JP3035121B2 - 強化木用淡色フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

強化木用淡色フェノール樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木材にフェノール樹脂を
含浸し加熱硬化させて得られる強化木の色相が淡色であ
って、かつ耐湿性、耐水性、耐摩耗性、機械的強度など
の特性にも優れた特長を有する強化木用フェノール樹脂
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から強化木にはフェノール樹脂が使
用されて来たが、強化木用フェノール樹脂の原料である
フェノール類にはフェノールが使用され、またフェノー
ル類とアルデヒド類を付加縮合反応させる触媒には、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、
水酸化バリウム、アンモニア、トリエチルアミン、トリ
エタノールアミンなどの塩基性化合物から選ばれた1種
または2種以上、さらに反応終了後の中和剤には、塩
酸、燐酸、硫酸、ぎ酸、酢酸、乳酸、マレイン酸、パラ
トルエンスルホン酸などの酸性化合物から選ばれた1種
または2種以上が使用されている。ここで通常使用され
る触媒と中和剤は生成する触媒中和塩が水や溶剤などに
溶けて樹脂中に均一に溶解することができるように組合
わされて使用される。従って触媒としての水酸化バリウ
ムと中和剤としての硫酸の組合せ使用は触媒中和塩が水
や溶剤に不溶となるため、従来からの強化木用フェノー
ル樹脂には使用されなかった。
【0003】原料にフェノール、さらに上記のような種
々の触媒および中和剤を使用して得られるフェノール樹
脂は色相が黄褐色〜赤褐色に着色し、これを含浸加熱硬
化させた強化木はさらに濃黄褐色〜濃赤褐色となること
が避けられなかった。濃色に着色する原因は原料として
のフェノールが親水性であり、かつ触媒を中和剤で中和
して得られる触媒中和塩が水溶性であるので、酸化を受
けやすくなるためと考えられる。
【0004】またフェノール樹脂では濃色に着色するこ
とが避けられないため、特に淡色を必要とする場合はメ
ラミン樹脂などのアミノ樹脂が代替使用されている。し
かしこの場合はアミノ樹脂に硬化促進剤を添加混合使用
するため、可使時間が短く、使用後の残存樹脂の再使用
が難しくなって樹脂コストが高価につくばかりでなく、
硬化性が遅く、品質面においても機械的強度や耐水性な
どの特性が不充分であるなどの欠点を有している。これ
らの欠点を改良するため樹脂を含浸加熱硬化させた強化
木の色相が淡色であるフェノール樹脂の開発が長年求め
られて来た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の強化木用淡色
フェノール樹脂の製造方法は硬化性や機械的強度などの
従来からのフェノール樹脂の特性を維持しつゝ、改良要
求のあった含浸加熱硬化後の強化木の色相が淡色である
フェノール樹脂を得ようとして鋭意研究を行った結果、
原料のフェノール類にはビスフェノールAを使用し、ま
たフェノール類とアルデヒド類を付加縮合反応させるた
めの触媒には水酸化バリウム、触媒の中和剤には硫酸を
使用することからなる製造方法によって得られるフェノ
ール樹脂が有効であるとの知見を得、さらにこの知見に
基づいた種々の研究を重ねることにより完成するに至っ
たものである。ここで生成する触媒中和塩の硫酸バリウ
ムは水や溶剤に不溶であって、粒子径が0.5〜2ミク
ロン程度の微粒子であるため樹脂中に浮遊分散してお
り、木材に樹脂を含浸させる時に樹脂分と共に木材繊維
中に容易に浸透して行くので、硫酸バリウムが樹脂中に
浮遊分散していても差し支えのないことが判った。その
目的とするところは従来からのフェノール樹脂では濃色
に着色することが避けられなかった含浸加熱硬化後の強
化木の色相が淡色であるフェノール樹脂の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はビスフェノール
Aが全フェノール類の80〜100モルパーセントから
なるフェノール類(P)とアルデヒド類(A)を、モル
比A/Pが1.5〜6.0となるように配合して、水酸
化バリウムが全触媒量の90〜100モルパーセントか
らなる触媒の存在下で反応させ、反応終了後に硫酸が全
中和剤量の90〜100モルパーセントからなる中和剤
で中和して、かつ25℃におけるpHが2.0〜8.0
であることを特徴とする強化木用淡色フェノール樹脂の
製造方法である。以下、本発明で使用する各成分につい
て説明する。
【0007】本発明において用いられるフェノール類は
ビスフェノールAが全フェノールの80〜100モルパ
ーセントであるが、含浸加熱硬化後の色相が淡色であっ
て機械的強度などの特性が良好なビスフェノールAの配
合比は、好ましくは90〜100モルパーセントであ
り、さらに好ましくは100モルパーセントである。こ
ゝでビスフェノールAが80モルパーセントを下回る場
合は、併用するフェノール類がフェノール、多価フェノ
ール、炭素数1〜3のアルキル基置換フェノールの場合
には含浸加熱硬化後の着色が濃色になり、また炭素数4
以上のアルキル基置換フェノールの場合には着色は少な
いが硬化性が悪くなるため機械的強度などの物性が低下
する。次にビスフェノールA以外に使用できるフェノー
ル類は、フェノール、カテコール、レゾルシン、ハイド
ロキノン、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラク
レゾール、エチルフェノール、キシレノール、プロピル
フェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、
ノニルフェノール、フェニルフェノール、クミルフェノ
ールなどから選ばれた1種または2種以上である。
【0008】本発明に用いられるアルデヒド類(A)は
フェノール類(P)とのモル比A/Pが1.5〜6.0
であるが、好ましくは1.8〜5.0であり、さらに好
ましくは2.0〜4.0である。こゝでモル比A/Pが
1.5を下回る場合は生成フェノール樹脂に含まれる遊
離フェノール類が多くなり、硬化後に着色しやすくな
る。またモル比A/Pが6.0を上回る場合は生成フェ
ノール樹脂に含まれる遊離アルデヒド類が多くなって作
業環境などの面から実用上好ましくない。次にアルデヒ
ド類の種類としてはホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、ベンズアル
デヒドなどから選ばれた1種または2種以上である。
【0009】本発明に使用される触媒は水酸化バリウム
が全触媒量の90〜100モルパーセントであるが、含
浸加熱硬化後の色相の淡色化の点からみて、水酸化バリ
ウムの配合比は好ましくは100モルパーセントであ
る。水酸化バリウムの配合比が90モルパーセントを下
回る場合は含浸加熱硬化後の着色が濃色になる。次に水
酸化バリウムと併用できる触媒としては水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、アンモニア、トリエチルア
ミン、トリエタノールアミンなどの塩基性化合物から選
ばれた1種または2種以上である。
【0010】本発明において使用される中和剤は硫酸が
全中和剤量の90〜100モルパーセントであるが、含
浸加熱硬化後の色相の淡色化の点からみた硫酸の配合比
は好ましくは100モルパーセントである。硫酸の配合
比が90モルパーセントを下回る場合は含浸加熱硬化後
の着色が濃くなる傾向がある。次に硫酸と併用できる中
和剤としては,塩酸、燐酸、ぎ酸、酢酸、乳酸、マレイ
ン酸、パラトルエンスルホン酸などの酸性化合物から選
ばれた1種または2種以上である。
【0011】本発明による強化木用淡色フェノール樹脂
のpHは2.0〜8.0であるが、好ましくは2.5〜
7.5であり、さらに好ましくは3.0〜7.0であ
る。pHが8.0を上回ると水酸化バリウムを主とする
未中和の塩基性化合物がフェノール樹脂中に多量に残留
し、またpHが2.0を下回ると硫酸を主とする過剰の
酸性化合物が樹脂中に存在するため、いずれの場合も含
浸加熱硬化後の色相の淡色化が損われる。なおpH値は
ガラス電極式pHメーターによる測定値である。
【0012】本発明の強化木用淡色フェノール樹脂の製
造態様について詳しく説明する。撹拌機、温度計および
熱交換器を備えた反応装置にフェノール類(P)とアル
デヒド類(A)とをモル比A/Pが1.5〜6.0とな
るように仕込み、さらに反応触媒として水酸化バリウム
を主とする塩基性化合物を添加して所定の温度で所定の
時間反応させる。その後触媒中和剤としての硫酸を主と
する酸性化合物を使用して中和した反応液を得、さらに
所定の粘度になるまで減圧脱水反応を行った後、溶剤を
添加混合して本発明による25℃におけるpHが2.0
〜8.0の強化木用淡色フェノール樹脂を得る。ここで
得られる触媒中和塩の硫酸バリウムは水や溶剤に不溶で
あって粒子径が0.5〜2ミクロン程度の微粒子である
ため、樹脂中に浮遊分散して安定化している。なお反応
液は、減圧脱水反応を行わないまま反応液に溶剤を添加
溶解混合すること、反応液に乳化剤を加えてエマルジョ
ン樹脂とすること、あるいは反応液を冷水、温湯、溶剤
などを用いて、フェノール類、アルデヒド類および低分
子量成分などを分離除去することも可能である。
【0013】本発明において使用できる溶剤としてはフ
ェノール樹脂分を均一に溶解できる溶剤であれば種類を
問わないが、汎用であって低沸点のアルコール類、ケト
ン類、エステル類などから選ばれた1種または2種以上
が好ましい。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳細に説明する
が、本発明は実施例によって限定されるものではない。
なお、この実施例および比較例に記載している「部」お
よび「%」はすべて「重量部」および「重量パーセン
ト」を示す。
【0015】〔実施例1〕撹拌機、温度計および熱交換
器を備えた反応装置にビスフェノールA(P)2,28
0部、37%ホルマリン(A)2,030部(モル比A
/P:2.5)および水酸化バリウム50部を仕込ん
だ。徐々に加熱昇温させて液温が80℃に到達後80±
1℃で2時間反応させた後、20%硫酸78部で中和し
て反応液を得た。真空度60Torrで脱水反応を行い
25℃における粘度が48ポイズになった時、溶剤とし
て変性アルコール1,650部を添加溶解混合して25
℃におけるpHが4.8の強化木用淡色フェノール樹脂
を得た。
【0016】〔実施例2〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)1,938部(85モルパーセ
ント)、パラクレゾール(P)162部(15モルパー
セント)および37%ホルマリン(A)4,300部
(モル比A/P:5.3)を仕込むこと、また中和剤と
して20%硫酸を83部、さらに溶剤としてメチルエチ
ルケトン1,500部を使用すること以外は実施例1の
場合と同条件で処理することによって25℃におけるp
Hが2.8の強化木用淡色フェノール樹脂を得た。
【0017】〔実施例3〕 実施例1と同型の反応装置にビスフェノールA(P)
2,166部(95モルパーセント)、フェノール
(P)47部(5モルパーセント)および37%ホルマ
リン(A)2,600部(モル比A/P:3.2)を仕
込むこと、さらに溶剤としてメチルアルコール1,58
0部を使用すること以外は実施例1の場合と同条件で処
理することによって25℃におけるpHが5.2の強化
木用淡色フェノール樹脂を得た。
【0018】〔実施例4〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)2,280部、37%ホルマリ
ン(A)1,300部(モル比A/P:1.6)および
水酸化バリウム47部(92モルパーセント)と20%
水酸化ナトリウム2.5部(8モルパーセント)を仕込
んだ。徐々に加熱昇温させて液温が75℃に到達後75
±1℃で4時間反応させた後、20%硫酸80部で中和
して反応液を得た。真空度60Torrで脱水反応を行
い25℃における粘度が53ポイズになった時、溶剤と
して変性アルコール1,700部を添加溶解混合して2
5℃におけるpHが4.6の強化木用淡色フェノール樹
脂を得た。
【0019】〔実施例5〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)2,280部、37%ホルマリ
ン(A)3,400部(モル比A/P:4.2)および
水酸化バリウム71部(92モルパーセント)と純度が
75%の水酸化カルシウム2.0部(8モルパーセン
ト)を仕込んだ。徐々に加熱昇温させて液温が80℃に
到達後80±1℃で2時間反応させた後、20%硫酸1
26部で中和して反応液を得た。真空度が65Torr
で脱水反応を行い25℃における粘度が55ポイズにな
った時、溶剤として変性アルコール1,650部を添加
溶解混合して25℃におけるpHが2.2の強化木用淡
色フェノール樹脂を得た。
【0020】〔実施例6〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)2,280部、37%ホルマリ
ン(A)4,500部(モル比A/P:5.6)および
水酸化バリウム80部を仕込むこと、および中和剤とし
て20%硫酸113部(92モルパーセント)とマレイ
ン酸2.0部(8モルパーセント)を使用すること以外
は実施例1の場合と同条件で処理することによって25
℃におけるpHが7.2の強化木用淡色フェノール樹脂
を得た。
【0021】〔実施例7〕実施例1と同型の反応装置に
37%ホルマリン(A)3,650部(モル比A/P:
4.5)と触媒として水酸化バリウム80部を使用する
こと、および中和剤として20%硫酸107部(92モ
ルパーセント)とパラトルエンスルホン酸4.0部(8
モルパーセント)を使用すること以外は実施例1の場合
と同条件で処理することによって25℃におけるpHが
7.7の強化木用淡色フェノール樹脂を得た。実施例1
〜実施例7で得られた強化木用淡色フェノール樹脂の反
応条件をまとめると表1の通りであり、また一般特性と
硬化物特性は表3に示す通りであった。
【0022】〔比較例1〕実施例1と同型の反応装置に
フェノール(P)940部、37%ホルマリン(A)
2,030部(モル比A/P:2.5)および水酸化バ
リウム50部を仕込んだ。徐々に加熱昇温させて液温が
80℃に到達後、80±1℃で2時間反応させた後、2
0%硫酸78部で中和して反応液を得た。真空度60T
orrで脱水反応を行い25℃における粘度が50ポイ
ズになった時、溶剤として変性アルコール700部を添
加溶解混合して25℃におけるpHが5.6のレゾール
型フェノール樹脂を得た。
【0023】〔比較例2〕 実施例1と同型の反応装置にビスフェノールA(P)
1,140部(50モルパーセント)、パラクレゾール
(P)540部(50モルパーセント)および37%ホ
ルマリン(A)5,030部(モル比A/P:6.2)
を仕込むこと、さらに溶剤としてメチルエチルケトン
1,200部を使用すること以外は比較例1と同条件で
処理することによって25℃におけるpHが5.1のレ
ゾール型フェノール樹脂を得た。
【0024】〔比較例3〕実施例1と同型の反応装置に
ビスフェノールA(P)2,280部、37%ホルマリ
ン(A)1,050部(モル比A/P:1.3)および
20%水酸化ナトリウム100部をを仕込んだ。徐々に
加熱昇温させて液温が70℃に到達後70±1℃で4時
間反応させた後、20%硫酸123部で中和して反応液
を得た。真空度60Torrで脱水反応を行い25℃に
おける粘度が55ポイズになった時、溶剤として変性ア
ルコール1,650部を添加溶解混合して25℃におけ
るpHが6.5のレゾール型フェノール樹脂を得た。
【0025】〔比較例4〕実施例1と同型の反応装置に
37%ホルマリン(A)2,030部(モル比A/P:
2.5)を仕込むこと、触媒として純度が75%の水酸
化カルシウム40部および中和剤として20%硫酸21
0部を使用すること以外は比較例3の場合と同条件で処
理することによって25℃におけるpHが1.7のレゾ
ール型フェノール樹脂を得た。
【0026】〔比較例5〕 実施例1と同型の反応装置に37%ホルマリン(A)
2,030部(モル比A/P:2.5)を仕込むこと、
触媒として水酸化バリウム80部および中和剤としてパ
ラトルエンスルホン酸85部を使用すること以外は比較
例3の場合と同条件で処理することによって25℃にお
けるpHが8.6のレゾール型フェノール樹脂を得た。
【0027】〔比較例6〕実施例1と同型の反応装置に
37%ホルマリン(A)5,270部(モル比A/P:
6.5)を仕込むこと、中和剤として氷酢酸30部を使
用すること以外は比較例5の場合と同条件で処理するこ
とによって25℃におけるpHが6.0のレゾール型フ
ェノール樹脂を得た。比較例1〜比較例6で得られたレ
ゾール樹脂の反応条件をまとめると表2の通りであり、
また一般特性と硬化物特性は表3に示す通りであった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】(一般特性の測定方法)実施例および比較
例で得られた各樹脂の一般特性の測定方法を示す。 1.外観 :目視による。 2.ゲル化時間:表面温度150℃の熱板上で樹脂2ml
がゲル化するまでの時間を測定。 3.不揮発分 :JIS K 6909 による。
【0032】(硬化物特性の測定方法)実施例および比
較例で得られた各樹脂の硬化物特性の測定方法を示す。 1.色相:ろ紙(東洋濾紙製 No.514A)に固形
樹脂分が25±1%となるように樹脂を含浸させ、15
0℃で10分間加熱硬化させて得られる樹脂硬化試験片
を目視で測定した。 2. アセトン抽出率:樹脂にベニア単板を浸漬して固形
樹脂分が30±2%となるように樹脂を含浸させ、11
0℃で乾燥後、4枚を重ね、150℃で30分間、プレ
ス圧50Kg/cm2で加熱硬化させて試験片を作製した。そ
の後ソックスレー抽出器を用い、常法に従って試験片の
アセトン抽出を6時間行って、試験片重量に対する抽出
率を測定した(n=3)。
【0033】3.常態曲げ強度:ガラスビーズ基材(直
径:100ミクロン)1、000部に固形樹脂分が50
部に相当する樹脂を添加混練し、金型(寸法:10×1
0×60mm)にかさ比重が1.57〜1.58となるよう
に充填して230℃で30分間加熱硬化させて試験片を
作製した。試験片を万能式引張り試験機(スパン:50
)にかけて曲げ強度を測定した(n=10)。 4.湿態曲げ強度:常態曲げ強度と同じ試験片をオート
クレーブ沸騰水中にて110℃で30分間処理した後の
試験片について曲げ強度を測定した(n=10)。 5.湿態曲げ強度保持率:(湿態曲げ強度÷常態曲げ強
度)×100より算出。
【0034】実施例1〜7で得られた強化木用淡色フェ
ノール樹脂は比較例1〜6で得られたレゾール型フェノ
ール樹脂に較べて、含浸加熱硬化後の色相がきわめて淡
色であり、また常態/湿態曲げ強度から常温強度や耐湿
性の優れていることが確認され、さらにゲル化時間やア
セトン抽出率から硬化性についても良好であることが判
る。
【0035】
【発明の効果】本発明の強化木用淡色フェノール樹脂の
製造方法によれば、従来からのレゾール型フェノール樹
脂が有している硬化性などの多くの優れた特長を損うこ
となく、含浸加熱硬化後の色相がきわめて淡色であるフ
ェノール樹脂を工業的に製造することができる。また従
来からのレゾール型フェノール樹脂では加熱硬化後の色
相が濃色のため、着色剤を使用して鮮明な色相に着色す
ることが不可能であったが、本発明による樹脂を使用す
ると色相が淡色であるため、かなりの自由度をもって強
化木に着色を施すことが可能となる。このため、従来か
ら強化木のフェノール樹脂が使用されている分野は勿論
のこと、メラミン樹脂などのアミノ樹脂の使用されてい
る分野においても本発明による強化木用淡色フェノール
樹脂の需要が拡大するものと予想される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−57593(JP,A) 特開 昭49−81447(JP,A) 特開 平4−278303(JP,A) 特開 平6−49158(JP,A) 特開 昭60−49020(JP,A) 特開 平6−277918(JP,A) 特開 昭49−17493(JP,A) 特開 昭62−78139(JP,A) 特開 昭62−195009(JP,A) 特開 平6−239948(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 8/00 - 8/38 C08L 61/04 - 61/16 C09J 161/04 - 161/16 B27K 1/00 - 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノールAが全フェノール類の8
    0〜100モルパーセントからなるフェノール類(P)
    と、アルデヒド類(A)を、モル比A/Pが1.5〜
    6.0となるように配合して、水酸化バリウムが全触媒
    量の90〜100モルパーセントからなる触媒の存在下
    で反応させ、反応終了後に硫酸が全中和剤量の90〜1
    00モルパーセントからなる中和剤で中和して、かつ2
    5℃におけるpHが2.0〜8.0であることを特徴と
    する強化木用淡色フェノール樹脂の製造方法。
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