JPH0718159A - 無機繊維結合用淡色フェノール樹脂エマルジョンの製造方法 - Google Patents

無機繊維結合用淡色フェノール樹脂エマルジョンの製造方法

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JPH0718159A
JPH0718159A JP15066493A JP15066493A JPH0718159A JP H0718159 A JPH0718159 A JP H0718159A JP 15066493 A JP15066493 A JP 15066493A JP 15066493 A JP15066493 A JP 15066493A JP H0718159 A JPH0718159 A JP H0718159A
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俊介 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビスフェノールAが全フェノール類の80〜
100モルパーセントからなるフェノール類(P)と、
アルデヒド類(A)を、モル比A/Pが2〜4となるよ
うに配合して、水酸化バリウム触媒の存在下で反応さ
せ、反応終了後に硫酸で中和した後、乳化剤としてポリ
ビニルアルコールを添加混合して、かつ25℃における
pHが3〜7であることを特徴とする無機繊維結合用淡
色フェノール樹脂エマルジョンの製造方法。 【効果】 従来からのレゾール型フェノール樹脂エマル
ジョンが有している硬化性などの多くの優れた特長を損
うことなく、吹付け及び含浸し加熱硬化した後の無機繊
維製品の色相がきわめて淡色であるフェノール樹脂エマ
ルジョンを工業的に製造することができる。従って、従
来のものよりもかなりの自由度をもって無機繊維製品に
着色を施すことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロックウールやセラミッ
ク繊維等のミネラル繊維及びガラス繊維にフェノール樹
脂を吹付け及び含浸した後、加熱硬化させて得られる無
機繊維製品の色相が淡色であって、かつ耐湿性、耐水
性、耐摩耗性、機械的強度などの特性にも優れた特徴を
有する無機繊維結合用淡色フェノール樹脂エマルジョン
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から無機繊維の結合用バインダ−と
してフェノール樹脂が使用されて来たが、これら無機繊
維結合用フェノール樹脂の原料であるフェノール類には
フェノールが使用され、またフェノール類とアルデヒド
類を付加縮合反応させる触媒には、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、
アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン
などの塩基性化合物から選ばれた1種又は2種以上、さ
らに反応終了後の中和剤には、塩酸、燐酸、硫酸、ぎ
酸、酢酸、乳酸、マレイン酸、パラトルエンスルホン酸
などの酸性化合物から選ばれた1種又は2種以上が使用
されている。
【0003】原料にフェノール、さらに上記のような種
々の触媒及び中和剤を使用して得られるフェノール樹脂
は色相が黄褐色〜赤褐色に着色し、これを吹付け及び含
浸加熱硬化させた無機繊維製品はさらに濃黄褐色〜濃赤
褐色となることが避けられなかった。濃色に着色する原
因は原料としてのフェノールが親水性であり、かつ触媒
を中和剤で中和して得られる触媒中和塩が水溶性である
ので、酸化を受けやすくなるためと考えられる。
【0004】またフェノール樹脂では濃色に着色するこ
とが避けられないため、特に淡色を必要とする場合はメ
ラミン樹脂などのアミノ樹脂が代替使用されている。し
かしこの場合はアミノ樹脂に硬化促進剤を添加混合使用
するため、可使時間が短く、使用後の残存樹脂の再使用
が難しくなって樹脂コストが高価につくばかりでなく、
硬化性が遅く、品質面においても機械的強度や耐水性な
どの特性が不充分であるなどの欠点を有している。これ
らの欠点を改良するため樹脂を吹付け及び含浸加熱硬化
させた無機繊維製品の色相が淡色であるフェノール樹脂
の開発が長年求められて来た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の無機繊維結合
用淡色フェノール樹脂エマルジョンの製造方法は硬化性
や機械的強度などの従来からのフェノール樹脂エマルジ
ョンの特性を維持しつつ、改良要求のあった吹付け及び
含浸加熱硬化後の無機繊維製品の色相が淡色であるフェ
ノール樹脂を得ようとして鋭意研究を行った結果、原料
のフェノール類にはビスフェノールAを使用し、またフ
ェノール類とアルデヒド類を付加縮合反応させるための
触媒には水酸化バリウム、触媒の中和剤には硫酸を使用
することからなる製造方法によって得られるフェノール
樹脂エマルジョンが有効であるとの知見を得、さらにこ
の知見に基づいた種々の研究を重ねることにより完成す
るに至ったものである。ここで生成する触媒中和塩の硫
酸バリウムは樹脂中に浮遊分散しているが、水や溶剤に
不溶であって、粒子径が0.5〜2.0ミクロン程度の
微粒子であるため差し支えのないことが判った。その目
的とするところは従来からのフェノール樹脂エマルジョ
ンでは濃色に着色することが避けられなかった吹付け及
び含浸加熱硬化後の無機繊維製品の色相が淡色であるフ
ェノール樹脂エマルジョンの製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビスフェノー
ルAが全フェノール類の80〜100モルパーセントか
らなるフェノール類(P)とアルデヒド類(A)を、モ
ル比A/Pが1.5〜6.0となるように配合して、水
酸化バリウムが全触媒量の90〜100モルパーセント
からなる触媒の存在下で反応させ、反応終了後に硫酸が
全中和剤量の90〜100モルパーセントからなる中和
剤で中和した後、乳化剤としてポリビニルアルコールを
必須成分として添加混合して、かつ25℃におけるpH
が2.5〜6.5であることを特徴とする無機繊維結合
用淡色フェノール樹脂の製造方法である。以下、本発明
で使用する各成分について説明する。
【0007】本発明において用いられるフェノール類は
ビスフェノールAが全フェノールの80〜100モルパ
ーセントであるが、吹付け及び含浸加熱硬化後の色相が
淡色であって機械的強度などの特性が良好なビスフェノ
ールAの配合比は、好ましくは90〜100モルパーセ
ントであり、さらに好ましくは100モルパーセントで
ある。ここでビスフェノールAが80モルパーセントを
下回る場合は、併用するフェノール類がフェノール、多
価フェノール、炭素数1〜3のアルキル基置換フェノー
ルの場合には吹付け及び含浸加熱硬化後の着色が濃色に
なり、また炭素数4以上のアルキル基置換フェノールの
場合には着色は少ないが硬化性が悪くなるため機械的強
度などの物性が低下する。次にビスフェノールA以外に
使用できるフェノール類は、フェノール、カテコール、
レゾルシン、ハイドロキノン、オルソクレゾール、メタ
クレゾール、パラクレゾール、エチルフェノール、キシ
レノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、オ
クチルフェノール、ノニルフェノール、フェニルフェノ
ール、クミルフェノールなどから選ばれた1種又は2種
以上である。
【0008】本発明に用いられるアルデヒド類(A)は
フェノール類(P)とのモル比A/Pが1.5〜6.0
であるが、好ましくは2.0〜5.5であり、さらに好
ましくは3.5〜4.5である。ここでモル比A/Pが
1.5を下回る場合は生成フェノール樹脂に含まれる遊
離フェノール類が多くなり、硬化後に着色しやすくな
る。またモル比A/Pが6.0を上回る場合は生成フェ
ノール樹脂に含まれる遊離アルデヒド類が多くなって作
業環境などの面から実用上好ましくない。次にアルデヒ
ド類の種類としてはホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、ベンズアル
デヒドなどから選ばれた1種又は2種以上である。
【0009】本発明に使用される触媒は水酸化バリウム
が全触媒量の90〜100モルパーセントであるが、吹
付け及び含浸加熱硬化後の色相の淡色化の点からみて水
酸化バリウムの配合比は好ましくは100モルパーセン
トである。水酸化バリウムの配合比が90モルパーセン
トを下回る場合は吹付け及び含浸加熱硬化後の着色が濃
色になる。次に水酸化バリウムと併用できる触媒として
は水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニ
ア、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの塩
基性化合物から選ばれた1種又は2種以上である。
【0010】本発明において使用される中和剤は硫酸が
全中和剤量の90〜100モルパーセントであるが、吹
付け及び含浸加熱硬化後の色相の淡色化の点からみた硫
酸の配合比は好ましくは100モルパーセントである。
硫酸の配合比が90モルパーセントを下回る場合は吹付
け及び含浸加熱硬化後の着色が濃くなる傾向がある。次
に硫酸と併用できる中和剤としては塩酸、燐酸、ぎ酸、
酢酸、乳酸、マレイン酸、パラトルエンスルホン酸など
の酸性化合物から選ばれた1種又は2種以上である。
【0011】本発明において必須成分として使用される
ポリビニルアルコールの重合度は300〜3,000で
あるが、好ましくは500〜2,500であり、さらに
好ましくは1,000〜2,000である。また、その
けん化度は80〜98モルパーセントであるが、好まし
くは85〜95モルパーセントである。ここでけん化度
が80モルパーセントを下回る場合は乳化能力が低く安
定なエマルジョン樹脂を得ることができない。けん化度
が98モルパーセントを上回る場合は反応液を乳化させ
る事が困難となる。さらにこのポリビニルアルコールは
単一の重合度、単一のけん化度のものを単独で使用する
か、又は異なる重合度、異なるけん化度のものを混合使
用することができる。
【0012】本発明においてポリビニルアルコールと併
用される乳化剤としてはアニオン性活性剤、カチオン性
活性剤、非イオン性活性剤、両性活性剤のうちアニオン
性活性剤とカチオン性活性剤の組合せ使用を除けばこれ
らの中から選ばれた1種又は2種以上が使用し得る。ア
ニオン性活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸
エステルソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、
もしくはジアルキルスルホこはく酸エステルソーダ塩、
その他一般にアニオン性活性剤として知られている物質
が使用可能である。カチオン性活性剤としては、モノア
ルキルアミンの塩酸塩、ジアルキルアミンの塩酸塩、エ
ステル結合を持つアミン類、アルキルオキサゾリン、そ
の他一般にカチオン性活性剤として知られている物質が
使用可能である。非イオン性活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル、ポリエチレンイミン、多価アルコールエステル、
その他一般に非イオン性活性剤として知られている物質
が使用可能である。両性活性剤としては、アミノ硫酸エ
ステルのアルカリ塩類、アルキルアミノアセテ−ト類、
ジメチルアルキルアミド、アルキルポリアミノグリシ
ン、その他一般に両性活性剤として知られている物質が
使用可能である。
【0013】本発明による無機繊維結合用淡色フェノー
ル樹脂エマルジョンのpHは2.5〜6.5であるが、
好ましくは3.5〜5.5であり、さらに好ましくは
4.0〜5.0である。pHが6.5を上回ると水酸化
バリウムを主とする未中和の塩基性化合物がフェノール
樹脂中に多量に残留し、またpHが2.5を下回ると硫
酸を主とする過剰の酸性化合物が樹脂中に存在するた
め、いずれの場合も吹付け及び含浸加熱硬化後の色相の
淡色化が損われ、かつエマルジョン樹脂の安定性に悪影
響がある。なおpH値はガラス電極式pHメーターによ
る測定値である。
【0014】本発明の無機繊維結合用淡色フェノール樹
脂の製造態様について詳しく説明する。撹拌機、温度計
及び熱交換器を備えた反応装置にフェノール類(P)と
アルデヒド類(A)とをモル比A/Pが1.5〜6.0
となるように仕込み、さらに反応触媒として水酸化バリ
ウムを主とする塩基性化合物を添加して所定の温度で所
定の時間反応させる。その後触媒中和剤としての硫酸を
主とする酸性化合物を使用して中和し、さらに乳化剤で
あるポリビニルアルコールを必須成分として添加混合し
本発明による25℃におけるpHが2.5〜6.5の無
機繊維結合用淡色フェノール樹脂エマルジョンを得る。
ここで得られる触媒中和塩の硫酸バリウムは水や溶剤に
不溶であって粒子径が0.5〜2.0ミクロン程度の微
粒子であるため、樹脂中に浮遊分散して安定化してい
る。なお、反応液を冷水、温湯を用いて、フェノール
類、アルデヒド類及び低分子量成分などを分離除去する
ことも可能である。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳細に説明する
が、本発明は実施例によって限定されるものではない。
なお、この実施例及び比較例に記載している「部」及び
「%」はすべて「重量部」及び「重量パーセント」を示
す。
【0016】〔実施例1〕撹拌機、温度計及び熱交換器
を備えた反応装置にビスフェノールA(P)2,280
部、37%ホルマリン(A)2,030部(モル比A/
P:2.5)、水酸化バリウム50部及びドデシルベン
ゼンスルフォン酸ソーダを1.5部仕込んだ。徐々に加
熱昇温させて液温が80℃に到達後80±1℃で2時間
反応させた後、再び加熱昇温させて液温が100℃に到
達後100±1℃にて30分間反応させた。その後20
%硫酸71部で中和し、さらに重合度1,700、けん
化度88%の部分けん化ポリビニルアルコール(以下、
PVAという)の15%水溶液670部と水2,100
部を添加混合して25℃におけるpHが4.8の無機繊
維結合用淡色フェノール樹脂エマルジョンを得た。
【0017】〔実施例2〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA1,938部(85モルパーセント)
とパラクレゾール162部(15モルパーセント)及び
37%ホルマリン(A)4,300部(モル比A/P:
5.3)を仕込むこと、及び中和剤として20%硫酸を
90部、さらに重合度2,000、けん化度88%の部
分けん化PVAの15%水溶液を550部と水1,20
0部を使用すること以外は実施例1の場合と同条件で処
理することによって25℃におけるpHが2.8の無機
繊維結合用淡色フェノール樹脂エマルジョンを得た。
【0018】〔実施例3〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA2,166部(95モルパーセン
ト)、フェノール54部(5モルパーセント)及び37
%ホルマリン(A)2,600部(モル比A/P:3.
2)、さらに重合度1,700、けん化度88%の部分
けん化PVAの15%水溶液667部と重合度1,70
0のポリアクリルアマイドの15%水溶液65部と水
1,910部を使用すること以外は実施例1の場合と同
条件で処理することによって25℃におけるpHが5.
2の無機繊維結合用淡色フェノール樹脂エマルジョンを
得た。
【0019】〔実施例4〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)2,280部、37%ホルマリ
ン(A)1,300部(モル比A/P:1.6)、水酸
化バリウム47部(92モルパーセント)と20%水酸
化ナトリウム2.5部(8モルパーセント)を仕込ん
だ。徐々に加熱昇温させて液温が75℃に到達後75±
1℃で3時間反応させた後、再び加熱昇温させて液温が
100℃に到達後100±1℃で20分間反応させた。
その後20%硫酸75部で中和し、さらに重合度50
0、けん化度88%の部分けん化PVAの15%水溶液
500部と重合度2,400、けん化度88%の部分け
ん化PVAの15%水溶液200部と水2,200部を
添加混合して25℃におけるpHが4.6の無機繊維結
合用淡色フェノール樹脂エマルジョンを得た。
【0020】〔実施例5〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)2,280部、37%ホルマリ
ン(A)3,400部(モル比A/P:4.2)及び水
酸化バリウム71部(92モルパーセント)と純度が7
5%の水酸化カルシウム2.0部(8モルパーセント)
を仕込んだ。徐々に加熱昇温させて液温が100℃に到
達後100±1℃で45分間反応させた後、20%硫酸
96部で中和し、さらに重合度1,700、けん化度8
8%の部分けん化PVAの15%水溶液700部とアラ
ビアガム25部と水1,900部を添加溶解混合して2
5℃におけるpHが3.8の無機繊維結合用淡色フェノ
ール樹脂エマルジョンを得た。
【0021】〔実施例6〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)2,280部、37%ホルマリ
ン(A)4,500部(モル比A/P:5.6)及び水
酸化バリウム80部を仕込むこと、及び中和剤として2
0%硫酸85部(80モルパーセント)とマレイン酸
5.0部(20モルパーセント)、また水を1,700
部使用すること以外は実施例1の場合と同条件で処理す
ることによって25℃におけるpHが6.3の無機繊維
結合用淡色フェノール樹脂エマルジョンを得た。
【0022】〔実施例7〕実施例1と同型の反応装置に
37%ホルマリン(A)3,650部(モル比A/P:
4.5)と触媒として水産化バリウム80部を使用する
こと、及び中和剤として20%硫酸95部(89モルパ
ーセント)とパラトルエンスルホン酸4.0部(11モ
ルパーセント)、水1,870部を使用すること以外は
実施例1の場合と同条件で処理することによって25℃
におけるpHが5.4の無機繊維結合用淡色フェノール
樹脂エマルジョンを得た。実施例1〜実施例7で得られ
た無機繊維結合用淡色フェノール樹脂エマルジョンの反
応条件をまとめると表1の通りであり、また一般特性と
硬化物特性は表3上欄に示す通りであった。
【0023】〔比較例1〕実施例1と同型の反応装置に
フェノール940部、37%ホルマリン2,050部及
び水酸化バリウム50部を仕込んだ。徐々に加熱昇温さ
せて液温が80℃に到達後、80±1℃で2時間反応さ
せた。その後20%硫酸78部で中和し、重合度1,7
00のポリアクリルアマイド15%水溶液800部と水
330部を添加混合して25℃におけるpHが5.6の
レゾール型フェノール樹脂エマルジョンを得た。
【0024】〔比較例2〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA1,140部(50モルパーセント)
とパラクレゾール540部(50モルパーセント)、3
7%ホルマリン2,050及び20%水酸化ナトリウム
を80部仕込んだ。徐々に加熱昇温させて液温が100
℃に到達後、100±1℃で50分間反応させた。その
後純度98%の酢酸120部で中和し、重合度1,70
0、けん化度88%の部分けん化PVAの15%水溶液
730部と水1,145部を添加混合して25℃におけ
るpHが5.8のレゾール型フェノール樹脂エマルジョ
ンを得た。
【0025】〔比較例3〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)2,280部、37%ホルマリ
ン(A)1,300部(モル比A/P:1.6)及び2
0%水酸化ナトリウム100部をを仕込んだ。徐々に加
熱昇温させて液温が70℃に到達後70±1℃で3時間
反応させた後、再び加熱昇温させて液温が85℃に到達
後85±1℃で1時間反応させた。その後25%乳酸1
43部で中和し、重合度1700のポリアクリルアマイ
ドの15%水溶液800部と水1,890部を添加混合
して25℃におけるpHが6.5のレゾール型フェノー
ル樹脂エマルジョンを得た。
【0026】〔比較例4〕実施例1と同型の反応装置に
37%ホルマリン2,030部を仕込むこと、触媒とし
て純度が75%の水酸化カルシウム40部及び中和剤と
して20%硫酸170部、また水を1,640部使用す
ること以外は比較例3の場合と同条件で処理することに
よって25℃におけるpHが2.5のレゾール型フェノ
ール樹脂エマルジョンを得た。
【0027】〔比較例5〕実施例1と同型の反応装置に
触媒として水酸化バリウム80部及び中和剤としてパラ
トルエンスルホン酸30部、また水を2,330部使用
すること以外は比較例3の場合と同条件で処理すること
によって25℃におけるpHが7.3のレゾール型フェ
ノール樹脂エマルジョンを得た。
【0028】〔比較例6〕実施例1と同型の反応装置に
37%ホルマリン4,060部を仕込むこと、中和剤と
して氷酢酸50部、また水を2,060部使用すること
以外は比較例5の場合と同条件で処理することによって
25℃におけるpHが6.0のレゾール型フェノール樹
脂エマルジョンを得た。比較例1〜比較例6で得られた
レゾール型フェノール樹脂エマルジョンの反応条件をま
とめると表2の通りであり、また一般特性と硬化物特性
は表3下欄に示す通りであった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】〔一般特性の測定方法〕実施例及び比較例
で得られた各樹脂の一般特性の測定方法を示す。 1.外観:目視による。 2.ゲル化時間:表面温度150℃の熱板上で樹脂2ml
がゲル化するまでの時間を測定した。 3.不揮発分:JIS K 6909 による。
【0033】〔硬化物特性の測定方法〕実施例及び比較
例で得られた各樹脂の硬化物特性の測定方法を示す。 1.色相:ろ紙(東洋濾紙製 No.514A)に固形
樹脂分が25±1%となるように樹脂を含浸させ、15
0℃で10分間加熱硬化させて得られる樹脂硬化試験片
を目視で測定した。 2. アセトン抽出率:樹脂にガラス繊維を浸漬して固形
樹脂分が30±2%となるように樹脂を含浸させ、11
0℃で乾燥後、4枚を重ね、150℃で30分間、プレ
ス圧50Kg/cm2で加熱硬化させて試験片を作製した。
その後ソックスレー抽出器を用い、常法に従って試験片
のアセトン抽出を6時間行って、試験片重量に対する抽
出率を測定した(n=3)。
【0034】3.常態曲げ強度:ガラスビーズ基材(直
径:100μm)1,000部に固形樹脂分が50部に
相当する樹脂を添加混練し、金型(寸法:10×10×
60mm)にかさ比重が1.57〜1.58となるように
充填して230℃で30分間加熱硬化させて試験片を作
製した。試験片を万能式引張り試験機(スパン:50m
m)により曲げ強度を測定した(n=10)。 4.湿態曲げ強度:常態曲げ強度と同じ試験片をオート
クレーブ沸騰水中にて110℃で30分間処理した後曲
げ強度を測定した(n=10)。 5.湿態曲げ強度保持率:(湿態曲げ強度÷常態曲げ強
度)×100より算出した。
【0035】実施例1〜7で得られた無機繊維結合用淡
色フェノール樹脂エマルジョンは比較例1〜6で得られ
たレゾール型フェノール樹脂エマルジョンに較べて、吹
付け及び含浸加熱硬化後の色相がきわめて淡色であり、
また常態/湿態曲げ強度から常態強度や耐湿性の優れて
いることが確認され、さらにゲル化時間やアセトン抽出
率から硬化性についても良好であることがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明の無機繊維結合用淡色フェノール
樹脂エマルジョンの製造方法によれば、従来からのレゾ
ール型フェノール樹脂エマルジョンが有している硬化性
などの多くの優れた特長を損うことなく、吹付け及び含
浸し加熱硬化した後の無機繊維製品の色相がきわめて淡
色であるフェノール樹脂エマルジョンを工業的に製造す
ることができる。また従来からのレゾール型フェノール
樹脂エマルジョンでは加熱硬化後の色相が濃色のため、
着色剤を使用して鮮明な色相に着色することが不可能で
あったが、本発明によるフェノール樹脂エマルジョンを
使用すると色相が淡色であるため、かなりの自由度をも
って無機繊維製品に着色を施すことが可能となる。この
ため、従来から無機繊維用のレゾール型フェノール樹脂
エマルジョンが使用されている分野は勿論のこと、メラ
ミン樹脂などのアミノ樹脂の使用されている分野におい
ても本発明による無機繊維結合用淡色フェノール樹脂エ
マルジョンの需要が拡大するものと予想される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 61/06 29:04)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノールAが全フェノール類の80
    〜100モルパーセントからなるフェノール類(P)
    と、アルデヒド類(A)を、モル比A/Pが1.5〜
    6.0となるように配合して、水酸化バリウムが全触媒
    量の90〜100モルパーセントからなる触媒の存在下
    で反応させ、反応終了後に硫酸が全中和剤量の90〜1
    00モルパーセントからなる中和剤で中和した後、乳化
    剤としてポリビニルアルコールを必須成分として添加混
    合して、かつ25℃におけるpHが2.5〜6.5であ
    ることを特徴とする無機繊維結合用淡色フェノール樹脂
    エマルジョンの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000058400A1 (en) * 1999-03-26 2000-10-05 Dynea Chemicals Oy Method for the preparation of polymers
WO2003102103A1 (fr) * 2002-05-31 2003-12-11 Saint-Gobain Isover PROCEDE DE PREPARATION D'UNE RESINE PHENOLIQUE STABLE, DE pH FAIBLE

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WO2003102103A1 (fr) * 2002-05-31 2003-12-11 Saint-Gobain Isover PROCEDE DE PREPARATION D'UNE RESINE PHENOLIQUE STABLE, DE pH FAIBLE

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