JP3772412B2 - 低摩耗性ゼオライトビーズ成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結合剤含有量の少ない、いわゆるバインダーレスの低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、吸着分離剤として広く用いられ、イオン交換法によってナトリウムイオンをカルシウムイオンにイオン交換することにより、例えば窒素と酸素とを主成分とする混合ガスから吸着法によって選択的に窒素を吸着させ、酸素を分離濃縮したり、有機溶液中の水分を吸着除去するなどの吸着分離などの目的において有用となるバインダーレスの低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりゼオライトビーズ成形体は、ゼオライト粉末と、粘土系バインダー,シリカゾル,アルミナゾル等のバインダー、及び水、また目的によっては成形助剤を添加した混練混合物の湿粉を転動造粒法によって造粒する方法で成形されている。この方法によれば、ビーズの大きさをコントロールすることが容易である。例えば、得られた造粒物を転動しながら湿粉をコーティングすれば大きいビーズ径となり、これらの方法は一般的に広く行なわれている。又、混練混合物の湿粉を押出成形し、成形されたペレットを転動することによってビーズ形状にする押出マルメ成形法も知られている。
【0003】
このようにして得られた成形体は、通常550〜650℃の温度で焼成することによりバインダーを焼結させることで強度を高め、必要に応じて種々のカチオンによりイオン交換し、活性化して吸着分離に供される。
【0004】
しかしながら、転動造粒法で成形されたゼオライト成形体は、バインダー成分を多く含むことから、ある程度の強度物性を維持できるが、押出成形のように機械的な力で、いわば無理やり成形された柱状品と異なり、剤の自重で遠心力によって成形されるビーズ剤の場合には、特に耐摩耗性が低いことが欠点であった。例えば、シリカゾルあるいはアルミナゾルのように焼結性に乏しいバインダーを用いた場合、バインダー量に関係なく耐摩耗性が著しく劣る等の欠点があった。又、ゼオライト結晶と大きさの異なるバインダーを用いて製造される吸着剤においては、その性能において重要な細孔が形成され易いことが特徴であるが、添加されたバインダーが吸着分離に関与しないことから、必ずしも満足できる吸着性能ではなかった。
【0005】
さらに、耐摩耗性が劣る吸着剤においては、吸着塔への充填や吸脱着の繰り返しにより粉化が生じ、例えば、弁あるいはバルブにおいて種々のトラブルを招いたり、圧力損失が上昇して吸着分離能が低下する、といった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このようなゼオライト成形体における従来の課題を克服し、吸着性能が高く、細孔容積が大きく、また、耐摩耗性に代表される強度物性を損なわないバインダーレスの低摩耗性ゼオライトビーズ成形体及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、低摩耗性ゼオライトビーズ成形体として、ゼオライト含有率を高く、かつ細孔容積を大きくすることで、吸着性能が高く、更に、ビーズ成形体としても優れた強度物性を有した低摩耗性のA型又はX型ゼオライトビーズ成形体を容易に得ることができることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
まず、本発明の低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体について説明する。
【0010】
本発明の低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体は、ゼオライト含有量が全量の95重量%以上であり、細孔容積が0.2cc/g以上である。更に、低摩耗性としては、実施例において示されるように、JIS−K−1464に記載の粒子強度の測定法に準じて算出される摩耗率が0.5重量%以下である。
【0011】
ここで、ゼオライト含有量が全量の95重量%未満の場合、ガス拡散速度、すなわち吸脱着速度が遅くなり、吸着剤としての性能が悪くなるために好ましくない。また、細孔容積についても同様に、0.2cc/g未満となる場合、吸着容量が小さくなり好ましくない。さらに、摩耗率が0.5重量%を越える場合、成形体の強度が悪くなり実用面において好ましくない。
【0012】
次に、本発明の低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体の製造方法について説明する。
【0013】
その製造方法としては、ゼオライト粉末及びゼオライト粉末100重量部に対して25重量部以下のカオリン型粘土とからなるビーズ成形体を焼成した後、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化ナトリウム及びケイ酸ナトリウムの混合水溶液と接触させ水熱処理することによって、成形体中のカオリン型粘土をゼオライトに転移させることを要旨とするものである。
【0014】
ここで、本発明の低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体は、水酸化ナトリウム及びケイ酸ナトリウムの混合水溶液を用いて水熱処理する。以下にバインダーレスの低摩耗性のX型ゼオライトビーズ成形体の製造方法は実施例により詳細に説明する。
【0015】
本発明の低摩耗性ゼオライトビーズ成形体の製造方法としては、合成ナトリウムA型ゼオライト粉末とカオリン型粘土および水とを混合する工程、混合物を成形する工程、得られた成形体を乾燥し、焼成する工程、水酸化ナトリウム水溶液と一定温度で接触させてバインダーレス化処理をする工程、カルシウム塩水溶液と接触させナトリウムイオンの67%以上をカルシウムイオンと交換し、理論細孔径5オングストロームのCaA型ゼオライトにする交換工程、成形体を焼成して活性化する工程からなっており、バインダーレスの低摩耗性のCaA型ゼオライトビーズ成形体を容易に製造することができるものである。
【0016】
以下にこれらの工程を説明する。
【0017】
<混合工程>
低摩耗性ゼオライトビーズ成形体の出発原料である合成ナトリウムA型ゼオライト粉末は、公知の方法、すなわちアルミン酸ナトリウム及びケイ酸ナトリウムから合成されたものが好ましく用いられる。
【0018】
この合成ナトリウムA型ゼオライト粉末と、添加するカオリン型粘土とを水分を添加して調整をしながらすべてが均一となるよう混練混合した後、充分捏和する。添加するカオリン型粘土の量としては、物理的強度の高い成形体を得、更にバインダーレス化率をなるべく高くして吸着容量を大きくするために、ナトリウムA型ゼオライト粉末100重量部に対して、25重量部以下が好ましく、特に20〜25重量部の範囲が好ましく用いられる。この添加量は、例えば特開平2−157119号公報に記載の方法のように成形体を水酸化ナトリウム水溶液と40℃で1時間接触させ熟成した後、80℃に昇温して4時間接触させることによって、バインダーであるカオリン型粘土をA型ゼオライトに転移せしめ、バインダーレスで低摩耗性のA型ゼオライトビーズ成形体にした後、カルシウムイオン交換処理することにより、さらに高い吸着性能を有する成形体を得るのにも適した量である。カオリン型粘土は最終的に得られる成形体の物性を安定化させ、収量を多くするために、不純物の少ないものを用いることが好ましく、例えば、ジョージアカオリンなどが例示できる。ゼオライト粉末とカオリン型粘土とを混合する際に調整のために用いられる水分の添加量としては、原料であるゼオライト粉末、カオリン型粘土の性状、量比により左右され一定しないが、通常ゼオライト粉末100重量部に対して60〜70重量部の範囲の量で充分である。
【0019】
<成形工程>
このようにして、充分捏和した混合物を転動造粒等により成形する。成形物の形状については、本発明の低摩耗性ゼオライトビーズ成形体の特徴を具備しておればなんら限定されるものではなく、球状、楕円球状等に成形することができ、例えば、転動造粒により6〜14メッシュのビーズ成形体とすることができる。ここでビーズに成形する方法としては、公知の方法を用いて実施することができ、例えば、マルメライザー成形器などを例示することができる。成形されるビーズの径については、その用途によって大きさを変えることができる。又、必要に応じて、得られたビーズをふるいにより分級することで大きさを揃えてもよい。
【0020】
<焼成工程>
成形した後、乾燥し、焼成して添加したカオリン型粘土を焼結させた後、冷却し、水分25%程度に加湿する。乾燥、焼成の方法としては、公知の方法を用いて実施することができ、焼成の温度としては得られる成形体の形状を安定に保持するために600〜650℃の条件にて行うことが好ましい。更に、加湿操作は必要に応じて実施すれば良いが、次の工程であるバインダーレス化処理の際に、バインダーレス化液との接触で急激な発熱により不純物の生成あるいは成形体のヒビ割れ、剥離等を防止するのに有効である。
【0021】
<バインダーレス化処理工程>
このようにして得た成形体を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してバインダーレス化処理を実施する。ここで使用される水酸化ナトリウム水溶液の濃度としては1.5〜2モル/リットルの範囲が好ましい。この理由として、結晶化を早く進めると共に成形体内部へ水酸化ナトリウム水溶液を充分に拡散させてバインダーレス化を完全なものとすることで細孔容積が大きな吸着性能の優れた成形体を得ることができ、又、ヒドロキシソーダライト等の不純物の生成も抑えることもできるためである。
【0022】
次いで所定時間、所定温度にて熟成を実施した後、昇温して結晶化し、カオリン型粘土をA型ゼオライトに転移させる。熟成の条件としては、温度として40℃以下、時間として1時間以上であればよい。昇温して結晶化させる際の条件としては、A型ゼオライトが生成する条件であれば良く、温度として80℃以上、結晶化の時間が4時間以上であることが好ましい。このようにして、添加混合したカオリン型粘土の内、実質的にA型ゼオライトに転移でき得るすべてを結晶化させた成形体を水酸化ナトリウム水溶液中から取り出し、水あるいは温水で充分洗浄する。
【0023】
<交換工程>
以上の工程により、バインダーレス化したビーズ成形体を、カルシウム塩水溶液と一定温度条件下で接触させ、ナトリウムイオンの67%以上をカルシウムイオンで交換する。ナトリウムイオンとの交換に用いるカルシウム化合物としては水溶液として容易に提供できるものであれば特に制限はないが、通常、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウムの水溶液などが好ましく用いられ、特に塩化カルシウム水溶液が好ましく用いられる。交換の方法としては、回分接触法やカラム流通法等が通常用いられ、効率よくイオン交換する場合にはカラム流通法で流通速度を調整して行うのが好ましく、全体を一様にイオン交換するには回分接触法が適している。イオン交換を実施する場合の温度はイオン交換平衡到達速度を考慮して決められるが、通常50℃程度で充分である。
【0024】
このようにしてカルシウムイオン交換した後、成形体をカルシウム塩水溶液から取り出し、水あるいは温水で充分洗浄し、通常60〜80℃程度で乾燥する。
<活性化工程>
このようにして得られた成形体を更に焼成することで、吸着性能の高い吸着分離剤が得られる。焼成の条件としては、その目的として成形体中の水分を脱着することにあり、焼成により成形体が活性化され吸着性能が向上する条件であればどの様な条件も用いることができる。例えば、400℃で1時間程度焼成することにより達成できる。
【0025】
以上のように、原料粉末特性、製造条件などを適宜選択して、本発明の低摩耗性ゼオライトビーズ成形体の特徴を有する成形体を得ることができる条件であればなんら問題ない。
【0026】
本発明の方法により得られる低摩耗性ゼオライトビーズ成形体は、混合ガスから吸着法により選択的に窒素を吸着させて酸素を分離濃縮したり、有機溶液中の水分を吸着除去するなどの吸着分離剤等の用途に使用可能である。
【0027】
本発明の低摩耗性ゼオライトビーズ成形体が、吸着分離剤に必須の細孔容積を損なわずしてゼオライト成分を高くできる理由は、SiO2/Al23のモル比が2のカオリン型粘土をバインダーとして用いる点にあり、バインダーレス化液、すなわちA型ゼオライトは水酸化ナトリウム水溶液、X型ゼオライトでは水酸化ナトリウム及びケイ酸ナトリウムの混合水溶液へのカオリン型粘土の溶解、及びそれに次ぐゼオライト結晶核の生成とその成長が、成形体の表面から内部にかけて比較的均一に進行することによるものと考えられる。更に耐摩耗性に優れる点は、成形時にビーズ表面に付着する1μm以下の微細な粘土粒子が焼成によって強く母ゼオライトと焼結し、次ぐバインダーレス工程で全て1〜2μmのゼオライトに転移し、成形体表面に微粒な粘土分は存在し得なくなるからと考えられる。
【0028】
しかしながら、このような推測はなんら本発明を拘束するものではない。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各評価は以下に示した方法によって実施した。
【0030】
使用したカオリン型粘土は、不純物含有量の少ないジョージアカオリンである。
【0031】
〜純結晶含有率〜
ゼオライト結晶含有率(純結晶含有率)は水分吸着量により測定した。すなわち、成形体を350℃で1時間活性化し、冷却後、温度25℃、相対湿度80%のデシケーター中で16時間以上放置し、成形体に吸着された平衡水分吸着量を測定した。
【0032】
平衡水分吸着量の測定については、活性化後の成形体の重量(M、とする)と水分吸着が平衡となった成形体との重量(N、とする)を測定し、次の(1)式により算出することで求めた。
【0033】
(N−M)/M×100 (1)
又、純結晶含有率は、A型ゼオライトの場合には合成NaA型ゼオライト結晶粉末の平衡水分吸着量28.0%、X型ゼオライトの場合には合成NaX型ゼオライト結晶粉末の平衡水分吸着量35.0%をそれぞれ基準にして成形体中の純結晶含有率を求めた。
【0034】
〜細孔容積〜
ビーズ成形体を、水銀圧入式ポロシメーター(アムコ社製)を用い、1〜1500kg/cm2の圧力範囲で測定した。
【0035】
〜摩耗率〜
摩耗率はJIS−K−1464(1962年版)に記載の粒子強度の測定法に準じて算出した。すなわち、試料である成形体をあらかじめ温度25℃、相対湿度80%のデシケーター中で平衡になるまで16時間以上放置した。ついで、試料約70gを850μm、355μm及び受け皿をセットしたふるい(東京スクリーン社製、型式:JIS Z−8801)を用いて3分間ふるい分けし、次いで、付着物等を取り除いた前記のふるいにて3分間ふるい分けして、残った試料50gを正確に秤り取り、同時に5個の10円玉銅貨をセットし、15分間振動する。受け皿に落ちた試料をXgとして次の(2)式で摩耗率を算出した。
【0036】
摩耗率(重量%)=(X/50)×100 (2)
〜X線回折試験〜
成形体中にA型又はX型ゼオライト以外の不純物があるか否かを確認するために、試料をX線回折装置(マックサイエンス社製、型式:MXP3)による結晶解析を実施した。A型又はX型ゼオライトによるピーク以外の不純物ピークが無いことで純度の確認を行なった。
【0037】
実施例1
合成ナトリウムA型ゼオライト粉末(東ソー株式会社製)と、この粉末100重量部に対してカオリン型粘土(DRY BRANCH KAOLIN社製、商品名:フラットD)25重量部をミックスマーラー造粒器(新東工業社製、型式:MSG−05S)で混合混練し、精製水を適宜加えながら最終的にA型ゼオライト粉末100重量部に対して精製水60重量部を加えて調製した後、充分に捏和した。この捏和物をマルメライザー成形器(不二パウダル社製、型式:Q−230)で直径1.4〜2.8mmのビーズ形状に転動成形し、乾燥した。次いでマッフル炉(アドバンテック社製、型式:KM−600)を用いて600℃雰囲気中で2時間焼成してカオリン型粘土を焼結させた後、大気中で冷却して水分が25%程度になるよう加湿した。この成形体100g(活性化重量)をステンレス製反応容器(内径:105mm × 高さ:180mm)中で濃度1.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して40℃で1時間熟成し、さらに80℃に昇温した後、4時間放置して添加した粘土分をA型ゼオライトへ完全に転移させ、水で充分洗浄し、60℃で16時間乾燥してA型低摩耗性ゼオライトビーズ成形体を得た。これを前記の方法により水分吸着量を測定した結果、27.5%であった。合成NaA型ゼオライト結晶粉末の平衡水分吸着量28.0%を基準にして、得られた成形体の結晶含有率を計算するしたところ、98.2%と求まった。
【0038】
得られたバインダーレスの低摩耗性のA型ゼオライトビーズ成形体を、予め塩化カルシウム(粒状、セントラル硝子社製)を0.5モル/リットルの濃度となるように精製水により溶解した塩化カルシウム水溶液と50℃、3時間、スリーワンモーターを用いて撹拌しながら接触させ、カルシウムイオン交換した後、精製水で充分洗浄し、60℃で16時間乾燥した。この後、管状炉(アドバンテック社製)で空気流通下において400℃、1時間活性化処理した。得られた成形体の純結晶含有率、細孔容積、摩耗率等を前記の方法で測定し、その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003772412
【0040】
また、この成形体に対して前記のX線回折試験による結晶解析を実施した結果、他の相すなわち不純物は認められなかった。
【0041】
実施例2〜6
表1に示した粘土量及び水酸化ナトリウム水溶液の濃度を使用した以外は実施例1と同様な操作によって、バインダーレスの低摩耗性のA型ゼオライトビーズ成形体を調製した。それらの結晶含有率、細孔容積及び摩耗率について、前記の方法で測定した結果を表1に示す。また、これらの成形体に対して前記のX線回折試験による結晶解析を実施した結果、他の相すなわち不純物は認められなかった。
【0042】
実施例7
合成ナトリウムX型ゼオライト粉末(東ソー株式会社製)と、この粉末100重量部に対して、カオリン型粘土(DRY BRANCH KAOLIN社製、商品名:フラットD)25重量部をミックスマーラー造粒器(新東工業社製、型式:MSG−05S)で混合混練し、精製水を適宜加えながら最終的にX型ゼオライト粉末100重量部に対して精製水65重量部を加えて調製した後、充分に捏和した。この捏和物をマルメライザー成形器(不二パウダル社製、型式:Q−230)で直径1.4〜2.8mmのビーズ形状に転動成形し、乾燥した。次いでマッフル炉(アドバンテック社製、型式:KM−600)を用いて600℃雰囲気中で2時間焼成してカオリン型粘土を焼結させた後、大気中で冷却して水分が35%程度になるよう加湿した。この成形体100g(活性化重量)をステンレス製反応容器(内径:105mm × 高さ:180mm)中で濃度1.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液および0.1モル/リットルのケイ酸ナトリウムの混合水溶液に浸漬して40℃で1時間熟成し、さらに90℃に昇温した後、6時間放置して添加した粘土分をX型ゼオライトへ完全に転移させ、水で充分洗浄した後、60℃で16時間乾燥して低摩耗性のX型ゼオライトビーズ成形体を得た。これを前記の方法により水分吸着量を測定した結果、34.3%であった。合成NaX型ゼオライト結晶粉末の平衡水分吸着量35.0%を基準にして、得られた成形体の結晶含有率を計算するしたところ、97.9%と求まった。
【0043】
得られたバインダーレスの低摩耗性のX型ゼオライトビーズ成形体を、予め塩化カルシウム(粒状、セントラル硝子社製)を0.5モル/リットルの濃度となるように精製水により溶解した塩化カルシウム水溶液と50℃、3時間、スリーワンモーターを用いて撹拌しながら接触させ、カルシウムイオン交換した後、精製水で充分洗浄し、60℃で16時間乾燥した。この後、管状炉(アドバンテック社製)で空気流通下において400℃、1時間活性化処理した。得られた成形体の純結晶含有率、細孔容積、摩耗率等を前記の方法で測定し、その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0003772412
【0045】
また、この成形体に対して前記のX線回折試験による結晶解析を実施した結果、他の相すなわち不純物は認められなかった。
【0046】
実施例8〜14
表2に示した粘土量及び水酸化ナトリウム水溶液の濃度を使用した以外は実施例7と同様な操作によって、バインダーレスの低摩耗性のX型ゼオライトビーズ成形体を調製した。それらの結晶含有率、細孔容積および摩耗率について、上述の方法で測定した結果を表2に示す。また、これらの成形体に対して前記のX線回折試験による結晶解析を実施した結果、他の相すなわち不純物は認められなかった。
【0047】
比較例1〜9
表3に示した粘土量、水酸化ナトリウム水溶液又はケイ酸ナトリウム水溶液の濃度を使用した以外は、出発原料粉末である母ゼオライトがA型ゼオライトの場合には実施例1、母ゼオライトがX型ゼオライトの場合には実施例7と同様な操作によって、A型ゼオライト成形体及びX型ゼオライト成形体を調製した。それらの結晶含有率、細孔容積及び摩耗率について、上述の方法で測定した結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0003772412
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のバインダーレスの低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体は、ゼオライト含有率が高く、かつ細孔容積が大きいことで、吸着性能が高く、低摩耗性の優れた強度物性を有した成形体である。又、本発明の製造方法によればゼオライト含有率の高いバインダーレスの低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体を容易に得ることができる。
【0050】

Claims (4)

  1. 低摩耗性ゼオライトビーズ成形体において、ゼオライト含有量が全量の95重量%以上であり、かつ細孔容積が0.2cc/g以上であることを特徴とする低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体。
  2. 請求項に記載の低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体において、ゼオライトのカチオンがカルシウムイオンに交換されていることを特徴とする低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体。
  3. ゼオライト粉末及びゼオライト粉末100重量部に対して25重量部以下のカオリン型粘土からなる転動造粒成形体を焼成した後、水酸化ナトリウム水溶液、又は水酸化ナトリウム及びケイ酸ナトリウムの混合水溶液と接触させ、水熱処理することにより転動造粒成形体中のカオリン型粘土をゼオライトに転移させ、水分を脱着させることを特徴とする請求項1又は2に記載の低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体の製造方法。
  4. 請求項に記載の低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体の製造方法において、水熱処理の後にカルシウムイオンと接触させてイオン交換を行うことを特徴とする低摩耗性転動造粒ゼオライトビーズ成形体の製造方法。
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