JPH07173511A - 金属コロイドの製造方法及び同製造装置 - Google Patents

金属コロイドの製造方法及び同製造装置

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JPH07173511A
JPH07173511A JP34321493A JP34321493A JPH07173511A JP H07173511 A JPH07173511 A JP H07173511A JP 34321493 A JP34321493 A JP 34321493A JP 34321493 A JP34321493 A JP 34321493A JP H07173511 A JPH07173511 A JP H07173511A
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Kazuo Sudo
一男 須藤
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MICRO COLLOID KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全かつ高収率で容易に高品質の金属コロイ
ドを得ること。 【構成】 原料溶液3としてのイオン化された金属を適
宜粒径の霧状粒子として噴出させ、この噴出された霧状
粒子を水素炎の雰囲気中で反応させ、コロイドを生成さ
せる。噴出部15は、上下に移動自在のニードルによ
り、噴出口27の口径を自在に調節できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属コロイドの製造方
法及び同製造装置に関する。本発明による金属コロイド
の製造方法及び同製造装置は、イオン化できる金属であ
れば、重金属及び軽金属のいずれにも適用可能である。
【0002】重金属または軽金属のコロイドは、酸化還
元能力に優れており、各種の排気ガスの除去及び浄化を
目的とした触媒として注目されており、またこれらの特
有の触媒反応は医薬品として活性酸素の除去剤としての
研究がはじめられており、従来の薬学ではあまり着目さ
れていなかった生体触媒科学などの新たなる分野への活
躍に貢献することが期待されている。
【0003】
【従来の技術】金属コロイドの製造方法は、従来、白金
又はパラジウムについてのみ適用されるものであり、大
別すると、次の2通りに分けられる。すなわち、金属イ
オン溶液に電極を投じ、高電圧により電気泳動を発生さ
せて金属コロイドを生成する電弧法と、金属イオン溶液
を水素ガス中またはリンなどへ投じて還元反応を発生さ
せ、その後、燃焼により加熱し反応を促進させる燃焼法
である。化学的には、イオン状態の金属は固体金属より
も電子量が不足しているために、他の金属以外の原子と
ともに結合し溶液中に溶け込んでいるものなので、これ
をコロイド状態にするには、不足している電子量を補う
必要がある。そこで、前者の製法では電気を放電させ電
価を補うのであり、後者の製法では化学的に電子量を補
うために水素のもつ電子量を利用するのである。この
際、各製法にはコロイド化するための条件が多く、条件
の設定が少々狂うだけでコロイドにならず、肥大化した
質量の重い金属泥として沈降する。この金属泥にはコロ
イドの特性がほとんどみられない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】各製法の欠点は次の通
りである。電弧法では、金属イオン溶液中にプラスとマ
イナスの電極が投じられているために、各電極の化学的
変化が生じて純粋に溶液中にコロイドだけを生成するこ
とができなかった。すなわち、コロイド生成後の溶液中
にはコロイド以外の不純物が多く、またそれら不純物の
粒子の大きさが金属コロイド粒子と大差ないため、この
中からコロイドだけを抽出することが非常に難解な作業
となっていた。また、溶液中の電気抵抗は高いため、電
極から遠く離れるほど電圧は著しく低下し、電極に近い
コロイドほど高電圧を帯びているため反応が速まる。す
なわち、距離によってコロイド粒子の大きさが変わって
しまい、コロイドの粒子径が不均一であった。この結
果、粒子径の均一な単一金属だけの純粋な金属コロイド
を生成することは、きわめて難解であり、実用的ではな
かった。
【0005】また燃焼法では、水素等の還元反応によっ
て生成しているが、低温時より還元反応を発生させるた
めに、金属イオン溶液の表面だけがコロイドとなり、こ
れらがバ−ナ先端の出口に多く付着し、火炎熱により乾
燥してしまう。そして、ここに付着しなかったコロイド
だけが火炎部に到達し燃焼されて、コロイドとなるので
ある。しかし、既に低温で表面還元した液状もしくは煙
霧状の金属イオンは、その粒子の直径が大きいので、高
温度の火炎に突入した瞬間に急激に昇華され熱膨張す
る。このため、はじけるように音をたてながら小さな爆
発を生じさせるという欠点があった。またはじけ飛んだ
粒子は、均一の大きさではなく、多種多様なサイズにな
っていた。この結果、コロイド回収率が著しく低下し、
コロイド粒子の大きさを均一に保てないという欠点があ
った。
【0006】さらに、バ−ナの先端部についてみると、
乾いた微粒子は更に他の微粒子を互いに結合させやすい
ため、これが徐々にバ−ナの先端部の口径をせばめてゆ
き、最終的に、出口を金属粒子が塞ぐという欠点があっ
た。そして最悪の場合、バ−ナ装置に高圧ガスが充満
し、爆発する危険が伴っていた。
【0007】次に燃焼法の他の欠点として、金属コロイ
ドを安定させるための熱温度の設定方法が挙げられる。
燃焼温度は、還元させるための水素ガス等の圧力及び流
量と、合流させる金属イオン溶液の流量との混合量によ
って変化する。すなわち、バ−ナの先端部の口径がせば
まるにつれて、これらの噴出量全体が低下し、これにと
もない燃焼温度も下がる。ガスの噴射量を多くすれば火
の温度は高くなり、少なくすれば温度は下がるのであ
る。燃焼温度を制御する理由は、金属の種類によって温
度が高すぎるとコロイド粒子は融解してしまい、逆に低
すぎると完全な還元反応が達成できずにコロイドとはな
らなくなってしまうためである。この点、すなわち燃焼
温度を考慮した燃焼法の発明(特公平2−43801)
が提案されていたが、この燃焼法は燃焼の前に水素ガス
と金属イオン溶液を合流させているため、やはりバ−ナ
の噴出口が金属微粒子によって塞がってゆくものであ
り、上記例のように燃焼時間とともに温度が低下してゆ
くことは避けられないという欠点があった。このため、
出口の塞がれたバ−ナを交換してゆかなければならない
ので大量生産ができず、また爆発の危険を伴ない、コロ
イド安定の燃焼温度を常に一定に保てないので品質に問
題が生じていた。これでは、金属コロイドの種類が変わ
るたびに、水素ガス圧及び流量と、金属イオン溶液の流
量との混合量にふさわしい口径を備えたバ−ナを用意し
ておかなければならなかった。この発明では、金属イオ
ン溶液をバ−ナの内部の合流部まで送り出す方法は、特
公昭28−1999の白金コロイド製剤の製法と同じ方
法を採用しているため、水素ガスの噴出にともなう金属
イオン溶液供給管内の減圧に依存されてしまうという欠
点があった。すなわち、金属イオン溶液の流量と水素ガ
スの流量を個々別々に制御することは不可能であった。
よって、燃焼温度は、水素ガス圧とバ−ナの各部の口径
サイズの2か所のみでしか制御できず、コロイド粒子の
大きさを任意に変化させることはできなかった。
【0008】本発明は上記した欠点を解消し、安全かつ
高収率で、容易に高品質の金属コロイドを得られる金属
コロイドの製造方法及び同製造装置を供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は、原料溶液としてのイオン化された金属を適宜粒
径の霧状粒子として噴出させ、この噴出された霧状粒子
を水素炎の雰囲気中で反応させコロイドを生成させるこ
とを特徴とする金属コロイドの製造方法を供する。この
際、金属が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケ
ル、コバルト、鉄、ルテニウムのような重金属であるこ
とが考えられる。また、金属が、アルミニウム、亜鉛、
ガリウム、ゲルマニウム、カドミウム、錫、水銀、鉛の
ような軽金属であることが考えられる。また、霧状粒子
の粒径が原料溶液の液面を加圧する加圧空気による一定
圧の下、噴出口の口径調節及び原料溶液の送量調節によ
り決定されることが考えられる。また、水素炎の温度が
調節可能であることが考えられる。また、コロイド粒子
の肥大化を防止するため液体分散媒を緩やかに撹拌する
ことが考えられる。
【0010】併せて、本発明は、原料溶液としてのイオ
ン化された金属を収容する原料収容部と、該原料収容部
内の原料溶液の液面を加圧する加圧空気を供給する加圧
空気供給部と、原料溶液を適宜粒径の霧状粒子として噴
出させる噴出部と、噴出された霧状粒子を反応させる水
素炎を供給する加熱部と、生成された金属コロイドを収
容する収容部とからなり、上記加圧空気供給部と原料収
容部と噴出部とを順次開回路に接続し、噴出部を加熱部
の近傍に配設することを特徴とする金属コロイドの製造
装置を供する。この際、噴出部が噴出口の口径を調節す
る移動自在のニードルを備えてなることが考えられる。
また、加熱部が水素炎の火炎の温度調節が可能なバーナ
からなることが考えられる。また、原料収容部が加圧空
気供給部に空気圧制御弁を介して接続されるとともに、
噴出部に原料溶液制御弁を介して接続されることが考え
られる。また、収容部の底面に回転可能な撹拌子設ける
が考えられる。
【0011】
【作用】本発明においては、霧状粒子として供される金
属イオン溶液は、水素炎にて反応されコロイド化される
前には、水素との接触が遮断されているため、低温での
水素還元反応は一切ありえないのである。金属イオンは
還元反応をみせていない状態であれば、ある程度の乾燥
では互いの粒子の結合はほとんど生じないため、噴出口
付近の金属粒子の付着は考えられない。このため、噴出
口の閉塞による爆発といった事態を惹起せしめることは
ないのである。
【0012】また、原料溶液としてのイオン化された金
属は霧状粒子として供されるため、霧の粒子径を予め所
望の大きさに設定することが可能である。目的のコロイ
ド粒子の大きさはこの霧の粒子の大きさにより直接的に
決定されるため、生成されるコロイドの粒子径は均一に
なっている。かかるコロイド粒子の均一化と水素との低
温還元が防止される結果、コロイドの回収率を著しく向
上せしめることができる。
【0013】さらに本発明は電弧法を採用せず、かつ水
素との低温反応を防止するものであるため、回収作業は
容易であり、回収される金属コロイドも高純度のもので
ある。
【0014】
【実施例】次に、本発明による金属コロイドの製造方法
及び同製造装置を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0015】図1及び図2において、1は硬質ガラス製
のタンクからなる原料収容部であり、原料溶液3として
のイオン化された金属を収容する。上記原料収容部1
は、加圧空気の空気圧を制御する空気圧制御弁5を介し
て、パイプ7により空気タンク9に接続され、他方原料
溶液の送出量及び送出圧を制御する原料溶液制御弁11
を介して、硬質ガラス製のパイプ13により噴出部15
に夫々開回路に接続される。
【0016】上記接続において、空気圧制御弁5は原料
収容部1内の上部に開口され、原料溶液制御弁11は原
料収容部1の底面より吸込可能に接続される。
【0017】上記空気タンク9には、パイプ17により
コンプレッサ19が接続され、該コンプレッサ19によ
り圧縮作製された加圧空気21が収容される。そして上
記空気タンク9、コンプレッサ19及び空気圧制御弁5
により、原料収容部1内の原料溶液の液面を加圧する加
圧空気21を供給する加圧空気供給部23を構成する。
【0018】上記噴出部15は、細径で両端が開口され
た硬質ガラス製のミスト管25からなり、先端部に噴出
口27が形成される。該ミスト管25内には、先端が針
状になった硬質ガラス製のニードル29が上下に移動自
在に嵌合されており、このニードル29を上下に移動す
ることにより、噴出口27の口径を調節する。かかるニ
ードル29による噴出口27の口径調節、並びに原料溶
液制御弁11の調節による原料溶液の送量制御をするこ
とにより、加圧空気21によって一定圧に加圧された原
料溶液を適宜粒径の霧状粒子として、噴出口27より噴
出させるのである。本例では、ミスト管25は長さ約1
45mm、内径約10mm、噴出口27の内径約2.4
mm、ニードル29の外径約10mm、ミスト管25に
接続されるパイプ13の接続部13aは外径約12m
m、内径約8mmとしてある。
【0019】31は加熱部であり、基端部に空気の混合
装置(図示省略)を有し、この混合装置により火災温度
の調節ができるバーナ33からなる。このバーナ33は
水素ボンベ(図示省略)に接続してあり、噴出された霧
状粒子を反応させる水素炎を供給する。上記噴出部15
はかかる加熱部31の近傍に配設される。水素炎の火災
温度は目的とする金属コロイドに適合するよう設定され
る。火災温度は熱電対34で測定する。
【0020】35は硬質ガラス製のタンクからなる収容
部であり、生成された金属コロイド37を収容する。該
収容部35のなかには液体分散媒が入れてある。該液体
分散媒中には、必要により界面張力を補うために、蒸留
水にポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(ポリ
ソルベート80)のような界面活性剤が若干混入され
る。上記収容部35には底面に電磁石式撹拌装置38に
より回転するファンからなる撹拌子39を設けてある。
該撹拌子39はゆっくり回転することにより液体分散媒
をゆるやかに撹拌し、金属コロイドの密度を平均化し、
コロイド粒子の必要以上の肥大化を防止する。上記収容
部35は、液体分散媒の液温を一定(約45℃)以下に
保つため、タンク内の内壁に冷却・加熱水のパイプが蛇
腹状に設置される。この41、43はその入口、出口で
ある。45は収容部35内の温度を測る温度計である。
【0021】なお、イオン化された金属容液が触れる箇
所には、生成される金属コロイドの純度の低下を防止す
るため、金属からなる部材は使用せず、金属溶液と反応
しない材質、例えば上記したように硬質ガラス製とする
のが望ましい。
【0022】原料溶液3としては、イオン化できる金属
であれば、重金属及び軽金属のいずれでもよく、例えば
金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト、
鉄、ルテニウムなどの重金属、及びアルミニウム、亜
鉛、ガリウム、ゲルマニウム、カドミウム、錫、水銀、
鉛などの軽金属がある。そしてこの原料溶液は、その有
含成分である水とエタノールの配合比率が燃焼時の炎の
温度に影響を与える場合があるので、燃焼温度を一定に
維持するため、生成したいコロイドの粒子径に適合する
ようあらかじめ配合しておく。
【0023】次にかかる原料溶液3を使用して金属コロ
イドを製造する過程を説明する。空気圧制御弁5を一定
の圧力(約1気圧)で原料溶液3の液面を加圧すること
となるよう操作し、また原料溶液制御弁11及びニード
ル29を霧状粒子が目的の粒径となるよう設定する。例
えば、白金を原料溶液とする場合において、約50Å程
度の大粒径の霧状粒子をつくるときは、噴出口27の口
径は半径約0.6mmと広くし、かつ原料溶液3の送量
は約100cc/1時間と多く流す。これに対し、約1
0Å程度の小粒径の霧状粒子をつくるときは、噴出口2
7の口径は半径約0.1mmと狭くし、かつ原料溶液3
の送量は約50cc/1時間と少なく流す。加圧空気2
1の圧力は、原料溶液の種類にかかわらず常に一定であ
る。
【0024】このようにして噴出部15に至った原料溶
液3はニードル29によって所定に開口された噴出口2
7より、原料溶液制御弁11として噴出される。噴出さ
れた霧状粒子は、加熱部31の水素炎により直ちに還元
され、コロイドを生成する。水素炎の温度は、原料溶液
3に対応しあらかじめ設定しておく。例えば、粒径約1
0Å乃至約15Åの小粒径の白金コロイドを生成する場
合の水素炎の火災温度は約540℃である。
【0025】このようにして生成された金属コロイド
は、濾紙により不純物を取り除かれ、収容部35内に貯
蔵される。収容部35内に収容された金属コロイドは、
ペーハーや塩度等の調整を施され、pH7.2乃至pH
7.8程度として貯蔵され、必要によりゆっくり撹拌さ
れ、粒子の肥大化が阻止される。
【0026】本実施例による金属コロイドの製造方法及
び同製造装置によれば、次のような作用効果がある。即
ち、生成される金属コロイドは、加熱前に水素と接触す
ることがないので、低温での水素還元反応は一切ありえ
ない。金属イオンは還元反応をみせていない状態であれ
ば、ある程度の乾燥では互いの粒子の結合はほとんど生
じないため、噴出口付近の金属粒子の付着は考えられな
い。このため、噴出口27の閉塞による爆発といった事
態を惹起せしめることはないのである。
【0027】また原料溶液としてのイオン化された金属
は霧状粒子として供されるため、霧の粒子径を予め所望
の大きさに設定することが可能である。目的のコロイド
粒子の大きさはこの霧の粒子の大きさにより一義的に決
定されるため、生成されるコロイドの粒子径は均一にな
っている。かかるコロイドの粒子の均一化と水素との低
温還元が防止される結果、コロイドの回収率を著しく向
上せしめることができる。さらに本発明は電弧法を採用
せず、かつ水素との低温反応を防止するものであるた
め、回収作業は容易であり、回収される金属コロイドも
高純度のものである。
【0028】さらにまたコロイド粒子は、霧状粒子の粒
径を制御するこよにより、制御可能であり、霧状粒子の
粒径は微細にすることが可能であるため、従来の燃焼法
では不可能であった微細な粒子として金属コロイドを生
成することが可能となったのである。
【0029】次に、霧状粒子の粒径はニードル29を上
下に移動することにより任意に設定することができ、装
置の汎用化が可能となる。
【0030】また従来の金属コロイドの製造方法は白金
又はパラジウムについてのみ適用されるものであり、金
属一般に適用されるものではなかったのであるが、本発
明によれば、イオン化できる金属であれば、金、銀、
銅、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、ルテ
ニウムなどの重金属、及びアルミニウム、亜鉛、ガリウ
ム、ゲルマニウム、カドミウム、錫、水銀、鉛などの軽
金属のいずれにも適用可能である。
【0031】この点につき図3乃至図19を参照して詳
述する。各図は原子エネルギーの移動をコンピュータに
よりシュミレーションした結果、原子がどのように結合
するかを示す模型図である。各図のaは正面よりみた場
合、bは側面よりみた場合を示す。いずれもシュミレー
ト開始前には原子が分散していたものであるが、これに
分子間エネルギーの移動シュミレーションを行うと、図
3に示す白金コロイドと同様、図4乃至図17の原子の
結合状態はコロイド状態の5角形を呈することとなった
のである。しかも、この5角形の不安定な結合は、各金
属原子の距離が広い隙間のあいているという点で非常に
類似しており、かつ5角形の大きさが夫々非常に類似し
ている。このことから、前記した重金属及び軽金属のい
ずれにも、本発明は適用可能といえるのである。なお、
かかることは、比較例として示すマンガンの場合(図1
8)、白金の金属結合の場合(図19)と比較すると、
いずれも5角形結合にはなっておらず、明白である。
【0032】上記場合における金、銀、銅、パラジウ
ム、鉄及びアルミニウムについての水素炎の温度を表1
に示す。この場合生成される金属コロイドの粒径は、約
10Å乃至約15Åである。
【0033】
【表1】
【0034】本発明による金属コロイドの製造方法及び
同製造装置は、上記実施例に限定されない。例えば、原
料溶液となる重金属及び軽金属は上記した金属に限られ
ず、イオン化できるものであればよい。
【0035】噴出口の調節はねじ式のニ−ドルでもよ
く、また噴出口の口径を適宜に調節することができれ
ば、必ずしもニ−ドルを用いる必要はない。
【0036】さらに、コロイド粒子の肥大化を防止する
ことができるものであれば、攪拌子の形状、構造は問わ
ない。
【0037】
【発明の効果】このように本発明にかかる金属コロイド
の製造方法及び同製造装置によれば、安全かつ高収率で
容易に高品質の金属コロイドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属コロイドの製造装置の実施例
を示す概略正面図である。
【図2】図1のA部の拡大図である。
【図3】金属コロイド(白金)の結合状態を示す模型図
である。
【図4】金属コロイド(金)の結合状態を示す模型図で
ある。
【図5】金属コロイド(銀)の結合状態を示す模型図で
ある。
【図6】金属コロイド(銅)の結合状態を示す模型図で
ある。
【図7】金属コロイド(パラジウム)の結合状態を示す
模型図である。
【図8】金属コロイド(ニッケル)の結合状態を示す模
型図である。
【図9】金属コロイド(鉄)の結合状態を示す模型図で
ある。
【図10】金属コロイド(コバルト)の結合状態を示す
模型図である。
【図11】金属コロイド(ルテニウム)の結合状態を示
す模型図である。
【図12】金属コロイド(ロジウム)の結合状態を示す
模型図である。
【図13】金属コロイド(アルミニウム)の結合状態を
示す模型図である。
【図14】金属コロイド(ガリウム)の結合状態を示す
模型図である。
【図15】金属コロイド(ゲルマニウム)の結合状態を
示す模型図である。
【図16】金属コロイド(カドミウム)の結合状態を示
す模型図である。
【図17】金属コロイド(錫)の結合状態を示す模型図
である。
【図18】金属コロイド(マンガン)の結合状態を示す
模型図である。
【図19】金属コロイド(白金の金属結合)の結合状態
を示す模型図である。
【符合の説明】
1 原料収容部 3 原料溶液 5 空気圧制御弁 7 パイプ 9 空気タンク 11 原料溶液制御弁 13 パイプ 13a 接続部 15 噴出部 17 パイプ 19 コンプレッサ 21 加圧空気 23 加圧空気供給部 25 ミスト管 27 噴出口 29 ニードル 31 加熱部 33 バーナ 34 熱電対 35 収容部 37 金属コロイド 38 電磁石式撹拌装置 39 撹拌子 41 入口 43 出口 45 温度計

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料溶液としてのイオン化された金属を
    適宜粒径の霧状粒子として噴出させ、この噴出された霧
    状粒子を水素炎の雰囲気中で反応させコロイドを生成さ
    せることを特徴とする金属コロイドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属コロイドの製造方法
    において、金属が重金属であることを特徴とする金属コ
    ロイドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の金属コロイドの製造方法
    において、金属が金であることを特徴とする金属コロイ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の金属コロイドの製造方法
    において、金属が銀であることを特徴とする金属コロイ
    ドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の金属コロイドの製造方法
    において、金属が銅であることを特徴とする金属コロイ
    ドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の金属コロイドの製造方法
    において、金属が白金であることを特徴とする金属コロ
    イドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の金属コロイドの製造方法
    において、金属がパラジウムであることを特徴とする金
    属コロイドの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の金属コロイドの製造方法
    において、金属がニッケルであることを特徴とする金属
    コロイドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の金属コロイドの製造方法
    において、金属がコバルトであることを特徴とする金属
    コロイドの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の金属コロイドの製造方
    法において、金属が鉄であることを特徴とする金属コロ
    イドの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項2記載の金属コロイドの製造方
    法において、金属がルテニウムであることを特徴とする
    金属コロイドの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の金属コロイドの製造方
    法において、金属が軽金属であることを特徴とする金属
    コロイドの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の金属コロイドの製造
    方法において、金属がアルミニウムであることを特徴と
    する金属コロイドの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の金属コロイドの製造
    方法において、金属が亜鉛であることを特徴とする金属
    コロイドの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項12記載の金属コロイドの製造
    方法において、金属がガリウムであることを特徴とする
    金属コロイドの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項12記載の金属コロイドの製造
    方法において、金属がゲルマニウムであることを特徴と
    する金属コロイドの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項12記載の金属コロイドの製造
    方法において、金属がカドミウムであることを特徴とす
    る金属コロイドの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項12記載の金属コロイドの製造
    方法において、金属が錫であることを特徴とする金属コ
    ロイドの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項12記載の金属コロイドの製造
    方法において、金属が水銀であることを特徴とする金属
    コロイドの製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項12記載の金属コロイドの製造
    方法において、金属が鉛であることを特徴とする金属コ
    ロイドの製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至請求項20いずれか一記
    載の金属コロイドの製造方法において、霧状粒子の粒径
    が原料溶液の液面を加圧する加圧空気による一定圧の
    下、噴出口の口径調節及び原料溶液の送量調節により決
    定されることを特徴とする金属コロイドの製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至請求項21のいずれか一
    記載の金属コロイドの製造方法において、水素炎の温度
    が調節可能であることを特徴とする金属コロイドの製造
    方法。
  23. 【請求項23】 請求項1乃至請求項22のいずれか一
    記載の金属コロイドの製造方法において、コロイド粒子
    の肥大化を防止するため液体分散媒を緩やかに撹拌する
    ことを特徴とする金属コロイドの製造方法。
  24. 【請求項24】 原料溶液としてのイオン化された金属
    を収容する原料収容部と、該原料収容部内の原料溶液の
    液面を加圧する加圧空気を供給する加圧空気供給部と、
    原料溶液を適宜粒径の霧状粒子として噴出させる噴出部
    と、噴出された霧状粒子を反応させる水素炎を供給する
    加熱部と、生成された金属コロイドを収容する収容部と
    からなり、上記加圧空気供給部と原料収容部と噴出部と
    を順次開回路に接続し、噴出部を加熱部の近傍に配設す
    ることを特徴とする金属コロイドの製造装置。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の金属コロイドの製造
    装置において、噴出部が噴出口の口径を調節する移動自
    在のニードルを備えてなることを特徴とする金属コロイ
    ドの製造装置。
  26. 【請求項26】 請求項24又は請求項25記載の金属
    コロイドの製造装置において、加熱部が水素炎の火炎の
    温度調節が可能なバーナからなることを特徴とする金属
    コロイドの製造装置。
  27. 【請求項27】 請求項24乃至請求項26のいずれか
    一記載の金属コロイドの製造装置において、原料収容部
    が加圧空気供給部に空気圧制御弁を介して接続されると
    ともに、噴出部に原料溶液制御弁を介して接続されるこ
    とを特徴とする金属コロイドの製造装置。
  28. 【請求項28】 請求項24乃至請求項27のいずれか
    一記載の金属コロイドの製造装置において、収容部の底
    面に回転可能な撹拌子を設けたことを特徴とする金属コ
    ロイドの製造装置。
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