JPH07183657A - 表面実装用基板の製造方法 - Google Patents

表面実装用基板の製造方法

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JPH07183657A
JPH07183657A JP34733493A JP34733493A JPH07183657A JP H07183657 A JPH07183657 A JP H07183657A JP 34733493 A JP34733493 A JP 34733493A JP 34733493 A JP34733493 A JP 34733493A JP H07183657 A JPH07183657 A JP H07183657A
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substrate
paste
plating
metal
electroless plating
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JP34733493A
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Kiyoshi Mizushima
清 水島
Mei Aoki
盟 青木
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Nikko Co Ltd
Nikko KK
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Nikko Co Ltd
Nikko KK
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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一枚のセラミック基板(原板)1上に基
板領域2を複数個定め、各領域を分割溝3で仕切った上
で、回路や電極4等の形成・加工処理を集合状態のまま
でまとめて行ない(以下、かかる状態の原板を「集合基
板」という。)、しかる後、集合基板1を分割溝3に沿
って分割して個別基板5に分離して得るプロセスを採
り、しかも、この際、(B)電極形成には銅を主成分と
し無電解メッキを触媒する金属を含有するペースト材を
用い、(C)上記電極を銅を選択的に侵すエッチング剤
で蝕刻して触媒金属を露出させ、(D)しかる後に無電
解メッキを行なう。 【効果】 信頼性の高い実装用基板を低コストで効
率的に製造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面実装用基板の製造
方法、特に、電極間の絶縁性が高く、溶融はんだによる
溶食に高い抵抗性を示す表面実装用セラミック基板を効
率的に製造する方法に関する。
【0002】信頼性の高い実装用基板を製造するには、
はんだ濡れ性が良くはんだに溶食されにくい電極を形成
することが必要である。特に、電子部品の小型化・高集
積化に伴ない部品の発熱量が増す傾向にある最近では、
その対策として、中・高温はんだ(融点が 220℃以上)
が用いられる場合も多く、電極の耐熱性・耐溶食性に対
する要求もより大きなものとなってきている。
【従来技術とその問題点】
【0003】こうした要求に対応して、現在では、銀ま
たは銅のような導電性厚膜の上に目的に応じた他の金属
をメッキして電極を形成する方法が一般化してきてい
る。メッキ法としては、電流を調節することにより緻密
で耐食性の良い被膜が比較的容易に形成される電解メッ
キ法が広く用いられている。この際、多数の実装用基板
を効率的に処理するために電解バレルメッキ法が用いら
れる。ところが、この方法では、メッキしようとする電
極を有する基板の大きさが小さいため、基板がメッキ液
の表面張力等によって液に浮いてしまい液中に十分に浸
漬しなかったり、又は基板どうしが密着してメッキ液が
十分に行き渡らない若しくはメッキ液がこの密着部に停
滞するなどの現象が起こり、メッキ不着ないし不良の原
因となっていた。
【0004】上記の問題を解消するため、電解メッキ法
に代えて無電解メッキ法を用いる必要がある。しかし、
無電解メッキ法では、メッキに先立ち基板をパラジウム
塩溶液等に浸漬して被メッキ部位を活性化する必要があ
る。この際、パラジウムが電極部位以外の基板表面に沈
着することが避けられないため、次工程でこれを核とし
てメッキ材が析出し、結果として、表面の絶縁性が低下
する。特に基板表面に凹凸がある場合には影響が著し
い。一方、パラジウム活性化を省略すると、析出電位が
とれず、メッキが析出しない。
【0005】特開昭 63-256588号公報には、パラジウム
イオンを担持したペーストを塗ることにより溶液による
活性化を行なわずに無電解メッキを実行する方法が提案
されている。同公報には、パラジウム含有タングステン
ペーストを基板全面に印刷して水素中での熱処理により
パラジウムをペースト表面において還元・拡散する例が
記載され、この際、フッ化アンモニウムによりセラミッ
ク基板をエッチングしてメッキをセラミック表面にアン
カーリングしてもよい旨の記載があるが、上記方法では
高温条件下水素を用いることから雰囲気の置換等、メッ
キの実施手順あるいは装置構成が複雑となる。また、タ
ングステンペーストを用いているため、導体抵抗が高
く、低損失の伝送ラインを形成することが難しい。ま
た、タングステンのような高融点金属では、焼成温度を
高くする必要があるため、基板との同時焼成が実際的で
あるが、この場合、金属表面にガラス質が多くなるとい
う問題が生じる。さらに、上記公報には、ペースト表面
とメッキ層との安定した接着を実現する方法は記載され
ていない。また、上記いずれの方法でも、メッキしよう
とする個片がメッキ液に完全に浸漬しなかったり、ある
いは個片どうしの密着によりメッキ液が停滞するという
問題があり、かかる問題を解消するためメッキを撹拌す
ると、個片どうしが衝突してその上に形成した回路に損
傷が生じるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、最終製品
の品質、特に電極の溶融はんだに対する抵抗性(耐食
性)、電極と基板との接着強度に関する長期信頼性及び
電極間の絶縁性を維持しつつ、実装用基板を効率的に製
造する方法が求められていた。本発明はかかる課題の解
決を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決する実装基板製造プロセスについて検討した結
果、まず、(A)図1〜3に示すように、一枚のセラミ
ック基板(原板)1上に基板領域2を複数個定め、各領
域を分割溝3で仕切った上で、回路や電極4等の形成・
加工処理を集合状態のままでまとめて行ない(以下、か
かる状態の原板を「集合基板」という。)、しかる後、
集合基板1を分割溝3に沿って分割して個別基板5に分
離して得るプロセスを採り、しかも、この際、(B)電
極形成には銅を主成分とし無電解メッキを触媒する金属
を含有するペースト材を用い、(C)上記電極を銅を選
択的に侵すエッチング剤で蝕刻して触媒金属を露出さ
せ、(D)しかる後に無電解メッキを行なうという構成
を取れば、上記各構成要件の複合的効果により、従来の
問題点が解消された実装用基板の効率的製造方法が得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は以下の方法を提供す
る。 (1) 表面実装用基板の製造方法であって、(a) 分割
用の溝を有するセラミック基板の表面に、無電解メッキ
を触媒する金属を含有し銅を主成分とする導電性ペ−ス
トを厚膜状に印刷する工程、(b) 上記基板を加熱して上
記ペーストを焼成し部品実装用の電極部位を形成する工
程、(c) 銅を選択的に侵すエッチング液により上記電極
部位の厚膜を蝕刻して無電解メッキを触媒する金属を表
面に露出させる工程、(d) 上記蝕刻された厚膜にスズ、
はんだまたはニッケル無電解メッキを施す工程、及び
(e) 上記原板を上記分割溝に沿って分割する工程を含
み、上記分割によって各領域を個別の表面実装用基板と
することを特徴とする方法。 (2) 上記ペーストが無電解メッキを触媒する金属を
0.001〜 2.0重量%含有することを特徴とする上記
(1)に記載の方法。 (3)無電解メッキを触媒する金属がパラジウムである
上記(1)又は(2)に記載の方法。 (4)上記(d)工程におけるメッキがニッケル無電解
メッキである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方
法。
【0009】本発明で用いることのできるセラミック原
板の種類は特に限定されないが、例えば、アルミナ焼結
体、焼結した又は未焼結の各種低温焼結セラミック材料
を用いることができる。低温焼結セラミック材料の例と
しては、ガラスセラミック系、ガラスとアルミナ又は他
のセラミック材料からなる混合系、セラミック単相系、
アルミナへの添加系が挙げられる。アルミナ以外の成分
の例としては、CaO、SiO、MgO、B
Cr,LiO等の酸化物やZrSiO又はこ
れらのうちの複数の成分を含有するガラス等が挙げられ
る。原板の大きさは目的とする実装用基板の設計に依存
するが、例えば、一片の長さが2〜10cm程度で、厚
さが 0.5〜 1.0mm程度である。
【0010】本発明においては上記原板に以下の処理が
施される。なお、第1工程は、溝付きの原板を得るため
の予備工程であり、予め溝付けされた基板が入手できる
ときは省略可能である。 第1工程:原板を分割溝で仕切る工程 上記のセラミック原板は、その上に溝を設けることによ
って複数の領域に仕切られる。溝の形成は、基板焼結後
に原板表面に炭酸ガスレーザーを照射するか、基板焼結
前に金型加工により行なう。形成される領域の大きさ
は、目的とする実装用基板の設計に依存するが、通常
は、例えば、一片の長さが2〜10mm程度である。溝
の深さは原板厚さの10〜60%程度(厚さで 0.5〜
1.0mm程度)、幅が 0.1〜 0.3mm程度である。幅が
上記範囲を外れたり深さが浅すぎると、最終的に分割を
行なう際に溝に沿って確実な分割ができない。反対に深
さが深さ過ぎると、集合基板を処理する際に割れる危険
がある。溝の形成と前後して、各領域に実装基板形成に
必要な処理を施す。例えば、貫通孔の形成、回路の印
刷、水洗や脱脂、洗浄等の作業、ペースト印刷のための
前処理等がその例として挙げられる。
【0011】第2工程:ペースト印刷工程 上記のような処理を施した後、集合基板の個々の領域に
設計に応じて電極形成用のペーストを印刷する。ペース
トは、銅を主成分とし無電解メッキを触媒する金属を含
有するものを用いる。ペースト材料としては銀も慣用さ
れるが、銀は高温下でメッキピンホールを介しハンダ中
に拡散しやすい。この結果、メッキと厚膜との接着強度
が劣化する。上記現象を防ぐためには、メッキを厚付け
する必要があるが、厚付けをすると、温度変化に伴って
発生する抗張力あるいは内部応力が増加し、電極と基板
との接着や電極の強度等に悪影響を及ぼす。また、銀は
比較的柔らかいため、形の整った微粉とすることが難し
く、印刷解像度が必ずしも十分ではない。本発明では銅
を用いることによりこれらの問題点のない電極を形成す
る。なお、無電解メッキを触媒する金属の例としては、
パラジウムが一般的である。
【0012】無電解メッキを触媒する金属(以下、触媒
金属という。)は、次工程の無電解メッキで析出核とし
ての働きを有する。好ましくは、 0.001〜 2.0重量%の
触媒金属を含有させる。0.001 重量%を下回ると触媒金
属含有の効果が少ない。一方、 2.0重量%を上回ると、
厚膜の導電性の低下とともに基板との接着強度の低下を
引き起こす。上記銅及び触媒金属は、例えば球状、塊
状、針状、鱗片状等、任意の形状のものを用いることが
できるが、印刷解像力の面から球形が好ましい。粒径も
特に限定されないが、好ましくは、銅粉末では平均粒径
1〜数μm程度のもの、触媒金属粉末としては 0.5〜数
μm程度のものが使用される。銅粉末上に触媒金属を沈
着させたものを用いても良いが、価格面から銅粉末と触
媒金属粉末の混合物を用いることが好ましい。
【0013】ペーストには慣用の結合剤を用いてもよ
い。結合剤の例としては、エチルセルロース、アクリル
樹脂等が挙げられる。結合剤の使用量は、上記粉末を均
一に分散保持し、ペースト状態を維持し得る程度の量で
あればよい。具体的には、上記金属粉末 100重量部に対
して、2〜10重量部程度の割合で使用される。溶剤と
しては、アセテート、テルピオネート等が挙げられる。
溶剤の使用量は、結合剤の種類によっても異なるが、導
体ペーストに適度の粘性が付与される量であればよい。
具体的には、結合剤 100重量部に対して、10〜30重
量部程度の割合で使用される。
【0014】後述の通り、焼成は非酸化性雰囲気、950
℃以下で行なうため、有機添加剤の使用量はなるべく少
ないことが好ましいが、必要であれば、上記結合剤や溶
剤以外にも、例えば導体ペーストに適度の流動性を付与
する等の目的で脂肪酸エステル等の他の添加剤を既知の
導体ペーストにおけると同様に使用することができる。
導体ペーストの印刷ないし基板上への付着は常法に従っ
て行なうことができる。この際、上記の通り印刷に先立
ち貫通孔を穿ち開けておき、この貫通孔の内壁にペース
トを付着させることが好ましい。この貫通孔によって基
板表裏の電極間の電気的導通が確保される。
【0015】第3工程:ペースト焼成(厚膜形成)工程 ペーストは、乾燥後、 800℃〜 950℃の不活性雰囲気下
で焼結して数〜数十μmの厚膜とする。上記温度未満で
はペーストに含まれる有機物の分解・揮散が十分に進ま
ず形成される厚膜の導通抵抗が大きくなる。一方、上記
温度を超えると銅が軟化・融解する。また、銅は酸化さ
れやすいのでその焼成は不活性(非酸化性)雰囲気下で
行なう必要がある。具体的には窒素ガス等が例として挙
げられる。焼成時間は30〜90分程度である。上記の
膜厚は目安であり、印刷部位や実装基板の種類に応じて
変更することができる。導通抵抗が2〜10mΩ/□程
度であればよい。
【0016】第4工程:厚膜蝕刻工程 厚膜形成後、その表面を銅のみを選択的に侵すエッチン
グ剤で処理して清浄な被メッキ面を得ると同時に厚膜中
に含有されている触媒金属を表面に露出させる。これに
より、無電解メッキを行なおうとする部位のみに触媒金
属活性が付与されるとともにエッチングによるアンカー
効果が発揮され、厚膜とメッキとの強固な接着が実現す
る。エッチング剤の例としては、銅を酸化した後これを
溶解する化合物が挙げられ、例えば、過硫酸ソーダ、過
硫酸アンモニウムあるいは過硫酸・過酸化水素混合液等
が挙げられる。エッチングは、集合基板を20〜40℃
程度の温度の液に10〜60秒間浸漬するか、液を吹き
掛ける等して行ない、厚膜表面の 0.5〜3μm程度を除
去する。
【0017】第5工程:無電解メッキ工程 蝕刻工程後、無電解法によりスズ、はんだまたはニッケ
ルのメッキを行なう。耐熱バリア性に優れたニッケルが
好ましい。メッキ液は酸性浴、アンモニアアルカリ浴、
苛性アルカリ浴のいずれも用いられる。すなわち、ニッ
ケル源として硫酸ニッケル又は塩化ニッケルを含有し、
その他に還元剤、錯化剤、pH調節剤、pH緩衝剤。安
定剤及び改良剤等を含有するメッキ浴中に基板集合基板
ごと浸漬する。
【0018】還元剤の例としては、NaHPO、K
PO、NaBH、KBH、ヒドラジン、ホル
マリン等を挙げることができる。錯化剤の例としては、
アンモニア、エチレンジアミン、ピロりん酸塩、クエン
酸、酢酸、各種有機酸塩、EDTA等が挙げられる。p
H調節剤はアンモニア若しくは苛性ソーダ又は酸であ
り、pH緩衝剤としては各種有機酸又は無機の弱酸、安
定剤としてはメッキ速度調整剤、メッキ膜の性状を改良
するための改良剤としては界面活性剤又は吸着性物質等
が挙げられる。メッキ液組成は慣用のものを用いること
ができる。
【0019】浴温度は40〜80℃程度である。40℃
を下回るとメッキに掛かる時間が非常に長くなる。80
℃を超えると浴が不安定になる。メッキ速度はほぼ10
〜25μm程度とする。メッキ厚さは好ましくは 0.5〜
8μm、より好ましくは1〜4μm程度である。
【0020】第6工程:集合基板分割工程 以上の各工程の他、実装用基板形成に必要な処理を集合
基板上の各領域に施し、それぞれが実装用基板に必要と
される回路・電極等を備えるに至った段階で、集合基板
を分割溝に沿って分割して個別の実装用基盤を得る。な
お、本発明の構成と矛盾しない限りにおいて、実装用基
板形成に必要な加工処理又は洗浄や乾燥等の前処理若し
くは後処理を、上記の第1〜6工程の間に必要に応じ行
ってもよい。
【0021】
【発明の具体的開示】
実施例1 5cm×5cm(厚さ 0.635mm)の96%アルミナか
らなる未焼成板を金型に入れて、幅 0.2mm深さ 0.3m
mの溝により50個の領域からなる集合基板に成型し、
これを1600℃で焼成して集合基板(原板)を製造した。
なお、分割溝の交点には金型加工により内径 0.3mmの
貫通孔を設けた。一方、平均粒径2μmの銅粉末と、平
均粒径1μmの触媒金属粉末を用い、銅粉末に対する触
媒金属粉末の割合が 1.0重量%となるように配合した粉
末原料を調整した。これにビヒクル(低級アルコールの
ポリメタクリレート及びエチルセルロースを脂肪族アル
コール/エステルに溶解させたもの)を加え、十分に混
練することにより導体ペーストを得た。なお、ビヒクル
の配合量は粉末原料 100重量部に対して約25重量部と
した。
【0022】上記ペーストを用いて図2に示すように幅
0.5mm長さ 1.0mm厚さ12μmの電極(4で示す)を
各領域の4隅(裏・表とも)に印刷した。この際、貫通
孔(図示せず)内壁もペーストで被覆した。 120℃で2
0分間乾燥した後、集合基板ごと焼成炉に入れ、不活性
雰囲気に置換した後、 900℃で60分間、焼成を行なっ
た。焼成後、炉温を50℃/hrの割合で降温し、基板が
常温に達した後炉から取り出した。焼成によるひび割れ
等は全く認められなかった。次いで、過酸化アルカリ含
有のエッチング液(液温:25℃)に集合基板を30秒
間浸漬した。浸漬エッチング終了後、基板を純水で洗浄
し、メッキ液(上村工業株式会社製 BEL 801、液温:6
0℃)に40分間浸漬し、ニッケル無電解メッキを施し
た。メッキ液から集合基板を取り出し、水洗、乾燥後、
分割溝に沿って分割を行ない個別基板を得た。
【0023】比較例1 ニッケル無電解メッキを行なわない他は実施例1と同様
にしてセラミック板上に電極部位を形成した。 比較例2 銅ペーストに代えて銀ペーストを用いた他は、比較例1
と同様にしてセラミック板上に電極部位を形成した。 [はんだ付け試験]実施例1、比較例1および比較例2
の電極部位に、 375℃に温度調節されたはんだコテを用
いてはんだを付着させ、そのままはんだコテ先で局所加
熱を行なった。比較例2の従来の銀系電極では30〜6
0秒ではんだによる溶食が観察された。また、比較例1
の電極では銀系に比べ耐はんだ溶食性は良好であった
が、はんだ濡れ性が不良であった。一方、実施例の電極
1では 180秒以上でも溶食は認められず、表面のはんだ
濡れ性も良好であった。なお、比較例1の電極がはんだ
濡れ性に劣る原因としては、表面における酸化被膜の形
成、高温時における銅−スズ金属間化合物の生成等が考
えられる。
【0024】比較例3 実施例1と同様に集合基板(原板)を製造した。一方、
平均粒径2μmの銅粉末をビヒクルと混練して触媒金属
を含まない銅ペーストを調製し、これを用いて、実施例
1と同様にペーストの印刷を行なった。被メッキ面をP
dCl/HCl(Pd2+イオン濃度: 100ppm)
を用いて活性化し、純水にて十分に洗浄した後、実施例
1と同様にメッキを行なった。最後に分割溝に沿って分
割を行ない個別基板を得た。分割前、純水にて集合基板
を繰り返し洗浄したが、既に溝中にはPdが析出してお
り、分割後の観察で個別基板の縁から側面に析出Pdが
認められた。 [絶縁性試験]実施例1と比較例3で得た個別基板の各
々について、分割溝に沿う電極間の絶縁性を測定した。
実施例1では電極間の絶縁度も高く6V−DCにおける
測定で1012Ω程度の値を示し、絶縁性のばらつきも少
なかった。これに対し、比較例3の個別基板では電極間
の絶縁性が全体に低く、数〜数十kΩに及ぶものもあっ
た。本結果から、触媒金属活性化を触媒金属イオン含有
溶液を用いて行なった比較例3と比較して、本発明では
電極間の絶縁性が著しく改善されていることが認められ
る。
【0025】比較例4〜5 焼成後膜厚が12〜15μmとなるように2×2mmパ
ッドを印刷焼成した他は、実施例1と同様に銅ペースト
+ニッケル無電解メッキ(メッキ厚:4μm)の構造を
有する電極の形成を行なった。また、平均粒径5μmの
銀粉末を用いた他はこれと同様の操作により、銀ペース
ト+ニッケル無電解メッキの構造を有する電極の形成を
行なった。なお、後者においては、メッキ厚さは4μm
(比較例4)と9μm(比較例5)の2種類を製造し
た。これらの試験片にRMA相当のポストフラックスを
塗布し、 230±5℃に温度調節されたはんだ浴に浸漬
し、予備はんだを施した。この後、φ0.6 スズメッキ線
をはんだ付けし、このメッキ線を引き剥がすのに要する
力(導体接着強度)を測定した。結果を表1に示す。な
お、表中に示される加速試験結果は、本試験をはんだ付
け後、試験片を 150℃の環境下に 200時間、放置した
後、上記測定を行なったものである。
【0026】
【表1】 本結果から、本発明により製造される実装用基板では、
電極におけるメッキ接着強度が高いことが認められる。
【0027】
【発明の効果】本発明による実装用基板製造方法では、
一枚の原板上に複数の基板形成領域を設け、これらの領
域の加工処理を同時に行なうので、基板の製造を効率的
に行なうことができるとともに、メッキの際に基板が浮
遊したり基板どうしの密着を避けるべく行なわれるメッ
キ液の撹拌により基板が流され衝突することによるメッ
キ不良や回路損傷の問題がない。また、銅ペーストを用
いているので導体抵抗を2〜10mΩ/mmと低くす
ることが可能となり、低損失の伝送ラインへの適用も可
能となる。さらに、電極に用いるペーストを触媒金属含
有銅としメッキに先立ち銅を選択的に侵すエッチング剤
で銅の蝕刻を行なうことにより、従来のような触媒金属
イオン含有溶液による活性化を経ずに無電解メッキを行
なうことが可能となり、上記製造プロセスにおける問題
点であった電極間の絶縁性不良の問題が解消され、電極
とメッキとの接着強度、電極の溶融はんだに対する抵抗
性(耐食性)の改善、はんだ濡れ性の経時的な劣化の防
止が実現される。またさらに、本発明によるメッキでは
粒界が緻密であるため電解メッキに匹敵する均一かつピ
ンホール抜けのない高い信頼性のメッキ表面が得られ
る。しかも、銅ペーストには球形で微小粒径のものが使
用できるので、印刷解像力は数十μmのレベルに及び、
SMD狭ピッチ化に対して十分に対応できる。この結
果、本発明によれば、信頼性の高い実装用基板を低コス
トで効率的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】個別基板を得るための集合基板(原板)の模式
図。
【図2】電極形成した集合基板を表わす模式図。
【図3】個別基板の模式図。
【符号の説明】
1 集合基板(原板) 2 基板形成領域 3 分割溝 4 電極 5 個別基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面実装用基板の製造方法であって、 (a) 分割用の溝を有するセラミック基板の表面に、無電
    解メッキ反応を触媒する金属を含有し銅を主成分とする
    導電性ペ−ストを厚膜状に印刷する工程、 (b) 上記基板を加熱して上記ペーストを焼成し部品実装
    用の電極部位を形成する工程、 (c) 銅を選択的に侵すエッチング液により上記電極部位
    の厚膜を蝕刻して上記無電解メッキ反応を触媒する金属
    を表面に露出させる工程、 (d) 上記蝕刻された厚膜にスズ、はんだまたはニッケル
    無電解メッキを施す工程、及び (e) 上記原板を上記分割溝に沿って分割する工程 を含み、上記分割によって各領域を個別の表面実装用基
    板とすることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 上記ペーストが無電解メッキ反応を触媒
    する金属を 0.001〜2.0重量%含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 無電解メッキを触媒する金属がパラジウ
    ムである請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記(d)工程におけるメッキがニッケ
    ル無電解メッキである先行する請求項のいずれかに記載
    の方法。
JP34733493A 1993-12-24 1993-12-24 表面実装用基板の製造方法 Pending JPH07183657A (ja)

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