JP3115993B2 - 光学活性ジヒドロピラン誘導体,それを含有する液晶組成物,液晶素子及びラセミ混合物 - Google Patents

光学活性ジヒドロピラン誘導体,それを含有する液晶組成物,液晶素子及びラセミ混合物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性ジヒドロピ
ラン誘導体,それを含有する液晶組成物及び液晶素子に
関し、詳しくは、表示素子あるいは電気光学素子に用い
られる液晶材料として有用な新規な光学活性ジヒドロピ
ラン誘導体,それを含有する液晶組成物及び液晶素子又
はラセミ混合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の表示素子,電子光学デバイ
ス,液晶センサなど、液晶の利用分野が著しく拡大しつ
つあり、それに伴って様々な構造の液晶化合物が提案さ
れてきた。特に、表示素子に用いられる液晶材料は、現
在のところネマティック液晶が主流であり、これを用い
たTN型あるいはSTN型の単純マトリックス方式及び
個々の画素ごとに薄膜トランジスタを付与したTFT型
のアクティブマトリックス方式が用いられている。しか
し、ネマティック液晶は、その駆動力が液晶材料の誘電
率の異方性と電場との弱い相互作用に基づくため、本質
的に応答速度が遅い(msecオーダー)という欠点を有し
ており、高速応答を要求される大画面の表示素子の材料
としては不利であった。これに対して、1975年マイ
ヤー( R. B. Meyer ) らにより初めて合成された強誘電
性液晶は、自発分極を有し、これが直接電界と作用する
ため、駆動力が大きく、1980年にクラーク( N. A.
Clark )らが表面安定化型強誘電性液晶素子(SSFL
CD)において、そのμsecオーダーの高速応答性と
メモリー性を発表して以来、注目を集め、これまで多く
の強誘電性液晶化合物が合成されてきた。
【0003】強誘電性液晶の応答速度はτ=η/(Ps
・E)で知られている。ここでηは回転粘性を示し、P
sは自発分極を示し、Eは電界強度を示す。これから、
高速応答性を得るため、粘性が小さく、自発分極の大き
な液晶材料が開発目標とされてきた。また、液晶材料と
しては、化学的安定性,広動作温度範囲などの特性が要
求されるが、単一の化合物でこれらの諸特性を満たすこ
とは困難であった。したがって、従来、複数のカイラル
スメクチックC相(SmC* 相) を有する化合物どうし
を混合したり、粘性の低いスメクチックC相(SmC
相)を有する母体液晶に光学活性な化合物を添加して所
望の性能を有するSmC* 相を示す強誘電性液晶組成物
を得る方法が用いられてきた。後者の場合には、添加す
るカイラルドーパントは、それ自体SmC* 相を有して
いても、有していなくてもよく、母体液晶との相溶性が
良好で、大きな自発分極を誘起し、粘性を増大させない
ことが要求される。
【0004】自発分極は、分子長軸に対して垂直な方向
の双極子モーメントが不斉炭素の影響により長軸回りの
自由回転が制御された結果生じると考えられている。し
たがって、双極子部分をコアと呼ばれる骨格部に近づ
ける、双極子部分と不斉炭素原子を近づける、不斉
炭素に立体的に大きな置換基をつけ、長軸回りの自由回
転を抑制する等の方法で自発分極を増大させる試みがな
されてきた。さらに最近、双極子部分と不斉炭素を5員
環ラクトンに直結させた構造の化合物が効果的に自由回
転を束縛し、大きな自発分極を有することが報告された
(Japanese Journal of Applied Physics, 29 巻,No.
6、 ppL 981 〜L 983)。このような状況下で本発明者ら
は、さらに新たなタイプの液晶として有望なジヒドロピ
ラン環を有する新規な光学活性化合物を開発することを
目的として鋭意研究を重ねた。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、本発明者ら
は、ジヒドロピラン環上の不斉炭素原子に、それ自体大
きな電子吸引性を有するフルオロアルキル基を有する新
規化合物が、単品で液晶性を示すか、あるいは単品では
液晶性を示さないが、組成物とした場合に高速応答が期
待できる優れたドーパントとなりうることを見い出し
た。本発明はかかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は一般式(I)又は(I’)
【0006】
【化3】
【0007】〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロ
アルキル基を示し、R1 は炭素数1〜20の直鎖又は分
岐鎖アルキル基を示し、R2 は一般式(II) −X4−R3 ・・・ (II) [式中、X4 は−O−又は−OCO−を示し、R3 は水
素,炭素数1〜15の直鎖あるいは分岐鎖アルキル基,
炭素数2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜10のア
ラルキル基を示す。] または、一般式(III)
【0008】
【化4】
【0009】[式中、R4 ,R5 及びR6 はそれぞれ独
立に水素,炭素数1〜15の直鎖あるいは分岐鎖アルキ
ル基,炭素数2〜15のアルケニル基,炭素数6〜10
のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示
し、Siは珪素を示す。]で表される置換基を示し、X
1 は−COO−,−OCO−,−O−又は単結合を示
し、X2 は−COO−,−OCO−,−CH2 O−,−
OCH2 −,−C≡C−又は単結合を示し、X3 は−C
OO−,−CH2 O−又は−O−を示し、*は不斉炭素
を示し、A及びBはそれぞれ独立に置換又は無置換の含
六員環基を示し、nは0又は1を示す。〕で表される2
H−5,6−光学活性ジヒドロピラン誘導体を提供する
ものである。また、本発明は上記光学活性ジヒドロピラ
ン誘導体を含有する液晶組成物あるいはその液晶組成物
からなる液晶素子をも提供するものである。さらに、上
記光学活性ジヒドロピラン誘導体を用いたラセミ混合物
も提供するものである。以下、本発明をさらに詳細に説
明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光学活性ジヒドロピラン
誘導体は、一般式(I)又は(I’)で表されるが、上
記式中において、Rfは炭素数1又は2のフルオロアル
キル基を示し、具体的にはトリフルオロメチル基,ジフ
ルオロメチル基,クロロジフルオロメチル基,ペンタフ
ルオロエチル基などであり、好ましくはトリフルオロメ
チル基である。また、R1 は炭素数1〜20の直鎖又は
分岐鎖アルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−プ
ロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,n−ペン
チル基,n−ヘキシル基,n−ヘプチル基,n−オクチ
ル基,n−ノニル基,n−デシル基,n−ウンデシル
基,n−ドデシル基,n−トリデシル基,n−テトラデ
シル基,n−ペンタデシル基,n−ヘキサデシル基,n
−ヘプタデシル基,n−オクタデシル基,n−ノナデシ
ル基,n−エイコシル基などである。これらのうち、分
岐鎖アルキル基であって、不斉炭素を有する基は、光学
活性基である。
【0011】さらに、R3 は、それぞれ独立に水素,炭
素数1〜15の直鎖あるいは分岐鎖アルキル基,炭素数
2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜10のアラルキ
ル基を示す。炭素数1〜15の直鎖あるいは分岐鎖アル
キル基としては、例えばメチル基,エチル基,n−プロ
ピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,sec−ブチ
ル基,tert−ブチル基,n−ペンチル基,イソペン
チル基,1−メチルブチル基,n−ヘキシル基,n−ヘ
プチル基,1−メチルヘプチル基,n−オクチル基,1
−エチルヘプチル基,1−メチルオクチル基,n−ノニ
ル基,1−エチルオクチル基,1−メチルノニル基,n
−デシル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−
トリデシル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル
基などである。また、炭素数2〜15のアルケニル基と
しては、ビニル基,アリル基,1−プロペニル基,イソ
プロペニル基,1−ブテニル基,2−ブテニル基,2−
メチルアリル基,1−ペンテニル基,1−ヘキセニル
基,1−ヘプテニル基,1−オクテニル基,2−オクテ
ニル基,1−ノネニル基,2−ノネニル基,1−デセニ
ル基,2−デセニル基,1−ウンデセニル基,2−ウン
デセニル基,1−ドデセニル基,2−ドデセニル基,1
−トリデセニル基,2−トリデセニル基,1−テトラデ
セニル基,2−テトラデセニル基,1−ペンタデセニル
基,2−ペンタデセニル基などが挙げられる。炭素数7
〜10のアラルキル基としては、ベンジル基,フェネチ
ル基,フェニルプロピル基,フェニルブチル基などが挙
げられる。
【0012】また、R4 ,R5 及びR6 としては、それ
ぞれ独立に水素,炭素数1〜15の直鎖あるいは分岐鎖
アルキル基,炭素数2〜15のアルケニル基,炭素数6
〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基
を示す。炭素数1〜15の直鎖あるいは分岐鎖アルキル
基としては、例えばメチル基,エチル基,n−プロピル
基,イソプロピル基,n−ブチル基,sec−ブチル
基,tert−ブチル基,n−ペンチル基,イソペンチ
ル基,1−メチルブチル基,n−ヘキシル基,n−ヘプ
チル基,1−メチルヘプチル基,n−オクチル基,1−
エチルヘプチル基,1−メチルオクチル基,n−ノニル
基,1−エチルオクチル基,1−メチルノニル基,n−
デシル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−ト
リデシル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基
などである。また、炭素数2〜15のアルケニル基とし
ては、例えばビニル基,アリル基,1−プロペニル基,
イソプロペニル基,1−ブテニル基,2−ブテニル基,
2−メチルアリル基,1−ペンテニル基,1−ヘキセニ
ル基,1−ヘプテニル基,1−オクテニル基,2−オク
テニル基,1−ノネニル基,2−ノネニル基,1−デセ
ニル基,2−デセニル基,1−ウンデセニル基,2−ウ
ンデセニル基,1−ドデセニル基,2−ドデセニル基,
1−トリデセニル基,2−トリデセニル基,1−テトラ
デセニル基,2−テトラデセニル基,1−ペンタデセニ
ル基,2−ペンタデセニル基などが挙げられる。さら
に、炭素数6〜10のアリール基としては、例えばフェ
ニル基,トルイル基、パラフルオロフェニル基,メタフ
ルオロフェニル基,オルトフルオロフェニル基,パラク
ロロフェニル基,メタクロロフェニル基,オルトクロロ
フェニル基,パラトリフルオロメチルフェニル基,パラ
−tert−ブチルフェニル基などが挙げられ、炭素数
7〜10のアラルキル基としては、例えばベンジル基,
フェネチル基,フェニルプロピル基,フェニルブチル基
などが挙げられる。R4 ,R5 及びR6 としては、上記
のような様々な基のうち、直鎖又は分岐鎖の低級アルキ
ル基、例えば炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル
基であるのが好ましく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖
アルキル基であるのがよりいっそう好ましい。
【0013】本発明による一般式(I)又は(I’)の
化合物は、様々な方法で製造することができるが、例え
ば一般式(I)で表される化合物は、以下の工程により
製造することができる。 (1)X2 =単結合,X3 =−COO−,R2 =一般式
(II) 及び n=1の場合: 下記一般式(IV) R1 −X1 −A−B−COHal ・・・(IV) 〔式中、R1 ,X1 ,A及びBは前記と同じである。Ha
l は塩素,臭素,沃素等のハロゲンを示す。〕で表され
る化合物及び下記一般式(V)
【0014】
【化5】
【0015】〔式中、Rf,R2 及び*は前記と同じで
ある。〕で表される化合物と反応させることにより上記
一般式(I)の化合物を得ることができる。この反応
は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の
存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒
中で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0016】(2)X2 =単結合,X3 =−CH2 O−
2 =一般式(II) 及び n=1の場合:下記一般
式(VI) R1 −X1 −A−B−CH2 Z ・・・(VI) 〔式中、R1 ,X1 ,A及びBは前記と同じであり、Z
は塩素,臭素,ヨウ素又はトシル基を示す。〕で表され
る化合物を、上記の一般式(V)で表される化合物と反
応させることにより上記一般式(I)の化合物を得るこ
とができる。この反応は一般式(V)の化合物にアルカ
リ金属ヒドリド,水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリ
ウムで代表される塩基を作用させた後、一般式(VI)の
化合物を加えることにより行うことができる。
【0017】(3)X2 =−COO−,X3 =−COO
−,R2 =一般式(II) 及びn=1 の場合:下記一
般式(VII) BzO−B−COHal ・・・(VII) 〔式中、B及びHal は前記と同じであり、Bzはベンジ
ル基を示す。〕で表される化合物を、上記一般式(V)
で表される化合物と反応させて、下記一般式(VIII)
【0018】
【化6】
【0019】〔式中、Rf,Bz,B,R2 及び*は前
記と同じである。〕で表される化合物を得る。この反応
は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の
存在下にトルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中
で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。次に、
得られた一般式(VIII)の化合物中のベンジル基を常法
で脱離させれば、下記一般式(IX)
【0020】
【化7】
【0021】〔式中、Rf,B,R2 及び*は前記と同
じである。〕で表される化合物が生成する。この脱ベン
ジル化反応は、例えばPd/C触媒の存在下でメタノー
ル,エタノール,プロパノール等のアルコール性溶媒又
は酢酸を用いて常圧で水素化分解することにより行うこ
とができる。
【0022】さらに、得られた一般式(IX)の化合物を
下記一般式(X) R1 −X1 −A−COHal ・・・(X) 〔式中、R1 ,X1 ,A及びHal は前記と同じであ
る。〕で表される化合物と反応させることにより上記一
般式(I)の化合物を得ることができる。この反応は、
有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の存在
下にトルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−
20℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0023】(4)X2 =−COO−,X3 =−CH2
O−,R2 =一般式(II) 及びn=1 の場合:下記
一般式(XI) ThpO−B−CH2 Z ・・・(XI) 〔式中、Thp(テトラヒドロピラニル基)を示し、B
及びZは前記と同じである。〕で表される化合物を上記
一般式(V)で表される化合物と反応させて下記一般式
(XII)
【0024】
【化8】
【0025】〔式中、Rf,Thp,B,R2 及び*は
前記と同じである。〕で表される化合物を得る。この反
応は、一般式(V)で表される化合物にアルカリ金属ヒ
ドリド,水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムで代
表される塩基を作用させた後、一般式(XI)の化合物を
加えることにより行うことができる。次に得られた一般
式(XII)の化合物中のThpを常法で脱離させれば、下
記一般式(XIII)
【0026】
【化9】
【0027】〔式中、Rf,B,R2 及び*は前記と同
じである。〕で表される化合物を得る。このテトラヒド
ロピラニル基の脱離は、塩酸,硫酸及びパラトルエンス
ルホン酸等の酸触媒存在下で、エーテル,テトラヒドロ
フラン,クロロホルム等の溶媒を用いて行うことができ
る。次に、得られた一般式(XIII)の化合物を上記一般
式(X) で表される化合物と反応させることにより上記
一般式(I)の化合物を得ることができる。この反応
は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の
存在下にトルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中
で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0028】(5)X2 =−COO−,X3 =−O−,
2 =一般式(II) 及びn=1 の場合:下記一般
式(XIV) ThpO−B−Hal ・・・(XIV) 〔式中、Thp,B及びHal は前記と同じである。〕で
表される化合物を、上記一般式(V)で表される化合物
と反応させて、下記一般式(XV)
【0029】
【化10】
【0030】〔式中、Rf,Thp,B,R2 及び*は
前記と同じである。〕で表される化合物を得る。この反
応は、一般式(V)の化合物にアルカリ金属ヒドリド,
水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムで代表される
塩基を作用させた後、ジメチルホルムアミド,ジメチル
スルホキシド等の還流条件下、触媒としてヨウ化第一銅
を用い、一般式(XIV)で表される化合物を反応させるこ
とにより行うことができる。次に得られた一般式(XV)
で表される化合物中のテトラヒドロピラニル基を常法で
脱離させれば、下記一般式(XVI)
【0031】
【化11】
【0032】〔式中、Rf,B,R2 及び*は前記と同
じである。〕で表される化合物を得る。このテトラヒド
ロピラニル基の脱離は、塩酸,硫酸及びパラトルエンス
ルホン酸等の酸触媒存在下で、エーテル,テトラヒドロ
フラン,クロロホルム等の溶媒を用いて行うことができ
る。ここで得られた一般式(XVI)の化合物を上記一般式
(X)で表される化合物と反応させることにより上記一
般式(I)の化合物を得ることができる。この反応は、
有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の存在
下にトルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−
20℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0033】(6)X2 =−CH2 O−,X3 =−CO
O−,R2 =一般式(II) 及びn=1 の場合:上
記一般式(IX)で表される化合物及び下記一般式(XVI
I) R1 −X1 −A−CH2 Z ・・・(XVII) 〔式中、R1 ,X1 ,A及びZは前記と同じである。〕
で表される化合物を反応させることにより上記一般式
(I)の化合物を得ることができる。この反応は、一般
式(IX)の化合物にアルカリ金属ヒドリド,水酸化ナト
リウムあるいは水酸化カリウムで代表される塩基を作用
させた後、一般式(XVII)で表される化合物を反応させ
ることにより行うことができる。
【0034】(7)X2 =−OCH2 −,X3 =−CO
O−,R2 =一般式(II) 及びn=1 の場合:下記
一般式(XVIII) ZCH2 −B−COHal ・・・(XVIII) 〔式中、Z,B及びHal は前記と同じである。〕で表さ
れる化合物を、上記一般式(V)で表される化合物と反
応させて下記一般式(XIX)
【0035】
【化12】
【0036】〔式中、Rf,Z,B,R2 及び*は前記
と同じである。〕で表される化合物を得る。この反応
は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の
存在下にトルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中
で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。次い
で、下記一般式(XX) R1 −X1 −A−OH ・・・(XX) 〔式中、R1 ,X1 及びAは前記と同じである。〕で表
される化合物に、上記化合物(XIX)を反応させることに
より上記一般式(I)の化合物を得ることができる。こ
の反応は、一般式(XX)の化合物にアルカリ金属ヒドリ
ド,水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムで代表さ
れる塩基を作用させた後、一般式(XIX)で表される化合
物を加えることにより行うことができる。
【0037】(8)X3 =−COO−,R2 =一般式
(III) 及び n=0 の場合:下記一般式(XXI)
【0038】
【化13】
【0039】〔式中、Rf及び*は前記と同じである。
TBSはtert−ブチルジメチルシリル基を示す。〕
で表される化合物を、ジヒドロピランと反応させて下記
一般式(XXII)
【0040】
【化14】
【0041】〔式中、Rf,TBS及び*は前記と同じ
である。Thpはテトラヒドロピラニル基を示す。〕で
表される化合物を得る。この反応は、酸触媒として塩
酸,硫酸,パラトルエンスルホン酸等を用い、ジエチル
エーテル,テトラヒドロフラン,クロロホルム等の溶媒
中で行うことができる。次に、得られた上記一般式(XX
II)で表される化合物の脱シリル化を行い、下記一般式
(XXIII)
【0042】
【化15】
【0043】〔式中、Rf,Thp及び*は前記と同じ
である。〕で表される化合物を得る。この脱シリル化反
応は、種々の方法で行うことができるが、例えばテトラ
ヒドロフラン等の溶媒中で、触媒としてテトラ−n−ブ
チルアンモニウムフルオライドを用い、0〜50℃で行
うことができる。この一般式(XXIII)で表される化合物
と下記一般式(XXIV) R1 −X1 −B−COHal ・・・(XXIV) 〔式中、R1 ,X1 ,B及び Halは前記と同じであ
る。〕で表される化合物を反応させることにより、下記
一般式(XXV)
【0044】
【化16】
【0045】〔式中、R1 ,X1 ,B,Rf,Thp及
び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得る。
この反応は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルア
ミン等の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチレン
等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うことができ
る。次に、得られた一般式(XXV)で表される化合物中の
Thpを常法で脱離させることにより、下記一般式(XX
VI)
【0046】
【化17】
【0047】〔式中、R1 ,X1 ,B,Rf及び*は前
記と同じである。〕で表される化合物を得る。このテト
ラヒドロピラニル基の脱離は、酸触媒として塩酸,硫
酸,パラトルエンスルホン酸等の存在下に、ジエチルエ
ーテル,テトラヒドロフラン,クロロホルム等の溶媒中
で行うことができる。さらに、得られた上記一般式(XX
VI) で表される化合物を、下記一般式(XXVII)
【0048】
【化18】
【0049】[式中、R4 ,R5 ,R6 ,Si及び Hal
は前記と同じである。〕で表される化合物と反応させる
ことにより、目的とする上記一般式(I)の化合物を得
ることができる。この反応は、有機塩基、例えばイミダ
ゾール等の存在下に、塩化メチレン,ジエチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,トルエン等の溶媒中で−20
℃〜120℃の温度で行うことができる。
【0050】(9)X3 =−CH2O−,R2 =一般式
(III) 及び n=0 の場合:上記一般式(XXIII)で
表される化合物と、下記一般式(XXVIII) R1 −X1 −B−CH2 Z ・・・(XXVIII) 〔式中、R1 ,X1 及びBは前記と同じであり、Zは塩
素,臭素,ヨウ素又はトシル基を示す。〕で表される化
合物とを反応させることにより、下記一般式(XXIX)
【0051】
【化19】
【0052】〔式中、R1 ,X1 ,B,Rf,Thp及
び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得る。
この反応は、前記一般式(XXIII)で表される化合物にア
ルカリ金属ヒドリド,水酸化ナトリウムあるいは水酸化
カリウムで代表される塩基を作用させた後、上記一般式
(XXVIII) の化合物を加えることにより行うことができ
る。次に、得られた上記一般式(XXIX)の化合物中のT
hpを常法で脱離させることにより、下記一般式(XXX)
【0053】
【化20】
【0054】〔式中、R1 ,X1 ,B,Rf及び*は前
記と同じである。〕で表される化合物を得る。このテト
ラヒドロピラニル基の脱離は、酸触媒として塩酸,硫
酸,パラトルエンスルホン酸等の存在下に、ジエチルエ
ーテル,テトラヒドロフラン,クロロホルム等の溶媒中
で行うことができる。さらに、得られた上記一般式(XX
X)で表される化合物を、上記一般式(XXVII)で表される
化合物と反応させることにより、目的とする前記一般式
(I)の化合物を得ることができる。この反応は、有機
塩基、例えばイミダゾール等の存在下に、塩化メチレ
ン,ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,トルエン
等の溶媒中で−20℃〜120℃の温度で行うことがで
きる。
【0055】また、本発明による一般式(I’)の化合
物は、様々な方法で製造することができるが、例えば以
下の工程により製造することができる。 (1’)X3 =−COO−,R2 =一般式(II),X4
−OCO− 及びn=0の場合:前記一般式(XXIV) で
表される化合物と、前記一般式(XXI)で表される化合物
とを反応させることにより、下記一般式(II')
【0056】
【化21】
【0057】〔式中、R1 ,X1 ,B,Rf,TBS及
び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得るこ
とができる。この反応は、有機塩基、例えばピリジン,
トリエチルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼン,
塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行
うことができる。次に、得られた一般式(II')で表され
る化合物の脱シリル化を行い、一般式(III')
【0058】
【化22】
【0059】〔式中、R1 ,X1 ,B,Rf及び*は前
記と同じである。〕で表される化合物を得る。この脱シ
リル化反応は、種々の方法で行うことができるが、例え
ばテトラヒドロフラン溶媒中、触媒としてテトラ−n−
ブチルアンモニウムフルオライドを用い、0〜50℃で
行うことができる。なお、上記一般式(III')で表され
る化合物は、2種類のジアステレオマーの混合物である
が、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより容易に
分離することができる。この一般式(III')で表される
化合物を一般式(IV') R3 −COHal ・・・(IV') 〔式中、R3 及びHal は前記と同じである。〕で表され
る化合物と反応させることにより、目的とする前記
(I’)で表される化合物を得ることができる。この反
応は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン等
の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶
媒中で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0060】(2’)X3 =−COO−,R2 =一般式
(II),X4 =−O− 及びn=0の場合:下記一般式
(V') R7 −OH ・・・(V') 〔式中、R7 は炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキ
ル基,炭素数2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜1
0のアラルキル基を示す。〕で表される化合物および上
記一般式(XXI)で表される化合物と反応させることによ
り、下記一般式(VI')
【0061】
【化23】
【0062】〔式中、Rf,R7 ,TBS及び*は前記
と同じである。〕で表される化合物を得ることができ
る。この反応は、無溶媒又はテトラヒドロフラン等の溶
媒中、酸触媒として例えばパラトルエンスルホン酸等を
用いて0〜50℃で行うことができる。次に、得られた
一般式(VI')で表される化合物の脱シリル化を行い、一
般式(VII')
【0063】
【化24】
【0064】〔式中、Rf,R7 及び*は前記と同じで
ある。〕で表される化合物を得る。この脱シリル化反応
は、種々の方法で行うことができるが、例えばテトラヒ
ドロフラン溶媒中、触媒としてテトラ−n−ブチルアン
モニウムフルオライドを用い、0〜50℃で行うことが
できる。次いで、一般式(VIII') R3 −Z ・・・(VIII') 〔式中、R3 及びZは前記と同じである。〕で表される
化合物と上記一般式(VII')で表される化合物を反応さ
せることにより、下記一般式(IX')
【0065】
【化25】
【0066】〔式中、Rf,R3 ,R7 及び*は前記と
同じである。〕で表される化合物を得ることができる。
この反応は、一般式(VII')で表される化合物にアルカ
リ金属ヒドリド,水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム
等の塩基を作用させた後、一般式(VIII')で表される化
合物を加えることにより行うことができる。さらに、得
られた一般式(IX')で表される化合物を酸触媒下で反応
させることにより、一般式(X')
【0067】
【化26】
【0068】〔式中、Rf,R3 及び*は前記と同じで
ある。〕で表される化合物を得ることができる。この反
応は、水の存在下で、テトラヒドロフラン,エーテル,
トルエン等の溶媒中、酸触媒として例えばパラトルエン
スルホン酸,塩酸,硫酸等を用いて0〜100℃で行う
ことができる。この一般式(X')で表される化合物と前
記一般式(XXI)で表される化合物を反応させることによ
り、目的とする前記(I')で表される化合物を得ること
ができる。この反応は、有機塩基、例えばピリジン,ト
リエチルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩
化メチレン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行う
ことができる。
【0069】(3’)X3 =−CH2 O−,R2 =一般
式(II),X4 =−OCO− 及びn=0の場合:前記一
般式(XXVIII) で表される化合物と、前記一般式(XXI)
で表される化合物を反応させることにより下記一般式
(XI')
【0070】
【化27】
【0071】〔式中、Rf,R1 ,X1 ,B,TBS及
び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得るこ
とができる。この反応は、例えば酸触媒としてパラトル
エンスルホン酸,硫酸,トリフルオロメタンスルホン酸
等を用い、テトラヒドロフラン,ジエチルエーテル,塩
化メチレン,トルエン等の溶媒中、0〜100℃で行う
ことができる。次に、得られた一般式(XI')で表される
化合物の脱シリル化を行い、一般式(XII')
【0072】
【化28】
【0073】〔式中、Rf,R1 ,X1 ,B及び*は前
記と同じである。〕で表される化合物を得る。この脱シ
リル化反応は、種々の方法で行われることができるが、
例えばテトラヒドロフランの溶媒中、触媒としてテトラ
−n−ブチルアンモニウムフルオライドを用い、0〜5
0℃で行うことができる。なお、上記一般式(XII')で
表される化合物は、2種類のジアステレオマーの混合物
であるが、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
容易に分離することができる。この一般式(XII')で表
される化合物と前記一般式(IV')で表される化合物を反
応させることにより、目的とする前記(I')で表される
化合物を得ることができる。この反応は、有機塩基、例
えばピリジン,トリエチルアミン等の存在下に、トルエ
ン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜8
0℃の温度で行うことができる。
【0074】(4’)X3 =−CH2 O−,R2 =一般
式(II),X4 =−O− 及びn=0の場合:前記一般式
(XII')で表される化合物と、前記一般式(VIII')で表
される化合物を反応させることにより、目的とする前記
(I')で表される化合物を得ることができる。この反応
は、一般式(XII')で表される化合物に、アルカリ金属
ヒドリド,水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の塩
基を作用させた後、一般式(VIII')で表される化合物を
加えることによって得ることができる。
【0075】(5’)X2 =−COO−,X3 =−CO
O−,R2 =一般式(II),X4 =−O− 及び n=1
の場合:前記一般式(VII)で表される化合物と、前記一
般式(X')で表される化合物を反応させることにより、
下記一般式(XIII')
【0076】
【化29】
【0077】〔式中、Rf,R3 ,B,Bz及び*は前
記と同じである。〕で表される化合物を得ることができ
る。この反応は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチ
ルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチ
レン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うことが
できる。次に、得られた一般式(XIII')で表される化合
物の脱ベンジル化反応を行い、一般式(XIV')
【0078】
【化30】
【0079】〔式中、Rf,R3 ,B及び*は前記と同
じである。〕で表される化合物を得る。この脱ベンジル
化反応は、種々の方法で行うことができるが、例えばパ
ラジウム・カーボン(Pd/C)触媒存在下、メタノー
ル,エタノール,プロパノール等のアルコール溶媒又は
酢酸を用い、常圧で水素化分解することにより行うこと
ができる。この一般式(XIV') で表される化合物と、一
般式(X) で表される化合物を反応させることにより、
目的とする前記(I')で表される化合物を得ることがで
きる。この反応は、有機塩基、例えばピリジン,トリエ
チルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メ
チレン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うこと
ができる。
【0080】(6’)X3 =−COO−,R2 =一般式
(III) 及び n=0の場合:前記一般式(III')で表
される化合物と、前記一般式(XXVII)で表される化合物
を反応させることにより、目的とする前記一般式(I')
で表される化合物を得ることができる。この反応は、有
機塩基、例えばイミダゾール等の存在下に、塩化メチレ
ン,ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,トルエン
等の溶媒中で、−20〜120℃の温度で行うことがで
きる。
【0081】(7’)X3 =−CH2 O−,R2 =一般
式(III) 及び n=0の場合:前記一般式(XII')で
表される化合物と、前記一般式(XXVII)で表される化合
物を反応させることにより、目的とする前記一般式
(I')で表される化合物を得ることができる。この反応
は、有機塩基、例えばイミダゾール等の存在下に、塩化
メチレン,ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ト
ルエン等の溶媒中で、−20〜120℃の温度で行うこ
とができる。
【0082】(8’)X2 =−COO−,X3 =−CO
O−,R2 =一般式(III)及びn=1の場合:前記一般
式(VII)で表される化合物と、前記一般式(XXI)で表さ
れる化合物を反応させることにより、下記一般式(XV')
【0083】
【化31】
【0084】〔式中、Rf,B,Bz,TBS及び*は
前記と同じである。〕で表される化合物を得ることがで
きる。この反応は、有機塩基、例えばピリジン,トリエ
チルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メ
チレン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うこと
ができる。次に、得られた一般式(XV')で表される化合
物の脱シリル化反応を行い、一般式(XVI')
【0085】
【化32】
【0086】〔式中、Rf,B,Bz及び*は前記と同
じである。〕で表される化合物を得る。この脱シリル化
反応は、種々の方法で行うことができるが、例えばテト
ラヒドロフラン溶媒中、触媒としてテトラ−n−ブチル
アンモニウムフルオライドを用い、0〜50℃で行うこ
とができる。この一般式(XVI') で表される化合物と、
前記一般式(XXVII)で表される化合物を反応させること
により、下記一般式(XVII')
【0087】
【化33】
【0088】〔式中、Rf,R4 ,R5 ,R6 ,B,B
z,Si及び*は前記と同じである。〕で表される化合
物を得ることができる。この反応は、有機塩基、例えば
イミダゾール等の存在下に、塩化メチレン,ジエチルエ
ーテル,テトラヒドロフラン,トルエン等の溶媒中で、
−20〜120℃の温度で行うことができる。次に、得
られた上記一般式(XVII')で表される化合物の脱ベンジ
ル化反応を行い、下記一般式(XVIII')
【0089】
【化34】
【0090】〔式中、Rf,R4 ,R5 ,R6 ,B,S
i及び*は前記と同じである。〕で表される化合物を得
ることができる。この脱ベンジル化反応は、種々の方法
で行うことができるが、例えばパラジウム・カーボン
(Pd/C)触媒存在下、メタノール,エタノール,プ
ロパノール等のアルコール溶媒又は酢酸を用い、常圧で
水素化分解することにより行うことができる。さらに、
得られた上記一般式(XVIII') で表される化合物と、前
記一般式(X)で表される化合物を反応させることによ
り、目的とする前記一般式(I')で表される化合物を得
ることができる。この反応は、有機塩基、例えばピリジ
ン,トリエチルアミン等の存在下に、トルエン,ベンゼ
ン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜80℃の温度
で行うことができる。
【0091】(9’)X2 =単結合,X3 =−COO
−,R2 =−O−TBS 及びn=1の場合:前記一般
式(XXI)で表される化合物と、前記一般式(IV) で表さ
れる化合物を反応させることにより、目的とする前記一
般式(I')で表される化合物を得ることができる。この
反応は、有機塩基、例えばピリジン,トリエチルアミン
等の存在下に、トルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の
溶媒中で−20℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0092】また、本発明の一般式(I)及び(I')の
内、R2 が前記一般式(III)で表される化合物を製造す
るため、原料物質として用いる一般式(V)で表される
化合物は、様々な方法で製造することができる。この一
般式(V)で表される化合物の代表的なものとしては、
例えば、
【0093】
【化35】
【0094】
【化36】
【0095】
【化37】
【0096】
【化38】
【0097】等が挙げられる。上記のようにして得られ
る本発明の一般式(I)で且つR2 が一般式(II)の化
合物としては、例えば
【0098】
【化39】
【0099】
【化40】
【0100】
【化41】
【0101】
【化42】
【0102】
【化43】
【0103】
【化44】
【0104】
【化45】
【0105】
【化46】
【0106】
【化47】
【0107】
【化48】
【0108】
【化49】
【0109】〔式中、R1 ,R3 ,X1 ,X4 及び*は
前記と同じである。〕等が挙げられる。また、上記のよ
うにして得られる本発明の一般式(I')且つR2 が一般
式(II)の化合物としては、例えば、
【0110】
【化50】
【0111】
【化51】
【0112】
【化52】
【0113】
【化53】
【0114】
【化54】
【0115】
【化55】
【0116】
【化56】
【0117】
【化57】
【0118】
【化58】
【0119】
【化59】
【0120】
【化60】
【0121】〔式中、R1 ,R3 ,X1 ,X4 及び*は
前記と同じである。〕等が挙げられる。
【0122】また、本発明の一般式(I)及び(I')の
内、R2 が前記一般式(III)で表される化合物を製造す
るため、原料物質として用いる一般式(XXI)で表される
化合物は、様々な方法で製造することができる。この一
般式(XXI)で表される化合物の代表的なものとしては、
例えば、
【0123】
【化61】
【0124】〔式中、TBS及び*は前記と同じであ
る。〕等が挙げられる。また、上記のようにして得られ
る本発明の一般式(I)且つR2 が一般式(III)の化合
物としては、例えば、
【0125】
【化62】
【0126】
【化63】
【0127】
【化64】
【0128】
【化65】
【0129】
【化66】
【0130】
【化67】
【0131】
【化68】
【0132】
【化69】
【0133】
【化70】
【0134】
【化71】
【0135】
【化72】
【0136】
【化73】
【0137】
【化74】
【0138】
【化75】
【0139】
【化76】
【0140】〔式中、R1 ,R4 ,R5 ,R6 ,X1
Si及び*は前記と同じである。〕等が挙げられる。
【0141】また、上記のようにして得られる本発明の
一般式(I')且つR2 が一般式(III)の化合物として
は、例えば、
【0142】
【化77】
【0143】
【化78】
【0144】
【化79】
【0145】
【化80】
【0146】
【化81】
【0147】
【化82】
【0148】
【化83】
【0149】
【化84】
【0150】
【化85】
【0151】
【化86】
【0152】
【化87】
【0153】
【化88】
【0154】
【化89】
【0155】
【化90】
【0156】
【化91】
【0157】〔式中、R1 ,R4 ,R5 ,R6 ,X1
Si及び*は前記と同じである。〕等が挙げられる。
【0158】本発明の液晶組成物は、(a)一般式
(I)又は(I’)で表される化合物の少なくとも1種
と(b)(a)以外のカイラルスメクチックC相(Sm
* )を有する化合物あるいは混合物及び/又は(c)
(a)以外のスメクチックC相(SmC)を有する化合
物あるいは混合物を配合することにより得ることができ
る。この場合、一般式(I)又は(I’)で表される化
合物の配合量は各種状況に応じて適宜選定すれば良い
が、好ましくは得られる液晶組成物の0.1〜99重量
%、特に好ましくは1〜90重量%である。また、本発
明の液晶組成物の別の態様として、一般式(I)又は
(I’)で表される化合物の少なくとも2種からなる液
晶組成物を挙げることができる。
【0159】上記(b)及び(c)の化合物あるいは混
合物としては従来知られている様々な物質を用いること
ができる。上記(b)の化合物としては具体的には例え
ば、福田,竹添「強誘電性液晶の構造と物性」コロナ社
(1990),p229,表7.1に記載した化合物、さ
らに具体的には、例えば
【0160】
【化92】
【0161】
【化93】
【0162】
【化94】
【0163】
【化95】
【0164】
【化96】
【0165】
【化97】
【0166】
【化98】
【0167】
【化99】
【0168】
【化100】
【0169】が挙げられる。上記(c)の化合物として
は好ましくは下記一般式
【0170】
【化101】
【0171】〔式中、R8 は置換基を有していてもよい
炭素数1〜15のアルキル基又はアルコキシ基,R9
置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキル
基、Qは−O−,−COO−,−OCO−,−OCOO
−又は単結合、Eは
【0172】
【化102】
【0173】を示す。nは0又は1である。また、X1
は前記と同じである。〕で表される化合物を挙げること
ができる。具体的には下記の化合物を挙げることができ
る。
【0174】
【化103】
【0175】また、本発明の液晶素子は、上述の一般式
(I)又は(I’)の化合物を含む上記液晶組成物を、
一対の電極基板間に配設してなるものである。この電極
基板は、透明基板上に、例えばInO3 ,SnO2 ,I
TO(酸化インジウムと酸化スズとの混合酸化物)など
からなる透明電極を設け、さらにその上に、ポリビニル
アルコール,ポリイミドなどからなる配向制御膜を設け
たものである。即ち、本発明の液晶素子は、上記液晶組
成物を上記一対の電極基板間に配設し、さらにその上下
に偏光板を配設することによって得られる。この液晶素
子は、複屈折モードを利用して、表示素子あるいは電気
光学素子として使用することができる。
【0176】
【実施例】次に、参考例及び実施例に基づいて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。また、以下の各例において、本発明の一
般式(I)及び(I')で表される光学活性化合物のR,
S表示は、下記の式
【0177】
【化104】
【0178】〔式中、Rf,R1 ,R2 ,X1 ,X2
3 ,A,B,n及び*は前記と同じである。〕の位置
番号に基づいて行った。
【0179】参考例1 (5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−5−ter
t−ブチルジメチルシロキシ−6−トリフルオロメチル
−2−ヒドロキシピランの合成
【0180】
【化105】
【0181】〔式中、TBS及び*は前記と同じであ
る。〕 (a)窒素雰囲気下、フラン13.6g(200ミリモ
ル)をテトラヒドロフラン150ミリリットルに加え、
1.5モル/リットルのn−ブチルリチウムヘキサン溶液
133ミリリットル(200ミリモル)を−20℃で滴
下し、1時間反応させた。次に、トリメチルシリルクロ
リド21.7g(200ミリモル)を滴下し、−20℃で
1時間攪拌した。1.5モル/リットルのn−ブチルリチ
ウムヘキサン溶液133ミリリットル(200ミリモ
ル)を加え、−20℃で1時間反応させた後、−78℃
でトリフルオロ酢酸エチル28.4g(200ミリモル)
を滴下し、−78℃で1時間、室温でさらに1時間反応
させた。この反応溶液に3規定の塩酸を加えて反応を停
止させ、酢酸エチルで抽出した。次いで、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し、フラ
ン誘導体の粗生成物を得た。
【0182】(b)乾燥エタノール100ミリリットル
に水素化ホウ素ナトリウム2.3g(60ミリモル)を加
え、上記反応で得たフラン誘導体の粗生成物を0℃で3
0分かけて滴下した。室温で2時間反応させた後、エタ
ノールを減圧留去し、3規定の塩酸を加えて反応を停止
させ、酢酸エチルにより抽出した。次いで、飽和炭酸水
素ナトリウム,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した後、減
圧蒸留を行い、アルコール化合物40.5g(170ミリ
モル)を得た。
【0183】(c)塩化メチレン300ミリリットルに
上記(b)の反応で得たアルコール化合物64.1g(2
69ミリモル)とピリジン27.7ミリリットル(350
ミリモル)を加え、0℃で塩化アセチル27.5g(35
0ミリモル)を滴下し、室温で2時間反応させた。次い
で、3規定の塩酸を加えて反応を停止させ、塩化メチレ
ンで抽出した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液,
蒸留水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。塩化メチレンを減圧留去した後、減圧蒸留を行い、
エステル化合物75.1g(268ミリモル)を得た。
【0184】(d)蒸留水1800ミリリットルに上記
反応により得られたエステル化合物58.5g(209ミ
リモル)を加えて、ミニジャーファーメンター中で40
℃で攪拌した。リパーゼPSを30g加え、10時間反
応させた。3規定の塩酸を加え、0℃に冷却して反応を
停止し、セライトによりろ過した。ろ液を酢酸エチルに
より抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去した。次いで、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製して光
学活性アルコール化合物23.2g(97.4ミリモル)と
光学活性エステル化合物25.6g(91.4ミリモル)を
得た。なお、得られたアルコール化合物の光学純度は9
8.0%e.e.であった。
【0185】(e)上記反応で得られた光学活性アルコ
ール化合物25.8g(108ミリモル)を塩化メチレン
200ミリリットルに溶かし、イミダゾール10.5g
(151ミリモル)とt−ブチルジメチルシリルクロリ
ド23.0g(151ミリモル)を0℃で加えて15分攪
拌し、室温で16時間反応させた。蒸留水を加えて反応
を停止させ、塩化メチレンにより抽出した。次いで、蒸
留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。塩化
メチレンを減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー
により分離精製してシリルエーテル化合物37.2g(1
06ミリモル)を得た。
【0186】(f)窒素雰囲気下、酢酸120ミリリッ
トルに上記反応で得られたシリルエーテル化合物14.1
g(40ミリモル)及びモノパーオキシフタル酸マグネ
シウム23.2g(60ミリモル)を加え、80℃で12
時間反応させた。酢酸を減圧留去した後、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルにより抽出した。次
いで、得られた抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去した
後、カラムクロマトグラフィーにより分離精製し、(4
S,1’S)ブテノリド化合物 4.7g(16ミリモル)
及び(4R,1’S)ブテノリド化合物 3.0g(10ミ
リモル)を得た。なお、4.2g(12ミリモル)の原料
も回収された。
【0187】(g)窒素雰囲気下、ジエチルエーテル4
ミリリットルに上記反応により得られた(4S,1’
S)ブテノリド化合物0.95g(3.2ミリモル)を加
え、−78℃で水素化ジイソブチルアルミニウムの0.9
3モル/リットルのn−ヘキサン溶液4.23ミリリット
ル(3.94ミリモル)を滴下し、3時間反応した。蒸留
水を加えて反応を停止後、セライトにより濾過し、濾液
をジエチルエーテルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ジエチルエーテルを減
圧留去した。次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製して、ラクトール化合物0.75g(2.52ミリ
モル)を得た。
【0188】(h)窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン
2ミリリットルに上記反応により得られたラクトール化
合物1.00g(3.36ミリモル)を加え、−78℃でカ
リウム−tert−ブトキシド0.45g(4.02ミリモ
ル)のテトラヒドロフラン2ミリリットル溶液を滴下
し、5時間反応した。蒸留水を加えて反応を停止し、1
規定の塩酸を加え中和した後、ジエチルエーテルで抽出
した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、ジエチルエーテルを減圧留去した。次いでシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的とする
(5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−5−ter
t−ブチルジメチルシロキシ−6−トリフルオロメチル
−2−ヒドロキシピラン0.54g(1.81ミリモル)を
得た。得られた化合物は、同位体フッ素による核磁気共
鳴法から、モル比が95:5のジアステレオマーの混合
物であった。
【0189】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 分子式:C122133Si 1 H−NMR(プロトン核磁気共鳴法);δ(ppm) 0.06 (s,3H) 0.09 (s,3H) 0.87 (s,9H) 3.06 (d,J=5.0Hz,1H) 4.16 (ddq,J=0.6,8.7,6.4Hz,1H) 4.40 (dddd,J=1.2,1.3,1.5,8.9Hz,1H) 5.84 (m,1H)19 F−NMR(同位体フッ素による核磁気共鳴法,基準:CF3 COOH) ; δ(ppm) 3.8 (d,J=6.1Hz)
【0190】参考例2 (2R,5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−6−
トリフルオロメチル−2−ヘキシルオキシ−5−ヒドロ
キシピラン及び(2S,5S,6S)−2H−5,6−
ジヒドロ−6−トリフルオロメチル−2−ヘキシルオキ
シ−5−ヒドロキシピランの合成
【0191】
【化106】
【0192】(a)参考例1(h)で得られた(5S,
6S)−2H−5,6−ジヒドロ−5−tert−ブチ
ルジメチルシロキシ−6−トリフルオロメチル−2−ヒ
ドロキシピラン1.00g(3.36ミリモル)をヘキサノ
ール10ミリリットルに溶かし、パラトルエンスルホン
酸0.1gを加え、室温で18時間反応した。この反応溶
液をそのまま、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製して、アセタール化合物1.21g(3.15ミリモ
ル)を得た。また、得られた化合物はジアステレオマー
混合物であるが、分離せずに次の反応に用いた。
【0193】(b)上記反応により得られたアセタール
化合物1.21g(3.15ミリモル)をテトラヒドロフラ
ン10ミリリットルに溶かし、テトラ−n−ブチルアン
モニウムフルオライドの1.0モル/リットルのテトラヒ
ドロフラン溶液1.6ミリリットルを加えて、0℃で1時
間,室温で3時間反応した。蒸留水を加えて反応を停止
し、ジエチルエーテルで抽出した。次に、飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジエチルエ
ーテルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで分離精製して目的とする(2R,5S,6
S)−2H−5,6−ジヒドロ−6−トリフルオロメチ
ル−2−ヘキシルオキシ−5−ヒドロキシピラン0.71
g(2.65ミリモル)及び(2S,5S,6S)−2H
−5,6−ジヒドロ−6−トリフルオロメチル−2−ヘ
キシルオキシ−5−ヒドロキシピラン0.09g(0.32
ミリモル)を得た。
【0194】得られた化合物の物理的性質を以下に示
す。 (1)(2R,5S,6S)体 分子式:C12193 3 1 H−NMR(プロトン核磁気共鳴法);δ(ppm) 0.89 (t,J=6.5Hz,3H) 1.26〜1.38(m,6H) 1.58〜1.68(m,2H) 2.09 (d,J=6.5Hz,1H) 3.53 (dt,J=9.6,6.5Hz,1H) 3.78 (dt,J=9.6,6.8Hz,1H) 4.10 (dq,J=9.1,6.4Hz,1H) 4.42〜4.49(m,1H) 5.04〜5.06(m,1H) 5.79〜5.85(m,1H) 5.89〜5.93(m,1H)19 F−NMR(同位体フッ素による核磁気共鳴法,基
準:CFCl3 ) ;δ(ppm) −76.10 (d,J=6.4Hz) [α]D 26=+52.8°(C(濃度)=1.02,溶媒:
メタノール)
【0195】(2)(2S,5S,6S)体 分子式:C12193 3 1 H−NMR(プロトン核磁気共鳴法);δ(ppm) 0.88 (t,J=6.7Hz,3H) 1.25〜1.37(m,6H) 1.54〜1.67(m,2H) 2.19 (d,J=6.3Hz,1H) 3.52 (dt,J=8.1,6.8Hz,1H) 3.87 (dt,J=8.1,6.7Hz,1H) 3.99 (dq,J=6.8,6.8Hz,1H) 4.43〜4.53(m,1H) 5.18〜5.19(m,1H) 5.83〜5.89(m,1H) 5.94〜5.99(m,1H)19 F−NMR(同位体フッ素による核磁気共鳴法,基
準:CFCl3 ) ;δ(ppm) −75.87 (d,J=6.7Hz) [α]D 24=+31.2°(C(濃度)=0.63,溶媒:
メタノール)
【0196】実施例1 (2R,5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−2−
ヘキシルオキシ−6−トリフルオロメチル−5−(4''
−ヘキシルオキシビフェニル−4’−カルボニルオキ
シ)ピランの合成
【0197】
【化107】
【0198】4’−ヘキシルオキシ−4−ビフェニルカ
ルボン酸クロリド0.21g( 0.38ミリモル)と参考例
2で得られた(2R,5S,6S)−2H−5,6−ジ
ヒドロ−6−トリフルオロメチル−2−ヘキシルオキシ
−5−ヒドロキシピラン0.09g( 0.32ミリモル)の
トルエン溶液10ミリリットル中に、トリエチルアミン
0.31ミリリットル( 2.23ミリモル)を加え、室温で
24時間反応した。この反応溶液に、1規定の塩酸を加
えて反応を停止し、ジエチルエーテルにより抽出した。
次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。ジエチルエーテルを減圧留去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物であ
る(2R,5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−2
−ヘキシルオキシ−6−トリフルオロメチル−5−
(4''−ヘキシルオキシビフェニル−4’−カルボニル
オキシ)ピランを0.10g(0.17ミリモル)得た。得
られた化合物の物理的性質を以下に示す。 分子式:C31395 3 1 H−NMR;δ(ppm) 0.87〜0.94(m,6H) 1.25〜1.66(m,14H) 1.76〜1.84(m,2H) 3.56 (dt,J=6.7,9.3Hz,1H) 3.93 (dt,J=6.7,9.3Hz,1H) 4.01 (t,J=6.5Hz,2H) 4.37 (dq,J=6.6,6.7Hz,1H) 5.29 (ddd,J=1.4,1.5,1.7Hz,1H) 5.77〜5.81(m,1H) 6.01 (ddd,J=1.3,1.3,10.4Hz,1H) 6.08 (ddd,J=1.5,2.9,10.4Hz,1H) 6.99 (d,J=8.7Hz,2H) 7.35 (d,J=8.5Hz,2H) 7.56 (d,J=8.8Hz,2H) 8.06 (d,J=8.4Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −76.09 (d,J=6.7Hz) 質量分析 m/e(M+ +H) 計算値 548.2750 実測値 548.2775
【0199】実施例2 (2S,5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−6−
トリフルオロメチル−2−(4''−ヘキシルオキシビフ
ェニル−4’−カルボニルオキシ)−5−ヘキシルオキ
シピランの合成
【0200】
【化108】
【0201】a) 窒素雰囲気下、水素化ナトリウム0.
12g(4.93ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液7
ミリリットル中に、0℃で参考例2で得られた(2R,
5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−6−トリフル
オロメチル−2−ヘキシルオキシ−5−ヒドロキシピラ
ン1.11g( 4.12ミリモル)のテトラヒドロフラン溶
液10ミリリットルを滴下した後、ヘキシルブロマイド
0.696ミリリットル(4.93ミリモル),ジメチルス
ルホキシド4ミリリットルを加え、室温で24時間反応
した。この反応溶液に蒸留水を加え、反応を停止し、ジ
エチルエーテルにより抽出した。次いで、飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジエチルエ
ーテルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、アセタール化合物1.41g(4.04
ミリモル)を得た。 b) 上記反応により得られたアセタール化合物1.41
g(4.04ミリモル)をテトラヒドロフラン15ミリリ
ットルに溶解し、蒸留水4ミリリットル,36規定の硫
酸1ミリリットルを加え、80℃で24時間反応させ
た。この反応溶液に1規定の水酸化カリウムを加えて反
応を停止し、ジエチルエーテルにより抽出した。次い
で、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。ジエチルエーテルを減圧留去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、ヘミアセタール化
合物0.14g(0.53ミリモル)を得た。 c) 4’−ヘキシルオキシ−4−ビフェニルカルボン
酸クロリド0.24g(0.80ミリモル)と上記反応より
得られたヘミアセタール化合物0.14g(0.53ミリモ
ル)のトルエン溶液10ミリリットル中に、トリエチル
アミン0.11ミリリットル(0.80ミリモル)を加え、
室温で24時間反応した。この反応溶液に、1規定の塩
酸を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルにより抽出
した。次いで、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。ジエチルエーテルを減圧留去した後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化
合物である(2S,5S,6S)−2H−5,6−ジヒ
ドロ−6−トリフルオロメチル−2−(4''−ヘキシル
オキシビフェニル−4’−カルボニルオキシ)−5−ヘ
キシルオキシピラン0.11g(0.21ミリモル)を得
た。得られた化合物の物理的性質を以下に示す。 分子式:C31395 3 1 H−NMR;δ(ppm) 0.87〜0.94(m,6H) 1.25〜1.63(m,14H) 1.78〜1.84(m,2H) 3.54 (dt,J=8.9,6.7Hz,1H) 3.68 (dt,J=8.9,6.3Hz,1H) 4.01 (t,J=6.6Hz,2H) 4.18 (ddd,J=1.6,3.0,9.3Hz,1H) 4.25 (dq,J=9.2,5.8Hz,1H) 5.97 (ddd,J=1.8,2.8,10.3Hz,1H) 6.18〜6.23(m,1H) 6.59〜6.60(m,1H) 6.99 (d,J=8.7Hz,2H) 7.42 (d,J=8.8Hz,2H) 7.62 (d,J=8.5Hz,2H) 8.09 (d,J=8.4Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −76.28 (d,J=5.8Hz) 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 548.2750 実測値 548.2772
【0202】実施例3 (2S,5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−6−
トリフルオロメチル−2−(4''−ヘキシルオキシビフ
ェニル−4’−カルボニルオキシ)−5−tert−ブ
チルジメチルシロキシピラン及び(2R,5S,6S)
−2H−5,6−ジヒドロ−6−トリフルオロメチル−
2−(4''−ヘキシルオキシビフェニル−4’−カルボ
ニルオキシ)−5−tert−ブチルジメチルシロキシ
ピランの合成
【0203】
【化109】
【0204】参考例1で得られた(5S,6S)−2H
−5,6−ジヒドロ−5−tert−ブチルジメチルシ
ロキシ−6−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピラ
ン0.50g(1.68ミリモル)と、4’−ヘキシルオキ
シ−4−ビフェニルカルボン酸クロリド0.64g(2.0
1ミリモル)を用い、実施例1と同様の操作を行い、目
的化合物である(2S,5S,6S)−2H−5,6−
ジヒドロ−6−トリフルオロメチル−2−(4''−ヘキ
シルオキシビフェニル−4’−カルボニルオキシ)−5
−tert−ブチルジメチルシロキシピラン0.45g
(0.78ミリモル)及び(2R,5S,6S)−2H−
5,6−ジヒドロ−6−トリフルオロメチル−2−
(4''−ヘキシルオキシビフェニル−4’−カルボニル
オキシ)−5−tert−ブチルジメチルシロキシピラ
ン0.09g(0.15ミリモル)を得た。得られた化合物
の物理的性質を以下に示す。
【0205】 (1)(2S,5S,6S)体 分子式:C31415 3 Si 1 H−NMR;δ(ppm) 0.13 (s,3H) 0.15 (s,3H) 0.89〜0.94(m,12H) 1.26〜1.57(m,6H) 1.75〜1.83(m,2H) 4.01 (t,J=6.6Hz,2H) 4.22 (dq,J=4.2,7.6Hz,1H) 4.42〜4.46(m,1H) 5.98 (ddd,J=1.2,2.2,10.4Hz,1H) 6.10 (ddd,J=1.3,3.7,10.4Hz,1H) 6.68 (m,1H) 6.99 (d,J=8.8Hz,2H) 7.56 (d,J=8.7Hz,2H) 7.63 (d,J=8.6Hz,2H) 8.09 (d,J=8.4Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −74.88 (d,J=7.5Hz) [α]26 D =+133.3°(C(濃度)=0.99,溶媒:クロロホルム) 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 578.2676 実測値 578.2646
【0206】 (2)(2R,5S,6S)体 分子式:C31415 3 Si 1 H−NMR;δ(ppm) 0.12 (s,3H) 0.16 (s,3H) 0.84〜1.00(m,12H) 1.26〜1.56(m,5H) 1.76〜1.87(m,2H) 4.01 (t,J=6.6Hz,2H) 4.18 (dq,J=8.9,6.2Hz,2H) 4.53〜4.57(m,1H) 5.91 (ddd,J=2.3,2.3,10.3Hz,1H) 6.01〜6.05(m,1H) 6.58 (m,1H) 6.99 (d,J=8.8Hz,2H) 7.56 (d,J=8.8Hz,2H) 7.64 (d,J=8.5Hz,2H) 8.11 (d,J=8.4Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −75.27 (d,J=6.2Hz) 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 578.2676 実測値 578.2685
【0207】実施例4 (2S,5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ−2−
ヘキシルオキシ−6−トリフルオロメチル−5−(4''
−ヘキシルオキシビフェニル−4’−カルボニルオキ
シ)ピランの合成
【0208】
【化110】
【0209】参考例2で得られた(2S,5S,6S)
−2H−5,6−ジヒドロ−6−トリフルオロメチル−
2−ヘキシルオキシ−5−ヒドロキシピラン0.50g
(1.86ミリモル)と、4'−ヘキシルオキシ−4−ビ
フェニルカルボン酸クロリド0.67g(2.23ミリモ
ル)を用い、実施例1と同様の操作を行い、目的化合物
である(2S,5S,6S)−2H−5,6−ジヒドロ
−2−ヘキシルオキシ−6−トリフルオロメチル−5−
(4''−ヘキシルオキシビフェニル−4’−カルボニル
オキシ)ピラン0.42g(0.17ミリモル)を得た。得
られた化合物の物理的性質を以下に示す。
【0210】分子式:C31395 3 1 H−NMR;δ(ppm) 0.88〜0.93(m,6H) 1.25〜1.84(m,16H) 3.57 (dt,J=9.5,6.5Hz,1H) 3.86 (dt,J=9.5,6.7Hz,1H) 4.01 (t,J=6.5Hz,2H) 4.51 (dq,J=9.4,6.1Hz,1H) 5.15 (m,1H) 5.86〜6.01(m,3H) 6.98 (d,J=8.7Hz,2H) 7.56 (d,J=8.7Hz,2H) 7.62 (d,J=8.3Hz,2H) 8.06 (d,J=8.3Hz,2H)19 F−NMR(基準:CFCl3 );δ(ppm) −76.83 (d,J=6.2Hz) [α]25 D =+118.59°(C(濃度)=1.10,溶
媒:クロロホルム) 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 548.2750 実測値 548.2766
【0211】実施例5 化合物
【0212】
【化111】
【0213】をそれぞれ25重量%からなる母体液晶A
を作製した。この液晶Aに実施例1で得られた光学活性
ジヒドロピラン誘導体が2重量%となるように混合し、
液晶組成物を作製した。得られた液晶組成物の相転移温
度は、以下の通りである。
【0214】
【化112】
【0215】SmC* :強誘電性カイラルスメクチック
C相 SmA:スメクチックA相 N* :カイラルネマチック相 Iso:等方性液体状態 この液晶組成物を等方性液体状態でパラレルラビング処
理を施したポリイミド配向膜を有するセル間隔2.0μm
の液晶素子に注入した。徐冷して配向させ、30℃でV
PP=20Vの矩形波電圧を印加したときの応答速度(τ
0-90)は147μ秒であった。なお、応答速度は直交ニ
コル下における透過光強度が0〜90%まで変化する時
間として求めた。また、三角波法で測定した自発分極値
は2.4nC/cm2 であった。
【0216】実施例6 実施例5で得られた母体液晶Aに、実施例2で得られた
光学活性ジヒドロピラン誘導体を2重量%となるように
混合し液晶組成物を作製した。得られた液晶組成物の相
転移温度は、以下の通りである。
【0217】
【化113】
【0218】この液晶組成物を等方性液体状態でパラレ
ルラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するセル
間隔1.9μmの液晶素子に注入した。徐冷して配向さ
せ、30℃でVPP=19Vの矩形波電圧を印加したとき
の応答速度(τ0-90)は79μ秒であった。また、三角
波法で測定した自発分極値は6.6nC/cm2 であっ
た。
【0219】実施例7 実施例5で得られた母体液晶Aに、実施例3で得られた
(2S,5S,6S)の不斉炭素を有する光学活性ジヒ
ドロピラン誘導体を2重量%となるように混合し液晶組
成物を作製した。得られた液晶組成物の相転移温度は、
以下の通りである。
【0220】
【化114】
【0221】この液晶組成物を等方性液体状態でパラレ
ルラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するセル
間隔1.9μmの液晶素子に注入した。徐冷して配向さ
せ、30℃でVPP=19Vの矩形波電圧を印加したとき
の応答速度(τ0-90)は92μ秒であった。また、三角
波法で測定した自発分極値は5.3nC/cm2 であっ
た。
【0222】実施例8 実施例5で得られた母体液晶Aに、実施例3で得られた
(2R,5S,6S)の不斉炭素を有する光学活性ジヒ
ドロピラン誘導体を2重量%となるように混合し液晶組
成物を作製した。得られた液晶組成物の相転移温度は、
以下の通りである。
【0223】
【化115】
【0224】この液晶組成物を等方性液体状態でパラレ
ルラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するセル
間隔1.9μmの液晶素子に注入した。徐冷して配向さ
せ、30℃でVPP=19Vの矩形波電圧を印加したとき
の応答速度(τ0-90)は89μ秒であった。また、三角
波法で測定した自発分極値は4.6nC/cm2 であっ
た。
【0225】実施例9 実施例5で得られた母体液晶Aに、実施例4で得られた
光学活性ジヒドロピラン誘導体を2重量%となるように
混合し液晶組成物を作製した。得られた液晶組成物の相
転移温度は、以下の通りである。
【0226】
【化116】
【0227】この液晶組成物を等方性液体状態でパラレ
ルラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するセル
間隔1.8μmの液晶素子に注入した。徐冷して配向さ
せ、30℃でVPP=18Vの矩形波電圧を印加したとき
の応答速度(τ0-90)は102μ秒であった。また、三
角波法で測定した自発分極値は3.4nC/cm2 であっ
た。
【0228】実施例10 化合物
【0229】
【化117】
【0230】をそれぞれ17.5重量%、および
【0231】
【化118】
【0232】を30.0重量%からなる母体液晶Bを作製
した。この液晶Bに実施例2で得られた光学活性ジヒド
ロピラン誘導体が5重量%となるように混合し、液晶組
成物を作製した。得られた液晶組成物の相転移温度は、
以下の通りである。
【0233】
【化119】
【0234】この液晶組成物を等方性液体状態でパラレ
ルラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するセル
間隔1.7μmの液晶素子に注入した。徐冷して配向さ
せ、30℃でVPP=17Vの矩形波電圧を印加したとき
の応答速度(τ0-90)は51μ秒であった。なお、応答
速度は直交ニコル下における透過光強度が0〜90%ま
で変化する時間として求めた。また、三角波法で測定し
た自発分極値は8.1nC/cm2 であった。
【0235】実施例11 実施例10で得られた母体液晶Bに、実施例3で得られ
た(2S,5S,6S)の不斉炭素を有する光学活性ジ
ヒドロピラン誘導体を5重量%となるように混合し液晶
組成物を作製した。得られた液晶組成物の相転移温度
は、以下の通りである。
【0236】
【化120】
【0237】この液晶組成物を等方性液体状態でパラレ
ルラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するセル
間隔1.8μmの液晶素子に注入した。徐冷して配向さ
せ、30℃でVPP=18Vの矩形波電圧を印加したとき
の応答速度(τ0-90)は58μ秒であった。また、三角
波法で測定した自発分極値は9.6nC/cm2 であっ
た。
【0238】
【発明の効果】本発明の光学活性ジヒドロピラン誘導体
は、化学的に安定で着色がなく、光安定性にも優れた新
規化合物であり、高速応答性を有するものである。した
がって、本発明の光学活性ジヒドロピラン誘導体は、特
に組成物とした場合に高速応答性を向上させることがで
き、大きな自発分極を誘起する強誘電性液晶の配合成分
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 19/40 C09K 19/40 19/42 19/42 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 // C07M 7:00 (72)発明者 伊藤 恵造 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社鹿島製油所内 (56)参考文献 特開 平7−330753(JP,A) 特開 平5−310725(JP,A) 特開 平5−230051(JP,A) 特開 平7−17961(JP,A) 特開 平7−26264(JP,A) 特開 平7−11252(JP,A) 特開 平7−11253(JP,A) 特開 平7−25866(JP,A) 国際公開93/13088(WO,A1) Ferroelectrics, 1993,Vol.148,pp.85−102 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 309/30 C07D 405/12 C07D 407/12 C09K 19/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)又は(I’) 【化1】 〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキル基を
    示し、R1 は炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル
    基を示し、R2 は一般式(II) −X4−R3 ・・・ (II) [式中、X4 は−O−又は−OCO−を示し、R3 は水
    素,炭素数1〜15の直鎖あるいは分岐鎖アルキル基,
    炭素数2〜15のアルケニル基又は炭素数7〜10のア
    ラルキル基を示す。] または、一般式(III) 【化2】 [式中、R4 ,R5 及びR6 はそれぞれ独立に水素,炭
    素数1〜15の直鎖あるいは分岐鎖アルキル基,炭素数
    2〜15のアルケニル基,炭素数6〜10のアリール基
    又は炭素数7〜10のアラルキル基を示し、Siは珪素
    を示す。]で表される置換基を示し、X1 は−COO
    −,−OCO−,−O−又は単結合を示し、X2 は−C
    OO−,−OCO−,−CH2 O−,−OCH2 −,−
    C≡C−又は単結合を示し、X3 は−COO−,−CH
    2 O−又は−O−を示し、*は不斉炭素を示し、A及び
    Bはそれぞれ独立に置換又は無置換の含六員環基を示
    し、nは0又は1を示す。〕で表される2H−5,6−
    光学活性ジヒドロピラン誘導体。
  2. 【請求項2】 (a)請求項1記載の光学活性ジヒドロ
    ピラン誘導体の少なくとも1種と(b)前記(a)以外
    のカイラルスメクチックC相(SmC* )を有する化合
    物あるいは混合物及び/又は(c)該(a)以外のスメ
    クチックC相(SmC)を有する化合物あるいは混合物
    からなる液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光学活性ジヒドロピラン
    誘導体の少なくとも2種からなる液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光学活性ジヒドロピラン
    誘導体あるいは請求項2又は3記載の液晶組成物を、一
    対の電極基板間に配設してなることを特徴とする液晶素
    子。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光学活性ジヒドロピラン
    誘導体を少なくとも1種用いてなるラセミ混合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Ferroelectrics,1993,Vol.148,pp.85−102

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