JPH0717873A - 酵素阻害剤 - Google Patents
酵素阻害剤Info
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Abstract
の果実をアルコール類で抽出して得られるチロシナーゼ
インヒビターならびにα−アミラーゼインヒビター活性
を有するシラップ。 【効果】 これら酵素阻害活性を通してメラニン形成阻
止および澱粉消化抑制作用をあらわすので、化粧品およ
びダイエット食品用添加物として有用である。
Description
抽出して得られる酵素阻害剤に関し、さらに詳しくは、
チロシナーゼインヒビターならびにα−アミラーゼイン
ヒビター活性を有する、バラ科植物の果実由来の酵素阻
害剤に関する。
ノサイト中のチロシナーゼによりL−チロシンが酸化さ
れ、幾つかの中間体を経て形成される褐色ないし黒色の
色素である。美容上の観点のみならず皮膚がんの発現
等、医学的な観点からも、メラニン形成の抑制が好まし
いとされ、様々な日焼け防止剤が提供されている。しか
し、安全かつ有効な日焼け防止剤の有効成分の開発は依
然として求められている。また、肥満は、糖尿病等の成
人病との関連性が高く、その防止または解消の必要性が
指摘されている。現在、ダイエット食品を始め、様々な
ダイエット法が提案されているが、ここでも安全かつ有
効なダイエット食品のための有効成分の開発が求められ
ている。
手段として、それらに至る生体内の反応に関与する酵素
の活性を阻害する物質が採用される。メラニンは、L−
チロシンのチロシナーゼによる酸化を含む酵素反応で生
成され、他方、肥満は、例えば、澱粉のα−アミラーゼ
による消化を発端としている。従って、これらの酵素の
活性を阻害するチロシナーゼインヒビターおよびα−ア
ミラーゼインヒビターを用いることにより、上記の目的
が達成できると考えられる。具体的には、前者の例とし
て、コウジ酸やアルブチンなどの物質が化粧品添加物と
して使用されており(機能性化粧品、213頁〜223
頁、日本化粧品科学研究会編、シーエムシー出版社)、
後者の例として、小麦からの抽出物が抗肥満用ダイエッ
ト食品として示されている(白石、化学と生物、27
巻、491頁、1989年)。しかしながら、より一層
有効かつ安全な酵素阻害剤の開発が待たれている。
安全なチロシナーゼインヒビターおよびα−アミラーゼ
インヒビターを得ることを目的として鋭意研究を重ねた
結果、バラ科植物の果実の抽出液から芳香性成分を留去
した残渣に、これらチロシナーゼインヒビターおよびα
−アミラーゼインヒビター活性が存在することを初めて
見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は、バラ科植物の果実から抽出して得られる酵素阻害剤
を提供するものである。
科植物の果実から抽出した酵素含有シラップである。本
発明の目的から、本発明の酵素阻害剤には、酵素阻害活
性を含有するあらゆるバラ科植物の果実からの抽出物が
含まれる。そのようなバラ科植物の例としてマルメロお
よびカリンが好ましい。秋に黄色く熟したカリンやマル
メロの果実は独特の芳香を有し、古くより乾燥した果実
片をきざみ煎じて、鎭咳剤などとして使われてきた。ま
た、最近ではこれらに含まれる精油が口臭除去効果を有
することが知られている(吉岡ら、特開昭第63−13
5176号公報)。一方、マルメロの種子に含まれる粘
質物質がすぐれた保湿効果を持つことからスキンケヤ化
粧品用添加物としての有用性も指摘されている(駒崎
ら、特開昭第59−163312号公報)。しかしなが
ら、酵素阻害活性成分、とりわけチロシナーゼインヒビ
ターおよびα−アミラーゼインヒビターが含有されてい
ることは、本発明以前にはまったく知られていなかっ
た。
マルメロ等のバラ科植物の果実をそのままで、または果
皮、果芯、種子を除いた果肉を用いる。いずれも小片に
刻み適当な溶剤で抽出する。本発明の目的には、乾燥果
実もしくは収穫後の生の果実のいずれも使用できる。ま
た、抽出効率を良くするため、材料をミキサーなどを用
いて粉砕しても良い。抽出溶剤としては、メタノール、
エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ールなどのアルコール類が挙げられるが、抽出効率や人
体への安全性を考慮してエタノールが好ましい。また、
これら相互の混合物、あるいはこれらと水との混合溶剤
も用いることができる。
って異なり、例えば乾燥品を用いた場合、50〜80%
程度のアルコールで抽出できるが、収穫直後の水分含量
の高い果実が原料である場合は無水アルコールで抽出す
るのが好ましい。材料に対する抽出溶剤の割合は材料1
00gに対して抽出溶剤300ml〜1000m1程度
である。抽出温度、時間には特に制限はなく、通常、室
温から抽出溶媒の沸騰温度の間である。抽出に要する期
間も、原料、抽出温度、溶剤の種類、使用量および溶剤
に含まれる水の量等により変化するが、室温の場合、通
常1〜30日程度、溶剤の沸騰温度の場合、数十分ない
し数時間、通常1時間程度で十分である。このようにし
て抽出した溶液を、ガーゼなどで荒く濾過した後、さら
に濾紙、ガラスフィルターなどを使用して濾過し、次い
で、減圧にて溶媒を留去すれば、カリンやマルメロ特有
の芳香の無い、目的の黄色もしくは黄褐色の酵素阻害剤
としてのシラップが得られる。通常、カリンあるいはマ
ルメロ1個(平均約100−500g)から20〜60
g程度のシラップが得られる。本シラップはそのまま、
食品や化粧品等に製品化することができるが、必要に応
じてクロマトグラフィーなどの手段で精製することもで
きる。
を、食品たとえば菓子類に添加すると、そのα−アミラ
ーゼインヒビター活性によるダイエット食品が得られ、
化粧用クリーム、乳液、ローションなどに添加すると、
そのチロシナーゼインヒビター活性による美白用化粧品
が得られる。
をエタノール300mlと水100mlよりなる溶液に
浸漬し、軽くミキサーにかけて果肉部分を粉砕した後、
果芯ならびに種子部分を除き、室温にて1昼夜放置して
抽出を行う。次にガーゼで濾過後、その濾液を少量のセ
ライトを敷いたエナグラスにて減圧濾過を行い、得られ
た濾液を減圧下に濃縮して黄色溶液50mlを得る。
産)を剥皮し、さらに果実部分を果芯、種子部分から分
離して後、メタノール3L,水1Lの混液を加え、ミキ
サーにて粉砕する。粉砕後、室温にて2日間放置して抽
出を行い、以下実施例1と同様に処理すればマルメロエ
キス50mlが得られた。
ゼインヒビター活性ならびにα−アミラーゼインヒビタ
ー活性を試験した。試験例1 カリン抽出液のチロシナーゼインヒビター活性 L−チロシン水溶液(30mg/200ml) 10ml 緩衝液(pH 6.8マッキルベイン緩衝液) 10ml 蒸留水 20ml 実施例1で得られたカリン溶液 0.9ml 上記組成の溶液を37℃で10分間加温した後、チロシ
ナーゼ水溶液(1mg/ml、マッシュルーム由来、和
光純薬)0.1mlを加え、30分間酵素反応を行う。
対照としてカリン溶液の代わりに蒸留水を同量用いて酵
素反応を行う。チロシナーゼによって生成するドーパク
ローム(メラニンが生成する場合の前段階の物質)の量
を650nmの吸光度測定によって求め、これに基づい
て、次の計算式によりカリン溶液の示すチロシナーゼイ
ンヒビター活性を算出した。 インヒビター活性=[(A−B)/A]×100 A:対照溶液の吸光度 (0.470) B:カリン抽出液含有試料の吸光度 (0.002) 計算の結果、実施例1で得たカリン抽出液のインヒビタ
ー活性は99.6%であった。実施例2で調製したマル
メロ抽出液についても、上記と同様に試験したところ、
以下の結果を得た。 A:0.510;B:0.005 チロシナーゼインヒビター活性=99.0%
に1mlのα−アミラーゼ(0.5%水溶液、細菌由
来、和光純薬)を加えてよく混合する。そのうち1ml
を2番目の試験管に入れて混合し、その1mlをさらに
3番目の試験管に加え混合する。この操作を順次繰り返
し、9本目の試験管までの希釈系列を作る。なお9本目
の液の1mlは捨てる。水を加えず、アミラーゼ溶液1
mlのみの試験管も用意して0本目とする。以上を氷水
中に冷却しておく。次に各試験管に1%可溶性澱粉液5
mlずつを加え、全部加え終わった後一斉に40℃の恒
温槽に置き、1時間酵素反応を行う。次に試験管を氷水
中に入れて冷却する。冷却後、試験管の高さの80%程
度まで水を加え、この上に0.1Nヨード液1滴を加え
てヨード澱粉反応による呈色(青紫色〜赤色)を見る。
実施例1で得られたカリン溶液1ml+水9mlの溶液
を上記水1mlの代わりに各試験管に入れ、同様に酵素
反応を行い、ヨード澱粉反応による呈色を見る。その結
果は次の表1の通りであった。尚、●はヨード澱粉反応
陽性、○は陰性を表す。
ゼインヒビター活性が認められた。実施例2で調製した
マルメロ抽出液についても上記と同様に試験した結果、
試験管No.0〜2を除いて、すべてヨード澱粉反応陽
性であった。
を留去してのち、次の処方で美白クリームを調製した。 カリン抽出エキス 5ml相当分 ステアリルアルコール 6.0ml ステアリン酸 1.0 水添ラノリン 5.0 オクチルドデシルアルコール 10.0 ポリオキシエチレン(20モル)モノセチル アルコールエーテル 4.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 プロピレングリコール 5.0 精製水 66.0 香料 適量 防腐剤 適量
パラテーム5gを泡立て器でよく混合する。これに卵6
0gを少しずつ加えてさらによく混ぜ合わせる。別に小
麦粉300g,ベーキングパウダ1gおよび実施例2で
得られたマルメロエキス50ml相当分を溶媒を減圧下
完全に溜去したものをよく練り合わせる。これを先の混
ぜ合わせたものとよく混合したのち、冷蔵庫で30分放
置する。次にこれを適当な型に成型し、約170℃で2
0分間焼成して、目的のクッキー約1、000gを得
る。
キスは優れたチロシナーゼインヒビターならびにα−ア
ミラーゼインヒビター活性を有し、化粧品あるいはダイ
エット食品用などの添加物として有用である。
Claims (7)
- 【請求項1】 バラ科植物の果実から抽出して得られる
酵素阻害剤。 - 【請求項2】 バラ科植物がカリンまたはマルメロであ
る請求項1の酵素阻害剤。 - 【請求項3】 抽出をメタノール、エタノール、プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコールおよびその混合
物またはそれらと水との混合物から選択される溶剤を用
いて行う請求項1の酵素阻害剤。 - 【請求項4】 α−アミラーゼインヒビターを含有する
請求項1の酵素阻害剤。 - 【請求項5】 チロシナーゼインヒビターを含有する請
求項1の酵素阻害剤。 - 【請求項6】 請求項4の酵素阻害剤を含有するダイエ
ット食品。 - 【請求項7】 請求項5の酵素阻害剤を含有する化粧
品。
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---|---|---|---|
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Cited By (6)
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JP2013032331A (ja) * | 2011-07-06 | 2013-02-14 | Kose Corp | 脂質産生抑制剤、皮脂産生抑制剤およびトリアシルグリセロール産生抑制剤 |
JP2014181225A (ja) * | 2013-03-21 | 2014-09-29 | Kose Corp | 樹状突起負制御剤 |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP21206193A patent/JP3590908B2/ja not_active Expired - Fee Related
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FR2730408A1 (fr) * | 1995-02-09 | 1996-08-14 | Hanna Claude | Compositions a activite depigmentante ainsi que leurs applications |
WO1996024327A1 (fr) * | 1995-02-09 | 1996-08-15 | Hanna, Claude | Compositions a activite depigmentante ainsi que leurs applications |
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