JPH0717772B2 - ポリ塩化ビニル被覆用組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル被覆用組成物

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JPH0717772B2
JPH0717772B2 JP11757286A JP11757286A JPH0717772B2 JP H0717772 B2 JPH0717772 B2 JP H0717772B2 JP 11757286 A JP11757286 A JP 11757286A JP 11757286 A JP11757286 A JP 11757286A JP H0717772 B2 JPH0717772 B2 JP H0717772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリ塩化ビニル被覆用組成物に関し、特に可
塑剤を含む軟質ポリ塩化ビニルに対して優れた可塑剤移
行防止性を有するポリ塩化ビニル被覆用組成物に関す
る。
(従来の技術) フィルム、シート、合成皮革などに使用されるポリ塩化
ビニルは可撓性が要求されることから、可塑剤を一般に
併用して使用されている。
しかし、これ等の製品は使用中に可塑剤などが表面に移
行し、製品の表面が粘着性を示したり、フィルム間のブ
ロッキングや汚染性が増大するなどの好ましくない結果
を生じた。
このため、従来製品の表面に塩化ビニル/アクリル樹
脂、ウレタン樹脂等を塗布することが行なわれている
[「塩ビとポリマー」、18(9),21(1978).,同,18
(10),30(1978).,同,18(11),10(1978)]。また
可塑剤の移行を抑制することを目的とした被覆材も提案
されている。
例えば、特公昭48−17543号公報では、(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体とアミノ樹脂とを反応させたポリ
マーが可塑剤の移行防止効果に有効であることを、特開
昭59−138239号公報では(メタ)アクリル酸共重合体と
ポリイソシアネート化合物からなる被覆材を塗布して硬
化させることにより可塑剤の移行を抑制できるとを開示
している。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、一般に使用されているアクリル樹脂の場
合、ガラス転移温度が高く、最も可塑剤移行防止効果の
高いポリメタクリル酸メチルにおいても、十分な移行防
止性を有するとはいえない。
しかも、これ等の被覆材には、柔軟性、密着性、アンチ
ブロッキング性も合せて求められているが、上記被覆材
においては柔軟性、密着性を向上させようとすると可塑
剤移行防止性が更に低下するという欠点があり、このた
め、これ等の特性を全て満足させることが困難であり、
可塑剤移行防止性は未だに不十分である。
本発明者等は、実用特性として十分な柔軟性、密着性、
アンチブロッキング性を有し、なおかつ優れた可塑剤移
行防止性を付与するために鋭意研究した結果、特定のブ
ロック共重合体を含有する被覆組成物がこれ等の物性の
全て満足することを見出して本発明を完成したものであ
る。
(問題点を解決するとための手段) 本発明は、パーフルオロアルキル基とN−メチロール基
とを有する特定の含フッ素重合体部分及びポリ塩化ビニ
ルと密着性のある特定の重合体部分からなるブロック共
重合体を含有することを特徴とするポリ塩化ビニル被覆
用組成物である。即ち、本発明は 〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−,
−C(CpH2p+1)H−,又は−CH2C(CpH2p+1)H−,Rf
はCnF2n+1,(CF2)nH, であり、pは1〜10、nは1〜16の整数である。〕 で示される構成単位(a)、 で示される構成単位(b)、 前記構成単位(a)、(b)と共重合性を有する構成単
位(c)とからなり構成単位(a)/構成単位(b)/
構成単位(c)の重量比率が(5〜60重量%)/(2〜
25重量%)/(15〜93重量%)である含フッ素共重合体
部分(A)と、 で示される構成単位(d)を少なくとも20重量%含有す
る重合体部分(B)とのブロック共重合体であるポリ塩
化ビニル被覆用組成物に関する。
本発明において対象とするポリ塩化ビニルとは、一般の
ポリ塩化ビニルの他、種々の方法によって変性されたも
の、例えば他の単量体と塩化ビニル単量体を共重合して
合成した共重合体、或は他の重合体をグラフトしたグラ
フト化ポリ塩化ビニル等も全て含む総称である。
また、製品の用途に応じて可塑剤、安定剤、安定助剤、
滑剤、発泡剤、発泡助剤、充てん剤、顔料等を配合する
が、本発明のポリ塩化ビニルにはこれ等の配合物を含有
するものも含まれている。
本発明においてブロック共重合体の含フッ素重合体部分
は、優れた可塑剤移行防止性を発現させるためにパーフ
ルオロアルキル基及びN−メチロール基を含有すること
が不可欠である。
これ等の官能基の導入方法は特に限定されないが、官能
基含有量によっては可塑剤移行防止効果に差異が生じる
ため、含有量の調整のし易さ、合成の容易性等を考慮す
ると、これ等の官能基を含有する(メタ)アクリル酸エ
ステル又は(メタ)アクリル酸アミドを共重合成分とし
て用いてラジカル重合を行ない、重合体中にパーフルオ
ロアルキル基及びN−メチロール基を導入することが好
ましい。
N−メチロール基含有単量体(前記の構成単位(b)に
相当としては、N−メチロールアクリルアミドが特に有
効である。
また、パーフルオロアルキル基含有単量体(前記の構成
単位(a)に相当、移行(a)単量体とするの種類とし
て下記の一般式 CH2=CR1COOR2Rf (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−,
−C(CpH2p+1)H−,又は−CH2C(CpH2p+1)H−,Rf
はCnF2n+1,(CF2)nH, であり、pは1〜10、nは1〜16の整数である。) が有効であるが、可塑剤移行防止性は、パーフルオロア
ルキル基の種類にかかわらず、ある量が存在すれば物性
を発現するので、上記一般式以外の単量体であってもさ
しつかえなく、また(a)単量体は1種又は2種以上の
混合物であってもよい。
前記一般式の(a)単量体としては、具体的には例え
ば、 CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2 CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3CH2OCOCH=CH2 C8F17OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF24OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2 C7F15CON(C2H5)CH2OCOC(CH3)=CH2 C2F5CON(C2H5)CH2OCOCH=CH2 CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3)CH2OCOCH=CH2 CH3(CF27CON(CH2CH2CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 H(CF28CH2OCOCH=CH2 H(CF24CH2OCOCH=CH2 H(CF26CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF23CFHCF2CH2OCH=CH2 CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCH=CH2 C8F17SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2 C2F5SO2N(C2H5)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 C8F17SO2N(CH24OCOCH=CH2 C2F5SO2N(C3H7)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 C2F5SO2N(C2H5)C(C2H5)HCH2OCOCH=CH2 などがある。
可塑剤移行防止性は、前記含フッ素共重合部分(A)中
のパーフルオロアルキル基及びN−メチロール基の含有
量に依存する。
前記の含フッ素共重合体部分(A)は前述のように構成
単位、(a)、(b)、(c)より構成される。そして
その重量比率は5〜60:2〜25:10〜93であることが好ま
しい。構成単位(a)が60重量%を越えると可塑剤移行
防止性はほゞ一定値となり、コスト高になる分だけ不利
となる。
一方、構成単位(b)が25重量%を越えると、柔軟性が
低下し、物性全体から見て好ましくない。又構成単位
(a),(b)が夫々5重量%、2重量%未満の場合に
は可塑剤移行防止効果を生じない。更に、どちらか一方
の官能基が存在しないと可塑剤移行防止性だけでなくア
ンチブロッキング性も低下する傾向にある。
(c)成分は(a),(b)成分と共重合性のある単量
体であればよい。例えばα,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸であるアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、マレイン酸又はそのアルキ
ルエステル又はアミド等の誘導体、更にスチレン、アク
リロニトリル等を使用することができる。
これ等の具体例としては(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸i−ブチル、アクリルアミド、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。
ただし、柔軟性を付与する面から、アクリル酸エステル
を成分の一つとすることが適切である。例えば、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸エチルなどが好ましく、更には
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒド
ロキシプロピルのような極性をもつアクリル酸エステル
は、柔軟性を付与しながら可塑剤移行防止性も低下させ
ない単量体成分として好ましい。ただし、密着性の点で
いえば、極性の高いアクリル酸エステルに基づく単位を
含有することはマイナスの要因となる。
又、本発明におけるフッ素を含有しない重合体部分
(B)は、ポリ塩化ビニルに対して良好な密着性を付与
させ、更に可塑剤移行防止性を低下させないために、比
較的ガラス転移温度が高いことが好ましい。このため、
前記構成単位(d)が少なくとも20重量%含まれること
が必要であり、全量が(d)でもよい。(B)における
d成分以外の成分は密着性を維持するものであればよ
い。
重合体部分(B)中の構成単位(d)の存在量が20重量
%未満では、密着性、可塑剤移行防止性が共に低下す
る。
本発明のブロック共重合体における含フッ素重合体部分
(A)とフッ素を含有しない重合体部分(B)との比率
は、求められる特性に応じて決定されるが、重量比率で
25〜75〜90/10であることが好ましい。含フッ素重合体
部分(A)が25重量%未満では可塑剤移行防止性、柔軟
性、アンチブロッキング性が低下し、90重量%を越える
とポリ塩化ビニルとの密着性が低下し、更に被覆組成物
中にブロック共重合体以外の樹脂が存在する場合には、
樹脂との混和性も低下する。
本発明における被覆組成物には、ブロック共重合体以外
の樹脂、例えばアクリル樹脂や塩化ビニル樹脂等を併用
して用いることができる。ただし、可塑剤移行防止性を
低下させないためには、ブロック共重合体100重量部に
対し、100重量部以下の併用が適切である。また、本発
明の被覆組成物をポリ塩化ビニルに塗布後、適切な加熱
処理を行なって、N−メチロール基の一部を自己架橋さ
せることによりさらに可塑剤移行防止を向上させること
ができる。この場合、例えばp−トルエンスルホン酸の
ような酸触媒の使用、或はブロック共重合体のいずれか
一方の重合体部分にアクリル酸やメタクリ酸のような酸
成分を導入することが好ましい。
本発明の被覆組成物は、有機溶剤を用いて樹脂固形分を
5〜40重量%の範囲に調整することが好ましい。有機溶
剤としては、処理剤の塗膜形成成分の溶解性を著しく阻
害するもの以外であれば特に制限はない。例えば、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系溶剤、イソプロピルアルコール、エ
チルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール
系溶剤、酢酸エチルのようなエステル系溶剤、トルエ
ン、キシレン等の芳香族溶剤の使用が可能である。
本発明の被覆組成物には、汚れ防止効果その他諸性能を
向上させるための添加剤を配合することができる。ま
た、本発明の被覆組成物を艶消にする場合には、例えば
シリカ、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、ポリエチ
レン微粉末等、従来公知の艶消剤を添加して、分散させ
て使用することができる。
本発明におけるブロック共重合体の合成は公知の方法に
より行なうことができる。例えば、ポリメリックペルオ
キシドを開始剤として2段階の重合によって得られる。
例えば、次に示すようなポリメリックペルオキシド を用いて、ポリ塩化ビニルに密着性のある重合体となり
得る単量体(d成分)の1種又は2種以上を重合する。
この際、ポリメリックペルオキシドの活性酸素量を約50
%残存させたところで重合を停止させることにより、ペ
ルオキシ結合を含有する重合体を得ることができる。更
に、これを開始剤として、構成、単位(a)の1種又は
2種以上、構成単位(b)及び構成単位(c)を共重合
することによって、本発明における含フッ素重合体部分
とプラスチックと密着性を有する重合体部分とからなる
ブロック共重合体を得ることができる。
(発明の効果) 本発明の最も重要な特徴は、パーフルオロアルキル基及
びN−メチロール基を有する含フッ素重合体部分とポリ
塩化ビニルと密着性を有する重合体部分とが連結したブ
ロック共重合体を成分とすることであり、前者の重合体
部分で可塑剤移行防止性、アンチブロッキング性、柔軟
性を発現させ、後者の重合体部分では密着性を発現させ
ることができる。したがって、ブロック共重合体とする
ことによりはじめて、相反する特性であるこれ等の4つ
の特性を備えさせることが可能となる。
(実施例) 以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明す
る。なお、下記の実施例及び比較例における部数及び%
は全て重量基準である。
1)実施例試料の製法 試料1 (A)ペルオキシ結合含有重合体の製造 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に、メチ
ルエチルケトン300部を仕込み、窒素ガスを吹き込みな
がら70℃に加熱し、それに からなる混合液を2時間かけて仕込み、更に4時間重合
反応を行なった。
メタクリル酸メチルの重合転化率は98%であり、得られ
た溶液の性状は、25℃における粘度が2.5ポイズの透明
な溶液であった。
(B)ブロック共重合体の製造 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に前記
(A)のペルオキシ結合含有重合体のメチルエチルケト
ン溶液70部及び の混合液(II)を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら70
℃加熱して4時間反応を行ない、続いて80℃に昇温して
4時間反応を行なった。次に、メチルエチルケトンを16
5g仕込み、室温まで冷却して重合体を25.8%含み、25℃
における粘度が1.2ポイズの青白色透明溶液を得た。
試料2〜5及び比較例で使用する試料6、7の製造 試料1と同じ反応装置を用いて各種ブロック共重合体の
合成を行なった。試料1における(A)のペルオキシ結
合含有重合体のメチルエチルケトン溶液と第1表に示す
混合溶液を仕込み、重合反応を行なった。重合条件及び
その結果を下記第1表にあわせて示す。
試料8(比較例使用) ペルオキシ結合含有重合体の製造において、メタクリル
酸メチル300部の代りに、メタクリ酸2エチルヘキシル3
00部を使用した以外は全て試料2の製造時と同一の条件
でブロック共重合体を製造した。
ペルオキシ結合含有重合体の製造におけるメタクリ酸2
エチルヘキシルの重合転化率は97.5%であり、この溶液
の性状は、25℃における粘度が1.9ポイズの透明な溶液
であった。また、ブロック共重合体溶液の性状は、重合
体の含有量が39.5%、含フッ素重合体部分存在率が70.5
%、25℃における溶液の粘度が4.1ポイズであった。
試料9〜13(比較例使用) 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に、メチ
ルエチルケトンを60部仕込み、窒素ガスを吹き込みなが
ら加熱し、それに下記第2表に示した混合溶液を2時間
かけて仕込み、更に75℃で5時間、80℃で5時間重合反
応を行なった。
重合結果を第2表に示す。
実施例1−5、比較例1〜9 試料1〜13の重合体溶液を重合体が5〜15%になるよう
にメチルエチルケトンで希釈し、バーコーターを用いて
ジオクチルフタレート(DOP)を50%含有する60×60×2
mmの大きさの軟質塩化ビニルフィルム上に塗布した。重
合体有効成分塗布量が4.0g/m2になるように留意した
が、再現よく塗布量を統一することができないため、濃
度の異なる重合体溶液を塗布した塩化ビニルフィルムを
3種類以上用意し、70℃に1時間放置して乾燥した。次
いで重合体を塗布したフィルムの面上にDOPを33%含有
する60×60×2mmの大きさの軟質塩化ビニルフィルムを
それぞれ重ねあわせ、100g/cm2の荷重をかけて70℃の恒
温槽に放置した。DOPを50%含有するフィルムから33%
含有するフィルムに移行するDOP量を経時的に測定し、
4.0g/m2塗布時におけるDOP移行速度(Rm:g/m2/hr)を算
出した。
上述のDOP移行速度算出法は、図面に示したように、重
合体付着量4.0g/m2におけるDOP移行量(g/m2)を内挿法
より算出し、データ1〜5とする。この値と経時A時間
〜E時間の関係からDOP移行速度を算出した。
また、アンチブロッキング性は、70℃で40時間放置後の
重ねあわせたフィルム同志のはがれ易さから評価した。
測定基準は第3表に示す。また、重合体塗布後のフィル
ムの柔軟性及び密着性は、室温下でフィルムのもみ試験
を行なって判定した。
測定基準及び測定結果は下記第3表に示す。
以上の試験結果より、本発明の被覆組成物が優れた可塑
剤移行防止性を有することは明らかであり、またアンチ
ブロッキング性も良好であり、実用的にも十分な柔軟
性、密着性を有することが明らかである。
また、実施例5、比較例1及び2の結果で示されるよう
にパーフルオロアルキル基及びN−メチロール基の両官
能基が存在してはじめて、可塑剤移行防止性だけでな
く、アンチブロッキング性も向上している。
実施例6 試料2の重合体溶液50部にメチルエチルケトン48部を加
えて20%溶液とした後に、試料11の重合体溶液10部とメ
チルエチルケトン14.5部を加えて20%溶液を調整した。
実施例1と同一の方法に従って軟質塩化ビニルに上記調
整溶液を塗布し、可塑剤移行速度、アンチブロッキング
性、柔軟性、密着性を測定した。この結果を第4表に示
す。
実施例7 実施例6で調整した溶液40部にポリ塩化ビニル樹脂(商
品名MA−800F、信越化学工業社製)のテトラヒドロフラ
ン20%溶液を6部添加して20%重合体溶液を調整し、実
施例1と同じ試験を行なった。結果を第4表に示す。
比較例10 試料2の重合体溶液50部にメチルエチルケトン48部を加
えて20%溶液とした後に、試料11の重合体溶液44部とメ
チルエチルケトン63部を加えて20%溶液を調整し、実施
例1と同じ試験を行なった。結果を第4表に示す。
第4表に示される結果では、適切な量のアクリル樹脂、
塩化ビニル樹脂を併用した本発明の被覆組成物は可塑剤
移行を保持しながら、柔軟性、密着性が実施例2の場合
よりも更に向上することが示されている。ただし、併用
樹脂が多すぎると、可塑剤移行防止性は以上に低下し
た。
試料14〜16 (A)ペルオキシ結合含有重合体の製造 温度計、撹拌基及び還流冷却器を備えた反応器に、メチ
ルエチルケトン300部を仕込み、窒素ガスを吹き込みな
がら70℃に加熱し、それに からなる混合液を2時間かけて仕込み、更に4時間共重
合反応を行なった。得られた溶液の性状は、ペルオキシ
結合重合体を39.5%有し、25℃における粘度が5.2ポイ
ズの透明な溶液であった。
(B)ブロック共重合体の製造 前記(A)のペルオキシ結合含有重合体のメチルエチル
ケトン溶液と第5表に示す混合溶液を仕込み、重合反応
を行なわせた。重合条件並びにその結果を第5表にあわ
せて示す。
実施例8〜10 試料14〜16の重合体溶液にメチルエチルケトンを加え
て、それぞれ20%になるように調整した。この20%溶液
100部にポリ塩化ビニル樹脂(商品名MA−800F信越化学
工業社製)のテトラヒドロフラン20%溶液を20部添加し
て重合体溶液を調整し、実施例1と同じ試験を行なっ
た。
ただし、塩化ビニルフィルムに塗布後の乾燥条件を実施
例1における70℃、1時間の代わりに140℃、5分間と
した。試験結果を第6表に示す。
この結果から、本発明の被覆組成物が優れた可塑剤移行
防止性を示し、更にアンチブロッキング性、柔軟性、密
着性も良好であることが明らかである。
【図面の簡単な説明】 図面は、DOPの移行速度の算出方法を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−,
    −C(CpH2p+1)H−,又は−CH2C(CpH2p+1)H−,Rf
    はCnF2n+1,(CF2)nH, であり、pは1〜10、nは1〜16の整数である。〕 で示される構成単位(a)、 で示される構成単位(b)、 前記構成単位(a)、(b)と共重合性を有する構成単
    位(c)とからなり、構成単位(a)/構成単位(b)
    /構成単位(c)の重量比率が(5〜60重量%)/(2
    〜25重量%)/(15〜93重量%)である含フッ素共重合
    体部分(A)と、 で示される構成単位(d)を少なくとも20重量%含有す
    る重合体部分(B)とのブロック共重合体であるポリ塩
    化ビニル被覆用組成物。
  2. 【請求項2】重合体部分(B)は構成単位(d)である により構成される特許請求の範囲第1項の塩化ビニル被
    覆用組成物。
  3. 【請求項3】共重合体部分(A)と重合体部分(B)の
    割合が25/75〜90/10である特許請求の範囲第1項の塩化
    ビニル被覆用組成物。
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