JPH0716586U - 磁石発電機の回転子 - Google Patents

磁石発電機の回転子

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JPH0716586U
JPH0716586U JP4637993U JP4637993U JPH0716586U JP H0716586 U JPH0716586 U JP H0716586U JP 4637993 U JP4637993 U JP 4637993U JP 4637993 U JP4637993 U JP 4637993U JP H0716586 U JPH0716586 U JP H0716586U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リラクタによりバランス修正作業性が低下さ
れるのを回避する。 【構成】 略椀形状のヨーク11の内周に複数個のマグ
ネット20が配され、ヨーク11側壁にリラクタ13が
径方向外向きに突設された磁石発電機の回転子におい
て、ヨーク11の底壁にはヨーク内にマグネット20群
が収容されて仮に位置決めされる際に治具43、44が
挿通される治具挿通孔17が複数個、周方向に間隔を置
いて開設されている。治具挿通孔17群のうちリラクタ
13のヨーク11の回転中心とを通る直線上に位置する
治具挿通孔の大きさが、他の治具挿通孔の大きさに対し
てリラクタ13の回転バランスに対応して変更されてい
る。 【効果】 ヨーク11の回転バランスはリラクタ13の
存在にかかわらず、予め均衡しているため、磁石発電機
の回転子全体としての回転バランスを修正する際に、そ
の修正作業はリラクタが省略されるため、簡単になる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、磁石発電機の回転子に関し、特に、回転バランスの修正技術に係り 、例えば、オートバイやバギー等の小型または特殊車両に搭載する磁石発電機の 回転子に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、オートバイやバギー等の小型または特殊車両においては、フェライト マグネット等のような永久磁石(以下、マグネットという。)を利用した磁石発 電機が使用されることがある。
【0003】 この種の磁石発電機は、ヨークの内周に複数個のマグネットを等間隔で配列固 定されることにより構成されている回転子と、コアにおける放射状の複数箇所に コイルを巻装されることにより構成されている発電子とを備えており、前記回転 子がエンジンに駆動されて発電子の周囲を回転することにより、発電子の各磁極 コイルにおいて起電力を誘起せしめるように構成されている。
【0004】 従来、このような磁石発電機に使用される回転子として、ヨークの側壁にリラ クタが径方向外向きに膨出成形されており、このリラクタの通過をマグネチック ピックアップセンサーによって検出することにより、点火時期信号を得るように 構成されているものがある。
【0005】 一方、従来のこの種の磁石発電機の回転子においては、周方向にそれぞれ配置 されたマグネットの製品ばらつきや、ヨーク自体の厚さのばらつき等が原因にな って、磁石発電機の回転子全体としての回転バランスが不均衡になるため、組立 作業後に、ドリル等を使用してヨークの閉塞壁面または側壁面に穿孔することに より回転バランスの修正作業が実施されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、ヨークにリラクタが膨出成形された磁石発電機の回転子におい ては、ヨーク単品時にリラクタの分だけ大きくアンバランスの状態になっている ため、磁石発電機の回転子全体としての回転バランスの修正作業に際して、その 他のアンバランス条件と相乗した場合に、修正する条件(質量および位置)が増 加してしまい、バランス修正の作業性が低下してしまう。
【0007】 本考案の目的は、リラクタの存在によってバランス修正の作業性が低下するの を回避することができる磁石発電機の回転子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る磁石発電機の回転子は、略椀形状のヨークの内周に複数個のマグ ネットが間隔をおいて配されているとともに、ヨークの側壁の一部にリラクタが 径方向外向きに突設されている磁石発電機の回転子において、 ヨーク内に複数個のマグネットが収容されて仮に位置決めされるに際して治具 が挿入される治具挿通孔が複数個、前記ヨークの底壁に周方向に間隔を置いて開 設されており、これら治具挿通孔のうち前記リラクタとヨークの回転中心とを通 る直線上に位置する治具挿通孔の大きさが、他の治具挿通孔の大きさに対して前 記リラクタの回転バランスに対応して変更されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】
前記した手段によれば、リラクタに対向した位置の治具挿通孔の大きさがリラ クタによるアンバランスを解消するように予め設定されているため、ヨーク単品 の回転バランスはリラクタの存在にかかわらず、予め略均衡した状態になってい る。したがって、磁石発電機の回転子の組立後に、全体としての回転バランスを 修正するに際して、その修正作業はリラクタの分を加味しなくて済むため、簡単 になる。
【0010】
【実施例】 図1(a)、(b)、(c)は本考案の一実施例である磁石発電機の回転子の 製造方法を示す各一部切断斜視図である。図2はヨークを示しており、(a)は 一部省略平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う正面断面図、(c)は一部省 略底面図である。図3はカバーを示しており、(a)は一部省略平面図、(b) は正面断面図、(c)は一部省略底面図である。図4は本考案の一実施例である 磁石発電機の回転子を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線 に沿う正面断面図である。図5以降は本考案の一実施例である磁石発電機の回転 子の製造方法における各工程を示す説明図である。
【0011】 本実施例において、本考案に係る磁石発電機の回転子はヨークと、複数のマグ ネットと、カバーとを備えている。ヨーク11は磁性材料により上面が開口し下 面が閉塞した略椀形状に一体成形されており、円筒形状の筒壁12にはリラクタ 13が周方向および軸方向に所定の幅をもって、径方向外向きに突設されている 。したがって、ヨーク11の単品としての回転バランスはこのリラクタ13の分 が大きく不均衡な状態になっている。
【0012】 ヨーク11の下面閉塞壁14には、この回転子をエンジンに直結させるボス( 図示せず)を挿通するための軸孔15が中心に開設されている。ヨーク11の下 面閉塞壁14の軸孔15の外方位置には後述するヨーク位置決め治具を取り付け るのに使用される円形孔16が一対、同心円上において180度の位相差をもっ てそれぞれ穿設されている。また、ヨーク11の閉塞壁14における外周辺部に は、後述するマグネット軸方向セット治具を挿通するための治具挿通孔としての 長円孔17が複数個(本実施例においては、12個)、同心円上において周方向 に等間隔に穿設されている。本実施例において、複数個の長円孔17のうち、リ ラクタ13の近傍に位置する2個の長円孔17Aおよび17Bは、残りの長円孔 17に比べて周方向の長さが長くそれぞれ構成されており、長くなった分によっ て前記したリラクタ13の分による回転バランスの不均衡が修正されるようにな っている。
【0013】 さらに、ヨーク11の閉塞壁14の底面にはカバーを固定するための凸部18 が複数個(本実施例においては、8個)、円形孔16群と長円孔17群との間の 同心円上において周方向に等間隔に配されて、閉塞壁14の一部を外面から突き 上げられることにより軸心方向内向きに突設されており、この凸部18は後述す るようにカバーに穿設された固定孔に挿通されてかしめ加工され得るように構成 されている。
【0014】 なお、ヨーク11の閉塞壁14には冷却ファン取り付け用の雌ねじ孔19が複 数個、円形孔16群付近の同心円上において周方向に等間隔に開設されている。 また、ヨーク11の筒壁12の開口縁には巻きかしめ代部は設けられていない。
【0015】 マグネット20はヨーク11の深さ以下の高さを有し、幅方向においてヨーク 11の内周に沿って弯曲した円弧形状を有する略直方体に一体成形されている。 マグネット20の円弧形状の内周面(以下、腹面という。)21の左右両端部に は傾斜面部23が外周面(以下、背面という。)22に左右両端部に行くに従っ て近付くようにそれぞれ形成されている。両側の立ち上がり側面24および24 はヨーク11の中心を通る法線についての接線に対して直角になるように形成さ れており、上面25と下面26は互いに平行に形成されている。
【0016】 カバー30は薄鉄板等の金属材料が用いられて絞りプレス加工等により一体成 形されており、後述するマグネット20群が構成する円筒内に圧入する略円筒形 状に形成されている。すなわち、カバー30は円形の筒壁31を備えており、こ の筒壁31の外径はマグネット20群が構成する円筒の内径よりも若干大径に形 成されている。カバー30の筒壁31の一端(以下、上端とする。)には、外側 鍔部32が径方向に外向きに突出した円形ドーナツ状に形成されている。
【0017】 また、カバー30の筒壁31の下端には、内側鍔部33が円形ドーナツ形状に 一体的に成形されている。内側鍔部33の内径は、ヨーク11に配列された凸部 18群の配列径よりも小径で、円形孔16、16の配列径と等しいかまたは若干 大径に設定されている。内側鍔部33における径方向の中間部には固定孔34が ヨーク11の凸部18群と同数個(本実施例においては、8個)、それぞれがヨ ーク11の凸部18群と整合するように開設されており、各固定孔34は各凸部 18をそれぞれ挿通し得るように形成されている。
【0018】 また、内側鍔部33の内周縁には切欠部35が複数個(本実施例においては、 8個)、略半円形状に形成されており、この切欠部35群によってヨーク11の 円形孔16群および雌ねじ孔19群を適宜逃げ得るようになっている。さらに、 内側鍔部33の内周縁には剛性付与部36が、切欠部35を含めて全周にわたっ て曲げ起こし成形されている。この剛性付与部36は絞り加工等により、内側鍔 部33の内周縁部が全周にわたって一定高さに軸方向内向きに曲げ起こし成形さ れ、後述するカバー30の圧入時に充分な剛性を付与するようになっている。
【0019】 次に、前記構成に係る各部品による製造方法を説明することにより、本考案の 一実施例である磁石発電機の回転子の構成の詳細を説明する。
【0020】 まず、図1(a)および図5に示されているように、ヨーク11は磁石発電機 の回転子の製造装置40のベース41上にセットされる。この際、ヨーク11に おける一対の各円形孔16、16には一対のヨーク位置決め治具42、42がそ れぞれ挿通される。また、長円孔17群にはマグネット周方向位置決め治具(以 下、マグネット用第1治具という。)43およびマグネット軸方向セット治具( 以下、マグネット用第2治具という。)44がそれぞれ挿通される。
【0021】 ここで、マグネット用第1治具43群およびマグネット用第2治具44群はベ ース41にスプリング45によってそれぞれフローティング支持されており、上 下方向に移動し得るようになっている。マグネット用第1治具43群はマグネッ ト20と同数個(本実施例においては、4個)が、長円孔17群の配列径と同心 円上において周方向に等間隔に配設されている。また、各マグネット用第1治具 43の周方向両側端辺には肩部43a、43aがそれぞれ形成されている。他方 のマグネット用第2治具44群は長円孔17群の個数からマグネット20の個数 を引いた個数(本実施例においては、8個)が、長円孔17群の配列径と同心円 上において各第1治具43の両脇にそれぞれ配設されている。
【0022】 続いて、図1(a)および図5に示されているように、複数個(本実施例にお いては、4個)のマグネット20が、ヨーク11内に円形環状に配置される。こ の際、マグネット20は背面22がヨーク11の内周面に当接された状態で、下 面26が2個の第2治具44上にそれぞれ載置されるとともに、両方の側面24 、24が両脇の第1治具43、43の側面に、また下面26の端部が第1治具4 3、43の肩部43a、43aにそれぞれ係合される。この状態において、マグ ネット20は第1治具43により周方向について位置決めされる。また、マグネ ット20は第2治具44、44により上限に位置されて上下方向についてフロー ティング支持された状態になっている。
【0023】 次に、図1(a)および図6に示されているように、ヨーク11の内周に環状 に整列されたマグネット20群の内側に、マグネット20群が構成する円形内周 面の直径よりも若干大径の外径を有する円筒形状に形成されているカバー30が 嵌入具50により圧入される。この圧入に伴って、カバー30の筒壁31におけ る各隣合うマグネット20、20間にそれぞれ対向した部分が、この各空間内に それぞれ膨出されて各マグネットの周方向位置決め部37がそれぞれ形成される 。
【0024】 ここで、嵌入具50の外径は下側が小径で上側が大径の2段円柱形状に形成さ れており、下側の小径部51はカバー30の筒壁31の内径よりも若干小径に、 上側の大径部52はカバー30の外側鍔部32の外径と略同径にそれぞれ形成さ れている。
【0025】 嵌入具50にはヨーク位置決め孔53が円形孔16と同数個(本実施例におい ては、2個)、軸方向にそれぞれ開設されている。この各ヨーク位置決め孔53 に各ヨーク用位置決め治具42がそれぞれ相対的に挿入されることにより、嵌入 具50とヨーク11およびマグネット20群との周方向の位置決めが確保される 。
【0026】 嵌入具50の小径部51の下面には挿通孔54がヨーク11の凸部18と同数 個(本実施例においては、8個)、軸方向に開設されている。また、嵌入具50 の小径部51の下面には環状溝55がカバー30の剛性付与部36を収容し得る ように没設されている。前記した位置決め状態により、各挿通孔54には各凸部 18が、また、環状溝55には剛性付与部36がそれぞれ整合して挿入し、凸部 18および剛性付与部35への嵌入具50の干渉が回避されている。
【0027】 カバー30がマグネット20群に最終行程迄圧入されると、その内側鍔部33 がヨーク11の閉塞壁14の底面に当接した状態になる。この状態において、内 側鍔部33に開設された各固定孔34はヨーク11の閉塞壁14の底面に突設さ れた各固定用凸部18にそれぞれ嵌合した状態になる。
【0028】 この状態で、図1(b)および図7に示されているように、嵌入具50の挿通 孔54にかしめ具56が挿入されることにより、カバー30の固定孔34に挿通 されたヨーク11の凸部18の突出端部がかしめ加工される。そして、このかし め加工後の凸部18群により、カバー30はその内側鍔部33の全周においてヨ ーク11の閉塞壁14に円形環状に固定された状態になる。
【0029】 次に、嵌入具50が脱装された後に、図1(c)および図8に示されているよ うに、カバー30の内側に塑性装置60が挿入される。この塑性装置60によっ て、カバー30の筒壁31における内側鍔部33側にマグネット軸方向位置決め 部38が、マグネット20群の下面26とヨーク閉塞壁14との間の空間におい てマグネット下面26に沿って円形環状に、または少なくともマグネット下面部 分も強く押し出された形状に膨出成形される。
【0030】 ここで、塑性装置60は下側に配置されている本体と、上側に配置されている 操作具とを備えている。塑性装置60がカバー30の内側に挿入された状態にお いて、本体61はヨーク11の底壁14に押接された状態になっており、この本 体61の底部には張り出し具62が複数基(本実施例においては、4基)、放射 線状(本実施例においては、十字状)に配されて径方向内外に摺動自在にそれぞ れ装着されている。各張り出し具62の径方向外側端面はカバー30の筒壁31 に法線上において内側からそれぞれ対向されている。
【0031】 各張り出し具62の径方向内側端部には、ストローク変換手段の一方である被 動側傾斜面部63が垂直方向上向きにそれぞれ突設されており、各傾斜面部63 の上端部には傾斜面が外側上がりにそれぞれ形成されている。各傾斜面部63の 径方向外側面と本体61の径方向内側面との間には圧縮スプリング64が蓄力状 態でそれぞれ介設されている。したがって、各張り出し具62はスプリング64 によって径方向内向きに常時付勢されて後退位置に待機された状態になっている 。また、本体61における各傾斜面部63の真上には各ガイド孔65が垂直方向 にそれぞれ開設されている。
【0032】 他方、操作具66は本体61に垂直方向に摺動自在に嵌合されている。操作具 66の外径は下側が小径で、上側が大径の2段円柱形状に形成されており、下側 の小径部67の外径はカバー30の筒壁31の内径よりも若干小径に、上側の大 径部68の外径はカバー30の外側鍔部32の外径と略同径にそれぞれ形成され ている。
【0033】 操作具66の小径部67の下面にはガイド凹部69が同心に配されて没設され ており、このガイド凹部69の内周面には本体61の外周面が摺動自在に嵌入さ れている。ガイド凹部69内の下面には、ストローク変換手段の他方である各原 動側傾斜面部70が被動側傾斜面部63に対向するように配されて、垂直方向下 向きにそれぞれ突設されており、各原動側傾斜面部70の下端部には傾斜面が外 側上がりにそれぞれ形成されている。そして、各原動側傾斜面部70は本体61 の各ガイド孔65にそれぞれ摺動自在に嵌入されており、各原動側傾斜面部70 の下向き傾斜面は各被動側傾斜面部63の上向き傾斜面にそれぞれ摺動自在に当 接されている。
【0034】 各張り出し具62がカバー30の筒壁31の底部に対向された状態で、操作具 66が下降されると、被動側傾斜面部63が原動側傾斜面部70を相対的に摺動 することにより、各張り出し具62が径方向外側に押し出される。この各張り出 し具62の外側への移動によって、カバー30の筒壁31の内側鍔部側が径方向 外側に膨出されるため、マグネットの軸方向位置決め部38が環状に形成される 。
【0035】 このカバー30の軸方向位置決め部38の膨出成形と同時に、操作具66の大 径部68の下面がカバー30の外側鍔部32を押し下げるため、軸方向位置決め 部38はカバー30のマグネット端面26と内側鍔部33との間の部分のみを引 っ張って形成することなく、押し下げられて来る筒壁31の余肉をもって形成さ れることになる。したがって、軸方向位置決め部38の膨出成形に起因して、カ バー30の内側鍔部33が引き千切られたり、軸方向位置決め部38が極端な薄 肉部となってマグネット固定強度が低下したりすることはない。
【0036】 一方、押し下げられたカバー30の外側鍔部32の下面が各マグネット20の 上面25に当接すると、各マグネット20は各マグネット用第2治具44により 上方に向かって押し上げられるようにフローティング支持されているため、各マ グネット20の高さはカバー30の外側鍔部32の下面、すなわち、操作具66 の大径部62における下面のレベルにおいて揃えられた状態になる。
【0037】 軸方向位置決め部38が形成された後、操作具66が上昇される。操作具66 が上昇されると、各張り出し具62が各スプリング64によって径方向内側に後 退される。続いて、操作具66および本体61の塑性装置60がカバー30の内 側から上方へ抜き出される。次いで、ヨーク11がベース41上からリセットさ れる。
【0038】 以上の工程によって、図4に示されている磁石発電機の回転子が製造されたこ とになる。すなわち、各マグネット20はカバー30の外側鍔部32の下面で高 さを揃えられた状態で、外側鍔部32と軸方向位置決め部38との間で挟持され て固定された状態になる。
【0039】 その後、この磁石発電機の回転子には全体としての回転バランス修正作業が実 施される。この作業に際して、ヨーク11単品としての回転バランスはリラクタ 13が膨出成形されているにもかかわらず、複数個の長円孔17のうちリラクタ 13の近傍に位置する2個の長円孔17Aおよび17Bの周方向の長さが長く形 成されることにより、リラクタ13のアンバランスが解消されているため、リラ クタ13のアンバランスの分についての修正を実施しなくて済む。
【0040】 ここで、ヨーク11の単体おける回転バランスに占めるリラクタ13のアンバ ランスの割合は比較的に大きいため、磁石発電機の回転子全体としての回転バラ ンスの修正作業において、このリラクタ13のアンバランスを同時に修正しよう とすると、マグネット20の製品ばらつきや、ヨーク11およびカバーの厚さば らつき等による他のアンバランスがこのリラクタ13のアンバランスに重畳して しまうため、磁石発電機の回転子全体としての回転バランスの修正工数が増大す る。すなわち、磁石発電機の回転子全体としての回転バランスの修正作業に際し て、回転子の回転を何度も繰り返してバランス修正位置および修正質量を探す作 業の頻度が増加するため、その作業性がきわめて低下する。
【0041】 しかし、本実施例においては、磁石発電機の回転子全体としての回転バランス の修正作業に際して、前述した通り、リラクタ13によるアンバランスが介在し ないため、磁石発電機の回転子全体としての回転バランスの修正作業がきわめて 簡単になり、その作業性が飛躍的に向上されることになる。ちなみに、治具挿通 孔17はヨーク11の閉塞壁14の最外周部に形成されているので、治具挿通孔 17A、17Bと他の挿通孔17との大小の差が小さくても充分アンバランスを 修正することができる。
【0042】 なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない 範囲において、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0043】 例えば、ヨーク11におけるリラクタ13のアンバランスを解消するために、 リラクタ13近傍に位置する治具挿通孔17Aおよび17Bを大きく変形するに 限らず、複数個の治具挿通孔17のうちリラクタ13に回転中心を挟んで対向す る治具挿通孔17を他の挿通孔に対して小さくするように構成してもよい。また 、治具挿通孔の大きさは、本実施例では円周方向の長さを異ならせてあるが、円 周方向の長さは同じにして径方向の幅を変更するように構成してもよい。さらに は、リラクタと回転中心を通る直線上の近傍の複数の治具挿通孔を変更するよう にしてもよい。
【0044】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、磁石発電機の回転子全体としての回転 バランスの修正作業に際して、リラクタによるアンバランスが介在しないため、 磁石発電機の回転子全体としての回転バランスの修正作業がきわめて簡単になり 、その作業性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である磁石発電機の回転子の
製造方法を示しており、(a)はカバーの挿入工程を示
す一部切断分解斜視図、(b)はカバーの固定工程を示
す一部切断斜視図、(c)はカバーの膨出工程を示す一
部切断斜視図である。
【図2】ヨークを示しており、(a)は一部省略平面
図、(b)は(a)のb−b線に沿う正面断面図、
(c)は一部省略底面図である。
【図3】カバーを示しており、(a)は一部省略平面
図、(b)は正面断面図、(c)は一部省略底面図であ
る。
【図4】本考案の一実施例である磁石発電機の回転子を
示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b
線に沿う正面断面図である。
【図5】マグネットの位置決め工程を示す拡大部分正面
断面図である。
【図6】カバー圧入工程を示す拡大部分正面断面図であ
る。
【図7】カバーの固定工程を示す正面断面図である。
【図8】カバーのマグネット軸方向位置決め部形成工程
を示す正面断面図である。
【符号の説明】
11…ヨーク、12…筒壁、13…リラクタ、14…閉
塞壁、15…軸孔、16…円形孔、17…長円孔(治具
挿通孔)、18…凸部、19…雌ねじ孔、20…マグネ
ット、21…円弧形状の内周面(腹面)、22…外周面
(背面)、23…傾斜面部、24…立ち上がり側面、2
5…上面、26…下面、30…カバー、31…筒壁、3
2…外側鍔部、33…内側鍔部、34…固定孔、35…
切欠部、36…剛性付与部、37…周方向位置決め部、
38…軸方向位置決め部、40…磁石発電機の回転子お
よびその製造方法の製造装置、41…ベース、42…ヨ
ーク位置決め治具、43…マグネット周方向位置決め治
具(マグネット用第1治具)、43a…肩部、44…マ
グネット軸方向位置決め治具(マグネット用第2治
具)、45…スプリング、50…嵌入具、51…小径
部、52…大径部、53…ヨーク位置決め孔、54…挿
通孔、55…環状溝、60…塑性装置、61…本体、6
2…張り出し具、63…被動側傾斜面部(ストローク変
換手段)、64…圧縮スプリング、65…ガイド孔、6
6…操作具、67…小径部、68…大径部、69…ガイ
ド凹部、70…原動側傾斜面(ストローク変換手段)。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略椀形状のヨークの内周に複数個のマグ
    ネットが間隔をおいて配されているとともに、ヨークの
    側壁の一部にリラクタが径方向外向きに突設されている
    磁石発電機の回転子において、 ヨーク内に複数個のマグネットが収容されて仮に位置決
    めされるに際して治具が挿入される治具挿通孔が複数
    個、前記ヨークの底壁に周方向に間隔を置いて開設され
    ており、これら治具挿通孔のうち前記リラクタとヨーク
    の回転中心とを通る直線上に位置する治具挿通孔の大き
    さが、他の治具挿通孔の大きさに対して前記リラクタの
    回転バランスに対応して変更されていることを特徴とす
    る磁石発電機の回転子。
JP1993046379U 1993-08-03 1993-08-03 磁石発電機の回転子 Expired - Lifetime JP2575270Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5265354A (en) * 1975-11-26 1977-05-30 Ooe Kagaku Kougiyou Kk Aboslutely not breaking bag for lime drying agent

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