。バリヤ層は重量で20%〜40%のニッケルを含有し、そして0.2μ〜5μの厚さを有する。
上記の目的、特徴及び利点は明細書及び次の図面から更に明らかになるであろう:
図1は電気コネクタ部材(electrical connector component)として有効な複合材料10を図解している。かかる部材はソケット類及びプラグ類を包含する。複合材料10は自動車のボンネットの下でのように間欠基調又は連続基調どちらかで75℃を越す高温に曝される電気コネクタ用の部材として特に有効である。
複合材料10は銅又は銅ベース合金の基質12と、基質12の少なくとも一部分を覆う錫又は錫ベース合金の被覆層14を有する。「ベース(base)」は冶金分野におけるその従来通りの意味で使用されており、合金が少なくとも50重量%のベース成分を含有することを意味する。
基質12と被覆層14の間にはバリヤ層16が介在する。バリヤ層16は重量で10%〜70%のニッケルを含有し、そして0.2μから複合材料10の全体の厚さの10%までの厚さを有する。
好ましくは、バリヤ層16のニッケル含量は20重量%〜40重量%、より好ましくは、25重量%〜35重量%である。バリヤ層16にとっての好ましい厚さの範囲は0.2μ〜5μであり、そして最も好ましい厚さの範囲は0.2μ〜1.5μである。
基質12は銅又は銅ベース合金から形成される。好ましくは、銅合金基質は約25%IACSより高い電気伝導率を有する(IACSは国際軟銅規格(International Annealed CopperStandard)によって規定された通りの導電率を意味し、そして「純」銅を20℃で100%のIACSを有するものとして等級付けている)。最も好ましくは、基質の電気伝導率は約35%IACSより上である。
基質12は室温降伏強さが約344.7MPa(50ksi)より上であり、そして好ましくは約448.2MPa(65ksi)より上である。
適する合金は重量で2%〜4.8%のニッケル、0.2%〜1.4%の珪素、0.05%〜0.045%のマグネシウム及び残りが銅という組成を有する銅合金C7025; 重量で2.1%〜2.6%の鉄、0.05%〜0.20%の亜鉛、0.015%〜0.15%の燐及び残りが銅という組成を有する銅合金C194;及び、重量で0.3%〜1.2%の鉄、0.1%〜0.4%の燐、0.01%〜0.2%のマグネシウム及び残りが銅という組成を有する銅合金C197として銅開発協会(Copper Development Association)によって指示されたものを包含する。
錫ベース被覆14はいずれかの通常の方法例えば電着、熱浸漬、無電解化学めっき、蒸着又は被着(cladding)によって適用される。電着の場合、被覆層は艶消または光沢どちらかである。電着層は表面化粧性を改良するため及びめっきの中の疵を減少させるために再フロー(reflow)されてもよく、それによって被覆のはんだ付け適性における性能及びコネクター適用における接触特性を改良する。
錫ベース被覆層は重量で1%〜99%の錫を含有する錫/鉛ベースはんだのような錫合金であってもよい。錫化合物が使用されてもよい。錫ベースマトリックスに粒状物として添加されてもよい化合物は炭化珪素、酸化アルミニウム、シリカ(SiO)、カーボンブラック、グラファイト、炭化タングステン、二硫化モリブデン、及びポリテトラフルオロエチレン(「テフロン(登録商標)」、DE州ウィルミントンのデュポン社の商標)を包含する。
錫ベース被覆層14の厚さは0.5μ〜10μであり、好ましくは0.75μ〜1.5μである。好ましい被覆は後で錫の融点より上の温度に加熱することによって再フローされる電着艶消錫である。加熱はいずれかの適する方法、たとえば、炭化水素タイプの還元雰囲気中で; 空気、窒素又はその他の不活性気体のような或る他の適する雰囲気中で; 誘導加熱炉; 赤外線加熱; 又は熱油の中への浸漬; による。
バリヤ層16は約0.2μの最小厚さを有する。この厚さ未満では、基質12から銅がバリヤ層16の中の欠陥を通して拡散し、それが金属間化合物の生成速度の増加につながる。
バリヤ層16の最大厚さは複合材料10の全体の厚さの約10%であり、好ましくは、複合材料10の全体の厚さの約5%未満である。最小のバリヤ厚さは錫ベース層14を設ける方法に依存する。電着によって適用される錫ベース被覆は特定された最小厚さにより近い薄いバリヤ厚さの層を要求する。浸漬被覆は浸漬被覆のための溶融錫の中に漬けたときのバリヤ層の浸食を補償するために特定された最大厚さにより近い比較的厚い被覆を要求する。
コネクタに応用するには、基質12は差し込みと取り外しに関連する力に耐え得るのに有効である最小厚さを有する。代表的には、この最小厚さは少なくとも50μのオーダーであり、より好ましくは、200μ〜500μのオーダーである。
最大のバリヤ層厚さは5μのオーダーである。この厚さより上では、バリヤ層は複合材料10の電気伝導率と降伏強さの両方に影響し始める。銅/ニッケル合金は比較的低い電気伝導率を有するので、バリヤ層の影響は好ましいことに最小化される。
好ましいバリヤ層厚さは0.2μ〜5μである。バリヤ層のためのより好ましい厚さの範囲は0.2μ〜1.5μである。
バリヤ層は重量で20%〜40%のニッケルを含有する。ニッケル含量が20%未満の場合には、バリヤ層16は金属間化合物の生成速度を低下させるのに有効でない。ニッケル含量が40%を越す場合には、バリヤ層の電気伝導率が低下し、そして図2に示されているように、金属間化合物の生成速度が増加する。
図2はニッケル/銅の二成分バリヤ層の金属間化合物の生成速度とニッケル含量との間の関係をグラフで示す。バリヤ層が100%銅である場合、参照点18は、100%ニッケル、参照点20に比べて、生成速度における差異が驚異的に小さい。
金属間化合物の生成速度は蛍光X線分析によって測定した。全体の錫の厚さを最初に測定した(M)。それから、未反応錫を化学的ストリッピングによって除去した。次に、残留した錫の量を測定し(M)、そしてMとMの差が残留する遊離錫の量であった。
金属間化合物の生成速度はバリヤ層が約8重量%のニッケルと残りの銅という組成を有するとき(参照点22)に最大である。ニッケルが10重量%から、より高い量では、金属間化合物の生成速度は純ニッケル又は純銅のバリヤ層の場合の生成速度よりも小さい。重量で20%〜40%では、金属間化合物の生成速度は最小24である。
本発明者らは図2から、40重量%を越すニッケル含量では金属間化合物の生成速度が増加し電気伝導率が低下することを演繹した。従って、本質的にニッケルと銅からなるバリヤ層16においては、そのバリヤ層のニッケル含量は好ましくは重量で20%〜40%である。
バリヤ層16は、一つの態様においては、ニッケルを含有する二成分合金であり、合金の残り成分は好ましくは錫、鉄、コバルト及び銅からなる群から選ばれる。銅をニッケルと組み合わせることはこの組合せが最も低い金属間化合物成長速度を有するので最も好ましい。
代わりに、バリヤ層16はニッケルに加えて、錫、銅、鉄、亜鉛、コバルト、インジウム、それらの混合物及び任意的に、タングステン、クロム、バナジウム、マンガン及び燐からなる群から選ばれた一つ又はそれ以上の元素を含有する三成分の又はそれ以上の合金であってもよい。
ニッケルの代わりに重量で15%〜40%のコバルトを上記に特定された合金用添加物と共に含有する合金も満足であると信じられる。コバルトの好ましい量はニッケルについて上記に特定されたものと同じである。
バリヤ層は熱浸漬、被着又は電着を包含するいずれか適する手段によって基質12の全体又は一部に適用される。付着の容易性及びバリヤ層厚さの制御のためには、電着が好ましい。銅−重量で20%〜40%のニッケルのバリヤ層は水性クエン酸塩電解液から付着させられてもよい。電解液はリットル当り30〜80gのニッケル、リットル当り7〜35gの銅、及びリットル当り80〜320gのクエン酸ナトリウム二水和物を含有する水溶液である。溶液は使用するために40℃〜70℃の温度に加熱される。陽極として適するステンレス鋼と共に、基質を陰極として電解液の中に浸漬させる。電解液全体に30〜120ミリアンペア/cmの電流を印加する。約0.5分〜2分の後に、0.3μ〜2.5μの公称厚さを有するバリヤ層が付着される。
バリヤ層は小さなこぶがあるのとは対照的に比較的平滑であるべきである。何故ならば、小さなこぶのある被覆は基質と錫の間の界面の表面積を増加させ、それが金属間化合物の生成速度の増加につながるからである。化粧的には、平滑バリヤ層は再フローされた錫被覆層の光沢を増加させる。
銅/ニッケルバリヤ層16の有効性は電解液に一種又はそれ以上の精錬用化合物を添加することによって向上する。これら精錬用化合物はベンゾトリアゾール(BTA)、グルー、タンパク質、チオ尿素、スルホン化合物及び塩化物イオン供与体例えば塩化ニッケルを包含する。精錬用化合物は付着バリヤ層の多孔性及び荒さを減少させるのに有効であり、そしてまた、より細かい結晶粒子構造を有するバリヤ層を提供できる。
バリヤ層の多孔性の低下は錫及び銅の拡散速度を低下させる。バリヤ層の荒さの減少はバリヤ層と基質の間の及びバリヤ層と被覆の間の界面の面積を減少させ、それは銅及び錫の拡散速度の低下につながる。結晶粒子構造を粒子の細かさを増すように改質することは、より緻密な金属間化合物構造につながり、金属間化合物の成長速度を効果的に低下させる。
好ましくは、約10ppm〜約1000ppmの精錬用化合物が電解液に添加されて多孔性及び荒さの所望の減少を達成し且つより細かい粒子構造を導く。好ましい態様においては、精錬用化合物は50ppm〜100ppmのBTAである。
代わりに、バリヤ層16は錫ベース被覆の付着に先立ってバリヤ層の粒子構造を改質するために、例えばローリングによって機械的にひずまされるか又は例えば加熱によって熱処理される。
一つの典型的なプロセスにおいては、基質の上に銅/ニッケルバリヤ層を付着させた後、バリヤ層/基質複合体を300℃〜500℃の温度に30分〜120分間焼きなます(anneal)。複合体の酸化を最小にするためには、焼きなましは不活性雰囲気又は還元雰囲気例えば分解アンモニア(容量で96%の窒素と4%の水素)の中で行われる。それから、焼きなまされた複合体は室温(約20℃)でロールミルを通過させられ、そして10%〜20%の厚さの減少を受ける。
より緻密な結晶粒子構造又は好ましい結晶配向を提供することに加えて、焼きなまし及びローリングは、個別でも又は組合せでも、加工硬化及び沈殿熟成を通して特定の銅合金の硬度を増加させる。この硬化は電気コネクタを形成する場合には特に有効である。このプロセスのための基質に向く一つの適例の合金は銅合金C194である。
代わりに、焼きなましによる熱加工は複合材料の屈曲(bend)二次成形適性を改良する。焼きなましは電着銅/ニッケルバリヤ層の中に存在するであろう応力を解放すると考えられる。
それから、錫ベース被覆層14はバリヤ層16の少なくとも一部分の上に通常の手段によって適用される。
バリヤ層が二つ又はそれ以上の金属の同時付着合金である場合には、合金組成を正確にコントロールすることはしばしば困難である。図3はバリヤ層16の組成に対するより正確なコントロールを達成する方法を図解する。
合金成分を順次付着させる。一つの合金成分例えばニッケルである第一層26を所望の厚さに付着させる。それから、第二の合金成分を第二層28として付着させる。この第二層28は例えば銅であってもよい。第一層26と第二層28の厚さは第一と第二の成分の所望の量を提供するのに有効なものである。それら層は付着されたまま又は拡散後どちらでバリヤ層として使用されてもよい。
層26、28はいずれか適する方法によって、例えば、電解的に、無電解めっき、化学蒸着、又はプラズマ付着によって、付着させられる。同じ材料の多層を付着させてもよい。例えば、第一層16と第三層30と第五層34が第一成分であり第二層28と第四層32と第六層36が第二成分であってもよい。多数の薄い層は拡散後にはより均一なバリヤ層16を提供する。
第一成分がニッケルであり、そして第二成分が銅である場合、重量で約20%〜40%の均質なニッケルのレベルに拡散させることは750℃〜850℃の温度に12分〜72分間加熱することによって達成できる。
第三層30が第三成分を構成してもよい。例えば、第一成分がニッケルであり第二成分が銅である場合、第三成分は錫であってもよい。それから、第四層32が第四成分、例えば、銀、珪素、アルミニウム、亜鉛、鉄、クロム、マンガン、コバルト、バナジウム、インジウム又は燐を構成してもよい。
元素のいずれかの組合せがそのように組み合わされてもよい。金属間化合物の生成を制限するためには、バリヤ層は拡散後にニッケルを20%〜40%含有する。
一番内側の第一層26は1.25μ(50マイクロインチ)未満の厚さを有する、好ましくは0.05μ(2マイクロインチ)〜0.5μ(20マイクロインチ)の厚さを有するフラッシュ(flash)であってもよい。フラッシュはいずれかの金属であってもよいが、好ましくは銅又はニッケルである。フラッシュは基質の中の表面不規則性をマスクするように表面をレベリングして拡散に利用可能な界面の面積を減少させる効果を有する。
また、フラッシュは基質の中の合金用成分がバリヤ層の付着に対して与える影響を最小にする。
層は元素である必要はない。一つ又はそれ以上の層が二成分又はそれ以上の合金を構成してもよい。例えば、第一層はNi+Xで、そして第二層がCu+Yであってもよい。加熱されたときに、X及びYが互いに又は銅及びニッケルと化合してバリヤ層の中に有効な金属間化合物を形成してもよい。例えば、Xは珪化ニッケルを形成するSiであることができる。
任意の数の層が任意の多数回反復されてもよい。同じ順序の層を何度も何度も繰り返す必要はなく、全ての層を付着させた時に全ての層の合わせた厚さが所望のバリヤ層組成を提供することだけが必要である。それから、多層を拡散させて所望の均質度をバリヤ層16に与える。
錫被覆層の厚さは最初に加熱された時に急速に減少する。同時に、バリヤ層中に銅−錫の金属間化合物が急速に生成される。バリヤ層が銅/錫の金属間化合物で飽和されると、錫厚さの減少速度は急速に減退する。
本発明の別の態様によれば、バリヤ層16は高い初期濃度の金属間化合物を、(Cu−Ni)Sn、(Cu−Ni)Sn、CuSn及びCuSnの一つ又はそれ以上として含有するように形成される。金属間化合物によって飽和されたこのバリヤ層は錫層の一部を犠牲にすることを通しての追加の金属間化合物の発現を有意に減少させると思われる。
図4に図解されているように好ましい態様においては、金属間化合物層38はバリヤ層16と錫層14の間に配置される。金属間化合物層38はいずれか適するバリヤ層16の上の錫層14の崩壊を抑制するのに有効であると思われる。好ましくは、バリヤ層16はニッケルを約20重量%〜約40重量%有する銅/ニッケル合金である。バリヤ層16は約0.25μ〜約1.25μ(10〜約50マイクロインチ)の厚さを有する。金属間化合物層38、それは蒸着又は電解めっきのようないずれか適する方法によって、同時付着として又は上記のように後で一緒に拡散される別個の層として、付着させられる。金属間化合物層38は約100オングストローム〜約10,000オングストロームの厚さ、好ましくは約200オングストローム〜約1000オングストロームの厚さを有する。
本発明のバリヤ層の利点は次の実施例から更に明らかになるであろう。
(実施例1)
Cu−20%Ni
Fe
Ni
Cu
の群から選ばれた特定のバリヤ層の30マイクロインチ(0.75μ)によって被覆された銅合金C194クーポン、及びバリヤ層無しの銅合金C194及びC710(6.5%IACSの公称電気伝導率もつ、重量で80%の銅と20%のニッケルの公称組成) の対照クーポンを、電着によって40マイクロインチ(1μ)の艶消錫で被覆した。
それから、クーポンを125℃〜175℃の温度に250時間迄の時間加熱した。接触抵抗は金プローブ及びASTM法B539−80及びB667−80に似た方法を利用することにより測定した。エージング温度及びエージング時間の関数としてミリオームで表される接触抵抗が表1及び図3に呈示されている。
図3に図解されている通り、低い接触抵抗は銅/ニッケルバリヤ層をもって大抵の試験条件下で達成された。175℃で100時間のエージング後の銅/ニッケルバリヤ層での高い接触抵抗は試験上例外的なものであると考えられる。
遊離錫の残留量、銅/錫金属間化合物に転化されなかったその部分の錫は蛍光X線分析によって測定しμで記録した。括弧内にはマイクロインチによる厚さを記した。表2にまとめられ、そして図4に図解されている通り、銅−ニッケルバリヤ層をもって大抵の試験条件下で、大容量の遊離錫の残留が達成された。
バリヤ層を持たない銅合金C710対照クーポンは低い接触抵抗と大容量の遊離錫を有した。しかしながら、C710基質はボンネット適用下で自動車に電気コネクタとして使用するには低すぎる電気伝導率を有する。
(実施例2)
銅合金C194クーポンを1μ(40マイクロインチ)の銅−30重量%ニッケル合金のバリヤ層で被覆し、それから1.25μ(50マイクロインチ)の艶消錫で被覆した。艶消錫は後で再フローされた。バリヤ層及び艶消錫はどちらも電解的に付着させられた。バリヤ層の銅とニッケルは同時付着された。
対照は後で再フローされた艶消錫によって電解的に被覆された銅合金C194クーポンであった。対照はバリヤ層を欠いていた。
それから、試験クーポン及び対照を125℃で2000時間エージングした。それから、マイクロインチで表される金属間化合物層(IMC)の厚さを測定し、そしてエージングされた時間数の平方根の関数として記録した。試験クーポンの結果は図7に参照線40によって、そして対照クーポンの結果は参照線42によって示されている。2000時間を越すエージング時間での金属間化合物の厚さはグラフから外挿されている。
(実施例3)
図8は銅合金C194基質/銅−30%ニッケル/錫のプレートシステムにおいて基質/バリヤ層が熱的又は機械的加工を受けない場合に発現する銅/錫の金属間化合物を例証する2000Xの倍率の顕微鏡写真である。金属間化合物は残留錫を選択的に化学的に除去することによって裸出された。金属間化合物は急速に成長するスフェロイド(spheroid)からなる。
図9は銅合金C715基質(公称組成: 重量で30%のニッケルと残りの銅)/錫のプレートシステムにおいて基質が錫の付着に先立ってローリングにより機械的にひずませられた場合に発現する銅/錫の金属間化合物を例証する2000Xの倍率の顕微鏡写真である。金属間化合物は残留錫を選択的に化学的に除去することによって裸出された。金属間化合物は比較的ゆっくり成長する偏平化したオベリスク(obelisk) からなる。好ましくは、偏平化したオベリスクは少なくとも5:1のアスペクト比(長さ対幅)を有する。
本発明者らはスフェロイドは偏平化した樹脂状晶(dentrite)の速度の約2倍で成長することを確認した。
本発明によれば、銅ベース基質と錫ベース被覆層との間に介在するバリヤ層であって先に記した目的、手段及び利点を完全に満足させる該バリヤ層が提供されることは明らかである。本発明はその態様に合わせて記述されているが、当業者には上記の記述に照らして多数の代替、変更及び変型が明白になるであろうことは明らかである。かかる代替、変更及び変型の全てを添付の請求の範囲の思想及び一般的範囲の中に入るものとして包含するものである。
本発明による電気コネクタを図解する断面図である。 銅/ニッケルの二成分バリヤ層を有する系についてニッケル含量と金属間化合物の生成速度との間の関係を示すグラフである。 バリヤ層を形成するための多層付着過程を図解する断面図である。 バリヤ層と組み合わせた金属間化合物層を図解する断面図である。 接触抵抗をエージング時間及びエージング温度の関数として示すグラフである。 遊離錫厚さをエージング時間及びエージング温度の関数として示すグラフである。 金属間化合物の厚さに対するバリヤ層の効果をエージングの時間の関数として示すグラフである。 非鍛練基質(non-wrought substrate)の上に生成された銅/錫金属間化合物の顕微鏡写真である。 鍛練基質上に生成された銅/錫金属間化合物の顕微鏡写真である。

Claims (7)

  1. 銅又は銅ベース合金の基質(12);
    前記基質(12)の部分を覆う錫又は錫ベース合金からなる被覆層(14);及び
    前記基質と前記被覆層の間に介在するバリヤ(16)にして、少なくとも第一及び異なる第二の金属又は金属合金成分層(26、28)から形成された前記バリヤであって、前記第一の金属成分層(26)がニッケルであり、且つ0.05μm〜0.5μmの厚さを有し、前記第二の金属又は合金成分層(28)が主として銅であり且つ前記被覆層(14)と接触しており、しかして前記バリヤ(16)は0.2μm〜5μmの厚さを有し、重量で20%〜40%のニッケルを含有すること
    を特徴とする複合材料(10)。
  2. 前記第一の金属成分層(26)が前記基質(12)に隣接していることを特徴とする、請求項1の複合材料(10)。
  3. 前記第一の金属成分層(26)が前記基質に直接接触しており、そして前記第二の金属又は合金成分層(28)が前記第一の金属成分層(26)及び前記被覆(14)の両方に直接接触していることを特徴とする、請求項1又は2の複合材料(10)。
  4. 前記第二の金属又は合金成分層(28)が前記被覆層(14)に結合して飽和された銅/錫の金属間化合物を形成する請求項1又は2の複合材料。
  5. 前記第二の金属又は合金成分層(28)が前記被覆層(14)と直接接触していることを特徴とする、請求項1又は2の複合材料(16)。
  6. 前記バリヤ(16)が、重量で25%〜35%のニッケルを含有する請求項1の複合材料(10)。
  7. 請求項1の複合材料(10)の電気コネクタとしての使用。
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