JPH07172820A - A型ゼオライト成形体およびその製造方法 - Google Patents
A型ゼオライト成形体およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH07172820A JPH07172820A JP31500793A JP31500793A JPH07172820A JP H07172820 A JPH07172820 A JP H07172820A JP 31500793 A JP31500793 A JP 31500793A JP 31500793 A JP31500793 A JP 31500793A JP H07172820 A JPH07172820 A JP H07172820A
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- Japan
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- calcium
- molded body
- ion exchange
- type zeolite
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- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】リチウムイオン交換率が20〜50%であり、
かつ、残りの陽イオンは主としてカルシウムイオンで交
換されている、A型ゼオライト成形体。合成ナトリウム
A型ゼオライト粉末とカオリン型粘土とを混合し、成形
し、えられた成形体を乾燥し、焼成した後、カルシウム
塩水溶液と接触させてナトリウムイオンの90%以上を
カルシウムイオンとイオン交換し、次いでリチウム塩水
溶液と接触させてリチウムイオン交換率が20〜50%
となるまでイオン交換処理をすることによる、A型ゼオ
ライト成形体の製造方法。 【効果】本発明のカルシウムA型ゼオライト成形体は、
耐熱性に優れているので、それを焼成して高い吸着容量
が維持された吸着分離剤をうることができる。本発明の
製造方法によれば、上記の成形体を容易にかつ有利に製
造することができる。
かつ、残りの陽イオンは主としてカルシウムイオンで交
換されている、A型ゼオライト成形体。合成ナトリウム
A型ゼオライト粉末とカオリン型粘土とを混合し、成形
し、えられた成形体を乾燥し、焼成した後、カルシウム
塩水溶液と接触させてナトリウムイオンの90%以上を
カルシウムイオンとイオン交換し、次いでリチウム塩水
溶液と接触させてリチウムイオン交換率が20〜50%
となるまでイオン交換処理をすることによる、A型ゼオ
ライト成形体の製造方法。 【効果】本発明のカルシウムA型ゼオライト成形体は、
耐熱性に優れているので、それを焼成して高い吸着容量
が維持された吸着分離剤をうることができる。本発明の
製造方法によれば、上記の成形体を容易にかつ有利に製
造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルシウムA型ゼオラ
イト成形体およびその製造方法に関するものである。
イト成形体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カルシウムA型ゼオライト成形体
として、カルシウムイオン交換率90%以上のものが使
用されている。該成形体は、ナトリウムA型ゼオライト
をカルシウム塩水溶液とイオン交換率が90%以上とな
るまで接触させてカルシウム型A型ゼオライトとし、こ
れを粘土結合剤および成形助剤と混合し、押出し成形な
どの方法によって成形して製造されている。また、成形
やイオン交換操作を容易にするために、成形してからイ
オン交換する方法も行なわれている。このようにして製
造された成形体は、550℃〜650℃の温度で焼成し
て強度を与え、水分を除去して活性化して、たとえば水
素や窒素を吸着させてこれらを他の成分から分離するの
に用いられる。
として、カルシウムイオン交換率90%以上のものが使
用されている。該成形体は、ナトリウムA型ゼオライト
をカルシウム塩水溶液とイオン交換率が90%以上とな
るまで接触させてカルシウム型A型ゼオライトとし、こ
れを粘土結合剤および成形助剤と混合し、押出し成形な
どの方法によって成形して製造されている。また、成形
やイオン交換操作を容易にするために、成形してからイ
オン交換する方法も行なわれている。このようにして製
造された成形体は、550℃〜650℃の温度で焼成し
て強度を与え、水分を除去して活性化して、たとえば水
素や窒素を吸着させてこれらを他の成分から分離するの
に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来のカルシウ
ムA型ゼオライト成形体は、吸着性能に優れているが、
吸着分離剤として十分な強度を持たせるには焼成する必
要があり、この焼成によって吸着性能が低下するのを避
けることができない。
ムA型ゼオライト成形体は、吸着性能に優れているが、
吸着分離剤として十分な強度を持たせるには焼成する必
要があり、この焼成によって吸着性能が低下するのを避
けることができない。
【0004】本発明の目的は、このような従来のカルシ
ウムA型ゼオライト成形体における欠点のない、すなわ
ち耐熱性に優れ焼成によって吸着性能が低下しにくいカ
ルシウムA型ゼオライト成形体およびその製造方法を提
供することにある。
ウムA型ゼオライト成形体における欠点のない、すなわ
ち耐熱性に優れ焼成によって吸着性能が低下しにくいカ
ルシウムA型ゼオライト成形体およびその製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のカルシウムA型
ゼオライト成形体は、リチウムイオン交換率が20〜5
0%であり、かつ、残りの陽イオンは主としてカルシウ
ムイオンで交換されているA型ゼオライト成形体、であ
る。
ゼオライト成形体は、リチウムイオン交換率が20〜5
0%であり、かつ、残りの陽イオンは主としてカルシウ
ムイオンで交換されているA型ゼオライト成形体、であ
る。
【0006】リチウムイオン交換率が20〜50%でな
ければならないのは、リチウム交換率が低すぎると耐熱
性が十分に発揮されず、いっぽうそれが高すぎるとカル
シウムA型ゼオライト成形体としての性能、すなわち窒
素などの吸着性能が低下するからである。
ければならないのは、リチウム交換率が低すぎると耐熱
性が十分に発揮されず、いっぽうそれが高すぎるとカル
シウムA型ゼオライト成形体としての性能、すなわち窒
素などの吸着性能が低下するからである。
【0007】該成形体は、合成ナトリウムA型ゼオライ
ト粉末とカオリン型粘土とを混合し、成形し、えられた
成形体を乾燥し、焼成した後、カルシウム塩水溶液と接
触させてナトリウムイオンの90%以上をカルシウムイ
オンとイオン交換し、次いでリチウム塩水溶液と接触さ
せてリチウムイオン交換率が20〜50%となるまでイ
オン交換処理をすることからなるA型ゼオライト成形体
の製造方法、によって有利に製造することができる。
ト粉末とカオリン型粘土とを混合し、成形し、えられた
成形体を乾燥し、焼成した後、カルシウム塩水溶液と接
触させてナトリウムイオンの90%以上をカルシウムイ
オンとイオン交換し、次いでリチウム塩水溶液と接触さ
せてリチウムイオン交換率が20〜50%となるまでイ
オン交換処理をすることからなるA型ゼオライト成形体
の製造方法、によって有利に製造することができる。
【0008】その出発原料である合成ナトリウムA型ゼ
オライト粉末は、公知の方法、すなわちアルミン酸ナト
リウムおよび珪酸ナトリウムとから合成されたものでよ
い。また、該粉末を成形し、焼成し、カルシウムイオン
交換処理するまでの工程も従来公知の方法によればよ
い。
オライト粉末は、公知の方法、すなわちアルミン酸ナト
リウムおよび珪酸ナトリウムとから合成されたものでよ
い。また、該粉末を成形し、焼成し、カルシウムイオン
交換処理するまでの工程も従来公知の方法によればよ
い。
【0009】すなわち、合成ナトリウムA型ゼオライト
粉末とカオリン型粘土との混合物に、押出し成形動力を
低減させるための潤滑剤を加え、水分の調整をしながら
すべてが均一となるよう混合混練した後、十分捏和す
る。添加するカオリン型粘土の量は、物理的強度の高い
成形体をえること、ゼオライト純分をなるべく多くする
ことなどを考えるとナトリウムA型ゼオライト粉末との
合計に対して20〜25wt%が望ましい。この添加量
は、たとえば特開平2−157119号公報に記載の方
法のように、成形体を水酸化ナトリウム水溶液と40℃
で1時間熟成後80℃に4時間接触させることによって
バインダ−であるカオリン型粘土をA型ゼオライトに転
移させバインダ−レスA型ゼオライト成形体にした後、
イオン交換処理をすることによって、さらに高い吸着特
性を有する成形体をえるのにも適した量である。
粉末とカオリン型粘土との混合物に、押出し成形動力を
低減させるための潤滑剤を加え、水分の調整をしながら
すべてが均一となるよう混合混練した後、十分捏和す
る。添加するカオリン型粘土の量は、物理的強度の高い
成形体をえること、ゼオライト純分をなるべく多くする
ことなどを考えるとナトリウムA型ゼオライト粉末との
合計に対して20〜25wt%が望ましい。この添加量
は、たとえば特開平2−157119号公報に記載の方
法のように、成形体を水酸化ナトリウム水溶液と40℃
で1時間熟成後80℃に4時間接触させることによって
バインダ−であるカオリン型粘土をA型ゼオライトに転
移させバインダ−レスA型ゼオライト成形体にした後、
イオン交換処理をすることによって、さらに高い吸着特
性を有する成形体をえるのにも適した量である。
【0010】このようにして十分捏和した造粒物を押出
し成形し、たとえば1.5mm柱状の押出し成形体とす
る。もっとも、この成形体は、用途に応じて他の成形法
によって球状あるいは顆粒状とすることもできる。所望
の形に成形した後、温度600〜650℃で焼成し、添
加したカオリン型粘土を焼結させた後、冷却し、水分2
0%以上に加湿する。この加湿操作は、必須ではないが
次の処理すなわちイオン交換の際に、水分との接触で急
激な発熱による成形体のヒビ割れ、剥離、折れなどを防
止するのに有効である。
し成形し、たとえば1.5mm柱状の押出し成形体とす
る。もっとも、この成形体は、用途に応じて他の成形法
によって球状あるいは顆粒状とすることもできる。所望
の形に成形した後、温度600〜650℃で焼成し、添
加したカオリン型粘土を焼結させた後、冷却し、水分2
0%以上に加湿する。この加湿操作は、必須ではないが
次の処理すなわちイオン交換の際に、水分との接触で急
激な発熱による成形体のヒビ割れ、剥離、折れなどを防
止するのに有効である。
【0011】加湿した成形体を、カルシウム塩水溶液、
たとえば塩化カルシウム水溶液と一定温度条件下で接触
させ、ナトリウムイオンの90%以上をカルシウムイオ
ンで交換する。交換の方法は、回分接触法やカラム流通
法などがよく用いられ、効率よく交換するにはカラム流
通法で流通速度を調整しながら行なうのが好ましいが、
全体を一様にイオン交換するには多少イオン交換液量が
増えても回分接触法の方が適している。また、イオン交
換温度は比較的温度管理が容易な60℃前後が望まし
い。低すぎると交換速度が異常に遅くイオン交換操作に
長時間を要する。いっぽう、温度をそれより高くしても
交換速度がわずかに速くなるにすぎず、イオン交換平衡
もさほど変化しない。
たとえば塩化カルシウム水溶液と一定温度条件下で接触
させ、ナトリウムイオンの90%以上をカルシウムイオ
ンで交換する。交換の方法は、回分接触法やカラム流通
法などがよく用いられ、効率よく交換するにはカラム流
通法で流通速度を調整しながら行なうのが好ましいが、
全体を一様にイオン交換するには多少イオン交換液量が
増えても回分接触法の方が適している。また、イオン交
換温度は比較的温度管理が容易な60℃前後が望まし
い。低すぎると交換速度が異常に遅くイオン交換操作に
長時間を要する。いっぽう、温度をそれより高くしても
交換速度がわずかに速くなるにすぎず、イオン交換平衡
もさほど変化しない。
【0012】このようにして、90%以上をカルシウム
イオン交換したA型ゼオライト成形体を洗浄した後、リ
チウム塩水溶液、たとえば塩化リチウム水溶液と一定温
度条件下で接触させ、グラムイオン換算でカルシウムイ
オンと残りのナトリウムイオンとの合計の20〜50%
をリチウムイオンと交換する。以上の交換操作で用いる
カルシウム塩水溶液およびリチウム塩水溶液の濃度は通
常のイオン交換操作で用いられる0.5〜1規定でよ
い。その範囲をこえる濃度にしても交換速度に変化はな
く効果はない。その上、イオン交換終了時に付着の塩分
等を取り除くために行う洗浄操作での水の量を増やす原
因となるだけである。また、交換温度はカルシウムイオ
ン交換と同様に60℃前後がもっとも効率的である。
イオン交換したA型ゼオライト成形体を洗浄した後、リ
チウム塩水溶液、たとえば塩化リチウム水溶液と一定温
度条件下で接触させ、グラムイオン換算でカルシウムイ
オンと残りのナトリウムイオンとの合計の20〜50%
をリチウムイオンと交換する。以上の交換操作で用いる
カルシウム塩水溶液およびリチウム塩水溶液の濃度は通
常のイオン交換操作で用いられる0.5〜1規定でよ
い。その範囲をこえる濃度にしても交換速度に変化はな
く効果はない。その上、イオン交換終了時に付着の塩分
等を取り除くために行う洗浄操作での水の量を増やす原
因となるだけである。また、交換温度はカルシウムイオ
ン交換と同様に60℃前後がもっとも効率的である。
【0013】このようにしてリチウムイオン交換した
後、成形体をリチウム塩水溶液から取出し、水あるいは
温水で十分洗浄し、通常の100℃近くの温度で乾燥す
る。
後、成形体をリチウム塩水溶液から取出し、水あるいは
温水で十分洗浄し、通常の100℃近くの温度で乾燥す
る。
【0014】このようにしてえられたA型ゼオライト成
形体を、たとえば400℃で1時間焼成し、活性化する
ことにより、吸着性能の高い吸着分離剤がえられる。
形体を、たとえば400℃で1時間焼成し、活性化する
ことにより、吸着性能の高い吸着分離剤がえられる。
【0015】
【作用】本発明の20〜50%リチウムイオン交換した
カルシウムA型ゼオライト成形体が耐熱性に優れ、それ
を焼成して吸着性能が高い吸着分離剤がえられる理由は
明確ではないが、本発明者らの検討により、該成形体に
は従来のカルシウムイオン交換率90%以上のA型ゼオ
ライト成形体にみられるような焼成による格子定数の変
化が起こらないことが明らかになったことから、以下の
ようなことによるものと推定される。
カルシウムA型ゼオライト成形体が耐熱性に優れ、それ
を焼成して吸着性能が高い吸着分離剤がえられる理由は
明確ではないが、本発明者らの検討により、該成形体に
は従来のカルシウムイオン交換率90%以上のA型ゼオ
ライト成形体にみられるような焼成による格子定数の変
化が起こらないことが明らかになったことから、以下の
ようなことによるものと推定される。
【0016】すなわち、リチウムイオンを含まないカル
シウムA型ゼオライトは、ゼオライト結晶のβケ−ジ
(ソ−ダライトケ−ジ)中に存在した水が抜け出にく
く、焼成の際にゼオライト骨格を形成するAl原子が熱
によりこの水と反応して結晶骨格から外れ、それによっ
て結晶構造が変化し、吸着サイトの吸着能力が著しく低
下するのに対し、本発明のようにリチウムイオンが存在
するとβケ−ジ中の構造水が容易に抜け出ることによ
り、カルシウムA型ゼオライトに考えられるような上記
の反応が起こらず、結晶構造も変化しないと考えられ
る。(もっとも、本発明者らは、カルシウムイオンを含
まないリチウムA型ゼオライト成形体ではリチウムイオ
ンの交換率が90%以上でなければ耐熱性がえられない
ことをも見出だしており、このことと本発明における効
果とを整合性よく説明することはできていない)また、
本発明のA型ゼオライト成形体の製造方法では、まずカ
ルシウムイオンで交換し、ついでリチウムイオンで交換
するのは、以下の理由による。
シウムA型ゼオライトは、ゼオライト結晶のβケ−ジ
(ソ−ダライトケ−ジ)中に存在した水が抜け出にく
く、焼成の際にゼオライト骨格を形成するAl原子が熱
によりこの水と反応して結晶骨格から外れ、それによっ
て結晶構造が変化し、吸着サイトの吸着能力が著しく低
下するのに対し、本発明のようにリチウムイオンが存在
するとβケ−ジ中の構造水が容易に抜け出ることによ
り、カルシウムA型ゼオライトに考えられるような上記
の反応が起こらず、結晶構造も変化しないと考えられ
る。(もっとも、本発明者らは、カルシウムイオンを含
まないリチウムA型ゼオライト成形体ではリチウムイオ
ンの交換率が90%以上でなければ耐熱性がえられない
ことをも見出だしており、このことと本発明における効
果とを整合性よく説明することはできていない)また、
本発明のA型ゼオライト成形体の製造方法では、まずカ
ルシウムイオンで交換し、ついでリチウムイオンで交換
するのは、以下の理由による。
【0017】すなわち、カルシウム塩およびリチウム塩
の混合溶液系で同時にイオン交換すると、リチウムイオ
ンのイオン交換選択順位がカルシウムイオンのそれと比
べて低く、そのためほとんどカルシウムイオンだけが交
換されてしまい、リチウムイオンのほとんどが溶液中に
とり残されてしまうことになる。カルシウム塩とリチウ
ム塩との混合溶液の混合比率あるいは濃度比率を変えて
も、イオン交換率を調整することは困難である。
の混合溶液系で同時にイオン交換すると、リチウムイオ
ンのイオン交換選択順位がカルシウムイオンのそれと比
べて低く、そのためほとんどカルシウムイオンだけが交
換されてしまい、リチウムイオンのほとんどが溶液中に
とり残されてしまうことになる。カルシウム塩とリチウ
ム塩との混合溶液の混合比率あるいは濃度比率を変えて
も、イオン交換率を調整することは困難である。
【0018】また、まずリチウムイオンで90%以上交
換した後、カルシウムイオン交換してそのイオン交換範
囲を調整する方法も考えられるが、上記のようにイオン
交換特性順位の低さからリチウムイオンを90%以上交
換するには、多量のリチウム塩を使用して長時間を費や
してイオン交換処理しなければならない。そして、90
%以上のイオン交換率でリチウムイオン交換をしたとし
ても、カルシウムイオンのイオン交換選択順位が高すぎ
るので、次のカルシウムイオン交換処理においてゼオラ
イト中の全陽イオンに対してグラムイオン換算でリチウ
ムイオンを20〜50%の範囲に調整するのがかなり困
難である。
換した後、カルシウムイオン交換してそのイオン交換範
囲を調整する方法も考えられるが、上記のようにイオン
交換特性順位の低さからリチウムイオンを90%以上交
換するには、多量のリチウム塩を使用して長時間を費や
してイオン交換処理しなければならない。そして、90
%以上のイオン交換率でリチウムイオン交換をしたとし
ても、カルシウムイオンのイオン交換選択順位が高すぎ
るので、次のカルシウムイオン交換処理においてゼオラ
イト中の全陽イオンに対してグラムイオン換算でリチウ
ムイオンを20〜50%の範囲に調整するのがかなり困
難である。
【0019】リチウムイオンとカルシウムイオンとのイ
オン交換選択順位の相違により、A型ゼオライト中のカ
ルシウムイオンはリチウムイオンで交換されにくいが、
本発明のようにリチウムイオン交換率50%までなら比
較的容易である。
オン交換選択順位の相違により、A型ゼオライト中のカ
ルシウムイオンはリチウムイオンで交換されにくいが、
本発明のようにリチウムイオン交換率50%までなら比
較的容易である。
【0020】
【発明の効果】以上の説明からあきらかなように、本発
明のカルシウムA型ゼオライト成形体は、耐熱性に優れ
ているので、それを焼成して高い吸着容量が維持された
吸着分離剤をうることができる。
明のカルシウムA型ゼオライト成形体は、耐熱性に優れ
ているので、それを焼成して高い吸着容量が維持された
吸着分離剤をうることができる。
【0021】本発明の製造方法によれば、上記の成形体
を容易にかつ有利に製造することができる。
を容易にかつ有利に製造することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、発明の
効果を説明する。
効果を説明する。
【0023】吸着性能は、下記の窒素平衡吸着量で測定
した。また、イオン交換率は、原子吸光光度法により測
定した。イオン交換率以外の「%」および「部」は、重
量による。
した。また、イオン交換率は、原子吸光光度法により測
定した。イオン交換率以外の「%」および「部」は、重
量による。
【0024】<窒素平衡吸着量>カ−ン式電子天秤を用
いて測定した。前処理条件として、10-3torr以下
の真空度で350℃で2時間活性化を行なった。吸着温
度は25℃に保ち、窒素ガス導入後十分平衡に達した後
の重量変化から吸着容量を算出した。具体例における窒
素吸着平衡量は、吸着圧700torrでの測定値を示
す。
いて測定した。前処理条件として、10-3torr以下
の真空度で350℃で2時間活性化を行なった。吸着温
度は25℃に保ち、窒素ガス導入後十分平衡に達した後
の重量変化から吸着容量を算出した。具体例における窒
素吸着平衡量は、吸着圧700torrでの測定値を示
す。
【0025】実施例1 合成ナトリウムA型ゼオライト100部に対して、カオ
リン型粘土25部を混合し、さらに潤滑剤としてカルボ
キシメチルセルロ−ス3部を加えた後、押出し成形しう
るよう水分の調整を行ないながらミックスマ−ラ−造粒
器で十分捏和した。このものを1.5mmの成形体に押
出し成形し、乾燥した後、長さ10mm程度に整粒し
た。次いでマッフル炉を用いて600℃雰囲気中で2時
間焼成し、粘土を焼結させるとともに、粘土中に含まれ
る有機物、添加した潤滑剤などを分解燃焼させた後、大
気中で冷却して水分が25%になるよう加湿した。この
成形体25gを1規定塩化カルシウム水溶液1,200
mlと温度60℃の条件下において回分式で15時間接
触させた後、洗浄し、乾燥した。このもののカルシウム
交換率を測定した結果、92.5%であった。次いで1
規定塩化リチウム水溶液2,000mlと温度60℃の
条件下において回分式で3時間接触させる操作を2回繰
り返した後、洗浄し、乾燥した。
リン型粘土25部を混合し、さらに潤滑剤としてカルボ
キシメチルセルロ−ス3部を加えた後、押出し成形しう
るよう水分の調整を行ないながらミックスマ−ラ−造粒
器で十分捏和した。このものを1.5mmの成形体に押
出し成形し、乾燥した後、長さ10mm程度に整粒し
た。次いでマッフル炉を用いて600℃雰囲気中で2時
間焼成し、粘土を焼結させるとともに、粘土中に含まれ
る有機物、添加した潤滑剤などを分解燃焼させた後、大
気中で冷却して水分が25%になるよう加湿した。この
成形体25gを1規定塩化カルシウム水溶液1,200
mlと温度60℃の条件下において回分式で15時間接
触させた後、洗浄し、乾燥した。このもののカルシウム
交換率を測定した結果、92.5%であった。次いで1
規定塩化リチウム水溶液2,000mlと温度60℃の
条件下において回分式で3時間接触させる操作を2回繰
り返した後、洗浄し、乾燥した。
【0026】こうしてえられた成形体のイオン交換率
は、リチウム42.4%およびカルシウム54.6%で
あった。
は、リチウム42.4%およびカルシウム54.6%で
あった。
【0027】そのは、18.9Ncc/gであった。そ
れを400℃で1時間焼成したものの窒素平衡吸着量
は、17.5Ncc/gであった。
れを400℃で1時間焼成したものの窒素平衡吸着量
は、17.5Ncc/gであった。
【0028】実施例2〜8 比較例1〜8 表1に示す条件を除いては実施例1と同じ条件でA型ゼ
オライト成形体を調製し、窒素平衡吸着量を測定した。
いくらかの例では、塩化リチウムの濃度あるいは量、そ
して回分接触回数を変えてリチウムイオン交換A型ゼオ
ライトを調製した。また、カルシウムイオン交換率を変
えただけのものも調製した。実施例1と異なる条件およ
び窒素平衡吸着量を表1および表2に示す。
オライト成形体を調製し、窒素平衡吸着量を測定した。
いくらかの例では、塩化リチウムの濃度あるいは量、そ
して回分接触回数を変えてリチウムイオン交換A型ゼオ
ライトを調製した。また、カルシウムイオン交換率を変
えただけのものも調製した。実施例1と異なる条件およ
び窒素平衡吸着量を表1および表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
Claims (2)
- 【請求項1】リチウムイオン交換率が20〜50%であ
り、かつ、残りの陽イオンは主としてカルシウムイオン
で交換されていることを特徴とする、A型ゼオライト成
形体。 - 【請求項2】合成ナトリウムA型ゼオライト粉末とカオ
リン型粘土とを混合し、成形し、えられた成形体を乾燥
し、焼成した後、カルシウム塩水溶液と接触させてナト
リウムイオンの90%以上をカルシウムイオンとイオン
交換し、次いでリチウム塩水溶液と接触させてリチウム
イオン交換率が20〜50%となるまでイオン交換処理
をすることを特徴とする、A型ゼオライト成形体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31500793A JPH07172820A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | A型ゼオライト成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31500793A JPH07172820A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | A型ゼオライト成形体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07172820A true JPH07172820A (ja) | 1995-07-11 |
Family
ID=18060300
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31500793A Pending JPH07172820A (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | A型ゼオライト成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07172820A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022230850A1 (ja) * | 2021-04-28 | 2022-11-03 | オルガノ株式会社 | 金属イオン含有非水溶媒製造材料および金属イオン含有非水溶媒の製造方法 |
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1993
- 1993-12-15 JP JP31500793A patent/JPH07172820A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022230850A1 (ja) * | 2021-04-28 | 2022-11-03 | オルガノ株式会社 | 金属イオン含有非水溶媒製造材料および金属イオン含有非水溶媒の製造方法 |
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