JPH0717840B2 - 樹脂用改質剤 - Google Patents

樹脂用改質剤

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JPH0717840B2
JPH0717840B2 JP1019304A JP1930489A JPH0717840B2 JP H0717840 B2 JPH0717840 B2 JP H0717840B2 JP 1019304 A JP1019304 A JP 1019304A JP 1930489 A JP1930489 A JP 1930489A JP H0717840 B2 JPH0717840 B2 JP H0717840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は樹脂用改質剤に関する。
[従来の技術] 樹脂の改質が、異なった性質を持っポリマー同志をブレ
ンドするポリマーブレンドにより盛んに検討されてい
る。たとえば、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂とエ
チレン−不飽和グリシジル化合物の共重合体とのポリマ
ーブレンドが知られている(例えば特開昭60−21726号
公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら従来のものは、流動性が低下するなどの課
題があった。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリオレフィン(a)のブロック
(A)と、芳香族ビニル系重合体(b)、ポリアミドに
親和性のある重合体(c)およびポリエステルに親和性
のある重合体(d)からなる群より選ばれる重合体のブ
ロック(B)を有する重合体からなる樹脂用改質剤であ
る。
本発明においてポリオレフィン(a)としては、高密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、プロピレン重合体、ポリブテン、ポリ−4−メチル
ペンテン−1、エチレンとα−オレフィンの共重合体、
プロピレンとα−オレフィンの共重合体などのポリオレ
フィン類またはそのオリゴマー類;エチレン−プロピレ
ンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム,
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ブチルゴム、ブタジエ
ンゴム、低結晶性エチレン−プロピレン共重合体、プロ
ピレン−ブテン共重合体、エチレン−ビニルエステル共
重合体、エチレン−アクリルエステル共重合体、ポリプ
ロピレンとエチレン−プロピレンゴムのブレンドなどの
ポリオレフィン系エラストマー類および、これらの二種
以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましくはプ
ロピレン重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合
体、低密度ポリエチレンおよびそれらのオリゴマー類で
あり、特に好ましくはプロピレン重合体、プロピレンと
α−オレフィンの共重合体およびそれらのオリゴマー類
である。
このポリオレフィン(a)の分子量は特に制限はない
が、数平均で通常500〜20000、好ましくは2000〜15000
である。
芳香族ビニル系重合体(b)としては、芳香族ビニル化
合物またはこれと共重合可能な他のビニル化合物との重
合体または共重合体が使用できる。この芳香族ビニル化
合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、
ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエ
ン、クロルビニルトルエン、アセトキシスチレン、ヒド
ロキシスチレン等を挙げることができる。共重合可能な
他のビニル化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルな
どが挙げられる。芳香族ビニル系重合体(b)のうち好
ましいものは、スチレンの重合体およびスチレンとアク
リロニトリルの共重合体である。
これら芳香族ビニル系重合体の分子量は、数平均で通常
1000〜60000、好ましくは3000〜30000である。
ポリアミドに親和性のある重合体(c)としては、三員
環以上のラクタムの開環(共)重合体、重縮合可能なア
ミノ酸の共重縮合体、ジカルボン酸とジアミンとの
(共)重縮合体等のポリアミドが挙げられる。
三員環以上ラクタムの開環(共)重合体としては、ε−
カプロラクタム、ドデカノラクタム、カプリルラクタ
ム、エナントラクタム等の開環(共)重合体、重縮合可
能なアミノ酸の(共)重縮合体としてはアミノカプロン
酸、11−アミノウンデカン酸等のアミノ酸の(共)重縮
合体が挙げられる。ジカルボン酸とジアミンの(共)重
縮合体としてはヘキサメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレン
ジアミン、メタキシリレンジアミン、ポリテトラメチレ
ングリコールの末端アミノ化物等のジアミンと、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸類、アジピン酸、セバシン酸、ドデカ
ン2塩基酸、グルタール酸等の炭素数2〜30の脂肪族ジ
カルボン酸類等のジカルボン酸との(共)重縮合体等が
挙げられる。
本発明の改質剤の製法としては、以下のような方法があ
げられる。
(I)ポリオレフィン(a)を上記の酸無水物基含有不
飽和化合物で変性したものと、すくなくとも片末端に酸
無水物と反応性を有する基をもつ(b)、(c)および
(d)からなる群より選ばれる重合体とを反応させる方
法。
(II)ポリオレフィン(a)を上記の酸無水物基含有不
飽和化合物で変性したものと、溶剤の存在下に上記のポ
リアミドに親和性のある重合体(c)およびポリエステ
ル親和性のある重合体(d)の説明の際に挙げたジオー
ル成分とジカルボン酸成分、またはジカルボン酸成分と
ジアミン等を重縮合させる方法。
(III)ポリオレフィン(a)をオゾン処理した後、上
記の芳香族ビニル系重合体(b)の項で説明した芳香族
ビニル化合物またはこれと共重合可能な他のビニル化合
物などのビニル系モノマーを重合させる方法。
(IV)ポリオレフィン(a)を放射線処理した後、上記
の芳香族ビニル化合物またはこれと共重合可能な他のビ
ニル化合物などのビニル系モノマーを重合させる方法。
(I)で用いられるポリオレフィン(a)の末端および
/または分子内の二重結合量は特に制限はないが、炭素
数1000あたり通常0.5個以上、好ましくは1.5個より多
く、特に好ましくは末端にのみ1.5個より多い個数であ
る。炭素数1000あたり0.5個未満ではポリオレフィンに
付加しない酸無水物基含有不飽和化合物および/または
その重合体が増えて問題がある。末端にのみ1.5個より
多い個数を有するものを用いると、酸無水物基含有不飽
和化合物がポリオレフィンの末端に付加し、酸無水物基
含有不飽和化合物で変性したポリオレフィンとすくなく
とも片末端に酸無水物と反応性を有する基をもつ
(b)、(c)および(d)からなる群より選ばれる重
合体とを反応させたものがブロック共重合体になる確率
が高い。
(I)および(II)においてポリオレフィン(a)を酸
無水物基含有不飽和化合物で変性するにあたり、変性に
用いる酸無水物基含有不飽和化合物の量は、ポリオレフ
ィン(a)に対して、通常0.5〜30重量%であり、好ま
しくは3〜15重量%である。
酸無水物基含有不飽和化合物で変性された変性ポリオレ
フィンは上記の酸無水物基含有不飽和化合物とポリオレ
フィンとを有機過酸化物の存在下で反応させることによ
ってできる。有機過酸化物としては一般にラジカル重合
において開始剤として用いられているものが使用でき、
通常100℃での半減期が1分間以上のものが用いられ
る。具体的には、1,1−ビス−1−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのようなケトンパー
オキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパー
オキシドのようなジアルキルパーオキシド、ベンゾイル
パーオキシドのようなジアシルパーオキシド、2,5−ジ
メチル−ベンゾイルパーオキシヘキサンのようなパーオ
キシエステル、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ハイドロ
パーオキシドのようなハイドロパーオキシドなどが挙げ
られる。
変性ポリオレフィンの製造法としては溶液法、溶融法い
ずれの方法も用いることができる。溶液法では、変性ポ
リオレフィンは、ポリオレフィン(a)および酸無水物
基含有不飽和化合物、または酸無水物基含有不飽和化合
物の混合物を有機過酸化物とともに有機溶媒に溶解し、
加熱することにより得ることができる。使用する有機溶
媒としては、炭素数6〜12の炭化水素、炭素数6〜12の
ハロゲン化炭化水素などを用いることができる。反応温
度は通常使用するポリオレフィンが溶解する温度であ
り、好ましくは110〜170℃である。
溶融法では、変性ポリオレフィンは、ポリオレフィン
(a)と酸無水物基含有不飽和化合物または酸無水物基
含有不飽和化合物の混合物を有機過酸化物と混合し、溶
融混合して反応させることによって得ることができる。
これは押し出し機、ブラベンダー、ニーダー、バンバリ
ーミキサー、などの各種混合機などで行うことができ、
混練温度は通常、使用されるポリオレフィンの融点以上
ないし300℃以上の温度範囲、好ましくは120〜220℃で
ある。
少なくとも片末端に酸無水物基と反応性を有する基を持
つ重合体において、酸無水物基と反応性の基としてはエ
ポキシ基、水酸基、アミノ基等が挙げられ、好ましくは
アミノ基と水酸基である。これらの基は重合体の分子内
および/または末端に含まれていてよい。好ましくは少
なくとも片末端にこれらの基を有するものである。
ビニル系重合体{(b)、(c)および(d)における
ビニル系モノマーを構成単位として含むビニル系重合
体}の末端にこれらの基を導入する方法としては、末端
構造に対応する連鎖移動剤の存在下でビニル系モノマー
を重合させる方法がある。この連鎖移動剤としてはメル
カプタン化合物が使用できる。たとえば、導入したい基
が水酸基の場合、チオグリセリン、メルカプトエタノー
ル等が使用でき、導入したい基がアミノ基の場合2−ア
ミノエタンチオール等が使用できる。
重合方法としては公知のラジカル重合開始剤の存在下で
の、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられ
る。好ましくは溶液重合法である。
ポリアミドに親和性のある重合体(c)で、ジカルボン
酸とジアミンとの(共)重縮合体の場合ジカルボン酸、
ジアミンの反応モル比によって、末端アミノ基型にする
ことができる。すなわちジアミンをジカルボン酸より過
剰モル用いて重縮合させて末端アミノ基型ポリアミドを
得ることができる。
三員環以上のラクタムの開環(共)重合体および重縮合
可能なアミノ酸の(共)重縮合体の場合は通常末端にア
ミノ基を含有している。
ポリエステルに親和性のある重合体のうち、ジカルボン
酸成分とジオール成分との重縮合体の場合はジカルボン
酸成分とジオール成分との反応モル比によって、末端水
酸基型にすることができる。すなわち、ジオール成分を
ジカルボン酸成分より過剰モル用いることによって末端
水酸基型にすることができる。
不飽和酸無水物で変性されたポリオレフィンと酸無水物
基と反応性を有する基を有する重合体との反応方法の例
としては、酸無水物基含有不飽和化合物で変性されたポ
リオレフィンと末端水酸基またはアミノ基を有する重合
体との、酸無水物基に対する水酸基またはアミノ基の付
加反応が挙げられる。また通常のアミド製造法、エステ
ル製造法に従い脱水縮合反応を行なう方法が挙げられ
る。このとき無溶剤系で反応を行なっても、ベンゼン、
トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の溶剤を用いて
反応を行なってもよい。また反応性を高めるために一旦
カルボン酸クロライド基にして縮合反応を行なってもよ
い。さらに触媒を用いることもできる。触媒としては、
Mg,P,S,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Sr,Mo,Pd,Su,B
a,Pb系化合物などを使用することができる。
一例を示せばアミド製造法、エステル製造法に従う縮合
反応、酸無水物基との付加反応とともに通常120℃〜230
℃に加熱し数時間縮合反応を行ない、その後減圧昇温し
てブロック(A)とブロック(B)を有する重合体を得
ることができる。
(II)の方法では、通常のアミド製造法、エステル製造
法に従い溶剤の存在下、酸無水物基含有不飽和化合物で
変性されたポリオレフィンと重合対(c)および(d)
の項で説明したジカルボン酸(成分)、ジアミン、ジオ
ール成分等を用いて脱水縮合反応、脱溶剤縮合反応、酸
無水物基との付加反応を行なわせることができる。溶剤
は(I)で用いたものが好ましい。触媒等も同様に使用
できる。
(III)の方法は「グラフト重合とその応用」(井出文
雄著、p108〜121、(株)高分子刊行会発行)および特
公昭46−4383号公報などの参考文献に記載されている様
な技術を使用できる。
オゾン処理するポリオレフィンとしては上記した各種ポ
リオレフィンが使用できるが、プロピレン重合体および
/またはプロピレン−α−オレフィンの共重合体が好ま
しい。プロピレン以外のα−オレフィンが4重量%未満
のものが好ましい。
(IV)放射線処理した重合体にビニル系モノマーを反応
させる法は種々の公知の技術を使用できる。例えば特公
昭33−8543号、特公昭37−6643号,7890号,9836号,11437
号,6146号各公報、高分子化学 第21巻 第234号(196
4)p657〜665、高分子工学講座15 放射線高分子化学
(高分子学会編)p107〜136等に記載されている様な技
術を使用できる。
これらのうち(I)の方法が好ましい。
本発明の改質剤は公知の種々の樹脂に使用できる。例え
ば、熱硬化性樹脂(ホルムアルデヒド樹脂、フェノール
樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化
性ポリウレタン等)、以下の熱可塑性樹脂、例えばポリ
オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オ
レフィン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン、ポリブ
テン等)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、AS樹脂、AB
S樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂、スチレ
ン−ブタジエン樹脂,HIPS等)、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリアセタール、ポ
リアミド(ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロ
ン11,ナイロン12等)、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンエーテルなどの芳香族ポリエーテル類、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフイ
ド、エラストマー類(エチレン−プロピレンゴム、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、EPDM、ブタジエン
ゴム、スチレン−(水添)共役ジエン系エラストマー、
ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー、熱可塑性ポリウレタン等)などの樹脂およびこれら
の二種以上の樹脂組成物の改質剤として使用できる。こ
れらのうち、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィ
ン共重合体、スチレン系樹脂、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、芳香族ポリエーテル類、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、からなる群より
選ばれる樹脂または樹脂組成物に用いるのが好ましく、
ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合
体、ポリアミド、芳香族ポリエーテル類、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、からな
る群より選ばれる樹脂または樹脂組成物に用いるのが特
に好ましい。
本発明の改質剤の樹脂に対する添加量は対象樹脂または
樹脂組成物100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好
ましくは1〜15重量部である。本発明の改質剤の樹脂と
の混合は上記の変性ポリオレフィンの製造法の説明のと
きに挙げた各種混合機を用いて実施できる。
[実施例] 以下実施例により、本発明をさらに説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。以下の記載において
部および%はそれぞれ重合部および重量%を意味する。
また評価方法は以下の方法を用いた。
引張り伸び(ASTM D638) 熱変形温度(ASTM D648,4.6kg/cm2) 衝撃強度(ASTM D256,ノッチ付,3.2mm厚,23℃) 流動性(渦巻金型を用いて射出成形した時の流動長、い
わゆるスパイラルフロー長(厚さ2mm)を測定した。) 塗装性(碁盤目試験による塗料残存率(%)を以下の方
法により求めた。試験片をトリクロロエタン蒸気に45秒
間接触させた後、アルキッド系塗料(関西ペイント
(株)製)を膜厚が20μmとなるように塗料して120℃
で40分間乾燥した後、この塗膜に縦1mm横1mmの碁盤目を
100ケ刻み、セロハン粘着テープによって45度の角度で
急激に塗膜を剥離する操作を2回繰り返し、残った塗膜
の碁盤目の割合(%)を求めた。) 製造例1 無水マレイン酸5部とポリプロピレン(分子量12000、
炭素数1000個当り1.7個末端二重結合含有)95部をキシ
レンに加熱溶解後、ジクミルパーオキシドの存在下に反
応させて無水マレイン酸含量4.5%の無水マレイン酸変
性ポリプロピレン(以下、MO−1と略記)を得た。
製造例2 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート2本、温度計およびガ
ス吹き込み口を備えたフラスコにスチレン20部、キシレ
ン80部、2−メルカプトエタノール0.1部を仕込んだ。
一方の滴下ロート(滴下ロート1)にスチレン80部、2
−メルカプトエタノール0.15部を仕込む。もう一方の滴
下ロート(滴下ロート2)にアゾビスイソブチロニトリ
ル1.2部およびテトラヒドロフラン20部を仕込んだ。フ
ラスコ内液温を80℃に昇温し、窒素気流下、液温を80℃
に保ったまま、滴下ロート1より内容物を3時間、滴下
ロート2より内容物を4時間かけて滴下した。滴下終了
後さらに2時間80℃を保った。このときのスチレンの重
合率は98.3%であった。溶剤を溜去して98部の末端水酸
基を有するポリスチレン(以下、MV−1と略記)を得
た。分子量2900、水酸基価17であった。
製造例3 ヘキサメチレンジアミン570部、アジピン酸342部および
テレフタル酸408部をステンレス製セパラブルコルベン
に仕込み、窒素気流下180〜230℃で8時間脱水重縮合を
行ないアミン価40のアミノ基末端ポリアミド(以下、A
−1と略記)を得た。分子量2800であった。
実施例1 MO−1 40部およびMV−1 20部をキシレンに加熱溶解
後、140〜180℃で6時間反応させて、分子量42000、水
酸基価0.5のポリオレフィンのブロックと芳香族ビニル
系重合体のブロックを有する重合体(以下、OV−1と略
記)である本発明の改質剤を得た。
実施例2 MO−1 50部およびA−1 35部を180〜230℃で1時間
反応させて、分子量20000、全アミン価5のポリオレフ
ィンのブロックとポリアミドに親和性のある重合体から
なるブロックを有する重合体(以下、OA−1と略記)で
ある本発明の改質剤を得た。
実施例3 ポリプロピレン(商品名ウベポリプロJ609H、宇部興産
(株)製、以下PP−Aと略記)20部、変性芳香族ポリエ
ーテル(商品名ノリル731J、エンジニアリングプラスチ
ックス(株)製、以下変性PPEと略記)80部およびOV−
1 5部を二軸押し出し機を用いてシリンダー温度260
〜270℃でブレンドした後、シリンダー温度280℃、射出
圧力1000kg/cm2、金形温度70℃で射出成形して得た試験
片の特性を評価した。また、試験片を液体窒素中で破断
した後、破断面を電子顕微鏡で観察して分散粒径を測定
して相溶性の評価を行なった。耐溶剤性は加圧プレスに
て得たフイルムをケロシンに2日間浸漬して外観を観察
した。結果を表1に示す。
比較例1 OV−1を加えなかったこと以外は実施例3と同様にして
行なった。結果を表1に示す。
実施例4 ナイロン66(商品名レオナ1300S、旭化成(株)製、以
下PAと略記)100部およびOA−13部を二軸押し出し機を
用いてシリンダー温度260〜280℃でブレンドした後、シ
リンダー温度280℃、射出圧力800kg/cm2で射出成形して
得た試験片の特性を評価した。結果を表2に示す。
比較例2 OA−1を加えなかった以外は実施例4と同様にして行な
った。結果を表2に示す。
実施例5 PP 100部およびOA−1 5部を二軸押し出し機を用い
てシリンダー温度170〜210℃でブレンドした後射出成形
して80x80x4mmの平板を得た。この平板を用いて塗装性
を評価した。結果を表3に示す。
比較例3 OA−1を加えなかった以外は実施例5と同様にして行な
った。結果を表3に示す。
「発明の効果] 本発明は以下の効果を有する。
1.ポリマーブレンドによる樹脂の改質を行なう場合、何
等かの方法で樹脂同志の相溶性を上げてやる必要がある
が、相溶性を上げた場合流動性が低下してしまい成形品
にする場合問題になることが多かった。本発明の改質剤
は流動性を低下させることなく樹脂同志の相溶性を上げ
ることができるという効果を有する。
2.ブロック(A)およびブロック(B)の組成、構造を
種々選択することによって、従来得にくかったポリオレ
フィン系のいろいろなブロック体が容易に得られる。
上記効果を有することから本発明の改質剤は様々な用途
に使用できる。例えば、流動性向上剤、滑剤、塗装性向
上剤、結晶化促進剤、耐衝撃性向上剤、フィラー分散剤
等に使用できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−120719(JP,A) 特開 昭63−120718(JP,A) 特開 昭60−221410(JP,A) 特開 昭54−73893(JP,A) 特開 昭62−10125(JP,A) 特開 昭48−92447(JP,A) 特開 昭51−88720(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン(a)のブロック(A)
    と、芳香族ビニル系重合体(b)および/またはポリア
    ミド重合体(c)のブロック(B)を有するブロック共
    重合体からなり、ブロック(A)とブロック(B)が、
    カルボキシル基またはカルボン酸誘導体基を介して結合
    されたブロック共重合体からなる樹脂用改質剤。
  2. 【請求項2】(a)が分子量500〜20000のポリオレフィ
    ンである請求項1記載の改質剤。
  3. 【請求項3】改質剤が末端にのみ二重結合を有するポリ
    オレフィンを酸無水物基含有化合物で変性したものと、
    少なくとも片末端に酸無水物と反応性を有する基を持つ
    芳香族ビニル系重合体(b)またはポリアミド重合体
    (c)との反応物である請求項1または2記載の改質
    剤。
  4. 【請求項4】(c)が三員環以上のラクタムの開環
    (共)重合体、重縮合可能なアミノ酸の共重縮合体また
    はジカルボン酸とジアミンとの(共)重縮合体である請
    求項1〜3の何れか記載の改質剤。
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