JPH07181711A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07181711A
JPH07181711A JP32845593A JP32845593A JPH07181711A JP H07181711 A JPH07181711 A JP H07181711A JP 32845593 A JP32845593 A JP 32845593A JP 32845593 A JP32845593 A JP 32845593A JP H07181711 A JPH07181711 A JP H07181711A
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JP32845593A
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English (en)
Inventor
Atsuro Saida
敦朗 齋田
Shuichi Maeda
修一 前田
Kazuyuki Mito
和行 水戸
Kazuko Takahashi
かず子 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気特性が良好で耐久性の優れた有機感光体
を提供する。 【構成】 導電性支持体上に、電荷輸送物質およびバイ
ンダー樹脂を含有する電荷輸送層、電荷発生物質を含有
する電荷発生層をこの順に積層した逆2層構成の感光層
の上に表面保護層を有する電子写真感光体において、該
表面保護層が、下記構造式で示されるチエニル拡張キノ
ン系化合物を含有することを特徴とする電子写真感光
体。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 およびR10は、それぞれ水素原子、ハロゲン
原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を
有していてもよいアリール基又は置換基を有していても
よいアルコキシ基を表わす。R1 とR2 、R3 とR4
5 とR6 、R7 とR8 、R9 とR10は縮合して炭素環
または複素環を形成してもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置の感光体
に関するものである。詳しくは、耐久性にすぐれた電子
写真有機感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体には、セレン、セ
レン−テルル合金、セレン化ヒ素、硫化カドミウムなど
の無機系光導電物質が広く用いられてきた。近年有機系
の光導電物質を感光層に用いる研究が盛んになり、大量
生産に適していることや安全性の高いものが出来る可能
性を持つ事から、特に光を吸収して電荷キャリアーを発
生する機能と、発生した電荷キャリアーを移動させる機
能を分離した、電荷発生層および電荷輸送層からなる積
層型の感光体が考案され研究の主流となっている。積層
型感光体はそれぞれ効率の高い電荷発生作用及び電荷輸
送作用を有する有機化合物を組合せることによって高感
度な感光体が得られ実用化に至っている。このような積
層型電子写真感光体は電荷発生層の上に電荷輸送層を積
層していること、また電荷輸送層が通常正孔輸送機能し
か持たないため、負に帯電した場合にのみ感度を有し、
負帯電下で使用される。
【0003】電子写真方法において、感光体の帯電は通
常コロナ放電によって行われるが、負のコロナ放電は正
のコロナ放電に比べワイヤー方向に均一な放電をさせる
ことが難しく、従って帯電の均一性を得る事が難しいこ
と、従来技術の中心であったセレン系の感光体が正帯電
であったことからこの系で使用されていた現像剤、その
他の周辺プロセスについても従来技術を利用したいた
め、正帯電の使用できる有機系感光体も検討されてい
る。たとえば支持体上に電荷輸送層、電荷発生層をこの
順に積層したいわゆる逆二層型の感光体、電荷輸送媒体
中に電荷発生物質の粒子を分散した分散型感光体が提案
され検討が行なわれている。逆二層、分散型感光体では
入射光は表面で吸収され、キャリアーの発生する領域が
表面付近となり正帯電で使用される。
【0004】この様にいくつかの構成の感光体が提案さ
れ、検討され、優れた帯電性、感度を有する有機系感光
体も開発されている。しかし耐久性において無機系の感
光体に劣っている。この耐久性を決める要因の一つとし
て物理的な特性が挙げられる。即ち、トナーによる現
像、紙との摩擦、クリーニング部材による摩擦等の実用
上の負荷によって摩耗や表面傷が生じやすい欠陥を有し
ている為、実用上限られた耐久性能にとどまっているの
が現状である。
【0005】一方、特開昭1−230054号公報に
は、本発明と同系統のキノノイド化合物を電子写真用感
光体に用いることが提案されているが、電荷発生物質と
してのみの使用しか明示がなく、その特性を引き出して
いるとは必ずしもいいがたい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】感光体がくり返し使用
される時には、機械的ストレスから感光体の表面を保護
し、耐久性を向上させるために表面保護層を設けること
が必要となる。このような課題を解決するために、表面
保護層を設けることが有効であるが、単に高分子化合物
からなる表面層を設けただけでは、表面保護層中を電子
が移動することが困難となり、くり返し使用時に残留電
位の上昇が生じ、画像上にカブリと言われる黒点が多数
生じる現象が起きる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、表面保護層中に電子親和性の特定の材料を添加
することによって、電子の移動がスムーズとなり、くり
返し特性が安定化する。すなわち、この表面保護層を設
けることにより、電気特性が良好で、耐久性の優れた有
機感光体を見出して本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、導電性支持体上に
電荷輸送物質及びバインダー樹脂を含有する電荷輸送
層、電荷発生物質を含有する電荷発生層をこの順に積層
した逆二層構成の感光層の上に表面保護層を有する電子
写真感光体において、該表面保護層が下記一般式〔I〕
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 、R9 およびR10は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を
有していてもよいアルコキシ基を表わす。R1 とR2
3 とR4 、R5 とR6 、R7 とR8 、R9 とR10は縮
合して炭素環または複素環を形成してもよい。)で示さ
れるチエニル拡張キノン系化合物を含有することを特徴
とする電子写真感光体に存する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。これらの
感光層及び表面層はロールコーティング、ディップコー
ティング、スプレーコーティング等公知の方法によって
導電性支持体上に形成される。導電性支持体としては、
種々の公知のものが使用できる。例えば、アルミニウ
ム、銅、ニッケル、ステンレススチール等の金属のドラ
ム;金属箔をラミネート、金属或いは導電性酸化物など
を蒸着或いはスパッター、さらに金属微粉末、カーボン
ブラック、ヨウ化銅、酸化スズ、酸化チタン、酸化イン
ジウム、アルミナなどの導電性物質を必要に応じてバイ
ンダーと共に塗布するなどの導電化処理を施したプラス
チックフィルム、プラスチックドラム、ガラスドラム、
紙などが挙げられる。
【0012】本発明に使用される電荷発生物質として
は、無機、有機種々の電荷発生物質の粒子が使用でき
る。例えば、無機系の電荷発生物質としては無定形セレ
ン、セレン−テルル合金、三方晶セレン、三セレン化ヒ
素等のセレンを主成分とした各種合金材料;硫化カドミ
ウム、セレン化カドミウム等のII〜VI族化合物半導体材
料;無定形シリコン、水素化シリコン等公知のフタロシ
アニン顔料、ペリレン顔料、多環キノン類、キナクリド
ン顔料、インジゴ顔料、スクアリリウム塩、アゾ顔料な
どが使用できる。
【0013】なかでもフタロシアニン顔料、アゾ顔料が
より好ましい材料として使用できる。フタロシアニン顔
料として、中心金属成分としてCu,Fr,Mg,S
i,Ge,Sn,Pb,In,Ga,Al,Ti等の原
子を含有するフタロシアニン、金属の代りに水素原子が
2個付加した無金属フタロシアニンなどがあげられる。
フタロシアニン骨格は低級アルキル基、低級アルコキシ
基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子などが置換して
いてもよい。
【0014】上記アゾ顔料としては種々のものがあげら
れるが、ナフタリン環等の芳香族縮合環をカップラー成
分とするアゾ顔料が好ましく、より好ましい材料として
下記一般式で示されるカップラー成分を少なくとも1個
有するモノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料そ
の他ポリアゾ顔料があげられる。
【0015】
【化3】
【0016】但し、式中Aは芳香族炭化水素の2価基、
または窒素原子を環内に含む複素環の2価基を示す。電
荷発生物質は積層構造の場合には電荷発生層を構成する
主成分として使用され、例えば蒸着、スパッターの様な
方法で成膜した均一な層として用いられてもよく、また
微粒子の形でバインダー樹脂に分散された形で用いられ
てもよい。この場合バインダー樹脂としてはポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリル酸エステル、メタクリレート樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルホルマール等のポリビニルアセ
タール樹脂、フェノキシ樹脂、セルロースエステル、セ
ルロースエーテル、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂など各
種バインダー樹脂が使用できる。
【0017】電荷発生物質とバインダー樹脂との組成比
は、通常、重量比で100対10ないし5対100の範
囲が好ましく、また電荷発生層には例えば2,4,7−
トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタンな
どの電子受容性物質、カルバゾール、インドール、イミ
ダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾー
ル、ピラゾリン、チアジアゾールなどの複素環化合物、
アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導
体、スチルベン誘導体、或いはこれらの化合物からなる
基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体などの電子供与性
物質が混合されていても良い。これらの電子受容性物質
又は電子供与性物質と電荷発生物質の比率は重量比で5
0対1ないし1対100の範囲が好ましい電荷発生層の
膜厚は通常0.1〜10μmになるように形成する。
【0018】本発明に使用される電荷輸送物質としては
電子写真感光体に用いられる種々の公知のものがあげら
れる。カルバゾール、インドール、イミダゾール、チア
ゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン等
の複素環を有する化合物;フェニルアミン、ジフェニル
アミン、トリフェニルアミン等のアニリン誘導体;ヒド
ラゾン誘導体;スチルベン誘導体;あるいはこれらの化
合物からなる基を主鎖あるいは側鎖に有する重合体等の
電子供与性物質があげられる。
【0019】特に好ましい物質として、ヒドラゾン誘導
体、アリニン誘導体、スチルベン誘導体が挙げられる。
電荷輸送物質とともに使用されるバインダー樹脂として
は種々の公知の樹脂が使用できる。ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル
樹脂、メタクリレート樹脂、スチレン樹脂、シリコーン
樹脂などの熱可塑性樹脂や硬化性の樹脂が使用できる。
とくに摩耗、傷の発生の少ないポリカーボネート樹脂、
ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂のビスフェノール成分としてはビ
スフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールZ
等の公知の種々の成分が使用出来る。
【0020】電荷輸送物質とバインダー樹脂の配合比率
は、樹脂100重量部に対して例えば20〜200重量
部、好ましくは40〜150重量部の範囲で配合され
る。積層構造の場合電荷輸送層として上記の成分を主成
分として形成されるが電荷輸送層の膜厚としては通常5
〜50μm、好ましくは10〜40μmで使用される。
更に本発明の感光層には成膜性、可とう性、機械的強度
等を向上させるための公知の可塑剤、残留電位の蓄積を
抑制するための添加剤、分散安定性向上のための分散補
助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、例えばシ
リコーンオイル、その他の添加剤が添加されていてもよ
い。
【0021】本発明の感光層は常法に従って、電荷発生
物質又は電荷輸送物質を適当な溶剤中に溶解し、必要に
応じバインダー樹脂増感染料、電気供与性化合物、電子
吸収性化合物あるいは可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、レベリング剤などの添加剤を添加して得られる塗布
液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、通常0.1μm〜
50μm程度の膜厚の感光層を形成させることにより製
造することができる。本発明の場合、前記塗布液を塗布
して得られる電荷移動層の上に電荷発生層を形成させる
ことにより、製造をすることができる。
【0022】これらの感光層上に表面層が設けられる。
本発明はこの表面層中に前記一般式〔I〕で示す特定の
チエニル拡張キノン系化合物を含むことにより、電気特
性および耐久性の向上が達成される。ここでいうチエニ
ル拡張キノン系化合物とは、Kazuko Takah
ashi、J.Am.Chem.Soc.,113 4
576−4583(1991)等に記載されているもの
が挙げられる。チエニル拡張キノン系化合物としては具
体的には、
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】本発明で用いるチエニル拡張キノン系化合
物は、各種バインダー樹脂に混合することにより、電子
の移動に有効で、表面保護層として優れた特性を発揮す
る。この場合、本発明のチエニル拡張キノン系化合物と
バインダー樹脂との組成比は、通常、重量比で1対1
0,000ないし、100対50の範囲が好ましい。
【0026】以下に述べるような熱可塑性ないしは熱硬
化性のバインダー樹脂100重量部に本発明のチエニル
拡張キノン系化合物を0.1〜200重量部混合した樹
脂組成物を溶液として塗布すれば、両者が均一に相溶な
いしは、分散した塗膜が得られ、表面層としての強度、
密着性に秀れたものを得ることができる。
【0027】ここで使用しうる熱可塑性バインダー樹脂
としては、溶剤に可溶であれば、特に制限はなく、塗布
する感光層の種類に応じて適宜選択すればよい。たとえ
ば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
アクリル酸エステル、ポリウレタンなどが挙げられる。
これらの樹脂と本発明のチエニル拡張キノン系化合物を
両者の共通の溶剤に溶解し、感光層に塗布、乾燥させる
ことにより、容易に表面層を形成させることができる。
【0028】また、塗膜により高い強度、耐薬品性など
が要求される場合は、バインダー樹脂として熱硬化性樹
脂を使用しうる。すなわち、ウレタン工業で一般に使用
されるポリオール類に本発明のチエニル拡張キノン系化
合物を混合し、さらにイソシアナート化合物を含む硬化
剤と混合させた後、感光層材に塗布し、硬化、乾燥すれ
ば、より耐摩耗性に優れた耐久性の高い塗膜を形成させ
ることができる。この際、ウレタン工業で一般に使用さ
れる溶剤、及び硬化触媒等の添加剤を使用してもよい。
【0029】さらに、速乾性で硬度の高い表面層が要求
される場合などは、バインダー樹脂として紫外線硬化性
樹脂を用いるのが効果的である。すなわち、公知の紫外
線硬化性バインダー樹脂100重量部に対し本発明で用
いるチエニル拡張キノン系化合物を0.1〜200重量
部配合し、感光層に塗布後、常法に従って紫外線で硬化
させることにより、短時間で表面性のよい塗膜を得るこ
とができる。ここで使用しうる紫外線硬化性樹脂として
は特に制限はなく、ブチルアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、ビニルピロリドンなどの単官
能モノマー、ポリウレタンアクリレート、ポリエステル
アクリレートなどの多官能オリゴマー等を、常法に従っ
て適宜混合して使用すればよい。
【0030】バインダー樹脂と溶剤の組成比は、通常、
重量比で1対1000ないし100対10の範囲が好ま
しい。また表面層には例えば2,4,7−トリニトロフ
ルオレノン、テトラシアノキノジメタンなどの電子受容
性物質、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オ
キサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリ
ン、チアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導
体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチルベ
ン誘導体、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖もし
くは側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が混合さ
れていても良い。
【0031】また、アルミナ、チタニア、シリカ等の無
機粒子、銅、鉄、アルミニウム等の金属粒子及びそれら
の酸化物粒子、カーボンを主成分とする繊維或いは粒
子、リチウム塩、4級アンモニウム塩化合物等のイオン
導電性物質、セレンを主成分とした合金の粒子、硫化カ
ドミウム等のII−VI族化合物半導体の粒子、無定形水素
化シリコンの粒子、及びその他の導電性或いは半導電性
粒子等が混合されていても良い。
【0032】また、フタロシアニン、ペリレン、多環キ
ノン類、キナクリドン、インジゴ、スクアリリウム塩、
アゾ等の各種顔料が混合されていても良い。また必要に
応じて、酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤、成膜性、
可撓性、機械的強度を改良するための公知の可塑剤、残
留電位を抑制するための添加剤、分散安定性向上のため
の分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤、
界面活性剤、例えば、シリコーンオイル、フッ素系オイ
ルその他の添加剤を含んでいても良い。表面層の膜厚は
通常0.1〜10μmで使用されることが好ましい。
【0033】感光層及び表面層の塗布液調製用の溶剤と
しては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、プロピオン酸メチル等のエステル類;メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシメタ
ン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類;四
塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、クロルベンゼン等のハロゲン
化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホ
キシド;4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2、並
びに、分子内に水酸基及びO,N,F原子のいずれかを
含む官能基を有するアルカノール;例えば、2−メトキ
シエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシ
エタノール、テトラヒドロルフリルアルコール等のエチ
レングリコールモノアルキルエーテル類、酢酸2−ヒド
ロキシエチル、プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、ヒ
ドロキシ酢酸メチル、乳酸メチル乳酸エチル等のエステ
ル類、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メ
チル−2−ブタノン等のケトンアルコール、ジメチルア
ミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、CF3
2 CH2 OH、F(CF2 4 CH 2 CH2 OH、H
(CF2 4 CH2 OH、H(CF2 2 CH2 OH、
F(CF2 5 CH2 OH、F(CF2 3 CH2
H、F(CF2 4 CH2 OH、乳酸メトキシエチル、
乳酸トリフルオロメトキシエチル、H(CF2 4 CH
2OCH2 CH2 OH等が挙げられる。上記したこれら
の溶剤は単独あるいは混合して使用することができる。
【0034】
【発明の効果】導電支持体上に感光層を設け、更に表面
保護層を設けた感光体を塗布製作する時、単に高分子化
合物からなる表面保護層を設けただけでは良好な電気特
性を持った感光体が得られない。本発明では、表面保護
層に特定の材料を添加する事により、電子の移動がスム
ーズとなり、電気特性が良好で耐久性のすぐれた有機感
光体を提供できる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
【0036】実施例1 アルミニウム押出し管を、しごき加工により、肉厚0.
75mm、外径30mm、長さ246mmのアルミニウ
ムシリンダーを作製した。このアルミニウムシリンダー
に平均膜厚10μmの陽極酸化被膜を形成した後、封孔
処理を行い水洗し乾燥した。次にこのアルミニウムシリ
ンダーを、次式(1)に示すヒドラゾン化合物70重量
部、次式(2)に示すシアノ化合物1.5重量部
【0037】
【化6】
【0038】およびポリカーボネート樹脂(三菱化成
(株)製ノバレックス7030A)100重量部を、
1,4−ジオキサン1000重量部に溶解させた液に浸
漬塗布し、乾燥後の膜厚が17μmとなるように電荷輸
送層を設けた。一方、X線回折スペクトルにおいて2
7.3°(±0.2°)に主たるピークを有するオキシ
チタニウムフタロシアニン10重量部にn−プロパノー
ル200重量部を加え、氷水冷により液温を5℃以下に
冷却してサンドグラインドミルで10時間粉砕、微粒化
分散処理を行った。次にポリビニルブチラール(電気化
学工業(株)製、商品名デンカブチラール#−600
0)を5重量部含む10%n−プロパノール溶液と混合
し塗布液を作製した。
【0039】次に、この分散液に先に製作した電荷輸送
層を塗布したアルミニウムシリンダーを浸漬塗布し、乾
燥後の膜厚が0.2μmとなるように電荷発生層を設け
た。下記式
【0040】
【化7】 で示されるチエニル拡張キノン系化合物0.7重量部と
下記構造式
【0041】
【化8】
【0042】で示されるポリカーボネート樹脂1.0重
量部を乳酸メチル溶媒26.6重量部に撹拌混合して表
面層塗布液を調整した。更にこの表面層塗布液に、先に
作製した電荷輸送層と電荷発生層を塗布したアルミニウ
ムシリンダーを浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が1.0μm
となる様に表面層をもうけた。
【0043】この様にして作製した感光体を感光体特性
測定機に装着して、初期700Vに帯電させて、780
nmの露光を与えた時の半減露光量感度と残留電位を測
定した。この結果を以後の実施例の値と共に表1に示
す。感度及び残留電位共に、良好であった。この感光体
を、正帯電用に改造した市販のレーザープリンターPC
−406LM(日本電気(株)製)に取り付け評価した
結果、良好な画像が得られた。
【0044】実施例2 表面層塗布液のバインダー樹脂のポリカーボネート樹脂
の代りにポリエステル樹脂(東洋紡(株)製バイロン2
00)を用いた以外は実施例1と同様に、この表面層塗
布液に、先に作製した電荷輸送層と電荷発生層を塗布し
たアルミニウムシリンダーを浸漬塗布し、乾燥後の膜厚
が1.0μmとなる様に表面層をもうけた。
【0045】この様にして作製した感光体を感光体特性
測定機に装着して、初期700Vに帯電させて、780
nmの露光を与えた時の半減露光量感度と残留電位を測
定した。感度及び残留電位共に、良好であった。この感
光体を、実施例1に用いたレーザープリンターに取り付
け評価した結果、良好な画像が得られた。
【0046】実施例3 表面層塗布液のバインダー樹脂のポリカーボネートの代
りに、エポキシ樹脂(東都化成製YD−014)を用い
た以外は全て実施例1と同様にして感光体を作製し、同
様に評価した結果、良好な画像が得られた。
【0047】実施例4〜7 表面層塗布液の乳酸メチル溶媒の代りにH(CF2 4
CH2 OH、H(CF 2 2 CH2 OH、2−メトキシ
エタノール及び3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタ
ノンをそれぞれ用いた以外は、全て実施例1と同様にし
て感光体を作製し、同様に評価した結果、それぞれ良好
な画像が得られた。
【0048】実施例8 チエニル拡張キノン系化合物として下記構造式
【0049】
【化9】
【0050】で示される化合物を用いた以外は、全て実
施例1と同様にして感光体を作製し、同様に評価した結
果、良好な画像が得られた。
【0051】比較例1〜7 表面層塗布液を、本発明のチエニル拡張キノン系化合物
無しで調整した以外は全て実施例1〜7と同様にしてそ
れぞれ感光体を作製し、同様に評価した結果、いずれの
ものも感度が極端に低く、また残留電位が非常に高く、
良好な画像を得られなかった。
【0052】
【表1】 表−1 実施例 暗電位 感 度 残留電位 画像評価 (V) (μJ/cm2) (V) 1 700 0.18 121 良好 2 700 0.19 126 良好 3 700 0.17 145 良好 4 700 0.17 144 良好 5 700 0.18 138 良好 6 700 0.19 140 良好 7 700 0.18 128 良好 8 700 0.17 135 良好
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 かず子 宮城県仙台市太白区鹿野3丁目14−10− 204

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷輸送物質および
    バインダー樹脂を含有する電荷輸送層、電荷発生物質を
    含有する電荷発生層をこの順に積層した逆2層構成の感
    光層の上に表面保護層を有する電子写真感光体におい
    て、該表面保護層が、下記一般式〔I〕で示されるチエ
    ニル拡張キノン系化合物を含有することを特徴とする電
    子写真感光体。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    8 、R9 およびR10は、それぞれ、水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基
    を有していてもよいアリール基又は置換基を有していて
    もよいアルコキシ基を表わす。R1 とR2 、R3
    4 、R5 とR6 、R7 とR8 、R9 とR10は縮合して
    炭素環または複素環を形成してもよい。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6383698B1 (en) * 1999-11-19 2002-05-07 Kyocera Mita Corporation Electrophotosensitive material using quinone derivative
EP2833205A1 (en) * 2013-07-31 2015-02-04 Kyocera Document Solutions Inc. Electrophotographic photosensitive member and image forming apparatus

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CN104345584B (zh) * 2013-07-31 2018-06-26 京瓷办公信息系统株式会社 电子照相感光体以及图像形成装置

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