JPH0717963A - 光学活性テトラヒドロピラン誘導体,それを含有する液晶組成物及び液晶素子 - Google Patents

光学活性テトラヒドロピラン誘導体,それを含有する液晶組成物及び液晶素子

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JPH0717963A
JPH0717963A JP5161988A JP16198893A JPH0717963A JP H0717963 A JPH0717963 A JP H0717963A JP 5161988 A JP5161988 A JP 5161988A JP 16198893 A JP16198893 A JP 16198893A JP H0717963 A JPH0717963 A JP H0717963A
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充範 竹田
Yoshinobu Murayama
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 表示素子あるいは電気光学素子に用いられる
液晶材料として有用な新規な光学活性テトラヒドロピラ
ン誘導体、それを含有する液晶組成物及び液晶素子の開
発。 【構成】 下記式 〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキル基、
,R,R及びRは水素又は炭素数1〜20の
直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数2〜15のアルケニ
ル基又は炭素数7〜10のアラルキル基、X及びX
は−COO−,−OCO−,−O−又は単結合、X
びXは−COO−,−OCO−,−CHO−,−O
−,−C C−又は単結合、Xは−COO−,−CHO−又は
−O−,Xは−OCH−,−O−又は−OCO−、
*は不斉炭素、A,B,D及びEは置換または無置換の
含六員環基、m及びnは0または1を示す。〕で表され
る光学活性テトロヒドロピラン誘導体、それを含有する
液晶組成物及び液晶素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性テトラヒドロピ
ラン誘導体,それを含有する液晶組成物及び液晶素子に
関し、詳しくは、表示素子あるいは電気光学素子に用い
られる液晶材料として有用な新規な光学活性テトラヒド
ロピラン誘導体,それを含有する液晶組成物及び液晶素
子または新規なラセミ混合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の表示素子,電子光学デバイ
ス,液晶センサなど、液晶の利用分野が著しく拡大しつ
つあり、それに伴って様々な構造の液晶化合物が提案さ
れてきた。特に、表示素子に用いられる液晶材料は、現
在のところネマティック液晶が主流であり、これを用い
たTN型あるいはSTN型の単純マトリックス方式及び
個々の画素ごとに薄膜トランジスタを付与したTFT型
のアクティブマトリックス方式が用いられている。しか
し、ネマティック液晶は、その駆動力が液晶材料の誘電
率の異方性と電場との弱い相互作用に基づくため、本質
的に応答速度が遅い(msecオーダー)という欠点を有し
ており、高速応答を要求される大画面の表示素子の材料
としては不利であった。これに対して、1975年マイ
ヤー( R. B. Meyer ) らにより初めて合成された強誘電
性液晶は、自発分極を有し、これが直接電界と作用する
ため、駆動力が大きく、1980年にクラーク( N. A.
Clark )らが表面安定化型強誘電性液晶素子(SSFL
CD)において、そのμsecオーダーの高速応答性と
メモリー性を発表して以来、注目を集め、これまで多く
の強誘電性液晶化合物が合成されてきた。
【0003】強誘電性液晶の応答速度はτ=η/(Ps
・E)で知られている。ここでηは回転粘性を示し、P
sは自発分極を示し、Eは電界強度を示す。これから、
高速応答性を得るため、粘性が小さく、自発分極の大き
な液晶材料が開発目標とされてきた。また、液晶材料と
しては、化学的安定性,広動作温度範囲などの特性が要
求されるが、単一の化合物でこれらの諸特性を満たすこ
とは困難であった。したがって、従来、複数のカイラル
スメクチックC相(SmC* 相) を有する化合物どうし
を混合したり、粘性の低いスメクチックC相(SmC
相)を有する母体液晶に光学活性な化合物を添加して所
望の性能を有するSmC* 相を示す強誘電性液晶組成物
を得る方法が用いられてきた。後者の場合には、添加す
るカイラルドーパントは、それ自体SmC* 相を有して
いても、有していなくてもよく、母体液晶との相溶性が
良好で、大きな自発分極を誘起し、粘性を増大させない
ことが要求される。
【0004】自発分極は、分子長軸に対して垂直な方向
の双極子モーメントが不斉炭素の影響により長軸回りの
自由回転が制御された結果生じると考えられている。し
たがって、双極子部分をコアと呼ばれる骨格部に近づ
ける、双極子部分と不斉炭素原子を近づける、不斉
炭素に立体的に大きな置換基をつけ、長軸回りの自由回
転を抑制する等の方法で自発分極を増大させる試みがな
されてきた。さらに最近、双極子部分と不斉炭素を5員
環ラクトンに直結させた構造の化合物が効果的に自由回
転を束縛し、大きな自発分極を有することが報告された
(Japanese Journal of Applied Physics, 29 巻,No.
6、 ppL 981 〜L 983)。このような状況下で本発明者ら
は、さらに新たなタイプの液晶として有望なテトラヒド
ロピラン環を有する新規な光学活性化合物を開発するこ
とを目的として鋭意研究を重ねた。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、本発明者ら
は、テトラヒドロピラン環上の不斉炭素原子に、それ自
体大きな電子吸引性を有するフルオロアルキル基を有す
る新規化合物が、単品で液晶性を示すか、あるいは単品
では液晶性を示さないが、組成物とした場合に高速応答
が期待できる優れたドーパントとなりうることを見い出
した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロ
アルキル基を示し、R1 ,R2 ,R3及びR4 はそれぞ
れ独立に水素又は炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アル
キル基,炭素数2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜
10のアラルキル基を示し、X 1 及びX6 はそれぞれ独
立に−COO−,−OCO−,−O−又は単結合を示
し、X2 及びX5 はそれぞれ独立に−COO−,−OC
O−,−CH2 O−,−OCH2 −,−C≡C−又は単
結合を示し、X3 は−COO−,−CH2 O−又は−O
−を示し、X4 は−OCH2 −,−O−又は−OCO−
を示し、*は不斉炭素を示し、A,B,D及びEはそれ
ぞれ独立に置換または無置換の含六員環基を示し、m及
びnはそれぞれ独立に0または1を示す。〕で表される
光学活性テトラヒドロピラン誘導体を提供するものであ
る。また、本発明は上記光学活性テトラヒドロピラン誘
導体を含有する液晶組成物あるいはその液晶組成物から
なる液晶素子をも提供するものである。さらに、上記光
学活性テトラヒドロピラン誘導体を用いたラセミ混合物
も提供するものである。
【0008】一般式(I)において、上記のようなRf
は炭素数1又は2のフルオロアルキル基を示し、具体的
にはトリフルオロメチル基,ジフルオロメチル基,クロ
ロジフルオロメチル基,ペンタフルオロエチル基などで
あり、好ましくはトリフルオロメチル基である。また、
1 は炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基、例
えばn−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,
イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル
基,n−ペンチル基,n−ヘキシル基,n−ヘプチル
基,n−オクチル基,n−ノニル基,n−デシル基,n
−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−トリデシル基,
n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基,n−ヘキサ
デシル基,n−ヘプタデシル基,n−オクタデシル基,
n−ノナデシル基,n−エイコシル基などである。これ
らのうち、分岐鎖アルキル基であって、不斉炭素を有す
る基は、光学活性基である。
【0009】さらに、R2 ,R3 及びR4 としては、そ
れぞれ独立に水素又は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖
アルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−プロピル
基,イソプロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル
基,tert−ブチル基,n−ペンチル基,イソペンチ
ル基,1−メチルブチル基,n−ヘキシル基,n−ヘプ
チル基,1−メチルヘプチル基,n−オクチル基,1−
エチルヘプチル基,1−メチルオクチル基,n−ノニル
基,1−エチルオクチル基,1−メチルノニル基,n−
デシル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−ト
リデシル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基
などである。また、炭素数2〜15のアルケニル基とし
ては、ビニル基,アリル基,1−プロペニル基,イソプ
ロペニル基,1−ブテニル基,2−ブテニル基,2−メ
チルアリル基,1−ペンテニル基,1−ヘキセニル基,
1−ヘプテニル基,1−オクテニル基,2−オクテニル
基,1−ノネニル基,2−ノネニル基,1−デセニル
基,2−デセニル基,1−ウンデセニル基,2−ウンデ
セニル基,1−ドデセニル基,2−ドデセニル基,1−
トリデセニル基,2−トリデセニル基,1−テトラデセ
ニル基,2−テトラデセニル基,1−ペンタデセニル
基,2−ペンタデセニル基などが挙げられる。炭素数7
〜10のアラルキル基としては、ベンジル基,フェネチ
ル基,フェニルプロピル基,フェニルブチル基などが挙
げられる。A,B,D及びEで示される含六員環基の置
換基としては、フッ素,沃素,臭素,硼素などのハロゲ
ン、シアノ基、炭素数1〜6の含フッ素アルキル基など
が好ましく用いられる。このようなA,B,D及びEの
具体例としては
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】を挙げることができる。
【0013】本発明による一般式(I)の化合物は、様
々な方法で製造することができるが、例えば以下の工程
により製造することができる。 (1)X3 =−COO−, X4 =−OCO− 及び
m=n=0 の場合:下記一般式(II) R4 −X6 −D−COHal ・・・(II) 〔式中、R4 ,X6 及びDは前記と同じである。Hal は
塩素,臭素,沃素等のハロゲンを示す。〕で表される化
合物と下記一般式(III)
【0014】
【化5】
【0015】〔式中、Rf,R2 ,R3 及び*は前記と
同じである。TBSはターシャリブチルジメチルシリル
基を示す。〕で表される化合物と反応させることにより
下記一般式(IV)
【0016】
【化6】
【0017】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R4 ,D,X
6 ,TBS及び*は前記と同じである。〕で表される化
合物を得ることができる。この反応は、有機塩基、例え
ばピリジン,トリエチルアミン等の存在下に、トルエ
ン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜8
0℃の温度で行うことができる。次いで、得られた一般
式(IV)で表される化合物の脱シリル化を行い、一般式
(V)
【0018】
【化7】
【0019】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R4 ,D,X
6 及び*は前記と同じである。〕で表される化合物が得
られる。この脱シリル化反応は種々の方法で行うことが
できるが、例えばテトラヒドロフラン溶媒中、触媒とし
てテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドを用
い、反応温度0〜50℃で行うことが好ましい。なお、
上記一般式(V)で表される化合物は2種類のジアステ
レオマーの混合物であり、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより容易に分離することができる。得られた
一般式(V)で表される化合物と一般式(VI) R1 −X1 −B−COHal ・・・(VI) 〔式中、R1 ,X1 ,B及びHal は前記と同じであ
る。〕で表される化合物と反応させることにより目的と
する一般式(I)で表される化合物を得ることができ
る。この反応は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチ
ルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチ
レン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うことが
できる。 (2)X3 =−COO−, X4 =−OCH2 − 及び
m=n=0 の場合:下記一般式(VII) R4 −X6 −D−CH2 OH ・・・(VII) 〔式中、R4 ,X6 及びDは前記と同じである。〕で表
される化合物と前記一般式(III)で表される化合物を反
応させることにより、一般式(VIII)
【0020】
【化8】
【0021】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R4 ,D,X
6 ,TBS及び*は前記と同じである。〕で表される化
合物を得ることができる。この反応は、無溶媒またはエ
ーテル,テトラヒドロフランなどの溶媒中、酸触媒とし
て例えばパラトルエンスルホン酸を用い、反応温度0〜
50℃で行うのが好ましい。次いで、得られた一般式
(VIII) で表される化合物の脱シリル化を行い、一般式
(IX)
【0022】
【化9】
【0023】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R4 ,D,X
6 及び*は前記と同じである。〕で表される化合物が得
られる。この脱シリル化反応は種々の方法で行うことが
できるが、例えばテトラヒドロフラン溶媒中、触媒とし
てテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドを用
い、反応温度0〜50℃で行うことが好ましい。なお、
上記一般式(IX)で表される化合物は2種類のジアステ
レオマーの混合物であり、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより容易に分離することができる。得られた
一般式(IX)で表される化合物と前記一般式(VI)で表
される化合物と反応させることにより目的とする一般式
(I)で表される化合物を得ることができる。この反応
は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の
存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒
中で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。 (3)X3 =−CH2 O−, X4 =−OCO− 及び
m=n=0 の場合:下記一般式(X) R5 −OH ・・・(X) 〔式中、R5 は炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖アルキ
ル基を示す。〕で表される化合物と前記一般式(III)で
表される化合物を反応させることにより、一般式(XI)
【0024】
【化10】
【0025】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R5 ,TBS
及び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得る
ことができる。この反応は、無溶媒またはエーテル,テ
トラヒドロフランなどの溶媒中、酸触媒として例えばパ
ラトルエンスルホン酸を用い、反応温度0〜50℃で行
うのが好ましい。次いで、得られた一般式(XI)で表さ
れる化合物の脱シリル化を行い、一般式(XII)
【0026】
【化11】
【0027】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R5 及び*は
前記と同じである。〕で表される化合物が得られる。こ
の脱シリル化反応は種々の方法で行うことができるが、
例えばテトラヒドロフラン溶媒中、触媒としてテトラ−
n−ブチルアンモニウムフルオライドを用い、反応温度
0〜50℃で行うことが好ましい。なお、上記一般式
(XII)で表される化合物は2種類のジアステレオマーの
混合物であり、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より容易に分離することができる。得られた一般式(XI
I)で表される化合物と下記一般式(XIII) R1 −X1 −B−CH2 −Z ・・・(XIII) 〔式中、R1 ,X1 及びBは前記と同じである。Zは塩
素,臭素,沃素又はトシル基を示す。〕で表される化合
物と反応させることにより一般式(XIV)
【0028】
【化12】
【0029】〔式中、Rf,R1 ,R2 ,R3 ,R5
1 ,B及び*は前記と同じである。〕で表される化合
物を得ることができる。この反応は、一般式(XII)で表
される化合物にアルカリ金属ヒドリド,水酸化ナトリウ
ム又は水酸化カリウムなどの塩基を作用させた後、一般
式(XIII) で表される化合物を加えることにより行うこ
とが好ましい。さらに、得られた一般式(XIV)で表され
る化合物を酸触媒下で反応させることにより、一般式
(XV)
【0030】
【化13】
【0031】〔式中、Rf,R1 ,R2 ,R3 ,X1
B及び*は前記と同じである。〕で表される化合物が得
られる。この反応は、水の存在下でエーテル,テトラヒ
ドロフラン,トルエンなどの溶媒中、酸触媒として例え
ばパラトルエンスルホン酸,塩酸,硫酸などを用いて、
反応温度0〜100℃で行うことができる。得られた一
般式(XV)で表される化合物と前記一般式(II)で表さ
れる化合物と反応させることにより目的とする一般式
(I)で表される化合物を得ることができる。この反応
は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の
存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒
中で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。ま
た、本発明の一般式(I)で表される化合物を製造する
ため、原料物質として用いた一般式(III)で表される化
合物は、様々な方法で製造することができる。この一般
式(III)で表される化合物の代表的なものとしては、例
えば、
【0032】
【化14】
【0033】等が挙げられる。本発明の一般式(I)の
化合物としては、例えば
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】
【化21】
【0041】
【化22】
【0042】
【化23】
【0043】
【化24】
【0044】
【化25】
【0045】
【化26】
【0046】〔式中、R1 ,X1 ,X6 ,R2 ,R3
4 及び*は前記と同じである。〕等が挙げられる。
【0047】本発明の液晶組成物は、(a)一般式
(I)で表される化合物の少なくとも1種と(b)
(a)以外のカイラルスメクチックC相(SmC* )を
有する化合物あるいは混合物および/または(c)
(a)以外のスメクチックC相(SmC)を有する化合
物あるいは混合物を配合することにより得ることができ
る。この場合、一般式(I)で表される化合物の配合量
は各種状況に応じて適宜選定すれば良いが、好ましくは
得られる液晶組成物の0.1〜99重量%、特に好ましく
は1〜90重量%である。また、本発明の液晶組成物の
別の態様として、一般式(I)で表される化合物の少な
くとも2種からなる液晶組成物を挙げることができる。
【0048】上記(b)及び(c)の化合物あるいは混
合物としては従来知られている様々な物質を用いること
ができる。上記(b)の化合物としては具体的には例え
ば、福田,竹添「強誘電性液晶の構造と物性」コロナ社
(1990),p229,表7.1に記載した化合物が挙
げられる。上記(c)の化合物としては好ましくは一般
式(A)
【0049】
【化27】
【0050】〔式中、R6 は置換基を有していてもよい
炭素数1〜15のアルキル基又はアルコキシ基,R7
置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキル
基、Qは−O−,−COO−,−OCO−,OCOO−
又は単結合、Fは
【0051】
【化28】
【0052】を示す。また、X1 及びnは前記と同じで
ある。〕で表される化合物を挙げることができる。具体
的には下記の化合物を挙げることができる。
【0053】
【化29】
【0054】また、本発明の液晶素子は上述の一般式
(I)の化合物あるいは上記液晶組成物を一対の電極基
板間に配設してなるものである。この液晶素子は、例え
ばInO3 ,SnO2 ,ITO(酸化インジウムと酸化
スズとの混合酸化物)などからなる透明電極を有する透
明基板上に、さらにポリビニルアルコール,ポリイミド
などからなる配向制御膜を設けた2対の基板を張り合わ
せてセルを作製し、その上下に偏光板を配設することに
より得られる。この素子は複屈折モードを利用して、表
示素子あるいは電気光学素子として使用することができ
る。また、本発明の上記光学活性テトラヒドロピラン誘
導体を少なくとも1種用いた新規なラセミ混合物は、ベ
ース液晶の配合成分などに有効に用いることができる。
【0055】
【実施例】次に、参考例および実施例に基づいて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。また、以下の各例において、本発明の
一般式(I)で表される光学活性化合物のR,S表示
は、下記の式
【0056】
【化30】
【0057】〔式中、Rf,R1 ,R2 ,R3 ,R4
1 ,X2 ,X3 ,X4 ,X5 ,X6,A,B,D,
E,n及び*は前記と同じである。〕の位置番号に基づ
いて行った。
【0058】参考例 (5S,6S)−テトラヒドロ−5−t−ブチルジメチ
ルシロキシ−6−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ
ピランの合成
【0059】
【化31】
【0060】〔式中、TBS及び*は前記と同じであ
る。〕 (a)窒素雰囲気下、フラン13.6g(200ミリモ
ル)をテトラヒドロフラン150ミリリットルに加え、
1.5モル/リットルのn−ブチルリチウムヘキサン溶液
133ミリリットル(200ミリモル)を−20℃で滴
下し、1時間反応させた。次に、トリメチルシリルクロ
リド21.7g(200ミリモル)を滴下し、−20℃で
1時間攪拌した。1.5モル/リットルのn−ブチルリチ
ウムヘキサン溶液133ミリリットル(200ミリモ
ル)を加え、−20℃で1時間反応させた後、−78℃
でトリフルオロ酢酸エチル28.4g(200ミリモル)
を滴下し、−78℃で1時間、室温でさらに1時間反応
させた。この反応溶液に3規定の塩酸を加えて反応を停
止させ、酢酸エチルで抽出した。次いで、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、フラ
ン誘導体の粗生成物を得た。
【0061】(b)乾燥エタノール100ミリリットル
に水素化ホウ素ナトリウム2.3g(60ミリモル)を加
え、上記反応で得たフラン誘導体の粗生成物を0℃で3
0分かけて滴下した。室温で2時間反応させた後、エタ
ノールを減圧留去し、3規定の塩酸を加えて反応を停止
させ、酢酸エチルにより抽出した。次いで、飽和炭酸水
素ナトリウム,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、減
圧蒸留を行い、アルコール化合物40.5g(170ミリ
モル)を得た。
【0062】(c)塩化メチレン300ミリリットルに
上記(b)の反応で得たアルコール化合物64.1g(2
69ミリモル)とピリジン27.7ミリリットル(350
ミリモル)を加え、0℃で塩化アセチル27.5g(35
0ミリモル)を滴下し、室温で2時間反応させた。次い
で、3規定の塩酸を加えて反応を停止させ、塩化メチレ
ンで抽出した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液,
蒸留水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。塩化メチレンを減圧留去した後、減圧蒸留を行い、
エステル化合物75.1g(268ミリモル)を得た。
【0063】(d)蒸留水1800ミリリットルに上記
反応により得られたエステル化合物58.5g(209ミ
リモル)を加えて、ミニジャーファーメンター中で40
℃で攪拌した。リパーゼPSを30g加え、10時間反
応させた。3規定の塩酸を加え、0℃に冷却して反応を
停止し、セライトによりろ過した。ろ液を酢酸エチルに
より抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去した。次いで、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製して光
学活性アルコール化合物23.2g(97.4ミリモル)と
光学活性エステル化合物25.6g(91.4ミリモル)を
得た。なお、得られたアルコール化合物の光学純度は9
8.0%e.e.であった。
【0064】(e)上記反応で得られた光学活性アルコ
ール化合物25.8g(108ミリモル)を塩化メチレン
200ミリリットルに溶かし、イミダゾール10.5g
(151ミリモル)とt−ブチルジメチルシリルクロリ
ド23.0g(151ミリモル)を0℃で加えて15分攪
拌し、室温で16時間反応させた。蒸留水を加えて反応
を停止させ、塩化メチレンにより抽出した。次いで、蒸
留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化
メチレンを減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー
により分離精製してシリルエーテル化合物37.2g(1
06ミリモル)を得た。
【0065】(f)窒素雰囲気下、酢酸120ミリリッ
トルに上記反応で得られたシリルエーテル化合物14.1
g(40ミリモル)及びモノパーオキシフタル酸マグネ
シウム23.2g(60ミリモル)を加え、80℃で12
時間反応させた。酢酸を減圧留去した後、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルにより抽出した。次
いで、得られた抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した
後、カラムクロマトグラフィーにより分離精製し、(4
S,1’S)ブテノリド化合物 4.7g(16ミリモル)
及び(4R,1’S)ブテノリド化合物 3.0g(10ミ
リモル)を得た。なお、4.2g(12ミリモル)の原料
も回収された。
【0066】(g)上記反応で得られた(4S,1’
S)及び(4R,1’S)ブテノリド化合物13.7g
(46ミリモル)を分離せずにエタノール40ミリリッ
トルに溶かし、10%Pd/C(Pd 10重量%含
有)を1.4g加え、水素雰囲気下、室温で15時間反応
した。反応溶液を濾過し、溶媒を減圧留去した後、シリ
カゲルラカムクロマトグラフィーで分離精製して、(4
S,1’S)ブタノリド化合物8.2g(29ミリモル)
及び(4R,1’S)ブタノリド化合物3.6g(12ミ
リモル)を得た。
【0067】(h)窒素雰囲気下、ジエチルエーテル4
0ミリリットルに上記反応により得られた(4S,1’
S)ブタノリド化合物7.5g(25ミリモル)を加え、
−78℃で水素化ジイソブチルアルミニウムの0.93モ
ル/リットルのn−ヘキサン溶液32ミリリットル(3
0ミリモル)を滴下し、3時間反応した。蒸留水を加え
て反応を停止し、1規定の塩酸を加え中和した後、ジエ
チルエーテルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、ジエチルエーテルを減圧留去
した。次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製して、ラクトール化合物7.3g(24ミリモル)を得
た。
【0068】(i)窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン
50ミリリットルに上記反応により得られたラクトール
化合物7.3g(24ミリモル)を加え、−78℃でカリ
ウム−t−ブトキシド3.0g(27ミリモル)のテトラ
ヒドロフラン10ミリリットル溶液を滴下し、3時間反
応した。蒸留水を加えて反応を停止し、1規定の塩酸を
加え中和した後、ジエチルエーテルで抽出した。飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ジエチ
ルエーテルを減圧留去した。次いでシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製して、目的とする(5S,6
S)−テトラヒドロ−5−t−ブチルジメチルシロキシ
−6−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピラン6.4
g(21ミリモル)を得た。得られた化合物は、同位体
フッ素による核磁気共鳴法から、モル比が82:18の
ジアステレオマーの混合物であった。
【0069】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 (1) (2R,5S,6S)体 分子式:C12233 3 Si1 H−NMR(プロトン核磁気共鳴法);δ(ppm) 0.03 (s,6H) 0.85 (s,9H) 1.40〜2.10(m,4H) 2.90〜3.10(m,1H) 3.78 (dt,J=5.6,8.9Hz,1H) 4.11 (dq,J=9.2,6.9Hz,1H) 5.20〜5.40(m,1H)19 F−NMR(同位体フッ素による核磁気共鳴法,基
準:CF3 COOH) ;δ(ppm) 4.90 (d,J=6.1Hz)
【0070】(2) (2S,5S,6S)体 分子式:C12233 3 Si1 H−NMR;δ(ppm) 0.05 (s,6H) 0.85 (s,9H) 1.40〜2.10(m,4H) 3.20〜3.40(m,1H) 3.67 (dq,J=8.8,6.2Hz,1H) 3.70〜3.90(m,1H) 4.80〜5.00(m,1H)19 F−NMR(基準:CF3 COOH) ;δ(ppm) 4.80 (d,J=7.6Hz)
【0071】実施例1 (2R,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−2,5−ビス−(4−ヘキシルオキシフェニ
ル−1−カルボニルオキシ)ピランの合成
【0072】
【化32】
【0073】a) 4−ヘキシルオキシフェニルカルボ
ン酸クロリド0.63g( 2.6ミリモル)と参考例と同様
の操作で得られた(5R,6R)−テトラヒドロ−5−
t−ブチルジメチルシロキシ−6−トリフルオロメチル
−2−ヒドロキシピラン0.60g( 2.0ミリモル)の塩
化メチレン溶液5ミリリットル中に無水ピリジン2ミリ
リットルを加え、室温で20時間反応した。この反応溶
液に、1規定の塩酸を加えて反応を停止し、塩化メチレ
ンにより抽出した。次いで蒸留水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。塩化メチレンを減圧留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エ
ステル化合物を0.89g(1.8ミリモル)得た。 b) 上記a)で得られたエステル化合物0.89g(1.
8ミリモル)をテトラヒドロフラン5ミリリットルに溶
かし、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドの
1.0モル/リットルのテトラヒドロフラン溶液1.0ミリ
リットル加え、0℃で1時間、室温で6時間反応した。
その後、反応溶液に蒸留水を加えて反応を停止し、反応
物をエーテルで抽出した。次いで、得られた抽出物を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
エーテルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーで分離精製して、(2S,5R,6R)の立
体配置を有するアルコール化合物0.45g(1.2ミリモ
ル)及び(2R,5R,6R)の立体配置を有するアル
コール化合物0.09g(0.22ミリモル)を得た。 c) 上記b)で得られた(2S,5R,6R)の立体
配置を有するアルコール化合物0.45g(1.2ミリモ
ル)と4−ヘキシルオキシフェニルカルボン酸クロリド
0.39g(1.6ミリモル)を用い、上記a)と同様の操
作を行い、目的化合物である(2R,5R,6R)−テ
トラヒドロ−6−トリフルオロメチル−2,5−ジ−
(4−ヘキシルオキシフェニル−1−カルボニルオキ
シ)ピラン0.36g(0.6ミリモル)を得た。
【0074】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C32413 7 1 H−NMR;δ(ppm) 0.83〜1.00(m,6H) 1.24〜1.63(m,12H) 1.72〜2.28(m,7H) 2.47〜2.60(m,1H) 4.02 (t,J=6.5Hz,4H) 4.29 (dq,J=6.8,6.9Hz,1H) 5.28〜5.37(m,1H) 6.20 (dd,J=2.6,6.7Hz,1H) 6.92 (d,J=8.9Hz,4H) 7.98 (d,J=8.9Hz,2H) 8.04 (d,J=8.9Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −75.28 (d,J=6.9Hz) IR(cm-1 ) 1735,1715,1610,1515,1250,
1170 [α]26 D =−17.5°(C(濃度)=1.02,溶媒:
クロロホルム)
【0075】実施例2 (2R,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−2−(4−ヘキシルオキシフェニル−1−カ
ルボニルオキシ)−5−(4−ヘキシルオキシフェニル
−1−メチレンオキシ)ピラン及び(2S,5R,6
R)−テトラヒドロ−6−トリフルオロメチル−2−
(4−ヘキシルオキシフェニル−1−カルボニルオキ
シ)−5−(4−ヘキシルオキシフェニル−1−メチレ
ンオキシ)ピランの合成
【0076】
【化33】
【0077】a) 参考例と同様の操作で得られた(5
R,6R)−テトラヒドロ−5−t−ブチルジメチルシ
ロキシ−6−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピラ
ン1.20g( 4.0ミリモル)をペンタノール15ミリリ
ットルを加え、酸触媒としてパラトルエンスルホン酸0.
1g添加し、室温で20時間反応した。この反応溶液を
直接シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ア
セタール化合物を1.45g(3.9ミリモル)得た。 b) 上記a)で得られたアセタール化合物1.45g
(3.9ミリモル)を用い、実施例1(b)と同様の操作
を行いアルコール化合物0.88g(3.4ミリモル)を得
た。 c) 上記b)で得られたアルコール化合物0.88g
(3.4ミリモル)のテトラヒドロフラン(5ミリリット
ル)溶液を60%水素化ナトリウム0.18g(4.4ミリ
モル)のテトラヒドロフラン(5ミリリットル)溶液
に、窒素雰囲気下0℃で滴下し30分間攪拌した。次い
で、4−クロロメチル−1−ヘキシルオキシベンゼン1.
0g(4.4ミリモル)のテトラヒドロフラン(7ミリリ
ットル)溶液とジメチルスルホキシド5ミリリットルを
室温で加え、2日間反応した。この反応溶液に蒸留水を
加え反応を停止し、反応物をエーテルで抽出した。得ら
れた抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。エーテルを減圧留去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、エーテル化合物を
1.47g(3.3ミリモル)得た。 d) 上記c)で得られたエーテル化合物1.47g(3.
3ミリモル)をテトラヒドロフラン(25ミリリット
ル)と蒸留水(15ミリリットル)の混合溶媒に加え、
酸触媒として濃硫酸1ミリリットルを滴下し、18時間
還流した。その後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム
溶液を加えて反応を停止し、反応物をエーテルで抽出し
た。次いで、得られた抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを減圧留去し
た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製
して、ヘミアセタール化合物を0.92g(2.5ミリモ
ル)得た。 e) 上記d)で得られたヘミアセタール化合物0.92
g(2.5ミリモル)を用い、実施例1a)と同様の操作
を行い目的とする(2R,5R,6R)−テトラヒドロ
−6−トリフルオロメチル−2−(4−ヘキシルオキシ
フェニル−1−カルボニルオキシ)−5−(4−ヘキシ
ルオキシフェニル−1−メチレンオキシ)ピランを0.5
8g(1.7ミリモル)及び(2S,5R,6R)−テト
ラヒドロ−6−トリフルオロメチル−2−(4−ヘキシ
ルオキシフェニル−1−カルボニルオキシ)−5−(4
−ヘキシルオキシフェニル−1−メチレンオキシ)ピラ
ンを0.17g(0.51ミリモル)得た。
【0078】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 (2R,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフル
オロメチル−2−(4−ヘキシルオキシフェニル−1−
カルボニルオキシ)−5−(4−ヘキシルオキシフェニ
ル−1−メチレンオキシ)ピラン 分子式:C32433 6 1 H−NMR;δ(ppm) 0.82〜0.99(m,6H) 1.21〜1.56(m,12H) 1.69〜1.90(m,6H) 2.04〜2.37(m,2H) 3.65〜3.78(m,1H) 3.95 (t,J=6.4Hz,2H) 4.00 (t,J=6.4Hz,2H) 3.98〜4.14(m,1H) 4.52 (s,2H) 6.09 (dd,J=2.6,6.5Hz,1H) 6.88 (d,J=8.6Hz,2H) 6.90 (d,J=8.9Hz,2H) 7.25 (d,J=8.6Hz,2H)7.99
(d,J=8.9Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −74.83 (d,J=7.2Hz) IR(cm-1 ) 1720,1600,1510,1240,1160 [α]25 D =−0.36°(C(濃度)=1.05,溶媒:
クロロホルム) (2S,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフル
オロメチル−2−(4−ヘキシルオキシフェニル−1−
カルボニルオキシ)−5−(4−ヘキシルオキシフェニ
ル−1−メチレンオキシ)ピラン 分子式:C32433 6 1 H−NMR;δ(ppm) 0.83〜1.00(m,6H) 1.21〜1.60(m,12H) 1.64〜2.26(m,8H) 3.67〜3.90(m,1H) 3.95 (t,J=6.6Hz,2H) 4.01 (t,J=6.6Hz,2H) 4.19 (dq,J=9.3,6.3Hz,1H) 4.52 (d,J=10.8Hz,1H) 4.58 (d,J=10.8Hz,1H) 6.40 (m,1H) 6.88 (d,J=8.5Hz,2H) 6.91 (d,J=8.8Hz,2H) 7.26 (d,J=8.6Hz,2H) 7.98 (d,J=8.8Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −75.13 (d,J=6.3Hz) IR(cm-1 ) 1720,1605,1510,1250,1170 [α]27 D =−37.1°(C(濃度)=1.02,溶媒:
クロロホルム)
【0079】実施例3 下記の化合物
【0080】
【化34】
【0081】をそれぞれ25重量%からなる母体液晶A
を作製した。この液晶Aに実施例1で得られた光学活性
テトラヒドロピラン誘導体が2重量%となるように混合
し、液晶組成物を作製した。得られた液晶組成物の相転
移温度は、以下の通りである。
【0082】
【化35】
【0083】 SmC* :強誘電性カイラルスメクチックC相 SmA:スメクチックA相 N* :カイラルネマチック相 Iso:等方性液体状態 この液晶組成物を等方相でパラレルラビング処理を施し
たポリイミド配向膜を有するセル間隔2.4μmの液晶素
子に注入した。徐冷して配向させ、30℃でV PP=24
Vの矩形波電圧を印加したときの応答速度(τ0-90)は
1570μ秒であった。なお、応答速度は直交ニコル下
における透過光強度が0〜90%まで変化する時間とし
て求めた。
【0084】
【発明の効果】本発明の光学活性テトラヒドロピラン誘
導体は、化学的に安定で着色がなく、光安定性にも優れ
た新規化合物であり、高速応答性を有するものである。
したがって、本発明の光学活性テトラヒドロピラン誘導
体は、特に組成物とした場合に高速応答性を向上させる
ことができ、大きな自発分極を誘起する強誘電性液晶の
配合成分として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 充範 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島石 油株式会社鹿島製油所内 (72)発明者 村山 義信 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島石 油株式会社鹿島製油所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキル基を
    示し、R1 ,R2 ,R3及びR4 はそれぞれ独立に水素
    又は炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基,炭素
    数2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜10のアラル
    キル基を示し、X 1 及びX6 はそれぞれ独立に−COO
    −,−OCO−,−O−又は単結合を示し、X2 及びX
    5 はそれぞれ独立に−COO−,−OCO−,−CH2
    O−,−OCH2 −,−C≡C−又は単結合を示し、X
    3 は−COO−,−CH2 O−又は−O−を示し、X4
    は−OCH2 −,−O−又は−OCO−を示し、*は不
    斉炭素を示し、A,B,D及びEはそれぞれ独立に置換
    または無置換の含六員環基を示し、m及びnはそれぞれ
    独立に0または1を示す。〕で表される光学活性テトラ
    ヒドロピラン誘導体。
  2. 【請求項2】 (a)請求項1記載の光学活性テトラヒ
    ドロピラン誘導体を少なくとも1種と(b)前記(a)
    以外のカイラルスメクチックC相(SmC* )を有する
    化合物あるいは混合物および/または(c)該(a)以
    外のスメクチックC相(SmC)を有する化合物あるい
    は混合物からなる液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光学活性テトラヒドロピ
    ラン誘導体の少なくとも2種からなる液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光学活性テトラヒドロピ
    ラン誘導体あるいは請求項2又は3記載の液晶組成物
    を、一対の電極基板間に配設してなることを特徴とする
    液晶素子。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光学活性テトラヒドロピ
    ラン誘導体を少なくとも1種用いてなるラセミ混合物。
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