JPH07179633A - 易接着性積層ポリエステルフィルムおよびその製造法 - Google Patents
易接着性積層ポリエステルフィルムおよびその製造法Info
- Publication number
- JPH07179633A JPH07179633A JP5328382A JP32838293A JPH07179633A JP H07179633 A JPH07179633 A JP H07179633A JP 5328382 A JP5328382 A JP 5328382A JP 32838293 A JP32838293 A JP 32838293A JP H07179633 A JPH07179633 A JP H07179633A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester
- acid
- film
- component
- dicarboxylic acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 全ジカルボン酸成分中フェニルインダンジカ
ルボン酸成分を少なくとも5モル%含有するジカルボン
酸成分およびジヒドロキシ化合物成分とから形成され、
分子中にスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分また
はジヒドロキシ化合物成分を0.005〜0.45モル%
含有し且つ二次転移点が60〜160℃の水性ポリエス
テルより実質的になる水性液を、縦延伸した芳香族ポリ
エステルの片面または両面に塗布し、次いで横延伸し、
さらに縦延伸し、必要によりさらに横延伸することを特
徴とする易接着性ポリエステルフィルムの製造法および
この製造法によって得られた易接着性ポリエステルフィ
ルム。 【効果】 剛性が高く、帯電防止性に優れ且つ高い接着
力を有する易接着性ポリエステルフィルムおよびその製
造法が提供される。
ルボン酸成分を少なくとも5モル%含有するジカルボン
酸成分およびジヒドロキシ化合物成分とから形成され、
分子中にスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分また
はジヒドロキシ化合物成分を0.005〜0.45モル%
含有し且つ二次転移点が60〜160℃の水性ポリエス
テルより実質的になる水性液を、縦延伸した芳香族ポリ
エステルの片面または両面に塗布し、次いで横延伸し、
さらに縦延伸し、必要によりさらに横延伸することを特
徴とする易接着性ポリエステルフィルムの製造法および
この製造法によって得られた易接着性ポリエステルフィ
ルム。 【効果】 剛性が高く、帯電防止性に優れ且つ高い接着
力を有する易接着性ポリエステルフィルムおよびその製
造法が提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着性ポリエステルフ
ィルムおよびその製造法に関し、さらに詳しくは剛性が
高く、帯電し難く且つ高い接着力を付与することが可能
であり、包装材料、磁気カード、磁気テープ、磁気ディ
スク、印刷材料などの用途に有用な易接着性ポリエステ
ルフィルムおよびその製造法に関する。
ィルムおよびその製造法に関し、さらに詳しくは剛性が
高く、帯電し難く且つ高い接着力を付与することが可能
であり、包装材料、磁気カード、磁気テープ、磁気ディ
スク、印刷材料などの用途に有用な易接着性ポリエステ
ルフィルムおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ポリエステルフィルムの表面に水性
ポリエステルの塗膜を形成させることは知られており、
その水性ポリエステルに親水性を付与するために、分子
中にスルホン酸塩基などの親水性の官能基を有する成分
を共重合したポリエステルが使用されている。このため
コーティングフィルムは帯電量が増大する傾向があっ
た。一方、この親水性基の量を減少させると水に安定し
て分散することが困難であった。さらに水に分散させる
場合に、予め有機溶媒に溶解する必要があったが、二次
転移点の高いポリエステルは一般に溶解性が劣ってい
た。
ポリエステルの塗膜を形成させることは知られており、
その水性ポリエステルに親水性を付与するために、分子
中にスルホン酸塩基などの親水性の官能基を有する成分
を共重合したポリエステルが使用されている。このため
コーティングフィルムは帯電量が増大する傾向があっ
た。一方、この親水性基の量を減少させると水に安定し
て分散することが困難であった。さらに水に分散させる
場合に、予め有機溶媒に溶解する必要があったが、二次
転移点の高いポリエステルは一般に溶解性が劣ってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、接着性、剛性が優れ且つ帯電性が抑制された易接着
性ポリエステルフィルムおよびその製造法を提供するこ
とにある。
は、接着性、剛性が優れ且つ帯電性が抑制された易接着
性ポリエステルフィルムおよびその製造法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記本発
明の目的は前記ジカルボン酸成分中フェニルインダンジ
カルボン酸成分を少なくとも5モル%含有するジカルボ
ン酸成分およびジヒドロキシ化合物成分とから形成さ
れ、分子中にスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分
またはジヒドロキシ化合物成分を0.005〜0.45モ
ル%含有し且つ二次転移点が60〜160℃の水性ポリ
エステルより実質的になる水性液を、縦延伸した芳香族
ポリエステルの片面または両面に塗布し、次いで横延伸
し、さらに縦延伸し、必要によりさらに横延伸すること
を特徴とする易接着性ポリエステルフィルムの製造法お
よびこの製造法によって得られた易接着性ポリエステル
フィルムによって達成される。
明の目的は前記ジカルボン酸成分中フェニルインダンジ
カルボン酸成分を少なくとも5モル%含有するジカルボ
ン酸成分およびジヒドロキシ化合物成分とから形成さ
れ、分子中にスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分
またはジヒドロキシ化合物成分を0.005〜0.45モ
ル%含有し且つ二次転移点が60〜160℃の水性ポリ
エステルより実質的になる水性液を、縦延伸した芳香族
ポリエステルの片面または両面に塗布し、次いで横延伸
し、さらに縦延伸し、必要によりさらに横延伸すること
を特徴とする易接着性ポリエステルフィルムの製造法お
よびこの製造法によって得られた易接着性ポリエステル
フィルムによって達成される。
【0005】本発明においてベースフィルムとしての芳
香族ポリエステルフィルムの表面に塗膜を形成する水性
ポリエステルは、分子中にスルホン酸塩基を有する成分
の含有割合が少ないので帯電しにくく、またフェニルイ
ンダンジカルボン酸成分はかさ高い構造を有しているの
で、溶解性が優れており水分散性が改良されたものであ
る。さらにこのフェニルインダンジカルボン酸成分は、
かさ高い構造であるため、水性ポリエステルの二次転移
点は比較的高い値を有している。そのためベースフィル
ムに塗布した後の熱による一方方向の再縦延伸も容易に
行なうことが可能となる。
香族ポリエステルフィルムの表面に塗膜を形成する水性
ポリエステルは、分子中にスルホン酸塩基を有する成分
の含有割合が少ないので帯電しにくく、またフェニルイ
ンダンジカルボン酸成分はかさ高い構造を有しているの
で、溶解性が優れており水分散性が改良されたものであ
る。さらにこのフェニルインダンジカルボン酸成分は、
かさ高い構造であるため、水性ポリエステルの二次転移
点は比較的高い値を有している。そのためベースフィル
ムに塗布した後の熱による一方方向の再縦延伸も容易に
行なうことが可能となる。
【0006】以下本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明のベースフィルムを形成する芳香族ポリエス
テルはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4−ジフェニルカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸成分とエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族
または脂環族ジヒドロキシ化合物成分から製造される。
芳香族ジカルボン酸成分以外に、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族
−または脂肪族−ジカルボン酸成分を一部使用すること
ができるが、本発明のベースフィルムを形成する芳香族
ポリエステルは、全ジカルボン酸成分中の70モル%以
上特に80モル%以上が、芳香族ジカルボン酸成分であ
るのが好適である。ポリエステル中の芳香族ジカルボン
酸成分が70モル%未満の場合、フィルムとしての剛性
が不足するようになる。ジヒドロキシ化合物成分として
はエチレングリコールが特に好ましい。具体例としては
ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートが特に好ましい。そ
の他のポリエステルとしては、テレフタル酸−2,6−
ナフタレンジカルボン酸−エチレングリコール共重合
体、テレフタル酸−2,6−ナフタレンジカルボン酸−
1,4−ブタンジオール−エチレングリコール共重合
体、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートを挙げることができる。前記芳香族ポリエステルフ
ィルムは特に結晶配向した二軸延伸フィルムであるのが
適当である。
る。本発明のベースフィルムを形成する芳香族ポリエス
テルはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4−ジフェニルカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸成分とエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族
または脂環族ジヒドロキシ化合物成分から製造される。
芳香族ジカルボン酸成分以外に、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族
−または脂肪族−ジカルボン酸成分を一部使用すること
ができるが、本発明のベースフィルムを形成する芳香族
ポリエステルは、全ジカルボン酸成分中の70モル%以
上特に80モル%以上が、芳香族ジカルボン酸成分であ
るのが好適である。ポリエステル中の芳香族ジカルボン
酸成分が70モル%未満の場合、フィルムとしての剛性
が不足するようになる。ジヒドロキシ化合物成分として
はエチレングリコールが特に好ましい。具体例としては
ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートが特に好ましい。そ
の他のポリエステルとしては、テレフタル酸−2,6−
ナフタレンジカルボン酸−エチレングリコール共重合
体、テレフタル酸−2,6−ナフタレンジカルボン酸−
1,4−ブタンジオール−エチレングリコール共重合
体、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートを挙げることができる。前記芳香族ポリエステルフ
ィルムは特に結晶配向した二軸延伸フィルムであるのが
適当である。
【0007】本発明において、ベースフィルムとしての
芳香族ポリエステルフィルムの片面または両面に形成さ
れる水性ポリエステルは、フェニルインダンジカルボン
酸成分および分子中にスルホン酸塩基を含有する成分を
一定割合含有している点に特徴を有している。水性ポリ
エステルを形成するフェニルインダンジカルボン酸は、
下記一般式(I)
芳香族ポリエステルフィルムの片面または両面に形成さ
れる水性ポリエステルは、フェニルインダンジカルボン
酸成分および分子中にスルホン酸塩基を含有する成分を
一定割合含有している点に特徴を有している。水性ポリ
エステルを形成するフェニルインダンジカルボン酸は、
下記一般式(I)
【0008】
【化1】
【0009】[式中、R1、R2およびR3は同一もしく
は異なり水素原子または低級アルキル基を示す]で表わ
される化合物であるのが好ましい。このフェニルインダ
ンジカルボン酸において、R1、R2、R3は互いに同一
もしくは異なり炭素数5以下の低級アルキル基であるの
が好ましく、メチル基であるのが特に好ましい。フェニ
ルインダンジカルボン酸成分は、水性ポリエステルを構
成する全ジカルボン酸成分に基いて少なくとも5モル
%、好ましくは10モル%の割合で使用され、特に好ま
しいのは50モル%以上の範囲である。フェニルインダ
ンジカルボン酸成分の割合が5モル%未満の場合、水性
ポリエステルの二次転移点が低下したり、ポリエステル
の溶解性が劣るので水分散化が容易でなくなる。
は異なり水素原子または低級アルキル基を示す]で表わ
される化合物であるのが好ましい。このフェニルインダ
ンジカルボン酸において、R1、R2、R3は互いに同一
もしくは異なり炭素数5以下の低級アルキル基であるの
が好ましく、メチル基であるのが特に好ましい。フェニ
ルインダンジカルボン酸成分は、水性ポリエステルを構
成する全ジカルボン酸成分に基いて少なくとも5モル
%、好ましくは10モル%の割合で使用され、特に好ま
しいのは50モル%以上の範囲である。フェニルインダ
ンジカルボン酸成分の割合が5モル%未満の場合、水性
ポリエステルの二次転移点が低下したり、ポリエステル
の溶解性が劣るので水分散化が容易でなくなる。
【0010】水性ポリエステルを構成する他のカルボン
酸成分としては例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を例示する
ことができる。これら成分は2種以上を用いることがで
きる。更に、これら成分と共にマレイン酸、フマール
酸、イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキ
シ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸
等の如きヒドロキシカルボン酸を小割合用いることがで
きる。不飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分
の割合は高々10モル%、好ましくは5モル%以下であ
る。
酸成分としては例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を例示する
ことができる。これら成分は2種以上を用いることがで
きる。更に、これら成分と共にマレイン酸、フマール
酸、イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキ
シ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸
等の如きヒドロキシカルボン酸を小割合用いることがで
きる。不飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分
の割合は高々10モル%、好ましくは5モル%以下であ
る。
【0011】水性ポリエステルを構成する酸成分は、遊
離酸の他に、低級アルキルエステル、特にメチルエステ
ルとして使用することができる。一方水性ポリエステル
に分子中にスルホン酸塩基を有する成分を導入するため
に、5−リチウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、5−カリウムスルホテレフタル酸
などのスルホン酸塩基(特にアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩またはアミン塩)を有する多価カルボン酸を使用
することができる。これらスルホン酸塩基を有する成分
は、水性ポリエステルを構成する全ジカルボン酸に基い
て0.005〜0.45モル%、好ましくは0.01〜0.
3モル%の範囲で使用するのが好適である。スルホン酸
塩基を有する成分は、前記多価カルボン酸であってもよ
いが、下記のジヒドロキシ化合物成分であってもよい。
水性ポリエステルを構成するジヒドロキシ化合物成分と
しては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレン
グリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グ
リコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等を
例示することができる。これらは2種以上を用いること
ができる。前述したようにスルホン酸ナトリウム塩基を
含有するビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物
の如き分子中にスルホン酸塩基を有するジヒドロキシ化
合物も使用することができる。水性ポリエステルは、前
記ジカルボン酸成分とジヒドロキシ化合物成分とを、そ
れ自体知られた方法により重合することにより製造する
ことができる。この水性ポリエステルは、5,000〜
28,000、好ましくは7,000〜22,000の数
平均分子量を有していることが望ましい。水性ポリエス
テルの二次転移点(Tg)は60〜160℃、好ましく
は70〜150℃の範囲である。二次転移点(Tg)が
60℃未満の場合、得られた塗膜フィルムは熱粘着し易
く、一方160℃を越えると塗膜性が低下し延伸によっ
て塗膜の均一性が劣るようになる。二次転移点(Tg)
はDSC法によって測定された値である。
離酸の他に、低級アルキルエステル、特にメチルエステ
ルとして使用することができる。一方水性ポリエステル
に分子中にスルホン酸塩基を有する成分を導入するため
に、5−リチウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、5−カリウムスルホテレフタル酸
などのスルホン酸塩基(特にアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩またはアミン塩)を有する多価カルボン酸を使用
することができる。これらスルホン酸塩基を有する成分
は、水性ポリエステルを構成する全ジカルボン酸に基い
て0.005〜0.45モル%、好ましくは0.01〜0.
3モル%の範囲で使用するのが好適である。スルホン酸
塩基を有する成分は、前記多価カルボン酸であってもよ
いが、下記のジヒドロキシ化合物成分であってもよい。
水性ポリエステルを構成するジヒドロキシ化合物成分と
しては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレン
グリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グ
リコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等を
例示することができる。これらは2種以上を用いること
ができる。前述したようにスルホン酸ナトリウム塩基を
含有するビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物
の如き分子中にスルホン酸塩基を有するジヒドロキシ化
合物も使用することができる。水性ポリエステルは、前
記ジカルボン酸成分とジヒドロキシ化合物成分とを、そ
れ自体知られた方法により重合することにより製造する
ことができる。この水性ポリエステルは、5,000〜
28,000、好ましくは7,000〜22,000の数
平均分子量を有していることが望ましい。水性ポリエス
テルの二次転移点(Tg)は60〜160℃、好ましく
は70〜150℃の範囲である。二次転移点(Tg)が
60℃未満の場合、得られた塗膜フィルムは熱粘着し易
く、一方160℃を越えると塗膜性が低下し延伸によっ
て塗膜の均一性が劣るようになる。二次転移点(Tg)
はDSC法によって測定された値である。
【0012】水性ポリエステルは、塗膜層を形成させる
ために、水溶液、水分散液或いは乳化液の如き水性液の
形態で使用される。その調製法の一例を示すと、水性ポ
リエステルをジオキサンやテトラヒドロフランの如き低
沸点有機溶媒に溶解し、次いで水中に分散させた後、溶
媒を留去して水性液を得ることができる。
ために、水溶液、水分散液或いは乳化液の如き水性液の
形態で使用される。その調製法の一例を示すと、水性ポ
リエステルをジオキサンやテトラヒドロフランの如き低
沸点有機溶媒に溶解し、次いで水中に分散させた後、溶
媒を留去して水性液を得ることができる。
【0013】水性液中には、必要に応じて、他の樹脂、
帯電防止剤、滑剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、界面活性剤等を添加することができる。また
水性液中には少量の有機溶剤が含まれていてもよい。水
性液中の水性ポリエステルの濃度は任意に決めうるが1
〜12重量%、特に2〜6重量%が好ましい。
帯電防止剤、滑剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、界面活性剤等を添加することができる。また
水性液中には少量の有機溶剤が含まれていてもよい。水
性液中の水性ポリエステルの濃度は任意に決めうるが1
〜12重量%、特に2〜6重量%が好ましい。
【0014】前記水性液はベースフィルムである芳香族
ポリエステルフィルムを縦延伸したものに塗布される。
塗布して後、横延伸しさらに縦延伸される。この縦延伸
を繰り返すことによって、得られたポリエステルフィル
ムのヤング率の如き機械的特性が一層改善される。2回
目の縦延伸を行って後、さらに必要により横延伸するこ
ともできる。また延伸終了後熱処理してもよい。
ポリエステルフィルムを縦延伸したものに塗布される。
塗布して後、横延伸しさらに縦延伸される。この縦延伸
を繰り返すことによって、得られたポリエステルフィル
ムのヤング率の如き機械的特性が一層改善される。2回
目の縦延伸を行って後、さらに必要により横延伸するこ
ともできる。また延伸終了後熱処理してもよい。
【0015】次にベースフィルムの延伸条件について説
明する。この説明においてベースフィルムを形成する芳
香族ポリエステルの二次転移点をTg(℃)として示
し、また融点をTm(℃)として示す。先ず溶融押出し
て未延伸フィルムを得、この未延伸フィルムを縦方向に
(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度で1.5〜6.
0倍さらには1.5〜4.0倍の倍率で延伸し、水性ポリ
エステルの水性液を片面または両面に塗布し、乾燥して
次いで横方向にTg(℃)〜(Tg+70)℃の温度で
2.5〜7.0倍さらには3〜6.0倍の倍率で延伸す
る。
明する。この説明においてベースフィルムを形成する芳
香族ポリエステルの二次転移点をTg(℃)として示
し、また融点をTm(℃)として示す。先ず溶融押出し
て未延伸フィルムを得、この未延伸フィルムを縦方向に
(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度で1.5〜6.
0倍さらには1.5〜4.0倍の倍率で延伸し、水性ポリ
エステルの水性液を片面または両面に塗布し、乾燥して
次いで横方向にTg(℃)〜(Tg+70)℃の温度で
2.5〜7.0倍さらには3〜6.0倍の倍率で延伸す
る。
【0016】さらに上述の2段延伸フィルムについて、
熱固定温度を(Tg+20)〜(Tg+70)℃として
熱固定し、更にこの熱固定温度より10〜40℃高い温
度で縦方向に1.05〜4倍、さらには1.1〜4倍、特
に2.0〜4倍に延伸し、必要であれば更にこの温度よ
り20〜50℃高い温度で更に横方向に延伸し、縦方向
の総合延伸倍率を4.0〜9.0倍、さらには4.0〜8.
0倍、横方向の総合延伸倍率を3.0〜7.0倍とするこ
とが好ましい。この場合、面積延伸倍率は20〜60
倍、更には25〜50倍にすることが好ましい。
熱固定温度を(Tg+20)〜(Tg+70)℃として
熱固定し、更にこの熱固定温度より10〜40℃高い温
度で縦方向に1.05〜4倍、さらには1.1〜4倍、特
に2.0〜4倍に延伸し、必要であれば更にこの温度よ
り20〜50℃高い温度で更に横方向に延伸し、縦方向
の総合延伸倍率を4.0〜9.0倍、さらには4.0〜8.
0倍、横方向の総合延伸倍率を3.0〜7.0倍とするこ
とが好ましい。この場合、面積延伸倍率は20〜60
倍、更には25〜50倍にすることが好ましい。
【0017】芳香族ポリエステルフィルム表面への水性
液の塗布は、ロールコーター、ダイコーターなどの任意
の方法で行なうことができる。塗膜は0.01〜2μ
m、好ましくは0.012〜0.5μmの厚みであるのが
望ましい。かくして得られた本発明のフィルムは、剛
性、帯電抑止性および接着性に優れており、磁気テー
プ、磁気ディスク、磁気カード、印刷材料、包装材料な
どに適している。
液の塗布は、ロールコーター、ダイコーターなどの任意
の方法で行なうことができる。塗膜は0.01〜2μ
m、好ましくは0.012〜0.5μmの厚みであるのが
望ましい。かくして得られた本発明のフィルムは、剛
性、帯電抑止性および接着性に優れており、磁気テー
プ、磁気ディスク、磁気カード、印刷材料、包装材料な
どに適している。
【0018】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。各特性値は下記の方法で測定した。 1. 接着性 [磁性塗料]サンプルのポリエステルフィルムに下記評
価用塗料マイヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになる
ように塗布し、100℃で3分間乾燥する。その後60
℃で24時間エージングし、次いでスコッチテープN
o.600(3M社製)巾12.7mm、長さ15cmを
気泡が入らないように粘着し、この上をJIS C27
01(1975)記載の手動式荷重ロールでならし密着
させ、テープ巾に切り出す。これの180゜剥離した時
の強力を測定する。 [評価用塗料]固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 (日本ポリウレタン製) 25部 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA (積水化学製) 50部 分散剤 レシオンP (理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX−860 (戸田化学製) 500部 りなる組成物をメチルエチルケトン/トルエン/シクロ
ヘキサノン混合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグ
ライダーで2時間分散する。その後、架橋剤のコロネー
トL 25部(固形分換算)を添加し、よく攪拌して磁
性塗料を得る。 2. ポリマーの二次転移点(Tg) DSCを用いて昇温速度20℃/minで測定した。
明する。各特性値は下記の方法で測定した。 1. 接着性 [磁性塗料]サンプルのポリエステルフィルムに下記評
価用塗料マイヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになる
ように塗布し、100℃で3分間乾燥する。その後60
℃で24時間エージングし、次いでスコッチテープN
o.600(3M社製)巾12.7mm、長さ15cmを
気泡が入らないように粘着し、この上をJIS C27
01(1975)記載の手動式荷重ロールでならし密着
させ、テープ巾に切り出す。これの180゜剥離した時
の強力を測定する。 [評価用塗料]固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 (日本ポリウレタン製) 25部 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA (積水化学製) 50部 分散剤 レシオンP (理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX−860 (戸田化学製) 500部 りなる組成物をメチルエチルケトン/トルエン/シクロ
ヘキサノン混合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグ
ライダーで2時間分散する。その後、架橋剤のコロネー
トL 25部(固形分換算)を添加し、よく攪拌して磁
性塗料を得る。 2. ポリマーの二次転移点(Tg) DSCを用いて昇温速度20℃/minで測定した。
【0019】実施例1 固有粘度[η]が0.63のポリエチレンテレフタレー
トの未延伸フィルムをつくり、縦方向に2.5倍延伸し
た後に、片面に下記式(II)
トの未延伸フィルムをつくり、縦方向に2.5倍延伸し
た後に、片面に下記式(II)
【0020】
【化2】
【0021】のフェニルインダンジカルボン酸(60モ
ル%)−イソフタル酸(6モル%)−5−Naスルホイ
ソフタル酸(0.05モル%)−テレフタル酸(34モ
ル%)−エチレングリコール共重合ポリエステル(Tg
=101℃)(M−1)90重量%とポリオキシエチレ
ンノニルフェノールエーテル10重量%からなる組成物
の4%水分散体をグラビアコーターで塗布した。乾燥し
つつ横方向に3.4倍延伸し、熱処理した。その後、縦
方向に1.8倍延伸し、横方向に1.2倍延伸した後、2
15℃で熱処理した。(塗厚は0.03μm)このフィ
ルムの特性を表1に示す。
ル%)−イソフタル酸(6モル%)−5−Naスルホイ
ソフタル酸(0.05モル%)−テレフタル酸(34モ
ル%)−エチレングリコール共重合ポリエステル(Tg
=101℃)(M−1)90重量%とポリオキシエチレ
ンノニルフェノールエーテル10重量%からなる組成物
の4%水分散体をグラビアコーターで塗布した。乾燥し
つつ横方向に3.4倍延伸し、熱処理した。その後、縦
方向に1.8倍延伸し、横方向に1.2倍延伸した後、2
15℃で熱処理した。(塗厚は0.03μm)このフィ
ルムの特性を表1に示す。
【0022】実施例2 固有粘度[η]が0.65のポリエチレンテレフタレー
ト(酸化珪素含有)のベースフィルムを用いること以外
は実施例1と同様にして得た結果を表1に示す。
ト(酸化珪素含有)のベースフィルムを用いること以外
は実施例1と同様にして得た結果を表1に示す。
【0023】実施例3 固有粘度[η]が0.60のポリエチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレートより形成されたベースフィル
ムを用いること以外は実施例1と同様にして得た結果を
表1に示す。
タレンジカルボキシレートより形成されたベースフィル
ムを用いること以外は実施例1と同様にして得た結果を
表1に示す。
【0024】比較例1 実施例1においてポリエステル水分散液を塗布しないこ
と以外は同様にして得た結果を表1に示す。
と以外は同様にして得た結果を表1に示す。
【0025】実施例4〜7 ポリエステル水分散液中の共重合ポリエステルの種類及
び塗膜厚さを変えること以外は同様にしてえた結果を表
1に示す。
び塗膜厚さを変えること以外は同様にしてえた結果を表
1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、剛性が高く、帯電抑止
性が優れ且つ接着力が高い易接着性のポリエステルフィ
ルムおよびその製造法が提供された。かくして本発明に
よる易接着性ポリエステルフィルムは、包装材料、磁気
テープ、磁気カード、磁気ディスクまたは印刷材料に有
用である。
性が優れ且つ接着力が高い易接着性のポリエステルフィ
ルムおよびその製造法が提供された。かくして本発明に
よる易接着性ポリエステルフィルムは、包装材料、磁気
テープ、磁気カード、磁気ディスクまたは印刷材料に有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 知基 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内
Claims (2)
- 【請求項1】 全ジカルボン酸成分中フェニルインダン
ジカルボン酸成分を少なくとも5モル%含有するジカル
ボン酸成分およびジヒドロキシ化合物成分とから形成さ
れ、分子中にスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分
またはジヒドロキシ化合物成分を0.005〜0.45モ
ル%含有し且つ二次転移点が60〜160℃の水性ポリ
エステルより実質的になる水性液を、縦延伸した芳香族
ポリエステルの片面または両面に塗布し、次いで横延伸
し、さらに縦延伸し、必要によりさらに横延伸すること
を特徴とする易接着性ポリエステルフィルムの製造法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法によって得られた易
接着性ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5328382A JPH07179633A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 易接着性積層ポリエステルフィルムおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5328382A JPH07179633A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 易接着性積層ポリエステルフィルムおよびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07179633A true JPH07179633A (ja) | 1995-07-18 |
Family
ID=18209626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5328382A Withdrawn JPH07179633A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 易接着性積層ポリエステルフィルムおよびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07179633A (ja) |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP5328382A patent/JPH07179633A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH05140277A (ja) | 水性ポリエステル、これを塗設した易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法 | |
JP3615324B2 (ja) | ポリエステル水分散体及びこれを塗布したポリエステルフイルム | |
JPH07242758A (ja) | 易接着性ポリエステルフィルム | |
JP2856993B2 (ja) | ポリエステル水分散体及びこれを塗布した易接着性ポリエステルフイルム | |
JPH07179633A (ja) | 易接着性積層ポリエステルフィルムおよびその製造法 | |
JPH07268189A (ja) | ポリエステル水分散体及びポリエステルフイルム | |
JP3160203B2 (ja) | ポリエステル水分散体及びこれを塗布したポリエステルフイルム | |
JPH10193543A (ja) | 易接着性白色ポリエステルフィルム | |
JPH0732564A (ja) | 易接着性積層ポリエステルフィルムおよびその製造法 | |
JPH05247187A (ja) | 水性ポリエステル樹脂及びこれを塗布した易接着性ポリエステルフイルム | |
JP3040532B2 (ja) | ポリエステル水分散体及びこれを塗布した易接着性ポリエステルフイルム | |
JPH0732562A (ja) | 易接着性積層ポリエステルフィルム | |
JPH07195511A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 | |
JP3286139B2 (ja) | 白色ポリエステルフイルム | |
JPH0732563A (ja) | 易接着性積層ポリエステルフィルム | |
JPH04283279A (ja) | コーティング剤組成物 | |
JP3133218B2 (ja) | 水性塗布液及び積層ポリエステルフィルム | |
JPH09316309A (ja) | ポリエステル水分散体及びこれを塗布したポリエステルフイルム | |
JP3068955B2 (ja) | 易接着性白色ポリエステルフイルム | |
JPH07195641A (ja) | 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 | |
JPH10264336A (ja) | 低帯電・易接着性ポリエステルフィルム | |
JPH07195644A (ja) | 積層ポリエステルフイルム | |
JPH07165955A (ja) | 易接着性ポリエステルフィルム | |
JPH09314779A (ja) | 易接着性ポリエステルフィルム | |
JPH07188430A (ja) | 研磨テープ用フイルムおよびその製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010306 |