JPH07173188A - 新規アリソールおよびアリソール類を有効成分とする脳機能改善剤 - Google Patents

新規アリソールおよびアリソール類を有効成分とする脳機能改善剤

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JPH07173188A
JPH07173188A JP5343300A JP34330093A JPH07173188A JP H07173188 A JPH07173188 A JP H07173188A JP 5343300 A JP5343300 A JP 5343300A JP 34330093 A JP34330093 A JP 34330093A JP H07173188 A JPH07173188 A JP H07173188A
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JP
Japan
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alisol
compound
agent
improving agent
cerebral function
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JP5343300A
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English (en)
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Sumie Yamada
純江 山田
Takuji Yamaguchi
琢児 山口
Takashi Naito
崇 内藤
Kazunori Hashimoto
和則 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、コリンアセチルトランスフェラー
ゼ活性を賦活し、脳機能改善剤等に有用な医薬品を提供
することを目的とする。 【構成】 本発明は、古来より漢方薬の処方成分として
用いられている、生薬沢瀉に含有される新規なアリソー
ルおよびアリソール類を有効成分としてなる脳機能改善
剤である。上記アリソール類はコリンアセチルトランス
フェラーゼ賦活活性を有することから、アルツハイマー
病およびアルツハイマー型痴呆症の治療等の脳機能改善
剤として、また重症筋無力症の治療薬、胃腸機能改善剤
等の医薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コリンアセチルトラン
スフェラーゼ(CAT)賦活作用を有し、脳機能改善剤等の
医薬として有用なアリソール類に関するものである。
【0002】アセチルコリンは、コリンとアセチル補酵
素A(以下、アセチルCo Aと称する。)からコリン・アセ
チルトランスフェラーゼにより合成されるコリン作動性
神経繊維の伝達物質であり、種々の生体反応に関与して
いる極めて重要な生体内物質である。このアセチルコリ
ンは、諸疾患の発症に関与している。
【0003】例えば、自己免疫疾患である重症筋無力症
は、骨格筋のアセチルコリン受容体が減少しており、シ
ナプス間隙アセチルコリン量を増加することにより症状
が緩解する。
【0004】また、アルツハイマー病およびアルツハイ
マー型痴呆症の患者においては、大脳皮質中のアセチル
コリンの減少が認められており、脳内のアセチルコリン
量を増加することにより症状が改善するといわれてい
る。
【0005】さらにアセチルコリンは、胃液の分泌を刺
激し、胃腸管の運動を亢進するため、消化管でのアセチ
ルコリン量を増加させれば、低下した胃腸機能は緩解す
る。
【0006】従って、生体組織でのアセチルコリン濃度
を高める方法が諸疾患の治療法として有望視されてい
る。
【0007】アセチルコリンは生体内のあらゆる組織中
で合成されるものであり、現在、組織中のアセチルコリ
ン濃度を高めるために、以下に示す方法が用いられてい
る。
【0008】アセチルコリンの原料となるコリンの前
駆物質を与え、アセチルコリンの生合成を促進する。
【0009】コリンアセチルトランスフェラーゼ活性
を賦活し、アセチルコリンの生合成を促進する。
【0010】アセチルコリンの分解酵素であるコリン
エステラーゼの酵素活性を阻害して分解を抑制する。
【0011】しかし、に関しては、優れた薬効を有す
る薬剤はなく、コリンアセチルトランスフェラーゼ活性
を賦活する薬剤の開発が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コリンア
セチルトランスフェラーゼ活性を賦活する薬剤を開発す
べく鋭意検討を行った結果、オモダカ科の植物であり、
利尿作用、コレステロール低下作用、降圧作用等を有
し、漢方薬である八味地黄丸、五苓散、当帰芍薬散等に
配剤されている生薬沢瀉、その原植物であるサジオモダ
カまたはその他同属植物に含まれるアリソール類にその
作用があることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】すなわち本発明は、以下に示すごとくであ
る。
【0014】下記式I で表されるアリソールおよび下記式II (式中、R1、R2、R3およびR4は同じにまたは異なって、
水素原子、水酸基、アセチル基を示すか、R1とR2が一緒
になって酸素原子を示す。)で表されるアリソール類を
有効成分とする脳機能改善剤。
【0015】以下、式IおよびIIで表される化合物をま
とめて式の化合物という。
【0016】式の化合物は例えば以下のようにして得る
ことができる。
【0017】すなわち、生薬沢瀉、その原植物であるサ
ジオモダカまたはその他同属植物の塊茎を、ヘキサン、
ジエチルエーテル、石油エーテル、酢酸エチル、クロロ
ホルム、アセトン、メタノール、エタノール、水より選
ばれる少なくとも一つの溶媒で抽出し、得られた抽出液
から溶媒を除去して得た残渣を、ヘキサン、ジエチルエ
ーテル、石油エーテル、酢酸エチル、クロロホルム、ア
セトン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テ
トラヒドロフラン、水より選ばれる少なくとも一つの溶
媒を溶出溶媒として、ダイヤイオンHP-20、MCIゲルCHP2
0Pなどのポーラスポリマー、セファデックスLH-20など
のセファデックス、逆相系シリカゲル、シリカゲル、ポ
リアミド、セルロースまたはセライト等を担体に用いた
カラムクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)に1回または数回付し、薄層クロマトグラ
フィーまたは高速液体クロマトグラフィーで目的成分を
確認しながら分画することにより、式の化合物を得るこ
とができる。
【0018】必要により、無水酢酸等を用いた常法に従
って、アセチル化を行ってもよい。
【0019】また、アセトン、n-ヘキサン、酢酸エチ
ル、石油エーテル等の適当な溶媒を用いて、再結晶を行
ってもよい。
【0020】式の化合物の製造の具体例を以下に示す。
【0021】具体例1 株式会社柴田より購入した沢瀉4.5kgを細切し、50%エタ
ノール25lで2時間、2回加熱抽出した。この操作を2回繰
り返し、総量で9kgの沢瀉を抽出した。抽出物を濃縮
し、ヘキサン、酢酸エチル、ブタノールと液-液分配を
順次行い、ヘキサン画分47.34g、酢酸エチル画分225.40
g、ブタノール画分99.76g、水画分1kgを得た。
【0022】ヘキサン画分ををシリカゲルクロマトグラ
フィー(600g)[ヘキサン:アセトン=9:1→ヘキサン:アセ
トン=4:1→酢酸エチル]、CIGカラム[クロロホルム:アセ
トン=19:1]に付し、さらにODSカラム[アセトニトリル:
テトラヒドロフラン:水=5:2:3]に付し、ベンゼン:アセ
トン:ヘキサン=7:2:1を展開溶媒として、Rf値0.54を含
む画分から無色粉末945.6mgを得た。
【0023】この無色粉末は、下記に示す理化学的性質
を有することから、特許公開昭和63年第215649号記載の
11-デオキシアリソールB(11-deoxyalisol B)であると
確認された。
【0024】比旋光度(C=0.96,CHCl3):[α]27 D=+112.9
° マススペクトル(FAB-MS)m/z: 457(M+H)+,341,205,154,121,55(100%) マススペクトル(HR-FAB-MS)m/z:C30H49O3 計算値:457.3682 実測値:457.3685 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr): 3480,2952,1706,1460,137613 C-核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 220.1(s),140.4(s),133.8(s),69.3(d),67.8(d),59.2
(s),57.4(s),48.3(d),47.0(s),44.0(d),40.7(s),39.0
(t),36.3(s),34.1(t),33.8(t),31.8(t),31.2(t),29.3
(q),29.2(t),27.8(d),25.0(q),23.6(q),23.6(q),22.9
(q),22.9(t),22.6(t),20.3(q),20.1(t),19.7(q),19.2
(q) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 0.82(3H,s),1.01(3H,s),1.03(3H,d,J=6.9Hz),1.04(3H,
s),1.06(3H,s),1.07(3H,s),1.24(3H,s),1.31(3H,s),1.6
7(1H,dd,J=12.9,3.4Hz),2.28(1H,ddd,J=15.9,9.7,3.3H
z),2.47(1H,dd,J=5.1,2.0Hz),2.63(1H,ddd,J=15.9,11.
8,5.9Hz),2.69(1H,d,J=8.2Hz),2.88(1H,m),3.24(1H,m)
【0025】具体例2 具体例1で得られた酢酸エチル画分をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(1.3kg)[ヘキサン:アセトン=4:1→
ヘキサン:アセトン=1:1→アセトン→メタノール]に付
し、ベンゼン:アセトン=7:1を展開溶媒として、Rf値0.2
3を含む画分をメタノールによって結晶化させることに
より、無色針状晶1.3gを得た。
【0026】この無色針状晶は、下記に示す理化学的性
質を有することから、文献[K.Kamiya,T.Murata,M.Nishi
kawa,Chem.Pharm.Bull.,18,1362-1368(1970)]記載のア
リソールCモノアセテート(alisolC monoacetate)であ
ると確認された。
【0027】融点:238-241°C 比旋光度(C=0.39,CHCl3):[α]27 D=+108.1° マススペクトル(MS)m/z: 528(M+),510,468,450,415,397,353,43(100%) マススペクトル(HR-MS)m/z:C32H48O6 計算値:528.3451 実測値:528.3448 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr): 3464,1740,1702,1688,1642,1250,1236 紫外線吸収スペクトル[λ max nm(log ε),EtOH]: 245(4.18)13 C-核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 219.3(s),207.9(s),176.8(s),170.1(s),138.6(s),71.9
(d),69.9(d),64.9(d),58.7(s),49.8(s),48.9(d),48.5
(d),47.0(s),45.8(t),40.1(s),37.0(s),35.7(t),35.2
(t),34.9(t),33.6(t),30.9(t),29.6(q),26.7(d),25.5
(q),24.7(q),23.1(q),23.0(q),21.1(q),20.1(q),20.0
(t),19.8(q),19.3(q) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 0.89(3H,s),1.07(3H,s),1.08(3H,s),1.10(3H,s),1.20(3
H,d,J=6.8Hz),1.23(3H,s),1.29(3H,s),1.33(3H,s),2.06
(3H,s),2.72(1H,d,J=8.3Hz),2.89(1H,dd,J=13.7,5.9H
z),3.99(1H,m),4.52(1H,ddd,J=11.2,8.3,2.4Hz)
【0028】具体例3 具体例1で得られたヘキサン画分をシリカゲルクロマト
グラフィー(1kg)[ベンゼン:アセトン=4:1→ベンゼン:ア
セトン=7:3→アセトン]に付した。次に、CIGカラム[ク
ロロホルム:アセトン=4:1]、CIGカラム[ベンゼン:アセ
トン=9:1]に付し、さらにODSカラム[アセトニトリル:水
=1:1→アセトニトリル:テトラヒドロフラン:水=5: 1:
4]に2回付し、ベンゼン:アセトン:ヘキサン=7:2:1を展
開溶媒として、Rf値0.30を含む画分をメタノール-水に
よって結晶化することにより、無色針状晶0.1gを得た。
【0029】この無色針状晶は、下記に示す理化学的性
質を有することから、文献[Geng Pei-Wu,Y.Fukuyama,
T.Yamada, Wang Rei,Bao Jinixian and K.Nakagaw
a,Phytochemistry,27,(4),1161-1164 (1988)]記載の16
-ヒドロキシアリソールB モノアセテート(16-hydroxy
alisolB monoacetate)であると確認された。
【0030】融点:195-197°C 比旋光度(C=0.95,CHCl3):[α]23 D=+106.5° マススペクトル(FAB-MS)m/z: 531(M+H)+,529,513,495,452,381,154(100%) マススペクトル(HR-FAB-MS)m/z:C32H51O6 計算値:531.3686 実測値:531.3680 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr): 3540,2956,1740,1694,1462,1376,123213 C-核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 219.8(s),170.3(s),143.1(s),136.2(s),77.4(d),72.2
(d),70.0(d),65.5(d),58.8(s),54.9(s),49.5(d),48.5
(d),47.0(s),43,8(t),40.3(s),38.2(t),36.9(s),34.7
(t),34.4(t),33.7(t),30.9(t),29.6(q),27.9(d),25.6
(q),24.9(q),24.8(q),23.8(q),21.4(q),20.1(q),20.0
(t),19.8(q),19.7(q) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 0.86(3H,s),1.05(6H,s),1.07(3H,s),1.14(3H,d,J=7.0H
z),1.27(3H,s),1.29(3H,s),1.35(3H,s),1.72(1H,d,J=1
0.8Hz),1.76(1H,ddd,J=14.0,10.2,4.9Hz),2.08(3H,s),
2.59(1H,dd,13.4,5.7Hz),2.66(1H,ddd,J=15.8,11.5,6.2
Hz),2.73(1H,d,J=8.3Hz),3.78(1H,m),4.79(1H,m),4.83
(1H,ddd,J=16.7,10.2,3.3)
【0031】具体例4 具体例1で得た酢酸エチル画分をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(700g)[ベンゼン:アセトン:ヘキサン=7:2:1→
ベンゼン:アセトン:ヘキサン=5:4:1→アセトン]に付
し、ベンゼン:アセトン:ヘキサン=6:2:1を展開溶媒とし
て、Rf値0.15を含む画分を酢酸エチルによって結晶化さ
せることにより、無色針状晶899.2mgを得た。
【0032】この無色針状晶は、下記に示す理化学的性
質を有することから、文献[T.Murata,Y.Imai,T.Hirata,
M.Miyamoto,Chem.Pharm.Bull.,18,1347-1353 (1970)]
記載のアリソールB(alisolB)であると確認された。
【0033】融点:169-170°C 比旋光度(C=1.02,CHCl3):[α]23 D=+131.3° マススペクトル(FAB-MS)m/z: 473(M+H+),471,467,460,455(100%) マススペクトル(HR-FAB-MS)m/z:C30H48O4 計算値:473.3631 実測値:473.3630 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr): 3512,1704,124613 C-核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 220.1(s),138.0(s),135.0(s),77.0(d),76.7(d),70.0
(d),59.3(s),57.0(s),49.8(d),48.6(d),47.0(s),40.7
(s),38.9(t),37.0(s),34.5(t),34.3(t),33.8(t),31.0
(t),30.7(t),29.6(q),29.2(t),27.8(d),25.6(q),24.9
(q),24.0(q),23.4(q),20.2(q),20.1(q),20.1(t),19.2
(q) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 0.99(3H,s),1.02(3H,d,J=7.3Hz),1.06(3H,s),1.07(3H,
s),1.12(3H,s),1.24(3H,s),1.31(3H,s),2.69(1H,d,J=8.
3Hz),2.80(1H,dd,J=13.4,5.6Hz),2.92(1H,m),3.21(1H,
m),3.87(1H,m)
【0034】具体例5 具体例1で得た酢酸エチル画分をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(500g)[ヘキサン:アセトン=4:1→ヘキサン:ア
セトン=2:1 →アセトン]に付し、CIGカラム[ベンゼン:
アセトン=9:1→アセトン]に付した。ベンゼン:アセト
ン:ヘキサン=7:2:1を展開溶媒として、Rf値0.40を含む
画分をヘキサン-酢酸エチルの混合溶媒によって結晶化
させることにより、無色針状晶1.6gを得た。
【0035】この無色板状晶は、下記に示す理化学的性
質を有することから、文献[K. Kamiya,T.Murata,M.Nis
hikawa,Chem.Pharm.Bull.,18,1362-1368(1970)]記載の
アリソールBモノアセテート(alisolB monoacetate)で
あると確認された。
【0036】融点:164-166°C 比旋光度(C=0.98,CHCl3):[α]23 D=+126.7° マススペクトル(MS)m/z: 514(M+),496,454,436,421,329,150(100%) マススペクトル(HR-MS)m/z:C32H50O5 計算値:514.3658 実測値:514.3671 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,neat): 3484,1744,1706,1250,123013 C-核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 220.0(s),169.9(s),138.1(s),134.3(s),71.5(d),70.2
(d),65.1(d),58.5(s),57.1(s),50.1(d),48.6(d),47.0
(s),40.8(s),37.0(s),36.9(t),34.6(t),34.2(t),33.8
(t),31.0(t),30.7(t),29.6(q),29.2(t),27.9(d),25.7
(q),24.7(q),23.9(q),23.2(q),21.2(q),20.1(q),20.1
(q),20.1(t),19.4(q) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 0.97(3H,s),1.02(3H,d,J=6.8Hz),1.04(3H,s),1.05(3H,
s),1.07(3H,s),1.14(3H,s),1.31(3H,s),1.33(3H,s),2.0
6(3H,s),2.73(1H,d,J=8.8Hz),3.81(1H,m),4.62(1H,ddd,
J=10.7,8.8,2.9Hz)
【0037】次に式の化合物が、コリンアセチルトラン
スフェラーゼ賦活作用を有し、脳機能改善剤等の医薬と
して有用であることについて、実験例を挙げて説明す
る。
【0038】実験例 8週齢のウイスター系雄性ラットをエーテル麻酔下に致
死させ、直ちに脳を摘出し、線条体を取り出した。線条
体は、25mMナトリウム-リン酸緩衝液(pH7.4)にてホモジ
ナイズし、20,000×gで60分間遠心した。その上清をコ
リンアセチルトランスフェラーゼ活性測定の検体とし
た。また、以上の操作はすべて4°Cで行い、検体は-20
°Cで保存した。
【0039】コリンアセチルトランスフェラーゼ活性の
測定は、金田、永津らの方法[J.Choromatogra.,341,23-
30(1985)]により行った。すなわち、50mMコリン50、2mM
アセチルCoA50μl、1mMエゼリン50μl、および0.1Mナト
リウム-リン酸緩衝液(pH7.4)250μlに上記の検体50μl
および実施例または具体例で得た化合物をそれぞれジメ
チルスルフォキシド(DMSO)に1.0×10-5Mまたは1.0×10
-4Mの終濃度になるように溶解させた薬物溶液50μlをそ
れぞれ加え、37°Cにて20分間反応させた。
【0040】次に、氷中にて6%過塩素酸50μlを加えて
反応を停止させ、10分後内部標準物質として2.5mMエチ
ルホモコリン10μlを加え、3,000rpmで10分間遠心し
た。この上清をHPLC-電気化学検出器にてアセチルコリ
ン含量を測定した。
【0041】なお、HPLCは以下の条件で行った。カラム
は、逆相系カラムおよび酵素カラムを用い、移動相とし
て1-デカンスルホン酸ソーダ300mg/lおよびテトラメチ
ルアンモニウムクロライド65mg/lを含む0.1Mカリウム-
リン酸緩衝液(pH8.0)、流速は1ml/min.、温度は35°Cと
した。検出器は、電気化学検出器ECD-100を用いた。
【0042】また、実施例または具体例で得た化合物の
溶解液を加えるかわりにDMSOを加える以外は上記と同様
にして反応させコントロールとした。
【0043】実験の結果を濃度10μMにおけるコリンア
セチルトランスフェラーゼ賦活率(%)として表1に示し
た。
【0044】表1
【0045】表1から、式の化合物がコリンアセチルト
ランスフェラーゼ賦活作用を有し、脳機能改善薬等の医
薬として有用であることが確認された。
【0046】また、式の化合物の急性毒性試験をICR系
雄性マウスを用いて行ったところ、1g/kgの経口投与で
死亡例はなかった。従って、式の化合物は安全性の高い
化合物であることが確認された。
【0047】次に、式の化合物の投与量および製剤化に
ついて説明する。
【0048】式の化合物はそのまま、あるいは慣用の製
剤担体と共に動物および人に投与することができる。投
与形態としては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択
して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられ
る。
【0049】経口剤として所期の効果を発揮するために
は、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通
常成人で式の化合物の重量として50mg〜5gを、1日数回
に分けての服用が適当と思われる。
【0050】経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、
マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスタ
ーチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
【0051】この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他
に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進
剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
それぞれの具体例は以下に示すごとくである。
【0052】[結合剤]デンプン、デキストリン、アラビ
アゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、
エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴー
ル。
【0053】[崩壊剤]デンプン、ヒドロキシプロピルス
ターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カル
ボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチル
セルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース。
【0054】[界面活性剤]ラウリル硫酸ナトリウム、大
豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート8
0。
【0055】[滑沢剤]タルク、ロウ類、水素添加植物
油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ポリエチレングリコール。
【0056】[流動性促進剤]軽質無水ケイ酸、乾燥水酸
化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸
マグネシウム。
【0057】また、式の化合物は、懸濁液、エマルジョ
ン剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与すること
ができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色剤を
含有してもよい。
【0058】非経口剤として所期の効果を発揮するため
には、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、
通常成人で式の化合物の重量として1日0.1mg〜1gまでの
静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当と思われ
る。
【0059】この非経口剤は常法に従って製造され、希
釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖
水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ
油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等を用いることができる。さらに必要に
応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤、乳化剤を加えてもよ
い。
【0060】また、この非経口剤は安定性の点から、バ
イアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水
分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製す
ることもできる。さらに、必要に応じて適宜、等張化
剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等を加えても良い。
【0061】その他の非経口剤としては、外用液剤、軟
膏等の塗布剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、
常法に従って製造される。
【0062】次に実施例を示して本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれによって何ら制限されるもの
ではない。
【0063】実施例1 具体例1で得た酢酸エチル画分をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(500g)[ヘキサン:アセトン=4:1→ヘキサン:ア
セトン=2:1 →アセトン]に付し、CIGカラム[ベンゼン:
アセトン=9:1→アセトン]に付した。ベンゼン:アセトン
=9:1を展開溶媒として、Rf値0.31を含む画分をヘキサン
-酢酸エチルの混合溶媒によって結晶化させることによ
り、無色針状晶225.3mgを得た。
【0064】融点:265-268°C 比旋光度(C=1.00,CHCl3):[α]27 D=+76.3° マススペクトル(MS)m/z: 470(M+),452,399,381,193,150(100%) マススペクトル(HR-MS)m/z:C30H46O4 計算値:470.3396 実測値:470.3380 赤外線吸収スペクトル(IR,ν max cm-1,KBr): 3420,2956,2928,2824,170613 C-核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 219.9(s),136.6(s),133.3(s),79.9(d),72.6(d),70.6
(d),65.7(d),57.1(s),55.2(s),49.8(d),48.2(d),47.0
(s),40.6(s),39.5(t),37.0(s),35.0(t),34.0(t),33.9
(t),33.6(t),30.8(t),29.6(q),26.7(d),25.5(q),25.0
(q),24.4(q),23.7(q),20.0(q),19.9(t),19.3(q),18.3
(q) プロトン核磁気共鳴スペクトル(δ ppm in CDCl3): 0.89(3H,s),1.06(3H,s),1.07(6H,s),1.15(3H,d,J=7.2H
z),1.25(3H,s),1.30(6H,s),1.76(1H,d,J=10.8Hz),2.64
(1H,dd,J=12.5,5.6Hz),2.67(1H,dd,J=6.2,4.1Hz),2.82
(1H,m),3.53(1H,ddd,J=12.2,7.8,2.0Hz),3.80(1H,m),4.
43(1H,dd,J=7.5,5.3Hz)
【0065】実施例2 コーンスターチ 44g 結晶セルロース 40g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g 軽質無水ケイ酸 0.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g具体例1で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、打錠機にて
圧縮成型して一錠200mgの錠剤を得た。
【0066】この錠剤一錠には、具体例1で得た化合物2
0mgが含有されており、成人1日10〜25錠を数回にわけて
服用する。
【0067】実施例3 結晶セルロース 84.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g具体例2で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびの一部を均一に混合
し、圧縮成型した後、粉砕し、およびの残量を加え
て混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠剤を
得た。
【0068】この錠剤一錠には、具体例2で得た化合物2
0mgが含有されており、成人1日10〜25錠を数回にわけて
服用する。
【0069】実施例4 結晶セルロース 49.5g 10%ヒドロキシプロピル セルロースエタノール溶液 35g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g具体例3で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびを均一に混合し、常
法によりねつ和し、押し出し造粒機により造粒し、乾燥
・解砕した後、およびを混合し、打錠機にて圧縮成
型して一錠200mgの錠剤を得た。
【0070】この錠剤一錠には、具体例3で得た化合物2
0mgが含有されており、成人1日10〜25錠を数回にわけて
服用する。
【0071】実施例5 コーンスターチ 34.5g ステアリン酸マグネシウム 50g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g 軽質無水ケイ酸 0.5g具体例4で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、圧縮成型機
にて圧縮成型後、破砕機により粉砕し、篩別して顆粒剤
を得た。
【0072】この顆粒剤1gには、具体例4で得た化合物1
00mgが含有されており、成人1日2〜5gを数回にわけて服
用する。
【0073】実施例6 結晶セルロース 55g 10%ヒドロキシプロピル セルロースエタノール溶液 35g具体例5で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、ねつ和し
た。押し出し造粒機により造粒後、乾燥し、篩別して顆
粒剤を得た。
【0074】この顆粒剤1gには、具体例5で得た化合物1
00mgが含有されており、成人1日2〜5gを数回にわけて服
用する。
【0075】実施例7 コーンスターチ 89.5g 軽質無水ケイ酸 0.5g具体例2で得た化合物 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、200mgを2号
カプセルに充填した。
【0076】このカプセル剤1カプセルには、具体例6で
得た化合物20mgが含有されており、成人1日10〜25カプ
セルを数回にわけて服用する。
【0077】実施例8 大豆油 5g 注射用蒸留水 89.5g 大豆リン脂質 2.5g グリセリン 2g具体例5で得た化合物 1g 全量 100g 上記の処方に従ってをおよびに溶解し、これに
との溶液を加えて乳化し、注射剤を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和則 茨城県稲敷郡阿見町吉原3586 株式会社ツ ムラ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式I で表されるアリソール。
  2. 【請求項2】 下記式II (式中、R1、R2、R3およびR4は同じにまたは異なって、
    水素原子、水酸基、アセチル基を示すか、R1とR2が一緒
    になって酸素原子を示す。)で表されるアリソール類を
    有効成分とする脳機能改善剤。
JP5343300A 1993-12-17 1993-12-17 新規アリソールおよびアリソール類を有効成分とする脳機能改善剤 Pending JPH07173188A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100543342B1 (ko) * 2002-06-28 2006-01-20 한국 한의학 연구원 뇌신경세포의 손상을 치료하기 위한 한약재 조성물
JP2013528053A (ja) * 2010-05-28 2013-07-08 コンパニ・ジェルベ・ダノン 腸管神経系の改善に用いるためのプロバイオティクス株
JP2013234179A (ja) * 2012-04-12 2013-11-21 Kracie Seiyaku Kk 細胞死抑制組成物
CN113960213A (zh) * 2021-11-09 2022-01-21 上海海虹实业(集团)巢湖今辰药业有限公司 基于泽泻汤的泽泻成份的选定方法

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