JP2786776B2 - 光学活性テトラヒドロピラン誘導体及び液晶組成物 - Google Patents

光学活性テトラヒドロピラン誘導体及び液晶組成物

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JP2786776B2
JP2786776B2 JP4117488A JP11748892A JP2786776B2 JP 2786776 B2 JP2786776 B2 JP 2786776B2 JP 4117488 A JP4117488 A JP 4117488A JP 11748892 A JP11748892 A JP 11748892A JP 2786776 B2 JP2786776 B2 JP 2786776B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性テトラヒドロピ
ラン誘導体及び液晶組成物に関し、詳しくは、表示素子
あるいは電気光学素子に用いられる液晶材料として有用
な新規な光学活性テトラヒドロピラン誘導体及びそれを
含有する液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の表示素子,電子光学デバイ
ス,液晶センサなど、液晶の利用分野が著しく拡大しつ
つあり、それに伴って様々な構造の液晶化合物が提案さ
れてきた。特に、表示素子に用いられる液晶材料は、現
在のところネマティック液晶が主流であり、これを用い
たTN型あるいはSTN型の単純マトリックス方式及び
個々の画素ごとに薄膜トランジスタを付与したTFT型
のアクティブマトリックス方式が用いられている。しか
し、ネマティック液晶は、その駆動力が液晶材料の誘電
率の異方性と電場との弱い相互作用に基づくため、本質
的に応答速度が遅い(msecオーダー)という欠点を有し
ており、高速応答を要求される大画面の表示素子の材料
としては不利であった。これに対して、1975年マイ
ヤー( R. B. Meyer ) らにより初めて合成された強誘電
性液晶は、自発分極を有し、これが直接電界と作用する
ため、駆動力が大きく、1980年にクラーク( N. A.
Clark )らが表面安定化型強誘電性液晶素子(SSFL
CD)において、そのμsecオーダーの高速応答性と
メモリー性を発表して以来、注目を集め、これまで多く
の強誘電性液晶化合物が合成されてきた。
【0003】強誘電性液晶の応答速度はτ=η/(Ps
・E)で知られている。ここでηは回転粘性を示し、P
sは自発分極を示し、Eは電界強度を示す。これから、
高速応答性を得るため、粘性が小さく、自発分極の大き
な液晶材料が開発目標とされてきた。また、液晶材料と
しては、化学的安定性,広動作温度範囲などの特性が要
求されるが、単一の化合物でこれらの諸特性を満たすこ
とは困難であった。したがって、従来、複数のカイラル
スメクティックC相(SmC* ) を有する化合物どうし
を混合したり、粘性の低いスメクティックC相(Sm
C)を有する母体液晶に光学活性な化合物を添加して所
望の性能を有するSmC* 相を示す強誘電性液晶組成物
を得る方法が用いられてきた。後者の場合には、添加す
るカイラルドーパントは、それ自体SmC* 相を有して
いても、有していなくてもよく、母体液晶との相溶性が
良好で、大きな自発分極を誘起し、粘性を増大させない
ことが要求される。
【0004】自発分極は、分子長軸に対して垂直な方向
の双極子モーメントが不斉炭素の影響により長軸回りの
自由回転が制御された結果生じると考えられている。し
たがって、自発分極を増大させるためには、双極子部
分をコアと呼ばれる骨格部に近づける、双極子部分と
不斉炭素原子を近づける、不斉炭素に立体的に大きな
置換基をつけ、長軸回りの自由回転を抑制する等の方法
で自発分極を増大させる試みがなされてきた。さらに最
近、双極子部分と不斉炭素を5員環ラクトンに直結させ
た構造の化合物が効果的に自由回転を束縛し、大きな自
発分極を有することが報告された(Japanese Journal o
f Applied Physics, 29 巻,No.6、 ppL981 〜L 983)。
このような状況下で本発明者らは、さらに新たなタイプ
の液晶として有望なテトラヒドロピラン環を有する新規
な光学活性化合物を開発することを目的として鋭意研究
を重ねた。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、本発明者ら
は、テトラヒドロピラン環上の不斉炭素原子に、それ自
体大きな電子吸引性を有するフルオロアルキル基を有す
る新規化合物が、単品で液晶性を示すか、あるいは単品
では液晶性を示さないが、組成物とした場合に高速応答
が期待できる優れたドーパントとなりうることを見い出
した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は下記一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロ
アルキル基を示し、R1 は炭素数3〜20の直鎖又は分
岐鎖アルキル基を示し、R2 ,R3 及びR4 はそれぞれ
独立に水素又は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキ
ル基,炭素数2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜1
0のアラルキル基を示し、X1 は−COO−,−O−又
は単結合を示し、X2 は−COO−,−OCO−,−C
2 O−,−OCH2 −又は単結合を示し、X3 は−C
OO−,−CH2 O−又は−O−を示し、X4 は−O−
又は−OCO−を示し、*は不斉炭素を示し、A及びB
はそれぞれ独立に
【0008】
【化4】
【0009】を示し、nは0または1を示す。〕で表さ
れる光学活性テトラヒドロピラン誘導体を提供するもの
である。また、本発明は上記光学活性テトラヒドロピラ
ン誘導体を含有する液晶組成物を提供し、さらに該誘導
体あるいはその液晶組成物からなる液晶素子をも提供す
るものである。
【0010】一般式(I)において、上記のようなRf
は炭素数1又は2のフルオロアルキル基を示し、具体的
にはトリフルオロメチル基,ジフルオロメチル基,クロ
ロジフルオロメチル基,ペンタフルオロエチル基などで
あり、好ましくはトリフルオロメチル基である。また、
1 は炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基、例
えばn−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,
イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル
基,n−ペンチル基,n−ヘキシル基,n−ヘプチル
基,n−オクチル基,n−ノニル基,n−デシル基,n
−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−トリデシル基,
n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基,n−ヘキサ
デシル基,n−ヘプタデシル基,n−オクタデシル基,
n−ノナデシル基,n−エイコシル基などである。これ
らのうち、分岐鎖アルキル基であって、不斉炭素を有す
る基は、光学活性基である。
【0011】さらに、R2 ,R3 及びR4 はそれぞれ独
立に水素又は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキル
基、例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソ
プロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル基,ter
t−ブチル基,n−ペンチル基,イソペンチル基,1−
メチルブチル基,n−ヘキシル基,n−ヘプチル基,1
−メチルヘプチル基,n−オクチル基,1−エチルヘプ
チル基,1−メチルオクチル基,n−ノニル基,1−エ
チルオクチル基,1−メチルノニル基,n−デシル基,
n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−トリデシル
基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基などであ
る。また、炭素数2〜15のアルケニル基としては、ビ
ニル基,アリル基,1−プロペニル基,イソプロペニル
基,1−ブテニル基,2−ブテニル基,2−メチルアリ
ル基,1−ペンテニル基,1−ヘキセニル基,1−ヘプ
テニル基,1−オクテニル基,2−オクテニル基,1−
ノネニル基,2−ノネニル基,1−デセニル基,2−デ
セニル基,1−ウンデセニル基,2−ウンデセニル基,
1−ドデセニル基,2−ドデセニル基,1−トリデセニ
ル基,2−トリデセニル基,1−テトラデセニル基,2
−テトラデセニル基,1−ペンタデセニル基,2−ペン
タデセニル基などが挙げられる。炭素数7〜10のアラ
ルキル基としては、ベンジル基,フェネチル基,フェニ
ルプロピル基,フェニルブチル基などが挙げられる。
【0012】本発明による一般式(I)の化合物は、様
々な方法で製造することができるが、例えば以下の工程
により製造することができる。 (1)X3 =−COO−,X4 =−OCO− 及び n
=0の場合: 下記一般式(II) R1 −X1 −B−COHal ・・・(II) 〔式中、R1 ,X1 およびBは前記と同じである。Hal
は塩素,臭素,沃素等のハロゲンを示す。〕で表される
化合物および下記一般式(III)
【0013】
【化5】
【0014】〔式中、Rf,R2 ,R3 及び*は前記と
同じである。TBSはt−ブチルジメチルシリル基を示
す。〕で表される化合物と反応させることにより下記一
般式(IV)
【0015】
【化6】
【0016】〔式中、Rf,R1 ,R2 ,R3 ,B,X
1 ,TBS及び*は前記と同じである。〕で表される化
合物を得ることができる。この反応は、有機塩基、例え
ばピリジン,トリエチルアミン等の存在下に、トルエ
ン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜8
0℃の温度で行うことができる。次に、得られた一般式
(IV)で表される化合物の脱シリル化を行い、一般式
(V)
【0017】
【化7】
【0018】〔式中、Rf,R1 ,R2 ,R3 ,B,X
1 及び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得
る。この脱シリル化反応は、種々の方法で行うことがで
きるが、例えばテトラヒドロフラン溶媒中、触媒として
テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドを用い、
0〜50℃で行うことができる。なお、上記一般式
(V)で表される化合物は、2種類のジアステレオマー
の混合物であるが、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより容易に分離することができる。この一般式
(V)で表される化合物を一般式(VI) R4 −COHal ・・・(VI) 〔式中、R4 及びHalは前記と同じである。〕で表さ
れる化合物と反応させることにより、目的とする前記
(I)で表される化合物を得ることができる。この反応
は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の
存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒
中で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0019】(2)X3 =−COO−,X4 =−O−
及び n=0の場合: 下記一般式(VII) R5 −OH ・・・(VII) 〔式中、R5 は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキ
ル基,炭素数2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜1
0のアラルキル基を示す。〕で表される化合物および上
記一般式(III)で表される化合物と反応させることによ
り、下記一般式(VIII)
【0020】
【化8】
【0021】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R5 ,TBS
及び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得る
ことができる。この反応は、無溶媒又はテトラヒドロフ
ラン等の溶媒中、酸触媒として例えばパラトルエンスル
ホン酸等を用いて0〜50℃で行うことができる。次
に、得られた一般式(VIII)で表される化合物の脱シリ
ル化を行い、一般式(IX)
【0022】
【化9】
【0023】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R5 及び*は
前記と同じである。〕で表される化合物を得る。この脱
シリル化反応は、種々の方法で行うことができるが、例
えばテトラヒドロフラン溶媒中、触媒としてテトラ−n
−ブチルアンモニウムフルオライドを用い、0〜50℃
で行うことができる。次いで、一般式(X) R4 −Z ・・・(X) 〔式中、R4 は前記と同じであり、Zは塩素,臭素,沃
素又はトシル基を示す。〕で表される化合物と上記一般
式(IX)で表される化合物を反応させることにより、一
般式(XI)
【0024】
【化10】
【0025】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R4 ,R5
び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得るこ
とができる。この反応は、一般式(IX)で表される化合
物にアルカリ金属ヒドリド,水酸化ナトリウム又は水酸
化カリウム等の塩基を作用させた後、一般式(X)で表
される化合物を加えることにより行うことができる。さ
らに、得られた一般式(XI)で表される化合物を酸触媒
下で反応させることにより、一般式(XII)
【0026】
【化11】
【0027】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R4 及び*は
前記と同じである。〕で表される化合物を得ることがで
きる。この反応は、水の存在下で、テトラヒドロフラ
ン,エーテル,トルエン等の溶媒中、酸触媒として例え
ばパラトルエンスルホン酸,塩酸,硫酸等を用いて0〜
100℃で行うことができる。この一般式(XII)で表さ
れる化合物と前記一般式(II)で表される化合物を反応
させることにより、目的とする前記(I)で表される化
合物を得ることができる。この反応は、有機塩基、例え
ばピリジン,トリエチルアミン等の存在下に、トルエ
ン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜8
0℃の温度で行うことができる。
【0028】(3)X3 =−CH2 O−,X4 =−OC
O− 及び n=0の場合: 下記一般式(XIII) R1 −X1 −B−CH2 Z ・・・(XIII) 〔式中、R1 ,X1 ,B及びZは前記と同じである。〕
で表される化合物と前記一般式(III)で表される化合物
を反応させることにより下記一般式(XIV)
【0029】
【化12】
【0030】〔式中、Rf,R1 ,R2 ,R3 ,X1
B,TBS及び*は前記と同じである。〕で表される化
合物を得ることができる。この反応は、例えば酸触媒と
してパラトルエンスルホン酸,塩酸,硫酸等を用い、テ
トラヒドロフラン,ジエチルエーテル,塩化メチレン,
トルエン等の溶媒中、0〜100℃で行うことができ
る。次に、得られた一般式(XIV)で表される化合物の脱
シリル化を行い、一般式(XV)
【0031】
【化13】
【0032】〔式中、Rf,R1 ,R2 ,R3 ,X1
B及び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得
る。この脱シリル化反応は、種々の方法で行われること
ができるが、例えばテトラヒドロフランの溶媒中、触媒
としてテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドを
用い、0〜50℃で行うことができる。なお、上記一般
式(XV)で表される化合物は、2種類のジアステレオマ
ーの混合物であるが、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより容易に分離することができる。この一般式
(XV)で表される化合物と前記一般式(VI)で表される
化合物を反応させることにより、目的とする前記(I)
で表される化合物を得ることができる。この反応は、有
機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の存在下
に、トルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−
20℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0033】(4)X3 =−CH2 O−,X4 =−O−
及び n=0の場合:前記一般式(XV)で表される化
合物と前記一般式(X)で表される化合物を反応させる
ことにより、目的とする前記(I)で表される化合物を
得ることができる。この反応は、一般式(XV)で表され
る化合物に、アルカリ金属ヒドリド,水酸化ナトリウム
又は水酸化カリウム等の塩基を作用させた後、一般式
(X)で表される化合物を加えることによって得ること
ができる。
【0034】(5)X2 =−COO−,X3 =−COO
−,X4 =−O− 及び n=1の場合: 一般式(XVI) Bz−O−B−COHal ・・・(XVI) 〔式中、Bzはベンジル基を示し、B及びHal は前記と
同じである。〕で表される化合物と前記一般式(XII)で
表される化合物を反応させることにより、下記一般式
(XVII)
【0035】
【化14】
【0036】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R4 ,B,B
z及び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得
ることができる。この反応は、有機塩基、例えばピリジ
ン,トリエチルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼ
ン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度
で行うことができる。次に、得られた一般式(XVII) で
表される化合物の脱ベンジル化反応を行い、一般式(XV
III)
【0037】
【化15】
【0038】〔式中、Rf,R2 ,R3 ,R4 ,B及び
*は前記と同じである。〕で表される化合物を得る。こ
の脱ベンジル化反応は、種々の方法で行うことができる
が、例えばパラジウム・カーボン(Pd/C)触媒存在
下、メタノール,エタノール,プロパノール等のアルコ
ール溶媒又は酢酸を用い、常圧で水素化分解することに
より行うことができる。 この一般式(XVIII)で表される化合物と一般式(XIX) R1 −X1 −A−COHal ・・・(XIX) 〔式中、R1 ,X1 ,A及びHalは前記と同じであ
る。〕で表される化合物を反応させることにより、目的
とする前記(I)で表される化合物を得ることができ
る。この反応は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチ
ルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチ
レン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うことが
できる。以上の様にして得られる本発明の一般式(I)
で表される化合物としては、例えば
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】
【化26】
【0050】〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,X1
4 及び*は前記と同じである。〕等が挙げられる。
【0051】本発明の液晶組成物は、 (a)一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種
と (b)(a)以外のカイラルスメクチックC相(SmC
* )を有する化合物あるいは混合物および/または (c)(a)以外のスメクチックC相(SmC)を有す
る化合物あるいは混合物を配合することにより得ること
ができる。この場合、一般式(I)で表される化合物の
配合量は各種状況に応じて適宜選定すれば良いが、好ま
しくは得られる液晶組成物の0.1〜99重量%、特に好
ましくは1〜90重量%である。また、本発明の液晶組
成物の別の態様として、一般式(I)で表される化合物
の少なくとも2種からなる液晶組成物を挙げることがで
きる。
【0052】上記(b)及び(c)の化合物あるいは混
合物としては従来知られている様々な物質を用いること
ができる。上記(b)の化合物としては具体的には例え
ば、福田,竹添「強誘電性液晶の構造と物性」コロナ社
(1990),p229,表7.1に記載した化合物が挙
げられる。上記(c)の化合物としては好ましくは一般
式(A)
【0053】
【化27】
【0054】〔式中、R6 は置換基を有していてもよい
炭素数1〜15のアルキル基又はアルコキシ基,R7
置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキル
基、Qは−O−,−COO−,−OCO−,OCOO−
又は単結合、Eは
【0055】
【化28】
【0056】を示す。また、 1 及びnは前記と同じで
ある。〕で表される化合物を挙げることができる。具体
的には下記の化合物を挙げることができる。
【0057】
【化29】
【0058】また、本発明の液晶素子は上述の一般式
(I)の化合物あるいは上記液晶組成物を一対の電極基
板間に配設してなるものである。この液晶素子は、例え
ばInO3 ,SnO2 ,ITO(酸化インジウムと酸化
スズとの混合酸化物)などからなる透明電極を有する透
明基板上に、さらにポリビニルアルコール,ポリイミド
などからなる配向制御膜を設けた2枚の基板を張り合わ
せてセルを作製し、その上下に偏光板を配設することに
より得られる。この素子は複屈折モードを利用して、表
示素子あるいは電気光学素子として使用することができ
る。
【0059】
【実施例】次に、参考例および実施例に基づいて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。また、以下の各例において、本発明の
一般式(I)で表される光学活性化合物のR,S表示
は、下記の式
【0060】
【化30】
【0061】〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,X1
2 ,X3 ,X4 ,A,B,n及び*は前記と同じであ
る。〕の位置番号に基づいて行った。 参考例 (5S,6S)−テトラヒドロ−5−t−ブチルジメチ
ルシロキシ−6−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ
ピランの合成
【0062】
【化31】
【0063】〔式中、TBS及び*は前記と同じであ
る。〕 (a)窒素雰囲気下、フラン13.6g(200ミリモ
ル)をテトラヒドロフラン150ミリリットルに加え、
1.5モル/リットルのn−ブチルリチウムヘキサン溶液
133ミリリットル(200ミリモル)を−20℃で滴
下し、1時間反応させた。次に、トリメチルシリルクロ
リド21.7g(200ミリモル)を滴下し、−20℃で
1時間攪拌した。1.5モル/リットルのn−ブチルリチ
ウムヘキサン溶液133ミリリットル(200ミリモ
ル)を加え、−20℃で1時間反応させた後、−78℃
でトリフルオロ酢酸エチル28.4g(200ミリモル)
を滴下し、−78℃で1時間、室温でさらに1時間反応
させた。この反応溶液に3規定の塩酸を加えて反応を停
止させ、酢酸エチルで抽出した。次いで、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、フラ
ン誘導体の粗生成物を得た。
【0064】(b)乾燥エタノール100ミリリットル
に水素化ホウ素ナトリウム2.3g(60ミリモル)を加
え、上記反応で得たフラン誘導体の粗生成物を0℃で3
0分かけて滴下した。室温で2時間反応させた後、エタ
ノールを減圧留去し、3規定の塩酸を加えて反応を停止
させ、酢酸エチルにより抽出した。次いで、飽和炭酸水
素ナトリウム,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、減
圧蒸留を行い、アルコール化合物40.5g(170ミリ
モル)を得た。
【0065】(c)塩化メチレン300ミリリットルに
上記(b)の反応で得たアルコール化合物64.1g(2
69ミリモル)とピリジン27.7ミリリットル(350
ミリモル)を加え、0℃で塩化アセチル27.5g(35
0ミリモル)を滴下し、室温で2時間反応させた。次い
で、3規定の塩酸を加えて反応を停止させ、塩化メチレ
ンで抽出した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液,
蒸留水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。塩化メチレンを減圧留去した後、減圧蒸留を行い、
エステル化合物75.1g(268ミリモル)を得た。
【0066】(d)蒸留水1800ミリリットルに上記
反応により得られたエステル化合物58.5g(209ミ
リモル)を加えて、ミニジャーファーメンター中で40
℃で攪拌した。リパーゼPSを30g加え、10時間反
応させた。3規定の塩酸を加え、0℃に冷却して反応を
停止し、セライトによりろ過した。ろ液を酢酸エチルに
より抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去した。次いで、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製して光
学活性アルコール化合物23.2g(97.4ミリモル)と
光学活性エステル化合物25.6g(91.4ミリモル)を
得た。なお、得られたアルコール化合物の光学純度は9
8.0%e.e.であった。
【0067】(e)上記反応で得られた光学活性アルコ
ール化合物25.8g(108ミリモル)を塩化メチレン
200ミリリットルに溶かし、イミダゾール10.5g
(151ミリモル)とt−ブチルジメチルシリルクロリ
ド23.0g(151ミリモル)を0℃で加えて15分攪
拌し、室温で16時間反応させた。蒸留水を加えて反応
を停止させ、塩化メチレンにより抽出した。次いで、蒸
留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化
メチレンを減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー
により分離精製してシリルエーテル化合物37.2g(1
06ミリモル)を得た。
【0068】(f)窒素雰囲気下、酢酸120ミリリッ
トルに上記反応で得られたシリルエーテル化合物14.1
g(40ミリモル)及びモノパーオキシフタル酸マグネ
シウム23.2g(60ミリモル)を加え、80℃で12
時間反応させた。酢酸を減圧留去した後、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルにより抽出した。次
いで、得られた抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した
後、カラムクロマトグラフィーにより分離精製し、(4
S,1’S)ブテノリド化合物 4.7g(16ミリモル)
及び(4R,1’S)ブテノリド化合物 3.0g(10ミ
リモル)を得た。なお、4.2g(12ミリモル)の原料
も回収された。
【0069】(g)上記反応で得られた(4S,1’
S)及び(4R,1’S)ブテノリド化合物13.7g
(46ミリモル)を分離せずにエタノール40ミリリッ
トルに溶かし、10%Pd/C(Pd 10重量%含
有)を1.4g加え、水素雰囲気下、室温で15時間反応
した。反応溶液を濾過し、溶媒を減圧留去した後、シリ
カゲルラカムクロマトグラフィーで分離精製して、(4
S,1’S)ブタノリド化合物8.2g(29ミリモル)
及び(4R,1’S)ブタノリド化合物3.6g(12ミ
リモル)を得た。
【0070】(h)窒素雰囲気下、ジエチルエーテル4
0ミリリットルに上記反応により得られた(4S,1’
S)ブタノリド化合物7.5g(25ミリモル)を加え、
−78℃で水素化ジイソブチルアルミニウムの0.93モ
ル/リットルのn−ヘキサン溶液32ミリリットル(3
0ミリモル)を滴下し、3時間反応した。蒸留水を加え
て反応を停止し、1規定の塩酸を加え中和した後、ジエ
チルエーテルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、ジエチルエーテルを減圧留去
した。次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製して、ラクトール化合物7.3g(24ミリモル)を得
た。
【0071】(i)窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン
50ミリリットルに上記反応により得られたラクトール
化合物7.3g(24ミリモル)を加え、−78℃でカリ
ウム−t−ブトキシド3.0g(27ミリモル)のテトラ
ヒドロフラン10ミリリットル溶液を滴下し、3時間反
応した。蒸留水を加えて反応を停止し、1規定の塩酸を
加え中和した後、ジエチルエーテルで抽出した。飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ジエチ
ルエーテルを減圧留去した。次いでシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製して、目的とする(5S,6
S)−テトラヒドロ−5−t−ブチルジメチルシロキシ
−6−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピラン6.4
g(21ミリモル)を得た。得られた化合物は、同位体
フッ素による核磁気共鳴法から、モル比が82:18の
ジアステレオマーの混合物であった。
【0072】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 (1) (2R,5S,6S)体 分子式:C12233 3 Si1 H−NMR(プロトン核磁気共鳴法);δ(ppm) 0.03 (s,6H) 0.85 (s,9H) 1.40〜2.10(m,4H) 2.90〜3.10(m,1H) 3.78 (dt,J=5.6,8.9Hz,1H) 4.11 (dq,J=9.2,6.9Hz,1H) 5.20〜5.40(m,1H)19 F−NMR(同位体フッ素による核磁気共鳴法,基
準:CFCOOH) ;δ(ppm) 4.90 (d,J=6.1Hz)
【0073】(2) (2S,5S,6S)体 分子式:C12233 3 Si1 H−NMR;δ(ppm) 0.05 (s,6H) 0.85 (s,9H) 1.40〜2.10(m,4H) 3.20〜3.40(m,1H) 3.67 (dq,J=8.8,6.2Hz,1H) 3.70〜3.90(m,1H) 4.80〜5.00(m,1H)19 F−NMR(基準:CFCOOH) ;δ(ppm) 4.80 (d,J=7.6Hz)
【0074】実施例1 (2S,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−5−ヘキサノイルオキシ−2−(4″−ヘキ
シルオキシビフェニル−4’−カルボニルオキシ)ピラ
ンの合成
【0075】
【化32】
【0076】(a) 4’−ヘキシルオキシ−4−ビフ
ェニルカルボン酸クロリド1.14g(3.6ミリモル)と
参考例と同様の操作で得られた(5R,6R)−テトラ
ヒドロ−5−t−ブチルジメチルシロキシ−6−トリフ
ルオロメチル−2−ヒドロキシピラン0.90g( 3.0ミ
リモル)のトルエン溶液5ミリリットル中に無水ピリジ
ン2ミリリットルを加え、室温で20時間反応した。こ
の反応溶液に蒸留水を加えて反応を停止し、エーテルに
より抽出した。次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。エーテルを減圧留去した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、エステル
化合物1.12g( 1.9ミリモル)を得た。
【0077】(b) (a)で得られたエステル化合物
1.12gをテトラヒドロフラン10ミリリットルに溶か
し、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドの1.
0モル/リットルのテトラヒドロフラン溶液1.0ミリリ
ットルを加え、0℃で1時間、室温で6時間反応させ
た。この反応液に蒸留水を加えて反応を停止し、反応物
をエーテルで抽出した。次いで、抽出物を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを
減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーで分離
精製して、(2,5R,6R)の不斉炭素を有するア
ルコール化合物0.08g(0.2ミリモル)および(2
,5R,6R)の不斉炭素を有するアルコール化合物
0.74g(1.6ミリモル)を得た。
【0078】(c) (b)で得られた(2,5R,
6R)の不斉炭素を有するアルコール化合物0.08gを
トルエン3ミリリットルに溶かし、ピリジン0.5ミリリ
ットル,ヘキサノイルクロライド0.03ミリリットル
(0.2ミリモル)を順次加え、室温で20時間反応させ
た。この反応溶液に蒸留水を加え反応を停止し、反応物
をエーテルで抽出した。次いで、抽出物を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを
減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーで分離
精製して、目的の化合物である(2,5R,6R)−
テトラヒドロ−6−トリフルオロメチル−5−ヘキサノ
イルオキシ−2−(4″−ヘキシルオキシビフェニル−
4’−カルボニルオキシ)ピラン0.09g(0.2ミリモ
ル)を得た。
【0079】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C31393 6 1 H−NMR;δ(ppm) 0.82〜1.01(m,6H) 1.20〜2.31(m,18H) 2.33 (t,J=7.5Hz,2H) 4.02 (t,J=6.6Hz,2H) 4.29 (dq,J=9.8,5.9Hz,1H) 5.10〜5.22(m,1H) 6.48 (m,1H) 7.00 (d,J=8.8Hz,2H) 7.59 (d,J=8.8Hz,2H) 7.67 (d,J=8.4Hz,2H) 8.11 (d,J=8.5Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −76.05 (d,J=5.9Hz) IR(cm-1 ) 1740,1730,1605,1500,1265,
1170 1070 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 564.2699 実測値 564.2704 [α]27 D =−51.6°(C(濃度)=0.92,溶媒:
クロロホルム)
【0080】実施例2 (2S,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−5−ヘキサノイルオキシ−2−(4″−ヘプ
チルビフェニル−4’−カルボニルオキシ)ピランの合
【0081】
【化33】
【0082】4’−ヘプチル−4−ビフェニルカルボン
酸クロリド0.74g( 2.4ミリモル)を用いた以外は、
実施例1と同様の操作を行い、目的化合物である(2
S,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオロメ
チル−5−ヘキサノイルオキシ−2−(4″−ヘプチル
ビフェニル−4’−カルボニルオキシ)ピラン0.15g
( 0.3ミリモル)を得た。
【0083】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。分子式:C32413 5 1 H−NMR;δ(ppm) 0.82〜0.97(m,6H) 1.18〜1.45(m,11H) 1.53〜1.76(m,5H) 1.94〜2.29(m,4H) 2.33 (t,J=7.6Hz,2H) 2.67 (t,J=7.7Hz,2H) 4.29 (dq,J=9.8,5.9Hz,1H) 5.10〜5.23(m,1H) 6.49 (m,1H) 7.30 (d,J=8.1Hz,2H) 7.56 (d,J=8.2Hz,2H) 7.70 (d,J=8.5Hz,2H) 8.13 (d,J=8.5Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −76.07 (d,J=5.9Hz) IR(cm-1) 1735,1610,1490,1265,1170,
1070 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 562.2906 実測値 562.2934 [α]25 D =−50.3°(C(濃度)=0.68,溶媒:
クロロホルム)
【0084】実施例3 (2R,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−5−ヘキサノイルオキシ−2−(4″−ヘキ
シルオキシビフェニル−4’−カルボニルオキシ)ピラ
ンの合成
【0085】
【化34】
【0086】実施例1(b)の操作で得られた(2
5R,6R)の不斉炭素を有するアルコール化合物0.3
7g(0.8ミリモル)とヘキサノイルクロライド0.13
ミリリットル(1.0ミリモル)を用いた以外は、実施例
1(c)と同様の操作を行い、目的化合物である(2
,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオロメ
チル−5−ヘキサノイルオキシ−2−(4″−ヘキシル
オキシビフェニル−4’−カルボニルオキシ)ピラン0.
41g(0.7ミリモル)を得た。
【0087】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C31393 6 1 H−NMR;δ(ppm) 0.82〜1.00(m,6H) 1.21〜2.48(m,18H) 2.34 (t,J=7.5Hz,2H) 4.01 (t,J=6.5Hz,2H) 4.14 (dq,J=6.8,6.8Hz,1H) 5.09〜5.20(m,1H) 6.18 (dd,J=2.7,7.0Hz,1H) 6.99 (d,J=8.8Hz,2H) 7.56 (d,J=8.8Hz,2H) 7.63 (d,J=8.5Hz,2H) 8.11 (d,J=8.4Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −75.39 (d,J=6.8Hz) IR(cm-1) 1740,1605,1500,1270,1180,
1080 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 564.2699 実測値 564.2681 [α]25 D =−15.3°(C(濃度)=1.20,溶媒:
クロロホルム)
【0088】実施例4 (2R,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−5−ヘキサノイルオキシ−2−(4″−ヘプ
チルビフェニル−4’−メチレンオキシ)ピランの合成
【0089】
【化35】
【0090】(a) 4’−ヘプチル−4−ヒドロキシ
メチルビフェニル0.85g( 3.0ミリモル)と参考例と
同様の操作で得られた(5R,6R)−テトラヒドロ−
5−t−ブチルジメチルシロキシ−6−トリフルオロメ
チル−2−ヒドロキシピラン0.60g( 2.0ミリモル)
のテトラヒドロフラン溶液8ミリリットル中に酸触媒と
してパラトルエンスルホン酸0.1gを加え、室温で50
時間還流した。この反応溶液に蒸留水を加えて反応を停
止し、反応物をエーテルにより抽出した。次いで得られ
た抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。乾燥物中のエーテルを減圧留去した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アセター
ル化合物0.69g( 1.2ミリモル)を得た。
【0091】(b) 実施例4(a)で得られたアセタ
ール化合物0.69gをテトラヒドロフラン10ミリリッ
トルに溶かし、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオ
ライドの1.0モル/リットルテトラヒドロフラン溶液1.
2ミリリットルを加え、0℃で1時間、室温で14時間
反応させた。この反応液に蒸留水を加えて反応を停止
し、反応物をエーテルで抽出した。次いで、抽出物を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
エーテルを減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフ
ィーで分離精製して、(2R,5R,6R)の不斉炭素
を有するアルコール化合物0.39g(0.9ミリモル)お
よび(2S,5R,6R)の不斉炭素を有するアルコー
ル化合物0.13g(0.3ミリモル)を得た。
【0092】(c) 実施例4(b)で得られた(2
R,5R,6R)の不斉炭素を有するアルコール化合物
0.39gをトルエン5ミリリットルに溶かし、ピリジン
1.0ミリリットル,ヘキサノイルクロライド0.14ミリ
リットル(1.0ミリモル)を順次加え、室温で20時間
反応させた。この反応溶液に蒸留水を加え反応を停止
し、反応物をエーテルで抽出した。次いで、抽出物を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
エーテルを減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフ
ィーで分離精製して、目的の化合物である(2R,5
R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオロメチル−
5−ヘキサノイルオキシ−2−(4″−ヘプチルビフェ
ニル−4’−メチレンオキシ)ピラン0.43g(0.8ミ
リモル)を得た。
【0093】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C32433 4 1 H−NMR;δ(ppm) 0.82〜0.96(m,6H) 1.20〜1.42(m,11H) 1.51〜1.73(m,5H) 1.84〜2.07(m,4H) 2.29 (t,J=7.5Hz,2H) 2.65 (t,J=7.7Hz,2H) 4.19 (dq,J=9.7,6.2Hz,1H) 4.57 (d,J=11.9Hz,1H) 4.78 (d,J=11.9Hz,1H) 5.01〜5.13(m,2H) 7.26 (d,J=8.1Hz,2H) 7.41 (d,J=8.2Hz,2H) 7.51 (d,J=8.2Hz,2H) 7.59 (d,J=8.2Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −76.06 (d,J=6.3Hz) IR(cm-1 ) 1740,1610,1500,1270,1170,
1090 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 548.3114 実測値 548.3130 [α]25 D =−71.1°(C(濃度)=1.00,溶媒:
クロロホルム)
【0094】実施例5 (2S,5R,6R)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−5−ヘキサノイルオキシ−2−(4″−ヘプ
チルビフェニル−4’−メチレンオキシ)ピランの合成
【0095】
【化36】
【0096】実施例4(b)の操作で得られた(2S,
5R,6R)の不斉炭素を有するアルコール化合物0.1
3g(0.3ミリモル)を用い、実施例4(c)と同様の
操作を行い、目的化合物である(2S,5R,6R)−
テトラヒドロ−6−トリフルオロメチル−5−ヘキサノ
イルオキシ−2−(4″−ヘプチルビフェニル−4’−
メチレンオキシ)ピラン0.13g(0.2ミリモル)を得
た。
【0097】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C32433 4 1 H−NMR;δ(ppm) 0.80〜0.98(m,6H) 1.14〜1.43(m,13H) 1.49〜2.02(m,6H) 2.18〜2.32(m,1H) 2.29 (t,J=7.5Hz,2H) 2.64 (t,J=7.7Hz,2H) 3.89 (dq,J=8.8,6.3Hz,1H) 4.64 (d,J=12.0Hz,1H) 4.65 (dd,J=2.4,8.1Hz,1H) 4.92 (d,J=11.9Hz,1H) 4.97〜5.11(m,1H) 7.25 (d,J=8.1Hz,2H) 7.40 (d,J=8.2Hz,2H) 7.50 (d,J=8.1Hz,2H) 7.57 (d,J=8.2Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −75.83 (d,J=6.3Hz) IR(cm-1 ) 1730,1600,1500,1270,1165,
1060 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 548.3114 実測値 548.3121 [α]24 D =+38.8°(C(濃度)=0.75,溶媒:
クロロホルム)
【0098】実施例6 (2S,5S,6S)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−2−ヘキシルオキシ−2−(4″−ヘキシル
オキシビフェニル−4’−メチレンオキシ)ピランの合
【0099】
【化37】
【0100】(a) 4’−ヘキシルオキシ−4−ヒド
ロキシメチルビフェニル0.85g( 3.0ミリモル)と参
考例で得られた(5S,6S)−テトラヒドロ−5−t
−ブチルジメチルシロキシ−6−トリフルオロメチル−
2−ヒドロキシピラン0.60g( 2.0ミリモル)を用
い、実施例4(a)及び(b)と同様の操作を行い(2
S,5S,6S)の不斉炭素を有するアルコール化合物
0.37g(0.8ミリモル)および(2R,5S,6S)
の不斉炭素を有するアルコール化合物0.12g(0.3ミ
リモル)を得た。
【0101】(b) 実施例6(a)で得られた(2
S,5S,6S)の不斉炭素を有するアルコール化合物
0.37gのテトラヒドロフラン(4ミリリットル)溶液
を60%水素化ナトリウム0.04g(1.0ミリモル)の
テトラヒドロフラン(4ミリリットル)溶液に窒素雰囲
気下0℃で滴下し、30分間攪拌した。次いで、1−ブ
ロモヘキサン0.15ミリリットル(1.1ミリモル)及び
ジメチルスルホキシド3ミリリットルを室温で加え、1
4時間反応させた。この反応溶液に蒸留水を加え反応を
停止し、反応物をエーテルで抽出した。次いで、抽出物
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。エーテルを減圧留去した後、シリカゲルクロマトグ
ラフィーで分離精製して、目的の化合物である(2S,
5S,6S)−テトラヒドロ−6−トリフルオロメチル
−5−ヘキシルオキシ−2−(4″−ヘキシルオキシビ
フェニル−4’−メチレンオキシ)ピラン0.27g(0.
5ミリモル)を得た。
【0102】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C31433 4 1 H−NMR;δ(ppm) 0.79〜0.98(m,6H) 1.18〜2.09(m,20H) 3.35〜3.64(m,3H) 4.00 (t,J=6.6Hz,2H) 3.98〜4.12(m,1H) 4.52 (d,J=11.8Hz,1H) 4.75 (d,J=11.8Hz,1H) 4.97 (m,1H) 6.96 (d,J=8.8Hz,2H) 7.38 (d,J=8.2Hz,2H) 7.51 (d,J=8.8Hz,2H) 7.53 (d,J=8.2Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −75.32 (d,J=6.7Hz) IR(cm-1 ) 1610,1500,1245,1170,1080 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 536.3114 実測値 536.3125 [α]25 D =+76.7°(C(濃度)=1.22,溶媒:
クロロホルム)
【0103】実施例7 (2R,5R,6R)−テトラヒドロ−5−アセトキシ
−6−トリフルオロメチル−2−(4″−ヘキシルオキ
シビフェニル−4’−カルボニルオキシ)ピランの合成
【0104】
【化38】
【0105】実施例1(b)の操作で得られた(2
5R,6R)の不斉炭素を有するアルコール化合物0.3
7g(0.8ミリモル)及びアセチルクロライド0.07ミ
リリットル(1.0ミリモル)を用い、実施例1(c)と
同様の操作を行い、目的化合物である(2,5R,6
R)−テトラヒドロ−5−アセトキシ−6−トリフルオ
ロメチル−2−(4″−ヘキシルオキシビフェニル−
4’−カルボニルオキシ)ピラン0.39g(0.8ミリモ
ル)を得た。
【0106】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C27313 6 1 H−NMR;δ(ppm) 0.91 (t,J=6.9Hz,3H) 1.22〜1.56(m,6H) 1.70〜2.13(m,8H) 2.33〜2.46(m,1H) 4.00 (t,J=6.6Hz,2H) 4.14 (dq,J=6.8,6.8Hz,1H) 5.09〜5.19(m,1H) 6.18 (dd,J=2.7,7.0Hz,1H) 6.98 (d,J=8.8Hz,2H) 7.56 (d,J=8.7Hz,2H) 7.63 (d,J=8.5Hz,2H) 8.10 (d,J=8.4Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −75.50 (d,J=6.8Hz) IR(cm-1 ) 1740,1610,1500,1240,1175,
1080 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 508.2073 実測値 508.2077 [α]23 D =−14.9°(C(濃度)=1.03,溶媒:
クロロホルム)
【0107】実施例8 (2S,5S,6S)−テトラヒドロ−6−トリフルオ
ロメチル−5−ヘキシルオキシ−2−(4″−ヘキシル
オキシビフェニル−4’−カルボニルオキシ)ピランの
合成
【0108】
【化39】
【0109】(a) (5S,6S)−テトラヒドロ−
5−t−ブチルジメチルシロキシ−6−トリフルオロメ
チル−2−ヒドロキシピラン6.4g( 21ミリモル)を
ヘキサノール40ミリリットルに溶かし、パラトルエン
スルホン酸0.1gを加え、室温で18時間反応した。こ
の反応溶液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製し、アセタール化合物8.0g( 21ミリモ
ル)を得た。
【0110】(b) 実施例8(a)で得られたアセタ
ール化合物8.0gをテトラヒドロフラン20ミリリット
ルに溶かし、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオラ
イドの1.0モル/リットルのテトラヒドロフラン溶液1
0ミリリットルを加え、0℃で1時間、室温で40時間
反応させた。この反応液に蒸留水を加えて反応を停止
し、反応物をエーテルで抽出した。次いで、抽出物を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
エーテルを減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフ
ィーで分離精製して、(2R,5S,6S)の不斉炭素
を有するアルコール化合物3.0g(11ミリモル)およ
び(2S,5S,6S)の不斉炭素を有するアルコール
化合物2.3g(8.0ミリモル)を得た。
【0111】(c) 実施例8(b)で得られた(2
R,5S,6S)の不斉炭素を有するアルコール化合物
0.56g(2.1ミリモル)のテトラヒドロフラン(5ミ
リリットル)溶液を、60%水素化ナトリウム0.10g
(2.5ミリモル)のテトラヒドロフラン(3ミリリット
ル)溶液に窒素雰囲気下0℃で滴下し30分間攪拌し
た。次いで、1−ブロモヘキサン0.35ミリリットル
(2.5ミリモル)及びジメチルスルホキシド2ミリリッ
トルを加え室温で18時間反応させた。この反応溶液に
蒸留水を加え反応を停止し、反応物をエーテルで抽出し
た。次いで、抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。エーテルを減圧留去した後、シ
リカゲルクロマトグラフィーで精製して、エーテル化合
物0.72g(2.0ミリモル)を得た。
【0112】(d) 実施例8(c)で得られたエーテ
ル合物0.52g(1.5ミリモル)をテトラヒドロフラン
10ミリリットルに溶かし、蒸留水10ミリリットル及
び濃硫酸2ミリリットルを加え、50時間還流した。1
規定水酸化カリウム水溶液を加え反応を停止し、反応物
をエーテルで抽出した。次いで、抽出物を飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを
減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーで分離
精製して、ヘミアセタール化合物0.37g(1.4ミリモ
ル)を得た。
【0113】(e) 実施例8(d)で得られたヘミア
セタール化合物0.29g(1.1ミリモル)及び4’−ヘ
キシルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸クロリド0.4
9g(1.6ミリモル)を用い、実施例1(a)と同様の
反応を行い、目的化合物である(2S,5S,6S)−
テトラヒドロ−6−トリフルオロメチル−5−ヘキシル
オキシ−2−(4″−ヘキシルオキシビフェニル−4’
−カルボニルオキシ)ピラン0.34g(0.6ミリモル)
を得た。
【0114】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C31413 5 1 H−NMR;δ(ppm) 0.81〜0.99(m,6H) 1.19〜1.68(m,15H) 1.70〜1.93(m,4H) 2.12〜2.25(m,1H) 2.29〜2.42(m,1H) 3.40〜3.65(m,3H) 4.01 (t,J=6.6Hz,2H) 6.14 (dd,J=2.7,6.6Hz,1H) 6.98 (d,J=8.8Hz,2H) 7.56 (d,J=8.8Hz,2H) 7.62 (d,J=8.5Hz,2H) 8.10 (d,J=8.4Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −74.98 (d,J=7.4Hz) IR(cm-1 ) 1730,1605,1495,1265,1180,
1080 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 550.2906 実測値 550.2914 [α]26 D =+10.7°(C(濃度)=1.03,溶媒:
クロロホルム)
【0115】実施例9 下記化合物
【0116】
【化40】
【0117】それぞれ25重量%からなる母体液晶Aを
作製した。この化合物に実施例2で得られた光学活性テ
トラヒドロピラン誘導体が2重量%となるように混合
し、液晶組成物を作製した。この液晶組成物の相転移温
度は次の通りであった。
【0118】
【化41】
【0119】Cry :結晶状態 SmC* :強誘電性カイラルスメクチックC相 SmA :スメクチックA相 N* :カイラルネマチック相 Iso :等方性液体状態 この組成物を、等方相でパラレルラビング処理を施した
ポリイミド配向膜を有するセル間隔1.6μmの液晶素子
に注入した。徐冷して配向させ、温度30℃でVPP=1
6Vの矩形波電圧を印加したときの応答速度(τ0-90
は57μsecであった。なお、応答速度は、直交ニコ
ル下における透過光強度が0〜90%まで変化する時間
として求めた。また、三角波法で測定した自発分極値は
5.0nC/cm2 であった。
【0120】実施例10 実施例9で作製した母体液晶Aに、実施例1で得られた
光学活性テトラヒドロピラン誘導体が2重量%となるよ
うに混合し、液晶組成物を作製した。この液晶組成物の
相転移温度は次の通りであった。
【0121】
【化42】
【0122】得られた液晶組成物を、等方相でパラレル
ラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するセル間
隔1.6μmの液晶素子に注入した。この液晶素子を徐冷
し配向させた後、30℃でVPP=16Vの矩形波電圧を
印加した結果、応答速度(τ0-90)は71μ秒であっ
た。また、三角波法で測定した自発分極値は4.9nC/
cm2 であった。
【0123】
【発明の効果】本発明の光学活性テトラヒドロピラン誘
導体は、化学的に安定で着色がなく、光安定性にも優れ
た新規化合物であり、高速応答性を有するものである。
したがって、本発明の光学活性テトラヒドロピラン誘導
体は、特に組成物とした場合に高速応答性を向上させる
ことができ、大きな自発分極を誘起する強誘電性液晶の
配合成分として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 19/42 C09K 19/42 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 竹田 充範 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社鹿島製油所内 (72)発明者 村山 義信 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社鹿島製油所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 309/10 C07D 405/12 213 - 239 C07D 405/14 213 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキル基を
    示し、R1 は炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル
    基を示し、R2 ,R3 及びR4 はそれぞれ独立に水素又
    は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキル基,炭素数
    2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜10のアラルキ
    ル基を示し、X1 は−COO−,−O−又は単結合を示
    し、X2 は−COO−,−OCO−,−CH2 O−,−
    OCH2 −又は単結合を示し、X3 は−COO−,−C
    2 O−又は−O−を示し、X4 は−O−又は−OCO
    −を示し、*は不斉炭素を示し、A及びBはそれぞれ独
    立に 【化2】 を示し、nは0または1を示す。〕で表される光学活性
    テトラヒドロピラン誘導体。
  2. 【請求項2】 (a)請求項1記載の光学活性テトラヒ
    ドロピラン誘導体を少なくとも1種と(b)前記(a)
    以外のカイラルスメクチックC相(SmC*)を有する
    化合物あるいは混合物および/または(c)前記(a)
    以外のスメクチックC相(SmC)を有する化合物ある
    いは混合物からなる液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光学活性テトラヒドロピ
    ラン誘導体の少なくとも2種からなる液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光学活性テトラヒドロピ
    ラン誘導体あるいは請求項2又は3記載の液晶組成物
    を、一対の電極基板間に配設してなることを特徴とする
    液晶素子。
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