JP2821031B2 - 光学活性γ−ラクトン誘導体 - Google Patents

光学活性γ−ラクトン誘導体

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JP2821031B2
JP2821031B2 JP2417386A JP41738690A JP2821031B2 JP 2821031 B2 JP2821031 B2 JP 2821031B2 JP 2417386 A JP2417386 A JP 2417386A JP 41738690 A JP41738690 A JP 41738690A JP 2821031 B2 JP2821031 B2 JP 2821031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表示素子あるいは電気
光学素子に用いられる液晶材料として有用な新規な光学
活性γ−ラクトン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の表示素子,電子光学デバイ
ス,液晶センサなど、液晶の利用分野が著しく拡大しつ
つあり、それに伴って様々な構造の液晶化合物が提案さ
れてきた。特に、表示素子に用いられる液晶材料は、現
在のところネマティック液晶が主流であり、これを用い
たTN型あるいはSTN型の単純マトリックス方式及び
個々の画素ごとに薄膜トランジスタを付与したTFT型
のアクティブマトリックス方式が用いられている。しか
し、ネマティック液晶は、その駆動力が液晶材料の誘電
率の異方性と電場との弱い相互作用に基づくため、本質
的に応答速度が遅い(msecオーダー) という欠点を有し
ており、高速応答を要求される大画面の表示素子の材料
としては不利であった。
【0003】これに対して、1975年にマイヤー( R.
B. Meyer)らにより初めて合成された強誘電性液晶は、
自発分極を有し、これが直接電界と作用するため、その
駆動力が大きく、1980年にクラーク( N. A. Clark)
らが表面安定化型強誘電性液晶素子(SSFLCD)に
おいて、そのμsec オーダーの高速応答性とメモリー性
を発表して以来、注目を集め、これまで多くの強誘電性
液晶化合物が合成されてきた。
【0004】強誘電性液晶の応答速度は、τ=η/Ps・
Eで知られている。ここで、ηは回転粘性を示し、Psは
自発分極を示し、Eは電界強度を示す。これから、高速
応答性を得るため、粘性が小さく、自発分極の大きな液
晶材料が開発目標とされてきた。また、液晶材料として
は、化学的安定性,広動作温度範囲などの特性が要求さ
れるが、単一の化合物でこれらの諸特性を満たすことは
困難であった。したがって、従来、複数のカイラルスメ
クティックC相(SmC* )を有する化合物どうしを混
合したり、粘性の低いスメクティックC相(SmC)を
有する母体液晶に光学活性な化合物を添加して所望の性
能を有するSmC* 相を示す強誘電性液晶組成物を得る
方法が用いられてきた。
【0005】後者の場合には、添加するカイラルドーパ
ントは、それ自体SmC* 相を有していても、有してい
なくてもよく、母体液晶との相溶性が良好で、大きな自
発分極を誘起し、粘性を増大させないことが要求され
る。
【0006】自発分極は、分子長軸に対して垂直な方向
の双極子モーメントが不斉炭素の影響により長軸回りの
自由回転が抑制された結果生じると考えられている。し
たがって、自発分極を増大させるためには、1)双極子
部分をコアと呼ばれる骨格部に近づける、2)双極子部
分と不斉炭素原子を近づける、3)不斉炭素に立体的に
大きな置換基をつけ、長軸回りの自由回転を抑制する等
の方法で自発分極を増大させる試みがなされてきた。さ
らに最近、双極子部分と不斉炭素を5員環ラクトンに直
結させた構造の化合物が効果的に自由回転を束縛し、大
きな自発分極を有することが報告された(Japanese Jou
rnal of Applied Physics 、29巻、No6、ppL981
〜L983)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような5員環ラクトンに隣接する不斉炭素原子上に、そ
れ自体大きな電子吸引性を有するフルオロアルキル基を
導入することにより、さらに大きな自発分極を有し、化
学的に安定で、それ自体液晶性を示すか、あるいは単独
では液晶性を示さないが、大きな自発分極を誘起する強
誘電性液晶の配合成分として有用な、新規化合物を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のγ
−ラクトン誘導体が、単品で液晶相を示すか、あるいは
単品では液晶相を示さないが、組成物とした場合に高速
応答が期待できる優れたドーパントであることを見出し
た。本発明はかかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0009】すなわち、本発明は、一般式(I)
【化3】 〔式中、Rf は炭素数1又は2のフルオロアルキル基を
示し、R1は炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル
基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水素又は炭素
数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示し、Aは−
COO−,−O−又は単結合を示し、Bは−COO−,
−OCO−,−CH2 O−,−OCH2 −又は単結合を
示し、Yは−COO−,−CH2 O−又は−O−を示
し、*は不斉炭素を示し、X1 及びX2 はそれぞれ独立
【化4】 を示す。〕で表される光学活性γ−ラクトン誘導体を提
供するものである。
【0010】一般式(I)において、上記のようにRf
は炭素数1又は2のフルオロアルキル基を示し、具体的
にはトリフルオロメチル基,ジフルオロメチル基,クロ
ロジフルオロメチル基,ペンタフルオロエチル基などで
あり、好ましくはトリフルオロメチル基である。
【0011】また、R1 は炭素数3〜20の直鎖又は分
岐鎖アルキル基、例えばn−プロピル基,イソプロピル
基,n−ブチル基,イソブチル基,sec −ブチル基,te
rt−ブチル基,n−ペンチル基,n−ヘキシル基,n−
ヘプチル基,n−オクチル基,n−ノニル基,n−デシ
ル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−トリデ
シル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基,n
−ヘキサデシル基,n−ヘプタデシル基,n−オクタデ
シル基,n−ノナデシル基,n−エイコシル基などであ
る。これらのうち、分岐鎖アルキル基であって、不斉炭
素を有する基は、光学活性基である。
【0012】さらに、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水
素又は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキル基、例
えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピ
ル基,n−ブチル基,sec −ブチル基,tert−ブチル
基,n−ペンチル基,イソペンチル基,1−メチルブチ
ル基,n−ヘキシル基,n−ヘプチル基,1−メチルヘ
プチル基,n−オクチル基,1−エチルヘプチル基,1
−メチルオクチル基,n−ノニル基,1−エチルオクチ
ル基,1−メチルノニル基,n−デシル基,n−ウンデ
シル基,n−ドデシル基,n−トリデシル基,n−テト
ラデシル基,n−ペンタデシル基などである。
【0013】本発明による一般式(I)の化合物は、様
々な方法で製造することができるが、例えば以下の工程
により製造することができる。
【0014】B=−COO−及びY=−COO−の場
合:一般式(II) BzO−X2 −COCl ・・・(II) 〔式中、X2 は前記と同じであり、Bzはベンジル基を示
す。〕で表される化合物を一般式(III)
【化5】 〔式中、Rf ,R2 及びR3 は前記と同じである。〕で
表される化合物と反応させて、一般式(IV)
【化6】 〔式中、Rf,Bz,X2 ,R2 及びR3 は前記と同じ
である。〕で表される化合物を得る。この反応は、有機
塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の存在下で
トルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20
℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0015】次に、得られる一般式(IV)の化合物中の
ベンジル基を常法で脱離させれば、一般式(V)
【化7】 〔式中、Rf,X2 ,R2 及びR3 は前記と同じであ
る。〕で表される化合物が生成する。この脱ベンジル化
反応は、例えばPd /C触媒の存在下でメタノール,エ
タノール,プロパノール等のアルコール性溶媒あるいは
酢酸を用いて常圧で水素化分解することにより行うこと
ができる。
【0016】上記のようにして得た一般式(V)の化合
物を一般式(VI) R1 −A−X1 −COCl ・・・(VI) 〔式中、R1 ,A及びX1 は前記と同じである。〕で表
される化合物と反応させることにより上記一般式(I)
の化合物を得ることができる。この反応は、有機塩基,
例えばピリジン,トリエチルアミン等の存在下にトルエ
ン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜8
0℃の温度で行うことができる。
【0017】また、B=−COO−、Y=−CH2O−
の場合:一般式(VII) THPO−X2 −CH2Z ・・・(VII) 〔式中、X2 は前記と同じであり、THPはテトラヒド
ロピラニル基を示し、Zは塩素,臭素,ヨウ素又はトシ
ル基を示す。〕で表される化合物を、上記の一般式(II
I)で表わされる化合物と反応させて、一般式(VIII)
【化8】 〔式中、Rf,THP,X2 ,R2 及びR3 は前記と同
じである。〕で表される化合物を得る。この反応は一般
式(III)の化合物にアルカリ金属ヒドリドあるいは水酸
化ナトリウムあるいは水酸化カリウムで代表される塩基
を作用させた後、一般式(VII)の化合物を加えることに
より行うことができる。
【0018】次に、得られた一般式(VIII) の化合物中
のテトラヒドロピラニル基を常法で脱離させれば、一般
式(IX)
【化9】 〔式中、Rf,X2 ,R2 及びR3 は前記と同じであ
る。〕で表わされる化合物が生成する。このテトラヒド
ロピラニル基の脱離は、塩酸,硫酸及びパラトルエンス
ルホン酸等の酸触媒存在下で、エーテル,テトラヒドロ
フラン,クロロホルム等の溶媒を用いて行うことができ
る。
【0019】次に、得られた一般式(IX)の化合物を上
記一般式(VI)で表わされる化合物と反応させることに
より、上記一般式(I)の化合物を得ることができる。
この反応は、有機塩基,例えばピリジン,トリエチルア
ミン等の存在下にトルエン,ベンゼン,塩化メチレン等
の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うことができ
る。
【0020】また、B=−COO−,Y=−O−の場
合:一般式(X) THPO−X2 −I ・・・ (X) 〔式中、THP及びX2 は前記と同じである。〕で表さ
れる化合物を、上記一般式(III)で表される化合物と反
応させて、一般式(XI)
【化10】 〔式中、Rf,THP,X2 ,R2 及びR3 は前記と同
じである。〕で表される化合物を得る。この反応は、一
般式(III)の化合物にアルカリ金属ヒドリドで代表され
る塩基を作用させた後、ジメチルホルムアミド,ジメチ
ルスルホキシド等の還流条件下、触媒としてヨウ化第一
銅を用い、一般式(X)で表される化合物を反応させる
ことにより行うことができる。
【0021】次に、得られた一般式(XI)の化合物中
のテトラヒドロピラニル基を常法で脱離させれば、一般
式(XII)
【化11】 〔式中、Rf,X2 ,R2 及びR3 は前記と同じであ
る。〕で表される化合物が生成する。このテトラヒドロ
ピラニル基の脱離は、塩酸,硫酸及びパラトルエンスル
ホン酸等の酸触媒存在下で、エーテル,テトラヒドロフ
ラン,クロロホルム等の溶媒を用いて行うことができ
る。
【0022】次に、得られた一般式(XII)の化合物を
上記一般式(VI)で表される化合物と反応させることに
より、上記一般式(I)の化合物を得ることができる。
この反応は、有機塩基,例えばピリジン,トリエチルア
ミン等の存在下にトルエン,ベンゼン,塩化メチレン等
の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うことができ
る。
【0023】また、B=−CH2 O−,Y=−COO−
の場合:上記一般式(V)で表される化合物を一般式
(XIII) R1−A−X1−CH2Z ・・・ (XIII) 〔式中、R1 ,A,X1 及びZは前記と同じである。〕
で表わされる化合物と反応させることにより上記一般式
(I)の化合物を得ることができる。この反応は、一般
式(V)の化合物にアルカリ金属ヒドリドあるいは水酸
化ナトリウムあるいは水酸化カリウムで代表される塩基
を作用させた後、一般式(XIII)の化合物を加えること
により行うことができる。
【0024】また、B=−OCH2 −,Y=−COO−
の場合:一般式(XIV) ZCH2 −X2 −COCl ・・・ (XIV) 〔式中、Z及びX2 は前記と同じである。〕で表される
化合物を、上記一般式(III)で表される化合物と反応さ
せて、一般式(XV)
【化12】 〔式中、Rf,Z,X2 ,R2 及びR3 は前記と同じで
ある。〕で表される化合物を得る。この反応は、有機塩
基,例えばピリジン,トリエチルアミン等の存在下にト
ルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃
〜80℃の温度で行うことができる。
【0025】次に、一般式(XVI) R1−A−X1−OH ・・・(XVI) 〔式中、R1 ,A及びX1 は前記と同じである。〕で表
される化合物に、上記化合物(XV)を反応させて、上
記一般式(I)の化合物を得る。この反応は、一般式
(XVI)の化合物にアルカリ金属ヒドリドあるいは水酸化
ナトリウムあるいは水酸化カリウムで代表される塩基を
作用させた後、一般式(XV)の化合物を加えることに
より行うことができる。
【0026】また、本発明の一般式(I)の化合物を製
造するため、原料物質として使用した一般式(III)の化
合物は、様々な方法で製造することができる。
【0027】例えば、R2 =R3 =水素の場合:フラン
をシリル化して一般式(XVII):
【化13】 〔式中、TMSはトリメチルシリル基を示す。〕で表さ
れる化合物を得、この化合物をさらにトリフルオロアセ
チル化して一般式(XVIII)
【化14】 で表される化合物を得る。この反応はテトラヒドロフラ
ン,ジエチルエーテル等の溶媒を用い、有機リチウム化
合物、例えばn−ブチルリチウムとトリメチルシリルク
ロリドを用いてシリル化した後、上記のブチルリチウム
とトリフルオロ酢酸エチルを用いてトリフルオロアセチ
ル化することにより、−78℃〜0℃の温度で行うこと
ができる。
【0028】得られた一般式(XVIII )の化合物を常法
により還元して一般式(XIX)
【化15】 で表される化合物を得る。この反応は還元剤として例え
ば水素化ホウ素ナトリウム,水素化アルミニウムリチウ
ム,塩化第二錫等を用いて行うことができる。
【0029】得られた一般式(XIX)の化合物を酸クロリ
ドと反応させてアシル化する。ここでアシル化剤として
用いる酸クロリドは具体的には、塩化アセチル,塩化プ
ロピオニル,塩化イソブチロイル,塩化オクタノイル,
塩化ベンゾイル等である。
【0030】得られた一般式(XX)
【化16】 〔式中、R’COはアシル基を示す。〕で表される化合
物を酵素を用いて不斉加水分解することにより一般式
(XXI )及び(XXIa)
【化17】 で表わされる光学活性なアルコール及びエステルを得
る。この反応に用いる酵素としては、いわゆる加水分解
酵素であれば各種のものを用いることができ、例えばリ
パーゼPS,リパーゼMY,リパーゼOF,セルラーゼ
等が挙げられる。上記の一般式(XXIa)のエステルは、
化学的加水分解及び別の酵素による不斉加水分解によ
り、一般式(XXI )のアルコールと鏡像体のアルコール
に変換することができる。
【0031】次に、このようにして得られた一般式(XX
I )で表わされるアルコールをシリル化して一般式(XX
II)
【化18】 〔式中、TBDMSはt−ブチルジメチルシリル基を示
す。〕で表される化合物を得る。この反応はシリル化剤
としてt−ブチルジメチルシリルクロリドを用いて行う
ことができる。
【0032】得られた一般式(XXII)のシリル誘導体を
酸化して一般式(XXIII )
【化19】 で表される化合物を得る。この反応は、酸化剤として、
例えばモノパーオキシフタル酸マグネシウム塩,過酸化
水素を用いて酢酸,クロロホルム等の溶媒中で行うこと
ができる。また、この反応では、ジアステレオマー混合
物を得るが、これらの化合物はシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより容易に分離することができる。
【0033】得られた一般式(XXIII )のジアステレオ
マーを分離した後、脱シリル化して一般式(XXIV)
【化20】 で表される化合物を得る。この脱シリル化反応は、常法
により行うことができ、テトラヒドロフラン溶媒中、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドを触媒とし
て用いて0℃で行うことができる。
【0034】得られた一般式(XXIV)で表わされる化合
物を水素添加して、目的とする一般式(III )において
2 及びR3 が水素である化合物を得る。水素添加は、
溶媒として例えばエタノール,メタノール,ヘキサン,
酢酸エチル,ベンゼン,トルエン等を用い、パラジウム
・チャーコールを触媒として用いて水素雰囲気下に行う
ことができる。
【0035】また、R2 =アルキル基,R3 =Hの場
合:前記一般式(XXIII ) で表わされる化合物をアルキ
ル化し、一般式(XXV )
【化21】 で表される化合物を得る。この反応は、有機銅試薬を用
い、−78℃で行うことができる。また、この場合、ジ
アステレオマー混合物は得られず、アンチ体ただ一種の
みが生成する。
【0036】次に、得られた一般式(XXV )で表される
化合物の脱シリル化を行えば目的とする一般式(XXVI)
【化22】 で表される化合物を得ることができる。この脱シリル化
反応は、テトラヒドロフラン溶媒中、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムフルオライドを触媒として用いて0℃で
行うことができる。
【0037】本発明の好ましい化合物は、具体的には例
えば以下のようなものがある。
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【0038】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0039】また、以下の各例において、本発明の一般
式(I)で表される光学活性化合物のR,S表示は、下
記の式
【化31】 の位置番号に基づいて行った。
【0040】実施例1 (A)(4R,1’R)−(2’,2’,2’−トリフ
ルオロ−1’−ヒドロキシエチル)−4−ブタノリドの
合成
【化32】
【0041】(a)窒素雰囲気下、フラン13.6g (2
00ミリモル)をテトラヒドロフラン150mlに加え、
1.5M n−ブチルリチウムヘキサン溶液133ml(2
00ミリモル)を−20℃で滴下し、1時間反応させ
た。次に、トリメチルシリルクロリド21.7g(200
ミリモル)を滴下し、−20℃で1時間攪拌した。1.5
Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液133ml(200ミ
リモル)を加え、−20℃で1時間反応させた後、−7
8℃でトリフルオロ酢酸エチル28.4g(200ミリモ
ル)を滴下し、−78℃で1時間、室温でさらに1時間
反応させた。この反応溶液に3N塩酸を加えて反応を停
止させ、酢酸エチルで抽出した。次いで、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、フラ
ン誘導体の粗生成物を得た。
【0042】(b)乾燥エタノール100mlに水素化ホ
ウ素ナトリウム2.3g(60ミリモル)を加え、上記反
応で得たフラン誘導体の粗生成物を0℃で30分かけて
滴下した。室温で2時間反応させた後、エタノールを減
圧留去し、3N塩酸を加えて反応を停止させ、酢酸エチ
ルにより抽出した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム,
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。酢酸エチルを減圧留去した後、減圧蒸留を行い、
アルコール化合物40.5g(170ミリモル)を得た。
【0043】(c)塩化メチレン200mlに上記(b)
の反応で得たアルコール化合物23.8g(100ミリモ
ル)とピリジン8.9ml(110ミリモル)を加え、0℃
で塩化アセチル8.6g(110ミリモル)を滴下し、室
温で12時間反応させた。次いで、3N塩酸を加えて反
応を停止させ、塩化メチレンにより抽出した。その後、
飽和炭酸水素ナトリウム溶液,蒸留水で順次清浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化メチレンを減圧留
去した後、減圧蒸留を行い、アセテート27.5g(98
ミリモル)を得た。
【0044】(d)蒸留水1000mlに上記反応により
得られたアセテート28.0g (100ミリモル)を加え
て、ミニジャーファーメンター中で40℃に保った。リ
パーゼPS 20g を加え、20時間反応させた。3N
塩酸を加え、0℃にして反応を停止し、セライトにより
濾過した。酢酸エチルにより抽出し、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧
留去した。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより分離精製して光学活性アルコール11.7g (4
9ミリモル)と光学活性アセテート13.2g(47ミリ
モル)を得た。なお、得られたアルコールの光学純度は
97.5%e.e.であった。
【0045】(e)上記反応で得られた光学活性アルコ
ール11.7g(49ミリモル)を塩化メチレン100ml
に溶かし、イミダゾール4.0g(59ミリモル)を加
え、0℃でt−ブチルジメチルシリルクロリド8.9g
(59ミリモル)を加えて、室温で16時間反応させ
た。次いで、3N塩酸を加えて反応を停止させ、塩化メ
チレンにより抽出した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶
液,蒸留水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。塩化メチレンを減圧留去した後、カラムクロマト
グラフィーにより分離精製してシリルエーテル16.6g
(47ミリモル)を得た。
【0046】(f)窒素雰囲気下、酢酸120mlに上記
反応で得られたシリルエーテル14.1g(40ミリモ
ル)及びモノパーオキシフタル酸マグネシウム23.2g
(60ミリモル)を加え、80℃で12時間反応させ
た。酢酸を減圧留去した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶
液を加え、酢酸エチルにより抽出した。次いで、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸
エチルを減圧留去した後、カラムクロマトグラフィーに
より分離精製し、(4R,1’R)体 4.7g(16ミリ
モル)及び(4S,1’R)体 3.0g(10ミリモル)
を得た。なお、4.2g(12ミリモル)の原料も回収さ
れた。
【0047】(g)上記反応により得られた(4R,
1’R)体3.0g(10ミリモル)をテトラヒドロフラ
ン10mlとメタノール5mlの混合溶媒に加え、テトラ−
n−ブチルアンモニウムフルオライド0.26g(1ミリ
モル)を0℃で加えて、10時間反応させた。蒸留水を
加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。蒸留水
で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチル
を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、アルコール1.7g(9.5ミリモル)を得
た。
【0048】(h)上記反応により得られたアルコール
0.53g(2.9ミリモル)をエタノール10mlに加え、
10%パラジウム・チャーコール0.05g を触媒として
水素雰囲気下反応を行った。濾過により触媒を除去した
後、エタノールを減圧留去し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで分離精製して、目的とする(4R,1’
R)−(2’,2’,2’−トリフルオロ−1’−ヒド
ロキシエチル)−4−ブタノリド0.47g(2.6ミリモ
ル)を得た。
【0049】(B)(4R,1’R)−4−〔2’,
2’,2’−トリフルオロ−1’−(4"'−デシルオキシ
ビフェニル−4”−カルボニルオキシ)エチル〕−4−
ブタノリドの合成
【化33】
【0050】4’−デシルオキシ−4−ビフェニルカル
ボン酸クロリド0.99g(2.7ミリモル)と(4R,
1’R)−4−(2’,2’,2’−トリフルオロ−
1’−ヒドロキシエチル)−4−ブタノリド0.41g
(2.2ミリモル)のトルエン溶液5ml中に無水ピリジン
2mlを加え、室温で14時間反応させた。この反応溶液
に3N塩酸を加えて反応を停止させ、エーテルにより抽
出した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エ
ーテルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー及びエタノールからの再結晶により精製し、目
的化合物である(4R,1’R)−4−〔2’,2’,
2’−トリフルオロ−1’−(4"'−デシルオキシビフ
ェニル−4”−カボニルオキシ)エチル〕−4−ブタノ
リド0.95gを得た。
【0051】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C29353 5 1 H−NMR;σ(ppm) 0.89(t,J=6.6Hz ,3H);1.22〜1.57
(m,14H);1.76〜1.87(m,2H);2.40
〜2.71(m,4H);4.01(t,J=6.5Hz ,2
H);4.96(dt,J=4.0,7.0Hz ,1H);5.
94(dq,J=4.0,7.0Hz ,1H); 7.00
(d,J=8.8Hz ,2H);7.56(d,J=8.8H
z ,2H);7.66(d,J=8.5Hz ,2H);8.0
8(d,J=8.5Hz ,2H)19 F−NMR(基準 CFCl3 );σ(ppm ) −74.31 (d,J=6.9Hz ) IR(cm-1)1800,1745,1600,150
0,1190,1030 質量分析 m/e (M+ ) 計算値 520.2437 実測値 520.2469 〔α〕25 D =−70.0° (c=1.07,CHCl3
【0052】実施例2 (4S,1’R)−4−〔2’,2’,2’−トリフル
オロ−1’−(4"'−デシルオキシビフェニル−4”−
カルボニルオキシ)エチル〕−4−ブタノリドの合成
【化34】
【0053】4’−デシルオキシ−4−ビフェニルカル
ボン酸クロリド0.78g(2.1ミリモル)と(4S,
1’R)−4−(2’,2’,2’−トリフルオロ−
1’−ヒドロキシエチル)−4−ブタノリド0.32g
(1.7ミリモル)のトルエン溶液5ml中に無水ピリジン
2mlを加え、室温で16時間反応させた。次いで、実施
例1(B)と同様の後処理,精製を行い、目的化合物で
ある(4S,1’R)−4−〔2’,2’,2’−トリ
フルオロ−1’−(4"'−デシルオキシビフェニル−
4”−カルボニルオキシ)エチル〕−4−ブタノリド0.
2gを得た。
【0054】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C293535 1 H−NMR;σ(ppm) 0.89(t,J=6.4Hz ,3H);1.20〜1.59
(m,14H);1.76〜1.87(m,2H);2.09
〜2.27(m,1H); 2.43〜2.60(m,3
H);4.01(t,J=6.5Hz ,2H);5.01(d
t,J=3.5,7.3Hz ,1H);5.71(dq,J=
3.5,6.7Hz ,1H);7.00(d,J=8.7Hz ,
2H);7.56(d,J=8.7Hz ,2H);7.67
(d,J=8.4Hz ,2H);8.12(d,J=8.5H
z ,2H) 19 F−NMR(基準 CFCl3 );σ(ppm ) −74.12 (d,J=6.8Hz ) IR(cm-1)1780,1740,1605,150
0,1190,1030 質量分析 m/e (M+ ) 計算値 520.2437 実測値 520.2408 〔α〕27 D =−31.5°(c=1.01,CHCl3
【0055】実施例3 (4R,1’R)−4−〔2’,2’,2’−トリフル
オロ−1’−〔4”−(4""−デシルオキシビフェニル
−4"'−カルボニルオキシ)フェニル−1”−カルボニ
ルオキシ〕エチル〕−4−ブタノリドの合成
【化35】
【0056】a)4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド
0.59g (2.4ミリモル)と(4R,1’R)−4−
(2’,2’,2’−トリフルオロ−1−ヒドロキシメ
チル)−4−ブタノリド0.37g(2.0ミリモル)のト
ルエン溶液5ml中に無水ピリジン2mlを加え、室温で1
6時間反応させた。この反応溶液に3N塩酸を加えて反
応を停止させ、エーテルにより抽出した。次いで、飽和
炭酸水素ナトリウム及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを減圧留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精
製し、ベンジルエーテル化合物0.66g を得た。
【0057】b)上記a)で得られた化合物をトルエン
5mlとエタノール5mlとの混合溶媒に溶解した溶液に1
0%パラジウム−チャーコール0.1g を添加し、水素雰
囲気下、室温で水素化分解を27時間行った。その後、
反応液を濾過し、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより分離精製し、アルコール
化合物0.48g を得た。
【0058】c)上記b)で得られた化合物0.31g
(1.0ミリモル)と4’−デシルオキシ−4−ビフェニ
ルカルボン酸クロリド0.45g(1.2ミリモル)のトル
エン溶液5ml中に無水ピリジン2mlを加え、室温で15
時間反応させた。この反応溶液に3N塩酸を加えて反応
を停止させ、エーテルで抽出した。次いで、飽和炭酸水
素ナトリウム及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。エーテルを減圧留去した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー及びエタノールから
の再結晶により精製し、目的化合物である(4R,1’
R)−4−〔2’,2’,2’−トリフルオロ−1’−
〔4”−(4""−デシルオキシビフェニル−4"'−カル
ボニルオキシ)フェニル−1”−カルボニルオキシ〕エ
チル〕−4−ブタノリド0.51gを得た。
【0059】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C363937 1 H−NMR;σ(ppm) 0.89(t,J=6.3Hz ,3H);1.21〜1.66
(m,14H);1.77〜1.94(m,2H);2.40
〜2.73(m,4H);4.02(t,J=6.5Hz ,2
H);4.95(dt,J=4.1,6.9Hz ,1H);5.
93(dq,J=4.0,6.8Hz ,1H);7.01
(d,J=8.6Hz ,2H);7.39(d,J=8.6H
z ,2H);7.60(d,J=8.6Hz ,2H);7.7
1(d,J=8.3Hz ,2H);8.15(d,J=8.7
Hz ,2H);8.23(d,J=8.4Hz ,2H)19 F−NMR(基準 CFCl3 );σ(ppm ) −74.32 (d,J=6.9Hz ) IR(cm-1)1800,1740,1605,150
5,1190,1070 質量分析 m/e (M+ ) 計算値 640.2648 実測値 640.2673 〔α〕25 D =−37.3°(c=1.03,CHCl3
【0060】実施例4 (4R,1’R)−4−〔2’,2’,2’−トリフル
オロ−1’−〔4”−(4"'−デシルオキシビフェニル
−4""−メチレンオキシ)フェニル−1”−カルボニル
オキシ〕エチル〕−4−ブタノリドの合成
【化36】
【0061】実施例3b)で得られた化合物0.48g
(1.6ミリモル)のTHF(3ml)溶液を60%水素化
ナトリウム0.08g (1.9ミリモル)のTHF(5ml)
溶液に窒素雰囲気下、0℃で滴下し、20分攪拌した。
次に、4’−クロロメチル−4−デシルオキシビフェニ
ル0.68g (1.9ミリモル)のTHF(5ml)・ジメチ
ルスルホキシド(10ml)混合溶液を滴下し、0℃で3
0分攪拌した。更に60℃で24時間反応させた。この
反応溶液に1N塩酸を加えて反応を停止させ、エーテル
により抽出した。次いで、飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを減圧留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー及びエタノー
ルからの再結晶により精製し、目的化合物である(4
R,1’R)−4−〔2’,2’,2’−トリフルオロ
−1’−〔4”−(4"'−デシルオキシビフェニル−
4""−メチレンオキシ)フェニル−1”−カルボニルオ
キシ〕エチル〕−4−ブタノリド0.27g を得た。
【0062】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C364136 1 H−NMR;σ(ppm) 0.89(t,J=6.5Hz ,3H);1.18〜1.59
(m,14H);1.75〜1.86(m,2H);2.37
〜2.66(m,4H);4.00(t,J=6.5Hz ,2
H);4.93(dt,J=4.0,7.2Hz ,1H);5.
17(s,2H);5.89(dq,J=4.0,7.0Hz
,1H);6.97(d,J=8.7Hz ,2H);7.0
5(d,J=8.9Hz ,2H);7.46(d,J=8.2
Hz ,2H);7.52(d,J=8.8Hz ,2H);7.
59(d,J=8.2Hz ,2H);8.01(d,J=8.
9Hz ,2H)19 F−NMR(基準 CFCl3 );σ(ppm ) −74.35 (d,J=7.0Hz ) IR(cm-1)1800,1785,1750,161
0,1505,1190,1030 質量分析 m/e (M+ ) 計算値 626.2855 実測値 626.2849 〔α〕26 D =−39.7°(c=0.96,CHCl3
【0063】実施例5 (4S,1’R)−4−〔2’,2’,2’−トリフル
オロ−1’−〔4”−(4""−デシルオキシビフェニル
−4"'−カルボニルオキシ)フェニル−1”−カルボニ
ルオキシ〕エチル〕−4−ブタノリドの合成
【化37】
【0064】(4S,1’R)−4−(2’,2’,
2’−トリフルオロ−1’−ヒドロキシエチル)−4−
ブタノリド0.32g (1.7ミリモル)を用い、実施例3
と同様の操作でエステル化,脱ベンジル化,エステル化
反応を行うことにより目的化合物である(4S,1’
R)−4−〔2’,2’,2’−トリフルオロ−1’−
〔4”−(4""−デシルオキシビフェニル−4"'−カル
ボニルオキシ)フェニル−1”−カルボニルオキシ〕エ
チル〕−4−ブタノリド0.58g を得た。
【0065】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C363937 1 H−NMR;σ(ppm) 0.89(t,J=6.6Hz ,3H);1.20〜1.59
(m,14H);1.76〜1.90(m,2H);2.08
〜2.27(m,1H);2.44〜2.63(m,3H);
4.02(t,J=6.6Hz ,2H);5.00(dt,J
=3.8,7.2Hz ,1H);5.70(dq,J=3.8,
6.8Hz ,1H);7.01(d,J=8.8Hz ,2
H);7.39(d,J=8.8Hz ,2H);7.60
(d,J=8.8Hz ,2H);7.71(d,J=8.6H
z ,2H);8.19(d,J=8.8Hz ,2H);8.2
4(d,J=8.5Hz ,2H) 19 F−NMR(基準 CFCl3 );σ(ppm ) −74.09 (d,J=6.8Hz ) IR(cm-1)1790,1740,1605,150
5,1185,1070 質量分析 m/e (M+ ) 計算値 640.2648 実測値 640.2648 〔α〕27 D =−21.3°(c=1.01,CHCl3
【0066】実施例6 (a)(3R,4R,1’R)−3−ブチル−(2’,
2’,2’−トリフルオロ−1’−ヒドロキシエチル)
−4−ブタノリドの合成
【化38】
【0067】窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン10ml
に塩化第一銅1.9g(10ミリモル)を加え、−78℃
で1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液12.5ml
(20ミリモル)をゆっくりと滴下し、−78℃で30
分,室温で5分,さらに−78℃で30分反応させる。
−78℃でトリフルオロボラン・エーテル錯体2.8g
(20ミリモル)を加え、−78℃で30分攪拌した。
次に、実施例1(A)(f)で得られた(4R,1’
R)体1.5g(5ミリモル)のテトラヒドロフラン(2
ml) 溶液を滴下し、−78℃で2時間反応させた。希ア
ンモニア水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出し
た。チオ硫酸ナトリウム溶液,飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減
圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離
精製することによりアルキル化体1.5g(4.3ミリモ
ル)を得た。
【0068】上記反応で得られたアルキル化体1.5g
(4.3ミリモル)を実施例1(A)(g)と同様の方法
で脱シリル化反応を行い、目的とする(3R,4R,
1’R)−3−ブチル−(2’,2’,2’−トリフル
オロ−1’−ヒドロキシエチル)−4−ブタノリド1.0
g (4.1ミリモル)を得た。
【0069】(b)(3R,4R,1’R)−3−ブチ
ル−4−〔2’,2’,2’−トリフルオロ−1’−
(4""−デシルオキシビフェニル−4"'−カルボニルオ
キシ)エチル〕−4−ブタノリドの合成
【化39】
【0070】上記(a)で得た(3R,4R,1’R)
−3−ブチル−4−(2’,2’,2’−トリフルオロ
−1’−ヒドロキシエチル)−4−ブタノリド0.26g
(1.1ミリモル)を用い、実施例1(B)と同様の操作
を行って目的化合物(3R,4R,1’R)−3−ブチ
ル−4−〔2’,2’,2’−トリフルオロ−1’−
(4""−デシルオキシビフェニル−4"'−カルボニルオ
キシ)エチル〕−4−ブタノリド0.45g を得た。
【0071】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C334335 1 H−NMR;σ(ppm) 0.82〜0.99(m,6H);1.18〜1.58(m,2
0H);1.76〜1.87(m,2H);2.26(dd,
J=4.3,17.2Hz ,1H);2.62〜2.77(m,
1H);2.80(dd,J=9.3,17.3Hz ,1
H);4.01(t,J=6.5Hz ,2H);4.61(d
d,J=4.3,4.3Hz ,1H);5.82(dq,J=
4.7,6.8Hz ,1H);7.00(d,J=8.8Hz ,
2H);7.56(d,J=8.7Hz ,2H);7.67
(d,J=8.4Hz ,2H);8.08(d,J=8.4H
z ,2H)19 F−NMR(基準 CFCl3 );σ(ppm ) −73.93 (d,J=6.9Hz ) IR(cm-1)1790,1750,1605,150
0,1190,1080 質量分析 m/e (M+ ) 計算値 576.3063 実測値 576.3020 〔α〕26 D =+45.5° (c=1.04,CHCl3
【0072】実施例7 (3R,4R,1’R)−3−ブチル−4−〔2’,
2’,2’−トリフルオロ−1’−(4"'−デシルオキ
シビフェニル−4""−メチレンオキシ)エチル〕−4−
ブタノリドの合成
【化40】
【0073】(3R,4R,1’R)−3−ブチル−4
−(2’,2’,2’−トリフルオロ−1’−ヒドロキ
シエチル)−4−ブタノリド0.26g(1.1ミリモル)
のTHF(3ml)溶液を60%水素化ナトリウム0.05
g(1.3ミリモル)のTHF(5ml)溶液に窒素雰囲気
下、0℃で滴下し、30分間攪拌した。次に、4’−ク
ロロメチル−4−デシルオキシルビフェニル0.43g
(1.2ミリモル)のTHF(5ml)・ジメチルスルホキ
シド(10ml)混合溶液を室温で滴下し、60℃で24
時間反応させた。この反応溶液に1N塩酸を加えて反応
を停止させ、エーテルにより抽出した。次いで、飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エー
テルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー及びエタノールからの再結晶により精製し、目的
化合物である(3R,4R,1’R)−3−ブチル−4
−〔2’,2’,2’−トリフルオロ−1’−(4"'−
デシルオキシビフェニル−4""−メチレンオキシ)エチ
ル〕−4−ブタノリド0.24gを得た。
【0074】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C334534 1 H−NMR;σ(ppm) 0.80〜0.98(m,6H);1.14〜1.60(m,2
0H);1.74〜1.86(m,2H);2.13(dd,
J=2.5,17.2Hz ,1H);2.58〜2.72(m,
1H);2.76(dd,J=9.5,17.3Hz ,1
H);3.98(t,J=6.5Hz ,2H);4.11(d
q,J=2.4,7.2Hz ,1H);4.42(dd,J=
2.4,2.4Hz ,1H);4.63(d,J=10.7Hz
,1H);4.85(d,J=10.6Hz,1H);6.9
5(d,J=8.8Hz ,2H);7.33(d,J=8.2
Hz ,2H);7.50(d,J=8.8Hz ,2H);7.
55(d,J=8.2Hz ,2H)19 F−NMR(基準 CFCl3 );σ(ppm ) −73.39 (d,J=7.1Hz ) IR(cm-1)1790,1610,1505,117
0,1060 質量分析 m/e (M+ ) 計算値 562.3270 実測値 562.3268 〔α〕26 D =+4.6°(c=1.01,CHCl3
【0075】実施例8 (3R,4R,1’R)−3−ブチル−4−〔2’,
2’,2’−トリフルオロ−1’−〔4”−(4""−デ
シルオキシビフェニル−4"'−カルボニルオキシ)フェ
ニル−1”−カルボニルオキシ〕エチル〕−4−ブタノ
リドの合成
【化41】
【0076】(3R,4R,1’R)−3−ブチル−4
−〔2’,2’,2’−トリフルオロ−1’−ヒドロキ
シエチル)−4−ブタノリド0.26g(1.1ミリモル)
を用い、実施例3と同様の操作を行い、目的化合物であ
る(3R,4R,1’R)−3−ブチル−4−〔2’,
2’,2’−トリフルオロ−1’−〔4”−(4""−デ
シルオキシビフェニル−4"'−カルボニルオキシ)フェ
ニル−1”−カルボニルオキシ〕エチル〕−4−ブタノ
リド0.15gを得た。
【0077】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C404737 1 H−NMR;σ(ppm) 0.77〜0.99(m,6H);1.12〜1.72(m,2
0H);1.76〜1.87(m,2H);2.27(dd,
J=4.5,17.3Hz ,1H);2.56〜2.76(m,
1H);2.79(dd,J=9.3,17.4Hz ,1
H);4.02(t,J=6.5Hz ,2H);4.61(d
d,J=4.4,4.4Hz ,1H);5.81(dq,J=
4.8,6.8Hz ,1H);7.01(d,J=8.7Hz ,
2H);7.40(d,J=8.7Hz ,2H);7.60
(d,J=8.7Hz ,2H);7.71(d,J=8.4H
z ,2H);8.15(d,J=8.7Hz ,2H);8.2
4(d,J=8.4Hz ,2H);19 F−NMR(基準 CFCl3 );σ(ppm ) −73.91 (d,J=6.8Hz ) IR(cm-1)1800,1740,1600,150
0,1185,1070 質量分析 m/e (M+ ) 計算値 696.3274 実測値 696.3254 〔α〕26 D =+25.9°(c=1.01,CHCl3
【0078】実施例1〜8で合成した化合物の相転移温
度は、DSC測定及び偏光顕微鏡による観察から表1に
示すとおりであった。
【0079】
【表1】
【0080】表中、Cryst は結晶相を表し、Iso は等方
相を表し、SmAはスメクチックA相を表す。
【0081】
【発明の効果】本発明の光学活性γ−ラクトン誘導体
は、化学的に安定で、着色がなく、光安定性にも優れた
新規化合物であって、液晶性を示すか、あるいは単独で
は液晶性を示さないが、組成物とした場合に高速応答性
を向上させうる、大きな自発分極を誘起する強誘電性液
晶の配合成分として有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 307/33 C07D 405/12 213 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Rf は炭素数1又は2のフルオロアルキル基を
    示し、R1は炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル
    基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ独立に水素又は炭素
    数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示し、Aは−
    COO−,−O−又は単結合を示し、Bは−COO−,
    −OCO−,−CH2 O−,−OCH2 −又は単結合を
    示し、Yは−COO−,−CH2 O−又は−O−を示
    し、*は不斉炭素を示し、X1 及びX2 はそれぞれ独立
    に 【化2】 を示す。〕で表される光学活性γ−ラクトン誘導体。
JP2417386A 1990-12-28 1990-12-28 光学活性γ−ラクトン誘導体 Expired - Fee Related JP2821031B2 (ja)

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