JPH0551371A - γ−ラクトン誘導体とその用途 - Google Patents

γ−ラクトン誘導体とその用途

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JPH0551371A
JPH0551371A JP3210727A JP21072791A JPH0551371A JP H0551371 A JPH0551371 A JP H0551371A JP 3210727 A JP3210727 A JP 3210727A JP 21072791 A JP21072791 A JP 21072791A JP H0551371 A JPH0551371 A JP H0551371A
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JP
Japan
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liquid crystal
formula
compound
alcohol
reacting
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Application number
JP3210727A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Sakaguchi
和彦 坂口
Yutaka Shiomi
豊 塩見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Daiso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記一般式(I)で表わされる光学活性γ−
ラクトン誘導体,それを含有する液晶組成物及び該組成
物を用いる電気光学素子。 (式中R1 は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、R2
水素原子又は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、*は不
斉炭素原子を表わす。) 【効果】 この誘導体を用いることにより、熱的に安定
で,着色がなく,光安定性に優れ,室温付近においても
高速で応答する強誘電性液晶を得ることができる。従っ
て、本発明の液晶組成物は液晶表示素子に用いる液晶と
して有用であり、特に優れた応答性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表示素子、あるいは電気
光学素子に用いることのできる新規な光学活性化合物、
これを含む液晶組成物およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】液晶
は表示材料として広く用いられるようになってきた。現
在のところ市販されているのはネマティック液晶が主流
で,これを使った表示素子にはTN (twisted nematic)
型、STN (super twisted nematic)型、DSTN (do
uble supertwisted nematic)型などがある。しかしなが
らマルチプレック駆動させる場合、これらの方式では高
画質な表示を得ようとするとネマティック液晶自身の応
答速度が速くないためにライン数を増すことができない
という欠点がある。またネマティック液晶を用いたアク
ティブマトリックス駆動方式による表示素子も開発され
ている。これは各画素に非線形光学素子を配置すること
によって余分な信号の干渉を排除し、高画質を実現しよ
うとしたものである。しかしこの場合は製造プロセスや
歩どまりの点に問題があり製造コストが高くなるという
欠点がある。
【0003】強誘電性液晶は、1975年に R. B. Mey
erらによってはじめて見いだされた(J. physique, 36,
L-69 (1975))。そして1980年 N. A. Clark, S. T.
Lagaerwall らはこれを用いたスイッチングの原理を発
表した(Appl. Phys. Lett., 36, 899 (1980)) 。これは
強誘電性液晶自身が持つ自発分極由来の駆動力を利用し
て電場の切り替えにより2つの安定状態の間のスイッチ
ングを行うというものである。この方式は従来のネマテ
ィック液晶よりも応答速度が格段に速いこと、スイッチ
を切っても2つの安定状態を保持するメモリー性を持つ
ことの二点で、ライン数を増しマルチプレックス駆動で
高画質を得るための新しい表示素子として注目されてい
る。
【0004】さて液晶が強誘電性を示すためにはキラル
スメクティックC相(SmC* )を示すことが必要であ
り、このため光学活性な分子(例えば分子中に不斉炭素
原子を含むものなど)を用いなければならない。さらに
スメクティック相を示す分子は一般に棒状であるが、こ
の棒状分子の長軸に対して垂直方向に双極子モーメント
を持つことが必要である。Meyer 等の合成した強誘電性
液晶 DOBAMBCは次のように構造をしており
【0005】
【化2】
【0006】上記の条件を満足しているが、シッフ塩基
を含むため化学的安定性に問題があり自発分極も 3×10
-9C/cm2 と小さかった。その後多くの強誘電性液晶
が合成されたが十分に高速応答するものはまだ見つかっ
ておらず、したがって実用化には至っていない。これら
従来の強誘電性液晶を比較してみると、たとえばDOBAMB
C の不斉炭素の位置がひとつエステル基に近づいたDOBA
-1-MBC
【0007】
【化3】
【0008】では自発分極が 5×10-8C/cm2 であ
り、DOBAMBC よりも大きくなっている。これは不斉炭素
と双極子の位置が近づいたために分子の双極子部分の自
由回転が抑えられ、双極子の方向性が向上したものと考
えられる。すなわち、不斉部分は分子の自由回転を束縛
する働きに関与しており、直鎖上に不斉炭素を持つ多く
の従来のタイプの化合物においては双極子部分をうまく
一方向に揃えることができないために満足のいく高速応
答が得られなかったと考えられる。また上記の問題を解
決する化合物として下記式化4で示される光学活性なγ
−ラクトン環を分子内に持つ化合物が合成されている
(特開平2−138274号公報参照)。
【0009】
【化4】
【0010】この化合物は、双極子を持つ部分としての
カルボニル基およびエーテル基を5員環の内部に位置
し、さらに環上に一つまたは二つの不斉炭素を持つこと
によりこの部分の自由回転を大きく抑制し、全体として
双極子部分を一方向に向かわせることを期待したもので
あり、その期待どおりこのものを数%含有する強誘電性
液晶は100μsecよりも速い高速応答性を示すこと
がわかった(第15回液晶討論会予稿集 1A11 (1989))
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はより速く応答す
る強誘電性液晶を得るために、その強誘電性液晶に添加
する有効なキラルドーパントを提供するものである。す
なわち本発明は下記一般式(I)
【0012】
【化5】
【0013】(式中R1 は炭素数1〜12の直鎖アルキ
ル基、R2 は水素原子又は炭素数1〜12の直鎖アルキ
ル基、*は不斉炭素原子を表わす。)で表わされる光学
活性γ−ラクトン誘導体,それを含有する液晶組成物及
び該組成物を用いる電気光学素子を提供するものであ
る。上記一般式(I)において、R1 のアルキル基とし
ては、例えばメチル,エチル,n−プロピル,n−ブチ
ル,n−ペンチル,n−ヘキシル,n−ヘプチル,n−
オクチル,n−ノニル,n−デシル,n−ウンデシル,
n−ドデシルが挙げられ、R2 としては、水素原子又は
前記R1 と同じアルキル基の例が挙げられる。本発明の
上記新規化合物(I)は、双極子を持つ部分としてのカ
ルボニル基およびエーテル基を5員環の内部に位置し、
さらに環上に一つまたは二つの不斉炭素をもつことによ
りこの部分の自由回転を大きく抑制し、全体として双極
子部分を一方向に向かわせることができる。さらに従来
技術で紹介したγ−ラクトン化合物よりもメチレン鎖が
2つ長く、液晶分子が重心を中心に反転運動するとすれ
ば、重心から双極子部分までの距離が長くなった分だけ
電場から得る駆動力のモーメントが大きくなると考えら
れる。したがってこの化合物をキラルドーパントとして
含む液晶組成物は大きな駆動力を得て高速で応答する。
また、上記化合物(I)は一般式(I)において、R2
が水素原子である場合一種類であるが、R2 が水素原子
以外の場合は不斉炭素を2個含んでいるため二種類のジ
アステレオマーが存在する。これらは全て双極子部分の
自由回転を抑制するという目的に合致した構造をしてい
るので、キラルドーパントとして用いる場合、それぞれ
を単独で用いてもあるいはそれぞれの混合物として用い
ても有用である。本発明の化合物(I)は下記化6のス
キーム1に示した経路により製造することができる。
【0014】
【化6】
【0015】aの工程 これはアセトフェノン誘導体をビルゲロート反応の条件
で反応させた後加水分解を行い、さらにアルコールと反
応させてエステル化する工程である。ビルゲロート反応
は通常イオウとアミンなどの塩基を基質と混合して加熱
することにより達成される。ここで用いられるイオウは
基質であるアセトフェノン誘導体に対して1当量以上が
必要であるが収率の点で1.5〜2当量用いるのが好ま
しい。塩基としては1級,2級又は3級アミンのいずれ
でもよいが収率等を考慮すると、トリエチルアミン,ジ
エチルアミン,モルホリン等が好ましく、基質に対して
1当量以上これも収率を考慮すると2〜4当量用いるこ
とが好ましい。反応は加熱還流下3〜10時間で完了す
る。つづいて行う加水分解の段階は塩基性,酸性いずれ
の条件下においても達成される。塩基性条件下では基質
に対して1当量以上の塩基、例えば水酸化ナトリウム,
水酸化カリウム等の水溶液中で1〜10時間加熱還流す
ることにより達成される。また酸性条件下では、基質に
対して触媒量の塩酸あるいは硫酸等の水溶液中で1〜1
0時間加熱還流することにより達成される。続くエステ
ル化の段階は酸性条件下において達成される。すなわち
前段階の加水分解で得られた残渣にアルコールを1当量
以上加え、触媒量の濃硫酸を加えて加熱還流する。この
際アルコールとしてはメタノール,エタノール,プロパ
ノール,ブタノールなどを用い、溶媒も兼ねているので
大過剰、すなわち基質1モルに対して0.2〜5lを用
いるのが好ましい。反応は0.5〜5時間で完了する。
【0016】bの工程 これはエステルを還元してアルコールへ変換する工程で
ある。この工程で用いられる条件としては通常ヒドリド
等価体を用いるのが一般的である。試薬としてはリチウ
ムアルミニウムヒドリド等を基質に対して1〜2当量使
用する。溶媒は乾燥させたジエチルエーテル,テトラヒ
ドロフラン等の非プロトン性溶媒を用いる。反応は5〜
40℃で5分以内に終了する。
【0017】cの工程 これはアルコールと光学活性エピハロヒドリンを塩基性
条件下反応させてグリシジルエーテルへ変換する工程で
ある。光学活性エピハロヒドリンのうちで操作性,収率
を考慮すると光学活性エピクロロヒドリンが好ましい。
ここで用いる光学活性エピクロロヒドリンで光学純度の
高いものとしては本出願人の出願に係る特公平1−60
493,特開平1−230567号公報によるものを用
いるのが好ましい。この光学活性エピハロヒドリンは基
質アルコールに対して1〜5当量用いる。また塩基とし
ては水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム,カリウムt−ブトキシド,水素化ナ
トリウム,水素化リチウム,水素化カリウム等が使用で
き、基質アルコールに対して1〜2等量を反応させる。
溶媒しては塩基として水酸化物塩、炭酸塩を用いる場合
は水、または水と有機溶媒の混合溶媒を用いる。この際
有機溶媒としては酢酸エチル,ジエチルエーテル,アセ
トニトリル,四塩化炭素,クロロホルム,ジクロロエタ
ン,ジクロロメタン,n−ヘキサン,ベンゼン,トルエ
ン,テトラヒドロフラン等が好ましい。この際第四級ア
ンモニウム塩たとえばベンジルトリメチルアンモニウム
クロリド,ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド,
ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド,ベンジルト
リエチルアンモニウムブロミド等を触媒量添加すること
が好ましい。また、塩基としてカリウムt−ブトキシド
を用いる場合にはt−ブチルアルコールを用いる。この
際触媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンを加えても
よい。水素化金属塩を用いる場合には非プロトン性の乾
燥触媒たとえばジエチルエーテル,テトラヒドロフラ
ン,ジオキサン,ベンゼン,トルエン等を用いるのが好
ましい。反応は20〜60℃,3〜12時間で完了す
る。
【0018】dの工程 これは光学活性グリシジルエーテルとマロン酸エステル
誘導体のカルバニオンまたは脂肪酸のジアニオンを反応
させて、ラクトン化する工程である。アルキルマロン酸
エステルを用いる場合は基質グリシジルエーテルに対し
て1〜3当量を用い、塩基としてはアルコキシドたとえ
ばナトリウムメチラート,ナトリウムエチラート,カリ
ウムメチラート,カリウムエチラート,リチウムメチラ
ート,リチウムエチラート,カリウムt−ブトキシド
や、水素化金属塩たとえば水素化ナトリウム,水素化カ
リウム,水素化リチウム等が用いられ、基質グリシジル
エーテルに対して1〜3当量反応させる。溶媒は、塩基
としてアルコキシドを用いる場合メタノール,エタノー
ル,プロパノール,n−ブタノール,t−ブタノールが
好ましく、塩基として水素化金属塩を用いる場合非プロ
トン性溶媒たとえばジエチルエーテル,テトラヒドロフ
ラン,ベンゼン,トルエン等が好ましい。反応は60〜
100℃,2時間で完了する。
【0019】脂肪酸を用いる場合は、基質グリシジルエ
ーテルに対して1〜2当量用い、塩基としては水素化ナ
トリウム,水素化リチウム,水素化カリウム,リチウム
イソプロピルアミド,ナトリウムイソプロピルアミド,
カリウムイソプロピルアミド,リチウム1,1,1,
3,3,3−ヘキサメチルジシラジド,カリウム1,
1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラジド,ナトリ
ウム1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラジド
等が用いられ、脂肪酸に対して2〜2.5当量反応させ
る。溶媒はジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ベ
ンゼン,トルエン等が好ましい。反応はジアニオンを調
整して−30℃以下でかくはんし、その中に基質グリシ
ジルエーテルを加え、その後15分〜2時間かけて温度
を5℃以上に上げる。次に塩酸又は硫酸,硝酸で反応溶
媒を酸性にした後有機層を抽出し、溶媒を留去する。こ
の残渣に触媒量の酸たとえば濃硫酸を加え、ベンゼンま
たはトルエン中で50〜120℃で30分〜1時間かく
はんすることにより反応は完結する。
【0020】
【実施例】
合成例1 aの工程 下記式
【0021】
【化7】
【0022】で示されるアセトフェノン誘導体8.0g
(24.35mmol),イオウ1.56g(48.7
0mmol),モルホリン8ml(91.74mmo
l)を混合し9時間加熱還流した後、水酸化ナトリウム
9.74g(487mmol)を水25mlに溶解した
水溶液とエタノール30mlをその反応溶液に加えさら
に8時間加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後水1
00mlの中にあけ、かくはんさせながら濃塩酸を反応
溶液が約pH1になるまで滴下して加えた。析出した結
晶を濾別して減圧乾燥し、このものにエタノール50m
l,濃硫酸150mgを加えて4時間加熱還流した。反
応溶液をクロロホルムで3回抽出し、硫酸マグネシウム
で乾燥、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式化8
で示されるエステル誘導体5.28g(58.2%)を
得た。
【0023】
【化8】
【0024】 1H−NMR(CDCl3 )δ: 0.86−0.91 (6H,m) 0.97−1.50 (21H,m) 1.86 (4H,brd) 2.38−2.48 (1H,m) 3.56 (2H,s) 4.13 (2H,q,J=7.13Hz) 7.17 (4H,dd,J=2.37,
6.91Hz) IR(neat) 1730cm-1
【0025】合成例2 bの工程 合成例2で得られたエステル誘導体5.28g(14.
1mmol)をエーテル25mlに溶解し、リチウムア
ルミニウムヒドリド800mg(21.2mmol),
エーテル100mlのけんだく液の中にはげしくかくは
んさせながら室温で滴下した。反応溶液に水50mlを
滴下した後約pH1になるまで2規定塩酸を加えた。反
応溶液をエーテルで3回抽出し、硫酸マグネシウムで乾
燥、溶媒を減圧下留去して得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製して下記式化9で示
されるアルコール誘導体4.44g(95.3%)を得
た。
【0026】
【化9】
【0027】 1H−NMR(CDCl3 )δ: 0.86−0.91 (3H,t,J=6.63Hz) 1.01−1.51 (21H,m) 1.56 (1H,s) 1.87 (4H,brd,J=9.85H
z) 2.40−2.48 (1H,m) 2.84 (2H,t,J=6.54Hz) 3.85 (2H,dd,J=6.25,1
2.31Hz) 7.15 (4H,s) IR(neat) 3656cm-1
【0028】合成例3 cの工程 合成例2で得られたアルコール誘導体4.3g(13.
0mmol),(R)−エピクロロヒドリン12.0g
(130mmol),カリウムt−ブトキシド1.61
g(14.3mmol),N,N−ジメチルアミノピリ
ジン15.9mg(0.13mmol),t−ブチルア
ルコール25mlを混合し、30℃で10時間かくはん
した。減圧下溶媒を留去した後残渣に2規定塩酸を約p
H4になるまで加え、クロロホルム抽出し、硫酸マグネ
シウムで乾燥、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して下記
式化10で示される(R)−グリシジルエーテル誘導体
3.8g(75.6%)を得た。
【0029】
【化10】
【0030】〔α〕D 21 4.67°(c=2.58,
CH2 Cl2 1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.88 (3H,t,J=6.63Hz) 0.97−1.50 (21H,m) 1.86 (4H,brd,J=9.66H
z) 2.38−2.47 (1H,m) 2.59 (1H,dd,J=2.75,
5.32Hz) 2.77 (1H,dd,J=4.17,
5.11Hz) 2.87 (2H,t,J=7.29Hz) 3.11−3.16 (1H,m) 3.41 (1H,dd,J=5.68,1
1.55Hz) 3.66−3.77 (3H,m) 7.13 (4H,s)
【0031】実施例1 合成例3で得られた(R)−グリジルエーテル誘導体4
00mg(1.03mmol),マロン酸ジメチル22
0mg(1.66mmol),カリウムt−ブトキシド
121mg(1.08mmol),t−ブチルアルコー
ル3mlを混合して10時間加熱還流した後反応溶液を
室温まで戻し2規定塩酸を約pH1になるまで加えた。
反応溶液を塩化メチレンで3回抽出し、硫酸マグネシウ
ム乾燥、減圧下溶媒を留去して得られた残渣にジメチル
アセトアミド2ml,塩化マグネシウム490mg
(5.0mmol),水10滴を加え、120℃で7.
5時間加熱かくはんした。反応溶液を室温に戻した後、
クロロホルム抽出を3回行い、飽和食塩水で洗浄、硫酸
マグネシウム乾燥、減圧下溶媒を留去して得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し下
記式化11で示される (s)−γ−ラクトン誘導体20
0mg(45.3%)を得た。
【0032】
【化11】
【0033】mp 50℃ 〔α〕D 21 7.48°(c=1.28, CH2
2 1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.88 (3H,t,J=6.63Hz) 0.97−1.49 (21H,m) 1.86 (4H,brd,J=9.85H
z) 2.01−2.11 (1H,m) 2.16−2.30 (1H,m) 2.35−2.53 (3H,m) 2.84 (2H,t,J=7.10Hz) 3.51−3.71 (4H,m) 4.57−4.65 (1H,m) 7.12 (4H,s) IR(KBr) 1794cm-1
【0034】実施例2 ジイソプロピルアミン910mg(9.3mmol),
1.5mol/l n−ブチルリチウム4.5ml(n
−ヘキサン溶液)(6.8mmol),テトラヒドロフ
ラン8mlより調製したリチウムジイソプロピルアミド
溶液に−78℃でプロピオン酸230mg(3.1mm
ol)をテトラヒドロフラン3mlに溶かした溶液を滴
下して加えた。反応溶液を0℃で1.5時間かくはんし
た後再度−78℃に戻し、合成例3で得られた(R)−
グリシジルエーテル誘導体をテトラヒドロフラン5ml
に溶かした溶液を滴下して加えた。反応溶液を−78℃
から室温に戻した後2規定塩酸を約pH1になるまで滴
下して加えた。エーテル抽出を3回行い、硫酸マグネシ
ウム乾燥、減圧下溶媒を留去して得られた残渣にベンゼ
ン50ml,濃硫酸1滴を加え、ディーン・スターク装
置を用いて1時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去して
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製して下記式で示される(2R, 4S)体と(2
S, 4S)体のγ−ラクトン誘導体をそれぞれ444m
g,500mg(69%)得た。 (2R,4S)体
【0035】
【化12】
【0036】mp 24℃ 〔α〕D 21 8.90°(c=1.276,CH2 Cl
2 1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.88 (3H,t,J=6.63Hz) 0.96−1.60 (24H,m) 1.85−1.96 (5H,m) 2.23−2.32 (1H,m) 2.38−2.47 (1H,m) 2.64−2.76 (1H,m) 2.83 (2H,t,J=7.01Hz) 3.49−3.70 (1H,m) 4.52−4.59 (1H,m) 7.11 (4H,s) IR(KBr) 1776cm-1 (2S, 4S)体
【0037】
【化13】
【0038】mp 55℃ 〔α〕D 21 5.90°(c=0.89,CH2
2 1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.89 (3H,t,J=6.63Hz) 0.97−1.74 (25H,m) 1.86 (4H,brd,J=10.22
Hz) 2.32−2.47 (2H,m) 2.58−2.71 (1H,m) 2.85 (2H,t,J=7.10Hz) 3.53−3.73 (4H,m) 4.43−4.53 (1H,m) 7.12 (4H,s) IR(KBr) 1768cm-1
【0039】実施例3 プロピオン酸の代わりにn−吉草酸204mg(2.0
mmol)を用いる以外は試薬の当量関係と操作は全て
実施例2と同様に行うことにより、下記式で示される
(2R, 4S)体,(2S,4S)体のγ−ラクトン誘
導体をそれぞれ290mg,230mg(55%)得
た。 (2R, 4S)体
【0040】
【化14】
【0041】mp 36℃ 〔α〕D 21 1.15°(c=1.042,CH2 Cl
2 1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.86−0.95 (6H,m) 1.01−1.49 (25H,m) 1.73−1.96 (5H,m) 2.15−2.45 (1H,m) 2.38−2.47 (1H,m) 2.56−2.63 (1H,m) 2.81 (2H,t,J=6.91Hz) 3.47−3.68 (4H,m) 4.50−4.57 (1H,m) 7.10 (4H,s) IR(KBr) 1758cm-1 (2S, 4S)体
【0042】
【化15】
【0043】mp 48℃ 〔α〕D 21 14.85°(c=1.09,CH2 Cl
2 1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.86−0.96 (6H,m) 1.01−1.72 (26H, m) 1.85 (4H, brd,J=9.85H
z) 2.24−2.35 (1H,m) 2.37−2.46 (1H,m) 2.50−2.61 (1H,m) 2.83 (2H,t,J=7.01Hz) 3.50−3.71 (4H,m) 4.41−4.50 (1H,m) 7.11 (4H,s) IR(KBr) 1748cm-1
【0044】実施例4 プロピオン酸の代りにn−オクタン酸270mg(1.
86mmol)を用いる以外は試薬の当量関係と操作は
全て実施例2と同様に行うことにより下記式で示される
(2R, 4S)体,(2S, 4S)体のγ−ラクトン誘
導体をそれぞれ300mg,280mg(65%)得
た。(2R, 4S)体
【0045】
【化16】
【0046】mp 41℃ 〔α〕D 21 1.44°(c=1.04,CH2
2 1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.86−0.91 (6H,m) 0.97−1.58 (31H, m) 1.78−1.98 (5H,m) 2.17−2.26 (1H,m) 2.38−2.47 (1H,m) 2.58−2.63 (1H,m) 2.83 (2H,t,J=6.91Hz) 3.49−3.70 (4H,m) 4.52−4.59 (1H,m) 7.11 (4H,s) IR(KBr) 1760cm-1 (2S, 4S)体
【0047】
【化17】
【0048】mp 45℃ 〔α〕D 21 15.04°(c=0.99,CH2 Cl
2 1 H−NMR(CDCl3 )δ: 0.86−0.91 (6H,m) 0.96−1.75 (32H, m) 1.86 (4H,brd,J=9.84H
z) 2.17−2.47 (2H,m) 2.51−2.62 (1H,m) 2.85 (2H,t,J=7.10Hz) 3.53−3.73 (4H,m) 4.43−4.53 (1H,m) 7.12 (4H,s) IR(KBr) 1764cm-1
【0049】実施例5 非キラルな化合物によって構成された下記の液晶組成物
(1)
【0050】
【化18】
【0051】19.0mgと実施例1で得られた(s)
−γ−ラクトン誘導体1.1mgを混合して得られた液
晶組成物(2)の相転移温度はDSC測定,偏光顕微鏡
による観察の結果以下のようであった。
【0052】
【化19】
【0053】またこの組成物(2)をITO膜を付して
ポリイミドを塗布しラビングした2枚のガラス基板で構
成した厚さ2μmのセルに注入してVp-p=20Vを印
加したときの0→50%の透過光強度の変化により求め
た応答速度は23℃で220μsecであった。
【0054】実施例6 実施例2で得られた(2R, 4S)−γ−ラクトン誘導
体1.2mgと実施例5で用いた液晶組成物(1)の1
9.2mgを混合して得られた液晶組成物(3)の相転
移温度と応答速度は実施例5と同様に測定した結果以下
のようであることがわかった。
【0055】
【化20】
【0056】300μsec(23℃)
【0057】実施例7 実施例2で得られた(2S, 4S)−γ−ラクトン誘導
体1.1mgと実施例5で用いた液晶組成物(1)の1
8.9mgを混合して得られた液晶組成物(4)の相転
移温度と応答速度は実施例5と同様に測定した結果以下
のようであることがわかった。
【0058】
【化21】
【0059】100μsec(23℃)
【0060】実施例8 実施例3で得られた(2R, 4S)−γ−ラクトン誘導
体0.9mgと実施例5で用いた液晶組成物(1)の1
9.9mgを混合して得られた液晶組成物(5)の相転
移温度と応答速度は実施例5と同様に測定した結果以下
のようであることがわかった。
【0061】
【化22】
【0062】180μsec(23℃)
【0063】実施例9 実施例3で得られた(2S, 4S)−γ−ラクトン誘導
体0.9mgと実施例5で用いた液晶組成物(1)の1
9.2mgを混合して得られた液晶組成物(6)の相転
移温度と応答速度は実施例5と同様に測定した結果以下
のようであることがわかった。
【0064】
【化23】
【0065】50μsec(23℃)
【0066】実施例10 実施例4で得られた(2R,4S)−γ−ラクトン誘導
体1.0mgと実施例5で用いた液晶組成物(1)の1
9.4mgを混合して得られた液晶組成物(7)の相転
移温度と応答速度は実施例5と同様に測定した結果以下
のようであることがわかった。
【0067】
【化24】
【0068】350μsec(23℃)
【0069】実施例11 実施例4で得られた(2S, 4S)−γ−ラクトン誘導
体1.1mgと実施例5で用いた液晶組成物(1)の1
9.2mgを混合して得られた液晶組成物(8)の相転
移温度と応答速度は実施例5と同様に測定した結果以下
のようであることがわかった。
【0070】
【化25】
【0071】60μsec(23℃)
【0072】
【発明の効果】本発明により熱的に安定で,着色がな
く,光安定性に優れ,室温付近においても高速で応答す
る強誘電性液晶を得ることができる。したがって本発明
の光学活性化合物を含有する液晶組成物は液晶表示素子
に用いる液晶として有用であり、特に応答性において優
れた性能を持つ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中R1 は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、R2
    水素原子又は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、*は不
    斉炭素原子を表わす。)で表わされる光学活性γ−ラク
    トン誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のγ−ラクトン誘導体を少
    なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液晶組成物を用いること
    を特徴とする電気光学素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014065688A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Nippon Fine Chem Co Ltd ラクトン誘導体及びこれを含有する化粧料

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