JPH07166370A - 耐高温変色性に優れたAl系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐高温変色性に優れたAl系めっき鋼板およびその製造方法

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JPH07166370A
JPH07166370A JP31553993A JP31553993A JPH07166370A JP H07166370 A JPH07166370 A JP H07166370A JP 31553993 A JP31553993 A JP 31553993A JP 31553993 A JP31553993 A JP 31553993A JP H07166370 A JPH07166370 A JP H07166370A
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plating
steel sheet
plating layer
plated
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JP31553993A
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Masatoshi Iwai
正敏 岩井
Jiyunji Kawafuku
純司 川福
Koji Irie
広司 入江
Haruhiro Ayabe
東太 綾部
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温環境下の使用においても変色を生じない
様な、耐高温変色性に優れたAl系めっき鋼板を提供す
る。 【構成】 鋼板表面にAl系めっき層が形成されたAl
系めっき鋼板であって、前記Al系めっき層が下記
(a)〜(c)の3層からなるめっき層構造を有するも
のである。 (a)上層めっき層:厚さ1μm以上、純度99重量%
以上のAl蒸着めっき層 (b)中間層:厚さ0.1μm以上のAl系酸化物層 (c)下層めっき層:Alめっき層またはAl系合金め
っき層

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温環境下の使用にお
けるめっき表面の耐変色性に優れたAl系めっき鋼板に
関するものであり、本発明に係るAl系めっき鋼板は、
自動車の排気系部材やヒートインシュレータ系部材、各
種ストーブやオーブン等の加熱機器部材、更には各種燃
焼炉の構成部材等の機械部品の素材として有用である。
【0002】
【従来の技術】Al系めっき鋼板は、耐熱性、耐食性お
よび耐候性等において優れたものであり、且つ生産コス
トも比較的安価であるところから、自動車、家庭用電気
製品、建築材料等の分野で利用されている。ところで、
自動車の排気系部品やヒートインシュレータ系部品、各
種ストーブやオーブン等の加熱機器部材、各種燃焼炉構
成部材等の機械部品は、高温環境あるいは高温腐食性の
環境に曝されるため、高温下における耐酸化性および耐
食性に優れた材料を用いることが必要とされる。こうし
た用途に適用される材料として、耐酸化性および耐食性
に乏しい一般普通鋼材を適用することは困難であり、こ
れまで各種ステンレス鋼が適用されているが、ステンレ
ス鋼は高価であるために、性能的にはステンレス鋼より
もやや劣るが、経済的な理由からAl系めっき鋼板が多
用されているのが現状である。
【0003】上記Al系めっき鋼板は、高温環境下での
使用において、めっき表面が酸化され、Al系酸化物皮
膜がめっき表面を覆うことになる。該酸化物皮膜は、直
下にあるAl系めっき層表面を緻密に覆い、該皮膜自身
が酸素の透過・拡散を抑制するため、いったん緻密な酸
化物皮膜が形成されると、その後の酸化物皮膜の成長速
度が効果的に低減されるため、結果としてめっき層の高
温酸化による消耗速度が抑制される。この様なAlの有
する特徴を利用して、耐熱性が要求される部材では、A
l系めっき鋼板が多用されているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】Al系めっき層は、高
温環境下においてめっき基板である素地鋼板との拡散・
合金化反応を生じ、めっき層と鋼板表面との界面にFe
2 Al5 等のFe−Al系金属間化合物層が形成され
る。そして該金属間化合物層は、使用環境温度が高いほ
どその成長が顕著に認められ、長期間の使用においてA
l系めっき層が全て素地鋼板と合金化し、最終的にはめ
っき層表面にまで該Fe−Al金属間化合物層が露呈す
るようになる。一般に、Fe−Al系金属間化合物自身
は、暗灰色または黒色を呈しており、該金属間化合物層
がめっき表面まで成長すると、元来有するAl系めっき
の金属光沢に優れた銀白色のめっき外観から、灰色また
は黒色を呈する外観に変化し、めっき外観を損ねること
になる。まためっき表面に露呈した該金属間化合物が酸
化すると、ヘマタイト(Fe23 )等のFe系酸化物
も生成し、めっき表面が部分的に茶褐色を呈する様にな
り、めっき外観が更に損なわれる。こうしたことからF
e−Al金属間化合物層の生成・成長を抑制するため
に、現在では、Alめっき層中に10重量%程度のSi
を添加した溶融Al−Siめっき鋼板も実用化されてい
る。
【0005】この溶融Al−Siめっき鋼板には、溶融
Al浴中にSiを添加することにより製造可能であり、
得られためっき層中にはSiが分散されていると共に、
素地鋼板との界面には、Al−Fe−Si三元系金属間
化合物層を形成して、該金属間化合物層中にはSiが濃
化しているものである。そして素地鋼板との界面に形成
された数μm厚さの該Al−Fe−Si系金属間化合物
層は、高温環境下においてAlめっき層と素地鋼板との
拡散・合金化を抑制するバリアー層として有効に働くこ
とが知られている。そのため、Siを含有しない純Al
めっき鋼板に比べて、Fe−Al金属間化合物層の成長
が抑制され、結果として本Fe−Al金属間化合物層の
露呈に起因するめっき表面の変色(黒変化)が抑制され
るという特徴を有している。
【0006】しかしながら、溶融Al−Siめっき鋼板
は、めっき層中にSiが添加されているために、高温環
境下においてめっき表面に生成・成長される酸化物皮膜
が、Al−Si系複合酸化物皮膜となり、純粋なAl酸
化物皮膜が生成した場合に比べてめっき表面の色調変化
が生じ易いという欠点がある。また、500℃を超える
様な環境下では、Al−Fe−Si金属間化合物層のバ
リアー効果も十分でなく、次第にめっき層全体がFe−
Al金属間化合物層に変化して、めっき外観の黒色への
変化が生じる。本発明はこうした状況の下になされたも
のであって、その目的は、高温環境下の使用においても
変色を生じない様な、耐高温変色性に優れたAl系めっ
き鋼板を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、鋼板表面にAl系めっき層が形成されたAl
系めっき鋼板であって、前記Al系めっき層が下記
(a)〜(c)の3層からなるめっき層構造を有するも
のである点に要旨を有するAl系めっき鋼板である。 (a)上層めっき層:厚さ1μm以上、純度99重量%
以上のAl蒸着めっき層 (b)中間層:厚さ0.1μm以上のAl系酸化物層 (c)下層めっき層:Alめっき層またはAl系合金め
っき層 また上記目的を達成した本発明方法とは、溶融めっき
法、非水系電気めっき法または真空蒸着法のいずれかの
方法によって素地鋼板上にAl系めっき層またはAl系
合金めっき層を形成した後、酸化性雰囲気下による加熱
処理法または真空蒸着法によりAl系酸化物皮膜層を形
成し、更にその表面に、真空蒸着法によって純Al蒸着
めっき層を形成する点に要旨を有するものである。
【0008】
【作用】本発明が完成された経緯にそって、本発明の作
用について説明する。尚本発明においてAl系めっき素
を施す鋼板(即ち被処理材)としては、一般の冷延鋼板
を初めとして、各種ステンレス鋼板や合金鋼板を含むも
のであるが、以下では冷延鋼板を代表的に取り上げて説
明を進める。
【0009】本発明者らは、Al系めっき鋼板を高温環
境下にて加熱することにより、めっき層表面の酸化物皮
膜の形成、めっき層と素地鋼板との合金化挙動に伴うめ
っき外観の変化について様々な角度から検討した。その
結果、Al系めっき層表面の酸化は、約400℃以上で
顕著に生じ、この酸化物皮膜がめっき表面を緻密に覆う
ことが判明した。また、めっき層中に各種添加元素を含
有したAl系合金めっき鋼板においては、得られた酸化
物皮膜は純粋なAl酸化物ではなく、Alと添加元素の
複合酸化物皮膜からなり、該複合酸化物皮膜は、純粋な
Al酸化物皮膜に比べて、めっき表面の変色がより顕著
になる場合が多いことが判明した。更に、Al系めっき
層と素地鋼板との拡散・合金化反応の生じ易さは、めっ
き層中に添加したSi,Cr,Cu等の第2元素の種類
や含有量の影響を受け、一般的には添加元素を含まない
純Alめっき層が最も素地鋼板との合金化開始温度が低
いこと、またFe−Al金属間化合物の成長速度も大き
いことが明らかとなった。つまり、めっき表面に形成さ
れる酸化物皮膜の成長に伴うめっき外観の変色について
は、純粋なAl酸化物が最もその変色が目立ちにくいと
いう知見を得た。また、Fe−Al金属間化合物層のめ
っき表面までの成長に伴うめっき外観の変色(黒変化)
については、Alめっき層中にAlと素地鋼板との合金
化反応を抑制する添加元素を含有したAl系合金めっき
層が、特に有利であるという知見も得た。
【0010】そこで本発明者らは、上層めっきに純Al
めっき層、下層めっきに素地鋼板との合金化反応が生じ
にくいAl系合金めっき層からなるAl系2層めっき構
造とすることにより、めっき表面の酸化物皮膜は純粋な
Al酸化物として変色の程度を軽減し、且つ下層めっき
層の効果により素地鋼板との合金化の成長による黒変化
も抑制することが可能ではないかと考え、この2層めっ
き鋼板を試作して、加熱試験に供してその耐高温変色性
について調査した。しかしながら、この様な2層めっき
鋼板の耐高温変色性は所望の効果が得られないことが明
らかとなった。その理由として、この2層めっき鋼板を
高温環境下で加熱すると、下層のAl系合金めっき層が
素地鋼板との合金化を生じるよりも先に、上層の純Al
めっき層と下層のAl系合金めっき層の両層間での拡散
が容易に生じてしまい、下層めっき層に本来含有してい
た添加元素が、短時間で上層のめっき表面まで拡散して
到達し、結果としてめっき表面に形成された酸化物皮膜
が純粋なAl酸化物でなく、Alと添加元素の複合酸化
物層を形成してしまうことによるものと判明した。即
ち、加熱前に形成されていた2層めっき構造が、両層の
拡散により容易に消失してしまうことによるものである
ことが明らかとなった。そこで、本発明者らは、上層の
純Alめっき層と下層のAl系めっき層との拡散を抑制
することが出来ないかと考え、上下両めっき層間に中間
層を付与することについて種々検討を重ねたところ、該
中間層として、緻密なAl系酸化物皮膜層を有すること
が最も拡散抑制に効果的であることを見い出し、本発明
を完成した。以下、めっき層の構造について更に詳細に
説明する。
【0011】まず、本発明のめっき層構造にとって最も
重要な中間層であるが、この層は上層純Alめっき層と
下層Al系めっき層との間に緻密なAl系酸化物皮膜層
を付与することにより、加熱による上下両めっき層間の
拡散を効果的に抑制する作用を有する。これにより、上
層の純Alめっき層が長期間に渡って維持され、結果と
してめっき表面に形成される酸化物皮膜が純粋なAl酸
化物を維持し、酸化物皮膜の成長に伴う変色が生じにく
くなるのである。また、該中間層の更なる機能として、
高温環境下にて下層のAl系めっき層が素地鋼板と拡散
・合金化反応を生じ、下層めっき層がFe−Al系金属
間化合物層に変化した場合でも、該Fe−Al金属間化
合物層と上層純Alめっき層との拡散を効果的に防止す
ることができる。そのため、たとえ下層めっき層がFe
−Al金属間化合物層に変化しても、上層の純Alめっ
き層が長期間保持されるため、めっき最表面までFe−
Al金属間化合物層が成長・露呈して、めっき表面外観
が黒変化することを抑制する働きを有する。
【0012】この様な中間層における上下めっき層間の
拡散バリアーとしての効果を十分に発揮させるために
は、該中間層となるAl系酸化物皮膜にマクロな欠陥が
無いことが重要であるが、そのためには、その厚さが
0.1μm以上であることが必要である。この厚さが
0.1μm未満であると、中間層を形成させる手段にか
かわらず、該酸化物皮膜に欠陥が存在し易く、拡散バリ
アー皮膜層としての機能が不十分となる。該酸化物皮膜
の厚さの上限については、特に規定されるものではない
が、当然のことながら、皮膜厚さの増大に伴って、拡散
バリアー層としての機能も向上する。しかしながら、酸
化物皮膜が厚くなるに従って、一方でめっき層全体の加
工性が劣化する。即ち、上層の純Alめっき層および下
層のAl系めっき層自身の加工性は優れており、膜厚が
多少増大しても加工性の大きな低下はないが、中間層で
あるAl系酸化物皮膜層については、酸化物自身が加工
性に乏しいために、強度の曲げ加工や絞り加工を行う
と、該中間層の膜厚が非常に厚い場合には、この中間層
を境界面としてめっき層の層間剥離が生じる場合があ
る。また、金属および合金と酸化物とでは熱膨張係数に
差があるため、該中間層の膜厚が非常に厚い場合には、
高温加熱環境下での加熱昇温時または冷却時に、両者の
熱膨張係数の差に起因するめっき層の割れ、剥離が生じ
る場合がある。この様に強度な加工時やめっき層の熱膨
張−収縮時に、本中間層にマクロな亀裂が生じると、そ
れ以降の拡散バリアー層としての機能が損なわれてしま
う。こうしたことから、加工性および拡散バリアー機能
の維持の両面から考えて、Al系酸化物皮膜である中間
層の厚さは、必ずしも厚いほどより望ましいというもの
でもなく、具体的には3μm程度以下が推奨される。
【0013】次に、上層の純Alめっき層の厚さは、1
μm以上が必要である。その純Alめっき層は、高温下
でその表面が酸化してAl酸化物を形成するが、その厚
さが1μm未満では、酸化物皮膜が厚く成長したとき
に、純Alめっき層の全てが酸化物皮膜に変化してしま
い、めっき層自身が消耗する期間が短くなる。また、耐
食性維持という点からしても、厚さが1μm未満では不
十分である。従って、最低厚さとして1μm以上必要で
ある。尚上層となる純Alめっき層における厚さの上限
については、特に限定されるものではなく、膜厚の増大
に伴って、耐熱性および耐食性が向上することは明らか
であるが、一般的には10μm以下が製造コストの面で
推奨される。また上層純Alめっき層の純度は99%以
上とする必要がある。上層に純Alめっき層を用いる主
旨は、あくまでも上層めっき表面に形成される酸化物皮
膜が純粋なAl酸化物とすることにより、酸化物皮膜の
成長による変色を低減するところにある。そして当然の
ことながら、純Alめっき層中に含まれる不純物金属元
素の含有量が増加するほど、形成される酸化物皮膜中に
含まれる不純物元素の含有量も増加するため、本発明の
主旨を逸脱してしまう。従って、上層純Alめっき層の
純度は99%以上とすべきであり、好ましくは99.5
%以上とするのが良い。
【0014】次に、下層であるAl系めっき層は、純A
lめっき以外にも各種Al系合金めっきが含まれる。下
層が純Alめっきの場合には、特に強度の加工性に対し
て有利である。尚純Alめっき層の場合には、素地鋼板
との合金化によるFe−Al金属間化合物層への変化が
起こり易いが、中間層のバリアー効果により、めっき最
表面まで該Fe−Al金属間化合物層が成長することが
抑制されるために、特に耐変色性が劣るという問題は生
じない。但し、下層めっきが、第2元素としてSi,C
r,Cu,Ti,Mn等の1種または2種以上添加した
Al系合金めっき層とした場合には、素地鋼板との合金
化反応が純Alめっき層に比べて抑制されるため、下層
めっき層がFe−Al金属間化合物層に変化しにくく、
結果としてめっき表面の黒変化に対してはより一層有利
となる。この様な第2元素の添加効果を顕著に発揮する
ためには、下層めっき層中に該添加元素を合計で1〜3
0%(重量%の意味、以下同じ)含有することが必要で
ある。添加量が1%未満では、添加効果が殆ど発揮され
ず、純Alめっき層とほぼ同じ合金化挙動を示す。また
その添加効果は、5%以上でより顕著に現れるが、30
%を超えて添加しても、素地鋼板との合金化抑制効果は
ほぼ飽和してしまい、Si,Cu等の添加の場合には、
却って下層めっき層自身の耐食性が低下してしまうた
め、好ましくない。従って、下層Al系合金めっき層中
に上記第2元素を添加する場合は、その含有量は、1〜
30%とするのがよい。
【0015】下層となる純Alめっき層またはAl系合
金めっき層の厚さについては、特に限定されるものでは
なく、使用環境等の条件により適宜設定すればよいが、
特に使用温度が550℃を超える場合や、高温腐食性雰
囲気下で使用する場合には、上層純Alめっき膜厚と同
様にめっき膜厚を増大させることが耐熱性、耐食性の面
で好ましく、具体的には、5〜20μmの範囲が推奨さ
れる。また本発明のAlめっき鋼板においては、耐白錆
性やプレス加工性を向上させる目的で上層のAlめっき
層表面に、Alの水酸化物を主成分とする化成処理皮膜
を形成することも有利である。
【0016】次に、本発明の製造方法について説明す
る。本発明においてはめっき層構造はいわゆる3層構造
を有しており、まず下層の純AlまたはAl系合金めっ
き層を素地鋼板に付与する。この下層めっき層の形成
は、溶融めっき法、非水電気めっき法、真空蒸着法のい
ずれかを用いてもよい。尚非水電気めっき法とは、水溶
液を使用しない有機溶媒系からの電気めっき方法および
溶融塩電解法が含まれる。また真空蒸着法には、一般の
蒸着めっき法以外に、イオンプレーティング法、スパッ
タリング法、CVD法等が含まれる。要は、付与するA
1系めっきの種類やめっき層厚に応じて、上記製造方法
を適宜選択することが望ましい。例えば、下層めっきと
して、純A1めっきやA1−Si合金めっき層を形成さ
せる場合には、公知の溶融めっき法が好ましく、純Al
めっきや溶融めっき法では困難な他のA1系合金めっき
層を形成する場合には、非水電気めっき法や真空蒸着法
が望ましい。
【0017】上記の様にして下層A1系めっき層を形成
した後、その上に中間層となるA1系酸化物層を形成す
る方法としては、酸化性雰囲気下での下層めっき表面の
酸化反応による形成方法と真空蒸着法によって酸化物皮
膜を直接付与する方法がある。前者の方法は、下層めっ
き層の表面を酸化性雰囲気(例えば大気中)にて加熱し
て酸化させ、その表面にA1系酸化物皮膜を形成させる
方法である。形成された酸化物皮膜と下層A1系めっき
層との密着性は良好であり、0.1〜3μm程度の酸化
物膜厚の範囲では、更に上層純A1めっき層が付与され
た最終めっき層構造の状態でも、製品の加工時にめっき
層の剥離等が生じることはない。
【0018】尚、酸化性雰囲気にて加熱して酸化させる
ときの、加熱温度、加熱時間、加熱雰囲気(ガス成分)
および下層A1系めっき種類によって成長する酸化物皮
膜の膜厚は変化するため、適宜処理条件を調整する必要
があるが、例えば大気雰囲気中での加熱酸化処理では、
加熱温度400℃以上で酸化物皮膜の成長が促進され、
処理時間も短くてすむ。但し、400℃以上の加熱処理
では、下層A1系めっきが純A1めっきの場合には、直
ちに素地鋼板と純A1めっき層との界面で合金化反応が
起こり、Fe−A1金属間化合物層が下層めっき層と素
地鋼板との界面に形成され始める。また該金属間化合物
層が約5μm厚さ以上に成長すると、厳しい加工を加え
ると素地鋼板と下層めっき層との界面でめっき層の部分
剥離が生じたりする可能性があるため、めっき層の加工
性が低下する場合がある。従って、最終製品の用途によ
り特に加工性が要求される様な場合には、酸化物皮膜付
与のための加熱処理温度を350〜400℃程度の範囲
で設定することによって、該金属間化合物の成長を抑制
したり、また下層A1系めっき層自身が素地鋼板との合
金化反応が生じにくい様なA1系めっき(例えばA1−
Si系合金)を用いることが望ましい。
【0019】一方、真空蒸着法によって酸化物皮膜を形
成する方法は、中間層となるA1系酸化物皮膜を直接真
空蒸着法によって下層A1系めっき層表面に付与する方
法である。この様な方法として、例えば電子線加熱方式
による真空蒸着法やスパッタリング法によりA1系酸化
物皮膜を直接蒸発(昇華)させる方法、反応性イオンプ
レーティング法により金属A1の蒸気とプラズマ酸素を
反応させる方法、各種CVD方法等があり、これによっ
て所望の膜厚のA1系酸化物皮膜を付与させることが可
能である。この真空蒸着法により形成された中間層なる
A1系酸化物皮膜は、下層A1系めっき層との界面でわ
ずかに反応するため、両層間の密着性は良好である。
【0020】この様にして得られた中間層の表面に、次
に上層の純A1めっき層が真空蒸着法により付与され
る。上層の純A1めっき層を付与する方法として真空蒸
着法を採用する理由は、下記の通りである。即ち、溶融
めっき方法により、中間層であるA1系酸化物皮膜層の
表面に純A1めっき層を施そうとすると、溶融状態のA
1が中間層の表面ではじき易く、めっきムラが生じて均
一な上層めっき層を中間層の表面に形成させることが出
来ない。また高温A1溶融浴に浸漬してめっきする方法
では、先に形成した下層のA1系めっき層が一部溶融し
たり、素地鋼板との合金化反応を生じたりして所望の下
層めっき層を維持できなくなる。更に、各種塩化物塩、
フッ化物塩等を用いたフラックス法による前処理を用い
ることで、めっきのはじき現象を防止する方法では、予
め形成させていた中間層のA1系酸化物皮膜層をフラッ
クスにより除去してしまうことになるので、本発明のめ
っき層構造が得られなくなる。非水系電気めっき法にて
上層純A1めっきを付与する方法については、まず有機
溶媒系による電気めっき方法では、被処理材表面が酸化
物皮膜で覆われているため、その表面が絶縁性を示し、
上層A1めっきが付与出来ず、また溶融塩電解法による
電気めっき方法では、溶融塩との反応によりせっかく付
与していたA1系酸化物皮膜層が除去されてしまう。従
って、溶融めっき方法および非水系電気めっき方法で
は、中間層であるA1系酸化物皮膜層で覆われた被処理
材表面に、均一に且つ酸化物皮膜層を健全に維持したま
まで上層の純A1めっき層を容易に付与することが困難
である。
【0021】真空蒸着法により上層の純A1めっき層を
付与させる方としては、電子線加熱方式または高周波誘
導加熱方式等により、溶融A1浴表面からA1蒸気を発
生せしめ、下層および中間層が既に付与された被処理材
表面に所望の膜厚の純A1めっき層を容易に付与させる
ことが可能である。また、中間層であるA1系酸化物皮
膜表面との界面でわずかに反応が生じ、上層純A1めっ
き層と中間層との密着性も良好なものが得られる。特
に、中間層のA1系酸化物皮膜層を真空蒸着法により形
成する場合には、中間層−上層の順で、まず下層めっき
層が覆われた被処理材表面に中間層を形成させ、引き続
き上層めっきを付与させることで連続的に真空蒸着法に
より形成させることが可能である。以上の様にして、本
発明の上層純A1めっき/中間層A1系酸化皮膜/下層
A1系めっきなる3層構造のめっき層を有するA1系め
っき鋼板を工業的に得ることができる。
【0022】尚、本発明の製造方法において、めっき後
処理として、めっき外観の向上のためのスキンパス圧延
処理、耐食性向上のためのクロメート処理等を行うこと
は、本発明のめっき製品の品質を向上させる上で望まし
い。但し、A1の水和酸化物を主成分とする化成処理皮
膜を上層めっき層の表面に形成させる場合には、その後
でスキンパス処理やクロメート処理を行なえばよい。
【0023】ところで、本発明のA1系めっき鋼板にお
いては、耐白錆性やプレス加工性等を向上させるという
観点からして、上層めっき層の表面に、A1の水和酸化
物を主成分とする化成処理皮膜を更に形成することも有
効であることは上述した通りであるが、この様な化成処
理皮膜を形成するに当たっては、例えば上層めっき層の
表面温度が200〜70℃である状態にて後めっき層表
面と水を接触させれば良い。このときのめっき層表面が
200℃を越えると水とA1系めっき層との接触による
反応が急速すぎるため、生成する水酸化物主体の化成処
理皮膜の膜厚が厚くなりすぎる傾向があり、70℃未満
では化成処理皮膜が殆ど形成されない。また水との接触
はその状態が気体、液体の如何を問わないが、鋼板との
接触温度は200〜70℃の範囲内である必要があるの
で、水蒸気の噴霧、熱水中への浸漬、熱水の噴霧、もし
くはこれらの併用が好ましい。更に熱水中に可溶性燐酸
化合物を含有させることによって、生成する化成処理皮
膜中に一部アルミの燐酸塩化合物を含有する結果とな
り、化成処理皮膜がより強固になり、耐食性が一段と向
上するという結果がある。この様な可溶性燐酸化合物の
種類としては、正燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸等の縮合燐
酸、亜燐酸、次亜燐酸等の各種燐化合物、およびこれら
のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等がある
が、溶液のpH、溶解度等を考慮すると燐酸二酸素ナト
リウムが好適である。また、可溶性燐酸塩の濃度は0.
1g/l以上で燐酸塩添加の効果が発揮されはじめ、燐
酸塩の濃度が50g/lを越えると燐酸塩添加の効果が
飽和するのみならず、処理槽、スプレー装置等に水分が
蒸発して生じる燐酸塩結晶の量が増加して不都合が生じ
るので、0.1〜50g/l程度が好適である。
【0024】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に微して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0025】
【実施例】冷延鋼板または溶融A1−Siめっき(下層
めっき)鋼板を被処理原板として用い、各種めっき構
造、組成を有する各種A1系めっき鋼板を作製した。尚
被処理原板に冷延鋼板を用いた場合は、下層、中間層、
上層めっきを電子線加熱方式による真空蒸着法にて施
し、各種A1系めっき鋼板を製作した。また被処理原板
に溶融A1−Siめっき鋼板を用いた場合は、中間層は
酸化性雰囲気下による加熱処理法、電子線加熱方式によ
る真空蒸着法、および両法の併用により施し、上層は、
電子線加熱方式による真空蒸着法にて施すことにより、
各種A1系めっき鋼板を作製した。
【0026】このときの真空蒸着めっき処理条件は下記
の通りである。 (真空蒸着めっき処理条件) 被処理帯:(1)冷延鋼板(低炭素A1キルド鋼) (2)溶融A1−Siめっき鋼板(低炭素Ti−Nb添
加鋼) 被処理帯前処理:(1)冷延鋼板の場合は、アルカリ電
解脱脂−水洗−乾燥後にH2 −N2 混合ガスによるガス
還元炉に導入し、鋼板表面の還元による清浄化前処理を
施した。 (2)溶融A1−Siめっき鋼板の場合は、脱脂−水洗
−乾燥後に、不活性ガス雰囲気下にてめっき前予熱し、
蒸着めっき処理前に、真空中にてArイオンボンバード
メント処理を施した。 めっき前の被処理帯温度:180〜250℃ 蒸発原料:(1)下層 A1(純度99.7%以上)
または、各種A1合金 (2)中間層 高純度A123 (純度98%以上) (3)上層 A1(純度99.7%以上) 蒸発層:高純度電融アルミナ蒸発槽 蒸発原料の加熱蒸発源:ピアス型電子銃 蒸着室真空度:下層および上層処理時,2×10-2Pa
以下 中間層処理時,1×10-1Pa以下 得られた各A1系めっき鋼板について、下記に示す条件
で高温耐変色性評価試験を行なった。その結果を、各A
1系めっき鋼板のめっき層構造と共に表1〜3に示す。
【0027】(高温耐変色性評価試験)大気雰囲気下に
て、300〜600℃の温度範囲にて加熱サイクル試験
を行ない、めっき表面の変色を調査した。加熱サイクル
試験は、所定温度まで昇温(1時間)−保持(8時間)
−急冷を1サイクルとし、合計20サイクル実施した。
めっき表面の耐変色性は、加熱試験後のめっき表面の明
度(L値)および光沢度(G値)の変化(減少)にて評
価した。 ○:耐変色性優れる ;試験前の明度および光沢度とほ
とんど低下がない △:耐変色性やや劣る;試験前の明度および光沢度より
もやや低下し、めっき外観がやや灰色化する ×:耐変色性劣る;試験前の明度および光沢度よりもか
なり低下し、めっき外観が明らかに黒変化する
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表1〜3から明らかなように、本発明で規
定する要件を満足する実施例のものは、優れた耐変色性
を有していることがわかる。これに対し、本発明で規定
する要件を満足しないもの、例えば3層めっき構造を有
しない場合、または3層めっき構造であっても中間層で
ある酸化物皮膜の膜厚が本発明で規定する値より少ない
場合やA1系酸化物皮膜で構成されていない場合、更に
は上層純A1めっき膜厚が本発明で規定する値よりも少
ない場合は、耐変色性が不十分であることがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、上
層、中間層および下層からなる3層構造のめっき層を有
するA1系めっき鋼板とすることによって、従来のAl
系めっき鋼板に比べて耐変色性を大幅に改善することが
できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入江 広司 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 綾部 東太 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面にAl系めっき層が形成された
    Al系めっき鋼板であって、前記Al系めっき層が下記
    (a)〜(c)の3層からなるめっき層構造を有するも
    のであることを特徴とする耐高温変色性に優れたAl系
    めっき鋼板。 (a)上層めっき層:厚さ1μm以上、純度99重量%
    以上のAl蒸着めっき層 (b)中間層:厚さ0.1μm以上のAl系酸化物層 (c)下層めっき層:Alめっき層またはAl系合金め
    っき層
  2. 【請求項2】 下層めっき層が、Si,Cr,Ti,C
    uおよびMnよりなる群から選ばれる1種以上の金属元
    素を1〜30重量%含有し、残部がAlおよび不可避不
    純物からなるAl系合金めっき層である請求項1に記載
    のAl系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 前記上層めっき層の表面に、Alの水和
    酸化物を主成分とする化成処理皮膜が形成されたもので
    ある請求項1または2に記載のAl系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 溶融めっき法、非水系電気めっき法また
    は真空蒸着法のいずれかの方法によって素地鋼板上にA
    l系めっき層またはAl系合金めっき層を形成した後、
    酸化性雰囲気下による加熱処理法または真空蒸着法によ
    りAl系酸化物皮膜層を形成し、更にその表面に、真空
    蒸着法によって純度99重量%以上のAlめっき層を形
    成することを特徴とする耐高温変色性に優れたAl系め
    っき鋼板の製造方法。
JP31553993A 1993-12-15 1993-12-15 耐高温変色性に優れたAl系めっき鋼板およびその製造方法 Withdrawn JPH07166370A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116770245A (zh) * 2023-06-13 2023-09-19 广州鑫铂颜料科技有限公司 一种采用真空镀膜工艺制备金属表面防护涂层的方法

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CN116770245A (zh) * 2023-06-13 2023-09-19 广州鑫铂颜料科技有限公司 一种采用真空镀膜工艺制备金属表面防护涂层的方法
CN116770245B (zh) * 2023-06-13 2023-12-05 广州鑫铂颜料科技有限公司 一种采用真空镀膜工艺制备金属表面防护涂层的方法

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